JP2000344486A - 産業車両の多段マスト装置 - Google Patents

産業車両の多段マスト装置

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JP2000344486A
JP2000344486A JP11155387A JP15538799A JP2000344486A JP 2000344486 A JP2000344486 A JP 2000344486A JP 11155387 A JP11155387 A JP 11155387A JP 15538799 A JP15538799 A JP 15538799A JP 2000344486 A JP2000344486 A JP 2000344486A
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ascending
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Kazuo Sumori
一男 寿盛
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Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吊上がり防止のための下降用牽引索を備えた
産業車両の多段マスト装置において、奥行き寸法を極力
縮小してコンパクト化を図る。 【解決手段】 断面コ字形の左右のマストレールを互い
にタイビームにて結合して形成される複数のマスト1,
2,3,4を備え、前記マストのうち、リフトチェーン
11,12によって上昇される第1及び第2のインナマ
スト3,4に対してその下降時に下向きの引張力を付与
する下降用チェーン21,22を備えた産業車両の多段
マスト装置において、上昇用の上部ガイドホイール1
3,16及び下降用の下部ガイドホイール23,26の
取付軸32,37を、それぞれその軸線方向がタイビー
ム2b,3b,2c,3cの長手方向に沿って平行とな
るように該タイビームの前後方向中央上面に配置する。
また、上部ガイドホイール13,16と下部ガイドホイ
ール23,26とを同一垂直面内に配置し、リフトチェ
ーンと下降用チェーンが側面視で上下方向の長円形をな
すように配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォークリフトや
高所作業車等のような産業車両に用いられる多段マスト
装置に係り、詳しくは吊り上がり防止のための下降用牽
引索を備えた多段マスト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フォークリフト又は高所作業車に
適用されている、上、中、下の少なくとも3段以上、例
えば4段マスト装置では、2段目のマストである中間マ
ストを一段目の下部マストに沿って単動式の油圧リフト
シリンダによって上昇する一方、3段目及び4段目のマ
ストをそれぞれリフトチェーンによって上昇し、下降は
リフトシリンダの油圧を抜いて自重で行う構成となって
いる。従って、上記のような構成によるときは、リフト
チェーンによって吊られる3段目、4段目のマストは、
自重による下降動作中に何らかの原因によって途中で引
っ掛かった場合、2段目の中間マストの下降動作が継続
されると、リフトチェーンに弛みが生じ、所謂吊上がり
現象が発生する。そして、リフトチェーンに弛みが生じ
た状態で、上記の引っ掛かりが解消すると、当該マスト
及び作業装置(フォークリフトの場合はフォーク、高所
作業車の場合は作業台)が急落下することになる。かか
る不具合は、リフトチェーンによって上昇されるマスト
に関してリフトチェーンと逆掛けに下降用チェーンを配
することにより、当該マストの下降動作を機械的に行わ
せ、下降途中でマストに引っ掛かりが生じたときには、
その他のマストも下降しないように構成することで解消
できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、産業車両のマ
スト装置は、断面コ字形の左右2本のマストレールを上
下のタイビームにて相互に結合して構成される複数のマ
ストを、外側から内側へ順に重ね入れて伸縮自在に構成
されている。ところが、3段以上の多段マスト装置に、
上述した吊上がり防止のための下降用チェーンを設定し
ようとした場合、マスト内には下降用チェーンを組み込
むための十分なスペースが存在しないことが多いことか
ら、マストのタイビーム相互の前後方向間隔を広く設定
することによって、マスト装置の奥行き寸法、つまり車
両前後方向の厚さを大きくして組付けスペースを確保し
なければならず、そのときはマスト装置の前後方向の厚
さが増大し、その結果、許容荷重が低減するといった問
題が生ずる。
【0004】本発明は、上述した従来の問題点に鑑みて
なされたものであり、その目的とするところは、吊上が
り防止のための下降用牽引索を備えた産業車両の多段マ
スト装置において、奥行き寸法を極力縮小してコンパク
ト化を図ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明に係る産業車両の多段マスト装置は、特許請
求の範囲の各請求項に記載の通りの構成を備えた。従っ
て、請求項1の発明によれば、上昇用ガイドホイール及
び下降用ガイドホイールの取付軸を、その軸線が当該タ
イビームの長手方向に沿って平行となるように該タイビ
ームの前後方向中央上面に配置したことによって、ガイ
ドホイールの直径(牽引索の巻き掛け径)を超えない範
囲内で、タイビーム相互を接近して配置することが可能
となる。このため、マスト装置全体の奥行き寸法である
前後方向の厚みの増大が極力抑制されることになり、こ
のことによって装置全体のコンパクト化が図られる。
【0006】また、請求項2の発明によれば、上昇用ガ
イドホイールと下降用ガイドホイールが同一垂直面に配
置される構成を採用したときは、上昇用牽引索と下降用
牽引索とが前後方向に関して相互に重なり合う構成とな
る。このため、運転席上からの前方視野を考えたとき
は、一本の牽引索が存在するのと略同等の状況となり、
下降用牽引索を有しない上昇用牽引索のみからなる構成
のマスト装置に比べて、実質的に差のない前方視野を得
ることができる。また、上昇用と下降用の上下のガイド
ホイール及びそれに掛装される牽引索が上下方向に長い
長円形の垂直面内に配置されることになり、少ないスペ
ースで牽引索を組付けることが可能となり、このこと
は、マスト装置のコンパクト化を達成する上で有効であ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は産業車両用の4段マスト装
置の平面図であり、図中の中心線P−Pを挟んで上半分
がマスト下部側を示し、下半分がマスト上部側を示して
いる。図2はマストの昇降動作を案内するリフトローラ
の配置を示す模式図、図3はマスト昇降用チェーン及び
そのガイドホイールの配置を示す模式図、図4及び図5
はそれぞれガイドホイールの取付構造を示す図面であ
る。なお、図中の矢印FRは車両前方を示す。図示のよ
うに、本実施の形態に係るマスト装置は、アウタマスト
1と、ミドルマスト2と、第1インナマスト3と、第2
インナマスト4との合計4本のマストを入れ子式に伸縮
自在に組み合わせた構成となっている。各マスト1,
2,3,4はそれぞれ車幅方向に所定間隔を置いて対向
状に配置された縦長の左右2本のマストレール1a,2
a,3a,4aと、左右のマストレール1a,2a,3
a,4aを相互に結合する車幅方向に長い横長のプレー
トからなる上部タイビーム1b,2b,3b,4b及び
下部タイビーム1c、2c、3c,4cとによって構成
されている。
【0008】そして、タイビームのうち、アウタマスト
1、ミドルマスト2及び第1インナマスト3のタイビー
ム1b,2b,3b,1c,2c,3cは、マストレー
ル1a,2a,3aの後面側に固着されるが、第2イン
ナマスト4のタイビーム4b,4cは、マストレール4
aの前面側に固着される。また、タイビームのうち、ア
ウタマスト1の下部タイビーム1cは板厚方向が上下方
向となるように配置され、それ以外の全てのタイビーム
は、板厚方向が前後方向となるように配置されている。
また、マストレール1a,2a,3a,4aは、それぞ
れが断面コ字形に形成されており、そのうちのアウタマ
スト1、ミドルマスト2及び第1インナマスト3のマス
トレール1a,2a,3aが開口側を内向きにして配置
され、第2インナマスト4のマストレール4aが開口側
を外向きにして配置されている。そして、上記のように
構成される4本のマスト1,2,3,4は、外側から内
側に順次重ね入れられて昇降可能に組付けられている。
【0009】図1及び図2に示すように、ミドルマスト
2は、アウタマスト1のマストレール1aの内面上端部
に設けた上部リフトローラ5Uと、ミドルマスト2のマ
ストレール2aの外面下端部に設けた下部リフトローラ
5Rとによって案内される。また、第1インナマスト3
は、ミドルマスト2のマストレール2aの内面上端部に
設けた上部リフトローラ6Uと、第1インナマスト3の
マストレール3aの外面下端部に設けた下部リフトロー
ラ6Rとによって案内される。さらに、第2インナマス
ト4は、第1インナマスト3のマストレール3aの内面
上端部に設けた上部リフトローラ7Uと、第2インナマ
スト4のマストレール4aの外面下端部に設けた下部リ
フトローラ7Rとによって案内される。なお、図示は省
略するが、第2インナマスト4には、その前面側に荷役
用作業装置(フォークリフトであればフォークが、高所
作業車であれば作業員が乗り込むための作業台)が取り
付けられることになる。
【0010】次に、マスト装置の昇降動作の駆動機構を
図1及び図3に基づいて説明する。ミドルマスト2の上
昇動作は、アウタマスト1の下部タイビーム1c上の車
幅方向略中央部に立設された油圧式リフトシリンダ8の
伸長動作による押し上げによって行い、第1インナマス
ト3の上昇動作は、左右2本の第1リフトチェーン11
による吊り上げによって行い、さらに第2インナマスト
4の上昇動作は、同じく左右2本の第2リフトチェーン
12による吊り上げによって行う構成とされている。従
って、上記の第1及び第2のリフトチェーン11,12
が上昇用牽引索を構成する。一方、第2インナマスト4
及び第1インナマスト3の下降動作は、リフトシリンダ
8の油圧を抜いて縮小作動したときの作業装置を含む自
重によって行う構成となっている。
【0011】上記のような構成を達成するために、リフ
トシリンダ8はそのピストンロッド8aの上端がミドル
マスト2の上部タイビーム2bに固着されたブラケット
9に連結されている。また、第1リフトチェーン11は
ミドルマスト2の上部タイビーム2bに取り付けられた
第1上部ガイドホイール13に逆U字状に掛けられると
ともに、一端がアウタマスト1の上部タイビーム1bの
前面側に取り付けられたチェーン取付部14に掛止さ
れ、他端が第1インナマスト3の下部タイビーム3cの
後面側に固着されたチェーン取付部15に掛止されてい
る。さらに、第2リフトチェーン12は、第1インナマ
スト3の上部タイビーム3bに取り付けられた第2上部
ガイドホイール16に逆U字状に掛けられるとともに、
一端がミドルマスト1の上部タイビーム1bの前面側に
取り付けられたチェーン取付部17に掛止され、他端が
第2インナマスト4の下部タイビーム4cの後面側に固
着されたチェーン取付部18に掛止されている。従っ
て、上記の第1及び第2の上部ガイドホイール13,1
6が上昇用ガイドホイールを構成し、また、チェーン取
付部14,15,17,18が牽引索取付部を構成す
る。なお、具体的図示は省略するが、マスト側に対する
リフトチェーン11,12の掛止は、チェーン取付部1
4,15,17,18に設定される掛止ピンやブラケッ
トのような掛止具に対してチェーン端部に設けられたア
イジョイントやアンカーボルトのような端末部材を連結
することで行う。
【0012】さて、上記のような自重で下降するマスト
装置においては、リフトチェーン11,12によって吊
られている第1及び第2のインナマスト3,4は、その
下降中に何らかの原因によって途中で引っ掛かった場合
には、リフトシリンダ8によるミドルマスト2の下降動
作が継続されると、リフトチェーン11,12に弛みが
生じ、所謂吊上がり現象が発生する。そして、リフトチ
ェーン11,12に弛みが生じた状態で、上記引っ掛か
りが解消すると、作業装置が急落下することになる。そ
こで、上記のような吊上がり現象を防止して作業の安全
を確保するために、マスト装置には第1及び第2のイン
ナマスト3,4の下降動作を機械的(強制的)に行わせ
る第1と第2の各一本の下降用チェーン21,22が設
けられている。
【0013】各下降用チェーン21,22は、前記上昇
用のリフトチェーン11,12とは逆掛けに配設されて
いる。即ち、第1インナマスト用の第1下降用チェーン
21は、ミドルマスト2の下部タイビーム2cに取り付
けられた第1下部ガイドホイール23にU字状に掛けら
れるとともに、一端がアウタマスト1の上部タイビーム
1bの前面側に固着されたチェーン取付部24に掛止さ
れ、他端が第1インナマスト3の下部タイビーム3cの
後面側に固着されたチェーン取付部25に掛止されてい
る。また、第2インナマスト用の第2下降用チェーン
は、第1インナマスト3の下部タイビーム3cに取り付
けられた第2下部ガイドホイール26にU字状に掛けら
れるとともに、一端がミドルマスト2の上部タイビーム
2bの前面側に固着されたチェーン取付部27に掛止さ
れ、他端が第2インナマスト4の下部タイビーム4cの
後面側に固着されたチェーン取付部28に掛止されてい
る。従って、上記の第1及び第2の下降用チェーン2
1,22が下降用牽引索を構成し、また第1及び第2の
下部ガイドホイール25,26が下降用ガイドホイール
を構成し、また、チェーン取付部24,25,27,2
8が牽引索取付部を構成する。この場合のマスト側に対
する下降用チェーン21,22の掛止は、リフトチェー
ン11,12の場合と同様に、チェーン取付部24,2
5,27,28に設定される掛止ピンやブラケットのよ
うな掛止具に対してチェーン端部に設けられたアイジョ
イントやアンカーボルトのような端末部材を連結するこ
とで行う。
【0014】上記のように下降用チェーン21,22を
配設することによって、マスト装置の下降動作時におい
ては、第1及び第2のインナマスト3,4に対して下降
用チェーン21,22による下向きの牽引力が作用して
機械的に下降させるため、下降途中で引っ掛かりが生じ
たときは、ミドルマスト2の下降、延いてはリフトシリ
ンダ8の縮小作動を規制する。このため、引っ掛かりに
起因する作業装置の吊上がり現象が防止され、作業の安
全が確保されることになる。
【0015】さて、図4の(A)(B)はミドルマスト
2の上部タイビーム2bと、第1インナマスト3の上部
タイビーム3bとにそれぞれ設けられる上部ガイドホイ
ール13,16の取付構造を示したものである。上部タ
イビーム2b,3bの中央上面にはホイールブラケット
31が溶接によって固着されており、そのホイールブラ
ケット31に上部ガイドホイール13,16の取付軸3
2が両側面から突出するように取り付けられている。そ
して、取付軸32は上部タイビーム2b,3bの真上に
おいて、その軸線方向が該タイビーム2b,3bの長手
方向に沿って平行となる向きに設定されており、その突
出両端部に2個の上部ガイドホイール13,16が嵌合
され、かつ止めピン33にて抜け止めされている。
【0016】また、図5の(A)(B)はミドルマスト
2の下部タイビーム2cと、第1インナマスト3の下部
タイビーム3cとにそれぞれ設けられる下部ガイドホイ
ール23,26の取付構造を示したものである。下部タ
イビーム2c,3cの中央上面にはホイールブラケット
36が溶接によって固着されており、そのホイールブラ
ケット36に下部ガイドホイール23,26の取付軸3
7が一側面から突出するように取り付けられている。そ
して、取付軸37は下部タイビーム2c,3cの真上に
おいて、その軸線方向が該下部タイビーム2c、3cの
長手方向に沿って平行となる向きに設定されており、そ
の突出端部に下部ガイドホイール23,26が嵌合さ
れ、かつ止めピン38にて抜け止めされている。なお、
取付軸32,37に対するガイドホイール13,16,
23,26の取付は、上昇用、下降用のいずれもマスト
の組付け後に実施される。
【0017】上記のように、本実施の形態においては、
上部ガイドホイール13,16及び下部ガイドホイール
23,26の取付軸32,37を、その軸線が当該タイ
ビーム2b,3b,2c,3cの長手方向に沿って平行
となるように該タイビーム2b,3b,2c,3cの前
後方向中央上面に配置したものであり、このことによっ
て、図1に示す如く、アウタマスト1の上部タイビーム
1b前面からミドルマスト2の上部タイビーム2b後面
までの隙間と、ミドルマスト2の上部タイビーム2b前
面から第1インナマスト3の上部タイビーム3b後面ま
での隙間とをそれぞれ最小限に設定することが可能とな
る。即ち、ガイドホイールの直径(チェーンの巻き掛け
径)を超えない範囲内でタイビーム1b、2b、3b相
互を接近して配置することが可能となるため、マスト装
置全体の奥行き寸法である前後方向の厚みの増大が極力
抑制されることになり、このことによって装置全体のコ
ンパクト化が図られる。このため、マスト装置全体を車
体側に寄せて許容荷重をアップするといったことが可能
となる。
【0018】また、本実施の形態では、下降用チェーン
21,22を配設するための下降用の下部ガイドホイー
ル23,26を上昇用の上部ガイドホイール13,16
の真下に配置した、即ち上部ガイドホイール13,16
と下部ガイドホイール23,26とが同一垂直面内に配
置され、リフトチェーン11,12と下降用チェーン2
1,22を側面視で上下方向の長円形をなすように配置
されている。このため、限られたスペースを効率的に活
用して機能の異なる2種のチェーンを配置することが可
能となって、マスト装置のコンパクト化を図る上で頗る
有効となる。しかも、リフトチェーン11,12と下降
用チェーン21,22は、前後方向において相互に重な
り合う配置であるため、運転席上からの前方視野を考え
たときは、一本のチェーンが存在するのと略同等の状況
となり、下降用チェーン21,22を有しないリフトチ
ェーン11,12のみからなる構成のマスト装置に比べ
ても、実質的に差のない前方視野を得ることが可能とな
る。
【0019】ところで、マスト装置の組付けは、一般に
外側から内側へ順に重ね入れる、つまりアウタマスト1
に対してミドルマスト2、第1インナマスト3、第2イ
ンナマスト4の順序で上方から差し込んむことによって
組付けられ、そしてマスト組付け後において、リフトロ
ーラ5U,5R,6U,6R,7U,7Rやガイドホイ
ール13,16,23,26、リフトチェーン11,1
2、下降用チェーン21,22あるいはリフトシリンダ
8等が組付けられる。つまり、ガイドホイール13,1
6,23,26はマストの組付け後に取付軸32,37
に取り付けられる構成であるため、たとえ下部ガイドホ
イール23,26の投影面積内に牽引索取付部14,1
5,17,18,24,25,27,28が存在してい
てもマストの組付性を害することにならない。なぜなら
ば、下部ガイドホイール23,26は上記の如く後付け
部品であるからである。
【0020】なお、上述した実施の形態では、牽引索と
してチェーンを用いた場合で説明しているが、ワイヤに
変更しても何ら差し支えない。また、マスト4段の多段
マスト装置として説明したが、アウタマスト1、ミドル
マスト2、インナマスト3からなる3段マスト装置であ
っても差し支えないのであって、吊上がり現象が発生す
る可能性のあるマスト装置であれば適用可能である。
【0021】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
吊上がり防止のための下降用牽引索を備えた産業車両の
多段マスト装置において、奥行き寸法を極力縮小してコ
ンパクト化を図ることができるため、マスト装置全体を
車体側に寄せて許容荷重をアップすることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】産業車両用の4段マスト装置の平面図であり、
図中の中心線P−Pを挟んで上半分がマスト下部側を示
し、下半分がマスト上部側を示している。
【図2】マストの昇降動作を案内するリフトローラの配
置を示す模式図である。
【図3】マスト昇降用チェーン及びそのガイドホイール
の配置を示す模式図である。
【図4】リフトチェーン用の上部ガイドホイールの取付
構造を示す図面であり、(A)は正面視、(B)は側面
視である。
【図5】リフトチェーン用の下部ガイドホイールの取付
構造を示す図面であり、(A)は正面視、(B)は側面
視である。
【符号の説明】
1…アウタマスト 2…ミドルマスト 3…第1インナマスト 4…第2インナマスト 1a〜4a…マストレール 1b〜4b…上部タイビーム 1c〜4c…下部タイビーム 8…リフトシリンダ 11,12…リフトチェーン 13,16…上部ガイドホイール 21,22…下降用チェーン 23,26…下部ガイドホイール 32,37…取付軸

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面コ字形の左右のマストレールを互い
    にタイビームにて結合して形成される複数のマストを相
    互に重ね入れることによって昇降可能に組付けられる
    上、中、下の少なくとも3段以上の多段マストによって
    構成され、前記マストのうち、上昇用牽引索によって上
    昇されるマストに対してその下降時に下向きの引張力を
    付与するように前記上昇用牽引索とは逆掛けに配設され
    る下降用牽引索を備えた産業車両の多段マスト装置であ
    って、 前記上昇用牽引索の配設に用いられる上昇用ガイドホイ
    ール及び前記下降用牽引索の配設に用いられる下降用ガ
    イドホイールの取付軸を、それぞれその軸線方向が前記
    タイビームの長手方向に沿って平行となるように該タイ
    ビームの前後方向中央上面に配置し、それら各ガイドホ
    イールの外周面に接して上方又は下方に延びる延長線上
    と交差する部位のタイビームに前記上昇用牽引索又は下
    降用牽引索の端部を掛止する牽引索取付部を備えた産業
    車両の多段マスト装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の産業車両の多段マスト装
    置であって、前記上昇用ガイドホイールと下降用ガイド
    ホイールとが同一垂直面内に配置され、上昇用牽引索と
    下降用牽引索が側面視で上下方向の長円形をなすように
    配置されている産業車両の多段マスト装置。
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