JP2000342224A - エゾイシゲからの肥満及び糖尿病予防を目的とする食品素材 - Google Patents
エゾイシゲからの肥満及び糖尿病予防を目的とする食品素材Info
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- JP2000342224A JP2000342224A JP11194845A JP19484599A JP2000342224A JP 2000342224 A JP2000342224 A JP 2000342224A JP 11194845 A JP11194845 A JP 11194845A JP 19484599 A JP19484599 A JP 19484599A JP 2000342224 A JP2000342224 A JP 2000342224A
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- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】エゾイシゲの抽出液をα−グルコシダーゼ阻害
物質及び該α−グルコシダーゼ活性阻害物質を含有する
肥満及び糖尿病を予防・改善を目的とする食品素材が提
供される。 【効果】上記エゾイシゲからの抽出物は、強いα−グル
コシダーゼ活性阻害作用を有するだけでなく、食後高血
糖抑制作用も有する。しかも簡単な抽出操作によって肥
満及び糖尿病予防を目的とする食品素材が得られる。し
たがって、このα−グルコシダーゼ活性阻害物質を含有
する肥満及び糖尿病予防食品素材を安価に提供すること
ができ、また、得られる肥満および糖尿病予防食品素材
は、食物として摂取されたでんぷん質や砂糖の分解を妨
げ、エネルギー源として消化、吸収されるのを効果的に
防ぎ、それによって、肥満症や高血糖症などを効果的に
抑制できる。
物質及び該α−グルコシダーゼ活性阻害物質を含有する
肥満及び糖尿病を予防・改善を目的とする食品素材が提
供される。 【効果】上記エゾイシゲからの抽出物は、強いα−グル
コシダーゼ活性阻害作用を有するだけでなく、食後高血
糖抑制作用も有する。しかも簡単な抽出操作によって肥
満及び糖尿病予防を目的とする食品素材が得られる。し
たがって、このα−グルコシダーゼ活性阻害物質を含有
する肥満及び糖尿病予防食品素材を安価に提供すること
ができ、また、得られる肥満および糖尿病予防食品素材
は、食物として摂取されたでんぷん質や砂糖の分解を妨
げ、エネルギー源として消化、吸収されるのを効果的に
防ぎ、それによって、肥満症や高血糖症などを効果的に
抑制できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品、健康食品及
び特定保健用食品などに使用することができるエゾイシ
ゲの水及び/又は有機溶剤の抽出物を有効成分として含
有してなる肥満、糖尿病予防及び改善を目的とする食品
素材に関するものである。
び特定保健用食品などに使用することができるエゾイシ
ゲの水及び/又は有機溶剤の抽出物を有効成分として含
有してなる肥満、糖尿病予防及び改善を目的とする食品
素材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】肥満及び糖尿病等の疾患は、過剰カロリ
ーの摂取が主な原因となり、増加の一途をたどってい
る。糖尿病には、インスリン依存型糖尿病(I型糖尿
病)とインスリン非依存型糖尿病(II型糖尿病)の2
タイプがあるが、全体の90%は後者のタイプである。
インスリン非依存型糖尿病における高血糖の原因とし
て、食後の急峻な血糖上昇に対応し、瞬時に分泌される
べきインシュリン早期相の欠如と食後高血糖の持続によ
り誘導される内因性基礎インスリン分泌低下があげられ
る。食後高血糖の是正は、経口血糖降下剤、インスリン
を用いても困難なことがあり、消化管において糖質の急
速な吸収を防ぐ方法が有望である。消化管における糖吸
収は、小腸の微絨毛に局在するα−グルコシダーゼが関
与しており、この酵素を阻害することにより食後の血糖
値上昇が抑制され、さらにそれに続くインシュリン値の
上昇も抑制されることが明らかにされている。したがっ
て、α−グルコシダーゼ阻害物質は、高血糖症状および
高血糖に起因する肥満症や糖尿病など種々の疾患の改善
に有用である。また、α−グルコシダーゼ阻害物質を含
む食品は、代謝異常の患者食に適しており、さらには代
謝異常予防食として健康な人にも適している。
ーの摂取が主な原因となり、増加の一途をたどってい
る。糖尿病には、インスリン依存型糖尿病(I型糖尿
病)とインスリン非依存型糖尿病(II型糖尿病)の2
タイプがあるが、全体の90%は後者のタイプである。
インスリン非依存型糖尿病における高血糖の原因とし
て、食後の急峻な血糖上昇に対応し、瞬時に分泌される
べきインシュリン早期相の欠如と食後高血糖の持続によ
り誘導される内因性基礎インスリン分泌低下があげられ
る。食後高血糖の是正は、経口血糖降下剤、インスリン
を用いても困難なことがあり、消化管において糖質の急
速な吸収を防ぐ方法が有望である。消化管における糖吸
収は、小腸の微絨毛に局在するα−グルコシダーゼが関
与しており、この酵素を阻害することにより食後の血糖
値上昇が抑制され、さらにそれに続くインシュリン値の
上昇も抑制されることが明らかにされている。したがっ
て、α−グルコシダーゼ阻害物質は、高血糖症状および
高血糖に起因する肥満症や糖尿病など種々の疾患の改善
に有用である。また、α−グルコシダーゼ阻害物質を含
む食品は、代謝異常の患者食に適しており、さらには代
謝異常予防食として健康な人にも適している。
【0003】食品に由来する肥満及び糖尿病予防を目的
とする物質に関しては、例えば、特願平4−11670
7号公報には、褐藻類および紅藻類から抽出した消化酵
素阻害物質が開示され、特願平10−279496号公
報には、米からの糖尿病予防及び治療剤が開示されてい
る。また、食品由来のα−グルコシダーゼ阻害物質とし
ては特開平5−17364号公報には茶ポリフェノール
が開示され、特開平9−65836公報には動物性また
は植物性蛋白質の酵素加水分解物が開示されている。
とする物質に関しては、例えば、特願平4−11670
7号公報には、褐藻類および紅藻類から抽出した消化酵
素阻害物質が開示され、特願平10−279496号公
報には、米からの糖尿病予防及び治療剤が開示されてい
る。また、食品由来のα−グルコシダーゼ阻害物質とし
ては特開平5−17364号公報には茶ポリフェノール
が開示され、特開平9−65836公報には動物性また
は植物性蛋白質の酵素加水分解物が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、α−グル
コシダーゼ阻害活性が強く、実際、実用上摂取できる量
で経口摂取した場合にも食後高血糖の抑制効果を示し、
かつ、安全、安価で容易に製造できる肥満・糖尿予防食
品素材を提供することを目的とするものである。
コシダーゼ阻害活性が強く、実際、実用上摂取できる量
で経口摂取した場合にも食後高血糖の抑制効果を示し、
かつ、安全、安価で容易に製造できる肥満・糖尿予防食
品素材を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、種々の海藻
を原料としてα−グルコシダーゼ阻害物質を探索し、鋭
意検討を行った結果、褐藻類の一種であるエゾイシゲに
強いα−グルコシダーゼ阻害活性を見出し、動物実験に
おいても食後高血糖を抑制することを確認した。また、
この活性物質は、加熱安定性が高く食品利用上優れた特
性を有し、本発明を完成するに至った。
を原料としてα−グルコシダーゼ阻害物質を探索し、鋭
意検討を行った結果、褐藻類の一種であるエゾイシゲに
強いα−グルコシダーゼ阻害活性を見出し、動物実験に
おいても食後高血糖を抑制することを確認した。また、
この活性物質は、加熱安定性が高く食品利用上優れた特
性を有し、本発明を完成するに至った。
【0006】本発明のエゾイシゲ(Pelvetia
wrightii Okamura)は、褐藻類ヒバマ
タ科の海藻であり、日本では犬吠岬以北に生息し、特に
北海道の日本海及び太平洋岸に多く分布している。近縁
種としてヒバマタがあげられる。
wrightii Okamura)は、褐藻類ヒバマ
タ科の海藻であり、日本では犬吠岬以北に生息し、特に
北海道の日本海及び太平洋岸に多く分布している。近縁
種としてヒバマタがあげられる。
【0007】エゾイシゲは全組織を用いてもよいが葉茎
部を利用することが好ましい。エゾイシゲを水中で粉砕
し、スラリー状にした食品素材、あるいは乾燥させて粉
末化した食品素材でもα−グルコシダーゼ阻害活性を示
し、この阻害活性物質は、水及び有機溶媒で抽出でき
る。該有機溶媒としてはメタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノール等のアルコール、酢酸エチル、ア
セトン等が挙げられる。中でも、エゾイシゲの水または
アルコールでの抽出物がより強いα−グルコシダーゼ阻
害活性を有している。さらには30〜100体積%アル
コール水溶液による抽出液が好ましく、該アルコールと
しては、メタノール、エタノールが好ましい。抽出法
は、50℃〜120℃で5〜60分間の加熱抽出、アル
コール水溶液にて4℃で7日間浸漬などの抽出方法を使
用してもよい。具体的な抽出法としては、エゾイシゲに
10〜70体積%メタノール水溶液をエゾイシゲの重量
に対して、3〜10倍重量加え、機械的に破砕すること
により、有効成分を抽出することができる。
部を利用することが好ましい。エゾイシゲを水中で粉砕
し、スラリー状にした食品素材、あるいは乾燥させて粉
末化した食品素材でもα−グルコシダーゼ阻害活性を示
し、この阻害活性物質は、水及び有機溶媒で抽出でき
る。該有機溶媒としてはメタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノール等のアルコール、酢酸エチル、ア
セトン等が挙げられる。中でも、エゾイシゲの水または
アルコールでの抽出物がより強いα−グルコシダーゼ阻
害活性を有している。さらには30〜100体積%アル
コール水溶液による抽出液が好ましく、該アルコールと
しては、メタノール、エタノールが好ましい。抽出法
は、50℃〜120℃で5〜60分間の加熱抽出、アル
コール水溶液にて4℃で7日間浸漬などの抽出方法を使
用してもよい。具体的な抽出法としては、エゾイシゲに
10〜70体積%メタノール水溶液をエゾイシゲの重量
に対して、3〜10倍重量加え、機械的に破砕すること
により、有効成分を抽出することができる。
【0008】該抽出物は、水もしくは、有機の溶剤を留
去すれば、オイル状となり、これをα−グルコシダーゼ
阻害物質、肥満及び糖尿病予防を目的とする食品素材と
して用いる。また、エゾイシゲを乾燥したもの、および
粉末化したものから熱湯で抽出し、そのまま飲用しても
効果が期待できる。
去すれば、オイル状となり、これをα−グルコシダーゼ
阻害物質、肥満及び糖尿病予防を目的とする食品素材と
して用いる。また、エゾイシゲを乾燥したもの、および
粉末化したものから熱湯で抽出し、そのまま飲用しても
効果が期待できる。
【0009】本発明の肥満及び糖尿病予防を目的とする
食品素材は、強いα−グルコシダーゼ阻害活性を示し、
血糖上昇抑制作用を有しているので水に分散するか、あ
るいはエタノールなどで希釈し、健康食品として代謝異
常の患者食又は予防薬、糖尿病、肥満症の予防剤として
用いることができる。また、熱安定性が高いため熱湯で
抽出あるいは溶解して用いることも可能である。
食品素材は、強いα−グルコシダーゼ阻害活性を示し、
血糖上昇抑制作用を有しているので水に分散するか、あ
るいはエタノールなどで希釈し、健康食品として代謝異
常の患者食又は予防薬、糖尿病、肥満症の予防剤として
用いることができる。また、熱安定性が高いため熱湯で
抽出あるいは溶解して用いることも可能である。
【0010】上記特願平4−116707号の開示技術
はα−アミラーゼ及びリパーゼ活性を阻害することによ
りダイエット効果を有する物質に関するものであり、本
発明とは全く異なる消化酵素に対する阻害物質である。
特願平10−279496号の開示技術では、糖尿病予
防に関する活性物質が米に由来する成分であり、また、
その作用機序が脂肪組織及びその他の組織の代謝促進を
指標としており、本発明品とは全く異なる物質と考えら
れる。特開平5−17364号公報に記載のα−グルコ
シダーゼ阻害物質は、本発明と同じ生理効果を目的とす
るものであるが、阻害物質であるポリフェノールの精製
が煩雑であり、また、阻害活性が低く、実際に生体内で
の血糖上昇抑制作用が期待できない。また、特開平9−
65836号公報開示技術では、その阻害物質が蛋白質
に由来するペプチドであり、本発明品とは全く異なる物
質である。
はα−アミラーゼ及びリパーゼ活性を阻害することによ
りダイエット効果を有する物質に関するものであり、本
発明とは全く異なる消化酵素に対する阻害物質である。
特願平10−279496号の開示技術では、糖尿病予
防に関する活性物質が米に由来する成分であり、また、
その作用機序が脂肪組織及びその他の組織の代謝促進を
指標としており、本発明品とは全く異なる物質と考えら
れる。特開平5−17364号公報に記載のα−グルコ
シダーゼ阻害物質は、本発明と同じ生理効果を目的とす
るものであるが、阻害物質であるポリフェノールの精製
が煩雑であり、また、阻害活性が低く、実際に生体内で
の血糖上昇抑制作用が期待できない。また、特開平9−
65836号公報開示技術では、その阻害物質が蛋白質
に由来するペプチドであり、本発明品とは全く異なる物
質である。
【実施例】以下本発明について具体的に説明する。な
お、以下の記述で「%」と表示あるのは体積%である。 実施例1 採取したエゾイシゲをよく洗浄した後、細く裁断し、そ
の10gに抽出液50mlを加え、1分間機械的に破砕
して抽出を行う。抽出物を10分間遠心分離し、上清を
抽出液として得る。この抽出液をロータリーエバポレー
ターで濃縮し、オイル状の抽出物を得た。なお、抽出液
は、水およびメタノール水溶液を用いて行った。
お、以下の記述で「%」と表示あるのは体積%である。 実施例1 採取したエゾイシゲをよく洗浄した後、細く裁断し、そ
の10gに抽出液50mlを加え、1分間機械的に破砕
して抽出を行う。抽出物を10分間遠心分離し、上清を
抽出液として得る。この抽出液をロータリーエバポレー
ターで濃縮し、オイル状の抽出物を得た。なお、抽出液
は、水およびメタノール水溶液を用いて行った。
【0011】また、抽出物のα−グルコシダーゼ阻害活
性は以下のように測定した。 (1)ラット小腸由来α−グルコシダーゼの調製 ラット小腸アセトンパウダー(シグマ社製)1gに10
mlの生理食塩水(0.9%食塩水)を加え、超音波処
理を(60秒、3回)行った後、遠心分離(3,000
rpm,30分)し、上清を得る。この上清をα−グル
コシダーゼの粗酵素液として用いた。
性は以下のように測定した。 (1)ラット小腸由来α−グルコシダーゼの調製 ラット小腸アセトンパウダー(シグマ社製)1gに10
mlの生理食塩水(0.9%食塩水)を加え、超音波処
理を(60秒、3回)行った後、遠心分離(3,000
rpm,30分)し、上清を得る。この上清をα−グル
コシダーゼの粗酵素液として用いた。
【0012】(2)酵素阻害活性(α−グルコシダーゼ
阻害活性)の測定 酵素阻害活性は、スクラーゼ(EC3.2.1.4
8)、マルターゼ(EC3.2.1.20)の阻害活性
を測定した。各測定はスクロース、マルトースを基質と
して用い、以下の反応液中で行った。すなわち、ラット
粗酵素液0.1ml、100mM基質溶液(各基質を
0.1Mリン酸カリウム緩衝液pH6.3に溶解する)
0.1ml、0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH6.
3)0.75ml、被験抽出試料0.05ml(それぞ
れの抽出溶液を完全に留去し、各抽出液に再溶解する)
をよく混合し、37℃で60分間反応後、4Mトリス・
マレイン酸溶液1.0mlを添加し、反応を停止した。
反応液から2μlを分取し、グルコースオキシターゼ法
によるグルコース測定キットを用いて遊離したグルコー
スを定量した。対照区1は、基質溶液の代わりに0.1
Mリン酸カリウム緩衝液を加えて行い、対照区2(被験
物質を加えず、抽出液のみを加える)および被験抽出試
料のそれぞれの遊離グルコース量を測定し、次式により
阻害率を算出した。 なお、阻害活性は、α−グルコシダーゼを50%阻害す
るときの濃度(lC50)で示し、濃度は試料の乾燥重
量から求めた。測定は3回行い、平均値を測定値とし
た。抽出物のα−グルコシダーゼ阻害活性を測定した結
果を表1に示す。
阻害活性)の測定 酵素阻害活性は、スクラーゼ(EC3.2.1.4
8)、マルターゼ(EC3.2.1.20)の阻害活性
を測定した。各測定はスクロース、マルトースを基質と
して用い、以下の反応液中で行った。すなわち、ラット
粗酵素液0.1ml、100mM基質溶液(各基質を
0.1Mリン酸カリウム緩衝液pH6.3に溶解する)
0.1ml、0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH6.
3)0.75ml、被験抽出試料0.05ml(それぞ
れの抽出溶液を完全に留去し、各抽出液に再溶解する)
をよく混合し、37℃で60分間反応後、4Mトリス・
マレイン酸溶液1.0mlを添加し、反応を停止した。
反応液から2μlを分取し、グルコースオキシターゼ法
によるグルコース測定キットを用いて遊離したグルコー
スを定量した。対照区1は、基質溶液の代わりに0.1
Mリン酸カリウム緩衝液を加えて行い、対照区2(被験
物質を加えず、抽出液のみを加える)および被験抽出試
料のそれぞれの遊離グルコース量を測定し、次式により
阻害率を算出した。 なお、阻害活性は、α−グルコシダーゼを50%阻害す
るときの濃度(lC50)で示し、濃度は試料の乾燥重
量から求めた。測定は3回行い、平均値を測定値とし
た。抽出物のα−グルコシダーゼ阻害活性を測定した結
果を表1に示す。
【0013】次にエゾイシゲ抽出物について動物実験に
よる食後高血糖上昇抑制作用について検討を行った。動
物実験はWistar系ラットにより行い、対照群およ
び被験試料群のそれぞれ10匹に経口投与し、経時的に
血液を採取し、血漿を分画して血中グルコース濃度測定
に供した。エゾイシゲ抽出物の調製は、細切したエゾイ
シゲ200gに対し1,000mLのメタノールを加え
て、ポリトロンにより10,000rpmで1分間ホモ
ジナイズした。ホモジネートを10,000gで10分
間、遠心分離して上清を得た。得られた上清をエバポレ
ーターで減圧して濃縮し、エタノールを留去し、オイル
状の抽出物を得る。この抽出物に蒸留水を加え、超音波
処理を10分間行い、完全に分散したものを経口投与の
試料とした。なお、実験では、被験物質をスクロース溶
液に混合させ、投与量として、被験物質400mg/m
L/rat、スクロースとして500mg/mL/ra
tとなるように用時調整して使用した。
よる食後高血糖上昇抑制作用について検討を行った。動
物実験はWistar系ラットにより行い、対照群およ
び被験試料群のそれぞれ10匹に経口投与し、経時的に
血液を採取し、血漿を分画して血中グルコース濃度測定
に供した。エゾイシゲ抽出物の調製は、細切したエゾイ
シゲ200gに対し1,000mLのメタノールを加え
て、ポリトロンにより10,000rpmで1分間ホモ
ジナイズした。ホモジネートを10,000gで10分
間、遠心分離して上清を得た。得られた上清をエバポレ
ーターで減圧して濃縮し、エタノールを留去し、オイル
状の抽出物を得る。この抽出物に蒸留水を加え、超音波
処理を10分間行い、完全に分散したものを経口投与の
試料とした。なお、実験では、被験物質をスクロース溶
液に混合させ、投与量として、被験物質400mg/m
L/rat、スクロースとして500mg/mL/ra
tとなるように用時調整して使用した。
【0014】動物実験は、24時間以上絶食した8週令
のWistar系ラットを表2の群構成に基づき用い
た。ラットをエーテル軽麻酔下に頚静脈より、ヘパリン
入り採血管に約0.5mL採血を行った。採血後、対照
群にはスクロース500mg/mL/ratを、被験物
質投与群には、スクロース500mg/mL/ratに
被験物質を混合した溶液を経口投与した。投与15、3
0分、1及び2時間後に、各々約0.5mL採血を行
い、血漿を分画した。血漿は、測定するまで−80℃で
保管した。上記エゾイシゲ70%メタノール抽出物の経
口投与による動物実験の結果を図1に示す。
のWistar系ラットを表2の群構成に基づき用い
た。ラットをエーテル軽麻酔下に頚静脈より、ヘパリン
入り採血管に約0.5mL採血を行った。採血後、対照
群にはスクロース500mg/mL/ratを、被験物
質投与群には、スクロース500mg/mL/ratに
被験物質を混合した溶液を経口投与した。投与15、3
0分、1及び2時間後に、各々約0.5mL採血を行
い、血漿を分画した。血漿は、測定するまで−80℃で
保管した。上記エゾイシゲ70%メタノール抽出物の経
口投与による動物実験の結果を図1に示す。
【0015】本発明品は、抽出段階では水よりも酢酸エ
チル可溶性を示すが、精製を進めると、酢酸エチルには
溶けず、n−ブタノールや水可溶性を示す。したがっ
て、この発明品は抽出段階では疎水性物質と集合体を形
成しているが、精製を進めると高極性を示す物質であ
る。本発明品をシリカゲル60シラナイズドカラムクロ
マトグラフィーで精製して得られる高活性な阻害物質
は、薄層クロマトグラフィー分析で、オルシノール硫酸
試薬(糖類または有機化合物一般)およびアズールA試
薬(含硫化合物)の両試薬に対して陽性を示す。表3に
実験結果を示す。
チル可溶性を示すが、精製を進めると、酢酸エチルには
溶けず、n−ブタノールや水可溶性を示す。したがっ
て、この発明品は抽出段階では疎水性物質と集合体を形
成しているが、精製を進めると高極性を示す物質であ
る。本発明品をシリカゲル60シラナイズドカラムクロ
マトグラフィーで精製して得られる高活性な阻害物質
は、薄層クロマトグラフィー分析で、オルシノール硫酸
試薬(糖類または有機化合物一般)およびアズールA試
薬(含硫化合物)の両試薬に対して陽性を示す。表3に
実験結果を示す。
【0016】また、本発明品の熱安定性についても検討
を加えた。採取したエゾイシゲを細切し、その5gに2
5mLの蒸留水を加えてポリトロン(10,000rp
mで1分)でホモジナイズした。そのホモジネートを5
0、70、98、121℃で1時間加熱処理した後、7
0%メタノールになるようにメタノールを加えてよく攪
拌して一夜抽出した。その後遠心分離(10,000r
pmで10分)して上清を減圧濃縮し、抽出溶媒を留去
した。得られた抽出物を前記した方法に従いα−グルコ
シダーゼ阻害活性を比較し、その熱安定性を検討したと
ころ、高い加熱耐性を示し、食品利用上優れた特性を持
つことが明らかとなった。上記したエゾイシゲ抽出物め
α−グルコシダーゼ阻害活性におよぼす加熱の影響を調
べた結果を図2に示した。
を加えた。採取したエゾイシゲを細切し、その5gに2
5mLの蒸留水を加えてポリトロン(10,000rp
mで1分)でホモジナイズした。そのホモジネートを5
0、70、98、121℃で1時間加熱処理した後、7
0%メタノールになるようにメタノールを加えてよく攪
拌して一夜抽出した。その後遠心分離(10,000r
pmで10分)して上清を減圧濃縮し、抽出溶媒を留去
した。得られた抽出物を前記した方法に従いα−グルコ
シダーゼ阻害活性を比較し、その熱安定性を検討したと
ころ、高い加熱耐性を示し、食品利用上優れた特性を持
つことが明らかとなった。上記したエゾイシゲ抽出物め
α−グルコシダーゼ阻害活性におよぼす加熱の影響を調
べた結果を図2に示した。
【0017】
【発明の効果】本発明のα−グルコシダーゼ阻害物質は
エゾイシゲの水及びメタノール抽出物を有効成分として
含有し、強い阻害活性を示すだけでなく、実際に食後高
血糖の上昇を抑制するので、肥満・糖尿病の予防・改善
に優れた効果を示す。また、加熱安定性にも優れている
ので食品へ容易に利用できる。
エゾイシゲの水及びメタノール抽出物を有効成分として
含有し、強い阻害活性を示すだけでなく、実際に食後高
血糖の上昇を抑制するので、肥満・糖尿病の予防・改善
に優れた効果を示す。また、加熱安定性にも優れている
ので食品へ容易に利用できる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年8月18日(1999.8.1
8)
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】エゾイシゲ70%メタノール抽出物の経口投与
によるラットの血糖値の変化を示す図である。
によるラットの血糖値の変化を示す図である。
【図2】エゾイシゲ70%メタノール抽出物のα−グル
コシダーゼ阻害活性に及ぼす加熱の影響を示す図であ
る。
コシダーゼ阻害活性に及ぼす加熱の影響を示す図であ
る。
【符号の説明】
【図1】縦軸はラットの血中グルコース濃度(mg/1
00ml)、横軸は試料投与後の時間(分)を示す。
00ml)、横軸は試料投与後の時間(分)を示す。
【図2】縦軸はα−グルコシダーゼ阻害活性(%)、横
軸は加熱処理条件を示す。
軸は加熱処理条件を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 3/06 A61K 37/64 Fターム(参考) 4B018 MD67 ME03 ME14 MF01 4B019 LC05 LP13 4C084 AA02 CA07 DC32 MA52 NA06 NA07 ZA702 ZC202 ZC352 4C088 AA13 CA08 NA06 NA07 ZA70 ZC20 ZC35
Claims (3)
- 【請求項1】エゾイシゲ(Pelvetia wrig
htii Okamura)を含有することを特徴とす
る肥満及び糖尿病の予防を目的とする食品素材およびこ
れを含有する食品。 - 【請求項2】エゾイシゲの有効成分がα−グルコシター
ゼ阻害物質であることを特徴とする肥満及び糖尿病予防
を目的とする食品素材。 - 【請求項3】エゾイシゲを水または有機溶媒によって抽
出する肥満及び糖尿病予防を目的とする食品素材の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11194845A JP2000342224A (ja) | 1999-06-03 | 1999-06-03 | エゾイシゲからの肥満及び糖尿病予防を目的とする食品素材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11194845A JP2000342224A (ja) | 1999-06-03 | 1999-06-03 | エゾイシゲからの肥満及び糖尿病予防を目的とする食品素材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000342224A true JP2000342224A (ja) | 2000-12-12 |
Family
ID=16331243
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11194845A Pending JP2000342224A (ja) | 1999-06-03 | 1999-06-03 | エゾイシゲからの肥満及び糖尿病予防を目的とする食品素材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000342224A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003092710A1 (en) * | 2002-04-30 | 2003-11-13 | Kuk Hyun Shin | Pharmaceutical compositions comprising an extract of pelvetia siliquosa for the prevention or the treatment of liver disease, diabetes and diabetic complications |
JP2007037475A (ja) * | 2005-08-04 | 2007-02-15 | Ogawa & Co Ltd | 海藻エキスの製造方法 |
-
1999
- 1999-06-03 JP JP11194845A patent/JP2000342224A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003092710A1 (en) * | 2002-04-30 | 2003-11-13 | Kuk Hyun Shin | Pharmaceutical compositions comprising an extract of pelvetia siliquosa for the prevention or the treatment of liver disease, diabetes and diabetic complications |
JP2007037475A (ja) * | 2005-08-04 | 2007-02-15 | Ogawa & Co Ltd | 海藻エキスの製造方法 |
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