JP2000342176A - 乳飲料及び乳発酵食品 - Google Patents

乳飲料及び乳発酵食品

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JP2000342176A
JP2000342176A JP11157649A JP15764999A JP2000342176A JP 2000342176 A JP2000342176 A JP 2000342176A JP 11157649 A JP11157649 A JP 11157649A JP 15764999 A JP15764999 A JP 15764999A JP 2000342176 A JP2000342176 A JP 2000342176A
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royal jelly
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Shuichiro Ueda
修一郎 上田
Mitsuyoshi Hashimoto
三義 橋本
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Viox Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カルシウム吸収促進効果と共に、他の様々な
生理活性機能をも期待できる乳飲料及び乳発酵食品を提
供する。 【構成】 乳飲料及び乳発酵食品に、ローヤルゼリーの
プロテアーゼによる分解物であって、好ましくは分子量
3,000以下のペプチドを添加する。この乳飲料及び
乳発酵食品には、更にカゼインホスホペプタイド、イソ
フラボン、ビタミンD3、ビタミンK等のカルシウム吸
収促進効果を有する物質を添加してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ローヤルゼリーのプロ
テアーゼによる分解物を含有する乳飲料及び乳発酵食品
に関する。
【0002】
【従来の技術】ローヤルゼリーは、若い働き蜂の分泌線
(下咽頭線、大腮腺)から分泌される乳白色を帯びた強
い酸味のある物質で、女王蜂を育てるための特別な餌と
なるものである。ローヤルゼリーの成分については、ま
だ不明の点もあるが、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、
アセチルコリン、10−ヒドロキシデセン酸、ステロー
ル、ホルモンなどの栄養成分をバランスよく含み、人体
に対して好ましい生理活性を持つことが知られている。
そのため古くから、生タイプ、カプセルタイプ、飲料タ
イプなどの健康食品、医薬品、化粧品等として利用され
ている。
【0003】ローヤルゼリーの生理的機能については、
これまでにも種々の報告がなされている。例えば、村上
らによりin vitroの系におけるローヤルゼリーのIg
G、IgMの産生促進作用(Agric. Biol. Chem.,54
(4),1087−1089,1990)、並びにIF
N−γの産生促進作用(’90、’91農芸化学学会講
演要旨集)が報告されている。また、米倉らによりヒト
単球培養細胞の増殖促進効果(’92生化学会講演要旨
集、No.2035)が報告されている。
【0004】また、本出願人による特許第262304
4号(特開平5−123119号)には、生ローヤルゼ
リーを基質に対する作用部位の異なる二種類以上のプロ
テアーゼで処理することにより、生ローヤルゼリーと同
様な成分を含有し、しかも透明で、安定性に優れ、飲料
等にも添加しやすく、したがって経口摂取しやすい透明
なローヤルゼリー分解物が得られることが開示されてい
る。
【0005】更に、本出願人による特開平8−1046
45号には、ローヤルゼリーのプロテアーゼによる分解
物であって、分子量3,000以下のペプチドを有効成
分として含有する経口摂取用育毛剤、特開平8−594
99号には、同様に分子量3,000以下のペプチドを
有効成分として含有する感染防御機能増強剤が開示され
ている。
【0006】ところで、従来から牛乳やヨーグルトなど
の乳製品は、優れたカルシウム供給源であり、そのカル
シウムは吸収されやすいことが知られている。これは、
牛乳中のカルシウムが吸収されやすい形態で存在してい
るためである。
【0007】また、カルシウム吸収促進剤としては、カ
ゼインホスホペプタイド(以下「CPP」と略称する)
がよく知られている。しかしながら、CPPは、カルシ
ウム吸収促進効果を有するものの、ローヤルゼリーのよ
うな様々な生理活性効果を有するものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、カルシウム吸収促進効果と共に、他の様々な生
理活性機能をも期待できる乳飲料及び乳発酵食品を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ローヤルゼ
リーあるいはその酵素分解物にカルシウム吸収促進効果
があるかもしれないという発想をいだき、後述するマウ
スの腸管を利用した動物実験を行ったところ、ローヤル
ゼリーそのものにはカルシウム吸収促進効果はないが、
ローヤルゼリーの酵素分解物にはCPPに匹敵するカル
シウム吸収促進効果があることを見出し、ローヤルゼリ
ーの酵素分解物であって分子量3,000以下のペプチ
ドを有効成分として含有するカルシウム吸収促進剤及び
カルシウム補給食品を提案している(特願平10−90
808号)。本発明は、それを乳飲料及び乳発酵食品に
適用し、完成したものである。
【0010】すなわち、本発明の乳飲料は、乳原料とロ
ーヤルゼリーのプロテアーゼによる分解物とを含有する
ことを特徴とする。
【0011】また、本発明の乳発酵食品は、発酵乳とロ
ーヤルゼリーのプロテアーゼによる分解物とを含有する
ことを特徴とする。
【0012】本発明の乳飲料及び乳発酵食品は、乳原料
又は発酵乳を含み、これらは優れたカルシウムの供給源
であり、カルシウムを豊富に含んでいる。また、本発明
の乳飲料及び乳発酵食品が含有するローヤルゼリーのプ
ロテアーゼによる分解物は、後述する実施例に示される
ように優れたカルシウムの吸収促進効果をもたらす。
【0013】したがって、本発明によれば、乳原料及び
発酵乳中に含まれる豊富なカルシウムが一層効果的に吸
収される。
【0014】また、ローヤルゼリーのプロテアーゼによ
る分解物は、上述したように育毛効果、病原性の細菌や
ウイルスに対する感染防御機能増強効果も有している。
このように、カルシウムの吸収促進効果だけでなく、前
述したような各種の生理活性機能が期待できる。
【0015】さらに、ローヤルゼリーのプロテアーゼに
よる分解物は、生ローヤルゼリーとは異なり、加熱殺菌
してもタンパク質の凝集・沈殿を生じないため、乳飲料
及び乳発酵食品に添加しやすい。
【0016】本発明において、前記分解物は、分子量
3,000以下のペプチドを主成分とするものであるこ
とが好ましい。すなわち、ローヤルゼリーそのものに
は、カルシウム吸収促進効果は認められず、分解してペ
プチドにしたときに初めてカルシウム吸収促進効果が認
められるからである。
【0017】また、本発明の乳飲料及び乳発酵食品は、
前記原料に加えて、CPP、イソフラボン、ビタミンD
3、ビタミンKから選ばれた少なくとも1種を含有する
ことが好ましい。これらは、いずれもカルシウム吸収促
進あるいは溶出防止に関与することが知られており、こ
れらを添加することによって、カルシウム吸収促進効果
をより一層高めることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について好ましい態
様を挙げて、更に詳細に説明する。本発明において、ロ
ーヤルゼリーのプロテアーゼによる分解物(以下「ロー
ヤルゼリー分解物」と略称する)は、ローヤルゼリーの
懸濁液に、プロテアーゼ、好ましくは基質に対する作用
部位の異なる二種類以上のプロテアーゼを、同時又は逐
次添加して室温以上の温度に保持し、酵素反応させるこ
とにより得られる。
【0019】この場合、プロテアーゼとしては、微生物
や植物起源の酸性プロテアーゼ、中性プロテアーゼ、ア
ルカリプロテアーゼや、ペプシン、パンクレアチン等の
哺乳動物由来の消化酵素など、通常、食品加工に用いら
れているものを使用することができ、これらの中から基
質に対する作用部位の異なる二種類以上を選択して用い
ることが好ましい。
【0020】プロテアーゼによる処理は、蛋白質の分解
率を経時的に測定し、最終分解率は使用するプロテアー
ゼにより異なるが、分解率が好ましくは75%以上、よ
り好ましくは85%以上となるまで行うのがよい。な
お、上記製造法の詳細は、前記特許第2623044号
に記載されている。
【0021】こうして得られたローヤルゼリー分解物
は、分子量3,000以下のペプチドを含有している。
また、蛋白質が分解されてペプチド化している以外は、
生ローヤルゼリーと同様な成分を含有している。このロ
ーヤルゼリーの分解物は、水溶液にしたときに透明で、
安定性に優れており、したがって飲料等にも添加しやす
く、経口摂取しやすいものである。なお、このローヤル
ゼリーの分解物は、そのまま溶液状で用いてもよく、凍
結乾燥などの手段によって粉末化して用いてもよい。ま
た、上記ローヤルゼリー分解物としては、例えば「バイ
オサンローヤル」(商品名、株式会社バイオックス製)
などの市販品を用いることもできる。
【0022】本発明の乳飲料は、乳原料と上記ローヤル
ゼリー分解物とを含有するものである。乳原料として
は、生乳、普通牛乳、加工乳、脱脂乳、粉乳などが挙げ
られ、粉乳を用いる場合は、水等に溶解してから用い
る。これらの乳原料には原料100g当たり100mg
以上のカルシウムが含まれている。
【0023】そして、本発明の乳飲料は、上記乳原料に
上記ローヤルゼリー分解物を添加・混合し、殺菌して紙
パックなどに充填して作ることができる。もしくは、上
記原料を混合後、缶などに充填してレトルト殺菌しても
よい。殺菌条件は、低温(65〜85℃)、通常(12
0〜124℃)、高温(130〜145℃)条件がある
が、いずれの条件で殺菌してもよい。特に、本発明の乳
飲料は、高温で殺菌してもタンパク質の凝集・沈殿が生
じないため、いわゆるLL(ロングライフ)牛乳と呼ば
れる高温殺菌処理したものに適している。
【0024】また、本発明において乳発酵食品とは、上
記乳原料に乳酸菌やビフィズス菌などの発酵菌を接種し
て発酵させた発酵乳を原料として含むものをいい、例え
ば、ヨーグルト(ハードタイプ、ソフトタイプ)や乳酸
菌飲料等が挙げられる。そして、本発明の乳発酵食品
は、常法により乳原料を発酵させたヨーグルトや乳酸菌
飲料に、前記と同様にローヤルゼリー分解物を添加・混
合して容器に充填し、冷却して作ることができる。
【0025】本発明において、乳飲料及び乳発酵食品へ
の上記ローヤルゼリー分解物の添加量は、特に限定され
ないが、カルシウム吸収量を効果的に高めるため、乾燥
物換算のローヤルゼリー分解物を2〜6g/製品1L添
加することが好ましい。
【0026】また、本発明の乳飲料及び乳発酵食品に
は、その他の原料として、カルシウム原料、例えば乳清
カルシウム、炭酸カルシウム等の各種カルシウム化合物
の他、牛骨粉、卵殻粉、貝殻粉等のカルシウム高含有食
品素材、CPP、イソフラボン、ビタミン類、ミネラル
類、香料、甘味料、着色料、果汁、果肉、安定剤、セル
ロース、パインファイバー等の難消化性多糖類等を適宜
添加することができる。
【0027】中でもCPP、イソフラボン、ビタミンD
3、ビタミンKはカルシウムの吸収促進あるいは溶出防
止に関与することが知られており、ローヤルゼリー分解
物と併用することによりカルシウム吸収促進効果をより
一層高めることが期待される。
【0028】また、本発明の乳飲料及び乳発酵食品の摂
取量は、該製品中に含まれるローヤルゼリー分解物を、
生ローヤルゼリー換算で1日当たり0.3〜6g摂取で
きる量とすることが好ましい。
【0029】
【実施例】製造例 生ローヤルゼリー100gに温水を加えて、ローヤルゼ
リーの懸濁液1kgを調製し、20%水酸化ナトリウム
溶液を用いて、pH4に調整した。この懸濁液に、哺乳
動物の消化酵素であるペプシン(1:10,000、シ
グマ社製)0.1gを添加し、45℃で、6時間酵素処
理を行って、ペプシン処理液を得た。
【0030】次に、該ペプシン処理液を、20%水酸化
ナトリウム溶液を用いて、pH8に調整した後、哺乳動
物の消化酵素であるパンクレアチン(2,000,000
単位/g、シグマ社製)0.1gを添加し、45℃で、
さらに6時間酵素処理を行った。
【0031】酵素処理を終了した後、80℃で、10分
間加熱して酵素を失活させ、次いで、濾過して異物や不
溶性残渣を除去して、透明な溶液を得た。
【0032】次いで、得られた溶液を、初めに用いた生
ローヤルゼリーと同じ重さである100gまで減圧濃縮
して、透明な溶液状のローヤルゼリー分解物を得た。な
お、このローヤルゼリー分解物は、「バイオサンローヤ
ル」(商品名、株式会社バイオックス製)として市販さ
れているものと同様のものである。
【0033】また、酵素処理時間は、以下に示す方法
で、酵素反応開始後0、2、4、6時間後にそれぞれ蛋
白質の分解率を測定し、分解率が最高に達した時点とし
た。
【0034】蛋白質の分解率は、サンプル2.0ml
に、等量の10%トリクロル酢酸(TCA)を加えて遠
心分離を行い、この上清を希釈した後、ローリー法で比
色定量し、TCA可溶性成分の量の推移を調べた。な
お、ローヤルゼリー中の粗蛋白質は、TCA溶液のかわ
りに等量の水を加えた溶液を用い、同様に比色定量して
求めた。そして、下記数1に示す式により、蛋白質の分
解率を求めた。
【0035】
【数1】 分解率={(c−b)/(a−b)}×100% a:ローヤルゼリー分解物の粗蛋白質含有量 b:ローヤルゼリー分解物のTCA可溶性成分の含有量 c:酵素処理サンプルのTCA可溶性成分の含有量
【0036】上記の方法により求めた6時間酵素処理後
の蛋白質の分解率は、91.6%であった。
【0037】また、得られたローヤルゼリー分解物と、
生ローヤルゼリーとに含まれる粗蛋白質について分子量
分布を測定し、比較した。なお、測定方法は高速液体ク
ロマトグラフィーにより行った。その結果を図1に示
す。図において、Aは製造例で得られたローヤルゼリー
分解物の結果、Bは生ローヤルゼリーの結果を示す。
【0038】図1の結果から、製造例で得られた透明な
ローヤルゼリー分解物中の粗蛋白質の分子量分布を、生
ローヤルゼリー中の粗蛋白質の分子量分布と比較する
と、製造例で得られたローヤルゼリー分解物中には、分
子量1万以上のものがほとんどなくなって、分子量50
0〜3,000のペプチドが主成分となっている。この
ことは、電気泳動等の結果からも確認した。
【0039】すなわち、製造例で得られたローヤルゼリ
ー分解物は、蛋白質が分解されてペプチド化している以
外は、生ローヤルゼリーと同様な成分を含有し、ペプチ
ドとしては、特に生理機能を有するといわれている分子
量数百〜数千のペプチドを多く含有していることがわか
る。
【0040】なお、製造例で得られたローヤルゼリー分
解物は、牛乳に添加して加熱殺菌しても、あるいは弱酸
性の飲料に添加しても生ローヤルゼリーのように凝集・
沈殿することなく容易に溶解し、また、そのまま食して
も、喉を刺すような刺激もなく、むしろ若干の旨味と甘
さがあるものであった。
【0041】試験例 マウスの体内から摘出した小腸を用いて、カルシウム吸
収に対するCPP、生ローヤルゼリー(以下「生RJ」
と略称する)、ローヤルゼリー分解物(以下「RJ分解
物」と略称する)の影響を調べた。すなわち、上記の各
種サンプル及びカルシウムを含む液を、摘出した小腸内
に入れ、吸収されて溶出するカルシウム濃度を測定する
ことにより、各種サンプルのカルシウム吸収に対する影
響を比較した。
【0042】実験に供した生RJ及びRJ分解物は、下
記表1に示す性状を有するものである。なお、ローヤル
ゼリー分解物は、前記製造例と同様な方法で製造したも
のを2倍に薄めたものである。
【0043】
【表1】
【0044】以下、実験方法及び結果について説明す
る。 (1)小腸の調製方法 DDY系7週齢雄マウスを、24時間絶食させた後、屠
殺し、直ちに小腸を摘出して、冷生理食塩水で洗浄し
た。小腸の両端から16cmずつ切り取り、腸管内を洗
浄後、胃に近い上部の空腸部と、下部の回腸部とを採取
した。CPPを用いた予備試験において、空腸部よりも
回腸部の方がカルシウム吸収促進作用を受けやすい傾向
があったので、以下の試験は回腸部を用いて行った。
【0045】(2)試料の調製方法 以下の試料を作成し、小腸及びその内部に残留するカル
シウムの影響を除くため、生理食塩水のみを使用したブ
ランク区で得られたカルシウム濃度をブランク値とし
て、他のテスト区のカルシウム濃度から差し引いて、各
テスト区間のCa吸収量の比較を行った。
【0046】1.ブランク区:生理食塩水のみ。 2.コントロール区:生理食塩水に、カルシウムとして
67.5mg/dl、リン(P)として18.0mg/
dlになるように、塩化カルシウム及びリン酸カリウム
を用いて調製したもの(以下「コントロール液」とす
る)。
【0047】3.CPP区:コントロール液に、CPP
(明治乳業製、商品名「CPPIII」、カルシウムフリ
ーのもの)0.4mg/mlを添加したもの。
【0048】4.生RJ区:コントロール液に、蛋白質
量でCPPと同濃度(0.298mg/ml)になるよ
うに、生RJを添加したもの(生RJとして2.219
mg/ml添加)。
【0049】5.RJ分解物1区:コントロール液に、
固形分量で生RJ区と同濃度になるように、RJ分解物
を添加したもの(RJ分解物として5.034mg/m
l添加)。
【0050】6.RJ分解物2区:コントロール液に、
蛋白質量でCPP区と同濃度(0.298mg/ml)
になるように、RJ分解物を添加したもの(RJ分解物
として8.230mg/ml添加)。
【0051】7.RJ分解物3区:コントロール液に、
蛋白質量でCPP区の1.63倍の濃度(0.486m
g/ml)になるように、RJ分解物を添加したもの
(RJ分解物として13.455mg/ml添加)。
【0052】(3)実験工程 前記方法で調製した小腸(回腸部)の片方の腸端から1
cmのところを糸で結び、ゾンデ針をつけた注射器で各
種試料(内液)を1.0mlずつ注入し、5%炭酸ガス
含有酸素で飽和した生理食塩水40ml(外液)の中に
結び目が浸らないように入れ、37℃、30分間、5%
炭酸ガス含有酸素を通じながらインキュベーションし
た。
【0053】インキュベーション後、外液を15,00
0rpmで15分間遠心分離を行い、その上清について
422.7nmにおけるCaの発光強度をICP発光分
析装置で分析を行い、各種の試料の小腸におけるCa吸
収に対する影響を確認した。
【0054】(4)結果 各テスト区で得られた数値(生データ)をブランク区に
おける外液カルシウム濃度を用いて補正した結果を表2
及び図2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】コントロール区の外液カルシウム濃度は2
07.9ppbを示すのに対し、CPP区では231.
0ppbと、カルシウム吸収が促進される傾向が認めら
れたが、今回の実験系では有意な差は認められなかっ
た。
【0057】生RJ区(185.7ppb)について
は、コントロール区、CPP区よりも低い数値を示し、
特にCPP区よりも有意に低い数値(P<0.05)を
示した。
【0058】また、CPP区、RJ分解物1区、RJ分
解物2区、RJ分解物3区においては、コントロール区
及び生RJ区より高い数値を示し、カルシウムの吸収が
促進される傾向が認められた。
【0059】特に、RJ分解物3区については、CPP
区に対してP<0.05、生RJ区、RJ分解物1区、
RJ分解物2区に対してP<0.01の危険率で有意な
差が認められた。このように、RJ分解物を添加するこ
とにより、明らかなカルシウム吸収促進効果が認められ
た。
【0060】実施例1 生乳998gに、上記製造例で得られたローヤルゼリー
分解物2gを混合し、130〜145℃で2〜5秒間殺
菌し、紙パックに充填してローヤルゼリー酵素分解物入
り牛乳を製造した。
【0061】実施例2 生乳843gに、上記製造例で得られたローヤルゼリー
分解物6g、イチゴ果汁10g、液糖130g、クリー
ム10g、香料1gの混合物を添加・混合し、缶に充填
後、120〜124℃、15〜20分間レトルト殺菌し
て缶入りのローヤルゼリー酵素分解物入り乳飲料を製造
した。
【0062】実施例3 常法により得た乳酸菌発酵乳752gをホモジナイザー
でホモジナイズした後、上記製造例で得られたローヤル
ゼリー分解物2g、液糖120g、果汁125g、香料
1gの混合物を添加・混合し、容器に充填してドリンク
タイプのローヤルゼリー酵素分解物入りヨーグルトを製
造した。
【0063】実施例4 常法によりプレーンヨーグルトを製造し、上記製造例で
得られたローヤルゼリー分解物2g、液糖120g、果
汁125g、ゼラチン50g、寒天4g、香料1gの混
合物をソースシロップとして別添したものを製造した。
【0064】実施例5 常法により得た乳酸菌発酵乳892gに、上記製造例で
得られたローヤルゼリー分解物2g、液糖100g、ペ
クチン5g、香料1gの混合物を添加・混合し、75〜
80℃、15分間殺菌して、ローヤルゼリー酵素分解物
入り乳酸菌(殺菌済み)飲料を製造した。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の乳飲料及
び乳発酵食品は、ローヤルゼリーのプロテアーゼによる
分解物を含有することにより、前記実施例に示したよう
な顕著なカルシウムの吸収促進効果をもたらすことが期
待される。また、ローヤルゼリーのプロテアーゼによる
分解物は、牛乳等に添加して加熱殺菌しても、あるいは
弱酸性の飲料に添加しても生ローヤルゼリーのように凝
集・沈殿することなく容易に溶解し、カルシウムの吸収
促進効果だけでなく、前述した育毛効果や、感染防御機
能増強効果などの各種生理活性機能も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 製造例で得られたローヤルゼリー分解物中の
粗蛋白質と、生ローヤルゼリー中の粗蛋白質の分子量分
布を示す図表である。
【図2】 カルシウムの腸管吸収に対する各種試料の影
響を調べた実験結果を示す図表である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 2/38 A23L 2/38 N 2/00 F Fターム(参考) 4B001 AC06 AC31 AC99 BC14 DC01 EC05 4B017 LC03 LE03 LK16 LK18 LK20 LK25 LL09 LP05 4B018 LB07 LB08 LE04 LE05 MD21 MD23 MD71 MD77 ME05 MF13 4B041 LC10 LD06 LK13 LK19 LK37 LK42 LK44 LP15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳原料とローヤルゼリーのプロテアーゼ
    による分解物とを含有することを特徴とする乳飲料。
  2. 【請求項2】 前記分解物が分子量3,000以下のペ
    プチドを主成分とする請求項1記載の乳飲料。
  3. 【請求項3】 前記原料に加えて、カゼインホスホペプ
    タイド、イソフラボン、ビタミンD3、ビタミンKから
    選ばれた少なくとも1種を含有する請求項1又は2記載
    の乳飲料。
  4. 【請求項4】 発酵乳とローヤルゼリーのプロテアーゼ
    による分解物とを含有することを特徴とする乳発酵食
    品。
  5. 【請求項5】 前記分解物が分子量3,000以下のペ
    プチドを主成分とする請求項4記載の乳発酵食品。
  6. 【請求項6】 前記原料に加えて、カゼインホスホペプ
    タイド、イソフラボン、ビタミンD3、ビタミンKから
    選ばれた少なくとも1種を含有する請求項4又は5記載
    の乳発酵食品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109548876A (zh) * 2018-12-10 2019-04-02 桐梓县德毓蜂业发展有限公司 一种蜂蜜酸奶的制作方法
WO2019221078A1 (ja) * 2018-05-18 2019-11-21 株式会社山田養蜂場本社 酵素分解ローヤルゼリーの安定化

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