JPH1198994A - 植物の制御方法 - Google Patents

植物の制御方法

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JPH1198994A
JPH1198994A JP10207117A JP20711798A JPH1198994A JP H1198994 A JPH1198994 A JP H1198994A JP 10207117 A JP10207117 A JP 10207117A JP 20711798 A JP20711798 A JP 20711798A JP H1198994 A JPH1198994 A JP H1198994A
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一秀 岡澤
Kiyozou Asada
起代蔵 浅田
Ikunoshin Katou
郁之進 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キシログルカン(以下、XGと称する)分子
の転移反応に関するエンド型XG転移酵素、及び該酵素
の用途を提供する。 【解決手段】 特定の遺伝子にコードされるエンド型X
G転移酵素。該遺伝子を用いて、酵素を製造する方法、
生物体内での該酵素の発現、植物の形態の制御方法とそ
れらの植物体。該酵素を用いるXG分子の転移方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物の細胞壁の成
長に関与する新規なエンド型キシログルカン転移酵素、
及びその用途に関する。更に本発明は該酵素を用いるキ
シログルカン分子の転移方法に関する。
【0002】
【従来の技術】キシログルカン(以下、XGと略す)は
植物細胞壁の主要成分であり、植物細胞壁中ではセルロ
ースミクロフィブリルの表面に結合してセルロースミク
ロフィブリルを架橋し、複雑な網目構造を形成してい
る。細胞壁の構築と再構築には、XGの架橋の分解と再
構築が必要であると考えられているが、その機構は明ら
かにされていない。アルバーシャイム (Albersheim) は
XGの再構築の機構についてエンド型のトランスグリコ
シラーゼが作用するという仮説を示した〔プラント バ
イオケミストリー (Plant Biochemistry) 、1976年
アカデミックプレス (Academic Press) 発行、第22
5〜274頁〕。また、本発明者らも、先にマメ科植物
であるビグナ アンギュラリス (Vignaangularis)種子
の芽生えの上胚軸アポプラスト部分(植物体のうち、細
胞の原形質膜の外側のすべて、すなわち細胞壁と細胞間
隙とから成る部分)より得た抽出液について検討し、2
0%飽和から80%飽和硫安沈殿画分に、XG分子の分
子量を不均化する作用を見出した〔ニシタニ( Nishitan
i ) ら、フィジオロジアプランタルム (Physiologia Pl
antarum)、第82巻、第490〜497頁(199
1)〕。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このX
G分子の再構築及び分子量を不均化する作用に関与する
物質はいまだ特定されておらずその詳細な作用機構もい
まだ解明されていない。本発明の目的は、XGの再構
築、分子量の不均化等に関与する酵素を単離し、該酵
素、及び該酵素をコードする遺伝子を用いる該酵素の製
造方法を提供すること、生物体内での該酵素の発現を調
節する方法、植物体の形態を制御する方法、該酵素を用
いるXG分子の転移方法等を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明の第1の発明は下記より選択される遺伝子、あるい
はその一部であって少なくとも15塩基以上の配列から
なるDNA配列を、転写によりエンド型XG転移酵素遺
伝子のアンチセンスRNAが生成するように、細胞内で
作用しうるプロモーターに連結したアンチセンスRNA
生成用カセットを生物体に導入することを特徴とするエ
ンド型XG転移酵素の発現の制御方法に関する。 (1) 配列表の配列番号15に示される塩基配列、あ
るいは該配列に1以上の塩基の置換、欠失、付加、挿入
のうち少なくとも1つを有する塩基配列で示され、かつ
エンド型XG転移酵素活性を有するポリペプチドをコー
ドする遺伝子. (2) 配列表の配列番号15に示される塩基配列にコ
ードされるアミノ酸配列、あるいは該配列に1以上のア
ミノ酸残基の置換、欠失、付加、挿入のうち少なくとも
1つを有するアミノ酸配列で示され、かつエンド型XG
転移酵素活性を有するポリペプチドをコードする遺伝
子. (3) 上記(1)〜(2)記載の遺伝子とハイブリダ
イズし、かつエンド型XG転移酵素活性を有するポリペ
プチドをコードする遺伝子. 本発明の第2の発明は、上記本発明の第1の発明におけ
るアンチセンスRNA生成用カセットを植物体に導入
し、エンド型XG転移酵素の発現を制御することを特徴
とする植物体の形態の制御方法に関し、本発明の第3の
発明は本発明の第1の発明におけるアンチセンスRNA
生成用カセットを導入した植物体に関する。本発明の第
4の発明はエンド型XG転移酵素が発現されるようにエ
ンド型XG転移酵素遺伝子を細胞内で作用しうるプロモ
ーターに連結したエンド型XG転移酵素発現用カセット
を生物体に導入することを特徴とするエンド型XG転移
酵素の発現方法に関し、本発明の第5の発明は、上記本
発明の第4の発明におけるエンド型XG転移酵素発現用
カセットを植物体に導入することを特徴とする植物体の
形態の制御方法に関する。本発明の第6の発明は、上記
本発明の第4の発明におけるエンド型XG転移酵素発現
用カセットを導入した植物体に関する。本発明の第7の
発明は本発明のエンド型XG転移酵素遺伝子を導入して
形質転換した生物又は細胞を培養し、該培養物からエン
ド型XG転移酵素を採取することを特徴とするエンド型
XG転移酵素の製造方法に関する。更に本発明の第8及
び第9の発明は、エンド型XG転移酵素に関する。本発
明の第10の発明はXG分子の転移方法に関し、エンド
型XG転移酵素を用いて、XG分子内のD−グルコース
間の結合を切断して、生じたXG分子断片の還元末端を
他のXG分子の非還元末端のD−グルコースに結合させ
ることを特徴とする。
【0005】本発明者らは、ビグナ アンギュラリスよ
り、XGの再構築、分子量の不均化等に関与する酵素を
単離精製することに成功した。次に該酵素が、XG分子
を切断し、生じたXG分子断片を他のXGに再結合する
という新規で植物生理学的に重要な作用を有しており、
該酵素がXGの転移方法に使用できることを見出し、該
作用を有する酵素をエンド型XG転移酵素と命名した。
【0006】更に本発明者らは、ビグナ アンギュラリ
ス由来のエンド型XG転移酵素のアミノ酸分析を行い、
部分アミノ酸配列を決定し、次に、そのアミノ酸配列よ
りPCR用のプライマーを調製し、ビグナ アンギュラ
リスcDNAを鋳型としてPCRを行い、エンド型XG
転移酵素をコードする遺伝子を増幅しプローブを作製し
た。続いて、該プローブを用いてビグナ アンギュラリ
スのcDNAライブラリー中よりエンド型XG転移酵素
をコードする遺伝子を含有するクローン体を検索し、エ
ンド型XG転移酵素をコードする遺伝子を単離し、次い
で、該遺伝子をプローブとして用いて種々の植物より目
的の遺伝子をクローニングした。更に本発明者らは該遺
伝子を導入して形質転換した生物又は細胞を培養し、該
培養物からエンド型XG転移酵素を採取することに成功
した。更に本発明者らは、エンド型XG転移酵素遺伝子
のアンチセンスDNA若しくはアンチセンスRNAを細
胞内に導入することにより、若しくは、エンド型XG転
移酵素遺伝子より得られる少なくとも15塩基対からな
るDNA配列を、転写によりエンド型XG転移酵素遺伝
子のアンチセンスRNAが生成するように、細胞内で作
用しうるプロモーターに連結したことを特徴とするアン
チセンスRNA生成用カセットを細胞内に導入すること
により、生物体内でのエンド型XG転移酵素の発現を制
御しうることを見出し、これらの方法によって植物体の
形態を制御しうることを見出し、これらを導入した植物
体を創製した。また本発明者らは、エンド型XG転移酵
素が発現されるようにエンド型XG転移酵素遺伝子を細
胞内で作用しうるプロモーターに連結したことを特徴と
するエンド型XG転移酵素発現用カセットを生物体に導
入することによって、生物体内でエンド型XG転移酵素
を発現させることに成功し、該方法によって植物の形態
を制御しうることを見出し、該発現用カセットを導入し
た植物体を創製することに成功し、本発明を完成した。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明において使用される植物は、エンド型XG転
移酵素を生産する植物であればいかなる植物でもよく、
例えばビグナ アンギュラリスを用いることができる。
酵素を採取する部位は特に限定されるものではないが、
例えば芽生えの上胚軸のアポプラスト部分が好適であ
る。
【0008】以下、このビグナ アンギュラリスを例に
より詳細に説明する。ビグナ アンギュラリスを発芽さ
せ、これよりアポプラスト部分の粗抽出溶液(以下、ア
ポプラスト溶液と称する)を得る方法は、例えば前出の
フィジオロジア プランタルムに記載の方法が効果的で
ある。得られたアポプラスト溶液から酵素を精製する手
段としては、例えば硫安塩析、アフィニティクロマトグ
ラフィー、ゲルろ過、イオン交換カラムクロマトグラフ
ィー等の方法を組合せて用いるのが効果的であり、これ
らの方法によりグリコシダーゼ活性の混在がない、精製
された酵素を得ることができる。
【0009】以下に本発明で得られるビグナ アンギュ
ラリス由来のエンド型XG転移酵素(以下、本発明の酵
素と称する)の理化学的性質を詳細に説明する。
【0010】
【作用】本発明の酵素の作用機作は次の様に決定した。
水素化シアノホウ素ナトリウムを用いて還元アミノ化を
行うことによって、後述の方法で精製したタマリンド−
XGの還元末端に2−アミノピリジンを結合させ、ピリ
ジルアミノXG(以下、XG−PAと略す)を得た。1
8μgの630kDa のXGと2μgの15kDa のXG−
PAの混合物を、20ngの精製した本発明の酵素標品と
共に、後述する酵素活性の測定方法に記載した条件に従
って20分間又は60分間反応させた後、反応液を酵素
活性の測定に用いたのと同じHPLCシステムで検出し
た。検出は、パルスアンペロメトリック検出器(ダイオ
ネックス社製、以下PADと略す)、及び蛍光検出器
(島津製作所製、RF535、Ex 320nm/Em 40
0nmに設定)によって行った。PADによる検出結果を
図6に、蛍光検出器による検出結果を図7に示す。各図
中の矢印aは630kDa のXGの溶出位置、矢印bは1
5kDa のXG−PAの溶出位置を示す。なお、図6にお
いて、縦軸はPAD応答(nA)、横軸は溶出容積(ml)
を示す。また図7において縦軸は蛍光相対強度、横軸は
溶出容積(ml)を示す。図6に示したPADによる測定結
果によれば、ピークの溶出位置が反応の進行に伴い高分
子側にシフトしている。更に、蛍光検出器による測定結
果(図7)によれば、蛍光標識されたXGの溶出位置は
高分子側にシフトしている。以上の結果より、630kD
a のXGの切断により新たに生じたXG断片が15kDa
のXG−PAに再結合し、その結果蛍光標識されたXG
の分子量が増大していることは明確である。
【0011】本発明の酵素は、後述する表2に示すよう
に、XG−PA及び還元末端を還元して糖アルコールと
して修飾したXG(以下、XG−OHと略す)を基質と
して用いても、未修飾のXGを基質として用いても酵素
の活性は変化しない。したがって、図6及び図7に示し
たXG分子の分子量の増大は、単に630kDa のXG分
子の還元末端が15kDa のXG−PAの非還元末端と結
合することによって起こるのではなく、630kDa のX
Gのグリコシド結合の切断により新たに生成したXG断
片の還元末端が15kDa のXG−PA分子の非還元末端
に再結合する反応により起こることがわかる。
【0012】更に、基質分子量が本発明の酵素の酵素反
応に及ぼす影響を、以下の方法で検討した。種々の分子
量のタマリンド由来XGの20μgを基質として、20
ngの本発明の酵素の精製標品と反応させ、後述する方法
に従って酵素活性を測定した。この結果を図8に、縦軸
に酵素活性(単位)、横軸に基質の分子量(kDa) をとっ
て示す。図8から明らかな様に、本発明の酵素は、高分
子量の基質に対してより高い活性を示し、低分子量の基
質に対してはより低い活性を示す。本発明の酵素の精製
標品の1μg、又はオートクレーブで120℃、5分の
処理により変性した本発明の酵素の精製標品の1μgの
それぞれを1mgのタマリンド由来XGと共に酢酸ナトリ
ウム緩衝液(pH5.8)中で25℃で2時間反応させた
後、−50℃に冷却して反応を停止させた。反応混合物
を80%エタノール溶液で繰返し沈殿させることによ
り、XGを回収し、このXGを重水中で凍結乾燥した。
この凍結乾燥物を重水0.6ml当り1mgの割合で溶解し、
85℃でJEOL GSX400(日本電子社製)によりプロトン
NMRを測定した。化学シフトを、内部標準として用い
た4,4−ジメチル−4−シラペンタン−1−スルホン
酸ナトリウムからの相対値として求めた結果、図9に示
すスペクトルが得られた。(a)は変性しない酵素を用
いた場合、(b)は変性した酵素を用いた場合のスペク
トルを示す。(a)及び(b)において、のシグナル
は1個の水素が重水素で置換された水分子(HDO)由
来のシグナルであり、化学シフトが4.53〜4.54ppm
であるシグナルは、タマリンドXG分子の主鎖を形成
するβ−(1,4)−結合したグルコース残基、及びタマ
リンドXG分子の2種類の側鎖のうち、 Gal−β−(1,
2)− Xyl−α−(1,6)−なる配列を持つ側鎖の非還
元末端に位置するガラクトース残基のアノメリックプロ
トンであり、化学シフトが4.927ppm であるシグナル
は、もう1種類の側鎖である非還元末端のキシロース
残基のアノメリックプロトンであり、化学シフトが5.1
16ppm のシグナルは、 Gal−β−(1,2)− Xyl−
α−(1,6)−なる結合を持つ側鎖中のキシロース残基
のアノメリックプロトンである。(a)と(b)に示し
た各シグナルの化学シフトに違いが見られないこと、及
び(a)における、、の各シグナルで示される各
々の糖のアノメリックプロトンの量比が、(b)におけ
る、、の各シグナルで示される各々の糖のアノメ
リックプロトンの量比と同じであることから、本発明の
酵素によりXG分子間のつなぎかえ反応が生じた後も、
反応前と同じ分子間の結合様式が保持されていることが
わかる。
【0013】以上より、本発明の酵素がXG分子内のD
−グルコース間の結合を切断して、生じたXG分子断片
の還元末端を他のXG分子の非還元末端のD−グルコー
スに結合する作用を持つことがわかる。
【0014】(エンド型XG転移酵素によるピリジルア
ミノ化XG7量体の細胞壁標品への転移反応)酢酸ナト
リウム緩衝液(pH5.7)40μl中、後述する方法で
得た細胞壁標品600μg(乾燥重量)、及びXG7量
体〔ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー
(J.Biol.Chem.)、第267巻、第21058〜210
64頁(1992)にXGオリゴマーI(XG oligomer
I)として記載、以下XG7と称する〕に水素化シアノホ
ウ素ナトリウムを用いて還元アミノ化を行うことによっ
て、還元末端に2−アミノピリジンを結合させて得たピ
リジルアミノ化XG7量体(以下、XG7−PAと略
す)を5μg、本発明の酵素の精製標品3μg、又はオ
ートクレーブで120℃、5分の処理により変性、失活
処理したものの3μgを混ぜて、25℃、12時間反応
させた。反応液を限外ろ過膜ウルトラフリーC3HV
(ミリポア社製)で第1の不溶画分と第1の可溶画分と
に分けた。第1の不溶画分を水210μlに懸濁し、上
記と同様に再度限外ろ過することによって第2の不溶画
分と第2の可溶画分とに分け、第1と第2の可溶画分を
合計すると、この可溶画分の液量は250μlとなっ
た。この画分をS−画分と命名した。第2の不溶画分
を、粗製のトリコデルマ・ビリデ酵素製剤 (Meiselase
−P、明治製菓社製)から、ガーゼカラムクロマトグラ
フィーを用いて精製した〔トヤマ (Toyama) ら、ジャー
ナル オブ ファーメンテーション テクノロジー(
J.Ferment. Technol. ) 、第42巻、第199〜20
6頁(1964)〕トリコデルマ・ビリデ・セルラーゼ
(Trichoderma viride cellulase) 〔(1,4)−β−D
−グルカングルカノヒドロラーゼ、E.C. 3. 2. 1.
4〕30μgを含む水100μlに懸濁し、40℃で4
時間反応させた。反応液を限外ろ過により第3の不溶画
分と可溶画分に分けた。第3の不溶画分を0.2M酢酸ナ
トリウム(pH5.7)100μlに懸濁し、再度限外ろ
過により第4の不溶画分と可溶画分に分けた。第3及び
第4の可溶画分を合せた水溶液をC−画分と命名した。
したがってC−画分の液量は200μlとなった。S−
画分及びC−画分各々について、3倍量のアセトニトリ
ルを加え、これらを、予め65%アセトニトリルを含む
0.1M酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.7)で平衡化した
TSKゲルアミド80(4.6×250mm、東ソー社製)
を備えたノン−メタル(non-metal)HPLCシステム
(ダイオネックス社製)に注入した。このカラムを65
%−35%アセトニトリルの直線濃度勾配を有する0.
1M酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.7)を1ml/分の流
量で用いて溶離し、溶出液の蛍光吸収を前出の蛍光検出
器で検出した。
【0015】C−画分のHPLCによる解析結果を図1
0の(a)、(b)に示す。図10において、縦軸は蛍
光相対強度、横軸は溶出容積(ml)を示す。図10中、
(a)は変性した酵素を用いた場合、(b)は変性して
いない酵素を用いた場合のクロマトグラムである。なお
図10の(c)は未反応のXG7−PAを溶出した際の
クロマトグラムであり、図中矢印(ア)で示すピークが
XG7−PAの溶出位置を示すピークである。表1に、
S−画分、C−画分について検出されたXG7−PA量
の比を示す。
【0016】
【表1】 表1 XG7−PAの検出量の比 ──────────────────────────────────── XG7−PA量 * (%) ──────────────────────────────────── 添加したXG7−PA量 100 検出されたXG7−PA量 変性酵素を使用 S−画分 100 C−画分 0 未回収 0 未変性酵素を使用 S−画分 21.5(1) C−画分 27.5(2) 未回収 51.0 ** ────────────────────────────────────
【0017】* XG7−PAを示すピークの面積の
比として算出した。 ** 細胞壁中に取り込まれている状態のXG7−PA
量であり、100−〔(1)+(2)〕として算出し
た。
【0018】図10の(b)において、(c)と同様に
矢印(ア)で示すピークが現れること、及び表1におい
て、変性酵素を用いた場合にはXG7−PAはS−画分
からのみ検出されるが、未変性酵素を使用した場合に
は、C−画分からXG7−PAが検出されること等よ
り、本発明の酵素の作用により、XG7−PAが細胞壁
標品中のXG鎖に一旦取り込まれた後、セルラーゼによ
り切り出されたことがわかる。
【0019】(基質特異性)後述する方法に従って製造
した各基質の20μgを60ngの本発明の酵素の精製標
品と共に25℃で1時間反応させ、後述する方法により
酵素活性を測定した。結果を表2に示す。
【0020】
【表2】 表 2 ──────────────────────────────────── 基 質(20μg) 平均分子量(kDa) 酵素活性(単位) ──────────────────────────────────── ビグナ属由来XG 202 1.73 ビグナ属由来XG−OH 200 1.63 タマリンド属由来XG 51 0.87 タマリンド属由来XG−PA 51 0.82 トロペオルム属由来XG 141 1.18 カルボキシメチルセルロース 123 0 カラス麦由来β−(1,3);β− (1,4)−グルカン 144 0 トウモロコシ由来キシラン 84 0 ローダイメニア由来β−(1,4) 結合含有β−(1,3)キシラン 145 0 ────────────────────────────────────
【0021】XGの基本的構造は、主鎖を形成するβ
(1,4)−結合グルコシル残基とこのグルコシル残基の
いくつかのO−6位に結合している側鎖とで構成されて
いる。側鎖の種類と、それらの主鎖上での配列は由来と
なる植物によって異なっている。トロペオルム属由来の
XGとタマリンド属由来のXGは2種の側鎖すなわちXy
l −α−(1,6)−と Gal−β−(1,2)− Xyl−α−
(1,6)−で置換されているが、ビグナ属由来のXG
は、 Xyl−α−(1,6)−と Gal−β−(1,2)−Xyl
−α−(1,6)−に加えて、 Fuc−α−(1,2)− Gal
−β−(1,2)− Xyl−α−(1,6)−の側鎖を含有し
ている。本発明の酵素は表2に示すごとく、ビグナ属、
タマリンド属、トロペオルム属由来の3種のXGに対し
て同等に作用するが、β−1,4−グルカナーゼの良好な
基質となるβ−1,4−グルカン類〔カルボキシメチルセ
ルロース若しくはエンバク(カラス麦)のふすま由来の
β−(1,3);β−(1,4)−グルカン等〕には作用し
ない。
【0022】(至適pH)本発明の酵素の活性に対する
pHの影響を以下の条件で検討した。pH3〜7の範囲
ではマクイルベイン( McIlvaine ) 緩衝液、pH7〜1
0の範囲ではホウ酸ナトリウム緩衝液を用いて、本発明
の酵素の精製標品20ngを20μgのタマリンド由来X
Gと共に25℃で30分間反応させ、後述する方法で酵
素活性を測定した。結果を図11に示す。図中の白丸印
はマクイルベイン緩衝液、黒丸印はホウ酸ナトリウム緩
衝液を用いた測定結果を示す。本発明の酵素の至適pH
はpH5.8付近である。
【0023】(至適温度)本発明の酵素の活性に対する
温度の影響を、以下の条件で検討した。本発明の酵素の
精製標品20ngを、タマリンド由来のXG20μgと共
に酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.8)中で各温度で30
分間反応させ、後述する方法で酵素活性を測定した。結
果を図12に示す。本発明の酵素の至適温度は30℃付
近である。
【0024】(分子量)後述する精製工程により得られ
た本発明の酵素の精製標品は、SDSポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動により、分子量約33,000の単一のバ
ンドとして確認された。
【0025】(酵素活性の測定方法)本発明の酵素の活
性測定は次の様に行う。すなわち、2〜20μgのタマ
リンド由来XGに、0.2Mの酢酸ナトリウム緩衝液(p
H5.8)で希釈した酵素液10μlを加え、25℃で3
0分間反応させた後、反応混合物を−50℃で凍結する
ことにより反応を停止する。反応混合物を20μlの5
0mM NaOHに溶解し、TSKゲル−3000PWカ
ラム(8×300mm、東ソー社製)及びTSKゲル−5
000PWカラム(8×300mm、東ソー社製)を備え
たノン−メタルHPLCシステムに供して、15mMの酢
酸ナトリウムを含有する30mMのNaOH溶液を用いて
1ml/分の流量で溶出する。溶出液を、金電極を備えた
PADで検出する。図13に、検出結果の例を示す。す
なわち、図13は、上記の方法によるPADのクロマト
グラフを表す図であり、縦軸にPAD応答(nA)、横
軸に溶出容積(ml)を表す。(a)はオートクレーブで
120℃、5分の処理により変性した本発明の酵素の精
製標品を用いた場合、(b)はアポプラスト溶液を用い
た場合、(c)は精製した酵素を用いた場合のクロマト
グラムを各々示し、矢印1はタマリンド由来の基質X
G、矢印2は単糖類の溶出位置を示す。(c)におい
て、1のピークの高さの1/2の位置におけるピークの
幅は、反応系に添加した酵素の量に比例して増大するの
で、基質由来のピークの高さの1/2の位置におけるピ
ークの幅の増大を、本発明の酵素の活性の指標として用
いる。基質としてタマリンド由来のXGを用いた場合の
酵素活性の1単位は、25℃で30分間に上記のピーク
の幅を2.3ml相当増大させる酵素の量と定義する。
【0026】なお、本発明に用いる各々の基質の調製方
法を次に示す。(XG類)ビグナ・アンギュラリスの6
日齢の黒褐色の芽生えの上胚軸由来の粗精製XG〔前出
のフィジオロジア プランタルム、第82巻、第490
〜497頁(1991)、及び第52巻、第482〜4
94頁(1981)〕、及びトロペオルム・マジュス
L. (Tropeolum majusL.)の乾燥種子由来〔マクドゥガ
ル (McDougall)ら、プラント フィジオロジー( Plant
Physiol. )、第89巻、第883〜887頁(198
8)〕の粗精製XGを調製した。またタマリンド (Tama
rindus Indica L.)由来の粗精製XGを大日本製薬社よ
り得た(商品名 Glyloid 9S)。これらの粗精製XG
の各々300mgを、前出のトリコデルマ・ビリデ・セル
ラーゼ150μgにより40mlの水溶液中で、45℃で
2時間、部分的に加水分解した。生成物をオートクレー
ブにかけてセルラーゼを変性し、次いで限外ろ過法〔ダ
イアフロ( Diaflo )XM−300及びYM5、アミコン
社製〕により分画した。XM−300を通過し、YM5
で残留した画分(40mg以上)を2mlの水に溶解してス
ペロース (Superose) 6 prep カラム(16×500m
m、ファルマシア社製)を備えたHPLC(島津LC6
A)(以下このHPLCシステムをシステムAと称す)
に供して、0.5ml/分の水で溶離した。画分(1.5mlず
つ)を収集して凍結乾燥し、XG標品を得た。これらの
標品の分子量は、前述の、酵素活性の測定に用いたのと
同じクロマトグラフィーのシステムにより測定した。
【0027】(他のグルカン類)40mlの水に溶解した
カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(500m
g)を、100μgの上述のトリコデルマ・ビリデ・セ
ルラーゼを用い45℃で3時間部分的に加水分解し、限
外ろ過法とクロマトグラフィーで分画し123kDa の画
分を得た。β−(1,3)−;β−(1,4)−グルカン
(50mg)をニシタニらの方法〔プラント フィジオロ
ジー、第87巻、第883〜890頁(1988)〕に
よって、エンバクのふすまから製造し、これを5μgの
精製バシラス・サチリス・グルカナーゼ〔1,3−1,4−
β−D−グルカン−4−グルカノヒドロラーゼ、バシラ
スサチリスα−アミラーゼ製剤(ノボ社製バン<Ban >
L−20)から上述のプラント フィジオロジー、第8
7巻、第883〜890頁(1988)に記載の方法に
より精製した〕を用い40℃で1時間部分的に加水分解
し、前述のシステムAにより分画し、144kDa のグル
カン類を得た。
【0028】(キシラン類)平均分子量が84kDa のグ
ルクロノアラビノキシランを6日齢のトウモロコシ黄化
芽生えの茎から製造した〔ニシタニら、ジャーナル オ
ブバイオロジカル ケミストリー、第266巻、第65
39〜6543頁(1991)〕。β−(1,4)−結合
を有するβ−(1,3)−キシラン(146kDa )を、ロ
ーダイメニア キシラン (Rhodymenia xylan) から抽出
し、上述のシステムAを用いて精製した〔プラント フ
ィジオロジー、第87巻、第883〜890頁(198
8)〕。またタマリンド−XG(10mg)を前述のジャ
ーナル オブ バイオロジカルケミストリーに記載の方
法に従って水素化ホウ素ナトリウムで還元し、スペロー
ス6prepでゲルろ過分析を行って分画して末端が還元さ
れたXG(XG−OH)を製造した。
【0029】(細胞壁標品)ビグナ・アンギュラリス種
子(渡辺種子社製)を暗所で発芽させ、胚軸3cmを切断
し−50℃で凍結した。これを0.3%NaClを含む水
溶液中、0℃でホモジナイズした後、1M NaCl水
溶液に懸濁して洗浄した。更に冷水で2回洗浄し、80
%エタノール中で10分間煮沸した後、エタノールで洗
浄し、ナイロンメッシュ(穴径35μm)でろ過し、乾
燥して細胞壁を抽出した。該細胞壁を再度水に懸濁して
120℃で20分間オートクレーブし、植物組織由来の
酵素を失活させ、これを大量の水で洗浄した後、凍結乾
燥して、細胞壁標品を調製した。
【0030】エンド型XG転移酵素遺伝子は次のように
して単離することができる。精製されたエンド型XG転
移酵素について、例えばプロテインシークエンサーを用
いてアミノ酸配列の解析を行うことにより、配列表の配
列番号11で表される、N末端部分のアミノ酸配列が決
定される。該配列を基に、PCR用のミックスプライマ
ーを作成することができる。例えば、配列表の配列番号
12で表されるミックスプライマーpAZ−1、及び配
列表の配列番号13で表されるミックスプライマーpA
Z−2がそれぞれDNA合成機で合成され、精製後、エ
ンド型XG転移酵素遺伝子の検索に使用することができ
る。例えば、ビグナ アンギュラリスよりRNAを調製
し、次にオリゴテックス−dT30(日本ロシュ社製)
を用いてポリ(A)+ RNAの精製を行い、次に例えば
該ポリ(A)+ RNAと、配列表の配列番号14で示さ
れる、M13プライマーM4(宝酒造社製)の配列を持
ち、更に3′側にTが連なった配列を有するプライマー
pTM4を用い、逆転写酵素を作用させ、cDNAを合
成する。このcDNAを鋳型としてPCRを行うことに
より、エンド型XG転移酵素をコードするcDNAを増
幅することができる。目的のDNAを効率良く増幅する
ためには2段階PCRが効果的で、例えば、プライマー
として上述のミックスプライマーpAZ−1及びM13
プライマーM4を用いて1段階目のPCRを行い、この
反応生成物を鋳型として、ミックスプライマーpAZ−
2及びM13プライマーM4を用いて2段階目のPCR
を行うことにより、約1.1kbp のDNA断片が増幅され
る。増幅されたDNA断片は、例えばpUC119のHi
nc II サイトにサブクローニングすることができる。次
に、例えばこれらの増幅DNAをプローブとし、ビグナ
アンギュラリスより調製したcDNAライブラリー又
はゲノムライブラリーより、エンド型XG転移酵素をコ
ードする遺伝子を組込んだクローン体を検索することが
できる。cDNAライブラリーは、例えば前述のビグナ
アンギュラリスcDNAよりcDNA合成キットシス
テムプラス(アマシャム社製)を用いて調製することが
できる。前述の増幅DNA断片をプローブとしてプラー
クハイブリダイゼーションを行うことにより、例えば1
×104 個のプラークより5個の陽性プラークが得ら
れ、該プラークのファージベクターに挿入されているD
NA断片を抽出して、例えば約1.1kbp の長さのDNA
断片を得ることができる。該断片の制限酵素地図を図1
に示す。また、該断片のDNA塩基配列の一部を配列表
の配列番号15に示す。
【0031】該断片を適当なプラスミドの制限酵素部位
に挿入し、該断片の挿入されたプラスミドを用いて適当
な宿主を形質転換することができる。該断片をpUC1
19のEcoRIサイトに組込んだプラスミドは、pVX1
03と命名され、pVX103で形質転換された大腸菌
JM109株は、Escherichia coli JM109/pVX103と命
名、表示され、工業技術院微生物工業技術研究所に微工
研条寄第4104号(FERM BP−4104)とし
て寄託されている。
【0032】該形質転換体よりpVX103を調製し、
上述の挿入されているDNA断片を調製し、適当な発現
用プラスミドに組込み、適当な宿主に導入して宿主を培
養することにより、エンド型XG転移酵素を工業的に生
産することができる。例えばMuatan−KTM(宝酒造社
製)を用い、クンケル( Kunkel )の方法〔プロシーディ
ングズ オブ ザ ナショナル アカデミー オブ ザ
サイエンシーズ オブザ USA(Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA.)、第82巻、第488〜492頁(19
82)〕に従って、部位特異的変異法によりpVX10
3中のエンド型XG転移酵素をコードしている遺伝子配
列の上流部分に制限酵素 HincII の認識部位を持つプラ
スミドを構築し、該プラスミドを制限酵素 HincII によ
り切断して、エンド型XG転移酵素をコードしている遺
伝子配列を含む約1.1kbp の断片を切り出すことができ
る。該断片にNcoIリンカー(宝酒造社製)をライゲ
ーションキット(宝酒造社製)を用いて付加し、Nco
Iにより消化した後、該断片をプラスミド pTV119N(宝
酒造社製)のNcoIサイトに挿入しpVX110と命
名したプラスミドを調製する。次に該プラスミドpVX
110を導入した大腸菌JM109を培養することによ
り、培養物中にエンド型XG転移酵素を生産させること
ができる。pVX103からpVX110への構築図を
図14に示す。なお、図中Hは制限酵素 HincII の認識
部位、EはEcoRIの認識部位、NはNcoIの認識部位
をそれぞれ示す。pVX110を導入した大腸菌JM1
09の培養には、形質転換体の培養に通常用いる方法を
用いることができ、例えばアンピシリンを含むL−ブロ
ス(Broth )にpVX110を導入した大腸菌JM10
9を植菌し、前培養を行った後IPTG(イソプロピル
−β−D−チオガラクトピラノシド)を加え、37℃で
一夜振とう培養することにより培養物中に酵素が蓄積す
る。培養物よりエンド型XG転移酵素を精製する方法と
しては、例えば培養終了後、培養液を遠心分離して菌体
を集め、超音波処理で菌体を破砕し、遠心処理、透析、
イオン交換カラムクロマトグラフィー、ゲルろ過等の方
法を組合せて用いることができる。
【0033】上述のビグナ アンギュラリス由来のエン
ド型XG転移酵素をコードする遺伝子は、該酵素をコー
ドする遺伝子の一例であり、該遺伝子、若しくはその部
分配列をプローブとして用いることにより、他の植物種
よりエンド型XG転移酵素の遺伝子をクローニングする
ことができる。また、該遺伝子のクローニングに用いら
れるプライマーを使用して、他の植物種について、エン
ド型XG転移酵素の遺伝子を増幅し、クローニングする
こともできる。対象とする植物としては、例えば双子葉
植物であれば、ダイズ、ナズナ、トマト、ジャガイモ、
アブラナ、ヒマワリ、ワタ、タバコ等が、また例えば単
子葉植物であれば、コムギ、イネ、トウモロコシ、サト
ウキビ等が挙げられる。例えば、上述の操作で得られる
約1.1kbp のcDNAを、ランダムプライマーDNAラ
ベリングキットによって〔α−32P〕dCTPで標識
し、これをハイブリダイゼーションのプローブとして用
いてダイズ (Glycine max)組織mRNAから作製された
cDNAライブラリー(クロンテック社製)をプラーク
ハイブリダイゼーション法により検索することができ
る。陽性プラークよりファージを単離し、例えばファー
ジベクター中に挿入されているエンド型XG転移酵素遺
伝子を約1kbp のEcoRI断片として切り出し、精製する
ことができる。該断片の制限酵素地図を図2に示す。ま
たこのEcoRI断片のDNA塩基配列の一部を配列表の配
列番号16に示す。
【0034】該EcoRI断片をプラスミドpUC119の
EcoRIサイトにサブクローニングしたプラスミドはpS
X102と命名され、pSX102を用いて形質転換さ
れた大腸菌JM109株は、Escherichia coli JM109/p
SX102 と命名、表示され、通商産業省工業技術院生命工
学工業技術研究所にFERM BP−4226として寄
託されている。
【0035】同様の操作により、シロイヌナズナ、トマ
ト、コムギのエンド型XG転移酵素遺伝子を含むDNA
断片を調製することができ、これらのDNA断片の制限
酵素地図を図3、図4、図5にそれぞれ示す。またこれ
らのDNA断片のDNA塩基配列の一部をそれぞれ配列
表の配列番号17、18、19に示す。シロイヌナズ
ナ、トマト、コムギのエンド型XG転移酵素遺伝子を含
むDNA断片を導入したプラスミドはそれぞれpAX1
01、pTX201、pWX101と命名され、これら
のプラスミドを用いて形質転換された大腸菌JM109
株はそれぞれEscherichia coli JM109/pAX101 、Escher
ichia coli JM109/pTX201 、Escherichiacoli JM109/pW
X101 と命名され、Escherichia coli JM109/pWX101 は
通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所にFER
M BP−4225として寄託されている。
【0036】これらの菌株からエンド型XG転移酵素遺
伝子を調製し、該遺伝子を用いて適当な発現用プラスミ
ドを構築し、該発現用プラスミドを用いて適当な宿主を
形質転換し、該形質転換体を培養することにより、エン
ド型XG転移酵素を生産することができる。
【0037】生物体内、例えば植物体内においてエンド
型XG転移酵素遺伝子の発現を調節することにより、植
物の細胞壁の成長を調節することができ、例えば、これ
らの遺伝子の発現を制御することにより、細胞壁の再構
築を阻害し、矮性の植物を作出することができる。エン
ド型XG転移酵素遺伝子の発現を制御する方法として
は、例えばエンド型XG転移酵素遺伝子のアンチセンス
DNA又はアンチセンスRNAを生物体に導入する方法
を用いることができる。導入するアンチセンスDNAと
しては、例えばエンド型XG転移酵素遺伝子のアンチセ
ンスDNA若しくはその一部を用いることができる。該
アンチセンスDNAの例を配列表の配列番号1番〜5番
に示す。すなわち、配列表の配列番号1番〜5番は、そ
れぞれ配列表の配列番号15番〜19番で示されるエン
ド型XG転移酵素遺伝子のアンチセンスDNAの配列を
示すものである。アンチセンスDNAとしては例えば、
これらのアンチセンスDNAの一部を適当に切断して得
た断片を用いても良いし、これらのアンチセンスDNA
配列に基づいて合成したDNAを用いてもよい。導入す
るアンチセンスRNAとしては、例えばエンド型XG転
移酵素遺伝子のアンチセンスRNA若しくはその一部を
用いることができる。該アンチセンスRNAの例を配列
表の配列番号6番〜10番に示す。すなわち、配列表の
配列番号6番〜10番は、それぞれ配列表の配列番号1
5番〜19番で示される、エンド型XG転移酵素遺伝子
のアンチセンスRNAの配列を示すものである。例え
ば、これらのアンチセンスRNAの一部を適当に切断し
て得た断片を用いても良いし、これらのアンチセンスR
NA配列に基づいて合成したRNAや、例えばエンド型
XG転移酵素遺伝子若しくはその一部を用いて、イン
ビドロ (in vitro) 転写系でRNAポリメラーゼを作用
させて生成したRNAを用いてもよい。導入するアンチ
センスDNA若しくはアンチセンスRNAの領域、及び
長さに関しては、導入するアンチセンスDNA又はアン
チセンスRNAが生物体内でエンド型XG転移酵素の内
在性のRNAと会合することによってその機能を抑制す
るものであれば特に限定はないが、挿入断片の長さは1
5塩基対以上が望ましい。また、アンチセンスDNA及
びアンチセンスRNAには、生体内で分解されにくい様
に化学的な修飾等を施しておくことができる。
【0038】アンチセンスDNA若しくはアンチセンス
RNAを生物体に導入する方法としては、例えばマイク
ロインジェクション法〔モレキュラー ジェネラル ジ
ェネティクス(Mol. Gen. Genetics)、第202巻、第
179〜185頁(1985)〕、ポリエチレングリコ
ール法〔ネイチャー (Nature)、第296巻、第72〜
74頁(1982)〕、パーティグルガン法〔ネイチャ
ー、第327巻、第70〜73頁(1987)〕や、ア
ンチセンスDNA若しくはアンチセンスRNAを含有す
る小細胞、細胞、リソソーム等とプロトプラストとの融
合法〔プロシーディングズ オブ ザ ナショナル ア
カデミー オブ ザ サイエンシーズオブ ザ US
A、第79巻、第1859〜1863頁(198
2)〕、エレクトロポレーション法〔プロシーディング
ズ オブ ザ ナショナル アカデミーオブ ザ サイ
エンシーズ オブ ザ USA、第82巻、第5824
〜5828頁(1985)〕等の方法を挙げることがで
きる。
【0039】また、エンド型XG転移酵素遺伝子より得
られるDNA配列を、細胞内で作用しうるプロモーター
に、転写によりエンド型XG転移酵素遺伝子のアンチセ
ンスRNAが生成されるように連結した、アンチセンス
RNA生成用カセットを構築して植物体内に導入する方
法も有効である。アンチセンスRNA生成用カセット
は、例えば、プロモーターの下流に転写によりエンド型
XG転移酵素遺伝子のアンチセンスRNAが生成するよ
うにエンド型XG転移酵素の遺伝子の配列又はその一部
を連結して構築することができる。ここで用いる遺伝子
配列としては、転写により生成されるアンチセンスRN
Aが生物体内でエンド型XG転移酵素の内在性のRNA
と会合することによってその機能を抑制するものであれ
ば特に限定はないが、挿入断片の長さは15塩基対以上
が望ましい。例えばエンド型XG転移酵素の遺伝子の一
部を適当な制限酵素で切断して、プロモーターの下流の
適当な部位に転写によりエンド型XG転移酵素遺伝子の
アンチセンスRNAが生成されるように連結することが
できる。また、例えば本発明で得られるエンド型XG転
移酵素遺伝子配列に基づいて、エンド型XG転移酵素遺
伝子の適当な領域が増幅されるようなPCR用プライマ
ーを作製し、該プライマーを用いてエンド型XG転移酵
素遺伝子を鋳型としてPCRを行い、得られた増幅DN
A断片を適当なベクターに組込まれているプロモーター
領域の下流に、転写によりエンド型XG転移酵素遺伝子
のアンチセンスRNAが生成されるように連結してアン
チセンスRNA生成用カセットを構築してもよい。この
場合には、挿入する増幅DNA断片を、転写によりエン
ド型XG転移酵素遺伝子のアンチセンスRNAが生成さ
れるように、ベクター内に存在する適当な制限酵素サイ
トを選択して挿入するが、これらの制限酵素の認識配列
を5′末端側に有するプライマーを用いて、PCRを行
うのが有効である。
【0040】また例えばエンド型XG転移酵素が発現さ
れるように細胞内で作用しうるプロモーターに連結した
エンド型XG転移酵素発現用カセットを構築し、該カセ
ットを生物体、例えば植物体に導入して植物体内でエン
ド型XG転移酵素を発現させることができ、よって植物
体の形態を制御することができる。エンド型XG転移酵
素発現用カセット中に挿入されるエンド型XG転移酵素
遺伝子としては、植物細胞中でエンド型XG転移酵素の
活性が発現されるために必要な領域を含んでいればよい
が、例えばシグナルペプチドをコードする配列から終止
コドンまでを含んでいることが望ましい。例えばエンド
型XG転移酵素の遺伝子の一部を適当な制限酵素で切断
してプロモーターの下流の適当な部位にエンド型XG転
移酵素が発現されるように連結することができる。ま
た、例えば本発明で得られるエンド型XG転移酵素遺伝
子配列に基づいて、エンド型XG転移酵素遺伝子の適当
な領域が増幅されるようなPCR用プライマーを作製
し、該プライマーを用いてエンド型XG転移酵素遺伝子
を鋳型としてPCRを行い、得られた増幅DNA断片を
適当なベクターに組込まれているプロモーター領域の下
流にエンド型XG転移酵素が発現されるように連結して
エンド型XG転移酵素発現用カセットを構築してもよ
い。この場合挿入する増幅DNA断片を、ベクター内に
存在する適当な制限酵素サイトを選択して挿入するが、
アンチセンスRNA生成用カセットの場合と同様に、こ
れらの制限酵素の認識配列を5′末端側に有するプライ
マーを用いてPCRを行うのが有効である。
【0041】アンチセンスRNA生成用カセット若しく
はエンド型XG転移酵素発現用カセットに用いられるプ
ロモーター配列は、細胞内で機能しうるものであれば特
に限定はなく、エンド型XG転移酵素遺伝子に由来する
ものでも、他の遺伝子由来のものでも良い。プロモータ
ーには転写開始点(+1)から20〜30塩基対上流に
あって正確な位置からRNAポリメラーゼに転写を開始
させる機能を担っているTATAボックスと呼ばれる領域が
含まれるが、本発明で用いられるプロモーター配列は必
ずしもTATAボックスの前後の領域に限定される物ではな
く、この領域以外に、発現調整のためにRNAポリメラ
ーゼ以外のタンパク質が会合するために必要な、更に上
流の領域を含んでいてもよい。
【0042】例えば、アンチセンスRNA生成用カセッ
トを構築する際に、天然の植物体内でエンド型XG転移
酵素遺伝子が発現の支配を受けていたプロモーターを用
いれば、植物の器官全体に生活環の全ステージを通して
生産されるエンド型XG転移酵素の量を減少させること
ができ、矮性をもたらすことができる。また他の遺伝子
に由来するもので、非調節性のプロモーターを用いるこ
とによっても、植物の器官全体に生活環の全ステージを
通して形態変化をもたらすことができる。非調節性のプ
ロモーターとしては、例えばカリフラワーモザイクウィ
ルスの35Sプロモーターを用いることができ、これは
pBI121(クロンテック社製)に含まれている。ま
た刺激によって誘導可能なプロモーターを用いれば、生
育環境に応じてその形態が変化しうる植物体を作製する
ことができる。例えば、光に応答するプロモーターを用
いれば、光照射の条件によって植物体の形態を変化させ
ることができる。例えば、器官、又は組織特異的なプロ
モーターを用いれば、特定の器官、又は組織だけに形態
変化を生じさせることができる。例えば葉で特異的に転
写されている遺伝子のプロモーターを用いれば、葉の形
態だけを変化させることができる。また例えば、生活環
のあるステージに特異的に機能するプロモーターを用い
ることによって、生活環の一定のステージだけエンド型
XG転移酵素の活性を増大又は減少させることができ、
その結果特定の器官、又は組織だけに形態変化を生じさ
せることができる。例えば花器形成時にだけ転写を起こ
させうるプロモーターを用いることによって、花器だけ
に形態の変化をもたらすことができる。また、花粉管形
成時にだけ機能するプロモーターを用いて構築したアン
チセンスRNA生成用カセットを用いて花粉管の伸張を
抑制することができ、その結果雄性不稔性の植物体を作
製することができる。
【0043】アンチセンスRNA生成用カセット若しく
はエンド型XG転移酵素発現用カセットにおいて、プロ
モーターの下流に転写によりエンド型XG転移酵素遺伝
子のアンチセンスRNAが生成されるように、若しくは
エンド型XG転移酵素が発現されるように連結されてい
るエンド型XG転移酵素遺伝子若しくはその一部の配列
を有する遺伝子断片(以下挿入配列と称する)の下流
に、転写終止配列を連結させることによって、転写を効
率よく終了させることができる。該転写終止配列は、エ
ンド型XG転移酵素遺伝子に由来するものであっても良
いし、また他の遺伝子に由来するものでもよい。またポ
リA付加配列を挿入配列の下流に連結させることによっ
て翻訳の効率を高めることができる。該ポリA付加配列
はエンド型XG転移酵素遺伝子に由来するものであって
も良いし、他の遺伝子、例えばアグロバクテリウムのオ
クトピンシンテターゼ〔ジ エンボ ジャーナル(The
EMBOJournal)、第3巻、第835〜846頁(198
4)〕やノパリンシンテターゼ〔モレキュラー アンド
アプライド ジェネティクス(Mol.and Appl.Genet.)
第1巻、第561〜573頁(1982)〕に由来する
ものであってもよい。
【0044】アンチセンスRNA生成用カセット若しく
はエンド型XG転移酵素発現用カセットを生物体に導入
する方法としては、種々の公知の方法を用いることがで
き、例えば、適当なベクターにこれらのカセットを挿入
し、該ベクターを生物体に導入する方法が有効である。
この場合、ベクターに応じて、これらのカセット中には
存在せず、ベクター中のカセットを挿入したい部位にの
み存在する制限酵素認識配列をこれらのカセットの5’
末端及び3’末端に付加しておくことができる。
【0045】これらのカセットを挿入するベクターは、
形質転換された植物を容易に選別できるように選別マー
カー遺伝子を含有することが望ましい。選別マーカー遺
伝子としては、例えば抗生物質耐性の形質をもたらす遺
伝子(抗生物質耐性遺伝子)を用いることができる。こ
のような遺伝子として、例えばG418、ハイグロマイ
シン、ブレオマイシン、カナマイシン、ゲンタマイシ
ン、クロラムフェニコールに対する耐性をもたらす遺伝
子を挙げることができる。抗生物質耐性遺伝子がベクタ
ーに含有されていれば、抗生物質を含む培地中で生育す
る生物体を選ぶことによって形質転換された生物体、す
なわちこれらのカセットが導入された生物体を容易に選
択することができる。
【0046】これらのカセットを挿入したベクターを直
接生物体、例えば植物体に導入する方法は、前出のマイ
クロインジェクション法、ポリエチレングリコール法、
パーティグルガン法、ベクターを含有する小細胞、細
胞、リソソーム等とプロトプラストとの融合法、エレク
トロポレーション法等の方法を挙げることができる。
【0047】また植物ウイルスをベクターとして用いる
ことによって、これらのカセットを植物体に導入するこ
とができる。利用する植物ウイルスとしては、例えばカ
リフラワーモザイクウイルス(CaMV)を用いること
ができる。すなわち、まずウイルスゲノムを一旦大腸菌
等由来のベクターに挿入して組換体を調製した後、ウイ
ルスのゲノム中にこれらのカセットを挿入する。このよ
うにして修飾されたウイルスゲノムを制限酵素により該
組換体から切り出し、植物に接種することによって、こ
れらのカセットを植物体に挿入することができる〔ホー
ン(Hohn)ら、モレキュラー バイオロジー オブ プ
ラント チューモアーズ(Molecular Biology of Plant
Tumors)、アカデミック プレス、ニューヨーク(Acad
emic Press、New York)、第549〜560頁(198
2)、米国特許第4,407,956号〕。
【0048】更にまた、アグロバクテリウム属に属する
細菌が植物に感染すると、それが持っているプラスミド
DNAの一部を植物のゲノム中に移行させるという性質
を利用して、これらのカセットを植物体に導入すること
もできる。アグロバクテリウム属に属する細菌のうちア
グロバクテリウム チュメファシエンス(Agrobacteriu
m tumefaciens)は植物に感染してえい瘤(crown gall)
を、また、アグロバクテリウム リゾゲネス(Agrobact
erium rhizogenes) は植物に感染して毛状根を引起こす
が、これらは感染の際にTiプラスミド、又はRiプラ
スミドと呼ばれるそれぞれの細菌中に存在するプラスミ
ド上のT−DNA領域(Transferred DNA)と呼ばれ
る領域が植物中に移行し植物のゲノム中に組込まれるこ
とに起因する。更に、Ti、又はRiプラスミド上には
T−DNA領域が植物中に移行し、植物のゲノム中に組
込まれるために必須であるvir領域と言われる領域が
ある。vir領域自身は、植物中に移行されることはな
く、またこのvir領域はT−DNA領域が存在するの
と異なったプラスミド上にあっても機能しうる〔ネイチ
ャー、第303巻、第179〜189頁(198
3)〕。
【0049】Ti、又はRiプラスミド上のT−DNA
領域中に、植物のゲノム中に組込みたいDNAを挿入し
ておけば、アグロバクテリウム属の細菌が植物体に感染
する際に目的とするDNAを植物ゲノム中に組込むこと
ができる。ここで、Ti、又はRiプラスミドのT−D
NA中のえい瘤、又は毛状根を引起こす部分を、目的と
する移行機能を損なうことなく取り除き、得られたもの
をベクターとして使用することもできる。本発明におい
てはこの様な種々のベクターを用いることができ、例え
ば、バイナリーベクターと呼ばれるpBI121(クロ
ンテック社)、pBI-H1-35S-IG (名古屋大学、中村研三
博士より供与)等のベクターに、アンチセンスRNA生
成用カセット、若しくはエンド型XG転移酵素発現用カ
セットを挿入して、これらのカセットの植物体への導入
を行うことができる。なお、これらのベクターは、前出
のvir領域を有しておらず、該ベクターを導入して用
いるアグロバクテリウム属の細菌は、vir領域を有し
ている他のプラスミドを含有している必要がある。
【0050】またこれらのベクターはアグロバクテリウ
ム属の細菌だけではなく、大腸菌中でも増幅することが
できるシャトルベクターであり、したがって、Tiプラ
スミドの組換え操作は、大腸菌を用いて行うことができ
る。更に、これらのベクターは、抗生物質耐性遺伝子を
含んでおり、大腸菌、アグロバクテリウム属の細菌、及
び植物体等を形質転換する際に、形質転換体を容易に選
別することができる。また、これらのベクターにはCa
MVの35Sプロモーターが存在しており、これらのベ
クターに挿入された遺伝子を植物ゲノム中に組込んだ
後、非調節的に発現させることが可能となる。
【0051】アンチセンスRNA生成用カセット若しく
はエンド型XG転移酵素発現用カセットを挿入したこれ
らのベクターを用い、アグロバクテリウム属の細菌を介
してこれらのカセットを植物体のゲノム中に移行させて
形質転換を行う際には、アグロバクテリウム属の細菌が
感染しうるものでその再生系が確立されている植物体で
あれば、どの様な植物体でも形質転換を行うことができ
る。大抵の双子葉植物は、アグロバクテリウム属の細菌
を用いて形質転換を行うことができ、特に自然界でアグ
ロバクテリウム属の細菌の宿主となっている植物体は、
すべて試験管内で形質転換させることができる。穀類を
含め、単子葉植物は自然界ではアグロバクテリウム属の
細菌の宿主ではないが、例えばライムギ〔ネイチャー、
第325巻、第274〜276頁(1987)〕、トウ
モロコシ〔サイエンス、第240巻、第204〜207
頁(1988)〕、イネ〔ネイチャー、第338巻、第
274〜276頁(1989)〕等は、試験管内で形質
転換させることができる。
【0052】形質転換は、(1)プロトプラストを用い
て行うか、(2)組織片又は未処理の細胞を用いて行う
ことができる。(1)の方法を用いるには形質転換され
たプロトプラストから植物体を再生させる系を予め確立
しておく必要があり、(2)の方法を用いるにはアグロ
バクテリウム属の細菌を用いて組織片又は未処理の細胞
を形質転換させ、それを植物体に再生する系を確立して
おく必要がある。形質転換された植物は、上述の形質転
換のマーカーとなりうる薬剤を含有する培地で植物体を
生育させることにより選択することができる。
【0053】植物体の再生方法は、植物の種類により異
なっているが、一般的には、(1)の場合には形質転換
されたプロトプラストの懸濁液、(2)の場合には形質
転換されたプレート上の組織片又は未処理の細胞からカ
ルスを誘導し、次いでシュートを形成させることによっ
て行うことができる。また、一般的に、培地には種々の
アミノ酸のほかにオーキシンやサイトカイニン等のホル
モンを含有させておくことができる。形質転換された植
物のゲノム中に目的のアンチセンスRNA生成用カセッ
ト若しくはエンド型XG転移酵素発現用カセットが挿入
されているかどうかはサザンハイブリダイゼーション等
の方法で確かめることができ、また、エンド型XG転移
酵素遺伝子のセンスRNA、又はアンチセンスRNAが
植物体内で生成されているかどうかはノザンハイブリダ
イゼーション等の方法で確かめることができる。
【0054】上記のごとく作製されたアンチセンスRN
A生成用カセット若しくはエンド型XG転移酵素発現用
カセットが挿入された植物体を用いて、交配によってア
ンチセンス鎖転写用カセット若しくはエンド型XG転移
酵素発現用カセットを次世代の植物体に移して行くこと
ができる。例えば、ベクターpBI-H1-35S-IG に、本発明
により得られるエンド型XG転移酵素遺伝子あるいはそ
の一部を、転写によりアンチセンスRNAが生成するよ
うに、若しくはエンド型XG転移酵素が発現するように
組込むことにより、上流にCaMV35S プロモーター、その
下流にエンド型XG転移酵素遺伝子あるいはその一部を結
合した、アンチセンスRNA生成用カセット若しくはエ
ンド型XG転移酵素発現用カセットを含有するプラスミド
を構築することができる。次に、このようにして構築さ
れたプラスミドを用いて、適当なアグロバクテリウム属
に属する菌株、例えばアグロバクテリウム チュメファ
シエンス LBA4404株〔Agrobacteriumtumefaciens LBA44
04 ;ネイチャー、第303巻、第179〜180頁
(1983)、クローンテック社より入手可能〕を形質
転換し、該形質転換体を目的とする植物体に感染させる
ことにより、植物を形質転換することができる。また、
これらのプラスミド、例えば後述のpAX301、pAX302、pT
X301、pTX302を適当な制限酵素、例えばHind III及び S
acIで消化し、アガロースゲル電気泳動により目的のフ
ラグメントを切り出し精製して、これらのフラグメント
をエンド型XG転移酵素発現用カセット若しくはアンチ
センスRNA生成用カセットとして、他のプラスミド、
例えば pBI101 のHind III-SacIサイトに組込み、植物
の形質転換に用いることができる。
【0055】本発明で得られる、配列表の配列番号17
で示されるシロイヌナズナのエンド型XG転移酵素遺伝
子の配列に基づいて、配列表の配列番号20、21、2
2、23に示す4種類のプライマー、ATX−AS、A
TS−AS、ATX−S、ATS−Sをデザインし、合
成することができる。プライマーATS−AS及びAT
X−Sは配列表の配列番号17の塩基番号40〜56に
対応する5′→3′の向きに相当する配列の5′側に制
限酵素SacI、若しくはXbaIの切断部位を付加し
たもの、ATX−AS、及びATS−Sは塩基番号10
07〜1023に対応する3′→5′の向きに相当する
配列の5′側に制限酵素XbaI、若しくはSacIの
切断部位を付加したものである。例えばシロイヌナズナ
のエンド型XG転移酵素遺伝子を鋳型として、上記のプ
ライマーのうちATS−AS及びATX−ASの対を用
いてPCR法により遺伝子配列の増幅を行い、増幅され
た約1kbp のDNA断片を、制限酵素XbaI及びSa
cIにより切断し、精製した後、pBI-H1-35S-IG のXb
aIサイトからSacIサイトの部位に挿入することが
できる。このプラスミドをpAX301と命名する。p
AX301は、カリフラワーモザイクウィルス35Sプ
ロモーターを持ち、その下流のXbaIサイト−Sac
Iサイトに配列表の配列番号17の塩基番号40番〜1
023番で表される部分の配列を転写によりアンチセン
スRNAが生成するように組込んだもので、カナマイシ
ン及びハイグロマイシン耐性の遺伝子を有している。ま
た同様にプライマーATX−S、及びATS−Sの対を
用いてPCR法で遺伝子配列の増幅を行い、増幅された
約1kbp のDNA断片をpBI-H1-35S-IG のXbaIサイ
トからSacIサイトの部位に挿入したプラスミドをp
AX302と命名する。pAX302はpAX301と
同様のプロモーター及び同様の耐性遺伝子を持ち、配列
表の配列番号17の塩基番号40番〜1023番の配列
をエンド型キシログルカン転移酵素が発現されるように
組込んだものである。
【0056】プラスミドpAX301及びpAX302
を用いて、例えばアグロバクテリウム チュメファシエ
ンス LBA4404株を、エレクトロポレーション法〔植物細
胞工学 第4巻、第193〜203頁、1992年秀潤
社発行〕により形質転換することができる。なお、pA
X301により大腸菌JM109株を形質転換して得ら
れた該形質転換体は Escherichia coli JM109/pAX301と
命名、表示され、通商産業省工業技術院生命工学工業技
術研究所にFERM BP−4222として寄託されて
いる。
【0057】形質転換したアグロバクテリウムにより目
的の植物を形質転換する方法は特に限定されるものでは
ない。例えば、無菌の植物を栽培し、該植物体の切片を
カルス誘導培地〔CIMプレート:MSOプレート(ム
ラシゲ−スクーグ無機塩類4.6g、ショ糖10g、10
00×ビタミンストック液1ml/リットル、pH6.2)
に2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(和光純薬社製)を終
濃度0.5μg/ml、カイネチン(和光純薬社製)を0.0
5μg/mlとなるように加えたもの〕で数日間生育させ
たものに形質転換したアグロバクテリウムを感染させる
方法を用いることができる。感染した切片を除菌し、培
養した後に、使用したベクターの選択マーカーとなる抗
生物質を含有するプレートに移植し培養すれば、形質転
換された植物体を選択することができる。これらの抗生
物質を含有するプレート上に得られた植物体のゲノム中
に、アンチセンスRNA生成用カセット若しくはエンド
型XG転移酵素発現用カセットが挿入されていることの
確認は、該植物体、又はその種子から形成された植物体
のDNAを抽出し、エンド型XG転移酵素遺伝子、又は
その一部をプローブとして、サザンハイブリダイゼーシ
ョン等の方法で行うことができる。また、形質転換され
た植物体中において、エンド型XG転移酵素の発現が調
節されていることの確認は、形質転換された植物体又は
その種子のRNAを抽出し、エンド型XG酵素遺伝子を
プローブとして用いて、ノザンハイブリダイゼーション
等の方法で行うことができる。
【0058】例えば、シロイヌナズナ種子を常法に従っ
て無菌的に栽培し、その根の切片を用いて前出のCIM
プレート上でカルス培養を行う。pAX301及びpA
X302により形質転換したアグロバクテリウム、及び
pBI-H1-35S-IG により形質転換したアグロバクテリウム
をそれぞれ培養し、希釈したものをチューブに分注し、
カルス化した根の切片を浸し、数日間CIMプレート上
で共存培養する。各々の菌株が肉眼で観察できるまで十
分に増殖したら、除菌操作を行い、更にSIMCプレー
ト{MSOプレートに、2−ip〔N6 −(2−イソペ
ンタニル)アデニン〕(和光純薬社製)を終濃度5μg
/ml、IAA(3−インドール酢酸、和光純薬社製)を
終濃度0.15μg/ml、クラフォラン(ヘキスト社製)
を終濃度500μg/mlとなるように加えたもの}上で
数日間培養を行う。これらの切片を最終的にSIMCS
プレート(カナマンシン及びハイグロマンシンBを含有
するSIMCプレート)上で培養し、1週間ごとに、新
しいプレートに移植を繰返す。形質転換した切片は増殖
を続け、塊状に盛り上がったカルスとなるが、非形質転
換切片は褐変する。形質転換体を、ロゼット葉を形成す
るまで培養し、形質転換体の根元をカルス部分を含まな
い様にメスで切り取り、RIMプレート(MSOプレー
トにIAAを終濃度0.5μg/mlとなるように加えたも
の)に移す。8〜10日後、後述する無機塩類培地に浸
したロックファイバーミニポット(日東紡績社製)上に
移して培養する。開花し、さやを形成した植物体は無機
塩類培地に浸した土に移植し、種子を得ることができ
る。この種子を滅菌処理し、MSHプレート(MSOプ
レートにハイグロマイシンBを終濃度5U/mlとなるよ
うに加えたもの)に播種して発芽させることにより形質
転換体を得ることができる。
【0059】この形質転換体より、常法に従ってDNA
を抽出し、このDNAを制限酵素Hind III又は PstIで
切断し、プローブとして、プライマーATX−S及びA
TS−Sの対を用いて増幅した約1kbp のDNA配列を
用いてサザンハイブリダイゼーションを行い、形質転換
の有無を確認することができる。すなわち、形質転換を
行っていないWS株(1)、pAX301を導入した形
質転換体(2)、pAX302を導入した形質転換体
(3)、ベクターpBI-H1-35S-IG のみを導入した形質転
換体(4)において、(2)、(3)両方には(1)〜
(4)共通の内在性のシグナルのほかに、Hind IIIで切
断したサンプルでは約1kbp の、PstIで切断したサ
ンプルでは約3kbp の特異的なシグナルが観察され、エ
ンド型XG転移酵素をコードするDNAが(2)、
(3)両方に組込まれていることが確認できる。
【0060】また、(1)〜(4)より常法に従ってR
NAを抽出し、約1kbp のセンスDNA配列若しくはア
ンチセンスDNA配列を有するプローブを作成し、これ
らのプローブを用いてノザンハイブリダイゼーションを
行い、(1)〜(4)におけるエンド型XG転移酵素の
発現の状態を観察することができる。すなわち、センス
DNA配列を有するプローブを用いた場合、前出の
(1)、(3)、(4)にはバンドは確認されず、
(2)にのみ約1kbp のバンドが確認される。一方、ア
ンチセンスDNA配列を有するプローブを用いた場合、
前出の(1)〜(4)すべてに約1kbp のバンドが確認
され、該バンドのシグナルは(1)と比べて(3)が強
く、(2)は弱く検出され、エンド型XG転移酵素の発
現が(3)において増強され、一方、(2)において抑
制されていることが確認できる。
【0061】上記の方法と同様にして、例えば本発明で
得られるトマトのエンド型XG転移酵素遺伝子配列を用
いて、他の種類の植物、例えばタバコの形質転換体を作
出することができる。例えば、配列表の配列番号18で
示されるタバコと同科の植物であるトマトのエンド型X
G転移酵素遺伝子の配列に基づいて、配列表の配列番号
24、25、26、27に示す4種類のプライマーTO
MXSP、TOMSAP、TOMSSP、TOMXAP
をデザインし、合成することができる。プライマーTO
MXSP、及びTOMSSPは配列表の配列番号18の
塩基番号46〜66に対応する5′→3′の向きに相当
する配列の5′側に制限酵素XbaI、若しくはSac
Iの切断部位を付加したもの、TOMSAP、TOMX
APは塩基番号921〜941に対応する3′→5′の
向きに相当する配列の5′側に制限酵素SacI、若し
くはXbaIの切断部位を付加したものである。
【0062】例えばトマトのエンド型XG転移酵素遺伝
子を鋳型として、上記のプライマーのうちTOMXS
P、及びTOMSAPの対を用いてPCR法により遺伝
子配列の増幅を行い、増幅された約930bpのDNA断
片を、制限酵素XbaI及びSacIにより切断し、精
製した後、pBI-H1-35S-IG のXbaIサイトからSac
Iサイトの部位に挿入することができる。このプラスミ
ドをpTX301と命名する。pTX301は、配列表
の配列番号18の塩基番号46番〜941番で表される
トマトのエンド型XG転移酵素の遺伝子の部分配列をカ
リフラワーモザイクウィルス35Sプロモーターの下流
のXbaIサイトからSacIサイトの部位にエンド型
XG転移酵素が発現されるように組込んだもので、カナ
マイシン及びハイグロマイシン耐性の遺伝子を有してい
る。また同様にプライマーTOMXAP及びTOMSS
Pの対を用いてPCR法で遺伝子の増幅を行い、増幅さ
れた約930bpのDNA断片をpBI-H1-35S-IG のXba
IサイトからSacIサイトの部位に挿入したプラスミ
ドをpTX302と命名する。pTX302はpTX3
01と同様のプロモーター及び同様の耐性遺伝子を持
ち、配列表の配列番号18の塩基番号46番〜941番
の配列を転写によりアンチセンスRNAが生成するよう
に組込んだものである。これらのプラスミドを用いて、
前述の方法と同様の方法を用いて適当なアグロバクテリ
ウムの菌株、例えばアグロバクテリウム チュメファシ
エンスLBA4404株を形質転換することができる。
【0063】なお、pTX301及びpTX302によ
り形質転換された大腸菌JM109株は、それぞれEsch
erichia coli JM109/pTX301 、及びEscherichia coli J
M109/pTX302 と命名、表示され、それぞれ通商産業省工
業技術院生命工学工業技術研究所に、FERM BP−
4223、及びFERM BP−4224として寄託さ
れている。
【0064】pTX301及びpTX302により形質
転換されたアグロバクテリウムの菌株を用いて、前述の
シロイヌナズナの場合と同様にして、pTX301及び
pTX302で形質転換されたタバコの植物体を作製す
ることができる。これらの形質転換体より、常法に従っ
てDNAを抽出し、制限酵素PstIで消化し、例えば
上記のプライマーTOMSSP、TOMXAPの対を用
いてPCRにより増幅したDNA断片をプローブとして
用いてサザンハイブリダイゼーションを行い、形質転換
の有無を確認することができる。すなわち、pTX30
1及びpTX302を導入したタバコでは、コントロー
ルとしてpBI-H1-35S-IG を導入したタバコ及び形質転換
を行っていないタバコと比べて、タバコのエンド型XG
転移酵素遺伝子と考えられるバンドのほかにバンドが現
れ、あるいは他のバンドと明らかに異なる強いシグナル
のバンドが検出され、pTX301及びpTX302を
導入したタバコには、トマトエンド型XG転移酵素の遺
伝子が導入されていることが確認できる。
【0065】また、これらの形質転換体よりRNAを抽
出し、センスDNA配列若しくはアンチセンスDNA配
列を有するプローブを作製し、ノザンハイブリダイゼー
ションを行い、エンド型XG転移酵素の発現の状態を確
認することができる。すなわち、センスDNA配列を有
するプローブを用いた場合、pBI-H1-35S-IG 及びpTX
301を導入したタバコ及び形質転換を行っていないタ
バコでは相応するバンドは認められないが、pTX30
2を導入したタバコでは相応するバンドが確認され、一
方、アンチセンスDNA配列を有するプローブを用いた
場合、pBI-H1-35S-IG を導入したタバコ及び形質転換を
行っていないタバコでは相応するバンドが得られ、pT
X301を導入したタバコでは更に強いバンドが認めら
れる。pTX302を導入したタバコでは、かすかにし
かバンドは認められず、このことより、内因性のエンド
型XG転移酵素の発現は、pTX301を導入すること
により増強され、pTX302を導入することにより抑
制されることが確認できる。
【0066】本発明で得られるエンド型XG転移酵素を
用いて、適当な条件下でXG分子のつなぎ換えを複数回
繰返すことにより、任意の構造を持つXG分子を作成す
ることができ、キメラ多糖の合成等に利用することがで
きる。また、エンド型XG転移酵素を用いて、植物細胞
壁の構造を変化させることができ、工業分野で用いられ
る植物原料の加工に有用である。
【0067】本発明で得られるエンド型XG転移酵素を
コードする遺伝子や該遺伝子にハイブリダイズする遺伝
子又はその一部の配列を有するポリヌクレオチドを用い
て、エンド型XG転移酵素をコードする遺伝子の発現過
程の観察や調節を行うこともできる。また、本発明で得
られる、エンド型XG転移酵素をコードする遺伝子を発
現させ、製造されるポリペプチドを用いて、種々の抗体
を作成することもでき、これらの抗体も、エンド型XG
転移酵素の精製等に有用である。
【0068】
【実施例】以下に本発明を実施例をもって更に具体的に
示すが、本発明はこれらの実施例の範囲のみに限定され
るものではない。
【0069】実施例1 エンド型XG転移酵素の精製 ビグナ アンギュラリス オウヴィ エ オオハシ、c
v、タカラ( Ohwi et Ohashi, cv. Takara )の種子(渡
辺種子社製)をフィジオロジア プランタルム、第82
巻、第490〜497頁(1991)に記載の方法で発
芽させ、アポプラスト溶液を得た。
【0070】(硫安沈殿)合計600mlのアポプラスト
溶液を、10gのポリビニルピロリドン粉末、及び50
mMのジチオスレイトールと2mMのEDTAを含有する0.
5Mのリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)60mlと0
℃で混合して5分間保持した。不溶物質を18000×
gで30分間遠心分離して除去した後、上澄み液に硫酸
アンモニウム粉末を添加して80%飽和として、生成し
た沈殿(10.5mgのタンパク質を含む)を遠心分離によ
って回収した。得られた沈殿を2mlの0.2M酢酸ナトリ
ウム緩衝液(pH5.7)に溶解し、1mlの100%硫酸
アンモニウム飽和溶液を添加して33%飽和とした。生
成した沈殿を、18000×gにて30分間遠心分離し
て回収し、1.8mgのタンパク質を含む画分を得た。
【0071】( Con−A Sepharose 6Bによる分画)
上記の操作で得た沈殿を、0.15MのNaCl、1mMの
MnCl2 、1mMのMgCl2 、及び1mMのCaCl2
を含有する酢酸ナトリウム緩衝液a(pH5.7)の2.4
mlに溶解し、同じ緩衝液aであらかじめ平衡化したコン
−Aセファロース6B( Con−A Sepharose 6B、フ
ァルマシア社製)(4ml)のカラムに注入した。そのカ
ラムを、36mlの緩衝液a、7mMのメチル−α−D−マ
ンノピラノシドを含有する緩衝液aの20ml、及び50
0mMのメチル−α−D−マンノピラノシドを含有する緩
衝液aの40mlで連続して溶離した。500mMのメチル
−α−D−マンノピラノシドを含有する緩衝液aで溶出
した画分に、本発明の酵素の活性が認められた。その活
性画分をウルトラフリー( Ultrafree 、ミリポア社製)
を用いて限外ろ過により濃縮し、400μl中に668
μgのタンパク質を含有する画分を得た。
【0072】(TSKゲル2000SWによる分画)上
記の操作で得た画分のタンパク質200μlをTSKゲ
ルG2000SW(7.5×300mm、東ソー社製)を用
い、溶離液として0.15M酢酸ナトリウ緩衝液(pH5.
7)を0.5ml/分の流量で用いるカラムクロマトグラフ
ィーに付した。このクロマトグラフィーを繰返し、活性
画分を分画して濃縮し、上記緩衝液100μl中に60
μgのタンパク質を含有する画分を得た。
【0073】( Mono−Sによる分画)上記の操作で得た
画分を500μlの20mM酢酸ナトリウム溶液で希釈
し、40mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.7)てあらか
じめ平衡化したモノ−S( Mono−S、ファルマシア社
製)のカラム(5×50mm)に注入した。このカラム
を、2.5mlの40mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.7)
で溶離し、次に0−1M NaClの直線濃度勾配を有
する40mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.7)の20ml
を0.4ml/分の流量で用いて溶離し、約30μgの本発
明の酵素の精製標品を得た。以上の各々の精製工程の結
果を表3に示す。
【0074】
【表3】 表3 ビグナ・アンギュラリスよりエンド型XG転移酵素の精製経過 ──────────────────────────────────── 精製工程 全タンパク質 全活性 比活性 収 率 精製度 (単位/μg (mg) (単位) タンパク質 (%) (倍) ──────────────────────────────────── アポプラスト溶液 10.5 2136 0.203 100 1 33% 硫安分画 1.513 1766 1.17 82 5.7 Con-A セファロース 0.668 938 1.40 43 6.9 TSK 2000SW 0.06 816 13.6 38 67 Mono−S 0.03 530 17.7 24 87 ────────────────────────────────────
【0075】また、前述した図13において、(b)は
アポプラスト溶液を用いて反応を行った際のクロマトグ
ラフである。図中矢印2は混在するグリコシダーゼによ
り生じたモノマー糖の溶出位置を示している。(c)の
精製酵素画分においてはモノマー糖のピークは現れず、
精製操作により混在するグリコシダーゼが除去されたこ
とを示している。
【0076】(SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳
動)上記の精製工程で得られた本発明の酵素の精製標品
をラエンミリ( Laemmili )らの方法〔ネイチャー、第2
27巻、第680〜685頁(1970)〕に従って、
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供した。す
なわちSDSを含有する12%ポリアクリルアミドゲル
(10×10cm、1mm厚)を使用して泳動し、銀染色を
行い、発色させると、本発明の酵素の精製標品は分子量
約33,000の単一のバンドとして確認された。
【0077】実施例2 エンド型XG転移酵素をコード
する遺伝子のクローニング ポリ(A)+ RNAの調製 ビグナ アンギュラリス オウヴィ エ オオハシ,c
v. タカラの種子を前出のフィジオロジア プロンタル
ムに記載の方法で発芽させた。発芽より1週間後、芽の
先端から2〜5cmの下方の茎を切取り、約3gの植物組
織を得た。これを直ちに液体窒素中で凍結し、液体窒素
存在下乳鉢ですりつぶして粉末にし、約30mlの変性液
〔4Mグアニジンチオシアネート、25mMクエン酸ナト
リウム(pH7.0)、0.1M 2−メルカプトエタノー
ル、0.5% N−ラウロイルサルコシンナトリウム〕で
溶解した。ここに2M酢酸ナトリウム(pH4.0)3m
l、水飽和酸性フェノール30ml、49:1 クロロホ
ルム/イソアミルアルコール6mlを順次加え、よくかく
はんし、この懸濁液を遠心して水層を分離し、この水層
にイソプロピルアルコールを加えて遠心分離することに
よりRNAの沈殿約1mgを得た。この沈殿を溶出用緩衝
液〔10mMトリス(Tris)−HCl(pH8.0)、1mM
EDTA(pH8.0)、0.1%SDS〕400μlを溶
かし、オリゴテックス−dT30(日本ロシュ社)1ml
を加えることによりポリ(A)+ RNAのみを樹脂に吸
着させた。樹脂を滅菌した純水で洗浄して、約10μg
のポリ(A)+ RNAを回収した。
【0078】 エンド型XG転移酵素のN末端アミノ
酸配列の決定 実施例1で得られたエンド型XG転移酵素の精製標品の
約1nmolを用いて、アプライド バイオシステムズ社製
の470Aプロテインシークエンサーにより、N末端よ
り約30残基のアミノ酸配列を決定した。該アミノ酸配
列を、配列表の配列番号11に示す。
【0079】 PCR法によるエンド型XG転移酵素
cDNAの増幅 で得られたアミノ酸配列を基に、配列表の配列番号1
2で表されるプライマーpAZ−1、及び配列表の配列
番号13で表されるプライマーpAZ−2をデザイン
し、DNA合成機で合成した。また、M13プライマー
M4(宝酒造社製)の3′側に更にTが20個連なった
配列を有するプライマーpTM4を同様に合成した。プ
ライマーpTM4の配列を配列表の配列番号14に示
す。
【0080】で得られたポリ(A)+ RNA2μg
を、5mM MgCl2 、50mM KCl、10mMトリス
−HCl(pH8.3)、0.01%ゼラチン、dNTP各
1mM、2.5μMのプライマーpTM4、20Uの RNase
インヒビター、50Uの逆転写酵素RAV−2(宝酒造
社製)を含む総液量20μlの反応液に加え、42℃で
40分間逆転写反応を行い、cDNAを合成した。
【0081】このチューブに25mM MgCl2 4μ
l、10×PCR緩衝液〔500mMKCl、100mMト
リス−HCl(pH8.3)、0.1%ゼラチン〕8μl、
滅菌蒸留水65.5μl、アンプリタックTMDNAポリメ
ラーゼ(シータス社製)2.5U、20pmolのプライマー
pAZ−1、20pmolのM13プライマーM4(宝酒造
社製)を順次加え、ミネラルオイルを添加してPCRに
供した。反応は94℃(0.5分)、45℃(2分)、7
2℃(1分)のサイクルを30回繰返した後、72℃に
7分間維持した。次いで、この反応液1μlを鋳型とし
て、pAZ−2をセンスプライマーとして、M13プラ
イマーM4をアンチセンスプライマーとしてそれぞれ用
いて同様にPCRを行い、上述のサイクルを25回繰返
した。反応後、反応液をアガロースゲル電気泳動に供
し、約1.1kbp のcDNAが特異的に増幅されているこ
とを確認した。このcDNAを精製し、プラスミドpU
C119の制限酵素 Hinc IIサイトにサブクローニング
した。
【0082】 cDNAライブラリーの作製及びスク
リーニング で得られたポリ(A)+ RNAより、cDNA合成キ
ットシステムプラス(アマシャム社製)を用いて、ジー
ン( Gene )第25巻、第263頁(1983)に記載の
方法に準じて、λgt10をベクターとするcDNAライ
ブラリーを作製した。でサブクローニングした約1.1
kbp のcDNAを、ランダムプライマーDNAラベリン
グキット(宝酒造社製)を用いて(α−32P)dCTP
で標識し、ハイブリダイゼーションのプローブとした。
このプローブを用いて、上記で作製したcDNAライブ
ラリーについてプラークハイブリダイゼーション法を行
った。1×104 個のプラークについて検索を行った結
果、5個の陽性プラークが得られた。これらのプラーク
よりファージを単離し、挿入されているDNAを抽出し
た。これらのDNAを制限酵素EcoRIにより切断し、ア
ガロースゲル電気泳動によりDNA断片の長さを確認し
た。約1.1kbp のDNA断片を精製し、プラスミドpU
C119のEcoRIサイトにサブクローニングし、該プラ
スミドをpVX103と命名した。得られた約1.1kbp
のDNA断片を数種の制限酵素で切断し、アガロースゲ
ル電気泳動により分析した。
【0083】その結果を図1に示す。すなわち、図1は
約1.1kbp のDNA断片の制限酵素地図を示す図であ
る。制限酵素BamHI、Hind III、 KpnI等は該断片を切
断しない。
【0084】プラスミドpVX103を用いて大腸菌J
M109株を形質転換し、形質転換体をEscherichia co
li JM109/pVX103と命名、表示した。該菌株は、微工研
条寄第4104号(FERM BP−4104)として
寄託されている。
【0085】実施例3 エンド型XG転移酵素遺伝子の塩基配列の決定 実施例2で得られたプラスミドpVX103の10μg
を制限酵素XbaI及びPstIで切断した。次いでヘ
ニコフ(Henikoff)らの方法〔ジーン、第28巻、第3
51〜第359頁(1984)〕に従い、キロシークエ
ンス用デレーションキット(宝酒造社製)を用いて、ベ
クターに組込まれたDNA断片をXbaIの認識配列側
の末端より分解し、種々の大きさの断片を含むクローン
を得た。この中から適当な大きさの断片を含むプラスミ
ド8個を選択し、サンガー(Sanger)の方法〔サイエン
ス(Science)、第214巻、第1205〜1210頁
(1981)〕に従ってBcaBESTTMダイデオキシ
シークエンシングキット(宝酒造社製)を用いて約1.
1kbp のDNA断片の塩基配列を決定した。その塩基配
列の一部を配列表の配列番号15に示す。配列表の配列
番号15の塩基番号57番〜872番はビグナ アンギ
ュラリスのエンド型XG転移酵素の成熟タンパク質をコ
ードする部分である。
【0086】実施例4 (4−1)ダイズエンド型XG転移酵素遺伝子のクロー
ニング及び塩基配列の決定 実施例2で得られた約1.1kbp のcDNAを、ランダム
プライマーDNAラベリングキットを用いて[α−
32P]dCTPで標識し、ハイブリダイゼーションのプ
ローブとした。ダイズ(Glycine max)組織mRNAから
作製されたcDNAライブラリー(クロンテック社製)
についてプラークハイブリダイゼーション法を行った。
5×104 個のプラークについて検索を行った結果、3
個の陽性プラークが得られた。これらのプラークよりフ
ァージを単離し、ファージからDNAを精製した。この
DNAを制限酵素EcoRIにより切断し、アガロースゲル
電気泳動によりcDNA挿入断片の長さを確認した。3
個の陽性プラークのうち最長の約1kbp の長さのcDN
A断片を確認することができ、これを精製した後プラス
ミドpUC119のEcoRIサイトにサブクローニング
し、得られたプラスミドをpSX102と命名した。得
られた約1kbp のcDNA断片を数種の制限酵素で切断
し、アガロースゲル電気泳動により分析した。その結果
を図2に示す。すなわち、図2は約1kbp のcDNA断
片の制限酵素地図を示す図である。
【0087】プラスミドpSX102を用いて大腸菌J
M109株を形質転換し、形質転換体をEscherichia co
li JM109/pSX102 と命名、表示した。該菌株は、通商産
業省工業技術院生命工学工業技術研究所にFERM B
P−4226として寄託されている。プラスミドpSX
102を制限酵素XbaI及びSphIで切断し、この
cDNA断片を用いて、実施例3に記載の方法と同様に
して約1kbp のcDNA断片の塩基配列を決定した。配
列の一部を配列表の配列番号16番に示す。
【0088】(4−2)シロイヌナズナエンド型XG転
移酵素遺伝子のクローニング及び塩基配列の決定 実施例2で得られた約1.1kbp のcDNAを、ランダム
プライマーDNAラベリングキットを用いて[α−
32P]dCTPで標識し、ハイブリダイゼーションのプ
ローブとした。シロイヌナズナ(Arabidopsis thalian
a)組織mRNAから作製されたcDNAライブラリー
(クロンテック社製)についてプラークハイブリダイゼ
ーション法を行った。5×104 個のプラークに対し
て、約3個の割合で陽性プラークが得られた。これらの
プラークよりファージを単離し、DNAを精製した。こ
れらのDNAを制限酵素EcoRIにより切断し、アガロー
スゲル電気泳動によりcDNA挿入断片の長さを確認し
た。3個の陽性プラークのうち最も長い約1.3kbp の長
さのcDNA断片を確認することができ、これを精製し
た後、プラスミドpUC119のEcoRIサイトにサブク
ローニングし、得られたプラスミドをpAX101と命
名した。得られた約1.3kbp のcDNA断片を数種の制
限酵素で切断し、アガロースゲル電気泳動により分析し
た。その結果を図3に示す。すなわち、図3は約1.3kb
p のcDNA断片の制限酵素地図を示す図である。プラ
スミドpAX101を用いて大腸菌JM109株を形質
転換し、形質転換体をEscherichia coli JM109/pAX101
と命名、表示した。プラスミドpAX101をXbaI
及びSphIで切断し、このDNA断片を用いて、実施
例3に記載の方法と同様にして約1.3kbp のDNA断片
の塩基配列を決定した。配列の一部を配列表の配列番号
17番に示す。
【0089】(4−3)トマトエンド型XG転移酵素遺
伝子のクローニング及び塩基配列の決定 トマト(Lycopersicon esculentum)の種子(渡辺採取場
社製)を発芽させ、芽の上胚軸部分の組織から、実施例
2−と同様にして10μgのポリ(A)+ RNAを抽
出し、λEXloxTMイントロダクトリークローニング
キット(ノバジェン社)を用いてcDNAライブラリー
を作製した。すなわち、ジーン、第25巻、第263頁
(1983)に記載の方法に従い、cDNAを合成した
あと、キット中にあるEcoRIリンカー及びHind IIIリン
カーを用いて、ベクターλEXLX〔パラゾロ(Palazz
olo)ら、ジーン、第88巻、第25〜36頁(199
0)〕にライゲーションした後、cDNAライブラリー
を作製した。
【0090】実施例2で得られた約1.1kbp のcDNA
を、ランダムプライマーDNAラベリングキットを用い
て〔α−32P〕dCTPで標識し、ハイブリダイゼーシ
ョンのプローブとして用いて上記のcDNAライブラリ
ーについてプラークハイブリダイゼーション法を行っ
た。1×105 個のプラークに対して、約2個の割合で
陽性プラークが得られた。これらのプラークより前述の
パラゾロらの方法に従い、λファージDNAからcDN
Aを含む断片をプラスミドとして回収した。このDNA
を制限酵素EcoRI及びHind IIIにより切断し、アガロー
スゲル電気泳動によりDNA断片の長さを確認した。2
個の陽性プラークのうち長い方の約1.2kbp の長さのc
DNA断片を確認することができ、これを精製した後、
T4DNAポリメラーゼ(宝酒造社製)により突出末端
を平滑末端として、プラスミドpUC118のHincIIサ
イトにサブクローニングし、得られたプラスミドをpT
X201と命名した。得られた約1.2kbp のDNA断片
を数種の制限酵素で切断し、アガロースゲル電気泳動に
より分析した。その結果を図4に示す。すなわち、図4
は約1.2kbp のDNA断片の制限酵素地図を示す図であ
る。プラスミドpTX201を制限酵素BamHI及び Sac
Iで切断し、このDNA断片を用いて、実施例3に記載
の方法と同様にして約1.2kbp のDNA断片の塩基配列
を決定した。配列の一部を配列表の配列番号18番に示
す。
【0091】(4−4)コムギエンド型XG転移酵素遺
伝子のクローニング及び塩基配列の決定 実施例2で得られた約1.1kbp のcDNAを、ランダム
プライマーDNAラベリングキットを用いて[α−
32P]dCTPで標識し、ハイブリダイゼーションのプ
ローブとした。コムギ(Triticum aestivum)組織mRN
Aから作製されたcDNAライブラリー(クロンテック
社製)についてプラークハイブリダイゼーション法を行
った。1×105 個のプラークに対して、約1個の割合
で陽性プラークが得られた。これらのプラークよりファ
ージを単離し、DNAを抽出した。このDNAを制限酵
素EcoRIにより切断し、アガロースゲル電気泳動により
cDNA挿入断片の長さを確認した。約0.9kbp のcD
NA断片を確認することができ、これを精製した後、プ
ラスミドpUC119のEcoRIサイトにサブクローニン
グし、該プラスミドをpWX101と命名した。得られ
た約0.9kbp のDNA断片を数種の制限酵素で切断し、
アガロースゲル電気泳動により分析した。その結果を図
5に示す。すなわち、図5は約0.9kbp のDNA断片の
制限酵素地図を示す図である。
【0092】プラスミドpWX101を用いて大腸菌J
M109株を形質転換し、形質転換体をEscherichia co
li JM109/pWX101 と命名、表示した。該菌株は、通商産
業省工業技術院生命工学工業技術研究所にFERM B
P−4225として寄託されている。プラスミドpWX
101を制限酵素XbaI及び Sse8387Iで切断し、こ
のDNA断片を用いて、実施例3に記載の方法と同様に
して約0.9kbp のDNA断片の塩基配列を決定した。配
列の一部を配列表の配列番号19番に示す。
【0093】実施例5 エンド型XG転移酵素遺伝子の
発現 5−1(発現用プラスミドpVX110の構築) 実施例2で得られたプラスミドpVX103を出発材料
として、Mutan-KTMを用いて、クンケルの方法に従って
配列表の配列番号15番の塩基番号58番のCをTに変
換して、塩基番号57番〜62番に制限酵素HincIIの認
識部位を持つプラスミドを構築し、pVX106と命名
した。pVX106を上記の操作で作製したHincIIの認
識部位とマルチクローニングサイトのHincIIの認識部位
とでHincIIにより切断し、約1.1kbp の断片を切り出し
た。該断片に10mer の NcoIリンカーをライゲーショ
ンキットを用いて付加し、 NcoIにより消化した。アガ
ロースゲル電気泳動により約1.1kbp のcDNA断片を
精製し、該断片をプラスミドpTV119N の NcoIサイトに
挿入した。挿入断片内には PvuIIの切断部位が非対称の
位置に存在するので、挿入した断片の向きを PvuIIによ
る消化物の大きさにより確認し、該断片がエンド型XG
転移酵素遺伝子のmRNAがlacプロモーターにより
転写されるような向きに挿入されているプラスミドをpV
X110と命名した。図14にpVX110の構築図を示す。pVX1
10を用いて大腸菌JM109を形質転換し、該形質転換
体をEscherichia coli JM109/pVX110 と命名した。
【0094】5−2(大腸菌によるエンド型XG転移酵
素の発現) 5−1で得られたEscherichia coli JM109/pVX110 を1
00μg/mlのアンピシリンを含むL−ブロス50mlに
懸濁し、37℃で振とう培養した。培養後の濁度がO.
D.660 =0.3となったところで、終濃度2mMとなるよ
うにIPTGを加え、IPTG添加後37℃で8時間振
とう培養した。培養終了後、O.D.660 =0.1の1ml
に相当する菌体を回収し、SDS−ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動(SDS−PAGE)を行った。発現用ベ
クターpTV119のみを用いて形質転換した大腸菌JM10
9株を上記と同様の条件で培養し、これを対照として、
同様にSDS−PAGEに供した。泳動終了後、ゲルを
クマシーブリリアントブルー(CBB、ナカライテスク
社製)により染色し、7%酢酸、25%メタノール液に
て脱色を行った。Escherichia coli JM109/pVX110 には
目的とする分子量約31kDa のバンドが見られ、エンド
型XG転移酵素の発現を確認した。
【0095】5−3(エンド型XG転移酵素の精製) Escherichia coli JM109/pVX110 を5−2と同様の方法
で、100μg/mlのアンピシリンを含むL−ブロス2
00mlに懸濁し培養した。培養終了後、培養液を遠心分
離して菌体を集め、10mlのトリス−塩酸緩衝液(pH
7.5)に懸濁したあと、超音波処理で菌体を破砕し、遠
心処理して上清画分と沈殿画分に分けた。沈殿画分は1
0mlの蒸留水に懸濁した。上清と沈殿各々2.5μlずつ
について5−2と同様の方法でSDS−PAGEを行っ
たところ、沈殿画分に目的のタンパク質があることが確
認された。懸濁液を再び遠心して得た沈殿画分10mgを
7M尿素、50mMジチオスレイトール(DTT)、20
mMトリス−塩酸(pH7.5)を含む緩衝液で溶解し、2
0mMトリス−塩酸(pH7.5)、1mMEDTAを含む外
液2 で一晩透析した。透析内液は、ウルトラフィルト
レーションメンブレン(アミコン社製)により濃縮し、
2倍量の100%飽和硫酸アンモニウム水溶液を最終濃
度66%となるように加え、15000rpmで10分間遠心す
ることによって、沈殿したタンパク質を回収した。この
沈殿タンパク質を20mMトリス−塩酸、150mlNaC
l水溶液750μlに溶解し、その150μlを、20
mMトリス−塩酸、150mlNaCl水溶液で平衡化した
TSKゲル2000SW(7.6×300mm)を備えたHPL
Cに注入した。流速0.5ml/分で、2分毎に溶出液を分
取し、溶出液の280nmにおける吸光度を測定してタン
パクの溶出位置を確認した。ゲルろ過終了後、各々のフ
ラクションについて、分子量50kDa のXGとピリジル
アミノ化したXG7量体を基質として、エンド型XG転
移酵素活性を測定した。この結果、分子量約31kDa の
溶出画分に、エンド型XG転移酵素活性が検出された。
【0096】実施例6 シロイヌナズナの形質転換体の
作成 6−1 プラスミドpAX301及びpAX302の構
築 配列表の配列番号17に示したシロイヌナズナのエンド
型XG転移酵素遺伝子の配列に基づいて、4種類のプラ
イマー、ATX−AS、ATS−AS、ATX−S、A
TS−Sをデザインし、合成した。それぞれの配列を配
列表の配列番号20、21、22、23に示す。ATS
−AS及びATX−Sはそれぞれ配列表の配列番号17
の塩基番号40〜56に対応する5′→3′の向きに相
当する配列の5′側に制限酵素SacI若しくはXba
Iの切断部位を付加したもの、ATX−AS、ATS−
Sはそれぞれ塩基番号1007〜1023に対応する
3′→5′の向きに相当する配列の5′側に制限酵素X
baI若しくはSacIの切断部位を付加したものであ
る。鋳型として、実施例4−(2)で得られたcDNA
約1ng(1μl)を0.5ml用チューブにとり、ジーンア
ンプTMキット中の10×PCR緩衝液10μl、1.25
mMdNTP混合液16μl、アンプリタックTMDNAポ
リメラーゼ2.5U、20pmolのプライマーATX−AS
及びATS−ASに滅菌蒸留水を加えて100μlと
し、ミネラルオイルを添加してPCRに供した。反応条
件は94℃(1分)、55℃(1分)、72℃(2分)
のサイクルを35回繰返した後、72℃に7分間維持し
た。プライマーATX−S、ATS−Sを用いた場合に
も、同じ条件でPCRを行った。反応後、反応液をアガ
ロースゲル電気泳動に供し、約1kbp のcDNAが特異
的に増幅されていることを確認した。これらのcDNA
をXbaI、SacIで切断後、それぞれ精製し、バイ
ナリーベクターpHI-H1-35S-IG の制限酵素XbaIサイ
トからSacIサイトの部位にサブクローニングした。
プライマーのATS−AS及びATX−ASの対を用い
て増幅されたDNA断片を挿入したプラスミドをpAX
301と命名し、プライマーATX−S、及びATS−
Sの対を用いて増幅されたDNA断片を挿入したプラス
ミドをpAX302と命名した。なお、pAX301を
用いて形質転換された大腸菌JM109株は、Escheric
hia coli JM109/pAX301 と命名、表示され、通商産業省
工業技術院生命工学工業技術研究所にFERM BP−
4222として寄託されている。
【0097】6−2 pAX301、pAX302のア
グロバクテリウムへの導入 6−1で得たプラスミドpAX301及びpAX302
各々20ngを用いて、アグロバクテリウム チュメファ
シエンス LBA4404株を、エレクトロポレーション法〔植
物細胞工学、第4巻、第193〜203頁、1992年
秀潤社発行〕により形質転換した。プラスミドDNA1
μg当り1×107 個の効率で形質転換体が得られ、該
形質転換体をLB-Km-Hg培地(バクトトリプトン10g、
酵母エキス5g、NaClの5g、50mgカナマイシ
ン、4,600Uハイグロマイシン 1リットル、pH7.
5)で各々純化した。pAX301、pAX302で形
質転換された菌株をそれぞれ LBA4404/pAX301株、 LBA
4404/pAX302株と命名した。対照実験としてバイナリー
ベクターpBI-H1-35S-IG のみを用いて同様にアグロバク
テリウム チュメファシエンス LBA4404株を形質転換
し、得られた形質転換体を LBA4404/pBI-H1-35S-IG 株
と命名した。
【0098】6−3 形質転換植物の作成 6−3−(1) 無菌シロイヌナズナの栽培 シロイヌナズナ Wassile wskija 株(以下WS株と称
す)の種子〔アラビドプシス インファメーション サ
ービス(Arabidopsis Information Service)、J.W.
Goethe大学内、A.R.クランズ(Kranz)、フランクフ
ルト、ドイツ〕数10粒を1.5mlチューブに入れ、70
%エタノール1mlに2分浸した。続いて滅菌液(5%次
亜塩素酸ナトリウム、0.02%トライトンX−100)
に5分浸し、滅菌水で5回洗浄した後に、GMプレート
〔ムラシゲ−スクーグ培地無機塩類(和光純薬社製)4.
6g、ショ糖10g、1000×ビタミンストック液
(シグマ社製)1ml、5%MES−KOH(pH5.7)
10ml、ジェランガム(和光純薬社製)5g/リット
ル〕に置き並べた。このプレートを4℃に2日間放置し
て低温処理を行い、続いて植物インキュベーター(トミ
ー精工社製、CFH-300)中に22℃、光強度6000ルク
ス、長日条件下(明期16時間、暗期8時間)にて、2
0日間培養した。
【0099】6−3−(2) アグロバクテリウムの感染 6−3−(1) で20日間培養したWS株の根を数株ずつ
そろえて、メスで1.5cm程度に切りそろえ、CIMプレ
ートに置き並べた。光強度3000ルクス、16時間明
期、8時間暗期で3日間培養し、根の切片をカルス化さ
せた。一方、6−2で得た LBA4404/pAX301株、 LBA44
04/pAX302株、 LBA4404/pBI-H1-35S-IG をLB-Km-Hg液
体培地で28℃2日間培養し、MS希釈液(ムラシゲ−
スクーグ無機塩類6.4g/リットル、pH6.2)で3倍
に希釈したものをそれぞれ1mlずつチューブに分注し、
この中にカルス化した根の切片を10分間浸した。2枚
重ねた滅菌ろ紙上に並べ、余分な水分を除き、新しいC
IMプレートに各々を置き並べた。同条件にて2日間共
存培養した。
【0100】6−3−(3) 除菌 各々の菌株が肉眼で観察できるまで十分に増殖した切片
を除菌液〔MS希釈液にクラフォランを終濃度200μ
g/mlになるように加えたもの〕に移し、ゆっくり振と
うさせながら30分間洗った。この操作を5回繰返した
あと、滅菌ろ紙上で水分を除き、SIMCプレートに置
き並べ、光強度6000ルクス、16時間明期、8時間
暗期で2日間培養した。
【0101】6−3−(4) 形質転換植物の選択 6−3−(3) で培養した切片をSIMCSプレート(S
IMCプレートにハイグロマイシンBを終濃度4.6U/
mlとなるように加えたもの)に移し、6−3−(3) と同
条件で培養した。以後、1週間毎に新しいSIMCSプ
レートに移植した。形質転換した切片は増殖を続け、塊
状に盛り上がったカルスとなるが、非形質転換切片は褐
変した。形質転換体は約2週間後、カルスが緑色を呈
し、約1ヵ月後、葉が形成され、その後ロゼット葉とな
った。
【0102】6−3−(5) 形質転換植物の再生 ロゼット葉となった植物体の根元を、カルス部分を含ま
ないようにメスで切り取り、RIMプレートに移した。
8〜10日間後、2cm程度の根が数本形成したものをピ
ンセットで無機塩類培地〔5mMKNO3 、2.5mMK−リ
ン酸緩衝液(pH5.5)、2mMMgSO4 、2mMCa
(NO3 2 、50μM Fe−EDTA、1000×微
量養素(Micronutrients) (70mMH3 BO3 、14mM
MnCl2、0.5mMCuSO 4 、1mMZnSo4 、0.2m
MNaMoO4 、10mMNaCl、0.01mMCoC
2 )1ml/リットル〕に浸したロックファイバーミニ
ポット(日東紡績社製)に定植させ、培養した。開花
し、さや形成後は、パーライトとバーミキュライト(T
ES社製)を1:1に混合し無機塩類混合培地に浸した
土に植え換えた。約1ヵ月後、1株につき約千粒の種子
が得られた。これを以後、T2種子と称す。
【0103】6−3−(6) 抗生物質耐性株の取得 T2種子約100粒を3−(1) と同様の方法で滅菌し、
MSHプレートに播種した。ほぼ3:1の割合でハイグ
ロマイシンB耐性株が発芽した。
【0104】6−4 DNA抽出とサザンハイブリダイ
ゼーション 6−3−(6) で発芽したT2種子を無機塩類培地に浸し
たロックファイバーミニポットにピンセットで移植し、
光強度6000ルクス、16時間明期、8時間暗期、2
2℃の条件下で培養した。2週間後、メスで地上部を切
り取り、直ちに液体窒素で凍結した。これを乳鉢にて液
体窒素も加えながら乳棒ですりつぶし粉末にした。液体
窒素が蒸発した直後に、1g当り、3mlのDNA抽出用
緩衝液〔200mMトリス−HCl(pH8.0)、100
mMEDTA−2Na、1%N−ラウロイルサルコシンナ
トリウム、100μg/mlプロティネースK(ベーリン
ガー社製)〕を入れ60℃に予熱したチューブに上記の
粉末を移し、かくはんした。60℃で1時間保温後、遠
心し上清を新しいチューブに移し、フェノール:クロロ
ホルム:イソアミルアルコール(25:24:1)抽出
を3回行った後、エタノール沈殿を行った。沈殿をTE
緩衝液〔10mMトリス−HCl(pH8.0)、1mMED
TA〕に溶解した。それぞれの植物体約1.7gずつか
ら、12μgずつのゲノムDNAが得られた。このうち
1μgのDNAを用いて、それぞれを制限酵素Hind II
I、 PstIで切断し、1%アガロースゲル電気泳動及び
サザンハイブリダイゼーションに供した。
【0105】また、形質転換を行っていないWS株の種
子を発芽、生育させ、植物体より、同様にDNAを抽出
し、制限酵素Hind III、 PstIによる消化を行い、1%
アガロースゲル電気泳動及びサザンハイブリダイゼーシ
ョンに供した。ハイブリダイゼーション用のプローブ
を、実施例6−1で増幅し、精製したセンスDNA配列
をもつ約1kbp のDNA断片を、下記のごとくランダム
プライマーラベリングキット(宝酒造社製)により(α
32P)dCTPで標識して作成した。すなわち、25
mgの上記DNA断片、2μlのランダムプライマーをチ
ューブにとり、蒸留水で5μlとし、95℃で3分間加
熱後氷中で急冷した。そこに、10倍濃度緩衝液、dN
TP混合液を各々2.5μl、標識dCTPを5μl加
え、蒸留水で24μlとし、クレノウフラグメント1μ
lを加えて37℃で3時間インキュベートした。酵素を
失活させたあと、95℃で3分間加熱し、氷中で急冷し
て熱変性させ、全量をハイブリダイゼーションに用い
た。
【0106】サザンハイブリダイゼーションは、マニア
ティス(Maniatis) ら編、モレキュラー クローニン
グ,ア ラボラトリー マニュアル(Molecular Clonin
g, a Laboratory Manual) 、第9章、第31〜58頁
〔コールド スプリング ハーバー(Cold Spring Harb
or) 社、1989年刊〕に記載の方法に従って行った。
すなわち、それぞれのDNA試料について1%アガロー
スゲル電気泳動を行い、泳動後、アルカリ変性を行いナ
イロンメンブラン〔ハイボンド−N(Hybond-N)、アマ
シャム社製〕に一晩サザンブロットした。紫外線トラン
スイルミネーター(254nm)に5分間照射させ、DN
Aを固定した。このメンブランをプレハイブリダイゼー
ション緩衝液(5×デンハーツ液、6×SSC、0.1%
SDS、10μg/mlサケ精子DNA)5ml中で50
℃、2時間プレハイブリダイゼーションを行った。プロ
ーブを加え、50℃で一晩ハイブリダイゼーションを行
った。ハイブリダイゼーションの後、メンブランを2×
SSC、0.1%SDSを含む洗浄液で室温10分間2回
洗浄し、続いて同じ洗浄液で50℃、30分間で2回洗
浄した。メンブランは乾燥させた後、X線フイルム(コ
ダック社製)を入れたカセット内で−80℃一晩感光さ
せ、オートラジオグラフィーをとった。形質転換を行っ
ていないWS株(1)、pAX301を導入した形質転
換体(2)、pAX302を導入した形質転換体
(3)、ベクターpBI-H1-35S-IG のみを導入した形質転
換体(4)について、サザンハイブリダイゼーションに
より検出されたシグナルのパターンを比較した。
(2)、(3)両方には、(1)〜(4)共通の内在性
のシグナルのほかに、Hind IIIで切断したサンプルでは
約1kbp 、PstIで切断したサンプルでは約3kbp の
位置に特異的なシグナルが観察され、エンド型XG転移
酵素をコードするDNAが(2)、(3)両方に組込ま
れていることが確認された。また、Hind IIIで切断した
サンプルでは、(2)では約10kbp の、(3)では約
20kbp の位置に特異的なシグナルが観察された。
(4)については、(1)と同様なパターンのシグナル
が得られた。
【0107】6−5 RNA抽出とノザンハイブリダイ
ゼーション 6−4と同様の方法で、ハイグロマイシンB耐性株30
株の地上部を切り取り、1.8gの植物組織を得た。オリ
ゴテックスdT−30による操作を除いて、実施例2−
と同様の方法で約500μgのRNAを調製した。ノ
ザンハイブリダイゼーション用のプローブを、以下の方
法で作成した。前出のプライマーATX−Sの5′末端
をメガラベルキット(宝酒造社製)を用いて32Pにより
標識し、一方、プライマーATS−Sの5′末端をビオ
チンにより標識した。この2種のプライマーを用い、実
施例4−(2)で得られた約1.3kbp のcDNAを鋳型
として実施例6−1と同様の条件でPCRを行い、反応
液にアビジンビーズ〔ダイナル(DYNAL)社製〕を
加えて、PCR産物を回収した。PCR産物を熱変性さ
せ、アビジンビーズを回収すると、5′末端を32Pによ
り標識されている方のDNAが溶液中に遊離する。実施
例4に記載の方法と同様の方法によりこのDNAの塩基
配列を確認し、センスDNA配列を有するプローブとし
た。同様に、5′末端を32Pで標識したATS−Sと
5′末端をビオチンで標識したATX−Sを用いて上記
と同様の操作を行い、アンチセンスDNA配列を有する
プローブを作成した。
【0108】ノザンハイブリダイゼーションは、前出の
モレキュラー クローニング第7章第39〜52頁に記
載の方法に従い、以下の方法で行った。すなわち、抽出
したRNA全量を、ホルムアルデヒド・ランニングアガ
ロースゲル(1%)で電気泳動した後、酢酸アンモニウ
ム溶液中で中和し、ナイロンメンブラン(ハイボンド−
N)に一晩ノザンブロットした。紫外線トランスイルミ
ネーター(254nm)に5分間照射させ、RNAを固定
した。このメンブランをプレハイブリダイゼーション緩
衝液〔50%ホルムアルデヒド、0.65M NaCl、
0.1M Na−Pipes(pH6.8)、5×デンハーツ液、
0.1%SDS、5mMEDTA、100μg/mlサケ精子
DNA〕20ml中で42℃、3時間プレハイブリダイゼ
ーションを行った。上述の方法で調製した32P標識プロ
ーブをハイブリダイゼーション緩衝液〔50%ホルムア
ルデヒド、0.65M NaCl、0.1M Na−Pipes
(pH6.8)、5×デンハーツ液、0.1%SDS、5mM
EDTA、10%硫酸デキストラン〕20mlに加え、
このプローブ溶液にプレハイブリダイゼーションを行っ
たメンブランを移し、42℃で一晩ハイブリダイゼーシ
ョンを行った。ハイブリダイゼーションの後、メンブラ
ンを2×SSC、0.1%SDSを含む洗浄液で50℃、
10分間4回洗浄した。メンブランは乾燥させた後、X
線フイルム(コダック社製)を入れたカセット内で−8
0℃で一晩感光させ、オートラジオグラフィーをとっ
た。センスDNA配列を有するプローブを用いた場合、
前出の(1)、(3)、(4)にはシグナルは認められ
なかったが、(2)には約1kbp のバンドが検出され、
エンド型XG転移酵素遺伝子のアンチセンスRNAが生
成していることが示された。一方、アンチセンスDNA
配列を有するプローブを用いた場合、(1)〜(4)す
べてに約1kbp のバンドが検出された。そのうち(3)
では、バンドのシグナルが(1)と比較して強く検出さ
れたが、反対に(2)ではシグナルが弱く検出された。
すなわち、pAX302を導入することにより、エンド
型XG転移酵素の発現は転写レベルで増強され、一方、
pAX301を導入することにより、転写レベルで抑制
されていることが示された。
【0109】実施例7 タバコの形質転換体の作成 7−1 プラスミドpTX301、pTX302の構築 配列表の配列番号18に示したトマトのエンド型XG転
移酵素遺伝子の配列に基づいて、4種類のプライマー、
TOMXSP、TOMXAP、TOMSAP、TOMS
SPをデザインし、合成した。それぞれの配列を配列表
の配列番号24、25、26、27に示す。TOMXS
P及びTOMSSPはそれぞれ配列表の配列番号18の
塩基番号46〜66に対応する5′→3′の向きに相当
する配列の5′側に制限酵素XbaI若しくはSacI
の切断部位を付加したもの、TOMSAP、TOMXA
Pはそれぞれ塩基番号921〜941に対応する3′→
5′の向きに相当する配列の5′側に制限酵素SacI
若しくはXbaIの切断部位を付加したものである。鋳
型として、実施例4−(3)で得られたcDNA約1ng
(1μl)を0.5ml用チューブにとり、ジーンアンプTM
キット中の10×PCR緩衝液10μl、1.25mMdN
TP混合液16μl、アンプリタックTMDNAポリメラ
ーゼ2.5U、及び0.1μg/μlのプライマーTOMX
SP及びTOMSAPそれぞれ1μlに滅菌蒸留水を加
えて100μlとし、ミネラルオイルを添加してPCR
に供した。反応条件は94℃(30秒)、37℃(2
分)、72℃(1分)のサイクルを25回繰返した。プ
ライマーTOMSSP及びTOMXAPを用いた場合に
も、同じ条件でPCRを行った。反応終了後、反応液を
各々エタノール沈殿により濃縮し、XbaI、SacI
で切断後、それぞれ精製し、バイナリーベクターpBI-H1
-35S-IG の制限酵素XbaIサイトからSacIサイト
の部位にサブクローニングした。プライマーのTOMX
SP及びTOMSAPの対を用いて増幅されたDNA断
片を挿入したプラスミドをpTX301と命名し、プラ
イマーTOMSSP、及びTOMXAPの対を用いて増
幅されたDNA断片を挿入したプラスミドをpTX30
2と命名した。
【0110】なお、pTX301を用いて形質転換され
た大腸菌JM109株は、Escherichia coli JM109/pTX
301 と命名、表示され、通商産業省工業技術院生命工学
工業技術研究所にFERM BP−4223として寄託
され、pTX302を用いて形質転換された大腸菌JM
109株は、Escherichia coli JM109/pTX302 と命名、
表示され、通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究
所にFERM BP−4224として寄託されている。
【0111】7−2 pTX301、pTX302のア
グロバクテリウムへの導入 実施例6−2と同様の方法でpTX301及びpTX3
02各々20ngを用いてアグロバクテリウム チュメフ
ァシエンス LBA4404株を形質転換した。また、コントロ
ールとしてpBI-H1-35S-IG のみを用いてアグロバクテリ
ウム チュメファシエンス LBA4404株を形質転換した。
各々の形質転換体を純化し、それぞれの形質転換体を L
BA4404/pTX301株、 LBA4404/pTX302株、 LBA4404/pB
I-H1-35S-IG 株と命名した。
【0112】7−3 形質転換植物の作成 タバコへの導入は、リーフディスク法で行った。すなわ
ち、まず無菌的に生育させたタバコSR−1株の葉を取
り、滅菌したメスで葉脈を含むように約1cm平方のリー
フディスクを作った。実施例7−2で得られた LBA4404
/pTX301株、 LBA4404/pTX302株、 LBA4404/pBI-H1-3
5S-IG 株をLB培地で一晩培養したもの200μlをム
ラシゲ−スクーグ(MS)培地5mlの入った滅菌シャー
レに加え、滅菌ピンセットでリーフディスクを10枚移
した。シャーレを回すように混ぜた後、水分が蒸発しな
いようにパラフイルムでシールし、28℃暗所で3日間
静置し、共存培養した。その後、MS培地20mlの入っ
たシャーレにリーフディスクを移し、シャーレを回すよ
うにして過剰なアグロバクテリウムを洗い除いた。この
操作を3回繰返し、ペーパータオルで過剰な水分を除い
た後、葉の表面を下にして、カナマイシン−ハイグロマ
イシン−カルベニシリンを含み、植物ホルモンとして0.
2μl/mlの1−ナフタレン酢酸、1μl/mlのベンジ
ルアデニンを含む固形MS培地に載せ、26℃、12時
間明所、12時間暗所のサイクルで、植物インキュベー
ター CFH-300(トミー精工社製)中で培養した。4週間
後、カミソリでカルス部分をできるだけ除き、出現した
茎葉をディスクから切り離し、カナマイシン−ハイグロ
マイシン−カルベニシリンを含むMS培地にさし、同じ
条件で培養した。2週間後発根した植物体をピートモス
・バーミキュライト3:2の土に移植し、植物インキュ
ベーター中で生育させた。
【0113】7−4 DNA抽出とサザンハイブリダイ
ゼーション 7−3で生育した植物体の葉の組織をメスで切り取り、
6−4と同様にしてゲノムDNAを調製した。10μg
のゲノムDNAを制限酵素PstIで完全に消化した
後、1%アガロースゲルで電気泳動し、更に6−4と同
様にサザンハイブリダイゼーションに供した。ハイブリ
ダイゼーション用のプローブは、実施例7−1で増幅
し、精製した、約930bpのDNA断片を6−4と同様
の方法で32Pにより標識して作成したものを用いた。そ
の結果、pTX301、及びpTX302を導入したタ
バコでは、コントロールとしてpBI-H1-35S-IG を導入し
たタバコ及び形質転換を行っていないタバコと比べて、
タバコのエンド型XG転移酵素遺伝子と考えられるバン
ドのほかにバンドが現われ、あるいは他のバンドと明ら
かに異なる強いシグナルのバンドが検出された。このこ
とより、pTX301及びpTX302を導入したタバ
コには、トマトエンド型XG転移酵素遺伝子の配列が導
入されていることが確認された。
【0114】7−5 RNA抽出とノザンハイブリダイ
ゼーション 7−3で生育した植物体の葉の組織をメスで切り取り、
6−5と同様の方法でRNAを調製した。6−5と同様
の方法により、ノザンハイブリダイゼーション用のプロ
ーブを作成した。すなわち、5′末端を32P標識したT
OMXSPと、5′末端をビオチン標識したTOMSA
PによりセンスDNA配列を有するプローブを、5′末
端を32P標識したTOMSAPと5′末端をビオチン標
識したプライマーTOMXSPを用いてアンチセンスD
NA配列を有するプローブをそれぞれ作成した。6−5
に記載の方法と同様にして、ノザンハイブリダイゼーシ
ョンを行った。その結果、センスDNA配列を有するプ
ローブを用いた場合、pBI-H1-35S-IG及びpTX301
を導入したタバコ及び形質転換を行っていないタバコで
はバンドは認められなかったが、pTX302を導入し
たタバコでは相応するバンドが確認された。一方、アン
チセンスDNA配列を有するプローブを用いた場合、pB
I-H1-35S-IG を導入したタバコ及び形質転換を行ってい
ないタバコでは相応するバンドが得られ、pTX301
を導入したタバコでは更に強いバンドが認められた。p
TX302を導入したタバコでは、かすかにしかバンド
は認められなかった。このことより、pTX301を導
入することによりエンド型XG転移酵素遺伝子のmRN
Aの量が増加していることが確認され、その結果エンド
型XG転移酵素の発現が増強されていることが確認され
た。またpTX302を導入することにより、エンド型
XG転移酵素遺伝子のアンチセンスRNAが生成されて
おり、その結果、内因性のエンド型XG転移酵素遺伝子
の発現が抑制されていることが確認された。
【0115】
【発明の効果】本発明により、植物細胞壁の成長の機構
において重要な意義をもつ、XG分子の転移反応に関与
するエンド型XG転移酵素及び該酵素をコードする遺伝
子が提供される。またエンド型XG転移酵素遺伝子のク
ローニング方法、エンド型XG転移酵素の遺伝子組換体
による製造方法、エンド型XG転移酵素遺伝子のアンチ
センスDNA及びアンチセンスRNAが提供され、更に
エンド型XG転移酵素の発現の調節方法、植物体の形態
制御方法、XG分子の転移方法が提供される。
【0116】
【配列表】
【0117】配列番号:1 配列の長さ:1133 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA ハイポセティカル配列:NO アンチセンス:YES 起源:生物名:ビグナ アンギュラリス(Vigna angular
is) 配列: TTTTTTTTTT AACCAGTATA AACTAGTAGT ATTACTAGTA TATTGATTCA GAGTGAAACA 60 GAATTACAGA TACAAATTAA GGCACAGAGC CATATCTGGT ACATAGCCAA ACAGTAGCAG 120 CAATAAATGA TGATATGATT ATCAACAATA CAGGAAGCAA TAGCAAGCTC AAATGAAATC 180 TGTATCAGCA CTTAGGTGGG AACTTTATGG GAGTGTGATA TTGAAAATAA TGAGGCCTTA 240 AAGTATAGGT TAAAATGATT AAATGTCACG GTCTCTGGTG CACTCTGGAG GGACTTGAGA 300 GTAGCGTTTG CGATCAGTGC AGTAGTTGTA GATGGTGTAT TTGTTGCGTA CCCAAGCCAG 360 TTTTTGCCAC TGAGCAGCAT CAAGGTCACG AAACTCTGGT TGATCCCACC ACCTCTTGCC 420 TTGTGTGTCA CAGAACTTGG CATTCACTGA GGCCTCACAC CCATCAATGT GGAAGCCCTT 480 GTAAGAGGCT ATGAAGGGGG CTTTGGACCA ATCTGTTTTC TCCAAACCAC CCCTTGTAGC 540 CCAGTCATCT GCATTCCACA AACTGTTGTA TATTTTCATT GGTTGATTGA AGGGGAACTT 600 CACTCCCAAG TCATTGCTGT TCTTGAACAC CCTTATTGGG TAGTCATCCA CATAGAATAC 660 AATCTGGTAC ATGTTCCATA GCACTGAATA TCTGTGGTAT TGAGTCGTAG GGTCAAACCA 720 GAGGTAGATT CTCTGCTCTC TGTCACCTTT GCCTCCGGTG AACACATTTG TTTGTAAAAT 780 GTATGGTTGC CCAGTTCTGT TTCCCAAGAA CTCGAAGTCT ATTTCATCAT GTTCTGCGTT 840 TGTGGACGAT AAATAGAAAG CAGTGACTGT GCCAGCTGAA TCACCAGGAA CCAATTTTAT 900 GTACATGCTG AAGTGACCAA ACAAGTATGA CCCTTTGGAC TGGAATCCAG TACCAGTGTA 960 CTTATCGAGA TGAAGCTGAA TCTCAGAACC TCCATTGAGA TATTTGATAT GATCAAAGGC 1020 CCAAGTAGGC ACATAGTTTC TGCCAAATGG TACATCAATT GGAGTTCTTG GGTTGGCAGC 1080 GAAAGAAGCA GAAGCCAGTG ATAACAGAAT CAGACAAGTC CACAAAGAAG AAC 1133
【0118】配列番号:2 配列の長さ:957 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA ハイポセティカル配列:NO アンチセンス:YES 起源: 生物名:ダイズ(Glycine max) 配列: TGAAAAGAGA AGCAACAATA ATAAAGTGAA TGAGAAATTT AAATATCACG GACTAAAATA 60 TCTATTCACT CGAAATTTAA ATGTCACGGT CTCTTTTGCA CTCAGGAGGA GAGATATGAG 120 GATAGCGTTT AGTGTCAGTG CAGTAGTTGT AGATGGTGTA TTTCTGGCGC ACCCATCTGA 180 GCCTACGCCA CTGGGCGGCG TCAAGGTCAC GGAACTCAGG CTGGTCCCAC CACCTCTTGC 240 CCTGCGTGTC GCAGAACTTG GCGTTCACCG AAGCCTCGCA CCCGTCGATG TGAAACCCCT 300 TGTACGCTGC TATGAAGGGT GCTTTCGACC AATCCGTTTT CTCCAAACCA CCCCTCGTTG 360 CCCAGTCATC AGCGTTCCAC AAACTGTTGT AGATCTTCAT TGGCTGGTCG AATGGGAATT 420 TCACTCCCAA GTCCTTGCTG TTCTTGAACA CCCTGATTGG CACCTCGTCC ACAAAGAACA 480 CAATCTGATA CAAGTTCCAG AGAATGGAGT ATCTGTGGTA TTCTTTCGTG GGATCAAACC 540 AGAGATAGAT TCTTTGCTCT CTATCACCCT TGCCTCCGGT GAACACATTT GTTTGCAGAA 600 TGTAAGGTTG TCCTGTTCTG TTCCCCAAGA ACTCAAAGTC TATCTCATCA TGCTCCGCGT 660 TTTGGGAAGA TAAATAGAAA GCAGTGACTG TGCCAGCAGA ATCTCCAGGA ACCATCTTTA 720 TGTACATGCT GAAGTGACCA AACAAGTAAG ACCCTTTGGA CTGGAAGCCA GTACCAGTGT 780 ACTTGTCAAG ATGAAGCTGA ATGTCAGAAC CACCATTGAA ATATTTGATG TGATCAAAGG 840 CCCATGTGGG CACGTAGTTT CGGCCAAATT GTACATCCAC TGGCCTGCGT GGGTTGGCAC 900 AGAGTGCTGC AGAGGCCAGT GATGCCAAAA TCACACACAC CGTCCACACA GAAAAAA 957
【0119】配列番号:3 配列の長さ:1320 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA ハイポセティカル配列:NO アンチセンス:YES 起源: 生物名:シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana) 配列: TTTTTTTTTT TTTTTTATGA AAATACATAG CTAATCAATA CATATATGAA TTATAACATG 60 TAATTTTAGG CCCAAATATA GCATAAACAT CATGGGCCAA CAAACAATAC ATATATCAAT 120 CTCTTGAACA AGCATAATTC AAATAATAAT GATAGCATAA ATTCATTAAA ACCCTCAAGA 180 GTAGTAACTT ATGCGTCTCT GTCCCTTTTA CATTCAGCTG GCATAACCGG GAACCTAGTC 240 CGGTCGGTAC AGTAGTTGTA GATGGTCCAC TTCATACGAA CCCATTTGAG ACGACGCCAT 300 TGTTCAGCGT CAAGGTCACG GAACTCTTTC TGATCCCACC ACATGCGGCC TTGTGTGGCA 360 CAGTACTTGG CTTCCACAGA AGCTTGGCAA CCATCTATGT GGAATCCTTT GTAAGATGCA 420 ACGAAAGGTG CATTGGCCCA ATTGGTCTTC TCTAAACCGC CTCTCGTGGC CCAATCATCC 480 GCGTTCCAAA GGCTTGAGTA AAGCTTCATT GGTTGGTTGA ATGGGAAACG TACTCCTAGA 540 TCCTTAGCAT TCTTGAACGT TCGGATTGGT ATGTTGTCAA CAAAGAATAC GATCTGGTAC 600 ATGTTCCAAA GGATTGAGTA AGTGTGATAA GCCTTAGAAG GATCAAACCA GAGATAGATT 660 CGTTGTTCTC TGTTTCCCTT TCCTCCTGTG AATACATTTG TCTGTAATAT AGCTGGTTGT 720 CCTGTTCTGT TTCCAAGGAA CTCAAAGTCT ATCTCGTCAT GCTCATTGTT GGTAGATGAT 780 AGATAGAAAG CTGTGACAAC TCCGGCTGTG TCACCAGCTG GAAGCTTTAT GTGCATACTA 840 AAATGTCCAA ACAAATATGA CCCCTTTGAT TGAAATCCTG TGCCAGTGTA TTTGTCGAGG 900 ATAAGCTGAA GTTCGGAACC GCCATTGAAC TGTTTCTGGT GGTCAAAAGC CCAAGTTGGG 960 ACGTAGTTAC GACCAAATGG TACATCAATG GCCTTGCGTG GAGGAATAGC CATTACCATT 1020 GTTGAAGAAA CCATTAGAAA GAGAGCCATG AGAGCCCATG GAGATGAAGA AACAGTCATG 1080 GGTGGGTTTA TTATATGATG ATGATAGTCT CCAAGCTATC CTGGATCTGA CAGCTGACTG 1140 GACTCCAGCA GAGAGAGAGA TGCTAAGGAA CAAAGTCCCA GTTACTGGCT TAAAGACTCC 1200 TTTTAGGGAT GGTTTGTTAA AGCATGTCGC TGAAGATGTC CCTGAAACTC GCAAAGGATG 1260 GTTTAGAGCG CAGAGGCTAC AAGGAAGCGG TTTCTTGAAC GCAGTCGATG AAGTGGTCAT 1320
【0120】配列番号:4 配列の長さ:1128 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA ハイポセティカル配列:NO アンチセンス:YES 起源: 生物名:トマト(Lycopersicon esculentum) 配列: GAGACATGAA AGGCCTGGCA TGAGATACAT AATATCCTCA TGACTCCACC AATAATGATA 60 CACTCAAAAA GAATTAGGGA AATACAGCTC AATTAAAAGC ACTTTGTTTT AAGGATCATT 120 AAAATACTCA CACATAAAGC ATATTAAGTT TTTTTTCTTC ATAAAGTCCC TCTTAATTTT 180 GATTATGATT TTAAATATCT CTGTCCTTAG TGCACTCTGG TGGTGGAACA GGGTACCTCG 240 CTTTATCAGT GCAATAGTTA TAAACAGTGT ATTTTTGACG AACCCAACGA AGTCTCCTAT 300 ACTGTAATGC ATCTAAATCT TGGAAGGCCT TTTGATCCCA CCATTTCATG CCTTTAGTGT 360 TACAAACTTG GACTTCTTGT GGCGTGGCAG CTTCACATCC ATCCACGTGG AACGATGTGT 420 ATGACGCGGT GAATGGGGCG TTGGCCCAAT TGGTTTTCTC AAGCCCACCT CTTGTGGCCC 480 AATCATCTGC GTCCCATAGA CTCGAGTATA TCTTCATGGG CTGATTGAAT GGAAATTTCA 540 CACCAAGATC TTTCGAATTT TTGAATGCTC TAATTGGAAC GTCGTCCACA AAGATCACAA 600 TGAGGTATGT ATTCCAAAGA ACAGAATAAG AATGGTAGCC CTTGGTTGGA TCAAACCAAA 660 GATATATTCT CTGTTCTCTG TTTCCTTTTC CTCCTGTGAA TACATTTGTC TGCAATATGT 720 ATGGCTGCCC AGTTCTGTTC CCCAAAAATT CAAAATCTAT CTCATCGTGC TCTGCATTAT 780 TCGATGACAG GTAAAATGCA GTGACAACAC CAGCTGAGTC TCCACCAACA AGCCTCATTT 840 TCATACTGAA ATGCCCAAAC AGATATGATT TCTTTGACTG AAATCCAGCT CCTGAAGATC 900 TGTCGAGAAT AAGATCAGTA GTGGTACCAC CATTGAGGAA CTTAATATGG TGACTAGCCC 960 AACTTGGCTC ATAGTTTTTC CAAAAGGGCA CATCTACTGG CCTTCTAGGA TACCCACAAA 1020 ATACAACAAG TGACAAATTA ATCAAAACAA TACTAAATAA AACTCCTTTT ATGATACCCA 1080 TGGTGAGAAA AACAAATCCA ATCAGAGACC AGTGTTTGTG TATTTTTC 1128
【0121】配列番号:5 配列の長さ:872 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA ハイポセティカル配列:NO アンチセンス:YES 起源: 生物名:コムギ (Triticum aestivum) 配列: AGCGGTCGTG GTCGGTGCAG TAGTTGTAGA TGGTGTGCTC CTTCCTGACC CAGGCGAGGC 60 GGCGGTACTG CGCGGCGTCC AGGTCCTGGA ACTCGGGCTG GTCCCACCAG CGGGCGCCCT 120 GGGTGGCGCA GAACTTGGCC TCCGCGGACG CCTCGCAGCC GTCGACGTGG AAGCCCCGGT 180 AGGAGGCGAC GAAGGGCGCC TTGGACCAGT CCGTCTTCTC CCGCCCGCCC CGGGTCGCCC 240 AGTCGTCCGC GTTCCACAGG CTGGAGTAGA GCTTCATGGG CTGGTCGAAC GGGTACCGCA 300 CCCCGAGGTC CTTGCTGTTC TTGAACACCC GGATCGGCGT GTCGTCCACG AAGAACGCGA 360 TCATGTAGAG GTTCCAGAGG ACGGAGTAGG AGTGGTAGTC CTTGGTTGGG TCGAACCAGA 420 GGTAGATCCT CTGCTCCCGG TCGCCCTTGC CGCCGGAGAA CACGTTGGTC TGCAGGATGT 480 ACGGCTGCCC CGTCCTGTTC CCCAAGAACT CGAAGTCGAT CTCGTCGTGC TCCGAGTTCT 540 GTGACGACAG GTAGAAGGCG GTGACGGTGC CGGCGGAGTC GCCGCCGACG AGCTTGATGT 600 GCATGCTGAA GTGGCCGAAG AGGTAGGAGC CCCGGGTCTG GAAGCCCGTG CCGGTGGTCT 660 TGTCCAGGGA CAGCTGCACC TCCCGCCCGC CGTTCACGTA GTGGATGTGG TCCTGCGCCC 720 ACGTCGGCAC GTAGTTCTTG TCGAACGGCA CGTCCACCGG CTTCCGGGGC GCTGCCGCCA 780 CGCCGCGTAG CAGCACCGCC GCCACCACGG CGAGGAGGGC CCCCGCGGTC GCCTTCATTT 840 CGCCGGCCGG CCTCTCTTCC TCCTTCTCTG TT 872
【0122】配列番号:6 配列の長さ:1133 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:mRNA ハイポセティカル配列:NO アンチセンス:YES 起源:生物名:ビグナ アンギュラリス(Vigna angular
is) 配列: UUUUUUUUUU AACCAGUAUA AACUAGUAGU AUUACUAGUA UAUUGAUUCA GAGUGAAACA 60 GAAUUACAGA UACAAAUUAA GGCACAGAGC CAUAUCUGGU ACAUAGCCAA ACAGUAGCAG 120 CAAUAAAUGA UGAUAUGAUU AUCAACAAUA CAGGAAGCAA UAGCAAGCUC AAAUGAAAUC 180 UGUAUCAGCA CUUAGGUGGG AACUUUAUGG GAGUGUGAUA UUGAAAAUAA UGAGGCCUUA 240 AAGUAUAGGU UAAAAUGAUU AAAUGUCACG GUCUCUGGUG CACUCUGGAG GGACUUGAGA 300 GUAGCGUUUG CGAUCAGUGC AGUAGUUGUA GAUGGUGUAU UUGUUGCGUA CCCAAGCCAG 360 UUUUUGCCAC UGAGCAGCAU CAAGGUCACG AAACUCUGGU UGAUCCCACC ACCUCUUGCC 420 UUGUGUGUCA CAGAACUUGG CAUUCACUGA GGCCUCACAC CCAUCAAUGU GGAAGCCCUU 480 GUAAGAGGCU AUGAAGGGGG CUUUGGACCA AUCUGUUUUC UCCAAACCAC CCCUUGUAGC 540 CCAGUCAUCU GCAUUCCACA AACUGUUGUA UAUUUUCAUU GGUUGAUUGA AGGGGAACUU 600 CACUCCCAAG UCAUUGCUGU UCUUGAACAC CCUUAUUGGG UAGUCAUCCA CAUAGAAUAC 660 AAUCUGGUAC AUGUUCCAUA GCACUGAAUA UCUGUGGUAU UGAGUCGUAG GGUCAAACCA 720 GAGGUAGAUU CUCUGCUCUC UGUCACCUUU GCCUCCGGUG AACACAUUUG UUUGUAAAAU 780 GUAUGGUUGC CCAGUUCUGU UUCCCAAGAA CUCGAAGUCU AUUUCAUCAU GUUCUGCGUU 840 UGUGGACGAU AAAUAGAAAG CAGUGACUGU GCCAGCUGAA UCACCAGGAA CCAAUUUUAU 900 GUACAUGCUG AAGUGACCAA ACAAGUAUGA CCCUUUGGAC UGGAAUCCAG UACCAGUGUA 960 CUUAUCGAGA UGAAGCUGAA UCUCAGAACC UCCAUUGAGA UAUUUGAUAU GAUCAAAGGC 1020 CCAAGUAGGC ACAUAGUUUC UGCCAAAUGG UACAUCAAUU GGAGUUCUUG GGUUGGCAGC 1080 GAAAGAAGCA GAAGCCAGUG AUAACAGAAU CAGACAAGUC CACAAAGAAG AAC 1133
【0123】配列番号:7 配列の長さ:957 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:mRNA ハイポセティカル配列:NO アンチセンス:YES 起源: 生物名:ダイズ(Glycine max) 配列: UGAAAAGAGA AGCAACAAUA AUAAAGUGAA UGAGAAAUUU AAAUAUCACG GACUAAAAUA 60 UCUAUUCACU CGAAAUUUAA AUGUCACGGU CUCUUUUGCA CUCAGGAGGA GAGAUAUGAG 120 GAUAGCGUUU AGUGUCAGUG CAGUAGUUGU AGAUGGUGUA UUUCUGGCGC ACCCAUCUGA 180 GCCUACGCCA CUGGGCGGCG UCAAGGUCAC GGAACUCAGG CUGGUCCCAC CACCUCUUGC 240 CCUGCGUGUC GCAGAACUUG GCGUUCACCG AAGCCUCGCA CCCGUCGAUG UGAAACCCCU 300 UGUACGCUGC UAUGAAGGGU GCUUUCGACC AAUCCGUUUU CUCCAAACCA CCCCUCGUUG 360 CCCAGUCAUC AGCGUUCCAC AAACUGUUGU AGAUCUUCAU UGGCUGGUCG AAUGGGAAUU 420 UCACUCCCAA GUCCUUGCUG UUCUUGAACA CCCUGAUUGG CACCUCGUCC ACAAAGAACA 480 CAAUCUGAUA CAAGUUCCAG AGAAUGGAGU AUCUGUGGUA UUCUUUCGUG GGAUCAAACC 540 AGAGAUAGAU UCUUUGCUCU CUAUCACCCU UGCCUCCGGU GAACACAUUU GUUUGCAGAA 600 UGUAAGGUUG UCCUGUUCUG UUCCCCAAGA ACUCAAAGUC UAUCUCAUCA UGCUCCGCGU 660 UUUGGGAAGA UAAAUAGAAA GCAGUGACUG UGCCAGCAGA AUCUCCAGGA ACCAUCUUUA 720 UGUACAUGCU GAAGUGACCA AACAAGUAAG ACCCUUUGGA CUGGAAGCCA GUACCAGUGU 780 ACUUGUCAAG AUGAAGCUGA AUGUCAGAAC CACCAUUGAA AUAUUUGAUG UGAUCAAAGG 840 CCCAUGUGGG CACGUAGUUU CGGCCAAAUU GUACAUCCAC UGGCCUGCGU GGGUUGGCAC 900 AGAGUGCUGC AGAGGCCAGU GAUGCCAAAA UCACACACAC CGUCCACACA GAAAAAA 957
【0124】配列番号:8 配列の長さ:1320 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:mRNA ハイポセティカル配列:NO アンチセンス:YES 起源: 生物名:シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana) 配列: UUUUUUUUUU UUUUUUAUGA AAAUACAUAG CUAAUCAAUA CAUAUAUGAA UUAUAACAUG 60 UAAUUUUAGG CCCAAAUAUA GCAUAAACAU CAUGGGCCAA CAAACAAUAC AUAUAUCAAU 120 CUCUUGAACA AGCAUAAUUC AAAUAAUAAU GAUAGCAUAA AUUCAUUAAA ACCCUCAAGA 180 GUAGUAACUU AUGCGUCUCU GUCCCUUUUA CAUUCAGCUG GCAUAACCGG GAACCUAGUC 240 CGGUCGGUAC AGUAGUUGUA GAUGGUCCAC UUCAUACGAA CCCAUUUGAG ACGACGCCAU 300 UGUUCAGCGU CAAGGUCACG GAACUCUUUC UGAUCCCACC ACAUGCGGCC UUGUGUGGCA 360 CAGUACUUGG CUUCCACAGA AGCUUGGCAA CCAUCUAUGU GGAAUCCUUU GUAAGAUGCA 420 ACGAAAGGUG CAUUGGCCCA AUUGGUCUUC UCUAAACCGC CUCUCGUGGC CCAAUCAUCC 480 GCGUUCCAAA GGCUUGAGUA AAGCUUCAUU GGUUGGUUGA AUGGGAAACG UACUCCUAGA 540 UCCUUAGCAU UCUUGAACGU UCGGAUUGGU AUGUUGUCAA CAAAGAAUAC GAUCUGGUAC 600 AUGUUCCAAA GGAUUGAGUA AGUGUGAUAA GCCUUAGAAG GAUCAAACCA GAGAUAGAUU 660 CGUUGUUCUC UGUUUCCCUU UCCUCCUGUG AAUACAUUUG UCUGUAAUAU AGCUGGUUGU 720 CCUGUUCUGU UUCCAAGGAA CUCAAAGUCU AUCUCGUCAU GCUCAUUGUU GGUAGAUGAU 780 AGAUAGAAAG CUGUGACAAC UCCGGCUGUG UCACCAGCUG GAAGCUUUAU GUGCAUACUA 840 AAAUGUCCAA ACAAAUAUGA CCCCUUUGAU UGAAAUCCUG UGCCAGUGUA UUUGUCGAGG 900 AUAAGCUGAA GUUCGGAACC GCCAUUGAAC UGUUUCUGGU GGUCAAAAGC CCAAGUUGGG 960 ACGUAGUUAC GACCAAAUGG UACAUCAAUG GCCUUGCGUG GAGGAAUAGC CAUUACCAUU 1020 GUUGAAGAAA CCAUUAGAAA GAGAGCCAUG AGAGCCCAUG GAGAUGAAGA AACAGUCAUG 1080 GGUGGGUUUA UUAUAUGAUG AUGAUAGUCU CCAAGCUAUC CUGGAUCUGA CAGCUGACUG 1140 GACUCCAGCA GAGAGAGAGA UGCUAAGGAA CAAAGUCCCA GUUACUGGCU UAAAGACUCC 1200 UUUUAGGGAU GGUUUGUUAA AGCAUGUCGC UGAAGAUGUC CCUGAAACUC GCAAAGGAUG 1260 GUUUAGAGCG CAGAGGCUAC AAGGAAGCGG UUUCUUGAAC GCAGUCGAUG AAGUGGUCAU 1320
【0125】配列番号:9 配列の長さ:1128 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:mRNA ハイポセティカル配列:NO アンチセンス:YES 起源: 生物名:トマト(Lycopersicon esculentum) 配列: GAGACAUGAA AGGCCUGGCA UGAGAUACAU AAUAUCCUCA UGACUCCACC AAUAAUGAUA 60 CACUCAAAAA GAAUUAGGGA AAUACAGCUC AAUUAAAAGC ACUUUGUUUU AAGGAUCAUU 120 AAAAUACUCA CACAUAAAGC AUAUUAAGUU UUUUUUCUUC AUAAAGUCCC UCUUAAUUUU 180 GAUUAUGAUU UUAAAUAUCU CUGUCCUUAG UGCACUCUGG UGGUGGAACA GGGUACCUCG 240 CUUUAUCAGU GCAAUAGUUA UAAACAGUGU AUUUUUGACG AACCCAACGA AGUCUCCUAU 300 ACUGUAAUGC AUCUAAAUCU UGGAAGGCCU UUUGAUCCCA CCAUUUCAUG CCUUUAGUGU 360 UACAAACUUG GACUUCUUGU GGCGUGGCAG CUUCACAUCC AUCCACGUGG AACGAUGUGU 420 AUGACGCGGU GAAUGGGGCG UUGGCCCAAU UGGUUUUCUC AAGCCCACCU CUUGUGGCCC 480 AAUCAUCUGC GUCCCAUAGA CUCGAGUAUA UCUUCAUGGG CUGAUUGAAU GGAAAUUUCA 540 CACCAAGAUC UUUCGAAUUU UUGAAUGCUC UAAUUGGAAC GUCGUCCACA AAGAUCACAA 600 UGAGGUAUGU AUUCCAAAGA ACAGAAUAAG AAUGGUAGCC CUUGGUUGGA UCAAACCAAA 660 GAUAUAUUCU CUGUUCUCUG UUUCCUUUUC CUCCUGUGAA UACAUUUGUC UGCAAUAUGU 720 AUGGCUGCCC AGUUCUGUUC CCCAAAAAUU CAAAAUCUAU CUCAUCGUGC UCUGCAUUAU 780 UCGAUGACAG GUAAAAUGCA GUGACAACAC CAGCUGAGUC UCCACCAACA AGCCUCAUUU 840 UCAUACUGAA AUGCCCAAAC AGAUAUGAUU UCUUUGACUG AAAUCCAGCU CCUGAAGAUC 900 UGUCGAGAAU AAGAUCAGUA GUGGUACCAC CAUUGAGGAA CUUAAUAUGG UGACUAGCCC 960 AACUUGGCUC AUAGUUUUUC CAAAAGGGCA CAUCUACUGG CCUUCUAGGA UACCCACAAA 1020 AUACAACAAG UGACAAAUUA AUCAAAACAA UACUAAAUAA AACUCCUUUU AUGAUACCCA 1080 UGGUGAGAAA AACAAAUCCA AUCAGAGACC AGUGUUUGUG UAUUUUUC 1128
【0126】配列番号:10 配列の長さ:872 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:mRNA ハイポセティカル配列:NO アンチセンス:YES 起源: 生物名:コムギ (Triticum aestivum) 配列: AGCGGUCGUG GUCGGUGCAG UAGUUGUAGA UGGUGUGCUC CUUCCUGACC CAGGCGAGGC 60 GGCGGUACUG CGCGGCGUCC AGGUCCUGGA ACUCGGGCUG GUCCCACCAG CGGGCGCCCU 120 GGGUGGCGCA GAACUUGGCC UCCGCGGACG CCUCGCAGCC GUCGACGUGG AAGCCCCGGU 180 AGGAGGCGAC GAAGGGCGCC UUGGACCAGU CCGUCUUCUC CCGCCCGCCC CGGGUCGCCC 240 AGUCGUCCGC GUUCCACAGG CUGGAGUAGA GCUUCAUGGG CUGGUCGAAC GGGUACCGCA 300 CCCCGAGGUC CUUGCUGUUC UUGAACACCC GGAUCGGCGU GUCGUCCACG AAGAACGCGA 360 UCAUGUAGAG GUUCCAGAGG ACGGAGUAGG AGUGGUAGUC CUUGGUUGGG UCGAACCAGA 420 GGUAGAUCCU CUGCUCCCGG UCGCCCUUGC CGCCGGAGAA CACGUUGGUC UGCAGGAUGU 480 ACGGCUGCCC CGUCCUGUUC CCCAAGAACU CGAAGUCGAU CUCGUCGUGC UCCGAGUUCU 540 GUGACGACAG GUAGAAGGCG GUGACGGUGC CGGCGGAGUC GCCGCCGACG AGCUUGAUGU 600 GCAUGCUGAA GUGGCCGAAG AGGUAGGAGC CCCGGGUCUG GAAGCCCGUG CCGGUGGUCU 660 UGUCCAGGGA CAGCUGCACC UCCCGCCCGC CGUUCACGUA GUGGAUGUGG UCCUGCGCCC 720 ACGUCGGCAC GUAGUUCUUG UCGAACGGCA CGUCCACCGG CUUCCGGGGC GCUGCCGCCA 780 CGCCGCGUAG CAGCACCGCC GCCACCACGG CGAGGAGGGC CCCCGCGGUC GCCUUCAUUU 840 CGCCGGCCGG CCUCUCUUCC UCCUUCUCUG UU 872
【0127】配列番号:11 配列の長さ:30 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント型:N末端部分フラグメント 起源: 生物名:ビグナ アンギュラリス(Vigna angularis) 配列: Ala Asn Pro Arg Thr Pro Ile Asp Val Pro Phe Gly Arg Asn Tyr 1 5 10 15 Val Pro Thr Trp Ala Phe Asp His Ile Lys Tyr Leu Asn Gly Gly 20 25 30
【0128】配列番号:12 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: ATCGAYGTGC CGTTYGGGMG NAAYTAYGT 29
【0129】配列番号:13 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: CCGACGTGGG CGTTYGAYCA YATHAARTA 29
【0130】配列番号:14 配列の長さ:37 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GTTTTCCCAG TCACGACTTT TTTTTTTTTT TTTTTTT 37
【0131】配列番号:15 配列の長さ:1133 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA ハイポセティカル配列:NO アンチセンス:NO 起源:生物名:ビグナ アンギュラリス(Vigna angular
is) 配列: GTTCTTCTTT GTGGACTTGT CTGATTCTGT TATCACTGGC TTCTGCTTCT TTCGCTGCCA 60 ACCCAAGAAC TCCAATTGAT GTACCATTTG GCAGAAACTA TGTGCCTACT TGGGCCTTTG 120 ATCATATCAA ATATCTCAAT GGAGGTTCTG AGATTCAGCT TCATCTCGAT AAGTACACTG 180 GTACTGGATT CCAGTCCAAA GGGTCATACT TGTTTGGTCA CTTCAGCATG TACATAAAAT 240 TGGTTCCTGG TGATTCAGCT GGCACAGTCA CTGCTTTCTA TTTATCGTCC ACAAACGCAG 300 AACATGATGA AATAGACTTC GAGTTCTTGG GAAACAGAAC TGGGCAACCA TACATTTTAC 360 AAACAAATGT GTTCACCGGA GGCAAAGGTG ACAGAGAGCA GAGAATCTAC CTCTGGTTTG 420 ACCCTACGAC TCAATACCAC AGATATTCAG TGCTATGGAA CATGTACCAG ATTGTATTCT 480 ATGTGGATGA CTACCCAATA AGGGTGTTCA AGAACAGCAA TGACTTGGGA GTGAAGTTCC 540 CCTTCAATCA ACCAATGAAA ATATACAACA GTTTGTGGAA TGCAGATGAC TGGGCTACAA 600 GGGGTGGTTT GGAGAAAACA GATTGGTCCA AAGCCCCCTT CATAGCCTCT TACAAGGGCT 660 TCCACATTGA TGGGTGTGAG GCCTCAGTGA ATGCCAAGTT CTGTGACACA CAAGGCAAGA 720 GGTGGTGGGA TCAACCAGAG TTTCGTGACC TTGATGCTGC TCAGTGGCAA AAACTGGCTT 780 GGGTACGCAA CAAATACACC ATCTACAACT ACTGCACTGA TCGCAAACGC TACTCTCAAG 840 TCCCTCCAGA GTGCACCAGA GACCGTGACA TTTAATCATT TTAACCTATA CTTTAAGGCC 900 TCATTATTTT CAATATCACA CTCCCATAAA GTTCCCACCT AAGTGCTGAT ACAGATTTCA 960 TTTGAGCTTG CTATTGCTTC CTGTATTGTT GATAATCATA TCATCATTTA TTGCTGCTAC 1020 TGTTTGGCTA TGTACCAGAT ATGGCTCTGT GCCTTAATTT GTATCTGTAA TTCTGTTTCA 1080 CTCTGAATCA ATATACTAGT AATACTACTA GTTTATACTG GTTAAAAAAA AAA 1133
【0132】配列番号:16 配列の長さ:957 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA ハイポセティカル配列:NO アンチセンス:NO 起源: 生物名:ダイズ(Glycine max) 配列: TTTTTTCTGT GTGGACGGTG TGTGTGATTT TGGCATCACT GGCCTCTGCA GCACTCTGTG 60 CCAACCCACG CAGGCCAGTG GATGTACAAT TTGGCCGAAA CTACGTGCCC ACATGGGCCT 120 TTGATCACAT CAAATATTTC AATGGTGGTT CTGACATTCA GCTTCATCTT GACAAGTACA 180 CTGGTACTGG CTTCCAGTCC AAAGGGTCTT ACTTGTTTGG TCACTTCAGC ATGTACATAA 240 AGATGGTTCC TGGAGATTCT GCTGGCACAG TCACTGCTTT CTATTTATCT TCCCAAAACG 300 CGGAGCATGA TGAGATAGAC TTTGAGTTCT TGGGGAACAG AACAGGACAA CCTTACATTC 360 TGCAAACAAA TGTGTTCACC GGAGGCAAGG GTGATAGAGA GCAAAGAATC TATCTCTGGT 420 TTGATCCCAC GAAAGAATAC CACAGATACT CCATTCTCTG GAACTTGTAT CAGATTGTGT 480 TCTTTGTGGA CGAGGTGCCA ATCAGGGTGT TCAAGAACAG CAAGGACTTG GGAGTGAAAT 540 TCCCATTCGA CCAGCCAATG AAGATCTACA ACAGTTTGTG GAACGCTGAT GACTGGGCAA 600 CGAGGGGTGG TTTGGAGAAA ACGGATTGGT CGAAAGCACC CTTCATAGCA GCGTACAAGG 660 GGTTTCACAT CGACGGGTGC GAGGCTTCGG TGAACGCCAA GTTCTGCGAC ACGCAGGGCA 720 AGAGGTGGTG GGACCAGCCT GAGTTCCGTG ACCTTGACGC CGCCCAGTGG CGTAGGCTCA 780 GATGGGTGCG CCAGAAATAC ACCATCTACA ACTACTGCAC TGACACTAAA CGCTATCCTC 840 ATATCTCTCC TCCTGAGTGC AAAAGAGACC GTGACATTTA AATTTCGAGT GAATAGATAT 900 TTTAGTCCGT GATATTTAAA TTTCTCATTC ACTTTATTAT TGTTGCTTCT CTTTTCA 957
【0133】配列番号:17 配列の長さ:1320 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA ハイポセティカル配列:NO アンチセンス:NO 起源: 生物名:シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana) 配列: ATGACCACTT CATCGACTGC GTTCAAGAAA CCGCTTCCTT GTAGCCTCTG CGCTCTAAAC 60 CATCCTTTGC GAGTTTCAGG GACATCTTCA GCGACATGCT TTAACAAACC ATCCCTAAAA 120 GGAGTCTTTA AGCCAGTAAC TGGGACTTTG TTCCTTAGCA TCTCTCTCTC TGCTGGAGTC 180 CAGTCAGCTG TCAGATCCAG GATAGCTTGG AGACTATCAT CATCATATAA TAAACCCACC 240 CATGACTGTT TCTTCATCTC CATGGGCTCT CATGGCTCTC TTTCTAATGG TTTCTTCAAC 300 AATGGTAATG GCTATTCCTC CACGCAAGGC CATTGATGTA CCATTTGGTC GTAACTACGT 360 CCCAACTTGG GCTTTTGACC ACCAGAAACA GTTCAATGGC GGTTCCGAAC TTCAGCTTAT 420 CCTCGACAAA TACACTGGCA CAGGATTTCA ATCAAAGGGG TCATATTTGT TTGGACATTT 480 TAGTATGCAC ATAAAGCTTC CAGCTGGTGA CACAGCCGGA GTTGTCACAG CTTTCTATCT 540 ATCATCTACC AACAATGAGC ATGACGAGAT AGACTTTGAG TTCCTTGGAA ACAGAACAGG 600 ACAACCAGCT ATATTACAGA CAAATGTATT CACAGGAGGA AAGGGAAACA GAGAACAACG 660 AATCTATCTC TGGTTTGATC CTTCTAAGGC TTATCACACT TACTCAATCC TTTGGAACAT 720 GTACCAGATC GTATTCTTTG TTGACAACAT ACCAATCCGA ACGTTCAAGA ATGCTAAGGA 780 TCTAGGAGTA CGTTTCCCAT TCAACCAACC AATGAAGCTT TACTCAAGCC TTTGGAACGC 840 GGATGATTGG GCCACGAGAG GCGGTTTAGA GAAGACCAAT TGGGCCAATG CACCTTTCGT 900 TGCATCTTAC AAAGGATTCC ACATAGATGG TTGCCAAGCT TCTGTGGAAG CCAAGTACTG 960 TGCCACACAA GGCCGCATGT GGTGGGATCA GAAAGAGTTC CGTGACCTTG ACGCTGAACA 1020 ATGGCGTCGT CTCAAATGGG TTCGTATGAA GTGGACCATC TACAACTACT GTACCGACCG 1080 GACTAGGTTC CCGGTTATGC CAGCTGAATG TAAAAGGGAC AGAGACGCAT AAGTTACTAC 1140 TCTTGAGGGT TTTAATGAAT TTATGCTATC ATTATTATTT GAATTATGCT TGTTCAAGAG 1200 ATTGATATAT GTATTGTTTG TTGGCCCATG ATGTTTATGC TATATTTGGG CCTAAAATTA 1260 CATGTTATAA TTCATATATG TATTGATTAG CTATGTATTT TCATAAAAAA AAAAAAAAAA 1320
【0134】配列番号:18 配列の長さ:1128 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA ハイポセティカル配列:NO アンチセンス:NO 起源: 生物名:トマト(Lycopersicon esculentum) 配列: GAAAAATACA CAAACACTGG TCTCTGATTG GATTTGTTTT TCTCACCATG GGTATCATAA 60 AAGGAGTTTT ATTTAGTATT GTTTTGATTA ATTTGTCACT TGTTGTATTT TGTGGGTATC 120 CTAGAAGGCC AGTAGATGTG CCCTTTTGGA AAAACTATGA GCCAAGTTGG GCTAGTCACC 180 ATATTAAGTT CCTCAATGGT GGTACCACTA CTGATCTTAT TCTCGACAGA TCTTCAGGAG 240 CTGGATTTCA GTCAAAGAAA TCATATCTGT TTGGGCATTT CAGTATGAAA ATGAGGCTTG 300 TTGGTGGAGA CTCAGCTGGT GTTGTCACTG CATTTTACCT GTCATCGAAT AATGCAGAGC 360 ACGATGAGAT AGATTTTGAA TTTTTGGGGA ACAGAACTGG GCAGCCATAC ATATTGCAGA 420 CAAATGTATT CACAGGAGGA AAAGGAAACA GAGAACAGAG AATATATCTT TGGTTTGATC 480 CAACCAAGGG CTACCATTCT TATTCTGTTC TTTGGAATAC ATACCTCATT GTGATCTTTG 540 TGGACGACGT TCCAATTAGA GCATTCAAAA ATTCGAAAGA TCTTGGTGTG AAATTTCCAT 600 TCAATCAGCC CATGAAGATA TACTCGAGTC TATGGGACGC AGATGATTGG GCCACAAGAG 660 GTGGGCTTGA GAAAACCAAT TGGGCCAACG CCCCATTCAC CGCGTCATAC ACATCGTTCC 720 ACGTGGATGG ATGTGAAGCT GCCACGCCAC AAGAAGTCCA AGTTTGTAAC ACTAAAGGCA 780 TGAAATGGTG GGATCAAAAG GCCTTCCAAG ATTTAGATGC ATTACAGTAT AGGAGACTTC 840 GTTGGGTTCG TCAAAAATAC ACTGTTTATA ACTATTGCAC TGATAAAGCG AGGTACCCTG 900 TTCCACCACC AGAGTGCACT AAGGACAGAG ATATTTAAAA TCATAATCAA AATTAAGAGG 960 GACTTTATGA AGAAAAAAAA CTTAATATGC TTTATGTGTG AGTATTTTAA TGATCCTTAA 1020 AACAAAGTGC TTTTAATTGA GCTGTATTTC CCTAATTCTT TTTGAGTGTA TCATTATTGG 1080 TGGAGTCATG AGGATATTAT GTATCTCATG CCAGGCCTTT CATGTCTC 1128
【0135】配列番号:19 配列の長さ:872 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA ハイポセティカル配列:NO アンチセンス:NO 起源: 生物名:コムギ (Triticum aestivum) 配列: AACAGAGAAG GAGGAAGAGA GGCCGGCCGG CGAAATGAAG GCGACCGCGG GGGCCCTCCT 60 CGCCGTGGTG GCGGCGGTGC TGCTACGCGG CGTGGCGGCA GCGCCCCGGA AGCCGGTGGA 120 CGTGCCGTTC GACAAGAACT ACGTGCCGAC GTGGGCGCAG GACCACATCC ACTACGTGAA 180 CGGCGGGCGG GAGGTGCAGC TGTCCCTGGA CAAGACCACC GGCACGGGCT TCCAGACCCG 240 GGGCTCCTAC CTCTTCGGCC ACTTCAGCAT GCACATCAAG CTCGTCGGCG GCGACTCCGC 300 CGGCACCGTC ACCGCCTTCT ACCTGTCGTC ACAGAACTCG GAGCACGACG AGATCGACTT 360 CGAGTTCTTG GGGAACAGGA CGGGGCAGCC GTACATCCTG CAGACCAACG TGTTCTCCGG 420 CGGCAAGGGC GACCGGGAGC AGAGGATCTA CCTCTGGTTC GACCCAACCA AGGACTACCA 480 CTCCTACTCC GTCCTCTGGA ACCTCTACAT GATCGCGTTC TTCGTGGACG ACACGCCGAT 540 CCGGGTGTTC AAGAACAGCA AGGACCTCGG GGTGCGGTAC CCGTTCGACC AGCCCATGAA 600 GCTCTACTCC AGCCTGTGGA ACGCGGACGA CTGGGCGACC CGGGGCGGGC GGGAGAAGAC 660 GGACTGGTCC AAGGCGCCCT TCGTCGCCTC CTACCGGGGC TTCCACGTCG ACGGCTGCGA 720 GGCGTCCGCG GAGGCCAAGT TCTGCGCCAC CCAGGGCGCC CGCTGGTGGG ACCAGCCCGA 780 GTTCCAGGAC CTGGACGCCG CGCAGTACCG CCGCCTCGCC TGGGTCAGGA AGGAGCACAC 840 CATCTACAAC TACTGCACCG ACCACGACCG CT 872
【0136】配列番号:20 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: CTATTCTAGA CATGTAATTT TAGGCCC 27
【0137】配列番号:21 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: AGCTGAGCTC TTTCTAATGG TTTCTTC 27
【0138】配列番号:22 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: AGCTTCTAGA TTTCTAATGG TTTCTTC 27
【0139】配列番号:23 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: AGCTGAGCTC CATGTAATTT TAGGCCC 27
【0140】配列番号:24 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: TTTTCTAGAC CATGGGTATC ATAAAAGGAG 30
【0141】配列番号:25 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: TTGGAGCTCA TTTTAAATAT CTCTGTCCTT 30
【0142】配列番号:26 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: TTTGAGCTCC CATGGGTATC ATAAAAGGAG 30
【0143】配列番号:27 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: TTGTCTAGAA TTTTAAATAT CTCTGTCCTT 30
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエンド型XG転移酵素をコードする遺
伝子断片の一例の制限酵素地図を示す図である。
【図2】本発明のエンド型XG転移酵素をコードする遺
伝子断片の一例の制限酵素地図を示す図である。
【図3】本発明のエンド型XG転移酵素をコードする遺
伝子断片の一例の制限酵素地図を示す図である。
【図4】本発明のエンド型XG転移酵素をコードする遺
伝子断片の一例の制限酵素地図を示す図である。
【図5】本発明のエンド型XG転移酵素をコードする遺
伝子断片の一例の制限酵素地図を示す図である。
【図6】エンド型XG転移酵素によるXG分子の転移酵
素反応をPADにより測定した際のクロマトグラフを示
す図である。
【図7】エンド型XG転移酵素によるXG分子の転移酵
素の反応を蛍光光度計を用いて測定した際のグラフを示
す図である。
【図8】エンド型XG転移酵素の活性と基質の分子量の
関係を示す図である。
【図9】エンド型XG転移酵素と変性したエンド型XG
転移酵素をXGと反応させた際の反応生成物のプロトン
NMRのスペクトルを示す図である。
【図10】エンド型XG転移酵素によるXG7−PAの
細胞壁への転移反応を蛍光光度計を用いて測定した際の
グラフを示す図である。
【図11】ビグナ アンギュラリスのエンド型XG転移
酵素の活性とpHの関係を示す図である。
【図12】ビグナ アンギュラリスのエンド型XG転移
酵素の活性と温度の関係を示す図である。
【図13】ビグナ アンギュラリスのエンド型XG転移
酵素の反応の生成物をPADにより測定したクロマトグ
ラフを示す図である。
【図14】プラスミドpVX110の構築工程を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:91) (C12N 5/10 C12R 1:91) (72)発明者 加藤 郁之進 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寳酒造 株式会社中央研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記より選択される遺伝子、あるいはそ
    の一部であって少なくとも15塩基以上の配列からなる
    DNA配列を、転写によりエンド型キシログルカン転移
    酵素遺伝子のアンチセンスRNAが生成するように、細
    胞内で作用しうるプロモーターに連結したアンチセンス
    RNA生成用カセットを生物体に導入することを特徴と
    するエンド型キシログルカン転移酵素の発現の制御方
    法。 (1) 配列表の配列番号15に示される塩基配列、あ
    るいは該配列に1以上の塩基の置換、欠失、付加、挿入
    のうち少なくとも1つを有する塩基配列で示され、かつ
    エンド型キシログルカン転移酵素活性を有するポリペプ
    チドをコードする遺伝子. (2) 配列表の配列番号15に示される塩基配列にコ
    ードされるアミノ酸配列、あるいは該配列に1以上のア
    ミノ酸残基の置換、欠失、付加、挿入のうち少なくとも
    1つを有するアミノ酸配列で示され、かつエンド型キシ
    ログルカン転移酵素活性を有するポリペプチドをコード
    する遺伝子. (3) 上記(1)〜(2)記載の遺伝子とハイブリダ
    イズし、かつエンド型キシログルカン転移酵素活性を有
    するポリペプチドをコードする遺伝子.
  2. 【請求項2】 下記より選択される遺伝子、あるいはそ
    の一部であって少なくとも15塩基以上の配列からなる
    DNA配列を、転写によりエンド型キシログルカン転移
    酵素遺伝子のアンチセンスRNAが生成するように、細
    胞内で作用しうるプロモーターに連結したアンチセンス
    RNA生成用カセットを生物体に導入し、エンド型キシ
    ログルカン転移酵素の発現を制御することを特徴とする
    植物体の形態の制御方法。 (1) 配列表の配列番号15に示される塩基配列、あ
    るいは該配列に1以上の塩基の置換、欠失、付加、挿入
    のうち少なくとも1つを有する塩基配列で示され、かつ
    エンド型キシログルカン転移酵素活性を有するポリペプ
    チドをコードする遺伝子. (2) 配列表の配列番号15に示される塩基配列にコ
    ードされるアミノ酸配列、あるいは該配列に1以上のア
    ミノ酸残基の置換、欠失、付加、挿入のうち少なくとも
    1つを有するアミノ酸配列で示され、かつエンド型キシ
    ログルカン転移酵素活性を有するポリペプチドをコード
    する遺伝子. (3) 上記(1)〜(2)記載の遺伝子とハイブリダ
    イズし、かつエンド型キシログルカン転移酵素活性を有
    するポリペプチドをコードする遺伝子.
  3. 【請求項3】 下記より選択される遺伝子、あるいはそ
    の一部であって少なくとも15塩基以上の配列からなる
    DNA配列を、転写によりエンド型キシログルカン転移
    酵素遺伝子のアンチセンスRNAが生成するように、細
    胞内で作用しうるプロモーターに連結したアンチセンス
    RNA生成用カセットを導入した植物体。 (1) 配列表の配列番号15に示される塩基配列、あ
    るいは該配列に1以上の塩基の置換、欠失、付加、挿入
    のうち少なくとも1つを有する塩基配列で示され、かつ
    エンド型キシログルカン転移酵素活性を有するポリペプ
    チドをコードする遺伝子. (2) 配列表の配列番号15に示される塩基配列にコ
    ードされるアミノ酸配列、あるいは該配列に1以上のア
    ミノ酸残基の置換、欠失、付加、挿入のうち少なくとも
    1つを有するアミノ酸配列で示され、かつエンド型キシ
    ログルカン転移酵素活性を有するポリペプチドをコード
    する遺伝子. (3) 上記(1)〜(2)記載の遺伝子とハイブリダ
    イズし、かつエンド型キシログルカン転移酵素活性を有
    するポリペプチドをコードする遺伝子.
  4. 【請求項4】 下記より選択される遺伝子を細胞内で作
    用しうるプロモーターに連結したエンド型キシログルカ
    ン転移酵素発現用カセットを生物体に導入することを特
    徴とするエンド型キシログルカン転移酵素の発現方法。 (1) 配列表の配列番号15に示される塩基配列、あ
    るいは該配列に1以上の塩基の置換、欠失、付加、挿入
    のうち少なくとも1つを有する塩基配列で示され、かつ
    エンド型キシログルカン転移酵素活性を有するポリペプ
    チドをコードする遺伝子. (2) 配列表の配列番号15に示される塩基配列にコ
    ードされるアミノ酸配列、あるいは該配列に1以上のア
    ミノ酸残基の置換、欠失、付加、挿入のうち少なくとも
    1つを有するアミノ酸配列で示され、かつエンド型キシ
    ログルカン転移酵素活性を有するポリペプチドをコード
    する遺伝子. (3) 上記(1)〜(2)記載の遺伝子とハイブリダ
    イズし、かつエンド型キシログルカン転移酵素活性を有
    するポリペプチドをコードする遺伝子.
  5. 【請求項5】 下記より選択される遺伝子を細胞内で作
    用しうるプロモーターに連結したエンド型キシログルカ
    ン転移酵素発現用カセットを植物体に導入することを特
    徴とする植物体の形態の制御方法。 (1) 配列表の配列番号15に示される塩基配列、あ
    るいは該配列に1以上の塩基の置換、欠失、付加、挿入
    のうち少なくとも1つを有する塩基配列で示され、かつ
    エンド型キシログルカン転移酵素活性を有するポリペプ
    チドをコードする遺伝子. (2) 配列表の配列番号15に示される塩基配列にコ
    ードされるアミノ酸配列、あるいは該配列に1以上のア
    ミノ酸残基の置換、欠失、付加、挿入のうち少なくとも
    1つを有するアミノ酸配列で示され、かつエンド型キシ
    ログルカン転移酵素活性を有するポリペプチドをコード
    する遺伝子. (3) 上記(1)〜(2)記載の遺伝子とハイブリダ
    イズし、かつエンド型キシログルカン転移酵素活性を有
    するポリペプチドをコードする遺伝子.
  6. 【請求項6】 下記より選択される遺伝子を細胞内で作
    用しうるプロモーターに連結したエンド型キシログルカ
    ン転移酵素発現用カセットを導入した植物体。 (1) 配列表の配列番号15に示される塩基配列、あ
    るいは該配列に1以上の塩基の置換、欠失、付加、挿入
    のうち少なくとも1つを有する塩基配列で示され、かつ
    エンド型キシログルカン転移酵素活性を有するポリペプ
    チドをコードする遺伝子. (2) 配列表の配列番号15に示される塩基配列にコ
    ードされるアミノ酸配列、あるいは該配列に1以上のア
    ミノ酸残基の置換、欠失、付加、挿入のうち少なくとも
    1つを有するアミノ酸配列で示され、かつエンド型キシ
    ログルカン転移酵素活性を有するポリペプチドをコード
    する遺伝子. (3) 上記(1)〜(2)記載の遺伝子とハイブリダ
    イズし、かつエンド型キシログルカン転移酵素活性を有
    するポリペプチドをコードする遺伝子.
  7. 【請求項7】 下記より選択される遺伝子を導入して形
    質転換した生物又は細胞を培養し、該培養物からエンド
    型キシログルカン転移酵素を採用することを特徴とする
    エンド型キシログルカン転移酵素の製造方法。 (1) 配列表の配列番号15に示される塩基配列、あ
    るいは該配列に1以上の塩基の置換、欠失、付加、挿入
    のうち少なくとも1つを有する塩基配列で示され、かつ
    エンド型キシログルカン転移酵素活性を有するポリペプ
    チドをコードする遺伝子. (2) 配列表の配列番号15に示される塩基配列にコ
    ードされるアミノ酸配列、あるいは該配列に1以上のア
    ミノ酸残基の置換、欠失、付加、挿入のうち少なくとも
    1つを有するアミノ酸配列で示され、かつエンド型キシ
    ログルカン転移酵素活性を有するポリペプチドをコード
    する遺伝子. (3) 上記(1)〜(2)記載の遺伝子とハイブリダ
    イズし、かつエンド型キシログルカン転移酵素活性を有
    するポリペプチドをコードする遺伝子.
  8. 【請求項8】 下記より選択される遺伝子にコードされ
    るエンド型キシログルカン転移酵素。 (1) 配列表の配列番号15に示される塩基配列、あ
    るいは該配列に1以上の塩基の置換、欠失、付加、挿入
    のうち少なくとも1つを有する塩基配列で示され、かつ
    エンド型キシログルカン転移酵素活性を有するポリペプ
    チドをコードする遺伝子. (2) 配列表の配列番号15に示される塩基配列にコ
    ードされるアミノ酸配列、あるいは該配列に1以上のア
    ミノ酸残基の置換、欠失、付加、挿入のうち少なくとも
    1つを有するアミノ酸配列で示され、かつエンド型キシ
    ログルカン転移酵素活性を有するポリペプチドをコード
    する遺伝子. (3) 上記(1)〜(2)記載の遺伝子とハイブリダ
    イズし、かつエンド型キシログルカン転移酵素活性を有
    するポリペプチドをコードする遺伝子.
  9. 【請求項9】 下記の理化学的性質を有することを特徴
    とする請求項8記載のエンド型キシログルカン転移酵
    素。 (1) 作用:キシログルカン分子内のD−グルコース
    間の結合を切断して、生じたキシログルカン分子断片の
    還元末端を他のキシログルカン分子の非還元末端のD−
    グルコースに結合する。 (2) 基質特異性:キシログルカンに対して特異的に
    作用する。 (3) 至適pH:至適pHはpH5.8付近である。 (4) 至適温度:至適温度は30℃付近である。 (5) 分子量:分子量は約33,000である(SD
    S−ポリアクリルアミドゲル電気泳動)。
  10. 【請求項10】 請求項8又は請求項9に記載のエンド
    型キシログルカン転移酵素を用いて、キシログルカン分
    子内のD−グルコース間の結合を切断して、生じたキシ
    ログルカン分子断片の還元末端を他のキシログルカン分
    子の非還元末端のD−グルコースに結合させることを特
    徴とするキシログルカン分子の転移方法。
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