JP2000345049A - 木質系樹脂組成物の製造方法及びその方法によって得られた木質系樹脂組成物並びにその木質系樹脂組成物の成形品 - Google Patents

木質系樹脂組成物の製造方法及びその方法によって得られた木質系樹脂組成物並びにその木質系樹脂組成物の成形品

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JP2000345049A
JP2000345049A JP11157962A JP15796299A JP2000345049A JP 2000345049 A JP2000345049 A JP 2000345049A JP 11157962 A JP11157962 A JP 11157962A JP 15796299 A JP15796299 A JP 15796299A JP 2000345049 A JP2000345049 A JP 2000345049A
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Hitoshi Ariki
斉 有木
Tadashi Yoshinaga
正 吉永
Jiro Nishio
治郎 西尾
Akira Nakamura
彰 中村
Eiji Yamano
英治 山野
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Eidai Co Ltd
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Eidai Co Ltd
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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】セルロース系材料としてPB等の木質材の鋸屑
やサンダーダストを使用する場合でも、不快臭が発生し
にくく、熱可塑性プラスチック材料に効率よく短時間で
均一に混合させることができる木質系樹脂組成物の製造
方法を提供する。 【解決手段】ペレット状に造粒されたPBサンダーダス
ト120gと、ポリプロピレン80gとを攪拌翼型混合
機1に投入し、約50秒間攪拌混合することでゲル状の
木質系樹脂組成物を製造した。ペレット状に造粒された
PBサンダーダストが攪拌されながら徐々に微粉状に粉
砕されるので、ポリプロピレンとPBサンダーダストと
が効率よく短時間で均一に混合されると共に、PBサン
ダーダストに付着した尿素樹脂の熱分解温度(170
℃)以上の温度条件下での攪拌時間が3秒程度と極めて
短いので、尿素樹脂が熱分解を起こしにくく、木質系樹
脂組成物の製造過程で発生する不快臭を最小限に抑える
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、合成樹脂が付着
したセルロース系材料と熱可塑性プラスチック材料とを
含有する木質系樹脂組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら、ポリプロピレン、ポリスチレン等の熱可塑性プラス
チック材料と、木粉等のセルロース系材料とを攪拌翼型
混合機に投入し、この攪拌翼型混合機内で両者を攪拌す
る際の摩擦熱によって熱可塑性プラスチック材料を溶融
しながら、溶融状態の熱可塑性プラスチック材料にセル
ロース系材料を混合することで木質系樹脂組成物を製造
し、この木質系樹脂組成物を用いて木質合成板等を成形
するといったことが行われている。
【0003】ところで、上述したような木質系樹脂組成
物を製造する際に使用されるセルロース系材料として
は、木材等から新たに作った木粉等の素材が使用されて
いるが、こういったピュアなセルロース系材料ではな
く、合板、PB、MDFといった木質材の鋸屑やサンダ
ーダスト等を使用することで、資源の有効利用を図るこ
とが望まれている。
【0004】しかしながら、上述したようなPB等の木
質材の鋸屑やサンダーダストには、木質材を製造する際
に使用される尿素系樹脂等の接着剤が付着しているの
で、こういった鋸屑やサンダーダストを、破砕しながら
溶融させた熱可塑性プラスチック材料に混合することで
木質系樹脂組成物を製造すると、溶融状態にある熱可塑
性プラスチック材料の熱によって、セルロース系材料に
付着していた尿素系樹脂等の接着剤が熱分解を起こして
アンモニアやアミン系化合物が発生し、木質系樹脂組成
物の製造過程で不快臭が発生するといった問題がある。
【0005】また、このようにして発生したアンモニア
やアミン系化合物は、製造される木質系樹脂組成物の中
に閉じこめられるので、こういった木質系樹脂組成物を
用いて成形品を製造すると、押出成形時に気泡や巣等が
発生し、成形品の肌荒れの原因になると共に、成形後に
も成形品から不快臭が発散するといった問題がある。
【0006】さらに、上述したような木質系樹脂組成物
を製造する際に使用されるセルロース系材料として、P
B等の木質材の鋸屑やサンダーダストといった粉粒状ま
たは繊維状のものを熱可塑性プラスチック材料と共に攪
拌翼型混合機に投入して高速で攪拌しながら混合する
と、粒子径の小さなセルロース系材料が攪拌翼型混合機
内で舞い上がってしまい、セルロース系材料と熱可塑性
プラスチック材料とを効率よく短時間で均一に混合させ
ることができないといった問題もある。
【0007】そこで、この発明の課題は、セルロース系
材料としてPB等の木質材の鋸屑やサンダーダストを使
用する場合でも、不快臭が発生しにくく、しかも、熱可
塑性プラスチック材料に効率よく短時間で均一に混合さ
せることができる木質系樹脂組成物の製造方法及びその
方法によって得られる木質系樹脂組成物並びにその木質
系樹脂組成物の成形品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及びその効果】上記の課題
を解決するため、この発明は、ペレット状に造粒され
た、合成樹脂が付着した粉粒状または繊維状のセルロー
ス系材料と熱可塑性プラスチック材料とを攪拌翼型混合
機に投入して攪拌することで、前記熱可塑性プラスチッ
ク材料を溶融させながら、ペレット状に造粒された前記
セルロース系材料を微粉状に粉砕し、前記セルロース系
材料に付着した前記合成樹脂の熱分解温度より高い温度
条件下での攪拌時間を3分以下に制限した状態で、微粉
状に粉砕された前記セルロース系材料を溶融状態の前記
熱可塑性プラスチック材料に混合するようにしたのであ
る。
【0009】このような方法では、使用する熱可塑性プ
ラスチック材料の溶融温度がセルロース系材料に付着し
た合成樹脂の熱分解温度より高い場合でも、合成樹脂の
熱分解温度より高い温度条件下での攪拌時間が3分以下
と短いので、セルロース系材料に付着した合成樹脂の熱
分解を最小限に抑えることができる。
【0010】従って、請求項2に記載の製造方法のよう
に、使用するセルロース系材料に尿素系樹脂が付着して
いる場合には、その尿素系樹脂のアンモニア、アミン系
化合物への熱分解が抑えられるので、木質系樹脂組成物
の製造過程における不快臭の発生を最小限に抑えること
ができる。
【0011】また、ペレット状の前記セルロース系材料
が攪拌されながら徐々に微粉状に粉砕されるので、粉粒
状または繊維状のセルロース系材料を熱可塑性プラスチ
ック材料と共に攪拌翼型混合機に投入して攪拌する場合
のように、セルロース系材料が攪拌翼型混合機内で舞い
上がることがなく、熱可塑性プラスチック材料とセルロ
ース系材料とを効率よく短時間で均一に混合させること
ができる。
【0012】また、上述した方法によって製造された木
質系樹脂組成物には、アンモニアやアミン系化合物等の
熱分解物質が取り込まれにくいので、この木質系樹脂組
成物を用いて押出成形する際に気泡や巣等が発生しにく
く、肌荒れの少ない成形品を得ることができると共に、
得られた成形品からの不快臭の発散も最小限に抑えるこ
とができる。
【0013】さらに、上述した方法によって製造された
木質系樹脂組成物は、熱可塑性プラスチック材料に対し
てセルロース系材料が均一に分散混合されているので、
この木質系樹脂組成物によって成形された成形品は、物
性の安定した高品質のものとなる。
【0014】また、セルロース系材料をペレット化して
おくことによって、攪拌翼型混合機等への投入量が測定
しやすくなると共に投入作業も容易になり、粉塵爆発の
危険性もなくなるので、セルロース系材料の取扱性が向
上するといった効果がある。
【0015】また、請求項3に記載の製造方法のよう
に、セルロース系材料の配合量を50〜80重量%の範
囲内に設定しておくと、製造された木質系樹脂組成物か
ら得られる成形品に木質材に近い質感を付与することが
できるといった効果がある。
【0016】なお、セルロース系材料に付着した合成樹
脂としては、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素メラミン樹
脂等の尿素系樹脂の他、フェノール樹脂等が含まれる。
また、ここにいう「合成樹脂が付着したセルロース系材
料」としては、合板サンダーダスト、PBサンダーダス
ト、MDFサンダーダスト、廃MDFファイバー、合板
鋸屑、PB鋸屑、MDF鋸屑等を使用することができ、
粒子径または繊維長が10mm以下のものが好ましい。
また、使用するセルロース系材料には、合成樹脂が付着
していないものが含まれていてもよい。
【0017】このようなセルロース系材料は、リングダ
イ方式等種々の造粒方法によって、直径が8〜10m
m、長さが5〜10mm、嵩密度が0.5〜0.6g/
cm3程度にペレット化しておくことが望ましく、特
に、使用するセルロース系材料の粒子径が5mm以下で
ある場合はペレット化しておくことが有効である。な
お、ペレット化されたセルロース系材料の密度は、1.
0g/cm3以下が好ましく、より好ましくは0.9g
/cm3以下である。また、上述したセルロース系材料
は、単一種類でペレット化してもよく、複数種類を混合
した状態でペレット化することも可能である。
【0018】前記熱可塑性プラスチック材料としては、
ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ
エチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体
(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)等やこれらの廃
プラスチックを、単独または複数種類を混合した状態で
使用することができ、これらの熱可塑性プラスチック材
料には、少量の熱硬化性プラスチック材料が混入されて
いてもよい。攪拌翼型混合機内で熱可塑性プラスチック
材料を破砕する際に熱硬化性プラスチック材料も微粉状
に破砕され、セルロース系材料と共に溶融状態の熱可塑
性プラスチック材料に分散されるので、成形品の物性を
大きく左右することはないからである。
【0019】また、セルロース系材料に付着している合
成樹脂の熱分解を抑制するためには、合成樹脂の熱分解
温度より高い温度条件下での攪拌時間をできるだけ短く
することが望ましいが、熱可塑性プラスチック材料に対
するセルロース系材料の分散混合性についても考慮する
必要があるので、合成樹脂の熱分解温度より高い温度条
件下での攪拌時間は、使用する混合機等の性能を考慮し
てできるだけ短い時間に設定しなければならない。具体
的には、3分以内、好ましくは1分以内、より好ましく
は30秒以内に設定しておくことが望ましい。
【0020】また、金属触媒(酸化亜鉛、酸化銅)、活
性炭、炭酸水素ナトリウム等の脱臭剤、セルロース系材
料と熱可塑性プラスチック材料との結合を強化するため
の相溶化剤(例えば、無水マレイン酸変性ポリプロピレ
ン)や混合物の流動性を向上させる滑剤(例えば、ワッ
クス、パラフィン、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸
メチル)等を適宜添加することも可能である。
【0021】また、製造した木質系樹脂組成物は、溶融
状態でプレス成形、ロール(連続)プレス成形、押出成
形等を行うことによって、木質合成板等の種々の成形品
を製造することができる。具体的には、床下地材や温水
チューブの収容溝が形成された床暖房パネル用のパネル
基材等はプレス成形に、置床パネル、コンパネはロール
プレス成形に適しており、上がり框、水廻り部材、エク
ステリア用成形品(ウッドデッキ等)、建築構造部材
(建築用柱材等)、造作材(廻り縁、敷居、窓枠等)等
は押出成形に適している。なお、置床パネル、コンパネ
はプレス成形によって製造することも可能である。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。まず、PBサンダーダストをリングダイ方
式の造粒装置(75HP、CPM社製)により、直径が
8〜10mm、長さが5〜10mm、嵩密度が0.5〜
0.6g/cm3程度にペレット化する。そして、セル
ロース系材料としてペレット化されたPBサンダーダス
ト120gと、熱可塑性プラスチック材料としてポリプ
ロピレン80gとを、図1に示すような攪拌翼型混合機
1に投入し、約50秒間攪拌した。
【0023】この攪拌翼型混合機1は、同図に示すよう
に、横向円筒形のチャンバー11内を、図示しない軸受
によって水平に支持された回転軸12が貫通しており、
この回転軸12には6枚の攪拌翼13a、13b、13
c、13d、13e、13fが設けられている。
【0024】6枚の攪拌翼13a〜13fのうち、両端
の2枚の攪拌翼13a、13fは、チャンバー11の両
端壁の内面に溶融状態の熱可塑性プラスチック材料が付
着するのを防止するものであり、チャンバー11の両端
壁の内面に摺接するように回転軸12に取り付けられて
いる。
【0025】一方、チャンバー11内の中間部に位置し
ている4枚の攪拌翼13b、13c、13d、13e
は、投入材料をチャンバー11の中央部に導くことで衝
突効率を高めると共に均一に混合するためのものであ
り、回転軸12の外周面に千鳥状に取り付けられ、先端
部が約15度の角度で捻られている。
【0026】また、チャンバー11には、材料供給口1
1a及び混合物排出口11bがそれぞれ形成されてお
り、ホッパー15に投入された材料が回転軸12の外周
面に設けられた螺旋状の材料供給スクリュー14によっ
て、材料供給室16から材料供給口11aを通ってチャ
ンバー11内に供給されるようになっている。なお、混
合物排出口11bは図示しない開閉扉によって閉塞され
ている。
【0027】攪拌翼型混合機1に投入されたペレット状
のMDFサンダーダスト及びポリプロピレンは、チャン
バー11内において攪拌翼13a〜13fによって攪拌
されることにより、相互に衝突したり、攪拌翼13a〜
13fやチャンバー11の壁面に衝突したりすることに
よって摩擦熱が発生すると共に徐々に粉砕され、発生し
た摩擦熱によって熱可塑性プラスチック材料であるポリ
プロピレンが徐々に昇温される。なお、使用した攪拌翼
型混合機1の容量は1Lであり、先端速度が30m/秒
程度になるように、攪拌翼13a〜13fを高速で回転
させた。
【0028】このように、攪拌されることによって投入
材料が徐々に粉砕されながら昇温し、ポリプロピレンの
溶融温度に達すると、ポリプロピレンがゲル状に溶融す
るので、それに伴って、微粉状に粉砕されたPBサンダ
ーダストが溶融状態のポリプロピレンに巻き込まれなが
ら均一に分散され、最終的にポリプロピレンと微粉状の
PBサンダーダストとが均一に混合されたゲル状の木質
系樹脂組成物となって混合物排出口11bから排出され
る。
【0029】PBサンダーダストに付着している尿素樹
脂の熱分解温度は170℃、ポリプロピレンの溶融温度
は165〜170℃であるので、溶融状態のポリプロピ
レンに尿素樹脂が付着しているPBサンダーダストを攪
拌混合すると、PBサンダーダストに付着している尿素
樹脂が熱分解を起こし、アンモニアやアミン系化合物が
発生するが、上述した攪拌翼型混合機1では、170℃
以上の温度条件下で3秒程度攪拌することにより、溶融
状態のポリプロピレンにPBサンダーダストを均一に分
散混合させることができるので、尿素樹脂が熱分解を起
こすことに伴うアンモニアやアミン系化合物の発生を最
小限に抑えることができ、木質系樹脂組成物の製造過程
において不快臭が発生することはなかった。
【0030】このようにして得られたゲル状の木質系樹
脂組成物を40kgf/cm2程度の圧力で冷圧プレス
することによって木質合成板を製造した。この木質合成
板は、優れた寸法安定性と十分な物理的強度を備えてお
り、成形された木質合成板からアミン臭等の不快臭が発
散されることもなく、物性の安定した高品質のものであ
った。
【0031】(比較例)セルロース系材料として尿素樹
脂が付着した粉体状のPBサンダーダスト60重量%、
熱可塑性プラスチック材料としてポリプロピレン40重
量%を、一般的に使用されているヘンシェル型の攪拌翼
型混合機に同時に投入し、先端速度が30m/秒程度に
なるように、高速で攪拌翼を回転させることで10分間
攪拌し、溶融状態のポリプロピレンにPBサンダーダス
トを分散混合させて木質系樹脂組成物を製造した。
【0032】このヘンシェル型の攪拌翼型混合機では、
攪拌混合時に粒子径の小さなPBサンダーダストが混合
槽内で舞い上がるため、溶融状態のポリプロピレンにP
Bサンダーダストを均一に分散混合するのにある程度の
時間を要し、尿素樹脂の熱分解温度(170℃)以上の
温度条件下で8分間程度攪拌を行った。このように、尿
素樹脂がある程度の時間その熱分解温度以上の温度環境
にさらされるので、PBサンダーダストに付着した尿素
樹脂が熱分解を起こし、木質系樹脂組成物の製造過程に
おいてアミン臭等の不快臭が発生した。
【0033】このようにして得られたゲル状の木質系樹
脂組成物を40kgf/cm2程度の圧力で冷圧プレス
することによって木質合成板を製造した。この木質合成
板には、木質系樹脂組成物の製造過程において生成した
アンモニアやアミン系化合物等が閉じこめられているの
で、成形された木質合成板からもアミン臭等の不快臭が
発散していた。
【0034】以上のように、尿素系樹脂等の合成樹脂が
付着したセルロース系材料とポリプロピレン等の熱可塑
性プラスチック材料とを混合することで木質系樹脂組成
物を製造する場合であって、使用する熱可塑性プラスチ
ック材料の溶融温度が高いために、セルロース系材料に
付着している合成樹脂の熱分解温度より高い温度条件下
で両者を攪拌混合しなければならない場合は、そういっ
た高い温度条件下での攪拌混合時間をできるだけ抑える
ことによって、セルロース系材料に付着している合成樹
脂の熱分解に伴う不快臭の発生を最小限に抑えることが
できるので、上述した実施例のように、セルロース系材
料と熱可塑性プラスチック材料とを短時間で均一に混合
することのできる混合機を選択して使用することが特に
重要となる。
【0035】また、この木質系樹脂組成物の製造方法で
は、粉体状のPBサンダーダストをそのままの状態で攪
拌翼型混合機1に投入するのではなく、予めペレット状
に造粒した状態で攪拌翼型混合機1に投入し、熱可塑性
プラスチック材料であるポリプロピレンと共に攪拌する
ことで昇温させながら徐々に微粉状に粉砕するようにし
たので、ポリプロピレンが溶融していないため粉体状の
PBサンダーダストをポリプロピレンの内部に取り込め
ない攪拌初期の段階では、粉体状のPBサンダーダスト
が存在しておらず、温度が上昇してポリプロピレンが溶
融し始めるころに、ペレット状に造粒したPBサンダー
ダストが微粉状に粉砕されているので、粉体状のPBサ
ンダーダストをそのままの状態で攪拌翼型混合機1に投
入した場合のように、攪拌によって粉体状のPBサンダ
ーダストが攪拌翼型混合機1内で舞い上がることがな
く、ポリプロピレンとPBサンダーダストとを効率よく
短時間で均一に混合させることができる。
【0036】また、セルロース系材料であるPBサンダ
ーダストをペレット化しておくことによって、攪拌翼型
混合機等への投入量が測定しやすくなると共に投入作業
も容易になり、粉塵爆発の危険性もなくなるので、PB
サンダーダストのような粉体状のセルロース系材料の取
扱性が向上するといった効果がある。
【0037】なお、使用する熱可塑性プラスチック材料
の溶融温度がセルロース系材料に付着している合成樹脂
の熱分解温度より低い場合は、混合機内の温度がセルロ
ース系材料に付着している合成樹脂の熱分解温度以上に
昇温しないように、混合機による攪拌速度等を制御する
ことで、木質系樹脂組成物の製造過程における不快臭の
発生や、成形品からの不快臭の発散を防止することがで
きる。合板サンダーダスト、PBサンダーダスト、MD
Fサンダーダスト、廃MDFファイバー、合板鋸屑、P
B鋸屑、MDF鋸屑等には、通常、接着剤としての尿素
系樹脂が付着しているので、尿素系樹脂の熱分解温度よ
り溶融温度が低いポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩
化ビニル等を熱可塑性プラスチック材料として使用する
場合に有効である。
【0038】また、上述した実施例では、セルロース系
材料であるPBサンダーダストの配合量が60重量%で
あるが、セルロース系材料の配合量は、最終成形品に要
求される物性等を考慮して、50〜80重量%の範囲内
で適宜設定すればよい。セルロース系材料の配合量が5
0重量%以下では最終成形品に木質材としての質感を付
与することができないからであり、セルロース系材料の
配合量が80重量%以上ではバインダとして機能する熱
可塑性プラスチック材料の量が少なすぎて最終成形品に
十分な強度を確保することができないからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる木質系樹脂組成物の製造方法
を実施するために使用した攪拌翼型混合機を示す要部断
面図である。
【符号の説明】
1 攪拌翼型混合機 11 チャンバー 12 回転軸 13a、13b、13c、13d、13e、13f 攪
拌翼 14 材料供給スクリュー 15 ホッパー 16 材料供給室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101:00 61:24) (72)発明者 西尾 治郎 大阪府大阪市住之江区平林南2丁目10番60 号 永大産業株式会社内 (72)発明者 中村 彰 大阪府大阪市住之江区平林南2丁目10番60 号 永大産業株式会社内 (72)発明者 山野 英治 大阪府大阪市住之江区平林南2丁目10番60 号 永大産業株式会社内 Fターム(参考) 4F070 AA15 AB09 AC72 AC85 AE01 FA03 FB06 FB08 FC03 4F071 AA02 AA20 AA41 AA73 AD02 AH03 BA01 BB03 BC03 4J002 AA012 AB011 BB032 BB122 BC032 BD042 BN152 CC033 CC163 CC183 CF062 GL00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペレット状に造粒された、合成樹脂が付
    着した粉粒状または繊維状のセルロース系材料と熱可塑
    性プラスチック材料とを攪拌翼型混合機に投入して攪拌
    することで、前記熱可塑性プラスチック材料を溶融させ
    ながら、ペレット状に造粒された前記セルロース系材料
    を微粉状に粉砕し、前記セルロース系材料に付着した前
    記合成樹脂の熱分解温度より高い温度条件下での攪拌時
    間を3分以下に制限した状態で、微粉状に粉砕された前
    記セルロース系材料を溶融状態の前記熱可塑性プラスチ
    ック材料に混合するようにした木質系樹脂組成物の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記セルロース系材料として、尿素系樹
    脂が付着しているものを使用した請求項1に記載の木質
    系樹脂組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記合成樹脂が付着した前記セルロース
    系材料の配合量が50〜80重量%である請求項1また
    は2に記載の木質系樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3に記載の方法によ
    って製造された木質系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の木質系樹脂組成物を用
    いて成形された成形品。
JP11157962A 1999-06-04 1999-06-04 木質系樹脂組成物の製造方法及びその方法によって得られた木質系樹脂組成物並びにその木質系樹脂組成物の成形品 Withdrawn JP2000345049A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009138109A (ja) * 2007-12-06 2009-06-25 Toyota Boshoku Corp 熱可塑性組成物成形体の製造方法

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JP2009138109A (ja) * 2007-12-06 2009-06-25 Toyota Boshoku Corp 熱可塑性組成物成形体の製造方法

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