JP2000342172A - 青果物の制菌方法及び装置 - Google Patents

青果物の制菌方法及び装置

Info

Publication number
JP2000342172A
JP2000342172A JP15221999A JP15221999A JP2000342172A JP 2000342172 A JP2000342172 A JP 2000342172A JP 15221999 A JP15221999 A JP 15221999A JP 15221999 A JP15221999 A JP 15221999A JP 2000342172 A JP2000342172 A JP 2000342172A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vegetables
fruits
ozone water
solution
bacteriostatic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15221999A
Other languages
English (en)
Inventor
Hikoichi Nishimura
彦一 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Farm Wakayama Kk
Original Assignee
Farm Wakayama Kk
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Farm Wakayama Kk filed Critical Farm Wakayama Kk
Priority to JP15221999A priority Critical patent/JP2000342172A/ja
Publication of JP2000342172A publication Critical patent/JP2000342172A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 野菜等の青果物における表面の雑菌を滅し、
増加を抑制する制菌処理を容易且つ確実に行う青果物の
制菌方法及び装置を提供することを課題としている。 【解決手段】 所定濃度のオゾン水6内に青果物を浸
漬、又は該オゾン水6を青果物に散浴させた後に、青果
物の脱水を行い、雑菌の繁殖を抑制する制菌剤溶液8に
脱水後の青果物を浸漬、又は該制菌剤溶液8を青果物に
散浴させ、さらに青果物を脱水処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はカット野菜等の青
果物の制菌方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来青果物の1つであるカットされた野
菜(カット野菜)が袋詰めされたカット野菜のパッケー
ジが知られているが、このカット野菜パッケージは、カ
ット野菜の洗浄・除菌(殺菌)処理後にパッケージング
が行われて製造されている。そして上記洗浄・除菌処理
用の装置(洗浄装置)として、所定濃度のオゾン水が収
容され、該オゾン水内へのカット野菜の浸漬が可能なオ
ゾン水槽と、次亜塩酸からなる殺菌剤溶液が収容され、
該殺菌剤溶液内へのカット野菜の浸漬が可能な殺菌剤槽
とを並設したものが知られている。
【0003】そして上記洗浄装置は、カット野菜の浸漬
時にオゾン水及び殺菌剤溶液をエアバブリングして、オ
ゾン水及び殺菌剤溶液とカット野菜との接触を大きくと
るように構成されており、オゾン水洗浄によりカット野
菜表面の雑菌を死滅せしめるとともに、雑菌が死滅せし
められたカット野菜の表面を殺菌剤により殺菌すること
で、雑菌の繁殖を防止する構造となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このとき上記オゾン水
又は殺菌剤溶液のエアバブリングは、攪拌超音波をオゾ
ン水槽又は殺菌剤槽内で発生させることで行われるが、
このため前記超音波によりカット野菜の内容物の一部が
析出し、カット野菜の味が低下する他、前記内容物の流
出部分への雑菌の付着が容易となり、特に上記一連の洗
浄処理後の経時変化に伴う雑菌の増加による枯変現象が
著しくなるという欠点があった。
【0005】またオゾン水のエアバブリングにより容易
にオゾンガスが発生し、あるいは殺菌剤溶液が次亜塩酸
からなるため、殺菌剤溶液のエアバブリングにより塩素
ガスやトリハロメタンが発生する場合がある等により、
環境及び作業者側に対して悪影響を与える場合がある等
の欠点もあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の青果物の制菌方法によると、所定濃度のオゾ
ン水6内に青果物を浸漬、又は該オゾン水6を青果物に
散浴させ、このオゾン水処理後の青果物の脱水を行い、
脱水後の青果物を雑菌の繁殖を抑制する制菌剤溶液8に
浸漬、又は該制菌剤溶液8を青果物に散浴させ、この制
菌剤溶液8による処理後の青果物を再度脱水処理するこ
とを第1の特徴としている。
【0007】またオゾン水6の青果物への散浴又は浸漬
とオゾン水処理後の青果物の脱水の工程を複数回繰り返
すことを第2の特徴としている。
【0008】一方上記課題を解決するための本発明の青
果物の制菌装置は、所定濃度のオゾン水6が収容され、
該オゾン水6内への青果物の浸漬、あるいは青果物への
オゾン水6の散浴が可能なオゾン水槽3と、該オゾン水
槽3側での処理後の青果物の脱水を行う脱水槽4と、青
果物の表面PH調整を行って雑菌の繁殖を抑制する制菌
剤溶液8が収容され、上記脱水槽4による脱水後の青果
物の制菌剤溶液8への浸漬、あるいは青果物への制菌剤
溶液8の散浴が可能な制菌剤槽9と、該制菌処理後の青
果物に残る不要な制菌剤溶液を青果物の表面から除去せ
しめる制菌剤脱水槽11とを並設したことを第1の特徴
としている。
【0009】またオゾン水槽3と脱水槽4とを交互に複
数連続して配置したことを第2の特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明による青果物の制菌
装置1の概略モデル図であり、後述するように青果物の
オゾン水処理を行う洗浄脱水部A1,A2と、該洗浄脱
水部A1,A2での処理後に後述するように雑菌の繁殖
を抑制する制菌部Bとが並設されて構成されている。そ
して両洗浄脱水部A1,A2が連続した後に制菌部Bが
配置されており、青果物が収容された処理容器2を、第
1洗浄脱水部A1から制菌部B側にコンベア等の搬送装
置5により搬送して青果物の制菌処理を行う構造となっ
ている。
【0011】なお以下本実施形態は、青果物としてキャ
ベツやレタス等の野菜を細く短冊状にカッティングした
カット野菜を使用する1例として説明し、その使用方法
は処理するアイテム(各野菜)により各々区別される
が、上記制菌装置1による制菌処理の前処理として、例
えば収穫後産地から出荷された野菜を包装から取り出
し、汚れや異物の除去,株分け,損傷部や不良品の除
去,不要部分の切除,上記カッティング,小容器への小
分け等を行った後、耐オゾン性を備えたステンレス鋼や
合成樹脂製のザル状のバスケット等からなる処理容器2
に適宜量収容しておくものとする。
【0012】次に上記洗浄脱水部A1,A2の構造と作
動について説明する。両洗浄脱水部A1,A2は、同一
構造及び同一機能を有し、所定濃度のオゾン水6が収容
されたオゾン水槽3と、後述するようにオゾン水槽3側
でオゾン水処理された青果物の脱水を行う脱水槽4等か
ら構成されており、第1洗浄脱水部A1は、前処理され
たカット野菜が収容された処理容器2を前述の搬送装置
5により前処理側から、オゾン水槽3、脱水槽4側に搬
送することが可能に構成されている。
【0013】図1、図2に示されるように上記オゾン水
槽3は、内部に所定濃度のオゾン水6が収容されたケー
ス状をなし、上記処理容器2の収納が可能であるととも
に、処理容器2内のカット野菜が十分に浸漬するオゾン
水6の水量が確保された構造となっている。
【0014】そして図2,図3に示されるように前処理
側から搬送されたカット野菜Vが収容された処理容器2
を人手等によりオゾン水槽3内に浸漬せしめることで、
カット野菜Vの表面とオゾン水6とが接触してカット野
菜Vのオゾン水6による滅菌処理(オゾン水処理)が行
われ、カット野菜表面Vの雑菌が減少(滅菌)せしめら
れる。このときオゾン水6の濃度は5ppm,水温は5
度に設定されており、約3分間カット野菜が収容された
処理容器2を浸漬する。
【0015】一方前述の脱水槽4は、制菌装置1におけ
るオゾン水槽3の下流に、モータ7等の回転アクチュエ
ータにより回転自在に支持されて配置されているが、上
記処理容器2の収納が可能であるとともに、収納した処
理容器2の一体的に固定することができるように構成さ
れている。
【0016】つまり上記脱水槽4は遠心脱水装置を構成
しており、図2,図3に示されるようにオゾン水処理後
の処理容器2(カット野菜Vが収納されている)を搬送
装置5により脱水槽4側に搬送せしめ、脱水槽4内に上
記のようにオゾン水処理後のカット野菜収納状態の処理
容器2を人手等により一体的に固定し、脱水槽4を回転
させることで、処理容器2が脱水槽4と一体的に回転せ
しめられ、処理容器2内のカット野菜Vの脱水(脱水処
理)が行われる。このとき脱水処理は800rpmで約
20秒間行われる。
【0017】そして上記脱水槽4による脱水処理によ
り、前述のようにオゾン水処理がなされて表面の雑菌が
減少せしめられたカット野菜Vの表面に残るオゾン水6
が、脱水槽4の回転時の遠心力により除去され、カット
野菜Vの表面にはオゾン水6が概ね残らない。このため
脱水処理後のカット野菜Vにはオゾン水6から変化した
水(一般的にオゾン水は構造的に不安定であるため容易
に水に変化する)がほぼ残らない。
【0018】以上のように洗浄脱水部A1によりカット
野菜Vのオゾン水処理(オゾン水6による滅菌洗浄と脱
水)が行われるが、一方本実施形態における制菌装置1
は前述のように2つの洗浄脱水部A1,A2が連続する
ように構成されており、つまり第1洗浄脱水部A1によ
り処理された処理容器2(カット野菜が収納されてい
る)は搬送装置5により第2洗浄脱水部A2側に搬送さ
れ、再度オゾン水処理がなされる。
【0019】このため上記のように第1洗浄脱水部A1
により脱水処理された後の処理容器2(カット野菜V)
は、図1に示されるように搬送装置5により搬送され再
度オゾン水処理されるべく、第2洗浄脱水部A2のオゾ
ン水槽2内に収容され、カット野菜Vがオゾン水6に浸
漬される。このとき第2洗浄脱水部A2のオゾン水槽2
内のオゾン水は濃度が3ppm,水温5度に設定されて
おり、約3分間カット野菜が収容された処理容器2を浸
漬する。
【0020】この際第1洗浄脱水部A1による脱水処理
後のカット野菜Vの表面には前述のように水がほぼ残ら
ないため、カット野菜Vの表面に対するオゾン水6の接
触は、カット野菜Vの表面に残る水(残水)に妨げられ
ることなく行われ、カット野菜Vの表面に対してほぼ余
すことなくオゾン水処理が行われ、再度カット野菜表面
のオゾン水6による滅菌が行われる。
【0021】その後2度目のオゾン水処理が行われたカ
ット野菜Vを収容した処理容器2が、搬送装置5により
第2洗浄脱水部A2の脱水槽4側に搬送され、人手等に
より再度上記脱水槽4に一体収容され、脱水槽4の回転
によりカット野菜の脱水処理が行われ、カット野菜の表
面からオゾン水が除去される。そして処理容器2は搬送
装置5により前述の制菌部Bに搬送されて制菌処理が行
われる。なお脱水処理は800rpmで約20秒間行わ
れる。また処理容器2の第2洗浄脱水部A2のオゾン水
槽2及び脱水槽4への浸漬作業状態は図2に示される第
1洗浄脱水部A1の場合と同様である。
【0022】一方制菌部Bは後述する成分からなる制菌
剤溶液8が収容された制菌剤槽9と、後述するように制
菌剤槽9側で制菌処理された青果物(カット野菜V)の
脱水を行う前記脱水槽4と同様の構造の制菌脱水槽11
等から構成されており、第2洗浄脱水部A2によりオゾ
ン水処理されたカット野菜収容状態の処理容器2を前述
の搬送装置5により第2洗浄脱水部A2側から、制菌剤
槽9、制菌脱水槽11側に搬送することが可能に構成さ
れている。
【0023】上記制菌剤槽9は、制菌剤溶液8が内部に
収容されたケース状をなし、処理容器2の収納が可能で
あるとともに、処理容器2内のカット野菜Vが十分に浸
漬する制菌剤溶液8の水量が確保された構造となってい
る。そして図3に示されるように搬送装置5等により制
菌剤槽9側に搬送される脱水処理後の処理容器2(カッ
ト野菜Vが収納されている)を人手等により制菌剤槽9
内に浸漬せしめることで、カット野菜Vの表面と制菌剤
溶液8とが接触してカット野菜表面に2度のオゾン水処
理後に残る雑菌に対して繁殖を抑制する制菌処理が行わ
れる。
【0024】なお本実施形態における制菌とは、カット
野菜Vの表面PH調整を行い、カット野菜Vの表面のP
Hを酸性として、カット野菜Vの表面に残る雑菌の繁殖
を抑制することを示し、制菌剤溶液8はこの制菌を行う
溶液である。そして前述の2度目のオゾン水処理時と同
様に、制菌剤溶液8に浸漬せしめられる際、カット野菜
Vの表面には残水がほぼ無く、制菌剤溶液8がカット野
菜Vの表面にほぼ余すことなく接触し、カット野菜Vの
表面の制菌が行われる。
【0025】このときカット野菜Vが収容された処理容
器2は上記制菌剤溶液に略3分間浸漬せしめられるが、
上記制菌剤溶液8は、エタノール,高度サラシ粉,柿抽
出物,食品素材(酸性イオン水)からなる溶液であり、
雑菌の殺菌効果は比較的薄いが、殺菌の増大(雑菌の繁
殖)を防止する制菌としての作用は確保されたものであ
る。このため上記制菌剤溶液8は性状として比較的水に
近く、作業者や野菜に対する悪影響が少ないものとなっ
ている。
【0026】その後搬送装置5等により上記制菌処理が
行われた処理容器2(カット野菜V)を制菌脱水槽11
側に搬送し、人手等により上記処理容器2(カット野菜
Vが収納されている)を制菌脱水槽11内に装着して、
制菌脱水槽11を回転させることでカット野菜表面の不
要な制菌剤溶液8が除去せしめられ、以上によりカット
野菜Vの制菌処理が終了する。そしてこの制菌処理が終
了したカット野菜Vをパッケージングしてカット野菜の
パッケージが製造される。なお処理容器2の制菌部Bの
制菌剤槽9及び制菌脱水槽11への浸漬作業状態は図2
に示される第1洗浄脱水部A1の場合と同様であるが、
但し制菌脱水は概ね2分程度行われる。
【0027】以上に示されるように本発明の制菌装置1
(制菌方法)によると、カット野菜Vのオゾン水処理
(滅菌処理)が、2度のオゾン水6への浸漬により行わ
れ、オゾン水処理後のカット野菜Vの制菌処理が、2度
目のオゾン水6への浸漬後に行われるが、処理容器2
(カット野菜)のオゾン水6への浸漬間、及び2度目の
オゾン水6への浸漬と制菌剤溶液8への浸漬との間に、
カット野菜Vの脱水が行われるため、前述のように2度
目のオゾン水6への浸漬時直前及び制菌剤溶液8への浸
漬時直前には、カット野菜Vの表面からほぼオゾン水が
除去されている。
【0028】このため前述のようにカット野菜Vの表面
に水が残らず、カット野菜Vの2度目のオゾン水6への
浸漬及び制菌剤溶液8への浸漬の際には、オゾン水6又
は制菌剤溶液8がカット野菜Vの表面にほぼ余すこと無
く接触して、滅菌又は制菌が行われる。つまりカット野
菜Vの表面に水が残存すると、この残存水の部分にはオ
ゾン水6及び制菌剤溶液8が接触せず、滅菌又は制菌が
行われず、また残存する水から雑菌が青果物(カット野
菜)側に繁殖するが、本実施形態の場合は上記のように
残存する水に起因する雑菌の繁殖が少なく、カット野菜
の滅菌及び制菌がより効果的に行われる。
【0029】また上記のようにオゾン水6又は制菌剤溶
液8がカット野菜Vの表面に効率よく接触するため、従
来のように青果物(カット野菜)をオゾン水により滅菌
する場合や、殺菌剤溶液(本実施形態の制菌剤溶液に相
当する)により殺菌する場合に、カット野菜のより多く
の表面にオゾン水や殺菌剤溶液を接触させるために必要
となる、オゾン水6や殺菌剤溶液(制菌剤溶液8)のバ
ブリングを行う必要が無い。
【0030】このためオゾン水6や制菌剤溶液8にバブ
リングを発生させる攪拌超音波等のカット野菜Vに対す
る影響が無く、上記超音波に起因するカット野菜Vから
の内容物の流出が防止される。つまりカット野菜から内
容物が流出すると、カット野菜の味が低下するだけでな
く、流出部分に雑菌が侵入して容易に繁殖するが、本実
施形態の場合はカット野菜Vからの内容物の流出に起因
する雑菌の繁殖が少なく、カット野菜Vの滅菌及び制菌
がより効果的に行われる。
【0031】つまり本発明の制菌方法によると、カット
野菜側の雑菌の繁殖要因が少なくなり、特に制菌剤溶液
8に浸漬する直前においても、オゾン水6による滅菌作
用が効果的に行われているため、雑菌の繁殖要因が少な
く、また残留する雑菌もより少ない。このため制菌剤溶
液8は特に殺菌作用が強力なものを使用する必要が無い
ため、前述のように比較的殺菌能力が低く、残留する雑
菌の繁殖を抑制する程度の効果のものが使用できる。例
えば制菌剤溶液8として亜次塩酸等を使用した雑菌を死
滅させるほどの高い濃度のものを使用する必要が無い。
【0032】このためカット野菜Vからの内容物の流出
が少ないことに加えて、前述のように制菌剤溶液8は、
比較的殺菌効果が低く、濃度が低いため、制菌剤溶液8
がカット野菜の味に与える影響が少なく、これにより制
菌処理後のカット野菜の味の劣化が少なく、従来に比較
していわゆる「おいしい」カット野菜のパッケージを製
造することができる。
【0033】図4は本発明の装置によりカット野菜(カ
ットレタス及びカットねぎ)を制菌処理した場合の一般
生菌数及び大腸菌群の有無について調査した結果である
が、カットレタスの場合は無処理状態(コントロール)
で47000CFU/gの一般生菌数が3000CFU
/gと約94%の一般生菌が滅菌されており、処理後2
日目,3日目においても3800CFU/g,4000
CFU/gと1日目より約25〜30%の増加にとどま
っている。
【0034】あるいはカットねぎの場合は無処理状態
(コントロール)で44000CFU/gの一般生菌数
が600CFU/gと約99%の一般生菌が滅菌されて
いる。なお処理後2日目,3日目においては400CF
U/gと1日目よりさらに減少しているが、これは測定
誤差等が考えられ、現実的にはほとんど増加していない
と考えられる。
【0035】一方図5に示されるように従来のバブリン
グされたオゾン水への浸漬と、バブリングされた殺菌剤
への浸漬によりカットねぎ及びカットレタスを殺菌処理
した場合は、カットレタスにおいて無処理状態(コント
ロール)で130000CFU/gの一般生菌数がオゾ
ンAにより18000CFU/gと約86%の一般生菌
が滅菌され、オゾンBにより17000CFU/gと約
87%の一般生菌が滅菌されている。
【0036】あるいはカットねぎにおいて無処理状態
(コントロール)で5000CFU/gの一般生菌数が
オゾンAにより3900CFU/gと約22%の一般生
菌が滅菌され、オゾンBにより600CFU/gと約8
8%の一般生菌が滅菌されている。なおオゾンAはオゾ
ン水への3分間の浸漬、オゾンBはオゾン水への5分間
の浸漬による処理である。
【0037】これによりカットねぎの場合、カットレタ
スの場合共に、本制菌装置による制菌(殺菌)効果が従
来の方法に比較して高く、より滅菌率が高く処理後の雑
菌増加も少ないが、これは上記理由によるものと思われ
る。
【0038】一方前述のようにオゾン水6及び制菌剤溶
液8のバブリングが行われないため、オゾン水6から発
生するオゾンガスの量が少なくなるが、青果物への制菌
剤溶液8の接触が上記のように安定して容易に行われ、
且つ殺菌性能が上記程度で良いため、制菌剤溶液8のバ
ブリングも不要であり、制菌剤溶液8からの有毒なガス
の発生を防止することもでき、環境への悪影響を小さく
することができる。
【0039】また以上に示されるように洗浄脱水作業時
にカット野菜Vの味を必要以上に劣化させることや、雑
菌の繁殖要因を高くすること等が無いため、原料の種類
や、大きさ等に応じて、洗浄脱水作業(洗浄脱水部)を
複数回繰り返すことが容易であり、より強力にカット野
菜の洗浄を行うこともでき、制菌効果をより長く持続さ
せることができる。
【0040】なお本実施形態においては前処理時の原料
野菜のカッティング時に、カッター側にオゾン水を注入
して、原料野菜にオゾン水をかけながらカッティングを
行う構造となっており、野菜のカッティング時に既にあ
る程度のオゾン洗浄が行われるように構成されている。
【0041】
【発明の効果】以上のように構成される本発明の構造に
よれば、青果物をオゾン水に浸漬又は青果物へのオゾン
水の散浴を行った後に、青果物の脱水を行うことで、脱
水後の青果物にはオゾン水の残存が少なくなり、このた
め青果物の表面にオゾン水から変化する水の残存が少な
くなる。またオゾン水のバブリングが行われないため、
青果物へのバブリングを発生させる攪拌超音波等の影響
が無く、該超音波に起因する青果物からの内容物の流出
が防止される。
【0042】一方青果物の表面に前記水が残存すると、
この残存する水から雑菌が青果物側に繁殖したり、青果
物から内容物が流出すると流出部分に雑菌が侵入して容
易に繁殖したりするが、本発明によると前述のように青
果物表面の水の残存、及び青果物からの内容物の流出が
少なくなるため、青果物側の雑菌の繁殖要因が少なくな
る。
【0043】このため青果物側の雑菌の繁殖が少なくな
る他、オゾン水洗浄後の青果物を制菌剤槽に浸漬、また
は該青果物への制菌剤の散浴を行う場合に、オゾン水に
より殺菌せしめられた青果物の表面に、上記水に妨げら
れること無く制菌剤溶液が接触し、制菌剤が効果的に機
能し、これにより青果物の制菌効果が比較的長く持続す
るという効果がある。
【0044】またオゾン水のバブリングが行われないた
め、オゾン水から発生するオゾンガスの量が少なくなる
が、青果物への制菌剤の接触が上記のように安定して容
易に行われるため、制菌剤のバブリングも不要であり、
制菌剤からの有毒なガスの発生を防止することもでき、
環境への悪影響を小さくすることができる。なお上記の
ように青果物側の雑菌の繁殖要因が少なくなるため、制
菌剤として亜次塩酸等を使用した雑菌を死滅させるほど
の高い濃度のものを使用する必要が無く、青果物の味を
必要以上に変質させることも無い。
【0045】そして上記のようにオゾン水による洗浄工
程において青果物に対する雑菌の発生要因及び青果物の
味を変質させる要因が少ないため、オゾン水による洗浄
と脱水の工程を複数回繰り返すことが容易であり、これ
により青果物の種類に応じた洗浄作業を行うことができ
る。なお洗浄及び脱水工程を繰り返すことに起因する青
果物の味の変質,環境への悪影響は必要以上に大きくな
らず、さらに雑菌繁殖の進行が必要以上に早くなること
もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】制菌装置の概略モデル図である。
【図2】第1洗浄脱水部における処理容器のオゾン水槽
及び脱水槽への移動状態を示した概略図である。
【図3】制菌処理経過を示す作業フロー図である。
【図4】本制菌装置による制菌処理結果を示す図表であ
る。
【図5】従来の方法による殺菌処理結果を示す図表であ
る。
【符号の説明】 3 オゾン水槽 4 脱水槽 6 オゾン水 8 制菌剤溶液 9 制菌剤槽 11 制菌剤脱水槽

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定濃度のオゾン水(6)内に青果物を
    浸漬、又は該オゾン水(6)を青果物に散浴させ、この
    オゾン水処理後の青果物の脱水を行い、脱水後の青果物
    を雑菌の繁殖を抑制する制菌剤溶液(8)に浸漬、又は
    該制菌剤溶液(8)を青果物に散浴させ、この制菌剤溶
    液(8)による処理後の青果物を再度脱水処理する青果
    物の制菌方法。
  2. 【請求項2】 オゾン水(6)の青果物への散浴又は浸
    漬とオゾン水処理後の青果物の脱水の工程を複数回繰り
    返す請求項1の青果物の制菌方法。
  3. 【請求項3】 所定濃度のオゾン水(6)が収容され、
    該オゾン水(6)内への青果物の浸漬、あるいは青果物
    へのオゾン水(6)の散浴が可能なオゾン水槽(3)
    と、該オゾン水槽(3)側での処理後の青果物の脱水を
    行う脱水槽(4)と、青果物の表面PH調整を行って雑
    菌の繁殖を抑制する制菌剤溶液(8)が収容され、上記
    脱水槽(4)による脱水後の青果物の制菌剤溶液(8)
    への浸漬、あるいは青果物への制菌剤溶液(8)の散浴
    が可能な制菌剤槽(9)と、該制菌処理後の青果物に残
    る不要な制菌剤溶液を青果物の表面から除去せしめる制
    菌剤脱水槽(11)とを並設した青果物の制菌装置。
  4. 【請求項4】 オゾン水槽(3)と脱水槽(4)とを交
    互に複数連続して配置した請求項2の青果物の制菌装
    置。
JP15221999A 1999-05-31 1999-05-31 青果物の制菌方法及び装置 Pending JP2000342172A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15221999A JP2000342172A (ja) 1999-05-31 1999-05-31 青果物の制菌方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15221999A JP2000342172A (ja) 1999-05-31 1999-05-31 青果物の制菌方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000342172A true JP2000342172A (ja) 2000-12-12

Family

ID=15535695

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15221999A Pending JP2000342172A (ja) 1999-05-31 1999-05-31 青果物の制菌方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000342172A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005535335A (ja) * 2002-08-19 2005-11-24 ヒスパノ スイザ デ パテンテス エセ.エレ. 腐敗しやすい農産物および/または食品の保存期間を延長する方法
CN100523688C (zh) * 2004-01-07 2009-08-05 中国科学院工程热物理研究所 一种超声波强化渗透脱水方法与装置
JP2017093369A (ja) * 2015-11-26 2017-06-01 キユーピー株式会社 カットネギの製造方法
JP7017818B1 (ja) * 2021-04-07 2022-02-09 アート食品株式会社 野菜の処理方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005535335A (ja) * 2002-08-19 2005-11-24 ヒスパノ スイザ デ パテンテス エセ.エレ. 腐敗しやすい農産物および/または食品の保存期間を延長する方法
CN100523688C (zh) * 2004-01-07 2009-08-05 中国科学院工程热物理研究所 一种超声波强化渗透脱水方法与装置
JP2017093369A (ja) * 2015-11-26 2017-06-01 キユーピー株式会社 カットネギの製造方法
JP7017818B1 (ja) * 2021-04-07 2022-02-09 アート食品株式会社 野菜の処理方法
US11844358B2 (en) 2021-04-07 2023-12-19 Art Foods Co., Ltd. Vegetable treatment method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2018204847B2 (en) Disinfecting, sterilizing, and packaging ready-to-eat produce
US7258882B2 (en) System for maintaining fresh quality and safe food attributes of minimally processed produce
CN105941610A (zh) 一种采后果蔬贮藏保鲜方法
CA2898334C (en) Method for sanitizing fresh produce
CA2956305C (en) Method for sanitizing fresh produce
JP2000342172A (ja) 青果物の制菌方法及び装置
JP2023014398A (ja) 高機能殺菌すすぎ水及びすすぎ方法
JP2001069938A (ja) 乾燥唐辛子の製造方法及びその装置
KR100428415B1 (ko) 야채 샐러드의 위생가공방법
JP7083627B2 (ja) 包装済食物の製造方法、及び、包装済食物
WO2022215654A1 (ja) 野菜の処理方法
JP2003333987A (ja) カット野菜の鮮度保持方法
JP7048223B2 (ja) 包装済食物の製造方法、及び、包装済食物
JP2004129513A (ja) カット果実の製造方法
Garg et al. Potential industrial applications of decontamination technologies for fresh produce
JP2555088B2 (ja) 食品及び衛生品類のオゾン殺菌法
Adhikary et al. Food Preservation by Ozonation
JP2866873B2 (ja) 食品の処理方法
JPH03130062A (ja) 食品の処理方法及び食品処理剤
WO2018181635A1 (ja) 食物の製造方法及び食物、並びに、包装済食物の製造方法及び包装済食物
KR20230027587A (ko) 야채 샐러드의 위생가공방법
JP2019180384A (ja) 生食用野菜等の洗浄処理方法、及び、この洗浄処理方法に用いられる亜塩素酸ナトリウム製剤
KR20030007245A (ko) 야채 샐러드의 위생가공방법
Oprescu et al. Non-conventional preservation methods for horticultural products in fresh condition.
KR20000030219A (ko) 즉시 식용과일 및 채소의 가공법