JP2000342277A - イネのアントラニル酸シンターゼの第2アイソザイムのαサブユニット遺伝子のプロモーター - Google Patents

イネのアントラニル酸シンターゼの第2アイソザイムのαサブユニット遺伝子のプロモーター

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JP2000342277A
JP2000342277A JP2000091119A JP2000091119A JP2000342277A JP 2000342277 A JP2000342277 A JP 2000342277A JP 2000091119 A JP2000091119 A JP 2000091119A JP 2000091119 A JP2000091119 A JP 2000091119A JP 2000342277 A JP2000342277 A JP 2000342277A
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Akira Wakasa
暁 若狭
Yuzuru Tozawa
譲 戸澤
Teruhiko Terakawa
輝彦 寺川
Hisakazu Hasegawa
久和 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 イネのアントラニル酸シンターゼ(AS)の
第2アイソザイムのαサブユニット遺伝子に対するプロ
モーターをコードする遺伝子に該当する新規なDNAを
取得する。 【解決手段】 特定の塩基配列を有する861 bpのサイズ
のプロモーターDNAが、これを含有する878 bpのサイ
ズのDNA断片(すなわちDNA断片−p1)として得
られた。また、上記と異る特定の塩基配列の特定部位の
856bpのサイズの塩基配列を有するプロモーターDNA
が、これを含有するところの第2の特定の塩基配列表に
記載された塩基配列を有する1660bpのサイズのDNA断
片(すなわちDNA−c)として得られた。上記のDN
Aは、適当な植物細胞形質転換用プラスミドベクターに
連結し、そして得られた組換えプラスミドをイネのカル
ス細胞へ導入する場合に、プロモーターとして機能す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イネのアントラニ
ル酸シンターゼの第2アイソザイムのαサブユニットを
コードする遺伝子に対してプロモーター活性を有するプ
ロモーターDNA領域から成る新規なDNA、もしくは
該プロモーターDNA領域を内部に含むプロモーター活
性のある新規なDNAに関し、またそれらDNAの利用
に関する。
【0002】
【従来技術】植物細胞内で機能することが可能なプロモ
ーターとして各種のプロモーターが知られている。プロ
モーターは、発現させようと所期する構造遺伝子を各種
のプロモーターと共にプラスミドベクターに連結するこ
とにより組換えプラスミドを作製することができ、そし
てその組換えプラスミドを植物細胞に導入することによ
って、植物細胞内で所期の構造遺伝子を発現させること
ができる点で有用である。これまで良く知られているプ
ロモーターであって植物細胞中で機能可能なプロモータ
ーとしては、カリフラワーモザイクウイルスの35Sプ
ロモーター〔Guilleyら、「Cell」30巻、763−773頁(1
982)〕、細菌のノパリンシンターゼプロモーター(NO
S)〔Ebartら、「Proc.Natl.Acad.Sci.」84巻、5745−5
749頁(1987)〕などが挙げられる。
【0003】ところで、必須アミノ酸として知られてい
るトリプトファンが植物体中で生成される生合成経路に
おいて、コリスミン酸からアントラニル酸シンターゼ
(以下では、「AS」と略記することがある)の触媒作
用によってアントラニル酸が生成して、さらにアントラ
ニル酸から6段階の酵素反応によりインドール酢酸を経
てトリプトファンが生成することが知られている(生化
学実験講座、第11巻、652頁〜653頁、1976年、東京化学
同人)。
【0004】これまで知られているASは、複数のサブ
ユニットから構成されている。アラビドプシス(和名:
シロイヌナズナ)では、ASとして2種類のアイソザイ
ムが存在し、しかもそれの第1のアイソザイムも、第2
のアイソザイムもそれぞれα、βの2つのサブユニット
からなることが知られている。これらの第1アイソザイ
ムのαサブユニット(ASA1)、および 第2アイソ
ザイムのαサブユニット(ASA2)をコードする2つ
の遺伝子は既に単離され、それらの塩基配列が解析され
ている〔「The Plant Cell」4巻、721−733頁(199
2)〕。また、イネについてもASの第1アイソザイム
ASA1のαサブユニットをコードする遺伝子が言及さ
れている〔「育種」、第46巻、別冊2、28頁(199
6)〕。
【0005】本発明者らは、先に、イネのアントラニル
酸シンターゼ(AS)の第1アイソザイム及び第2のア
イソザイムのそれぞれのαサブユニットをコードする遺
伝子に該当する2つの新規なDNAを単離する研究を行
い、そしてそれら新規なDNAの塩基配列を決定するこ
とに成功し、また前記のASの第1アイソザイムのαサ
ブユニットをコードする遺伝子に対するプロモーター活
性を有する新規なプロモーターDNAを得ることに成功
した。
【0006】こうして本発明者らによって先に得られた
ところの、イネのASの第1アイソザイムのαサブユニ
ットをコードする遺伝子に該当する新規DNAの塩基配
列、および該ASの第2アイソザイムのαサブユニット
をコードする遺伝子に該当する新規DNAの塩基配列、
ならびに前記のASの第1アイソザイムのαサブユニッ
トの遺伝子に対するプロモーター活性を有する新規プロ
モーターDNAの塩基配列は、国際特許出願、PCT/JP98
/03883号明細書(国際出願日は1998年8月31日であり、
1999年3月11日に刊行された国際公開 No.WO99/11800号
公報で公開)に記載されてある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イネ
のASの第2アイソザイムのαサブユニットをコードす
る遺伝子に固有の新規なプロモーターDNAを単離し、
そして該プロモーターDNAの塩基配列を決定すること
にあり、さらには、この新規プロモーターDNAを提供
し、またそれの利用方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を行った。すなわち、今回、
本発明者らは、イネのASの第2アイソザイムのαサブ
ユニットをコードする遺伝子の発現に有効なプロモータ
ーDNAを単離する目的で研究を行った。その研究の結
果、後記に説明される手法によって、イネのASの第2
アイソザイムのαサブユニット遺伝子を発現するのに有
効なプロモーター活性を有するDNA領域を内部に含有
する第1のDNA配列(後記されるDNA断片−p1に
相当)と、該第1のDNA配列のDNAを内部の一領域
に含有する第2のDNA配列(後記されるDNA断片−
p2に相当)と、イネのASの第2アイソザイムのαサ
ブユニット遺伝子を発現するのに有効なプロモーター活
性を有するDNA領域および該DNA領域の上流域にあ
るDNA領域を内部に含有する第3のDNA配列(後記
されるDNA断片DNA−cに相当)とがあることを見
出すことに成功した。
【0009】前記の第1のDNA配列と第2のDNA配
列と第3のDNA配列との各々の塩基配列を、常用のシ
ークエンシング・キットにより決定した。前記の第1の
DNA配列は、後記の配列表の配列番号1に記載された
861 bpのサイズの塩基配列をもつプロモーターDNA領
域を内部に含有する約878 bpのDNA断片であると認め
られた。また、前記の第2のDNA配列は、前記プロモ
ーター活性を有するプロモーターDNA領域を内部に含
有する第1のDNA配列のDNAを、内部に一領域とし
て含有し且つ、配列表の配列番号2に記載された1254bp
のサイズの塩基配列をもつDNAを内部領域に含有する
約1262bpのDNA断片であると認められた。さらに前記
の第3のDNA配列は、後記の配列表の配列番号9に記
載された1660bpのサイズの塩基配列をもつDNA断片で
あると認められた。
【0010】従って、第1の本発明においては、配列表
の配列番号1に記載された塩基配列を有するDNAであ
って、このDNAには、イネのアントラニル酸シンター
ゼの第2アイソザイムのαサブユニットをコードする遺
伝子に対するプロモーター活性を有するDNA領域から
成ることを特徴とする、前記プロモーター活性を有する
新規なDNAが提供される。この第1の本発明のDNA
は861 bpのサイズを有する。
【0011】また、一般的には、生理活性を有するタン
パク質を構成するアミノ酸配列中の1個もしくは複数個
のアミノ酸が欠失されるか、及び(又は)他のアミノ酸
に置換されるか、及び(又は)1個もしくは複数個のア
ミノ酸が該アミノ酸配列中に付加されたアミノ酸配列で
も、元のアミノ酸配列のタンパク質の生理活性が維持さ
れる場合があることは当業者において広く認識されてい
る。
【0012】また、第1の本発明のDNAについては、
その塩基配列の一部分又は数部分に修飾が加えられた後
にも、イネのASの第2アイソザイムのαサブユニット
遺伝子に対するプロモーター活性を有するDNAである
ことが可能である。換言すれば、第1の本発明によるD
NAは配列番号1の塩基配列の中の1個又は複数個の塩
基、例えば、1、2又は3〜10個の塩基が欠失される
か、または別の塩基に改変されるか、または付加するか
した後にも、イネのASの第2アイソザイムのαサブユ
ニット遺伝子に対するプロモーター活性を有する能力を
保有することができる。
【0013】従って、第2の本発明において、配列表の
配列番号1に記載された塩基配列において1個もしくは
数個の塩基が付加されるか、および(または)欠失する
か、および(または)他の塩基により置換されて形成さ
れた塩基配列であるDNA、あるいは該塩基配列の少な
くとも一部を含むDNAであって、かつ、植物細胞中で
プロモーター活性を有する新規DNAが提供される。
【0014】また、第3の本発明においては、配列表の
配列番号2に記載の塩基配列を有するDNAであって、
このDNAの内部には、イネのアントラニル酸シンター
ゼの第2アイソザイムのαサブユニットをコードする遺
伝子に対するプロモーター活性を有するDNA領域を含
み、また該プロモーター活性を有する該DNA領域に対
するエクソン部のDNA配列を含む新規DNAが提供さ
れる。この第3の本発明のDNAは1254 bpのサイズを
有する。
【0015】さらにまた、第1の本発明によるDNA、
あるいは第3の本発明によるDNAは、これを植物細胞
中で発現できる既知のプラスミドベクターに遺伝子工学
の既知の技法で連結すると、組換えプラスミドを構築す
ることができる。
【0016】従って、第4の本発明においては、配列表
の配列番号1または2に記載の塩基配列を有するDNA
であって、植物細胞中でプロモーター活性を有するDN
Aを含有するプラスミドが提供される。
【0017】さらに、第4の本発明によるプラスミド
は、具体的には、例えば後記の実施例2に示される組換
えプラスミドpASA2PGUSであることができる
が、該プラスミドを、植物細胞または植物体に導入する
と、植物中で発現させようと所期する構造遺伝子を発現
させることが可能である。
【0018】従って、第5の本発明においては、配列表
の配列番号1に記載の塩基配列を有して且つプロモータ
ー活性を有する第1の本発明のDNAの制御下におい
て、所期する構造遺伝子を植物細胞中で発現させる方法
が提供される。
【0019】以下に、本発明を詳細に説明する。イネの
ASの第2アイソザイムのαサブユニットをコードする
遺伝子の発現に有効である第1の本発明のプロモーター
活性のあるDNAは、下記の各工程により取得すること
ができる。
【0020】(1)イネのゲノミックDNAの調製 イネ(Oryza sativa)の茎葉、根、カルス
などの組織、好ましくは茎葉またはカルスから、常法に
よりゲノミックDNAを抽出する。抽出したゲノミック
DNAからタンパク質などの夾雑物を除き、さらに超遠
心分離によりゲノミックDNAの精製品を得る。
【0021】(2)イネのゲノミックDNAライブラリ
ーの作成 上記で得られたゲノミックDNA(精製品)を制限酵素
Sau3Aで部分消化する。得られた部分消化ゲノミ
ックDNAをファージベクター、例えばλgt11ベクタ
ーまたはλZAPIIベクターなどに連結する。得られた
組換えベクターをλファージにパッケージする。こうし
て得られた組換えλファージを、宿主としての大腸菌に
感染させて増殖させると、ファージプラークとして、前
記の組換えλファージを大量に得ることができる。この
大量の組換えλファージをイネのゲノミックDNAライ
ブラリーとして利用する。
【0022】(3)イネのゲノミックDNAライブラリ
ーからのプロモーター遺伝子の選択 上記で構築されたイネのゲノミックDNAライブラリー
である組換えファージを用い、また後記の実施例1でイ
ネから作られたDIGラベルした標識プローブDNAを
利用することにより、プラーク・ハイブリダイゼーショ
ン法によって、イネのASの第1アイソザイムと第2ア
イソザイムのそれぞれのαサブユニットの両方の遺伝子
のためのプロモーター領域に相当するDNA配列を含有
する組換えファージを、前記ゲノミックDNAライブラ
リーからスクリーニングにより取得することができる。
このスクリーニングにより、10万個のファージプラーク
から、ASの第1および第2アイソザイムの各々のαサ
ブユニット遺伝子に対するプロモーターDNA領域を含
むDNA配列が組み込まれたと判定できたファージプラ
ーク4個を単離することに本発明者らは成功した。
【0023】(4)ゲノミックDNAのクローニング 上記で得られた4個のプラークを別々に、制限酵素EcoR
Iで消化して、DNAのEcoRI切断−DNA断片を含む
消化液を得る。これらのDNA消化液をアガロースゲル
にて電気泳動して、DNA断片を分画し、そのアガロー
スゲルからEcoRI切断DNA断片としての約 6.5 Kbp
(キロベースペア)のDNA−aと、EcoRI切断DNA
断片としての約 700bpのDNA―bとの、2つのDNA
断片を含むバンドをゲル切片として切り出す。次いで、
それらの2つのゲル切片を、DNA精製キット、例えば
Geneclean II(フナコシ社製)により精製することによ
り、DNA−aの精製品と、DNA―bの精製品とをそ
れぞれ得る。
【0024】これら2種のDNA断片、すなわちDNA
−a断片とDNA−b断片とを別々にDNAライゲーシ
ョンキットにより、プラスミドベクターpBluescript SK
(+)のEcoR I切断部位に挿入、連結する。得られたそれ
ぞれの組換えベクターを、大腸菌XLI −BlueMRF´に導
入して、組換え大腸菌XLI−BlueMRF´/pBluescript−D
NA−aと、組換え大腸菌XLI−BlueMRF´/pBluescript−
DNA−b とを得る。これで得られた形質転換大腸菌を増
殖して、増殖された大腸菌細胞から、常法で抽出するこ
とにより上記の組換えプラスミドベクターのクローンpB
luescript−DNA−a と、pBluescript−DNA−b とを大量
に得る。この操作により、イネのAS遺伝子に対するプ
ロモーターDNA領域を含むDNAクローン2種を分離
して取得する。
【0025】(5)クローニングされたプラスミドDN
Aのシークエンス解析 上記の(4)のように得た2種のDNAクローンを、制
限酵素EcoRIによりそれぞれ消化して、DNA断片DN
A−aと、DNA断片DNA−bとは別々に得る。これ
らDNA断片のそれぞれを、市販の塩基配列決定キット
で処理すると、これら2種のDNA断片DNA−aおよ
びDNA−bの各々の塩基配列を決定できる。
【0026】このようにして解析したDNA断片、すな
わちDNA−aと、DNA−bとの塩基配列を分析する
と、DNA断片DNA−a(約6.5 kbp)は、イネのA
Sの第2アイソザイムαサブユニット遺伝子の全長1.8k
bpおよびイントロン部分(約4.5 kbp)を含み、さらに
その遺伝子の翻訳開始点の前(上流)にプロモーター遺
伝子の部分DNA領域(約180 bpのサイズ) を追加的に
含んでいることが解った。また、DNA断片DNA−b
(約700 bp)は、該プロモーター遺伝子の部分DNA領
域(約180bp)の上流にあるところの、該プロモーター遺
伝子の別段の部分DNA領域を含むものにほぼ該当する
と推定された。
【0027】(6)完全長のプロモーター遺伝子に相当
するDNAの合成と単離 上記で得られた2種のDNA断片DNA−aとDNA−
bとの塩基配列を参考にして、3種類のオリゴヌクレオ
チド(後記の配列表の配列番号4、5および6のオリゴ
ヌクレオチド)をPCR(ポリメラーゼ・チェイン・リ
アクション)法用のプライマー(相補的DNA)として
化学合成的作成法により構築した。
【0028】これらの3種類のオリゴヌクレオチドを用
いて2通りの組み合わせにより、それらオリゴヌクレオ
チドと前記(1)で得たイネのゲノミックDNA溶液と
の混合物を用いてPCR法増幅反応を行うと、前記の3
種類のオリゴヌクレオチドは、PCR法で所要なプライ
マー(相補的DNA)として働くことができ、そしてイ
ネのASの第2アイソザイムのαサブユニットの遺伝子
のプロモーターに相当するDNA領域(861 bpのサイ
ズ)を内部に含有する約878 bpのサイズの第1のDNA
断片と、前記の第2アイソザイムのαサブユニットの遺
伝子のプロモーターに担当するDNA領域(861bpのサイ
ズ)を内部に含有する約1262 bpのサイズの第2のDN
A断片とが増幅できることが認められた。
【0029】前記のPCR法増幅反応の反応液をアガロ
ースゲルにて電気泳動して、DNA断片を分画し、その
アガロースゲルから、約878 bpのサイズの上記第1のD
NA断片(すなわちDNA断片−p1と命名する)を含
むバンド、および約1262 bpのサイズの上記第2のDN
A断片(すなわちDNA断片―p2と命名する)を含む
バンドを各々切り出す。それら各々のDNA断片−p1
および−p2をDNA精製キットにより精製することに
よりDNA断片−p1の精製品とDNA断片−p2の精
製品を回収する。
【0030】このようにして得られたDNA断片−p1
およびDNA断片−p2は、これらを市販の塩基配列決
定キットで処理すると、これらのDNA断片の塩基配列
を決定できる。 その結果、DNA断片−p1の塩基配
列は、前記のDNA−aのうちのプロモーターの部分D
NA領域と、DNA−b配列とを連結させ、更にその5
´側に制限酵素Pst I認識用の8bpのDNA領域および
3´側に制限酵素BamHI認識用の9 bpのDNA領域を連
結させてなるDNA配列の塩基配列と一致するものと認
められた。DNA断片−p1の全体の内部に含まれるプ
ロモーターDNA領域(861 bpのサイズ)のDNA配列
は、配列表の配列番号1に記載された塩基配列を有する
と認められた。
【0031】また、DNA断片−p2の塩基配列は、前
記のDNA−aのαサブユニット遺伝子翻訳開始点から
393 bp下流までのDNA領域と、前記のDNA−aのう
ちのプロモーターの部分DNA領域と、DNA−b配列
と、Pst I 認識用の8bpのDNA領域とを連結させてな
るDNA配列の塩基配列と一致した。DNA断片−p2
の全体の内部に含まれるところの、プロモーターDNA
領域(861bpのサイズ)と翻訳開始点から393bp 下流まで
のDNA領域とを連結してなるDNA配列は、配列表の
配列番号2に記載された塩基配列を有すると認められ
た。
【0032】また、このPCR法により増幅された上記
のDNA断片―p1は、その中央部にプロモーターDN
A領域(861 bp)を含むものであり、しかも、プライマ
ーとなる前記オリゴヌクレオチドを設計する際に、その
DNA−p1断片の5´側に制限酵素PstI切断サイトを
含む8 bpのサイズのDNA領域が付き、また、3´側
に制限酵素BamHI切断サイトを含む9 bpのサイズのDN
A領域が付き且つ合計878 bpのサイズを有するように構
築されている。そして、このDNA―p1断片をプラス
ミドベクターpBluescript SK(+)のPst I およびBamH
I切断部位に挿入、連結する。こうして得られた組換え
ベクターpBluescript −DNA−p1を導入した大腸菌
XLI−BlueMRF´は、大腸菌Escherichia coli JM109/pA
SA2Pと命名され、工業技術院生命工学工業技術研究所に
1999年3月1日より、受託番号FERM P-17273として寄託
されている。
【0033】(7)プロモーター活性の検定 前記で得られたところの、イネのゲノミックDNAクロ
ーンから分離された前記のDNA断片―p1における、
ASの第2アイソザイムのαサブユニット遺伝子のため
のプロモーター活性のあるDNA領域すなわち前記のプ
ロモーターDNA領域(861 bp)について、そのプロモ
ーターとしての機能を確認するために、その活性の検定
試験を次のように行った。
【0034】すなわち、前記の計878 bpのサイズのDN
A断片-p1を、レポーター遺伝子であるβ-グルクロニ
ダーゼ(GUS)遺伝子を保持する市販のpBI101プラスミド
ベクター(Clontech社製)の制限酵素切断部位に挿入す
ることによって、組換えプラスミドベクターを作成し
た。この組換えプラスミドベクターを常法により植物細
胞、例えばイネ培養細胞へ導入して、市販のGUS活性測
定キットにより、前記のDNA断片-p1における該プ
ロモーターDNA領域(配列番号1のDNA配列)がGUS
活性の発現に有効であることを確認することができる
(詳細は後記の実施例2参照)。
【0035】第1の本発明のDNA(配列番号1)に
は、植物と植物病原菌との感染および認識過程において
重要な役割をはたすエリシター、例えば非特異的エリシ
ターとして知られているキチン、グルカンや特異的エリ
シター、また、病害抵抗性誘導物質により誘導される領
域を結合できる。さらに、第1の本発明のDNA(配列
番号1)には傷害により誘導される領域を結合できる。
【0036】なお、一般にプロモーター活性を有するD
NAの塩基配列において、1個もしくは数個の塩基が欠
失、置換、挿入若しくは付加された場合であっても、そ
のように改変されたDNAにおいてもプロモーター活性
が維持される場合があることは当業者において広く認識
されているところである。第1の本発明のDNAは、こ
のような改変による修飾が加えられて形成されて、かつ
植物細胞中および植物体中でプロモーター活性を有する
DNA断片とすることが可能である。従って、第2の本
発明において、配列表の配列番号1に記載の塩基配列に
ついて、1個若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若
しくは付加されて形成された、かつプロモーター活性を
有するDNAが第1の本発明のDNAの改変によって得
られる。ここで言う「数個」とは、好ましくは2〜9
個、より好ましくは2〜4個である。そのような改変さ
れたDNAが第2の本発明によるDNAであり、これは
例えば部位特異的変異法によって、特定の部位の1個ま
たは数個の塩基が欠失、置換、挿入、若しくは付加され
るように第1の本発明のプロモーターDNAの塩基配列
(配列番号1)を改変することによって得られる。この
ように改変された第2の本発明のDNAのプロモーター
活性は、上記と同様にしてそれの検定を行うことで確認
ができる。
【0037】また、イネのAS遺伝子またはこれを有す
る細胞に変異処理を行い、これらの遺伝子もしくは細胞
から、例えば配列表の配列番号1に記載の塩基配列を有
するDNAに対してストリンジェントな条件下でハイブ
リダイズするけれども配列番号1の塩基配列と部分的に
異なる塩基配列を有するDNAを選別することによって
も、第2の本発明の改変されたDNAを得ることができ
る。
【0038】ここでいう「ストリンジェントな条件」と
は、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異
的なハイブリッドが形成されない条件をいう。この条件
を明確に数値で特定化することは困難であるが、一例を
示せば、相同性が高い核酸同士、例えば97%以上の相同
性を有するDNA同士がハイズリダイズし、それより相
同性が低い核酸同士がハイブリダイズしない条件が挙げ
られる。
【0039】前記したPCR法増幅反応で得たDNA断
片−p2は、3´−末端にApa I切断サイトを有し、ま
た前記のとおり、配列表の配列番号2に記載された塩基
配列(1254 bpのサイズ)を有する第3の本発明のDN
Aを内部に含有するDNA断片である。第3の本発明の
DNAには、イネのASの第2アイソザテムのαサブユ
ニット遺伝子に対するプロモーター活性を有するプロモ
ーターDNA領域と、該プロモーターDNA領域に対す
るエクソン部分のDNA配列とが含有される。そのエク
ソン部分のDNA領域により翻訳されるアミノ酸配列
は、配列表の配列番号3に記載の131個のアミノ酸から
構成される。
【0040】さらに、第1の本発明のDNA配列および
第3の本発明のDNA配列は、本発明を完成するに際し
ては、上記のようにしてゲノミックDNAライブラリー
から遺伝子工学の手法により単離されたものであるが、
本発明により、そのDNAの塩基配列が明らかにされた
ので、配列番号1または2に示す塩基配列に基づいて化
学合成することによっても取得することができる。ま
た、前記の塩基配列に基づいて作成した適当な合成オリ
ゴヌクレオチドプライマーを用いると、、公知の方法で
イネのゲノミックDNAライブラリーから、PCR法の
利用により取得することもできる。
【0041】
【発明実施の形態】以下に、本発明を、実施例を示して
具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例に限
定されるものではない。なお、以下の実施例で行われる
実験操作の手順は、特に記述しない限り、「Molecular
Cloning」第2版(J. Sambrookら、Cold Spring Habor L
aboratorypress, 1989年発行)に記載される方法に従っ
た。
【0042】実施例1 (1)イネのゲノミックDNAの調製 日本産イネ(品種:日本晴)のカルス2gから公知のC
TAB法(「クローニングとシークエンス」、262頁〜2
64頁、1989年、農村文化社)に従い、ゲノミックDNA
の2mgを抽出した。
【0043】(2)イネのゲノミックDNAライブラリ
ーの構築 10マイクログラムの上記ゲノミックDNAを制限酵素Sa
u2A Iで部分消化した後、得られたDNA断片を、クロ
ーニングキット(Lambda ZAP II/EcoRI/CIPCloning K
it(STRATGENE社製))を用いてファージベクターにライ
ゲーションした。得られた組換えベクターを、Gigapack
II Gold Packaging Extractを用いてラムダファージに
パッケイジングを行った。得られた組換えλファージ
を、大腸菌 XLI−BlueMRF´に感染させ増殖させて、前
記の組換えファージを多数得た。これらの得られた組換
えファージを、イネのゲノミックDNAライブラリーと
して後記の工程で用いた。
【0044】(3)プローブDNAの作製 イネのASの第2アイソザイムのαサブユニットの遺伝
子に対するプロモーターDNA断片をクローニングする
ために用いるDNAプローブを、PCR法用に作製す
る。このために、先ずプライマー設計を行った。そのた
めには、まずアラビドプシス(和名:シロイヌナズナ)
のアントラニル酸シンターゼの第1アイソザイムASA
1および第2アイソザイムASA2のそれぞれのαサブ
ユニットをコードする公知の遺伝子の既知の塩基配列お
よび既知のアミノ酸配列を参考にして、下記に示す塩基
配列を有する2種類のオリゴヌクレオチドを、プライマ
ー1とプライマー2として化学合成により作成した。
【0045】(1)プライマー1(配列表の配列番号
7)に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド): 5´―CATATGTCTTCCTCTATGAAC−
3´ (2)プライマー2(配列表の配列番号8)に示す塩基
配列を有するオリゴヌクレオチド): 5´―GGATCCTCATTTTTTCACAAAT
GC−3´ なお、上記2種類のオリゴヌクレオチドの作製は、DN
A合成装置(Model 391,アプライドバイオシステムズ社
製)を用いてオリゴヌクレオチドを合成し、さらにその
合成品をイオン交換HPLCで精製することにより行った。
【0046】次に、上記のように構築された2種類の合
成オリゴヌクレオチドの各10pMを、第1のプライマーお
よび第2のプライマーとして用い、またアラビドプシス
の市販されているcDNAライブラリー(STRATAGENE社
製)の1μlを、テンプレイトとして用いた。前記の第
1および第2プライマー、ならびにアラビドプシスのc
DNAライブラリーを、PCR法用の増幅反応液〔10mM
のTris−HCl(pH 8.3)、1.5mMのMgCl2、50mMのKCl、0.
001%ゼラチン、pH8.3 ;4種類のヌクレオチドdNTPの各
2.5mMの混合物、およびDNAポリメラーゼTakara Ex T
aq、2.5単位〕50μlに加えて、次にDNAの増幅反応
を行った。ここで使用される増幅反応液は、PCRキッ
ト(PCR Amplification Kit(宝酒造(株)社製)に
より調製した。
【0047】PCR法によるDNAの上記の増幅反応
は、PCR反応装置(PERKIN ELMER社製、DNA、The
Thermal Cycler 480)を用いて、変性を94℃、30秒間、
アニーリングを55℃、1分間、また伸張(extension)を
72℃、2分間行う3つの反応操作を、25回繰り返すこと
によって実施した。上記のようにすると、アラビドプシ
スASA1およびASA2の2つのアイソザイムのαサ
ブユニットをコードする遺伝子に相当するDNA配列の
うちの一部分を構成しているDNA断片の増幅生成物が
生成される。これらDNA断片の増幅生成物をプローブ
DNAとして採取する。そして、該プローブDNAを、
イネのcDNAライブラリーのクローニングに下記の通
り用いた。
【0048】(4)イネのゲノミックDNAライブラリ
ーからのプロモーター遺伝子の選択 上記(3)でアラビドプシスの前記の市販cDNAライ
ブラリーからPCR法により得られたプローブDNA
を、ジゴキシゲニン(DIG)でラベルして標識プロー
ブDNAを得た。該プローブDNAの標識はDIG−ELISA
DNA labeling &Detection Kit(ベーリンガー・マンハ
イム社製)により行った。上記(2)で作製したイネの
前記のゲノミックDNAライブラリーであるところの組
換えファージから、上記の標識プローブDNAの利用に
より、イネのASの第2アイソザイムαサブユニットを
コードする遺伝子の発現のためのプロモーターの遺伝子
に相当するDNA配列を組み込まれた組換えファージ
を、スクリーニングする。
【0049】この組換えファージの上記スクリーニング
は次のように行う。すなわち、まず前記のイネ・ゲノミ
ックDNAライブラリーの組換えファージのプラークを
1.5%寒天培地上に形成させた後、それらのファージプ
ラークをナイロン膜(アマシャム社製)ハイボンドNに
転写した。こうしてナイロン膜に転写された組換えファ
ージのプラークに含まれているファージDNAは、アル
カリ変性液(1.5MNaCl、2.0M NaOH)および中和液(1.
0M Tris-HCl pH5,2.0 M NaCl)でそれぞれ10分間処
理し、その後にUV照射によりナイロン膜上に固定し
た。
【0050】前記の転写されたファージDNAが固定さ
れたナイロン膜をハイブリダイゼーション溶液(500mM
Na−Piバッファー、pH 7.2、7%SDS、1Mm EDT
A)に浸し、さらに65℃で、10分間、浸漬処理を行っ
た。次に前記のDIGラベルした標識プローブDNA
(10ng/ml)を加え、65℃で、15時間インキュベートす
ると、前記のプラーク・ハイブリダイゼーション反応が
行われた。
【0051】その反応終了後に、洗浄液(40mM Na−
Piバッファー、pH 7.2、1%SDS)で前記のナイロ
ン膜を20分間ずつ3回洗浄した。その後、上記のDIG−E
LISADNA labeling & Detection Kitを用いて、イネのA
Sの第2アイソザイムのαサブユニット遺伝子に対する
プロモーターをコードする遺伝子DNAを含有した目的
の組換えファージの検出を行った。この検出に際して、
前記の標識プローブDNAがハイブリダイズしてX線フ
ィルムで強くシグナルを発している4個の組換えファー
ジプラーク、すなわちイネのASの第2アイソザイムの
αサブユニット遺伝子に対するプロモーター遺伝子が組
み込まれていると思われる4個のファージプラークが30
万個のファージプラークから、ナイロン膜上で探知する
ことができた。そして該ナイロン膜上から、イネのAS
の第2アイソザイムのαサブユニット遺伝子のためのプ
ロモーター遺伝子が組み込まれていると思われる前記の
4個の組換えファージプラークを単離して選抜するこ
と、すなわちスクリーニングすることができた。
【0052】これら採取された4個のプラークの組換え
ファージから、λDNA単離キット(Lambda DNA purif
ication Kit(STRATAGENE社製))により、それぞれに
ファージプラークの4個ごとに別々に、λDNAを単離
した。この際の上記のλDNAの単離は、次のようにし
て行った。すなわち、前記の4個のプラークの各々のフ
ァージをそれぞれ別々に大量に増殖させた。それぞれの
培養液5mlに、DNase I(20mg/ml)50μl、RNase A
(2mg/ml)200μlを加え、室温で15分間放置した。
【0053】得られたファージ増殖溶液を15000rpm、4
℃で10分間遠心分離した。得られた上清に80%DEAE−セ
ルロース25ml加え、室温で10分間インキュベートした。
このようにインキュベートされた混合液を遠心分離し、
得られた上清に 0.5M EDTA2ml、Pronase(50mg/ml)
770μlを加え、37℃で15分間放置した。さらに、5%C
TAB溶液〔1%CTAB(Cetyltrimethyl-ammonium bromid
e)、50mM Tris−HCl、pH 8.0、10mM EDTA〕1.5 mlを加
えた。こうして得られた混合物を65℃、3分間処理した
後、氷中で5分間放置した。こうして得られたそれぞれ
の反応液に1/10容の3M酢酸ナトリウム、2倍容のエ
タノールを加え、−20℃で約6時間放置し、その後、得
られた溶液を遠心分離した。それぞれの溶液から沈殿し
たラムダファージDNAの4種を別々に乾燥させて、5
mlの水にそれぞれ溶解して保存した。
【0054】上記の操作により単離された4種類のラム
ダファージDNAが得られた。これらファージDNAの
各5μlを、Hバッファー(宝酒造社製)中で制限酵素
EcoRIの10ユニットで別々に消化して、得られた消化反
応液を別々に分析した。その消化反応液を低融点アガロ
ース電気泳動法により分画して、部分消化DNA断片を
採取した。その結果、4種類のラムダファージDNAの
消化反応液から、約6.5kbpのDNA断片であるDNA−
aを含むバンドのゲル切片と、約 700bpのDNA断片で
あるDNA−bを含むバンドのゲル切片とをアガロース
ゲルから切りだすことができた。次に、これら2つのゲ
ル切片から、それぞれに、GENECLEAN IIKit(フナコシ
社製)により分離して、DNA断片DNA−aの精製品
とDNA断片DNA−bの精製品を得た。
【0055】上記のようにイネのASの第2アイソザイ
ムのαサブユニット遺伝子に対するプロモーターに相当
するDNA配列の一部領域を含有すると判定されたDN
A断片として、前記の2種類のDNA断片の精製品(す
なわちDNA−aと、DNA−b)が得られた。これら
を別々にプラスミドベクターpBluescript II SK(+)の
EcoRI切断部位にDNAリゲーションキット(宝酒造社
製)により挿入、連結した。これによって組換えプラス
ミドベクターpBluescript−DNA−aと、pBluescript
−DNA−bとを構築した。このように構築された組換
えプラスミドベクターの導入で大腸菌XLI−BlueMRF´
を形質転換した。これによって、組換え大腸菌XLI−Bl
ueMRF´/pBluescript―DNA−aと 組換え大腸菌XL
I−BlueMRF´/pBluescript―DNA−bとをそれぞれ
に得た。
【0056】組換えプラスミドを導入した上記の2種の
組換え大腸菌を培養し、組換えプラスミドをクローニン
グした。それらの培養細胞から、プラスミド精製キット
(QIA filter Plasmid Midi kit、QIAGEN社
製)により前記の組換えプラスミドpBluescript―DN
A−aおよびpBluescript―DNA−bを分離且つ精製
した。この精製により、上記で得られた形質転換された
組換え大腸菌から、50μg(50μl)の前記の組換えプ
ラスミドDNAの2種を得た。
【0057】これらのプラスミドDNAの塩基配列を解
析するために次の操作を行った。 (5)クローニングされたDNAのシークエンス解析 上記のクローニングで得られた2種類の組換えプラスミ
ドの各DNA断片は、これを市販の塩基配列決定キット
で処理すると、それらのプラスミドDNA断片の塩基配
列を決定できる。そして、それら2種のプラスミドDN
A断片の内部に含有されたところの、イネのASの第2
アイソザイムのαサブユニット遺伝子に対するプロモー
ター遺伝子に該当するプロモーターDNA領域の塩基配
列を判定できる。上記のプラスミドDNA断片の塩基配
列の決定を行うに当たっては、塩基配列決定キット(Au
toread Sequencing kit (Pharmacia Biotech社製)を用
いて、変性処理を行った後に自動シーケンサALF D
NA Sequencer II(ファルマシア社製)で前記のプラ
スミドDNA断片の塩基配列を決定した。
【0058】このようにして上記の2種のプラスミドD
NA断片の塩基配列を判定した結果、前記の2種類の組
換えプラスミドすなわちpBluescript―DNA−aおよ
びpBluescript―DNA−bの各々のDNA配列は、一
部が共通するが互いに相異なる塩基配列を有するもので
あることが解った。ここで塩基配列決定キットでの処理
過程においてプラスミドの断片として得られたDNA断
片DNA−a(約6.5kbp)の塩基配列は、公知のアラビ
ドプシスのASの第2アイソザイムのαサブユニット遺
伝子の既知の塩基配列との相同性からみて、イネのAS
の第2アイソザイムのαサブユニットのタンパク質をコ
ードしているDNA領域の一部分を含み、またそれに、
追加的に、翻訳開始点から上流にあるプロモーター領域
のうちの約180 bpの部分DNA領域を含んでいることが
解った。
【0059】また、前記のDNA断片DNA−b(約70
0 bp)は、ASの第2アイソザイムのαサブユニットの
タンパク質をコードする部分のDNA領域を含んでいる
ことがないが、ASの第2アイソザイムのαサブユニッ
ト遺伝子に対するプロモーターDNAの全領域のうちの
一部分(700 bp)に相当するDNA領域であると推定さ
れた。
【0060】(6)完全長のプロモーター遺伝子DNA
の作成と単離 さらに、イネのASの第2アイソザイムのαサブユニッ
ト遺伝子に対する完全長のプロモーターDNAの作成を
行った。この作成のためには、上記でクローニングされ
て塩基配列が決定された前記のDNA−a断片およびD
NA−b断片の塩基配列をもとにプライマーを作製し、
PCR法を行った。
【0061】そのためには、まず、前記のDNA合成装
置を利用して3種類のプライマーを合成した。すなわ
ち、DNA−b断片の塩基配列から設計された配列表の
配列番号4に記載する塩基配列を有するオリゴヌクレオ
チドであるプライマー3(ASA2PN)と、DNA−
a断片の塩基配列から設計された配列表の配列番号5に
記載する塩基配列を有するオリゴヌクレオチドであるプ
ライマー4(ASA2PC)と、同じくDNA−aの塩
基配列から設計された配列表の配列番号6に記載する塩
基配列を有するオリゴヌクレオチドであるプライマー5
(ASAS4)を化学合成により構築した。
【0062】次に、上記のように構築された3種類の合
成オリゴヌクレオチドを、プライマー3とプライマー4
の組み合わせ(第1の組み合わせ)、プライマー3とプ
ライマー5の組み合わせ(第2の組み合わせ)とでPC
R増幅反応を行った。プライマー各10pMを用い、上記
(1)で得られたイネのゲノミックDNAをテンプレイ
トとして用いて、上記(3)と同様の方法でそれぞれの
組み合せに従ってPCR増幅反応をおこなった。
【0063】それら増幅反応終了後、反応液を低融点ア
ガロース電気泳動により分画し、いずれの組み合せの増
幅反応においても増幅生成物が得られた。第1の組み合
わせにおいては、約878 bpのサイズの第1のDNA断片
(すなわちDNA断片−p1)を含むバンドを切り出し
た。第2の組み合わせにおいては約1262 bpのサイズの
第2のDNA断片(すなわちDNA断片−p2)を含む
バンドを切り出した。これら第1、第2DNA断片を含
むのゲル切片からそれぞれDNA断片−p1の精製品お
よびDNA断片−p2の精製品を得た。
【0064】DNA断片−p1の精製品をプラスミドベ
クターpBluescript II SK(+)の制限酵素PstIおよびB
amHI切断部位に前記と同様の方法により挿入、連結す
る。このようにして組換えプラスミドベクターpBluescr
ipt―DNA−p1を構築した。このように構築された
組換えプラスミドベクターの導入で大腸菌XLI−BlueMR
F´を形質転換して、組換え大腸菌XLI−BlueMRF´/pB
luescript―DNA−p1(大腸菌JM109/pASA2Pと称す;
FERM P−17273 として寄託)を得た。
【0065】また、同様にDNA断片−p2の精製品を
プラスミドベクターpBluescript IISK(+)の制限酵素P
stIおよびApaI切断部位に挿入、連結した。こうして、
組換えプラスミドベクターpBluescript―DNA−p2
を構築した後、これで形質転換された組換え大腸菌XLI
−BlueMRF´/pBluescript―DNA−p2を得た。これ
ら組換えプラスミドベクターを導入した上記の2種の組
換え大腸菌を培養してプラスミドをクローニングした。
培養された細胞から、前記と同様の方法により、前記の
組換えプラスミドpBluescript―DNA−aおよびpBlue
script―DNA−bのそれぞれ50μg(50μl)の組換
えプラスミドDNAを得た。
【0066】このようにして大量に得た前記の2種の組
換えプラスミドDNAの全体の塩基配列を塩基配列決定
キットにより決定した。その結果、前記の一方の組換え
プラスミドを酵素PstIとBamHIとで切断して得られる前
記DNA断片−p1は、そのサイズが878 bpであって、
そして前記で得られたDNA−bの全DNA領域(約70
0 bp)に対して、約6.5 kbpのサイズのDNA断片とし
てのDNA−aの中における翻訳開始点から上流への約
180 bpまでのサイズのDNA領域と、5´側におけるPs
tI認識用の8 bpサイズのDNA領域と3´側における
BamHI認識用の9 bpのDNA領域とを結合させてなる構
造にほぼ該当することが判明した。
【0067】DNA断片−p1は、イネのASの第2ア
イソザイムのαサブユニット遺伝子に対するプロモータ
ーDNA領域(861 bp)を内部に含有するものであるこ
とが別段の研究から解った。DNA断片−p1内に含有
された該プロモーターDNA領域(861 bpサイズ)の塩
基配列は、配列表の配列番号1に示す。
【0068】また、前記の他方の組換えプラスミドを酵
素PstIとBam HIとで切断して得られる前記DNA断片
−p2は、それのサイズが約1262 bpであり、そして前
記で得られたDNA断片−p1の5´側から869 bpまで
のDNA領域を含み、またDNA−aのうちの翻訳開始
点から下流への翻訳領域のうちの約393 bpのDNA領域
を含む構造にほぼ該当することが判明した。
【0069】DNA断片−p2は、イネのASの第2ア
イソザイムのαサブユニット遺伝子に対する前記プロモ
ーターDNA領域(861bp のサイズ)を、DNA断片−
p1と共通に同じく含み、またASの第2アイソザイム
のαサブユニット遺伝子の翻訳領域の一部分を含んで成
るDNA配列であることが解った。このDNA断片−p
2であるDNAは、イネのASの第2アイソザイムのα
サブユニット遺伝子に対する該プロモーターDNA領域
(861 bpのサイズ)を内部に含み、さらに該プロモータ
ー活性DNA領域に対するエクソン部のDNA配列を内
部に含んでなるDNA配列(配列表の配列番号2のDN
A)を内部に含有するものであることが認められる。
【0070】実施例2 プロモーター活性の検定 1)上記の実施例1、(6)で得られたDNA断片−p
1中に内在するところの、プロモーターDNA領域(86
1 bp)(配列番号1)を内部に含むDNA断片−p1の
プロモーター活性を調べるために、このDNA断片−p
1(すなわち、前記のクローニングで得られた組換えプ
ラスミドベクターpBluescript―DNA−p1を酵素お
よびPstI−BamHIで切断したDNA断片に相当)を、植
物細胞形質転換用ベクターpBI221(Clontech社製)のβ
―グルクロニダーゼ(GUS)遺伝子の上流部分に組み
込むことにより、形質転換用ベクターを得た。
【0071】形質転換用ベクターの作製は、pBI221のD
NA(10μg)を、Hバッファー中で制限酵素PstIおよ
びBamHI の10ユニットで消化した。その消化液をアガロ
ース電気泳動により約4.8 kbp付近をゲルから切り出
し、DNA精製キットを用いて精製した後、10μlの滅
菌水に溶解した。このようにして4.8 kbpのサイズを有
するベクター断片を得た。
【0072】このプラスミドベクター断片溶液の5μl
と、上記のDNA断片−p1であるDNA断片の5μl
とを混合した後、この混合液をDNAリゲーションキッ
トで処理してDNAの連結を行った。
【0073】このようにして、プラスミドベクターpBI2
21の切断断片に対して、前記のイネのASの第2アイソ
ザイムαサブユニット遺伝子のプロモーターDNA領域
(861 bp)を内部に含むDNA断片−p1のDNA配列
を連結してなる環状の組換えプラスミドを作製した。こ
の組換えプラスミドをpASA2PGUSと称する。
【0074】ベクターpASA2PGUSは、イネのASの第2
アイソザイムのαサブユニット遺伝子のためのプロモー
ターDNA領域(861bp)の下流に、GUS遺伝子を持
ち、さらに下流にNOSターミネーターが連結されて成
り、5.6kbpのサイズを有する。
【0075】2)イネのカルス細胞への検定用組換えベ
クターの導入 上記で作製して得られた組換えベクターpASA2PGUSをイ
ネのカルス細胞への導入を行った。
【0076】まず、日本産イネ(品種:日本晴)の完熟
種子から籾殻を取り除いた。得られた種子を70%エタノ
ール溶液に1分間、ついで次亜塩素酸ナトリウム1%
(有効塩素濃度)溶液に60分間しんせきして種子を殺菌
処理した。公知のMS培地の無機成分組成にショ糖30g
/l、植物ホルモンとして2,4−D 2mg/l、寒天8g
/lを添加してなる培地に、上記で殺菌したイネ種子を
置床した。28℃で45日間、2000ルックスの光を1日あた
り16時間照明しながらインキュベートした。カルスが形
成された後、それらカルスを胚乳部分から切り出し、孔
1mmのステンレスメッシュの篩をもちいて、1mm以下の
カルスをPCV(Paked Cell Volume;圧縮細胞量)として
3mlの量を得た。
【0077】チタン酸カリウム製ウイスカLS20(チ
タン工業社製)5gを1.5 ml容のチューブにいれ、1時
間放置した後、エタノールを除去し、完全に蒸発させ
て、殺菌されたウイスカを得た。このウイスカの入った
チューブに滅菌水1mlを入れ、よく攪拌した。ウイスカ
と滅菌水を遠心分離し、上清の水を捨てた。このように
してウイスカを洗浄した。このウイスカ洗浄操作を3回
行った。その後、同チューブに公知のR2液体培地の0.
5mlを加えてウイスカ懸濁液を得た。
【0078】上記で得られたウイスカ懸濁液の入ったチ
ューブに、1 mm以下のイネのカルスを250μl入れて攪
拌した。その後、その混合物を1000 rpmで10秒間遠心分
離し、カルスとウイスカを沈殿させ、上清を捨て、カル
スとウイスカの混合物を得た。この混合物を入れたチュ
ーブに、前記の組換えベクター(すなわち前記の組換え
プラスミドpASAP2GUS)の10μl(10μg)および形質転
換細胞の選抜用マーカーベクターとして公知の組換えベ
クターpCH(ハイグロマイシン耐性)とを加え、十分
振り混ぜて均一な混合物を得た。次にこの均一な混合物
の入ったチューブを、18000 × gで5分間遠心分離し
た。遠心分離した混合物を再度振り混ぜ、この操作を3
回反復した。
【0079】上記のようにして得られた、カルス細胞
と、ウイスカと、第1の本発明のDNA配列(配列番号
1)を含有する組換えプラスミドと、ベクターpCH を収
容しているチューブを超音波発生機の浴槽にチューブが
十分浸かるように設置した。周波数40 kHzの超音波を強
度0.25w/cmで1分間照射した。照射後、30分間、4
℃でこの混合物を保持した。このように超音波処理した
混合物を、前記のR2液体培地で洗浄し、組換えベクタ
ーpASAP2GUS およびpCH が導入された目的の形質転換細
胞を得た。
【0080】上記で組換えプラスミドおよびベクターを
導入して得た形質転換細胞を有するカルスを、3.5cmシ
ャーレに入れた。さらに、R2培地の無機成分組成にシ
ョ糖30g/lと2,4-D 2mg/lを添加して得た液体培
地を3 ml加えた。その後に、28℃で2000ルックスの光
を1日当たり16時間照射しながらロータリーシェーカー
(50rpm)上でカルス細胞を培養しながら分裂細胞を得
た。
【0081】培養3日目に、得られた分裂細胞のけんだ
く液3mlを、公知のN6培地の無機成分組成に、ショ糖
30g/l、2,4-D 2mg/l、ゲルライト3g/lおよび
選抜用薬剤としてハイグロマイシン30mg/lを添加して
なる培地上に均一の広げた。培地上の細胞を、28℃で20
00ルックスの光を1日当たり16時間照射しながら1ヶ月
間培養した。1ヶ月後に、ハイグロマイシン含有培地上
で健全に生育している形質転換カルスを選抜し、組換え
プラスミドpASAP2GUS およびベクターpCH で形質転換さ
れているイネのカルス細胞を得た。
【0082】3)GUS活性の測定 上記で得られた組換えプラスミドpASAP2GUS で形質転換
されたイネのカルスにおけるGUS染色を、公知の方法
(「Plant Genetic Transformation and GeneExpressio
n A laboratory manual,324頁〜327頁、Blackwell Sie
ntificPublications LTD)に準じて行った。
【0083】すなわち、上記の形質転換したイネのカル
スを、28℃で3日間培養した後、カルス塊(0.5g)を24
個取り出し24穴のマイクロプレートに入れ、染色用バッ
ファー〔2mM X−Gluc(5-ブロモ−4−クロロ−3−
インドリル−β−D−グルクロン酸)、50mM Na2PO
4、pH7.0)を 100μlずつ添加して浸漬した。37℃で
一晩保温した後、カルスにエタノールを 100μlずつ添
加して染色バッファーを取り除き、この操作を3回繰り
返した。その後、イネのカルス細胞の青色色素の沈着程
度(染色の程度)を調査した。対照区として、形質転換
していないイネのカルスを用いた。結果を表1に示す。
【0084】 〔表1〕 染色の程度(カルス数) 濃 薄 無 本発明区(プラスミドpASA2PGUSを 20 4 0 導入されたカルス細胞) 非形質転換カルス細胞区(対照区) 0 0 24 調査基準 濃 : カルス細胞全体が濃く染色されている。 薄 : カルス細胞の一部が染色されている。 無 : 染色されていない。
【0085】上記のように本発明区の形質転換されたカ
ルス細胞は青色に染色されてGUS活性が発現されたこ
とを示す。このことにより、塩基配列の解析の結果から
確認されたプロモーター領域それ自体に該当するDNA
配列である第1の本発明のDNAは、プロモーターとし
て機能したことが証明される。
【0086】さらに、本発明者は別段の研究を進めた。
その研究に当たって、前記の実施例1(4)で得られた
ところの、組換えラムダファージDNA断片としてのD
NA断片DNA−b(約700 bpのサイズ;実施例(5)
参照)を、それからの標識プローブDNAの作成に用
い、しかもインド産イネから作られた組換えラムダファ
ージの形のゲノミックDNAライブラリー(CLONT
ECH社製)を用いて前記の標識プローブとのハイブリ
ダイゼーション反応を行う実験、およびその他の一連の
実験を行った。
【0087】その結果、配列表の配列番号1に記載の塩
基配列を有するプロモーターDNA(861 bpのサイズ)
に比べて塩基配列の一部および塩基数の点で若干相違す
るけれども、イネのASの第2アンソザイムαサブユニ
ット遺伝子に対するプロモーター活性を示すことのでき
る856 bpのサイズのプロモーターDNA領域を内部に含
有し且つ該プロモーターDNA領域までの上流DNA領
域(648 bpのサイズ)ならびに該プロモーターDNA領
域の下流のエクソン部のDNA領域(157 bpのサイズ)
を内部に含有する1660bpのサイズのDNA断片DNA−
cを得ることに成功した。このDNA断片DNA−cの
塩基配列を配列表の配列番号9に示す。
【0088】従って、第6の本発明においては、配列表
の配列番号9に記載された1660bpのサイズの塩基配列の
649番目のgから1503番目のaまでの856 bpのサイズの
塩基配列を有するDNAであって、このDNAは、イネ
のアントラニル酸シンターゼの第2アイソザイムのαサ
ブユニットをコードする遺伝子に対するプロモーター活
性を有するプロモーターDNA領域であることを特徴と
する、前記プロモーター活性を有するDNAが提供され
る。
【0089】さらに第7の本発明においては、配列表の
配列番号9に記載された1660bpのサイズの塩基配列を有
するDNAであって、このDNAの内部には、配列番号
9の塩基配列の649番目のgから1503番目のaまでの856
bpのサイズの塩基配列を有して、且つイネのアントラ
ニル酸シンターゼの第2アイソザイムのαサブユニット
をコードする遺伝子に対するプロモーター活性を有する
プロモーターDNA領域を含み、さらに該プロモーター
DNA領域の上流で配列番号9の塩基配列の1番目のt
から648番目のtまでの上流DNA領域を含み、また該
プロモーターDNA領域に対するエクソン部として、配
列番号9の塩基配列の1504番目のaから1660番目のgま
でのDNA配列を含むDNAが提供される。
【0090】第6の本発明によるプロモーターDNAを
見出した実験、ならびにプロモーター上流DNA領域、
プロモーターDNA領域およびエクソンDNA領域より
なる第7の本発明のDNAを得た実験の詳細を、後記の
実施例3で具体的に説明する。
【0091】実施例3 (1)イネのゲノミックDNAライブラリーからのプロ
モーター遺伝子およびプロモーターの上流域遺伝子の選
択 イネのASの第2アイソザイムのαサブユニット遺伝子
に対するプロモーターDNA領域およびプロモーターの
上流のDNA領域を含むDNA断片をクローニングする
ために用いるDNAプローブを次のとおり作成する。す
なわち、実施例1(4)で単離した組換えラムダファー
ジDNA断片であるDNA−b(約700bp)を、ジゴキシ
ゲニン(DIG)でラベルして標識プローブDNAを得
た。該プローブDNAの標識はDIG-ELISA DNA labeli
ng & Detection Kit(RocheDiagnostics社製)によ
り行なった。
【0092】インド産イネOryza sativa(L.indica.va
r.IR36)のゲノミックDNAライブラリー(組換えラム
ダファージの形でCLONTECH社製)から、上記の
標識プローブDNAの利用により、実施例1(4)と同
様に、イネのASの第2アイソザイムαサブユニットを
コードする遺伝子の発現のためのプロモーターDNA領
域およびその上流のDNA領域に相当するDNA配列を
組み込まれた組換えファージを選択する方法を行った。
実施例1(4)と同様な方法により選択した結果、30
万個の組換えファージプラークから、ASの第2アイソ
ザイムのαサブユニット遺伝子のプロモーターDNA領
域およびそれの上流のDNA領域を含むDNA配列が組
み込まれたと判定できたファージプラークの6個を、単
離して選抜できた。
【0093】これら採取された6個のプラークの組換え
ファージの各々から、λDNA単離キット(Lamda DNA p
urification Kit STRATGENE社製)により、それぞれに
ファージプラークの6個ごとに別々に、λDNAを単離
した。この際の上記のλDNAの単離は、実施例1
(4)と同様な方法により行なった。
【0094】上記の操作により単離された6種類のファ
ージDNAが得られた。これらファージDNAの各5μ
lを、Tバッファー(宝酒造社製)中で制限酵素XbaIとSa
cIIの各10ユニットで消化して、得られた消化反応液を
別々に次のとおり分析した。すなわち、その消化反応液
を低融点アガロース電気泳動法にかけて前記ファージD
NAの消化DNA断片を分画した。その結果、6種類の
ファージDNAの消化反応液のそれぞれの電気泳動アガ
ロースゲルから、約1.7 KbpのDNA断片として、DN
A断片DNA−cを含むバンドのゲル切片を切り出し
た。次に、そのゲル切片からGenecleanII Kit(フナコ
シ社製)により分離し精製して、DNA断片DNA−c
の精製品を得た。
【0095】上記のようにして得られたDNA断片DN
A−cの精製品は、イネのASの第2アイソザイムのα
サブユニット遺伝子に対するプロモーターDNA領域お
よびそれの上流のDNA領域に相当するDNA配列の一
部分を含有すると判定できたDNA断片である。このD
NA−cの精製品をDNAライゲーションキット(宝酒
造社製)により、プラスミドベクターpBluescript SK
(−)のXbaIとSacII切断部位に挿入、連結した。これに
よって、組換えプラスミドベクターpBluescript−DN
A−cを構築した。この構築された組換えプラスミドベ
クターの導入で大腸菌JM109を形質転換した。これによ
って、組換え大腸菌JM109/pBluescript−DNA−cを
得た。
【0096】上記の組換えプラスミドベクターを導入し
た上記の組換え大腸菌JM 109/pBluescript−DNA−
cを培養した。その培養細胞から、プラスミド精製キッ
ト(QIA filter Plasmid Midi kit、QIAGEN社製)によ
り、前記のようにしてクローニングされた組換えプラス
ミドを分離且つ精製した。この精製により、上記で得ら
れた形質転換された組換え大腸菌から、50μg(50μl)の
組換えプラスミドpBluescript−DNA−cのDNAを
得た。このプラスミドpBluescript−DNA−cのDN
Aの塩基配列を解析するために、次の操作を行なった。
【0097】(2)クローニングされたDNAのシーク
エンス解析 上記のクローニングで得られたDNAである組換えプラ
スミドpBluescript−DNA−cのDNAは、これを市
販の塩基配列解析キットで処理すると、そのプラスミド
DNAの塩基配列を決定できる。そして、そのプラスミ
ドDNA断片の内部に含有されたところの、イネASの
第2アイソザイムのαサブユニット遺伝子に対するプロ
モーター遺伝子に該当するプロモーターDNA領域の塩
基配列を判定できた。上記のプラスミドDNA断片の塩
基配列の決定は、実施例1(5)と同様な方法で行なっ
た。
【0098】このようにすると、上記のDNA断片DN
A−cの塩基配列を判定できた。その結果、前記のDN
A−cの断片は、実施例1(5)に記載の2種類のDN
A配列DNA−aおよびDNA−bと一部が共通するが、
さらにそのプロモーターDNA領域の上流にあるDNA
領域をも含むDNA断片であることが解った。また、こ
のDNA断片DNA−cは、全体で1660bpのサイズを有
し、しかもイネのASの第2アイソザイムのαサブユニ
ット遺伝子のエクソン部の一部分(157bp)を内部に含
み、さらにそのαサブユニット遺伝子の翻訳開始点の前
にプロモーター遺伝子の全DNA領域とそれの上流域の
部分DNA領域との両方(計1503bp)を内部に含んでい
ることが解った。前記のDNA断片DNA−c(1660bp
のサイズ)の塩基配列の全体を配列表の配列番号9に記
載する。
【0099】前記の組換えベクターpBluescript−DN
A−cを導入した大腸菌JM109 pBluescript−DNA−
cは、大腸菌Escherichia coli JM109/pASA2P2として
命名され、工業技術院生命工学技術研究所に2000年2月1
5日より、受託番号FERMP-17735として寄託されている。
【0100】(3)プロモーター活性検定用ベクターの
構築 上記で得られたDNA断片DNA−cは、その中に内在
するプロモーター活性を有するプロモーターDNA領域
を内部に含むDNA断片(配列番号9)である。その内部
のプロモーターDNA領域のプロモーター活性を調べる
ために、このDNA断片DNA−c(すなわち、前記で
得られた組換えプラスミドpBluescript−DNA−cを
制限酵素XbaIと、SacIIで消化したDNA断片に相当)
を組込まれたプロモーター活性測定用プラスミドベクタ
ーを後記のように作成した。
【0101】すなわち、植物細胞形質転換用ベクターpI
G121Hm(Plant Cell Physiology、31巻6号,805-813ペ
ージ(1990))を、Tバッファー(宝酒造社製)中で制限
酵素XbaIとSacIの各10ユニットで消化した。その消化液
から、レポーター遺伝子であるβグルクロニターゼ(int
ronGUS)を含む、約2.2KbpのDNA断片を、低融点アガ
ロース電気遊動法により採取し、DNA精製キットを用
いて分離精製した。この約2.2KbpのDNA断片を、植物
細胞形質転換用ベクターpBI221(Clontech社製)のXbaIと
SacI切断部位に、DNAライゲーションキットを用いて
挿入連結した、βグルクロニターゼ(intronGUS)を含む
植物形質転換用ベクターpBIG221を作成した。
【0102】上記のように作成したベクターpBIG221をK
バッファー(宝酒造社製)中で制限酵素BamHIの10ユニ
ットで消化し、さらにKlenow Fragmentの10ユニット
(宝酒造社製)によりDNA切断末端の平滑化反応を行
なった。反応後に、DNA精製キットを用いて精製し
た。得られたBamHI消化DNA断片(末端平滑化したも
の)をMバッファー(宝酒造社製)中で制限酵素HindIII
の10ユニットで消化した。その消化液をアガロース電気
泳動により約5.0Kbp付近のDNAのバンドをゲルから切
り出し、DNA精製キットを用いて精製した。BamHI−H
indIIIで消化されたpBIG221DNA断片(DNA−Xと
称す)を得た。これを10μlの滅菌水に溶解した。
【0103】前記の組換えプラスミドベクターpBluescr
ipt−DNA−cを、Tバッファー(宝酒造社製)中で制
限酵素SacIIの10ユニットで消化した後、T4 DNAPoly
merase(宝酒造社製)の10ユニットでDNA切断末端の
平滑化を行なった。その反応液はDNA精製キットを用
いて精製した後、平滑化されたDNA断片をMバッファ
ー(宝酒造社製)中で制限酵素HindIIIの10ユニットで
消化した。その消化液をアガロース電気泳動にかけ、約
1.7Kbp付近のバンドをゲルから切り出した。切り出され
たバンドのDNAをDNA精製キットを用いて精製し
た。これによって、プラスシドベクターpBluescript−
DNA−cをSacIIとHindIIIで消化した約1.7KbpのDN
A断片(DNA−Yと称す)を得た。これを10μlの滅
菌水に溶解した。
【0104】このプラスミド断片DNA−Yの溶液と、
前記のベクターpBIG221の消化断片DNA−Xの各5μl
を混合した後、この混合液をDNAライゲーションキッ
トで処理してDNAの連結を行なった。このようにし
て、プラスミドベクターpBIG221由来のDNA断片DN
A−XのHindIII切断部位に対して、前記のASの第2
アイソザイムのαサブユニット遺伝子のプロモーターD
NA領域とその上流のDNA領域とを内部に含むDNA
断片DNA−c(配列番号9)を含有するDNA配列D
NA−Yを連結してなる環状の組換えプラスミドベクタ
ーが作成された。この組換えプラスミドをpASA2PIGと称
する。
【0105】ベクター pASA2PIG は、それの内部には、
イネのASの第2アイソザイムのαサブユニット遺伝子
のプロモーターDNA領域の下流に、intronGUS 遺伝子
を持ち、さらにその下流に NOS ターミネーターを連結
されて含有しているものであり、その全体は6.7Kbpのサ
イズを有する。
【0106】(4)イネのカルス細胞への検定用ベクタ
ーの導入 上記で作成して得られた組換えベクターpASA2PIGを、実
施例2(2)の方法により、イネのカルス細胞へ導入し
た。そして、形質転換されたカルスのGUS活性の測定を
行なった。その結果を表2に示す。
【0107】 [表2] 染色の程度(カルス数) 濃 薄 無 本発明区(プラスミドpASA2PIGを 30 2 0 導入された形質転換カルス細胞) 非形質転換カルス細胞区(対照区) 0 0 20 調査基準 濃:カルス細胞全体が濃く染色されている。 薄:カルス細胞の一部が染色されている。 無:染色されていない。
【0108】上記のように本発明区の形質転換カルス細
胞は、青色に染色されてGUS活性が発現されたことを示
す。このことにより、塩基配列の解析の結果から確認さ
れたプロモーター領域に該当するDNA配列である第6
の本発明のDNA(配列番号9)は、プロモーターとし
て機能したことが証明される。
【0109】
【発明の効果】イネのASの第2アイソザイムのαサブ
ユニット遺伝子に対するプロモーター活性を有するプロ
モーターDNA領域に該当する第1の本発明および第6
の本発明のDNAは、植物体中で外来の有用遺伝子の発
現を行う際のプロモーターとして利用することができ、
そして形質転換植物を作出するのに有用である。
【0110】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Hokko Chemical Industry Co., Ltd. MINISTRY OF AGRICULTURE, FORESTRY AND FISHERIES <120> Promoter for alpha-subunit gene of a second isozyme of anthranilate synthase of rice <130> 1497 <140> <141> <160> 8 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 861 <212> DNA <213> Oryza sativa <220> <223> STRANDNESS: double <220> <223> TOPOLOGY: linear <220> <223> MOLECULE TYPE : DNA(genomic) <400> 1 gaattcaaga tgggttccgt tcggcttgag gggaacaata aggtggccaa acgaggttga 60 cctcgaatta ttccctttcc ctgatacaca cgctagagga ggagatgggt tggtagaggg 120 gagggaacgc gcgacggtgg cgaggggata gggagagatg gccgccggag aggtggaggt 180 ggatcagtga ccatcgtggt taggctcatt tcattgaaaa tgagtgagtg gagaggggaa 240 gggagaaggg taagctgatc aaaattttta atgaatccac cagatagata tataaaatag 300 taatatatca aaaataattg taaaattcaa ataggaatag taaataacaa tgatatattt 360 taaaataggt aagtttataa ggggaaatat gtagtggaaa cttaaaaaat acaatacagt 420 tggatcgaaa aatggacgtc cgacatttat ccacgtcatc acgatttact catgagtact 480 tatgatgatg tgaacaaatc tcgtacattt tattttttat tgtaatttta agtttccacg 540 tatttttccc agtttataat ggcaccatct ccctctcccc atcgaggaag agtaaaccca 600 aaaacccatc tcgctagccg ccgccggcca caaccattcc tcacgacggg aggaagacga 660 aaaaaaaaaa aatcccactc cgtgttggta aaatccgact accacttcgg cctgtctcaa 720 tccaagaatt caagaatcga actcctttgg ggtcgcctcg ctgaatcttc cttatatata 780 cgcgctctcc cattcgcgtg tgctccaaat cgtagtgggg ggaagtggag ttgacgagct 840 gtggaaaaaa agcctatcgc a 861
【0111】 <210> 2 <211> 1254 <212> DNA <213> Oryza sativa <220> <221> CDS <222> (862)..(1254) <220> <223> STRANDNESS: double <220> <223> TOPOLOGY: linear <220> <223> MOLECULE TYPE : DNA(genomic) <400> 2 gaattcaaga tgggttccgt tcggcttgag gggaacaata aggtggccaa acgaggttga 60 cctcgaatta ttccctttcc ctgatacaca cgctagagga ggagatgggt tggtagaggg 120 gagggaacgc gcgacggtgg cgaggggata gggagagatg gccgccggag aggtggaggt 180 ggatcagtga ccatcgtggt taggctcatt tcattgaaaa tgagtgagtg gagaggggaa 240 gggagaaggg taagctgatc aaaattttta atgaatccac cagatagata tataaaatag 300 taatatatca aaaataattg taaaattcaa ataggaatag taaataacaa tgatatattt 360 taaaataggt aagtttataa ggggaaatat gtagtggaaa cttaaaaaat acaatacagt 420 tggatcgaaa aatggacgtc cgacatttat ccacgtcatc acgatttact catgagtact 480 tatgatgatg tgaacaaatc tcgtacattt tattttttat tgtaatttta agtttccacg 540 tatttttccc agtttataat ggcaccatct ccctctcccc atcgaggaag agtaaaccca 600 aaaacccatc tcgctagccg ccgccggcca caaccattcc tcacgacggg aggaagacga 660 aaaaaaaaaa aatcccactc cgtgttggta aaatccgact accacttcgg cctgtctcaa 720 tccaagaatt caagaatcga actcctttgg ggtcgcctcg ctgaatcttc cttatatata 780 cgcgctctcc cattcgcgtg tgctccaaat cgtagtgggg ggaagtggag ttgacgagct 840 gtggaaaaaa agcctatcgc a atg gag tcc atc gcc gcc gcc acg ttc acg 891 Met Glu Ser Ile Ala Ala Ala Thr Phe Thr 1 5 10 ccc tcg cgc ctc gcc gcc cgc ccc gcc act ccg gcg gcg gcg gcg gcc 939 Pro Ser Arg Leu Ala Ala Arg Pro Ala Thr Pro Ala Ala Ala Ala Ala 15 20 25 ccg gtt aga gcg agg gcg gcg gta gcg gca gga ggg agg agg agg acg 987 Pro Val Arg Ala Arg Ala Ala Val Ala Ala Gly Gly Arg Arg Arg Thr 30 35 40 agt agg cgc ggc ggc gtg agg tgc tcc gcg ggg aag cca gag gca agc 1035 Ser Arg Arg Gly Gly Val Arg Cys Ser Ala Gly Lys Pro Glu Ala Ser 45 50 55 gcg gtg atc aac ggg agc gcg gcg gcg cgg gcg gcg gag gag gac agg 1083 Ala Val Ile Asn Gly Ser Ala Ala Ala Arg Ala Ala Glu Glu Asp Arg 60 65 70 agg cgc ttc ttc gag gcg gcg gag cgt ggg agc ggg aag ggc aac ctg 1131 Arg Arg Phe Phe Glu Ala Ala Glu Arg Gly Ser Gly Lys Gly Asn Leu 75 80 85 90 gtg ccc atg tgg gag tgc atc gtc tcc gac cac ctc acc ccc gtg ctc 1179 Val Pro Met Trp Glu Cys Ile Val Ser Asp His Leu Thr Pro Val Leu 95 100 105 gcc tac cgc tgc ctc gtc ccc gag gac aac atg gag acg ccc agc ttc 1227 Ala Tyr Arg Cys Leu Val Pro Glu Asp Asn Met Glu Thr Pro Ser Phe 110 115 120 ctc ttc gag tcc gtc gag cag ggg ccc 1254 Leu Phe Glu Ser Val Glu Gln Gly Pro 125 130
【0112】 <210> 3 <211> 131 <212> PRT <213> Oryza sativa <400> 3 Met Glu Ser Ile Ala Ala Ala Thr Phe Thr Pro Ser Arg Leu Ala Ala 1 5 10 15 Arg Pro Ala Thr Pro Ala Ala Ala Ala Ala Pro Val Arg Ala Arg Ala 20 25 30 Ala Val Ala Ala Gly Gly Arg Arg Arg Thr Ser Arg Arg Gly Gly Val 35 40 45 Arg Cys Ser Ala Gly Lys Pro Glu Ala Ser Ala Val Ile Asn Gly Ser 50 55 60 Ala Ala Ala Arg Ala Ala Glu Glu Asp Arg Arg Arg Phe Phe Glu Ala 65 70 75 80 Ala Glu Arg Gly Ser Gly Lys Gly Asn Leu Val Pro Met Trp Glu Cys 85 90 95 Ile Val Ser Asp His Leu Thr Pro Val Leu Ala Tyr Arg Cys Leu Val 100 105 110 Pro Glu Asp Asn Met Glu Thr Pro Ser Phe Leu Phe Glu Ser Val Glu 115 120 125 Gln Gly Pro 130
【0113】 <210> 4 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> STRANDNESS : single <220> <223> TOPOLOGY : linear <220> <223> ANTI-SENSE : NO <400> 4 aactgcagga attcaagatg aggttccg 28 <210> 5 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> STRANDNESS : single <220> <223> TOPOLOGY : linear <220> <223> ANTI-SENSE : YES <400> 5 cgcggatccg actccaatgc gataggc 27 <210> 6 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> STRANDNESS : single <220> <223> TOPOLOGY : linear <220> <223> ANTI-SENSE : YES <400> 6 ctcgacggac tcgaagagga agctg 25 <210> 7 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> STRANDNESS : single <220> <223> TOPOLOGY : linear <220> <223> ANTI-SENSE : NO <400> 7 catatgtctt cctctatgaa c 21 <210> 8 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> STRANDNESS : single <220> <223> TOPOLOGY : linear <220> <223> ANTI-SENSE : YES <400> 8 ggatcctcat tttttcacaa atgc 24
【0114】 <210>9 <211>1660 <212>DNA <213>Oryza sativa <220> <221>CDS <222>(1504)..(1660) <220> <223>STRANDNESS:double <220> <223>TOPOLOGY:linear <220> <223>MOLECULE TYPE:DNA(genomic) <400>9 tctagattca ttaatattta tatgaatatg gacaatgcta aaaagtttta taatatgaaa 60 cggaggaagt agtaactagt gagagcatgg ttgtttctta tcccctcttt tattttttgg 120 gttaattgga tccatgtcat aacaaatttg caactcttaa aaaatatcat taccattcac 180 ctatttggtc ccatgacatt acaactttac atctatttga gatataccac tacttaccac 240 ttcaatgcat ttatcaaaat ttttggacta gtttcctcct ctatgctctc cttcggctgg 300 tgattggtgc tcctctactc caacggctct tccctctact cactctagcg gcgatgcacg 360 atgaggttgg ggcatgtggt tcccctcttc ctctcccctg tctactcatt ccggcagtgg 420 tgcatggcga ggtctgggtc ggtggttccc ttctcttcct ctccatcccc tcttacttcg 480 ggcagagtaa aatcggcaac ctcgataccg ccattgacat cctacgtttg tgttcctcgt 540 cactccactg tcgaatccac ctccatcatt gacaagcacg ctggccatgc ctaggtggct 600 cgccaaccta cacttgcttg acgacgacag agtctgtaag tggcgcctga attcaagatg 660 aggttccgtt cggcttgagg ggaacaataa ggtggccaaa cgaggttgac ctcgaattat 720 tccctttccc tgatacacac gctagaggag gagatggatt gggagagggg agggaacgcg 780 tgacggtggc gaggggatag ggagagatgg ccgccggaga ggtggaggtg gatcagtgac 840 catcgtggtt aggctcattt cattgaaaat gagtgagtgg agaggggaag ggagaaaggt 900 aagctgatca aaatttttaa tgaatccact agatagatat ataaaatagt gatatatcaa 960 aaataattgt aaaattcaaa tagaaatagt aaataacaat gatatatttt aaaataggta 1020 agtttataag gggaaatatg tagtggaaac ttgaaaaata cagttggatc gaaaaatgga 1080 cgtccgacat ttatccacgt catcacgatt tactcatgag tacttatgat gatgtgaacg 1140 aatctcggac atttattttt tattgtaatt tttaagtttc cacgtatttt cccagtttat 1200 aatggcaccg tctccctctc cccatcgagg aagagtaaac ccaaaaaccc atctcgctag 1260 ccgccgccgg ccacaaccat tcctcacgac gggaggaaga cgaaaaaaaa aaaatcccac 1320 tccgtgttgg taaaatccga ctaccacttc ggcctgtctc aatccaagaa ttcaagaatc 1380 gaactccttt ggggtcgcct cgctgaatct tccttatata tacgcgctct cccattcgcg 1440 tgtgctccaa atcgtagtgg ggggaagtgg agttgacgag ctgtggaaaa aaagcctatc 1500 gca atg gag tcc atc gcc gcc gcc acg ttc acg ccc tcg cgc ctc gcc 1548 Met Glu Ser Ile Ala Ala Ala Thr Phe Thr Pro Ser Arg Leu Ala 1 5 10 15 gcc cgc ccc gcc act ccg gcg gcg gcg gcg gcc ccg gtt aga gcg agg 1596 Ala Arg Pro Ala Thr Pro Ala Ala Ala Ala Ala Pro Val Arg Ala Arg 20 25 30 gcg gcg gta gcg gca gga ggg agg agg agg acg agt agg cgc ggc ggc 1644 Ala Ala Val Ala Ala Gly Gly Arg Arg Arg Thr Ser Arg Arg Gly Gly 35 40 45 gtg agg tgc tcc gcg g 1660 Val Arg Cys Ser Ala 50
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺川 輝彦 神奈川県厚木市森の里2−1−6−103 (72)発明者 長谷川 久和 神奈川県厚木市戸田1061番地の3 キャロ ットハウス2 Fターム(参考) 4B024 AA08 BA07 BA11 CA03 DA01 EA04 FA02 GA11 GA17 HA01 HA12 4B050 CC03 4B065 AA26X AA89Y AB01 BA02 BA25 CA27 CA53

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表の配列番号1に記載された塩基配
    列を有するDNAであって、このDNAは、イネのアン
    トラニル酸シンターゼの第2アイソザイムのαサブユニ
    ットをコードする遺伝子に対するプロモーター活性を有
    するDNA領域から成ることを特徴とする、前記プロモ
    ーター活性を有するDNA。
  2. 【請求項2】 配列表の配列番号1に記載された塩基配
    列において1個もしくは数個の塩基が付加されるか、お
    よび(または)欠失するか、および(または)、他の塩基
    により置換されて形成された塩基配列であるDNA、あ
    るいは該塩基配列の少なくとも一部を含むDNAであっ
    て、かつ、植物細胞中でプロモーター活性を有するDN
    A。
  3. 【請求項3】 配列表の配列番号2に記載された塩基配
    列を有するDNAであって、このDNAの内部には、イ
    ネのアントラニル酸シンターゼの第2アイソザイムのα
    サブユニットをコードする遺伝子に対するプロモーター
    活性を有するDNA領域を含み、さらに該プロモーター
    活性を有する該DNA領域に対するエクソン部のDNA
    配列を含むDNA。
  4. 【請求項4】 配列表の配列番号1または2に記載され
    た塩基配列を有するDNAであって、植物細胞中で発現
    されるプロモーター活性を有するDNAを含有するプラ
    スミド。
  5. 【請求項5】 配列表の配列番号1に記載の塩基配列を
    有して且つプロモーター活性を有する請求項1に記載の
    DNAの制御下において、所期する構造遺伝子を植物細
    胞中で発現させる方法。
  6. 【請求項6】 配列表の配列番号9に記載された1660bp
    のサイズの塩基配列の649番目のgから1503番目のaま
    での856 bpのサイズの塩基配列を有するDNAであっ
    て、このDNAは、イネのアントラニル酸シンターゼの
    第2アイソザイムのαサブユニットをコードする遺伝子
    に対するプロモーター活性を有するプロモーターDNA
    領域であることを特徴とする、前記プロモーター活性を
    有するDNA。
  7. 【請求項7】 配列表の配列番号9に記載された1660bp
    のサイズの塩基配列を有するDNAであって、このDN
    Aの内部には、配列番号9の塩基配列の649番目のgか
    ら1503番目のaまでの856 bpのサイズの塩基配列を有し
    て、且つイネのアントラニル酸シンターゼの第2アイソ
    ザイムのαサブユニットをコードする遺伝子に対するプ
    ロモーター活性を有するプロモーターDNA領域を含
    み、さらに該プロモーターDNA領域の上流で配列番号
    9の塩基配列の1番目のtから648番目のtまでの上流
    DNA領域を含み、また該プロモーターDNA領域に対
    するエクソン部として、配列番号9の塩基配列の1504番
    目のaから1660番目のgまでのDNA配列を含むDN
    A。
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