JP2000344333A - リターンローラ装置及びそれを用いたベルトコンベヤ - Google Patents

リターンローラ装置及びそれを用いたベルトコンベヤ

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JP2000344333A JP11153825A JP15382599A JP2000344333A JP 2000344333 A JP2000344333 A JP 2000344333A JP 11153825 A JP11153825 A JP 11153825A JP 15382599 A JP15382599 A JP 15382599A JP 2000344333 A JP2000344333 A JP 2000344333A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】曲率の大きなカーブにも適用可能でなおかつ製
作コストを低減する。 【構成】本発明に係るリターンローラ装置は、リターン
ローラをベルト2の戻り側に配置するとともに該リター
ンローラを水平面に対して傾斜自在となるように架台7
に取り付けてある。また、本発明に係るベルトコンベヤ
は、かかるリターンローラ装置8のリターンローラの下
側と上側に戻り側のベルト2bを交互に掛けてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、様々な曲率を持つ
カーブを含んだ搬送経路で使用されるリターンローラ装
置及びそれを用いたベルトコンベヤに関する。
【0002】
【従来の技術】ベルトコンベヤは、土木や建築の分野で
広く使用されてきた運搬機械であり、運搬対象物として
は、骨材、セメント、掘削ずりなど広い範囲に及ぶが、
古くからあるものは運搬距離にして数mの可搬式のもの
が多かった。
【0003】一方、例えば山岳トンネルの掘削作業で生
じた掘削ずりを運搬搬出する場合、機関車とトロを組み
合わせたレール方式や、ダンプトラックなどの車両を用
いるタイヤ方式が主流であったが、レール方式ではレー
ルの維持保守にコストを要したり、タイヤ方式では入出
坑、実車・空車の入換え、方向転換などに難点があって
大断面トンネルでしか使えないといった問題がある。
【0004】かかる状況下、最近では、人手をかけるこ
となく長期間にわたってしかも大量の土を長距離搬送可
能な長さ数十kmにも及ぶ大型のベルトコンベヤも開発
されるようになってきた。
【0005】かかるベルトコンベヤを用いれば、トンネ
ルの規模によっては、従来のレール方式やタイヤ方式よ
りも低コスト・高効率で掘削ずりを搬出することができ
る。
【0006】ベルトコンベヤは、一般的には、両端に設
けられたテールプーリとヘッドプーリにエンドレスベル
トを掛け、数m間隔で配置したキャリアローラでベルト
を支持するとともに、戻り側のベルトについてはリター
ンローラでこれを支持し、ベルト駆動用モータを機首
側、あるいは積荷側(尾端側)に設けて構成することが
多い。また、ベルトを支持するキャリアローラを単に平
坦に配置するのではなく、下方に凸となるように配置す
ることによって、その上を通過するベルトにトラフ角と
呼ばれる湾曲変形を与え、搬送物が側方にこぼれるのを
防止するのが一般的である。
【0007】ここで、このようなベルトコンベヤにおい
ては、直線部分では発生し得ない特殊な問題がカーブ部
分で生じる。すなわち、カーブ部分では、内周と外周の
周長が異なることやベルトに張力が作用することに起因
して、ベルトが曲率中心方向へ引っ張られ、キャリアロ
ーラやリターンローラから外れてしまうことがある。
【0008】そのため、ベルトそのものをU字状あるい
は円筒状に丸く成形加工し、テール側及びヘッド側での
み平坦状に戻して搬送物の積み降ろしをするようにした
ベルトコンベヤも開発されており、かかるベルトコンベ
ヤによれば、搬送中においてはベルトがU字状あるいは
円筒状になっているため、曲率の大きなカーブに適用し
てもベルトが外れてしまうという懸念がないとともに、
搬送物がU字状あるいは円筒状内部空間に収納された状
態で搬送されるため、搬送途中で搬送物がこぼれてしま
うこともないという利点を有する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
ベルトコンベヤでは、ベルト自体を特殊加工する必要が
あるため、ベルト製作コストが高くなることはもちろ
ん、キャリア側とリターン側とを合わせたコンベヤ断面
が大きくなり、ベルトコンベヤ全体の占有スペースが大
きくなったり、ベルトコンベヤの製作コストが高くなっ
たりするという問題を生じていた。
【0010】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、曲率の大きなカーブにも適用可能であってな
おかつ製作コストを低減可能なリターンローラ装置及び
それを用いたベルトコンベヤを提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るリターンローラ装置は請求項1に記載
したように、リターンローラをベルトの戻り側に配置す
るとともに該リターンローラを水平面に対して傾斜自在
となるように架台に取り付けたものである。
【0012】また、本発明に係るベルトコンベヤは請求
項2に記載したように、リターンローラをベルトの戻り
側に配置するとともに該リターンローラを水平面に対し
て傾斜自在となるように架台に取り付けてなるリターン
ローラ装置を戻り方向に沿って所定間隔ごとに配置する
とともに、該各リターンローラ装置のリターンローラの
上側と下側に戻り側のベルトを掛けたものである。
【0013】本発明に係るリターンローラ装置及びそれ
を用いたベルトコンベヤにおいては、リターンローラ
は、従来と同様、ベルトの戻り側に配置されるが、本発
明では、かかるリターンローラを水平面に対して傾斜自
在となるように架台に取り付けてなり、戻り側のベルト
は、従来のように各リターンローラの上に載せるのでは
なく、各リターンローラの上側と下側を基本的には交互
に通過するように該リターンローラにそれぞれ掛けてあ
る。
【0014】そのため、ベルトコンベヤのカーブ部分に
おいて各リターンローラの傾斜角度を調整する、具体的
には例えばカーブの外側では各リターンローラの高さ位
置がほぼ揃うように、カーブの内側では各リターンロー
ラの高さ位置が交互に上下するようにリターンローラの
傾斜角度を調整すれば、ベルトは、カーブ外側ではほぼ
水平になり、カーブ内側では上下に蛇行する。
【0015】すなわち、ベルトのカーブ内側縁部は、上
下に蛇行させられた分だけ、カーブ外側縁部よりも長い
距離を走行することとなり、かくして、カーブ部分の内
側と外側との間で生じる周長差が上述した蛇行作用で吸
収され、その結果、ベルト外側で張力が発生したりそれ
に伴ってベルトがリターンローラから外れたりといった
事態が未然に防止される。
【0016】なお、リターンローラの傾斜角度をすべて
水平にすれば、ベルトコンベヤを直線部分で使用するこ
とができることは言うまでもない。
【0017】また、ベルトは、リターンローラの上側と
下側に交互に掛けていくことを基本とするが、本発明の
ベルトコンベヤは、かかるベルトの掛け方に限定される
ものではなく、例えば上側で二箇所通過させた後、下側
で2箇所通過させるパターンや、上側で二箇所通過させ
た後、下側で一箇所通過させるパターンなど任意の掛け
方が考えられる。
【0018】リターンローラを水平面に対して傾斜自在
とする構成については任意であり、例えばリターンロー
ラの一端をピン接合するとともに他端を昇降自在に取り
付ける、リターンローラの両端を昇降自在に取り付ける
などの構成が考えられる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るリターンロー
ラ装置及びそれを用いたベルトコンベヤの実施の形態に
ついて、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術
と実質的に同一の部品等については同一の符号を付して
その説明を省略する。
【0020】図1は、本実施形態に係るベルトコンベヤ
を示した全体平面図及び全体側面図である。同図でわか
るように、本実施形態に係るベルトコンベヤ1は、機首
側に設けられたヘッドプーリ3と尾端側に設けられたテ
ールプーリ4にエンドレスのベルト2を掛けるととも
に、ヘッドプーリ3に掛けられたベルト2をベルト駆動
用モータ5で駆動するようになっている。
【0021】ここで、搬送側においては、複数のキャリ
アローラ装置6を所定間隔ごとに架台7に取り付けてあ
り、ベルト2のうち、搬送側のベルト2aを該キャリア
ローラ装置で搬送支持するようになっている。
【0022】図2(a)は、図1のA―A線方向から見た
詳細正面図、図3は、キャリアローラ装置6の詳細平面
図である。これらの図でわかるように、キャリアローラ
装置6は、搬送側のベルト2aを搬送支持するキャリア
機構13を架台7の梁材14に取り付けてなり、キャリ
ア機構13は、5つのローラ支持要素15a〜15eを
ヒンジ接合によって相互に回動自在となるように連結す
るとともに各ローラ支持要素15a〜15eにベルト2
aを搬送支持するためのキャリアローラ16を設けてな
る。
【0023】かかるキャリアローラ16は、図3でよく
わかるようにローラ支持要素15a〜15eごとに鉛直
面に対して千鳥状に配置してあり、ローラ支持要素15
a〜15eを回動させてキャリア機構13を湾曲状から
U字状、さらには円環状へと閉じていったときにキャリ
アローラ16同士の接触が未然に防止できるようになっ
ている。
【0024】ここで、ローラ支持要素15a〜15eの
うち、キャリア機構13の中央に位置するローラ支持要
素15cは梁材14に固定してあり、該梁材を介してキ
ャリア機構13全体及びそれに搬送されるベルト2a並
びに該ベルトに積載される搬送物の重量を架台7で支持
するようになっている。
【0025】ローラ支持要素15aとローラ支持要素1
5bとは、上述したようにヒンジ接合によって回動自在
に連結してあるが、キャリア機構13の開き状態が図2
の一点鎖線で示す位置で最大となるように構成してあ
る。かかる最大の開き位置は、例えば直線経路上のベル
ト2aに対して最適なトラフ角が付与されるように適宜
設定すればよい。なお、ローラ支持要素15dとローラ
支持要素15eについても同様に構成してある。
【0026】ローラ支持要素15bとローラ支持要素1
5dには、それらの回動位置(水平面に対する起伏角)
を調整自在に保持する調整保持機構としての起伏部材1
7、17をそれぞれ連結してある。
【0027】各起伏部材17は、短冊状の鋼材(例えば
FB)で構成してあり、その上端には図示しない連結ピ
ンを介してローラ支持要素15b、15dに連結するた
めの連結孔19を設けてあるとともに、下端にはやはり
図示しない連結ピンを介して梁材14に連結するための
連結孔18を設けてある。ここで、連結孔18は、複数
個(同図では4ヶ所)設けてあり、連結ピンの差込位置
を変えることによってローラ支持要素15b、15dの
回動位置(起伏角度)を調整し、ひいては同図でわかる
ようにキャリア機構13全体の開き状態を変化させるこ
とができるようになっている。
【0028】キャリア機構13の両端、すなわちローラ
支持要素15aとローラ支持要素15eの各解放端には
連結部21、21を設けてあり、該各連結部を調整保持
機構としてのつなぎ部材22の各端に設けられた被連結
部23、23にそれぞれ連結できるようになっている。
【0029】一方、ベルト2の戻り側においては、図1
に示すように複数のリターンローラ装置8を戻り方向に
沿って所定間隔ごとに配置してある。
【0030】リターンローラ装置8は、図2に示すよう
に、リターンローラ32をベルト2の戻り側に配置する
とともに該リターンローラを水平面に対して傾斜自在と
なるように架台7の柱材31、31に取り付けてあり、
本実施形態に係るベルトコンベヤ1は、かかるリターン
ローラ装置8のリターンローラ32の下側に戻り側のベ
ルト2bを掛けた後、次のリターンローラ装置8では、
図4に示すように、リターンローラ32の上側に戻り側
のベルト2bを掛けてあり、以下、同様にして各リター
ンローラ装置8のリターンローラ32の上側と下側に交
互に掛けてある。図5は、戻り側のベルト2bを各リタ
ーンローラ装置8のリターンローラ32の上側と下側に
交互に掛けた様子を示したものである。
【0031】ここで、リターンローラ32は、図2でよ
くわかるようにその回転軸の一端(同図では左端)を取
付部材36を介して左側の柱材31にピン接合してある
とともに、反対側の他端を取付部材33を介して右側の
柱材31に取り付けてあるが、その取付けにあたって
は、同図(b)に詳細に図示したように取付部材33に穿
孔された長孔34、34及び柱材31に穿孔された鉛直
方向のガイド孔35に挿通されたボルト37で行うよう
に構成してあり、ボルト37を緩めた状態であれば、リ
ターンローラ32をピン38の廻りに回動させつつ、取
付部材33を柱材31に沿って昇降させることで、リタ
ーンローラ32を所望の傾斜角度に位置決めするととも
に、かかる状態でボルト37を締め付けることで該所望
の傾斜角度にてリターンローラ32を固定することがで
きるようになっている。
【0032】ガイド孔35の下端及び上端高さ(換言す
れば鉛直方向ストローク)並びにピン38の設置高さに
ついては、リターンローラ32の傾斜角度範囲ひいては
対象となるカーブの曲率限度に応じて適宜定めればよ
い。
【0033】次に、本実施形態に係るベルトコンベヤ1
の使用方法について説明する。まず、ベルトコンベヤ1
を図1のように直線部分で使用する場合には、キャリア
ローラ装置6のキャリア機構13が例えば従来と同様の
形状、すなわち下方にやや凸となる湾曲形状となるよう
に連結孔18の位置を適宜選択し、かかる連結孔18に
連結ピンを差し込んで起伏部材17を梁材14に連結
し、ローラ支持要素15b、15dの回動位置(起伏角
度)を調整する。このようにすると、ベルト2aは、キ
ャリア機構13によって所定のトラフ角で搬送支持され
ることとなる(図2の一点鎖線で示した開き状態)。
【0034】一方、リターンローラ装置8については、
それらのリターンローラ32の傾斜角度をすべて水平に
調整しておく。このようにすると、戻り側のベルト2b
は、各リターンローラ32の上側と下側を交互に通過す
るので、該リターンローラの径に相当する分だけ、全体
的に上下に蛇行するものの、直線走行には何らの支障も
生じない。
【0035】次に、ベルトコンベヤ1を図6のようにカ
ーブ部分で使用する場合には、図7及び図8に示すよう
に、まず、キャリアローラ装置6側で連結ピンが差し込
まれる起伏部材17の連結孔18の位置を変えることに
より、ローラ支持要素15b、15dの回動位置(起伏
角度)を調整してキャリア機構13を閉じ、ベルト2a
のトラフ角を大きくするとともに、カーブ内側部分(同
図では右側)に該当するローラ支持要素15aをほぼ垂
直に起こす。
【0036】このようにすると、搬送側のベルト2a
は、ローラ支持要素15aのキャリアローラ16によっ
てカーブ内側への側方移動が拘束され、キャリア機構1
3から外れるおそれがなくなる。
【0037】一方、リターンローラ装置8側では、カー
ブの内側(図7及び図8の右側)で各リターンローラ3
2の高さ位置が交互に上下するように、言い換えれば、
各リターンローラ32が交互に右上がりと右下がりにな
るようにそれらの傾斜角度を調整する。
【0038】このようにすると、戻り側のベルト2b
は、カーブ外側ではほぼ水平になり、カーブ内側では上
下に蛇行する。すなわち、ベルト2bのカーブ内側縁部
は、上下に蛇行させられた分だけ、カーブ外側縁部より
も長い距離を走行することとなり、かくして、カーブ部
分の内側と外側との間で生じる周長差が上述した蛇行作
用で吸収される。
【0039】なお、ローラ支持要素15aを立設姿勢で
保持するにあたっては、適当な長さに調整されたつなぎ
部材22aの両端に設けられた被連結部23、23をロ
ーラ支持要素15aとローラ支持要素15eの各端に設
けられた連結部21、21にそれぞれ連結すればよい。
【0040】次に、カーブの曲率半径がさらに小さい場
合には、キャリアローラ装置6側で連結ピンが差し込ま
れる連結孔18の位置を順次下げながら、上述したと同
様の手順でキャリア機構13を閉じ、ベルト2aを変形
させてそのトラフ角を大きくしていくとともに、リター
ンローラ装置8側では、リターンローラ32の傾斜角度
をさらに大きくしていけばよい。
【0041】例えば、図9に示すように連結ピンが差し
込まれる起伏部材17の連結孔18の位置を最も下のも
のに差し替えてローラ支持要素15b、15dを水平面
に対し例えば60度程度に起こすとともに、つなぎ部材
22の両端に設けられた被連結部23、23をローラ支
持要素15aとローラ支持要素15eの各端に設けられ
た連結部21、21にそれぞれ連結する。このようにす
ると、キャリア機構13は、全体としてU字状となるよ
うに保持されるとともに、ベルト2aはかかるキャリア
機構13によってU字状断面に変形し、上述したカーブ
に適した変形状態となる。
【0042】また、さらに急カーブに沿って搬送される
場合には、図10に示すように適当な長さに調整された
別のつなぎ部材22bをローラ支持要素15aとローラ
支持要素15eの各端に設けられた連結部21、21に
それぞれ連結すればよい。このようにすると、キャリア
機構13は、全体として円環状となるように保持される
とともに、ベルト2aはかかるキャリア機構13によっ
て円筒状断面に変形し、上述したカーブに適した変形状
態となる。
【0043】以上説明したように、本実施形態に係るベ
ルトコンベヤのリターンローラ装置8によれば、水平面
に対して傾斜自在に構成されたリターンローラ32によ
ってカーブ部分の内側と外側との間で生じる周長差を吸
収することが可能となる。
【0044】また、本実施形態に係るベルトコンベヤの
キャリアローラ装置6によれば、キャリア機構13の開
き状態を変えることで該キャリア機構に保持されるベル
ト2aの断面形状をカーブの曲率に応じて変形させるこ
とが可能となる。
【0045】したがって、本実施形態のリターンローラ
装置8及びキャリアローラ装置6を備えたベルトコンベ
ヤ1を用いれば、搬送経路に直線部分やさまざまな曲率
を有するカーブ部分が入り混じっているような場合であ
っても、搬送側においてはその経路のカーブ状況に応じ
た適切な断面形状にベルト2aを変形させ、戻り側にお
いてはやはりそのカーブ状況に応じた適切な上下蛇行が
カーブ内側で生じるようにリターンローラ32の傾斜角
度を調整することにより、従来のようにベルトがキャリ
アローラやリターンローラから外れたり、周長差に起因
する無理な引張応力がベルトに作用してベルトが破損し
たりといった事態を未然に防止することが可能となる。
また、直線部分も含めて任意の曲率の搬送経路に適用可
能な汎用性の高い装置となるため、刻々と変化する現場
の状況に応じてベルトコンベヤのレイアウトを変更せね
ばならないような状況であっても、かかる状況に容易に
対応することができる。さらには、通常の汎用ベルトを
使用することができるため、既設のベルトコンベヤへの
組込みも容易に行うことが可能となり、ベルトコンベヤ
全体の設備コストを大幅に低減することができる。
【0046】特に、本実施形態に係るベルトコンベヤの
リターンローラ装置8によれば、戻り側ベルト2bのカ
ーブ内側を上下蛇行させるだけの高さが確保できれば足
りるのであって、戻り側ベルト2b自体はフラットの状
態で使用するため、U字状若しくは円筒状ベルトを使用
していた従来に比べて、ベルトコンベヤの全体高さを大
幅に抑えることが可能となる。
【0047】また、本実施形態に係るベルトコンベヤの
キャリアローラ装置6によれば、両端に連結ピンが差し
込まれる連結孔18、19が設けられた起伏部材17で
調整保持機構を構成し、その各端を梁材14とキャリア
機構13のローラ支持要素15b、15dとにそれぞれ
連結するとともに、梁材14側の連結孔18を複数個で
構成したので、連結ピンが差し込まれる連結孔18の位
置に応じて、ローラ支持要素15b、15dの起伏の程
度、すなわち回動位置を正確かつ容易に変化させること
ができる。
【0048】また、本実施形態に係るベルトコンベヤの
キャリアローラ装置6によれば、両端がキャリア機構1
3の各端にそれぞれ連結されるつなぎ部材21、22
a、22bで姿勢調整機構を構成したので、該つなぎ部
材及びキャリア機構13によってその内部にクローズな
中空空間が安定した構造で形成されることとなり、該中
空空間を通るベルト2aをU字状あるいは円筒状に容易
に変形させることができる。
【0049】したがって、搬送経路が急カーブであって
も、汎用ベルトに無理な引張力が作用して切れてしまっ
たり、キャリアローラから外れてしまったりといった事
態を未然に防止することが可能となる。
【0050】また、本実施形態に係るベルトコンベヤの
キャリアローラ装置6によれば、キャリアローラ16を
ローラ支持要素15a〜15eごとに鉛直面に対して千
鳥状に配置するようにしたので、ローラ支持要素15a
〜15eを回動させてキャリア機構13を湾曲状からU
字状さらには円環状へと閉じていったときにキャリアロ
ーラ16同士の接触を未然に防止することが可能とな
る。
【0051】本実施形態では、ベルトコンベヤ1にキャ
リアローラ装置6を設けるようにしたが、本発明に係る
ベルトコンベヤは、搬送側でのベルト支持をどのように
行うかは任意であって、キャリアローラ装置6に限定さ
れるものではない。
【0052】また、本実施形態では、リターンローラ3
2の一端をピン接合し、他端を昇降自在に取り付けるよ
うにしたが、これに代えてリターンローラ32の両端を
昇降自在に取り付けるようにしてもよい。
【0053】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のリターンロ
ーラ装置及びそれを用いたベルトコンベヤによれば、水
平面に対して傾斜自在に構成されたリターンローラによ
ってカーブ部分の内側と外側との間で生じる周長差を吸
収することが可能となり、搬送経路に直線部分やさまざ
まな曲率を有するカーブ部分が入り混じっているような
場合であっても、戻り側においてはそのカーブ状況に応
じた適切な上下蛇行がカーブ内側で生じるようにリター
ンローラの傾斜角度を調整することにより、従来のよう
にベルトがリターンローラから外れたり、周長差に起因
する無理な引張応力がベルトに作用してベルトが破損し
たりといった事態を未然に防止することが可能となる。
また、戻り側ベルトのカーブ内側を上下蛇行させるだけ
の高さが確保できれば足りるのであって、戻り側ベルト
自体はフラットの状態で使用するため、U字状若しくは
円筒状ベルトを使用していた従来に比べて、ベルトコン
ベヤの全体高さを大幅に抑えることが可能となる。
【0054】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るベルトコンベヤの図であり、
(a)は全体平面図、(b)は全体側面図。
【図2】本実施形態に係るリターンローラ装置及びキャ
リアローラ装置の図であり、(a)は図1のA―A線方向
から見た正面図、(b)はリターンローラ端部の詳細図。
【図3】本実施形態に係るキャリアローラ装置の平面
図。
【図4】図1のB―B線方向から見た本実施形態に係る
リターンローラ装置及びキャリアローラ装置の正面図。
【図5】本実施形態に係るリターンローラ装置の作用を
示した概念図。
【図6】本実施形態に係るベルトコンベヤの使用態様を
示した全体平面図。
【図7】本実施形態に係るリターンローラ装置及びキャ
リアローラ装置の図であり、図6のC―C線方向から見
た正面図。
【図8】本実施形態に係るリターンローラ装置及びキャ
リアローラ装置の図であり、図6のD―D線方向から見
た正面図。
【図9】本実施形態に係るキャリアローラ装置の使用態
様を示した図であり、(a)は正面図、(b)は平面図。
【図10】本実施形態に係るキャリアローラ装置の別の
使用態様を示した図であり、(a)は正面図、(b)は平面
図。
【符号の説明】
1 ベルトコンベヤ 2 ベルト 2a 搬送側のベルト 2b 戻り側のベルト 6 キャリアローラ装置 7 架台 8 リターンローラ装置 32 リターンローラ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リターンローラをベルトの戻り側に配置
    するとともに該リターンローラを水平面に対して傾斜自
    在となるように架台に取り付けたことを特徴とするベル
    トコンベヤのリターンローラ装置。
  2. 【請求項2】 リターンローラをベルトの戻り側に配置
    するとともに該リターンローラを水平面に対して傾斜自
    在となるように架台に取り付けてなるリターンローラ装
    置を戻り方向に沿って所定間隔ごとに配置するととも
    に、該各リターンローラ装置のリターンローラの上側と
    下側に戻り側のベルトを掛けたことを特徴とするベルト
    コンベヤ。
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