JP2000345183A - 冷凍機油組成物 - Google Patents

冷凍機油組成物

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JP2000345183A JP2000087260A JP2000087260A JP2000345183A JP 2000345183 A JP2000345183 A JP 2000345183A JP 2000087260 A JP2000087260 A JP 2000087260A JP 2000087260 A JP2000087260 A JP 2000087260A JP 2000345183 A JP2000345183 A JP 2000345183A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 HFC冷媒および二酸化炭素やハイドロカー
ボンなどの自然系冷媒と共に用いた場合に、潤滑性、冷
媒相溶性、熱・加水分解安定性、電気絶縁性等に優れる
とともに冷凍システムの高効率化を可能にする冷凍機油
組成物を提供すること。 【解決手段】 (A)脂環式環および下記一般式(1)
で表されるエステル基を少なくとも2個有し、かつ該エ
ステル基の少なくとも2個が脂環式環上の互いに隣接す
る炭素原子に結合した脂環式多価カルボン酸エステル化
合物 −COOR1 (1) (上記式中、R1は炭素数1〜30の炭化水素基を表
し、各エステル基のR1は同一でも異なっていてもよ
い。)および、(B)グリシジルエステル型エポキシ化
合物および脂環族エポキシ化合物からなる群から選ばれ
る少なくとも1種のエポキシ化合物を含有することを特
徴とする冷凍機油組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷凍機油組成物に関
し、詳しくは特定の脂環式多価カルボン酸エステル化合
物および特定のエポキシ化合物を含有することを特徴と
する冷凍機油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のオゾン層破壊問題や地球温暖化問
題の観点から、冷媒代替化や冷凍システムの高効率化が
検討されている。冷媒代替化においては、CFC(クロ
ロフルオロカーボン)やHCFC(ハイドロクロロフル
オロカーボン)などの塩素含有冷媒からHFC(ハイド
ロフルオロカーボン)への切り替えが進められている。
またその一方で、HFC冷媒も地球温暖化問題の観点か
らは規制の対象となり得るため、二酸化炭素やアンモニ
ア、ハイドロカーボンなどの自然系冷媒の適用が検討さ
れている。
【0003】このような冷媒代替化の動きにあわせて、
代替冷媒用冷凍機油の開発が進められている。冷凍機油
には、潤滑性、冷媒相溶性、熱及び加水分解安定性、電
気絶縁性、低吸湿性など多くの性能が要求されるため、
冷媒の種類や用途によってこれら要求性能を満たすよう
な化合物が選択される。例えばHFC用冷凍機油として
は、冷媒との相溶性を有するエステルやエーテル、カー
ボネートなどの含酸素化合物、あるいは冷媒相溶性に劣
るものの潤滑性や熱・加水分解安定性に優れたアルキル
ベンゼンなどが使用されている。
【0004】冷凍システムの高効率化の観点からは、冷
凍機油の低粘度化が検討されている。エステル系冷凍機
油としては特表平3−505602や特開平3−128
991などに開示されているような脂肪族多価アルコー
ルと脂肪酸との反応により得られるポリオールエステル
が知られており、このようなエステル系冷凍機油を低粘
度化する場合、原料に用いる脂肪酸のアルキル基の炭素
数が小さいものを選定することは有効な手段の一つであ
る。ところが一般に脂肪酸のアルキル基が小さくなる
と、得られるエステルの熱・加水分解安定性が低下する
という不具合が生じる。
【0005】熱・加水分解安定性に優れたエステル系冷
凍機油としては特開平9−221690に開示されてい
るような脂環式多価カルボン酸エステルが知られている
が、このような構造を有するエステルであっても、低粘
度化した場合には熱・加水分解安定性が十分であるとい
う訳ではない。
【0006】また、エステル系冷凍機油に酸捕捉剤を配
合すると、加水分解安定性が改善されることが一般に知
られている。しかしながら、従来からエステル系冷凍機
油に用いられている酸捕捉剤の大部分は、脂環式多価カ
ルボン酸エステルに対してほとんど効果がないか、また
は効果が十分ではないものであった。
【0007】このように、高効率化のための低い粘性と
高い熱・加水分解安定性とを両立し、同時に他の要求性
能をも満たすエステル系冷凍機油は未だ開発されていな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の有する課題に鑑みてなされたものであり、HFC冷
媒および二酸化炭素やハイドロカーボンなどの自然系冷
媒と共に用いた場合に、潤滑性、冷媒相溶性、熱・加水
分解安定性、電気絶縁性等に優れるとともに冷凍システ
ムの高効率化を可能にする冷凍機油組成物を提供するこ
とを目的としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のエステル油
を含有する基油に特定のエポキシ化合物を配合すること
により、各種性能に優れた冷凍機油組成物が得られるこ
とを見出した。
【0010】すなわち、本発明は、(A)脂環式環およ
び下記一般式(1)で表されるエステル基を少なくとも
2個有し、かつ該エステル基の少なくとも2個が脂環式
環上の互いに隣接する炭素原子に結合した脂環式多価カ
ルボン酸エステル化合物 −COOR1 (1) (上記式中、R1は炭素数1〜30の炭化水素基を表
し、各エステル基のR1は同一でも異なっていてもよ
い。)および、(B)グリシジルエステル型エポキシ化
合物および脂環族エポキシ化合物からなる群から選ばれ
る少なくとも1種のエポキシ化合物を含有することを特
徴とする冷凍機油組成物を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて詳細に説明する。
【0012】本発明にかかる脂環式多価カルボン酸エス
テル化合物とは、脂環式環および下記一般式(1)で表
されるエステル基を少なくとも2個有し、かつ該エステ
ル基の少なくとも2個が脂環式環上の互いに隣接する炭
素原子に結合したものである。
【0013】−COOR1 (1) (上記式中、R1は炭素数1〜30の炭化水素基を表
し、各エステル基のR1は同一でも異なっていてもよ
い。) ここでいう脂環式環としては、シクロペンタン環、シク
ロペンテン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、
シクロヘプタン環、シクロヘプテン環等が挙げられる
が、シクロヘキサン環およびシクロヘキセン環が好まし
い。さらに、これらの中でもシクロヘキサン環は長期又
は過酷な条件下での使用時において粘度上昇が小さいこ
とからより好ましく、シクロヘキセン環は長期又は過酷
な条件下での使用時において全酸価の上昇が小さいこと
からより好ましい。
【0014】脂環式多価カルボン酸エステル化合物とし
ては、脂環式環と共に上記式(1)で表されるエステル
基を少なくとも2個有することが必要である。エステル
基が1個である場合には、冷媒相溶性や熱・加水分解安
定性が不十分であるため好ましくない。また、エステル
基の個数には上限値は特に無いが、低温流動性の点か
ら、4個以下であることが好ましく、3個以下であるこ
とがより好ましく、2個であることが最も好ましい。
【0015】また、上記式(1)で表されるエステル基
のうち少なくとも2個は、脂環式環上の互いに隣接する
炭素原子に結合していることが必要である。脂環式環上
の互いに隣接する炭素原子に結合していない場合には、
熱・加水分解安定性が不十分であるため好ましくない。
【0016】上記式(1)で表されるエステル基の立体
配置については、特に制限はなく、例えば上記式(1)
で表されるエステル基を2個有する場合には、cis−
体であってもよく、trans−体であってもよく、ま
た各々単独で用いても、両者の混合物として用いてもよ
い。しかしながら、熱・加水分解安定性の観点からはc
is−体が好ましく、熱・加水分解安定性と潤滑性の両
立という観点からはtrans−体が好ましい。
【0017】上記式(1)におけるR1は炭素数1〜3
0、好ましくは2〜24、より好ましくは3〜18の炭
化水素基を表すが、ここでいう炭化水素基としては、ア
ルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アルキル
シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、
アリールアルキル基等が挙げられる。この中でも、熱・
加水分解安定性の点からアルキル基、シクロアルキル基
またはアルキルシクロアルキル基であることが好まし
い。
【0018】アルキル基としては、直鎖状のものであっ
ても分枝状のものであっても良い。炭素数3〜18のア
ルキル基としては、具体的には例えば、直鎖状または分
枝状のプロピル基、直鎖状または分枝状のブチル基、直
鎖状または分枝状のペンチル基、直鎖状または分枝状の
ヘキシル基、直鎖状または分枝状のヘプチル基、直鎖状
または分枝状のオクチル基、直鎖状または分枝状のノニ
ル基、直鎖状または分枝状のデシル基、直鎖状または分
枝状のウンデシル基、直鎖状または分枝状のドデシル
基、直鎖状または分枝状のトリデシル基、直鎖状または
分枝状のテトラデシル基、直鎖状または分枝状のペンタ
デシル基、直鎖状または分枝状のヘキサデシル基、直鎖
状または分枝状のヘプタデシル基、直鎖状または分枝状
のオクタデシル基などが挙げられる。
【0019】これらの中でも、直鎖状のアルキル基とし
ては、熱・加水分解安定性の点から炭素数5以上のもの
が好ましく、冷媒相溶性の点から炭素数18以下のもの
が好ましい。また、分枝状のアルキル基としては、熱・
加水分解安定性の点から炭素数3以上のものが好まし
く、冷媒相溶性の点から炭素数18以下のものが好まし
い。
【0020】シクロアルキル基としては、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げら
れるが、熱・加水分解安定性の点からシクロヘキシル基
が好ましい。また、アルキルシクロアルキル基とは、シ
クロアルキル基にアルキル基が結合したものであるが、
熱・加水分解安定性の点からシクロヘキシル基にアルキ
ル基が結合したものが好ましい。さらに、アルキルシク
ロアルキル基としては、熱・加水分解安定性の点から総
炭素数が6以上のものが好ましく、冷媒相溶性、低温流
動性の点から総炭素数が10以下のものが好ましい。
【0021】また、脂環式多価カルボン酸エステル化合
物としては、脂環式環上の炭素原子に炭化水素基が1個
または複数個結合していても良いことは勿論である。こ
のような炭化水素基としてはアルキル基が好ましく、特
にメチル基が好ましい。
【0022】本発明でいう脂環式多価カルボン酸エステ
ル化合物は、上述した構造を有するものであるが、この
ようなエステル化合物は所定の酸成分とアルコール成分
とを常法にしたがって、好ましくは窒素等の不活性ガス
雰囲気下、エステル化触媒の雰囲気下または無触媒下で
加熱しながらエステル化することにより調製される。こ
こで、熱・加水分解安定性、電気絶縁性の観点からは、
無触媒下でのエステル化反応により調製することが好ま
しい。
【0023】脂環式多価カルボン酸エステル化合物の酸
成分としては、シクロアルカンポリカルボン酸、シクロ
アルケンポリカルボン酸またはこれらの酸無水物であっ
て、エステル基の少なくとも2個は脂環式環上の互いに
隣接した炭素原子に結合したものが挙げられ、これらは
1種または2種以上の混合物として用いることが可能で
ある。具体的には、1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、1−
シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、3−メチル−
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、3−メチル−4
−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−メチル
−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、1,
2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4,
5−シクロヘキサンテトラカルボン酸およびそれらの酸
無水物が開示される。このうち、調製したエステル化合
物の長期又は過酷な条件下での使用時における粘度の上
昇を抑えるという観点からは、1,2−シクロヘキサン
ジカルボン酸、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジ
カルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカ
ルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン
酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸
およびそれらの酸無水物が好ましく、一方長期又は過酷
な条件下での使用時における全酸価の上昇を抑えるとい
う観点からは、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボ
ン酸、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4
−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、3−
メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、
4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸およびそれらの酸無水物が好ましい。
【0024】これら、脂環式多価カルボン酸およびその
無水物の製造方法には特に制限はなく、任意の方法で得
られたものが使用可能である。具体的には例えば、ci
s−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸は、ブ
タジエンとマレイン酸無水物とを、ベンゼン溶媒中、1
00℃で反応せしめて得ることができる。
【0025】脂環式多価カルボン酸エステル化合物のア
ルコール成分としては、炭素数3〜18の直鎖状のアル
コール、炭素数3〜18の分枝状のアルコールまたは炭
素数5〜10のシクロアルコールが挙げられる。具体的
には、直鎖状または分枝状のプロパノール(n−プロパ
ノール、1−メチルエタノール等を含む)、直鎖状また
は分枝状のブタノール(n−ブタノール、1−メチルプ
ロパノール、2−メチルプロパノール等を含む)、直鎖
状または分枝状のペンタノール(n−ペンタノール、1
−メチルブタノール、2−メチルブタノール、3−メチ
ルブタノール等を含む)、直鎖状または分枝状のヘキサ
ノール(n−ヘキサノール、1−メチルペンタノール、
2−メチルペンタノール、3−メチルペンタノール等を
含む)、直鎖状または分枝状のヘプタノール(n−ヘプ
タノール、1−メチルヘキサノール、2−メチルヘキサ
ノール、3−メチルヘキサノール、4−メチルヘキサノ
ール、5−メチルヘキサノール、2,4−ジメチルペン
タノール等を含む)、直鎖状または分枝状のオクタノー
ル(n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、1−
メチルヘプタノール、2−メチルヘプタノール等を含
む)、直鎖状または分枝状のノナノール(n−ノナノー
ル、1−メチルオクタノール、3,5,5−トリメチル
ヘキサノール、1−(2‘−メチルプロピル)−3−メ
チルブタノール等を含む)、直鎖状または分枝状のデカ
ノール(n−デカノール、iso−デカノール等を含
む)、直鎖状または分枝状のウンデカノール(n−ウン
デカノール等を含む)、直鎖状または分枝状のドデカノ
ール(n−ドデカノール、iso−ドデカノール等を含
む)、直鎖状または分枝状のトリデカノール、直鎖状ま
たは分枝状のテトラデカノール(n−テトラデカノー
ル、iso−テトラデカノール等を含む)、直鎖状また
は分枝状のペンタデカノール、直鎖状または分枝状のヘ
キサデカノール(n−ヘキサデカノール、iso−ヘキ
サデカノール等を含む)、直鎖状または分枝状のヘプタ
デカノール、直鎖状または分枝状のオクタデカノール
(n−オクタデカノール、iso−オクタデカノール等
を含む)、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノ
ール、ジメチルシクロヘキサノールなどが挙げられる。
【0026】エステル化反応を行うに際し、アルコール
成分は、例えば酸1当量に対して1.0〜1.5当量、
好ましくは1.05〜1.2当量用いられる。
【0027】更に、上記酸成分およびアルコール成分の
代わりに、当該酸成分の低級アルコールエステル及び/
又は当該アルコールの酢酸エステル、プロピオン酸エス
テル等を用いて、エステル交換反応により脂環式多価カ
ルボン酸エステル化合物を得ることも可能である。
【0028】エステル化触媒としては、ルイス酸類、ア
ルカリ金属塩、スルホン酸類等が例示され、具体的に、
ルイス酸としては、アルミニウム誘導体、スズ誘導体、
チタン誘導体等が例示され、アルカリ金属塩としては、
ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド等が例
示され、更にスルホン酸類としては、パラトルエンスル
ホン酸、メタンスルホン酸、硫酸等が例示される。その
使用量は、例えば、原料である酸成分及びアルコール成
分の総量に対して、0.1〜1質量%程度用いられる。
【0029】エステル化する際の温度としては150℃
〜230℃が例示され、通常3〜30時間で反応は完結
する。
【0030】エステル化反応終了後、過剰の原料を減圧
下又は蒸圧下において留去し、引き続いて慣用の精製方
法、例えば液液抽出、減圧蒸留、活性炭処理などの吸着
精製処理等により、エステル化合物を精製することがで
きる。
【0031】また、本発明における脂環式多価カルボン
酸化合物は、相当する芳香族多価カルボン酸エステル化
合物を核水添することによっても得ることができる。
【0032】本発明の冷凍機油組成物における脂環式多
価カルボン酸エステル化合物の含有量には特に制限はな
いが、脂環式多価カルボン酸エステル化合物の有する優
れた各種性能をより引き出すことが出来ることから、冷
凍機油組成物全量基準で5質量%以上含有することが好
ましく、10質量%以上含有することがより好ましく、
30質量%以上含有することがさらにより好ましく、5
0質量%以上含有することが最も好ましい。
【0033】本発明の冷凍機油組成物において、脂環式
多価カルボン酸エステル化合物は、主として基油として
用いられる。本発明の冷凍機油組成物の基油としては、
脂環式多価カルボン酸エステル化合物のみを用いても良
いが、これに加えて、ポリオールエステルやコンプレッ
クスエステル等の本発明で規定する脂環式多価カルボン
酸エステル化合物以外のエステル、ポリグリコール、ポ
リビニルエーテル、ケトン、ポリフェニルエーテル、シ
リコーン、ポリシロキサン、パーフルオロエーテルなど
の酸素を含有する合成油を併用して用いても良い。
【0034】酸素を含有する合成油を配合する場合の配
合量には特に制限はない。しかしながら、熱効率の向上
と冷凍機油の熱・加水分解安定性の両立という観点から
は、脂環式多価カルボン酸エステル化合物100重量部
に対して、それ以外の酸素を含有する合成油が150重
量部以下であることが好ましく、100重量部以下であ
ることがより好ましい。
【0035】本発明にかかる(B)エポキシ化合物と
は、(1)グリシジルエステル型エポキシ化合物、および
(2)脂環族エポキシ化合物からなる群より選ばれる少な
くとも1種のエポキシ化合物である。
【0036】(1)グリシジルエステル型エポキシ化合物
としては、具体的には下記一般式(2)で表される化合
物が挙げられる。
【0037】
【化1】
【0038】(上記式において、Rは炭素数1〜18の
炭化水素基を表す。) 上記式において、Rは炭素数1〜18の炭化水素基を表
すが、このような炭化水素基としては、炭素数1〜18
のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数
5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアルキル
シクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素
数7〜18のアルキルアリール基、炭素数7〜18のア
リールアルキル基等が挙げられる。この中でも、炭素数
5〜15のアルキル基、炭素数2〜15のアルケニル
基、フェニル基および炭素数1〜4のアルキル基を有す
るアルキルフェニル基が好ましい。
【0039】グリシジルエステル型エポキシ化合物の中
でも、好ましいものとしては、具体的には例えば、グリ
シジル−2,2−ジメチルオクタノエート、グリシジル
ベンゾエート、グリシジル−tert−ブチルベンゾエー
ト、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
トなどが例示できる。
【0040】(2)脂環族エポキシ化合物としては、下記
一般式(3)で表される化合物のように、エポキシ基を
構成する炭素原子が直接脂環式環を構成している化合物
が挙げられる。
【0041】
【化2】
【0042】脂環式エポキシ化合物としては、具体的に
は例えば、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−
エポキシシクロペンタン、3,4−エポキシシクロヘキ
シルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキ
シレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチ
ル)アジペート、エキソ−2,3−エポキシノルボルナ
ン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシ
ルメチル)アジペート、2−(7−オキサビシクロ
[4.1.0]ヘプト−3−イル)−スピロ(1,3−
ジオキサン−5,3’−[7]オキサビシクロ[4.
1.0]ヘプタン、4−(1’−メチルエポキシエチ
ル)−1,2−エポキシ−2−メチルシクロヘキサン、
4−エポキシエチル−1,2−エポキシシクロヘキサン
などが例示できる。
【0043】前記脂環式多価カルボン酸エステル化合物
を基油とする冷凍機油組成物においては、上記したエポ
キシ化合物以外のエポキシ化合物を用いたとしても熱・
加水分解安定性を十分に向上させることはできず好まし
くない。
【0044】上記したエポキシ化合物の本発明の冷凍機
油組成物における含有量は特に制限されないが、通常、
冷凍機油組成物全量基準(基油と全配合添加剤の合計量
基準)でその含有量が0.1〜5.0質量%、より好ま
しくは0.2〜2.0質量%となるような量のエポキシ
化合物を配合することが望ましい。
【0045】また、上記エポキシ化合物を2種以上併用
してもよいことは勿論である。
【0046】本発明の冷凍機油組成物は、脂環式多価カ
ルボン酸エステル化合物を含有する基油に特定のエポキ
シ化合物を配合してなるものである。本発明の冷凍機油
組成物は、他の添加剤未添加の状態でも好適に用いるこ
とができるが、必要に応じて各種添加剤を配合した形で
使用することもできる。
【0047】本発明の冷凍機油組成物の耐摩耗性、耐荷
重性をさらに改良するために、リン酸エステル、酸性リ
ン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩、塩素化
リン酸エステルおよび亜リン酸エステルからなる群より
選ばれる少なくとも1種のリン化合物を配合することが
できる。これらのリン化合物は、リン酸または亜リン酸
とアルカノール、ポリエーテル型アルコールとのエステ
ルあるいはその誘導体である。
【0048】具体的には例えば、リン酸エステルとして
は、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェー
ト、トリヘキシルホスフェート、トリヘプチルホスフェ
ート、トリオクチルホスフェート、トリノニルホスフェ
ート、トリデシルホスフェート、トリウンデシルホスフ
ェート、トリドデシルホスフェート、トリトリデシルホ
スフェート、トリテトラデシルホスフェート、トリペン
タデシルホスフェート、トリヘキサデシルホスフェー
ト、トリヘプタデシルホスフェート、トリオクタデシル
ホスフェート、トリオレイルホスフェート、トリフェニ
ルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシ
レニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェー
ト、キシレニルジフェニルホスフェートなどが挙げられ
る。酸性リン酸エステルとしては、モノブチルアシッド
ホスフェート、モノペンチルアシッドホスフェート、モ
ノヘキシルアシッドホスフェート、モノヘプチルアシッ
ドホスフェート、モノオクチルアシッドホスフェート、
モノノニルアシッドホスフェート、モノデシルアシッド
ホスフェート、モノウンデシルアシッドホスフェート、
モノドデシルアシッドホスフェート、モノトリデシルア
シッドホスフェート、モノテトラデシルアシッドホスフ
ェート、モノペンタデシルアシッドホスフェート、モノ
ヘキサデシルアシッドホスフェート、モノヘプタデシル
アシッドホスフェート、モノオクタデシルアシッドホス
フェート、モノオレイルアシッドホスフェート、ジブチ
ルアシッドホスフェート、ジペンチルアシッドホスフェ
ート、ジヘキシルアシッドホスフェート、ジヘプチルア
シッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェー
ト、ジノニルアシッドホスフェート、ジデシルアシッド
ホスフェート、ジウンデシルアシッドホスフェート、ジ
ドデシルアシッドホスフェート、ジトリデシルアシッド
ホスフェート、ジテトラデシルアシッドホスフェート、
ジペンタデシルアシッドホスフェート、ジヘキサデシル
アシッドホスフェート、ジヘプタデシルアシッドホスフ
ェート、ジオクタデシルアシッドホスフェート、ジオレ
イルアシッドホスフェートなどが挙げられる。酸性リン
酸エステルのアミン塩としては、前記酸性リン酸エステ
ルのメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブ
チルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチ
ルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチル
アミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチ
ルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオ
クチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、
トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチル
アミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、ト
リオクチルアミンなどのアミンとの塩が挙げられる。塩
素化リン酸エステルとしては、トリス・ジクロロプロピ
ルホスフェート、トリス・クロロエチルホスフェート、
トリス・クロロフェニルホスフェート、ポリオキシアル
キレン・ビス[ジ(クロロアルキル)]ホスフェートな
どが挙げられる。亜リン酸エステルとしては、ジブチル
ホスファイト、ジペンチルホスファイト、ジヘキシルホ
スファイト、ジヘプチルホスファイト、ジオクチルホス
ファイト、ジノニルホスファイト、ジデシルホスファイ
ト、ジウンデシルホスファイト、ジドデシルホスファイ
ト、ジオレイルホスファイト、ジフェニルホスファイ
ト、ジクレジルホスファイト、トリブチルホスファイ
ト、トリペンチルホスファイト、トリヘキシルホスファ
イト、トリヘプチルホスファイト、トリオクチルホスフ
ァイト、トリノニルホスファイト、トリデシルホスファ
イト、トリウンデシルホスファイト、トリドデシルホス
ファイト、トリオレイルホスファイト、トリフェニルホ
スファイト、トリクレジルホスファイトなどが挙げられ
る。また、これらの混合物も使用できる。
【0049】これらのリン化合物を本発明の冷凍機油組
成物に配合する場合、その配合量は特に制限されない
が、通常、冷凍機油組成物全量基準(基油と全配合添加
剤の合計量基準)でその含有量が0.01〜5.0質量
%、より好ましくは0.02〜3.0質量%となるよう
な量のリン化合物を配合することが望ましい。
【0050】さらに本発明における冷凍機油組成物に対
して、その性能をさらに高めるため、必要に応じて従来
より公知の冷凍機油添加剤、例えばジ−tert−ブチ
ル−p−クレゾール、ビスフェノールA等のフェノール
系の酸化防止剤、フェニル−α−ナフチルアミン、N,
N−ジ(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン等の
アミン系の酸化防止剤、ジチオリン酸亜鉛などの摩耗防
止剤、塩素化パラフィン、硫黄化合物等の極圧剤、脂肪
酸等の油性剤、シリコーン系等の消泡剤、ベンゾトリア
ゾール等の金属不活性化剤、粘度指数向上剤、流動点降
下剤、清浄分散剤等の添加剤を単独で、または数種類組
み合わせて配合することも可能である。これらの添加剤
の合計配合量は特に制限されないが、冷凍機油組成物全
量基準(基油と全配合添加剤の合計量基準)で好ましく
は10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であ
る。
【0051】本発明の冷凍機油組成物の動粘度は特に限
定されないが、40℃における動粘度が好ましくは3〜
100mm2/s、より好ましくは4〜50mm2/s、
最も好ましくは5〜40mm2/sとすることができ
る。また、100℃における動粘度は好ましくは1〜2
0mm2/s、より好ましくは2〜10mm2/sとする
ことができる。さらに、低粘度化しても熱・加水分解安
定性が良好であるという本発明の冷凍機油の特徴は、4
0℃における動粘度が好ましくは5〜35mm2/s、
より好ましくは5〜25mm2/s、さらにより好まし
くは5〜20mm2/s、最も好ましくは5〜15mm2
/sの場合により顕著となる。
【0052】また、本発明の冷凍機油組成物の体積抵抗
率は特に限定されないが、好ましくは1.0×1011Ω
・cm以上、より好ましくは1.0×1012Ω・cm以
上、最も好ましくは1.0×1013Ω・cm以上とする
ことができる。特に、密閉型冷凍機用に用いる場合には
高い電気絶縁性が必要となる傾向にある。なお、本発明
において、体積抵抗率とは、JIS C 2101「電
気絶縁油試験方法」に準拠して測定した25℃での値を
表す。
【0053】本発明の冷凍機油組成物の水分含有量は特
に限定されないが、冷凍機油組成物全量基準で好ましく
は200ppm以下、より好ましくは100ppm以
下、最も好ましくは50ppm以下とすることができ
る。特に密閉型の冷凍機用に用いる場合には、油の熱・
加水分解安定性や電気絶縁性への影響の観点から、水分
含有量が少ないことが求められる。
【0054】また、本発明の冷凍機油組成物の全酸価は
特に限定されないが、冷凍機または配管に用いられてい
る金属への腐食を防止するため、好ましくは0.1mg
KOH/g以下、より好ましくは0.05mgKOH/
g以下とすることができる。なお、本発明において、全
酸価とは、JIS K 2501「石油製品及び潤滑油
−中和価試験方法」に準拠して測定した全酸価の値を表
す。
【0055】また、本発明の冷凍機油組成物の灰分は特
に限定されないが、本発明の冷凍機油組成物の熱・加水
分解安定性を高めスラッジ等の発生を抑制するため、好
ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm
以下とすることができる。なお、本発明において、灰分
とは、JIS K 2272「原油及び石油製品の灰分
並びに硫酸灰分試験方法」に準拠して測定した灰分の値
を表す。
【0056】本発明の冷凍機用組成物を用いる冷凍機に
用いられる冷媒は、HFC冷媒、パーフルオロエーテル
類などの含フッ素エーテル系冷媒、ジメチルエーテルな
どの非フッ素含有エーテル系冷媒および二酸化炭素や炭
化水素などの自然系冷媒であるが、これらは各々単独で
用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよ
い。
【0057】HFC冷媒としては、炭素数1〜3、好ま
しくは1〜2のハイドロフルオロカーボンが挙げられ
る。具体的には例えば、ジフルオロメタン(HFC−3
2)、トリフルオロメタン(HFC−23)、ペンタフ
ルオロエタン(HFC−125)、1,1,2,2−テ
トラフルオロエタン(HFC−134)、1,1,1,
2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,
1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、
1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)などの
HFC、またはこれらの2種以上の混合物などが挙げら
れる。これらの冷媒は用途や要求性能に応じて適宜選択
されるが、例えばHFC−32単独;HFC−23単
独;HFC−134a単独;HFC−125単独;HF
C−134a/HFC−32=60〜80質量%/40
〜20質量%の混合物;HFC−32/HFC−125
=40〜70質量%/60〜30質量%の混合物;HF
C−125/HFC−143a=40〜60質量%/6
0〜40質量%の混合物;HFC−134a/HFC−
32/HFC−125=60質量%/30質量%/10
質量%の混合物;HFC−134a/HFC−32/H
FC−125=40〜70質量%/15〜35質量%/
5〜40質量%の混合物;HFC−125/HFC−1
34a/HFC−143a=35〜55質量%/1〜1
5質量%/40〜60質量%の混合物などが好ましい例
として挙げられる。さらに具体的には、HFC−134
a/HFC−32=70/30質量%の混合物;HFC
−32/HFC−125=60/40質量%の混合物;
HFC−32/HFC−125=50/50質量%の混
合物(R410A);HFC−32/HFC−125=
45/55質量%の混合物(R410B);HFC−1
25/HFC−143a=50/50質量%の混合物
(R507C);HFC−32/HFC−125/HF
C−134a=30/10/60質量%の混合物;HF
C−32/HFC−125/HFC−134a=23/
25/52質量%の混合物(R407C);HFC−3
2/HFC−125/HFC−134a=25/15/
60質量%の混合物(R407E);HFC−125/
HFC−134a/HFC−143a=44/4/52
質量%の混合物(R404A)などが挙げられる。
【0058】また、自然系冷媒としては二酸化炭素や炭
化水素などが挙げられる。ここで、炭化水素冷媒として
は、25℃、1気圧で気体のものが好ましく用いられ
る。具体的には炭素数1〜5、好ましくは1〜4のアル
カン、シクロアルカン、アルケンまたはこれらの混合物
である。具体的には例えば、メタン、エチレン、エタ
ン、プロピレン、プロパン、シクロプロパン、ブタン、
イソブタン、シクロブタン、メチルシクロプロパンまた
はこれらの2種以上の混合物などがあげられる。これら
の中でも、プロパン、ブタン、イソブタンまたはこれら
の混合物が好ましい。
【0059】本発明に係る冷凍機油組成物は、通常、冷
凍機中においては上述したような冷媒と混合された冷凍
機用流体組成物の形で存在している。この流体組成物に
おける冷凍機油組成物と冷媒との配合割合は特に制限さ
れないが、冷媒100重量部に対して冷凍機油組成物が
好ましくは1〜500重量部、より好ましくは2〜40
0重量部である。
【0060】本発明の冷凍機油組成物は、その優れた電
気特性や低い吸湿性から、あらゆる冷凍機の冷媒圧縮機
の潤滑油として用いられる。使用される冷凍機として
は、具体的にはルームエアコン、パッケージエアコン、
冷蔵庫、自動車用エアコン、除湿機、冷凍庫、冷凍冷蔵
倉庫、自動販売機、ショーケース、化学プラント等の冷
却装置等が挙げられる。また、本発明の冷凍機油組成物
は、密閉型圧縮機を有する冷凍機に特に好ましく用いら
れる。さらに、本発明の冷凍機油組成物は、往復動式、
回転式、遠心式等の何れの形式の圧縮機にも使用可能で
ある。
【0061】本発明の組成物を好適に用いることのでき
る冷凍サイクルの構成としては、代表的には、圧縮機、
凝縮器、膨張機構および蒸発器、必要に応じて乾燥器を
具備するものが例示される。
【0062】圧縮機としては、(1)冷凍機油を貯留す
る密閉容器内に、回転子と固定子からなるモータと、前
記回転子に嵌着された回転軸と、この回転軸を介して前
記モータに連結された圧縮機部とを収納し、前記圧縮機
部より吐出された高圧冷媒ガスが密閉容器内に滞留する
高圧容器方式の圧縮機、(2)冷凍機油を貯留する密閉
容器内に、回転子と固定子からなるモータと、前記回転
子に嵌着された回転軸と、この回転軸を介して前記モー
タに連結された圧縮機部とを収納し、前記圧縮機部より
吐出された高圧冷媒ガスが密閉容器外へ直接排出される
低圧容器方式の圧縮機、等が例示される。
【0063】モータ部の電機絶縁システム材料である絶
縁フィルムとしては、ガラス転移点50℃以上の結晶性
プラスチックフィルム、具体的には例えばポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、
ポリエチレンナフタレート、ポリアミドイミド、ポリイ
ミドからなる群から選ばれる少なくとも一種の絶縁フィ
ルム、あるいはガラス転移温度の低いフィルム上にガラ
ス転移温度の高い樹脂層を被覆した複合フィルムが、引
っ張り強度特性、電気絶縁特性の劣化現象が生じにく
く、好ましく用いられる。また、モータ部に使用される
マグネットワイヤとしては、ガラス転移温度120℃以
上のエナメル被覆、例えば、ポリエステル、ポリエステ
ルイミド、ポリアミドおよびポリアミドイミド等の単一
層、あるいはガラス転移温度の低い層を下層に、高い層
を上層に複合被覆したエナメル被覆を有するものが好ま
しく用いられる。複合被覆したエナメル線としては、ポ
リエステルイミドを下層に、ポリアミドイミドを上層に
被覆したもの(AI/EI)、ポリエステルを下層に、
ポリアミドイミドを上層に被覆したもの(AI/PE)
等が挙げられる。
【0064】乾燥器に充填する乾燥剤としては、細孔径
3.3オングストローム以下、25℃の炭酸ガス分圧2
50mmHgにおける炭酸ガス吸収容量が、1.0%以
下であるケイ酸、アルミン酸アルカリ金属複合塩よりな
る合成ゼオライトが好ましく用いられる。具体的には例
えば、ユニオン昭和(株)製の商品名XH−9,XH−
10,XH−11,XH−600等が挙げられる。
【0065】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明の内
容を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例
に何等限定されるものではない。
【0066】実施例1〜32および比較例1〜16 以下に示す基油および添加剤を表1〜12に示す通り配
合し、実施例1〜32および比較例1〜16の試料油を
調製した。得られた各試料油の性状(40℃および10
0℃における動粘度、全酸価)を表1〜12に示す。
【0067】(基油) 基油1:1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソヘ
プチル、 基油2:1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(2−
エチルヘキシル)、 基油3:1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(3,
5,5−トリメチルヘキシル)、 基油4:1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(2,
6−ジメチル−4−ヘプチル)、 基油5:1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソデ
シル、 基油6:4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ
イソヘプチル、 基油7:4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ
(2−エチルヘキシル)、 基油8:4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ
(3,5,5−トリメチルヘキシル)、 基油9:1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、i−ブ
タノールおよび2−エチルヘキサノールから得られるエ
ステル(エステル1:20質量%、エステル2:44質
量%、エステル3:36質量%)、 基油10:1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、i−
ブタノールおよび3,5,5−トリメチルヘキサノール
から得られるエステル(エステル1:18質量%、エス
テル4:56質量%、エステル5:26質量%)、 基油11:1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、i−
ブタノールおよびi−ノナノールから得られるエステル
(エステル1:7質量%、エステル6:43質量%、エ
ステル7:50質量%)、 基油12:1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2−
エチルヘキサノールおよび3,5,5−トリメチルヘキ
サノールから得られるエステル(エステル3:23質量
%、エステル8:49質量%、エステル5:28質量
%)、 基油13:1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、n−
ブタノールおよびi−デカノールから得られるエステル
(エステル9:20質量%、エステル10:47質量
%、エステル11:33質量%)、 基油14:4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸、i−ブタノールおよび2−エチルヘキサノールから
得られるエステル(エステル12:20質量%、エステ
ル13:44質量%、エステル14:36質量%)、 基油15:4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸、i−ブタノールおよび3,5,5−トリメチルヘキ
サノールから得られるエステル(エステル12:18質
量%、エステル15:56質量%、エステル16:26
質量%)、 基油16:4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸、i−ブタノールおよびi−ノナノールから得られる
エステル(エステル12:7質量%、エステル17:4
3質量%、エステル18:50質量%)、 基油17:4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸、2−エチルヘキサノールおよび3,5,5−トリメ
チルヘキサノールから得られるエステル(エステル1
4:23質量%、エステル19:49質量%、エステル
16:28質量%)、 基油18:4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸、n−ブタノールおよびi−デカノールから得られる
エステル(エステル20:20質量%、エステル21:
47質量%、エステル22:33質量%)、 基油19:ペンタエリスリトールと2−エチルヘキサン
酸および3,5,5−トリメチルヘキサン酸の混合脂肪
酸(重量比=50:50)とのテトラエステル、 基油20:ペンタエリスリトールとn−ペンタン酸、n
−ヘプタン酸および3,5,5−トリメチルヘキサン酸
の混合脂肪酸(重量比=50:30:20)とのテトラ
エステル、 基油21: ビニルエチルエーテルとビニルブチルエー
テルとの共重合体(エチル/イソブチル=7:1、平均
分子量900)。 (基油9〜13におけるシクロヘキサンジカルボン酸エ
ステル1〜11)
【0068】
【化3】
【0069】エステル1 R1、R2:i−ブチル基、 エステル2 R1:i−ブチル基、R2:2−エチルヘ
キシル基、 エステル3 R1、R2:2−エチルヘキシル基、 エステル4 R1:i−ブチル基、R2:3,5,5−
トリメチルヘキシル基、 エステル5 R1、R2:3,5,5−トリメチルヘキ
シル基、 エステル6 R1:i−ブチル基、R2:i−ノニル
基、 エステル7 R1、R2:i−ノニル基、 エステル8 R1:2−エチルヘキシル基、R2:3,
5,5−トリメチルヘキシル基、 エステル9 R1、R2:n−ブチル基、 エステル10 R1:n−ブチル基、R2:i−デシル
基、 エステル11 R1、R2:i−デシル基。 (基油14〜18におけるシクロヘキセンジカルボン酸
エステル12〜22)
【0070】
【化4】
【0071】エステル12 R1、R2:i−ブチル基、 エステル13 R1:i−ブチル基、R2:2−エチルヘ
キシル基、 エステル14 R1、R2:2−エチルヘキシル基、 エステル15 R1:i−ブチル基、R2:3,5,5−
トリメチルヘキシル基、 エステル16 R1、R2:3,5,5−トリメチルヘキ
シル基、 エステル17 R1:i−ブチル基、R2:i−ノニル
基、 エステル18 R1、R2:i−ノニル基、 エステル19 R1:2−エチルヘキシル基、R2:3,
5,5−トリメチルヘキシル基、 エステル20 R1、R2:n−ブチル基、 エステル21 R1:n−ブチル基、R2:i−デシル
基、 エステル22 R1、R2:i−デシル基。
【0072】(添加剤) 添加剤1:グリシジル−2,2−ジメチルオクタノエー
ト、 添加剤2:シクロヘキセンオキシド、 添加剤3:フェニルグリシジルエーテル。
【0073】次に、上記の各試料油について、以下に示
す試験を行った。
【0074】(冷媒との相溶性試験)JIS−K−22
11「冷凍機油」の「冷媒との相溶性試験方法」に準拠
して、HFC134a冷媒29gに対して各試料油を1
g配合し、冷媒と試料油が0℃において相互に溶解しあ
っているか、分離または白濁しているかを観察した。得
られた結果を表1〜12に示す。
【0075】(絶縁特性試験)JIS−C−2101
「電気絶縁油試験方法」に準拠して、25℃における各
試料油の体積抵抗率を測定した。得られた結果を表1〜
12に示す。
【0076】(熱・加水分解安定性試験I)含有水分量
を1000ppmに調整した試料油90gをオートクレ
ーブに秤取し、HFC134a冷媒10gと触媒(鉄、
銅、アルミの各線)を封入したあと、200℃に加熱
し、2000時間後の試料油の外観、触媒の外観、試料
油の体積抵抗率、試料油の全酸価を測定した。得られた
結果を表1〜12に示す。
【0077】(潤滑性試験)ASTM D 2670
“FALEX WEAR TEST”に準拠して、試料
油の温度100℃の条件下で、慣らし運転を150lb
荷重の下に1分行った後に、250lb荷重の下に2時
間試験機を運転した。各試料油について試験後のテスト
ジャーナル(ピン)の摩耗量を測定した。得られた結果
を表1〜12に示す。
【0078】(熱・加水分解安定性試験II)JIS K
2540に準拠して、50mlビーカーに試料油30
gを秤取し、アルミホイルでふたをした後、回転板の取
り付けられた150℃恒温槽内に静置し、7日後の試料
油の外観、40℃における動粘度、全酸価を測定した。
得られた結果を表11〜12に示す。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
【表3】
【0082】
【表4】
【0083】
【表5】
【0084】
【表6】
【0085】
【表7】
【0086】
【表8】
【0087】
【表9】
【0088】
【表10】
【0089】
【表11】
【0090】
【表12】
【0091】表1〜12に示した結果から明らかなよう
に、本発明の冷凍機油組成物である実施例1〜32の試
料油は、エポキシ化合物を含有しないかあるいはグリシ
ジルエステル型エポキシ化合物および脂環族エポキシ化
合物以外のエポキシ化合物を含有する場合と比較して、
HFC冷媒と共に用いた場合に動粘度、冷媒相溶性、電
気絶縁性、耐加水分解性、熱安定性および潤滑性の全て
の性能がバランスよく優れていた。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の冷凍機油
組成物によれば、HFC冷媒および二酸化炭素やハイド
ロカーボンなどの自然系冷媒と共に用いた場合に、潤滑
性、冷媒相溶性、熱・加水分解安定性、電気絶縁性等に
優れるとともに冷凍システムの高効率化を達成すること
が可能となる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10N 30:08 40:30 (72)発明者 平野 裕之 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日石三 菱株式会社潤滑油部潤滑油研究所内 Fターム(参考) 4H104 BB09C BB32C BB33A LA04 LA20 PA20

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)脂環式環および下記一般式(1)
    で表されるエステル基を少なくとも2個有し、かつ該エ
    ステル基の少なくとも2個が脂環式環上の互いに隣接す
    る炭素原子に結合した脂環式多価カルボン酸エステル化
    合物 −COOR1 (1) (上記式中、R1は炭素数1〜30の炭化水素基を表
    し、各エステル基のR1は同一でも異なっていてもよ
    い。)および、(B)グリシジルエステル型エポキシ化
    合物および脂環族エポキシ化合物からなる群から選ばれ
    る少なくとも1種のエポキシ化合物を含有することを特
    徴とする冷凍機油組成物。
JP2000087260A 1999-03-26 2000-03-27 冷凍機油組成物 Expired - Fee Related JP4056193B2 (ja)

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