JP2000345232A - 冷間加工性および疲労特性に優れた高清浄鋼の製造方法 - Google Patents

冷間加工性および疲労特性に優れた高清浄鋼の製造方法

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JP2000345232A
JP2000345232A JP11164205A JP16420599A JP2000345232A JP 2000345232 A JP2000345232 A JP 2000345232A JP 11164205 A JP11164205 A JP 11164205A JP 16420599 A JP16420599 A JP 16420599A JP 2000345232 A JP2000345232 A JP 2000345232A
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Yuichi Kanzaki
祐一 神崎
Hisashi Yamana
寿 山名
Susumu Ishiguro
進 石黒
Kazumi Furutani
一己 舊谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた伸線性が要求される極細鋼線や優れた
疲労特性が要求される薄鋼板等に適用される高清浄鋼を
製造するに当たり、鋼中に存在するAl23を低減して
鋼の高清浄化を図ることによって冷間加工性および疲労
特性を良好なものとすることができる高清浄鋼の製造方
法を提供する。 【解決手段】 真空アーク再溶解法で鋼塊を1回または
2回以上溶解することによって、最終鋼塊成分をC:
0.3〜1.0%,Si:0.1〜2.5%,Mn:
0.1〜1.5%とする共に、Alの含有量を、二次イ
オン質量分析法による測定値で2.3〜6ppmになる
様に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた伸線性(冷
間加工性)が要求される極細鋼線や、優れた疲労特性が
要求される薄鋼板等に適用される高清浄鋼を製造する方
法に関し、殊に鋼中に存在するAl23を低減して鋼の
高清浄化を図ることによって、冷間加工性や疲労特性を
より良好なものとすることができる高清浄鋼の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最終製品線径が10〜50μm程度の極
細鋼線は、例えば半導体基板用Si単結晶切断用のワイ
ヤーソーやプラズマディスプレイ発光体印刷用スクリー
ンメッシュ、更にはIC検査用のコンタクトプローブと
呼ばれているマイクロばね等、様々な用途で使用されて
いる。
【0003】一方、従来のスチールコード用鋼線におい
ては、鋼中に存在するAl23系の介在物が伸線時にお
ける断線の原因となるので、この介在物を低減する為の
方策が様々提案されている。例えば特公平6−1048
44号、同7−103416号、および特開平6−21
2237号等には、Al添加量を或る一定量以下に規制
することによって、鋼中のAl23系介在物を低減する
技術が開示されている。
【0004】しかしながら、上記スチールコード用鋼線
は、その最終線径が0.1〜0.5mm(100〜50
0μm)程度であり、前述したワイヤーソーやスクリー
ンメッシュ等に使用される極細鋼線よりも遥かに太いも
のであり、従来のスチールコード製造技術をこの極細鋼
線に適用しても伸線加工に堪え得るだけの製品は望めな
いのが実状である。即ち、ワイヤーソーやスクリーンメ
ッシュ等に使用される極細鋼線の様に、最終線径が10
〜50μmの極細鋼線を断線させずに伸線加工する為に
は、10μm以上の硬質なAl23系介在物を消滅させ
る必要がある。また、こうした硬質なAl23系介在物
は、薄鋼板の疲労特性に対しても悪影響を与えるものと
なる。
【0005】上記各種の用途に使用される鋼材を製造す
るに当たっては、通常、転炉精錬を行った後、取鍋精錬
(LF)処理でスラグ精錬を実施した後、連続鋳造工程
に溶鋼を供給し鋳造するのが一般的である。そして、上
記スチールコード用鋼の場合には、良好な冷間加工性と
疲労特性を確保する為に、Al23系介在物を可及的に
抑制する必要がある。その対策として、溶鋼中にAlを
添加せず、脱酸をSiおよびMnで行ない、LF処理に
おいて高塩基度スラグを用い、Al23系介在物を吸収
する様な操業を行なっている。即ち、操業上はAlの混
入を極力防止しているのであるが、主に添加合金から溶
鋼中に不可避的に混入するので、Al含有量は0.1〜
1ppm程度となる。
【0006】また、従来の知見によると、Si−Mn脱
酸鋼を大気中にて鋳造した場合では、鋼の凝固時に、温
度:1550℃、Mn含有量[Mn]とSi含有量[S
i]の和([Mn]+[Si])が1%で且つ比([M
n]/[Si])が1〜2の条件下で、鋼中のAl含有
量(以下、[Al]と略記することがある)が2ppm
以上になるとAl23系介在物が析出することが知られ
ている[例えば、「鉄と鋼」、藤澤、板尾等、63(197
7),1494(Fig6)]。こうした知見は、実際のスチールコ
ード用鋼製造時の鋼中[Al]と対応しており、Al2
3系介在物をある程度抑制できていると考えられる。
【0007】しかしながら、上記各技術では、ワイヤー
ソーやスクリーンメッシュ材の素材として堪え得る様な
清浄度を備えた鋼材の製造に適用するには、介在物を低
減できる限界を超えているので、新たな介在物除去技術
が望まれているのが実状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
着目してなされたものであって、優れた伸線性が要求さ
れる極細鋼線や優れた疲労特性が要求される薄鋼板等に
適用される高清浄鋼を製造するに当たり、鋼中に存在す
るAl23を低減して鋼の高清浄化を図ることによっ
て、冷間加工性や疲労特性をより良好なものとすること
ができる高清浄鋼の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明の製造方法とは、真空アーク再溶解法で鋼塊を1回ま
たは2回以上溶解することによって、最終鋼塊成分を
C:0.3〜1.0%(質量%の意味、以下同じ),S
i:0.1〜2.5%,Mn:0.1〜1.5%とする
共に、Alの含有量を、二次イオン質量分析法による測
定値で2.3〜6ppmになる様に制御する点に要旨を
有するものである。
【0010】上記製造方法においては、最終鋼塊成分と
して、Co:0.05〜1.0%やCu:0.05〜
1.0%を含有する鋼を用いることも有効である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上記課題を解決す
るという観点から、様々な角度から検討した。その結
果、従来の一般的な方法で得られた鋼塊に対して、真空
アーク再溶解法(以下、「VAR法」と略記することが
ある)を適用して1回または2回以上溶解して、その最
終鋼塊中の[Al]を2.3〜6ppmになる様に制御
すれば、上記目的が見事に達成されることを見出し、本
発明を完成した。
【0012】本発明は上記の如くVAR法を適用するも
のであるが、このVAR法は従来ではステンレス鋼等の
高合金鋼やチタン等の製造に適用され、それらの清浄化
の為にダブルメルトやトリプルメルト等の溶解方式が採
用されている。
【0013】しかしながら、このVAR法は上記の様な
特殊な金属材に限定的に適用されており、本発明で対象
とする鋼材(これを説明の便宜上「普通鋼」と呼ぶこと
がある)に対しては適用されていなかった。そして、こ
れまでのVAR適用鋼種では、最終鋼中Al濃度を可及
的に低くすれば、Al23系介在物が低減すると考えら
れていた。ステンレス鋼をVARダブルメルトしたとき
の鋼中[Al]と長径10μm以上のAl23系介在物
個数との関係を図1に示す。
【0014】また、従来の大気中精錬および鋳造では、
鋼中[Al]を可能な限り低減し、Alの再酸化を抑制
する方策が採用されている。こうした従来方法の一例と
して、C:0.8%、Si:0.4%、Mn:0.5%
の成分で、転炉−取鍋精錬(LF)−ブルーム連鋳工程
で鋳造した鋼の、鋼中[Al]と長径10μm以上のA
23系介在物個数との関係を図2に示すが、この場合
にも図1と同様に上記鋼中[Al]の低下に伴いAl2
3系介在物個数が低減されていることがわかる。
【0015】そして本発明者らは、上記の様なVAR法
について、本発明者らが普通鋼に対する適用可能性につ
いて検討したところ、線径が10〜50μm程度の極細
線超清浄鋼を製造する場合には、鋼中[Al]の適正下
限値が存在することを明らかにしたのである。
【0016】本発明が完成された経緯に沿って、本発明
の作用効果について説明する。本発明者らは、C:0.
7〜0.8%、Si:0.15〜0.2%、Mn:0.
4〜0.5%を主成分とする母材電極の[Al]を0.
2〜30ppmと変化させ、夫々についてVAR溶解を
実施した。その後、最終鋳塊における[Al]を二次イ
オン質量分析法(以下、「SIMS」と略称することが
ある)で分析し、酸溶解−X線マイクロアナライザー
(EPMA)によって、長径10μm以上のAl 23
介在物個数を測定した。その結果を、下記表1および図
3に示す。尚、このときの介在物個数は、酸溶解法によ
る抽出残渣中、長径が10μm以上のAl 23系介在物
の、鋼1kg中に相当する個数を意味する。
【0017】
【表1】
【0018】これらの結果から、最終鋼塊中の[Al]
が2.3〜6ppmの範囲で殆ど消滅し、それ以外の範
囲では逆にAl23系介在物個数が多くなる傾向がある
ことが分かる。即ち、VAR溶解によってAl23系介
在物を還元分解する為には、最終鋼塊中の[Al]を
2.3〜6ppmに抑制する必要があることが分かる。
【0019】本発明によって上記の効果が得られた理由
については、次の様に考えることができる。上記VAR
法が実施される炉内は、10Paという高真空雰囲気で
あるので、介在物中の酸化物成分は還元分解され、Al
23系介在物個数が減少することになる。例えば、高炭
素鋼をVAR溶解に供したときには、Al23系介在物
と平衡する[Al]は約6ppmであり、これ以下であ
ればAl23系介在物は還元分解されることになる。
【0020】一方、鋼中[Al]が更に低くなると、A
23の還元反応速度は溶鋼中の[Al]と酸素濃度の
拡散律速となり、Al23系介在物の還元反応が不十分
となる。こうしたことから、[Al]の制御下限値が必
要となり、それが図3に示した様に2.3ppmとな
る。
【0021】即ち、VAR溶解を1回または2回以上適
用する際に、最終鋼塊における鋼中[Al]が2.3〜
6ppmとなる様に制御すれば、Al23系介在物が十
分に還元分解され、有害な介在物の少ない高清浄鋼が得
られるのである。換言すると、鋼中[Al]が6ppm
を超えると、鋼中[Al]の酸化反応によってAl23
系介在物が析出し、2.3ppm未満になると介在物の
還元分解効果が十分でなく、いずれも期待される高清浄
化は達成されない。
【0022】ところで、上記した鋼中[Al]は、SI
MSによる分析値である。即ち、従来の酸溶解−ICP
法(誘導結合高周波プラズマ分光分析法)では溶解時に
硫酸と硝酸の混酸を用いるので、介在物中の成分も同時
に溶液中に抽出してしまい、鋼中成分の正確な定量がで
きない。そこで、本発明では鋼中の[Al]の定量法と
して、SIMSを採用したのである。
【0023】このSIMSは、試料に一次イオン
(O2 +)ビームを照射したときに飛散する当該原子の二
次イオンを質量分析することを測定原理とするものであ
る。そして、この分析に際しては、介在物として濃化し
ている成分の影響を回避でき、ppm乃至ppbオーダ
ーの精確な分析が可能である。
【0024】更に、本発明者らは、Al23系介在物と
鋼中[Al]の関係について、熱力学的に検討した。本
発明で適用するVAR法においては、C含有量が最終鋳
塊で0.3〜1.0%程度の高炭素を約10Paの高真
空で処理するものであるので、溶存酸素活量は下記
(2)式ではなく、下記(1)式で規定されることにな
る。そして、この(1)式で規定される溶存酸素活量a
O によって、下記(2)式の平衡式に基づき下記(3)
式[K(2)は、(2)式における平衡定数]および
(4)式から、平衡時の鋼中[Al]の活量(a Al )が
計算される。
【0025】ここで、溶存酸素活量a O の実績値が約5
ppmであることから計算すると、このときのAlの活
量(a Al )は、質量基準で0.00043%となる。 =CO(g) ……(1) 2Al+3O=Al23(s) ……(2) K(2)=(aAl2O3(S))/(a Al 2・α O 3) ……(3) a Al =(aAl2O3(S)/K(2))1/2・(a O -3/2 ……(4)
【0026】また、VARで更に再溶解を重ねた場合に
は、完全な平衡状態に近づいて溶存酸素量が低下するこ
とを考慮すると、Al23系介在物の還元分解促進を達
成する為には、Alの活量係数を1としたとき、[A
l]の上限は6ppmが適切であると考えられた。
【0027】本発明で対象とする高清浄鋼は、Al含有
量[Al]以外にも、最終鋼塊中の化学成分組成を、
C:0.3〜1.0%、Si:0.1〜2.5%および
Mn:0.05〜0.5%と規定するものであるが、こ
れらは本発明で対象とする鋼材が、前述した極細鋼線や
薄鋼板を想定したものであり、これらに最小限要求され
る強度を考慮したものである。これらの元素の夫々の限
定理由は、下記の通りである。
【0028】C:0.3〜1.0% Cは、線材では撚り線時の断線防止に、ばね鋼では疲労
強度の向上に有効な元素である。また、特に本発明でV
ARを適用する場合には、前記(1)式の反応によって
溶鋼中の溶存酸素を低減する為に、或る程度の濃度が必
要である。こうした効果を発揮させるためには、C含有
量は0.3%以上とする必要があるが、過剰になって
1.0%を超えると、鋼の脆化を招くことになる。ま
た、C含有量が0.3%未満となると、溶鋼中の溶存酸
素が低減できず、介在物の還元分解効果が小さくなる。
【0029】Si:0.1〜2.5%,Mn:0.1〜
1.5% SiとMnは、いずれも脱酸および介在物形態制御に必
要な元素であり、その効果を発揮させるためには、いず
れも0.1%以上含有させる必要があるが、過剰になっ
てSiで2.5%、Mnで1.5%を超えると鋼が脆化
することになる。
【0030】また、残部は基本的にFeおよび不可避不
純物からなるものであるが、本発明で対象とする鋼材に
は最終鋼塊の化学成分として、上記基本成分以外にもC
oやCu等を含有させることも有効である。これらの元
素による作用効果は下記の通りである。
【0031】Co:0.05〜1.0% Coは、鋼の延性を向上させるのに有効であり、こうし
た効果を発揮させるためには、0.05%以上含有させ
る必要があるが、1.0%を超えて過剰に含有させても
その効果は飽和する。
【0032】Cu:0.05〜1.0% Cuは、鋼の耐食性を向上させるのに有効であり、こう
した効果を発揮させるためには、0.05%以上含有さ
せる必要があるが、1.0%を超えて過剰に含有させて
も脆性が悪化することになる。
【0033】本発明で対象とする高清浄鋼は、その線径
が10〜50μm程度の極細鋼線に適用した場合に特に
有用であるが、前述の如く本発明で対象とする高清浄鋼
はこうした用途に限らず、例えば薄板ばねの様に優れた
疲労強度を要求される鋼材にも適用できるものである。
【0034】以下、本発明を実施例によって更に詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもの
ではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することは
いずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0035】
【実施例】240トン転炉−取鍋精錬(LF)−ブルー
ム連鋳の工程で製造したSi−Mn脱酸鋼を、母材電極
として用い、VAR法によってダブルメルトを実施し
た。各ステージ[母材段階、VARで一回溶解(VA
R)、およびVARで2回溶解(VAR−VAR)]に
おける代表成分を、下表2〜5に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】また、サンプル表面上の介在物を、走査型
電子顕微鏡(SEM)で測定し、エネルギー分散型X線
分析装置(EDX)で分析した組成を、図4に示す。こ
のとき、組成はすべてAl23(in)=10%とし、
残り90%をSiO2−CaO(+MgO)−MnO系
に比例配分した。この結果から、介在物組成は、VAR
溶解を実施する毎に、介在物中SiO2、MnO、Al2
3が還元分解され、最も安定なCaOリッチな組成へ
と変化していく様子が見られる。ここでは、下記(5)
〜(7)式に従って還元反応が進行していると考えられ
る。 Al23(in.)→2Al+3O ……(5) SiO2(in.)→Si+2 ……(6) MnO(in.)→Mn ……(7)
【0041】図5は、各ステージ毎におけるトータル酸
素量の推移を示したグラフであるが、トータル酸素量は
VAR溶解の回数を重ねる毎に減少していることが分か
る。また、この図5には、前記図4で得られた脱酸系介
在物とスラグ系介在物の個数に基づいて、夫々に相当す
る量を比例配分して同時に示したが、脱酸系介在物はS
iO2−MnO−Al23系であり、CaOを含有する
スラグ系と比較して分解され易いことがわかる。こうし
たことから、スラグ系に比べて脱酸系介在物の方が、V
AR溶解によるVAR溶解による減少比率が大きいこと
が分かる。
【0042】SIMS分析による鋼中[Al]の推移を
図6に示すが、VAR溶解毎に濃度が上昇していること
から、介在物中のAl23が還元された結果、Alが鋼
中に溶解したことを示している。
【0043】また、酸溶解−EPMA法による、VSR
溶解毎における長径10μm以上のAl23系介在物個
数の推移変化を図7に示すが、VARの特徴であるCO
気泡での介在物分離効果に加えて、上記の還元分解反応
によって介在物個数を低減させることが可能であること
が分かる。
【0044】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、優
れた伸線性が要求される極細鋼線や、優れた疲労特性が
要求される薄鋼板等に適用される鋼材として有用な高清
浄鋼を製造する為の有用な方法が実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】ステンレス鋼をVARダブルメルトしたときの
鋼中[Al]と長径10μm以上のAl23系介在物個
数との関係を示すグラフである。
【図2】従来の転炉−取鍋精錬(LF)−ブルーム連鋳
工程で鋳造した鋼の鋼中[Al]と長径10μm以上の
Al23系介在物個数との関係を示すグラフである。
【図3】VAR溶解後のSIMSによる[Al]と、酸
溶解−EPMA法による長径10μm以上のAl23
介在物の個数との関係を示すグラフである。
【図4】VAR溶解毎のサンプル表面介在物組成の推移
を示す三元系状態図である。
【図5】VAR溶解毎のトータル酸素量の推移を示すグ
ラフである。
【図6】VAR溶解毎のSIMS分析による[Al]の
推移を示すグラフである。
【図7】VAR溶解毎の酸溶解−EPMA法によるAl
23系介在物の個数の推移を示すグラフである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 33/04 C22C 33/04 Z 38/00 301 38/00 301A 38/06 38/06 38/16 38/16 G01N 23/225 G01N 23/225 27/62 27/62 V (72)発明者 石黒 進 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社神 戸製鋼所加古川製鉄所内 (72)発明者 舊谷 一己 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所高砂製作所内 Fターム(参考) 2G001 AA03 AA05 AA10 BA05 BA06 CA01 CA05 CA10 EA03 GA01 KA01 NA06 NA17 NA20 NA21 RA02 4K001 AA10 BA23 EA02 FA10 GA16 4K013 AA07 BA01 CD02 CE08 DA17 FA04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空アーク再溶解法で鋼塊を1回または
    2回以上溶解することによって、最終鋼塊成分をC:
    0.3〜1.0%(質量%の意味、以下同じ),Si:
    0.1〜2.5%,Mn:0.1〜1.5%とする共
    に、Alの含有量を、二次イオン質量分析法による測定
    値で2.3〜6ppmになる様に制御することを特徴と
    する冷間加工性および疲労特性に優れた高清浄鋼の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 最終鋼塊成分として、Co:0.05〜
    1.0%を含有する鋼を用いる請求項1に記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 最終鋼塊成分として、Cu:0.05〜
    1.0%を含有する鋼を用いる請求項1または2に記載
    の製造方法。
JP11164205A 1999-06-10 1999-06-10 冷間加工性および疲労特性に優れた高清浄鋼の製造方法 Withdrawn JP2000345232A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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