JP2000341995A - 電気負荷の通電制御装置 - Google Patents

電気負荷の通電制御装置

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JP2000341995A
JP2000341995A JP11146645A JP14664599A JP2000341995A JP 2000341995 A JP2000341995 A JP 2000341995A JP 11146645 A JP11146645 A JP 11146645A JP 14664599 A JP14664599 A JP 14664599A JP 2000341995 A JP2000341995 A JP 2000341995A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数の電気負荷の電流供給経路に生じた異常を
各電気負荷毎に確実に検出することが可能な電気負荷の
通電制御装置を提供する。 【解決手段】出力信号AO1は、出力信号AOおよび制
御信号AIに対して、抵抗器RT1およびコンデンサC
1から成る時定数回路より設定される遅延時間tが生じ
る。従って、励磁コイル5の電流供給経路に異常が無い
場合、出力信号AFAILには、制御信号AI(出力信
号AO)が変化するタイミングで前記遅延時間tの時間
幅分のパルス信号が発生する。そして、励磁コイル5の
電流供給経路に異常がある場合、異常検出信号MONI
は制御信号AIのタイミングに応じた時間だけロウレベ
ルに固定となる。従って、異常検出信号MONIをCP
U9に取り込むことにより、CPU9にて、異常検出信
号MONIおよび制御信号AIの切り替え状態に基づい
て励磁コイル5の電流供給経路の異常の有無を判定する
ことが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気負荷の通電制御
装置に係り、詳しくは、複数の電気負荷の通電状態を制
御する際に、各電気負荷の電流供給経路に生じた異常を
検出する機能を備えた電気負荷の通電制御装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば自動車において、通電
制御装置により通電状態(通電/非通電)が制御される
電気負荷は、その一端が車載バッテリのプラス端子また
はマイナス端子(接地端子)に接続され、他端が通電制
御装置の出力端子に接続されている。
【0003】また、通電制御装置内には、バッテリのプ
ラス端子またはマイナス端子と通電制御装置の出力端子
との間に直列に接続された駆動用トランジスタが備えら
れ、その駆動用トランジスタはマイクロコンピュータか
らの制御信号に応じてオン・オフが制御されるようにな
っている。尚、電気負荷の一端がバッテリのプラス端子
に接続されている場合、駆動用トランジスタはバッテリ
のマイナス端子と通電制御装置の出力端子との間に直列
に接続される。また、電気負荷の一端がバッテリのマイ
ナス端子に接続されている場合、駆動用トランジスタは
バッテリのプラス端子と通電制御装置の出力端子との間
に直列に接続される。
【0004】そして、マイクロコンピュータからの制御
信号が電気負荷の通電を示す論理レベルのとき、駆動用
トランジスタがオンして、その駆動用トランジスタによ
り電気負荷に電流が流れる。また、マイクロコンピュー
タからの制御信号が電気負荷の非通電を示す論理レベル
のとき、駆動用トランジスタがオフして、電気負荷への
通電が停止される。このように、マイクロコンピュータ
は、駆動用トランジスタへ出力する制御信号の論理レベ
ルを切り替えることにより、電気負荷の通電状態を制御
している。
【0005】さらに、このように構成された電気負荷の
通電制御装置には、各電気負荷の電流供給経路に生じた
異常を検出する機能が備えられている。すなわち、電気
負荷の抵抗値よりも非常に大きな抵抗値を有する抵抗器
が、駆動用トランジスタに対して並列に接続されてい
る。そして、抵抗器における通電制御装置の出力端子側
の電圧が、電気負荷の実際の通電状態を示すモニタ信号
としてマイクロコンピュータに入力されるようになって
いる。マイクロコンピュータは、駆動用トランジスタへ
出力した制御信号とモニタ信号とを照合することによ
り、各電気負荷の電流供給経路に生じた異常の有無を判
定する。
【0006】例えば、電気負荷の一端がバッテリのプラ
ス端子と接続されている場合、駆動用トランジスタはバ
ッテリのマイナス端子と通電制御装置の出力端子との間
に直列に接続される。この場合、駆動用トランジスタと
並列に接続された抵抗器も、バッテリのマイナス端子と
通電制御装置の出力端子との間に直列に接続される。
【0007】そのため、電気負荷の電流供給経路に異常
が無い場合、駆動用トランジスタのオフ時にはモニタ信
号がハイレベル(ほぼバッテリ電圧)となり、駆動用ト
ランジスタのオン時にはモニタ信号がロウレベル(ほぼ
接地電圧)となる。よって、マイクロコンピュータは、
駆動用トランジスタへ非通電を示す論理レベルの制御信
号を出力しているにもかかわらずモニタ信号がロウレベ
ルの場合、電気負荷と通電制御装置の出力端子とを結ぶ
配線の断線故障、電気負荷自身の断線故障、出力端子が
バッテリのマイナス端子側にショートするショート故障
のいずれかの故障が起こっていることを判定できる。
【0008】また、マイクロコンピュータは、駆動用ト
ランジスタへ通電を示す論理レベルの制御信号を出力し
ているにもかかわらずモニタ信号がハイレベルの場合、
駆動用トランジスタがオフしたままになるオープン故
障、通電制御装置の出力端子がバッテリのプラス端子側
にショートするショート故障のいずれかの故障が起こっ
ていることを判定できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように構成され
た電気負荷の通電制御装置では、通電状態を制御すべき
電気負荷が複数個(N個)ある場合、その各電気負荷に
それぞれ対応して、駆動用トランジスタとモニタ信号発
生用の抵抗器とをN個ずつ備えることとなる。そして、
マイクロコンピュータからは各駆動用トランジスタへN
個の制御信号が出力され、N個のモニタ信号がマイクロ
コンピュータへ入力されることとなる。よって、マイク
ロコンピュータが入出力すべき信号の数は、電気負荷の
数の2倍となり、電気負荷の数に比例して増大すること
になる。
【0010】しかし、マイクロコンピュータの入出力ポ
ートの数は限られているため、電気負荷の数が増えて入
出力すべき信号の数が多くなると、入出力ポートが不足
する上に、入出力信号の配線本数が増えて部品の実装に
支障をきたすおそれがある。また、電気負荷の数が増え
てモニタ信号の数が多くなると、前記異常判定処理がマ
イクロコンピュータの動作に対して大きな負荷となり、
マイクロコンピュータによる電気負荷の通電制御に支障
をきたすおそれもある。
【0011】ところで、複数の電気負荷がステップモー
タの4相の励磁コイルである場合、特開平7−9979
6号公報に開示されるように、4相の励磁コイルの各駆
動用トランジスタの制御信号を2相ずつ論理和演算を行
った後に、各論理和演算結果の排他的論理和演算を行
い、その排他的論理和演算結果に基づいて各励磁コイル
の断線を検出する技術が提案されている。
【0012】ここで、例えば、自動車のエンジンの吸入
空気量を調節するための電子スロットルに用いられるス
ロットル制御弁の開度をステップモータで制御する場
合、スロットル制御弁の開度によってスプリングの反発
力が変化するため、その反発力に抗してスロットル制御
弁を微妙な位置に保持するようにして、スロットル制御
弁の開度を精密に制御するには、ステップモータの通電
方式として、トルクの大きな2相励磁と、トルクの小さ
な1−2相励磁とを組み合わせる必要がある。
【0013】しかし、上記公報に記載の技術は2相励磁
に限定されるものであり、1−2相励磁に適用すること
はできない。そのため、上記公報に記載の技術は、例え
ば、自動車のスロットル制御弁の開度制御用のステップ
モータの通電制御装置に使用することができないという
問題があった。
【0014】しかも、上記公報に記載の技術では、4相
の励磁コイルの内のいずれかの励磁コイルの断線を判定
できるだけであり、4相の励磁コイルの内のどの励磁コ
イルが断線しているかを特定することはできない。その
ため、各励磁コイルについて断線の有無を別々に調べな
ければならず、多大な手間を要するという問題があっ
た。
【0015】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、複数の電気負荷の通電
状態を制御する際に、各電気負荷の電流供給経路に生じ
た異常を各電気負荷毎に確実に検出することが可能な電
気負荷の通電制御装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の発明は、出力手段、制御
手段、モニタ信号生成手段、遅延手段、検出信号生成手
段、判定手段を備えている。複数の出力手段は、複数の
電気負荷にそれぞれ対応して設けられ、通電を示す論理
レベルと非通電を示す論理レベルとに切り替えられる制
御信号に応じて、当該制御信号が通電を示す論理レベル
の時に自己に対応する電気負荷に電流を流す。制御手段
は、前記各出力手段へ前記制御信号をそれぞれ出力する
と共に、その各制御信号の論理レベルを切り替えること
により、前記各電気負荷の通電状態を制御する。複数の
モニタ信号生成手段は、前記各出力手段による前記各電
気負荷の実際の通電状態を示すモニタ信号をそれぞれ生
成する。複数の遅延手段は、前記制御手段から出力され
た前記各制御信号に対応して、前記複数のモニタ信号生
成手段によりそれぞれ生成される前記各モニタ信号を、
対応する前記制御信号に対して所定遅延時間分だけそれ
ぞれ遅延させる。検出信号生成手段は、前記制御手段か
ら出力された前記各制御信号と前記複数の遅延手段によ
り遅延された前記各モニタ信号とに基づいて、前記各電
気負荷の電流経路の少なくともいずれか1つの異常の有
無を検出するための異常検出信号を生成する。判定手段
は、前記制御手段から出力された前記制御信号の変化状
態と、前記検出信号生成手段により生成された異常検出
信号とに基づいて、前記各電気負荷毎にその電流供給経
路の異常の有無を判定する。
【0017】従って、本発明によれば、前記遅延手段の
前記遅延時間を適宜設定することにより、前記各電気負
荷の電流経路の少なくともいずれか1つに異常がある場
合は、前記検出信号生成手段の生成する異常検出信号の
論理レベルが、前記制御信号の変化状態に応じた時間だ
け固定になるため、前記判定手段により前記各電気負荷
の電流経路の少なくともいずれか1つの異常の有無を判
定することができる。また、前記各電気負荷の電流経路
の少なくともいずれか1つに異常がある場合は、前記判
定手段により前記制御手段から出力された前記制御信号
の変化状態に基づいて、前記各電気負荷毎にその電流供
給経路の異常の有無を検出することができる。そして、
複数の電気負荷に対して1つの異常検出信号が生成さ
れ、判定手段にはその1つの異常検出信号が入力される
だけであるため、各電気負荷毎に異常検出信号を生成す
る場合に比べて全体の構成を単純化することができる。
【0018】次に、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の電気負荷の通電制御装置において、前記制御手
段は、前記各出力手段へ出力する制御信号の論理レベル
を、予め定められた順序パターンで切り替えるように構
成されており、前記検出信号生成手段は、前記複数の遅
延手段により遅延された前記各モニタ信号のうち、前記
制御手段で切り替えられる前記順序パターンに対応し
て、前記各モニタ信号の重複するものをマスクする信号
マスク手段を備え、各モニタ信号のうち重複しないもの
と前記各制御信号とに基づいて前記異常検出信号を生成
する。
【0019】従って、本発明によれば、例えば、前記電
気負荷としてステップモータの各励磁コイルの通電を制
御する場合、ステップモータの通電方式として1−2相
励磁と2相励磁とを切り替える際に、前記制御手段によ
り、前記各出力手段へ出力する制御信号の論理レベル
を、当該通電方式にて予め定められた順序パターンで切
り替えることができる。そして、2相励磁の場合は、前
記各モニタ信号のうち重複するものがあるためそれを信
号マスク手段によりマスクし、前記各モニタ信号のうち
重複しないものと前記各制御信号とに基づいて前記異常
検出信号を生成する。
【0020】次に、請求項3に記載の発明は、請求項1
または請求項2に記載の電気負荷の通電制御装置におい
て、前記検出信号生成手段は、前記制御手段から出力さ
れた前記制御信号の変化状態に応じて、前記各電気負荷
の電流経路の少なくともいずれか1つの異常が継続して
いるときは前記異常検出信号の論理レベルを固定する論
理レベル固定手段を備えている。
【0021】従って、本発明によれば、論理レベル固定
手段により、前記各電気負荷の電流経路の少なくともい
ずれか1つの異常が継続しているときは前記異常検出信
号の論理レベルが固定される。そのため、請求項1に記
載の発明のように前記制御信号の変化状態に応じた時間
だけ前期異常検出信号の論理レベルが固定になる場合に
比べて、本発明では、前期異常検出信号の論理レベルが
固定になる時間が長くなることから、前記各電気負荷の
電流経路の少なくともいずれか1つの異常の有無をより
確実に判定することができる。
【0022】ところで、請求項4に記載の発明のよう
に、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気負荷の通
電制御装置において、前記遅延手段は、シフトレジスタ
を備えて構成されるようにしてもよい。このようにすれ
ば、シフトレジスタを構成するDフリップフロップの数
(シフトレジスタの段数)を変更することにより、前記
遅延手段の遅延時間を任意の値に設定することが可能で
あり、コンデンサを用いないため、通電制御装置をIC
化する場合に適している。
【0023】また、請求項5に記載の発明のように、請
求項1〜3のいずれか1項に記載の電気負荷の通電制御
装置において、前記遅延手段は、抵抗器とコンデンサと
から成る時定数回路を備えて構成されるようにしてもよ
い。このようにすれば、抵抗器およびコンデンサの値を
変更することにより、前記遅延手段の遅延時間を任意の
値に簡単に設定することが可能であるため、通電制御装
置をディスクリート構成により具体化する場合に適して
いる。
【0024】また、請求項6に記載の発明のように、請
求項1〜5のいずれか1項に記載の電気負荷の通電制御
装置において、前記複数の電気負荷は、ステップモータ
の各励磁コイルとしてもよい。尚、以下に述べる発明の
実施の形態において、特許請求の範囲または課題を解決
するための手段に記載の「電気負荷」はステップモータ
2の各励磁コイル5〜8に相当し、同じく「出力手段」
は出力回路11〜14に相当し、同じく「制御手段」は
CPU9に相当し、同じく「モニタ信号」は出力信号A
O1,A/O1,BO1,B/O1に相当し、同じく
「モニタ信号生成手段」はプルダウン抵抗器R11,R
21,R31,R41およびバッファBF1〜BF4か
ら構成され、同じく「遅延手段」は、第1実施形態では
シフトレジスタSR1〜SR4に相当し、第2,第3実
施形態では抵抗器RT1〜RT4およびコンデンサC1
〜C4から成る時定数回路に相当し、同じく「検出信号
生成手段」は、第1,第2実施形態では排他的論理和回
路EXOR1〜EXOR4および否定論理和回路NOR
1から構成され、第3実施形態では論理和回路OR1〜
OR4および否定論理和回路NOR1から構成され、同
じく「判定手段」はCPU9のS200〜S214,S
300〜S324の処理に相当し、同じく「信号マスク
手段」は論理積回路AND1〜AND4に相当し、同じ
く「論理レベル固定手段」はRSフリップフロップRS
11〜RS42に相当する。
【0025】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を
具体化した第1実施形態を図面と共に説明する。図1
は、第1実施形態の自動車用電子制御装置(ECU)1
の構成を示す回路図である。
【0026】本第1実施形態のECU1は、自動車の電
子スロットルに用いられるスロットル制御弁(図示略)
の開度を制御するためのステップモータ2の通電制御装
置であり、各種センサ(図示略)からのセンサ信号によ
り検出されるエンジン(図示略)の運転状態に応じてス
テップモータ2を制御するものである。尚、スロットル
制御弁の開度によってスプリングの反発力が変化するた
め、その反発力に抗してスロットル制御弁を微妙な位置
に保持するようにして、スロットル制御弁の開度を精密
に制御するには、ステップモータ2の通電方式として、
トルクの大きな2相励磁と、トルクの小さな1−2相励
磁とを組み合わせる必要がある。そのため、ECU1
は、制御状態によって2相励磁と1−2相励磁とを切り
替えるようになっている。
【0027】ステップモータには各種形式が存在する
が、低速での振動を低減し、分解能を高めるために、4
つの励磁コイルを備えた4相ステップモータが実用化さ
れており、本第1実施形態においても4相ステップモー
タ2を用いている。図1に示す4相ステップモータ2
は、円筒形の永久磁石から成るロータ3が、円筒形のス
テータ4に嵌合されて構成されている。ステータ4の内
面には90゜間隔に4つの極(図示略)が設けられ、各
極にそれぞれ巻回された巻線により4相の励磁コイル5
〜8が形成されている。
【0028】A相励磁コイル5とB相励磁コイル6とは
直列に接続され、その接続点は車載バッテリ(図示略)
のプラス端子(図示略)に接続されてバッテリ電圧+B
が印加されている。また、Aバー相励磁コイル7とBバ
ー相励磁コイル8とは直列に接続され、その接続点には
バッテリ電圧+Bが印加されている。
【0029】尚、以下の説明文中および図面中では、A
バーを「A/」と表記し、Bバーを「B/」と表記す
る。各励磁コイル5〜8において、バッテリ電圧+Bが
印加されている側とは反対側の端部はそれぞれ、自動車
内の配線(ワイヤーハーネス)を介して、ECU1の各
出力端子O1,O3,O2,O4に接続されている。
【0030】ECU1内において、接地ラインは車載バ
ッテリのマイナス端子(図示略)に接続されている。出
力端子O1は、抵抗器R11を介して接地されると共
に、抵抗器R12を介してバッファBF1のプラス入力
端子に接続されている。出力端子O2は、抵抗器R21
を介して接地されると共に、抵抗器R22を介してバッ
ファBF2のプラス入力端子に接続されている。出力端
子O3は、抵抗器R31を介して接地されると共に、抵
抗器R32を介してバッファBF3のプラス入力端子に
接続されている。出力端子O4は、抵抗器R41を介し
て接地されると共に、抵抗器R42を介してバッファB
F4のプラス入力端子に接続されている。
【0031】バッファBF1の出力信号は、4つのDフ
リップフロップFF11,FF12,FF13,FF1
4が直列に接続されて構成されたシフトレジスタSR1
に入力される。バッファBF2の出力信号は、4つのD
フリップフロップFF21,FF22,FF23,FF
24が直列に接続されて構成されたシフトレジスタSR
2に入力される。バッファBF3の出力信号は、4つの
DフリップフロップFF31,FF32,FF33,F
F34が直列に接続されて構成されたシフトレジスタS
R3に入力される。バッファBF4の出力信号は、4つ
のDフリップフロップFF41,FF42,FF43,
FF44が直列に接続されて構成されたシフトレジスタ
SR4に入力される。
【0032】ECU1には、マイクロコンピュータ(C
PU)9が設けられている。CPU9は、各種センサか
らのセンサ信号に基づいてエンジンの運転状態を検出す
ると共に、その検出結果に応じて、ステップモータ2の
各励磁コイル5〜8の通電状態を制御するための各制御
信号AI,BI,A/I,B/Iを、非通電を示すハイ
レベルと通電を示すロウレベルとに切り替えて出力す
る。
【0033】CPU9からの制御信号AIはDフリップ
フロップFF15に入力され、制御信号A/IはDフリ
ップフロップFF25に入力され、制御信号BIはDフ
リップフロップFF35に入力され、制御信号B/Iは
DフリップフロップFF45に入力される。
【0034】排他的論理和回路EXOR1は、Dフリッ
プフロップFF15の出力信号と、Dフリップフロップ
FF13の出力信号AO1との排他的論理和演算を行
い、その演算結果である出力信号AFAILを生成す
る。論理積回路AND1は、排他的論理和回路EXOR
1の出力信号AFAILと、DフリップフロップFF2
4の出力信号A/O2との論理積演算を行い、その演算
結果である出力信号AMONIを生成する。
【0035】排他的論理和回路EXOR2は、Dフリッ
プフロップFF25の出力信号と、Dフリップフロップ
FF23の出力信号A/O1との排他的論理和演算を行
い、その演算結果である出力信号A/FAILを生成す
る。論理積回路AND2は、排他的論理和回路EXOR
2の出力信号A/FAILと、DフリップフロップFF
14の出力信号AO2との論理積演算を行い、その演算
結果である出力信号A/MONIを生成する。
【0036】排他的論理和回路EXOR3は、Dフリッ
プフロップFF35の出力信号と、Dフリップフロップ
FF33の出力信号BO1との排他的論理和演算を行
い、その演算結果である出力信号BFAILを生成す
る。論理積回路AND3は、排他的論理和回路EXOR
3の出力信号BFAILと、DフリップフロップFF4
4の出力信号B/O2との論理積演算を行い、その演算
結果である出力信号BMONIを生成する。
【0037】排他的論理和回路EXOR4は、Dフリッ
プフロップFF45の出力信号と、Dフリップフロップ
FF43の出力信号B/O1との排他的論理和演算を行
い、その演算結果である出力信号B/FAILを生成す
る。論理積回路AND4は、排他的論理和回路EXOR
4の出力信号B/FAILと、DフリップフロップFF
34の出力信号BO2との論理積演算を行い、その演算
結果である出力信号B/MONIを生成する。
【0038】否定論理和回路NOR1は、各論理積回路
AND1〜AND4の各出力信号AMONI,A/MO
NI,BMONI,B/MONIの否定論理和演算を行
い、その演算結果である異常検出信号MONIを生成す
る。CPU9は、否定論理和回路NOR1の異常検出信
号MONIを入力ポートから入力し、その異常検出信号
MONIに基づいて、後述するように、各励磁コイル5
〜8の電流供給経路に生じた異常の有無を判定する。
【0039】ECU1内には、クロックCLを生成する
クロック発生回路10が設けられている。そして、各シ
フトレジスタSR1〜SR4を構成する各Dフリップフ
ロップおよび各フリップフロップFF15,FF25,
FF35,FF45のクロック入力端子には、クロック
発生回路10からのクロックCLが入力されている。そ
のため、各Dフリップフロップは、クロックCLが立ち
上がったときの入力を記憶して出力する。
【0040】ECU1内において、各出力端子O1〜O
4にはそれぞれ各出力回路11〜14が接続されてい
る。尚、図1においては、図面が煩雑になるのを防ぐた
め、各出力回路11〜14における各トランジスタT1
〜T4,T5〜T8の他の構成部材については図示を省
略してある。
【0041】図2は、各出力回路11〜14の詳細な構
成を示す回路図である。ここでは、A相励磁コイル5用
の出力回路11を代表にして説明する。出力回路11
は、NMOSトランジスタT1、PMOSトランジスタ
T5、各抵抗器R1〜R4、各ダイオードD1,D2、
ツェナーダイオードD3から構成されている。
【0042】トランジスタT1のドレインは出力端子O
1とツェナーダイオードD3のカソードとダイオードD
1のカソードとに接続され、トランジスタT1のソース
は接地されると共にダイオードD1のアノードに接続さ
れ、トランジスタT1のゲートは抵抗器R1およびダイ
オードD2のカソードに接続され、各ダイオードD2,
D3のアノードが接続されている。
【0043】また、トランジスタT5のソースはECU
用電源(図示略)に接続されて電圧VCが印加されると
共に各抵抗器R2,R3を介してトランジスタT5のゲ
ートに接続され、トランジスタT5のドレインは抵抗器
R4を介して接地されると共に抵抗器R1を介してトラ
ンジスタT1のゲートに接続されている。
【0044】そして、各抵抗器R2,R3の接続点はC
PU9の出力ポートに接続され、制御信号AIが入力さ
れている。このように構成されたA相励磁コイル5用の
出力回路11において、CPU9からの制御信号AIが
ロウレベル(A相励磁コイル5の通電を示す論理レベ
ル)のときは、初段トランジスタT5がオン状態となる
ため、駆動用トランジスタT1もオン状態となり、出力
端子O1の電圧AOがロウレベル(ほぼ接地電圧)にな
る結果、駆動用トランジスタT1を介してA相励磁コイ
ル5から接地側へ電流が引き込まれて流れる。また、C
PU9からの制御信号AIがハイレベル(A相励磁コイ
ル5の非通電を示す論理レベル)のときは、初段トラン
ジスタT5がオフ状態となるため、駆動用トランジスタ
T1もオフ状態となり、出力端子O1の電圧AOがハイ
レベル(ほぼバッテリ電圧+B)になる結果、A相励磁
コイル5への通電が停止する。
【0045】ここで、ダイオードD1は、A相励磁コイ
ル5に生じた負のサージ電圧を吸収するためのフライホ
イールダイオードとして機能する。また、各ダイオード
D2,D3は、A相励磁コイル5に生じた正のサージ電
圧を吸収するためのフライホイールダイオードとして機
能する。そして、各抵抗器R2,R4は各トランジスタ
T1,T5に所定のバイアスを印加するためのバイアス
用抵抗器として機能し、各抵抗器R1,R3は各トラン
ジスタT1,T5のゲートに過大な電圧が印加されるの
を防止して保護するための保護用抵抗器として機能す
る。
【0046】尚、各出力回路12〜14において、出力
回路11の構成と異なるのは以下の点である。 (1−1)出力端子O1が、各出力回路12〜14に対
応する出力端子O2〜O4に変更される。
【0047】(1−2)CPU9からの制御信号AI
が、各出力回路12〜14に対応する制御信号A/I,
BI,B/Iに変更される。 (1−3)NMOSトランジスタT1が、各出力回路1
2〜14に対応するNMOSトランジスタT2〜T4に
変更される。
【0048】(1−4)PMOSトランジスタT5が、
各出力回路12〜14に対応するPMOSトランジスタ
T6〜T8に変更される。 従って、各出力回路12〜14においても、出力回路1
1と同様に、CPU9からの制御信号A/I,BI,B
/Iに従って、各出力端子O2〜O4の電圧A/O,B
O,B/Oが制御されることにより、各励磁コイル7,
6,8への通電が制御される。
【0049】次に、上記のように構成された本第1実施
形態の動作について説明する。各出力端子O1〜O4と
接地間において、各駆動用トランジスタT1〜T4に対
して並列に接続される各抵抗器(プルダウン抵抗器)R
11,R21,R31,R41の抵抗値はそれぞれ、各
励磁コイル5〜8の抵抗値よりも非常に大きな値に設定
されている。
【0050】各バッファBF1〜BF4はコンパレータ
により構成され、ECU用電源に接続されて電源として
電圧VCが供給され、接地ラインに接続されて片電源動
作を行い、マイナス入力端子にはバッテリ電圧+Bの1
/2の電圧+B/2が印加されている。そして、各バッ
ファBF1〜BF4は、各出力端子O1〜O4の電圧
(ECU1の出力信号)AO,A/O,BO,B/Oを
各抵抗器R12,R22,R32,R42を介してプラ
ス入力端子から入力し、その電圧AO,A/O,BO,
B/Oが、マイナス入力端子に印加される電圧+B/2
よりも高い場合はハイレベル(電圧VC)の出力信号を
生成し、電圧+B/2よりも低い場合はロウレベル(接
地電圧)の出力信号を生成する。尚、各バッファBF1
〜BF4のマイナス入力端子に印加される電圧+B/2
は各バッファBF1〜BF4のしきい値電圧であり、当
該しきい値電圧は電圧+B/2に限らず実験的に求めた
最適値に設定すればよい。
【0051】各シフトレジスタSR1〜SR4におい
て、各Dフリップフロップの出力信号は、ECU1の出
力信号AO,A/O,BO,B/Oに対して、クロック
発生回路10の生成するクロックCLの周期に、当該D
フリップフロップまでに直列接続されているDフリップ
フロップの個数を乗算して得られた時間分の遅延時間が
生じる。
【0052】例えば、シフトレジスタSR1において、
DフリップフロップFF13の出力信号AO1は、出力
信号AOに対して、クロックCLの周期に、各Dフリッ
プフロップFF11〜FF13の個数(=3個)を乗算
して得られた時間分の遅延時間TDLが生じる。ここで、
CPU9からの制御信号AIと出力信号AOとはほぼ同
位相である。そのため、出力信号AO1は、出力信号A
Oおよび制御信号AIに対して、クロックCLの周期に
「3」を乗算して得られた遅延時間TDLが生じることに
なる。
【0053】同様にして、シフトレジスタSR2におい
て、DフリップフロップFF23の出力信号A/O1
は、出力信号A/Oおよび制御信号A/Iに対して、ク
ロックCLの周期に、各DフリップフロップFF21〜
FF23の個数(=3個)を乗算して得られた遅延時間
TDLが生じる。また、シフトレジスタSR3において、
DフリップフロップFF33の出力信号BO1は、出力
信号BOおよび制御信号BIに対して、クロックCLの
周期に、各DフリップフロップFF31〜FF33の個
数(=3個)を乗算して得られた遅延時間TDLが生じ
る。また、シフトレジスタSR4において、Dフリップ
フロップFF43の出力信号B/O1は、出力信号B/
Oおよび制御信号B/Iに対して、クロックCLの周期
に、各DフリップフロップFF41〜FF43の個数
(=3個)を乗算して得られた遅延時間TDLが生じる。
【0054】図3は、ステップモータ2の通電方式とし
て1−2相励磁を用いた場合に、A相励磁コイル5とE
CU1の出力端子O1とを結ぶ配線の断線故障、A相励
磁コイル5自身の断線故障、出力端子O1が車載バッテ
リのマイナス端子側(接地側)にショートするショート
故障のいずれかの故障が起こった後に、当該故障が回復
して正常状態に復帰(正常復帰)したときのタイミング
チャートである。
【0055】図4は、ステップモータ2の通電方式とし
て2相励磁を用いた場合に、A相励磁コイル5とECU
1の出力端子O1とを結ぶ配線の断線故障、A相励磁コ
イル5自身の断線故障、出力端子O1が車載バッテリの
マイナス端子側(接地側)にショートするショート故障
のいずれかの故障が起こった後に、当該故障が回復して
正常状態に復帰(正常復帰)したときのタイミングチャ
ートである。
【0056】図5は、ステップモータ2の通電方式とし
て1−2相励磁を用いた場合に、駆動用トランジスタT
1がオフしたままになるオープン故障、ECU1の出力
端子O1が車載バッテリのプラス端子側(バッテリ電圧
+B側)にショートするショート故障のいずれかの故障
が起こった後に、当該故障が回復して正常状態に復帰
(正常復帰)したときのタイミングチャートである。
【0057】図6は、ステップモータ2の通電方式とし
て2相励磁を用いた場合に、駆動用トランジスタT1が
オフしたままになるオープン故障、ECU1の出力端子
O1が車載バッテリのプラス端子側(バッテリ電圧+B
側)にショートするショート故障のいずれかの故障が起
こった後に、当該故障が回復して正常状態に復帰(正常
復帰)したときのタイミングチャートである。
【0058】尚、図3〜図6において、各制御信号A
I,A/I,BI,B/Iおよび各出力信号AO,A/
O,BO,B/Oについては、「ON」が各励磁コイル
5〜8の通電を表し、「OFF」が各励磁コイル5〜8
の非通電を表している。また、出力信号AO1,AMO
NIおよび異常検出信号MONIについては、A相励磁
コイル5の電流供給経路に異常のある場合(故障時)を
実線で図示し、異常の無い場合(正常時)を点線で図示
してある。
【0059】ステップモータ2を1−2相励磁の通電方
式で動作させる場合、各励磁コイル5〜8は、図3およ
び図5に示すように、A相励磁コイル5→A相励磁コイ
ル5およびB相励磁コイル6→B相励磁コイル6→B相
励磁コイル6およびA/相励磁コイル7→A/相励磁コ
イル7→A/相励磁コイル7およびB/相励磁コイル8
→B/相励磁コイル8→B/相励磁コイル8およびA相
励磁コイル5という通電順序パターンで通電されること
となり、CPU9から出力される4つの制御信号AI,
A/I,BI,B/Iのうちの2つ以上の論理レベルが
同時に切り替えられることはない。つまり、各制御信号
AI,A/I,BI,B/Iは、1つずつ論理レベルが
切り替えられていく。
【0060】また、ステップモータ2を2相励磁の通電
方式で動作させる場合、各励磁コイル5〜8は、図4お
よび図6に示すように、A相励磁コイル5およびB相励
磁コイル6→B相励磁コイル6およびA/相励磁コイル
7→A/相励磁コイル7およびB/相励磁コイル8→B
/相励磁コイル8およびA相励磁コイル5という通電順
序パターンで通電されることとなり、CPU9から出力
される4つの制御信号AI,A/I,BI,B/Iのう
ちの2つの論理レベルが同時に互いに異なる状態に切り
替えられる。つまり、制御信号AIと制御信号A/Iお
よび制御信号BIと制御信号B/Iとが、同時に互いに
異なる論理レベルに切り替えられることになる。
【0061】各励磁コイル5〜8の電流供給経路に異常
が無い場合、各出力信号AMONI,BMONI,A/
MONI,B/MONIには、各制御信号AI,BI,
A/I,B/I(各出力信号AO,BO,A/O,B/
O)が変化するタイミングで前記遅延時間TDLの時間幅
(例えば、数ms)分のパルス信号が発生する。
【0062】但し、2相励磁の場合は、出力信号AMO
NIと出力信号A/MONIまたは出力信号BMONI
と出力信号B/MONIがそれぞれ重複するため、各論
理積回路AND1〜AND4を設けることにより、各制
御信号AI,A/I,BI,B/Iの立下がり時に発生
するパルス信号をマスクすることで区別している。
【0063】図3および図4に示す故障時には、制御信
号AIがハイレベル(駆動用トランジスタT1の非通電
を示す論理レベル)のとき、出力信号AMONIがハイ
レベルに固定となり、異常検出信号MONIはロウレベ
ルに固定となる。また、制御信号AIがロウレベル(駆
動用トランジスタT1の通電を示す論理レベル)のと
き、異常検出信号MONIは正常時と同様にハイレベル
とローレベルとを繰り返す。
【0064】一方、図5および図6に示す故障時には、
制御信号AIがロウレベル(駆動用トランジスタT1の
通電を示す論理レベル)のとき、出力信号AMONIが
ハイレベルに固定となり、異常検出信号MONIはロウ
レベルに固定となる。また、制御信号AIがハイレベル
(駆動用トランジスタT1の非通電を示す論理レベル)
のとき、異常検出信号MONIは正常時と同様にハイレ
ベルとローレベルとを繰り返す。
【0065】図3〜図6はA相励磁コイル5の電流供給
経路に異常がある場合を示しているが、その他の各励磁
コイル6〜8の電流供給経路に異常がある場合も同様
に、異常検出信号MONIはロウレベルに固定になる。
従って、異常検出信号MONIをCPU9に取り込むこ
とにより、CPU9にて、異常検出信号MONIの状態
に基づいて各励磁コイル5〜8の少なくともいずれか1
つの電流供給経路に異常があるか否かを判定することが
可能になり、各制御信号AI,BI,A/I,B/Iの
切り替え状態に基づいて各励磁コイル5〜8の電流供給
経路のどこにどのような故障があるのかを判定すること
も可能になる。
【0066】次に、CPU9の行う判定処理について説
明する。図7は、各励磁コイル5〜8の少なくともいず
れか1つの電流供給経路に異常があるか否かを判定する
異常判定処理を示すフローチャートである。CPU9が
起動すると、内蔵ROMに記録されているプログラムに
従い、コンピュータによる各種演算処理によって、以下
の各ステップの処理を実行する。尚、前記プログラムを
コンピュータで読み取り可能な記録媒体(半導体メモ
リ,ハードディスク,フロッピーディスク,データカー
ド(ICカード,磁気カードなど),光ディスク(CD
−ROM,DVDなど),光磁気ディスク(MDな
ど),相変化ディスク,磁気テープなど)に記録してお
き、当該プログラムを必要に応じてCPU9にロードし
て起動することにより用いるようにしてもよい。
【0067】まず、図7に示すステップ(以下、「S」
と記載する)200で各制御信号AI,A/I,BI,
B/Iを変化させたか否かを判定し、変化させた場合
(S200:YES)は、S201において、制御信号
変化カウンタCOCHGをクリアすると共に、異常検出
信号MONIが変化していないことを示す仮フラグXO
LHをセットし、変化させていない場合(S200:N
O)は、S202で制御信号変化カウンタCOCHGを
インクリメントする。そして、S203で制御信号変化
カウンタCOCHGが所定カウント値(例えば、2m
s)を越えたか否かを判定し、所定カウント値内の場合
(S203:YES)は、S204でその所定カウント
値内の異常検出信号MONIのロウレベルからハイレベ
ルへの変化(L→H)を判定し、変化があった場合(S
204:YES)は、S205において、S201でセ
ットした仮フラグXOLHをクリアすると共に、どの制
御信号AI,A/I,BI,B/Iの変化で異常検出信
号MONIの変化があったのかを、制御信号名(=A
I,A/I,BI,B/I)と当該制御信号の論理レベ
ルとに対応したフラグ(XO****)をセットする。ここ
で、S203にて制御信号変化カウンタCOCHGが所
定カウント値以下か否かを判定するのは、制御信号A
I,A/I,BI,B/Iの変化後に一定時間(例え
ば、1ms)だけ異常検出信号MONIがロウレベルに
なるためである。
【0068】S203で制御信号変化カウンタCOCH
Gが所定カウント値を越える場合(S203:NO)
は、S206でその所定カウント値以上経過後の仮フラ
グXOLHを判定し、仮フラグXOLHがセットされて
いる場合(S206:YES)は、S207において、
異常検出信号MONIが変化しない時間を表す異常検出
信号変化無カウンタCDLHをインクリメントし、制御
信号変化カウンタCOCHGが所定カウント値以上の間
に異常検出信号変化無カウンタCDLHを1カウントだ
けインクリメントするために、仮フラグXOLHをクリ
アする。
【0069】S206で仮フラグXOLHがクリアされ
ている場合(S206:NO)は、S208において、
S205でセットした制御信号名(=AI,A/I,B
I,B/I)と当該制御信号の論理レベルとに対応した
フラグ(XO****)が全てセットされているか否かを判
定し、セットされている場合(S208:YES)は、
S209で故障が回復して正常状態に復帰(正常復帰)
したとして、S205でセットしたフラグ(XO****)
を全てクリアし、異常検出信号変化無カウンタCDLH
をクリアし、ステップモータ2の位置変化が無い状態が
続いたときの異常で異常検出信号MONIがロウレベル
を継続したときのための異常カウンタCDMONIをク
リアする。
【0070】そして、S210において、ステップモー
タ2の位置変化が無い状態が続いたときに異常検出信号
MONIがロウレベルを継続したときを考慮して、異常
検出信号MONIがロウレベルか否かを判定する。異常
検出信号MONIがロウレベルの場合(S210:YE
S)は、S211で異常カウンタCDMONIをインク
リメントする。異常検出信号MONIがハイレベルの場
合(S210:NO)は、S212において、前記正常
復帰までに加算された異常カウンタCDMONIが所定
カウント値(例えば、500ms)を越えたか否かを判
定し、越えた場合(S212:YES)は、S214に
おいて、各励磁コイル5〜8の少なくともいずれか1つ
の電流供給経路に異常があることを表す異常フラグXD
MONIをセットする。
【0071】S212で否定判断された場合(S21
2:NO)は、S213において、前記正常復帰までに
各制御信号AI,A/I,BI,B/Iを変化させたに
もかかわらず異常検出信号MONIが変化しない時間
(回数)を表す異常信号変化無カウンタCDLHが所定
カウント値(例えば、16回)を越えたか否かを判定
し、越えた場合(S213:YES)はS214で異常
フラグXDMONIをセットし、越えない場合(S21
3:NO)はS215で異常フラグXDMONIをクリ
アして、以上の異常判定処理を終了する。
【0072】このように、異常判定処理においては、各
制御信号AI,A/I,BI,B/Iの変化に対して異
常検出信号MONIが変化しない時間(回数)を表す異
常信号変化無カウンタCDLHが所定カウント値(例え
ば、16回)を越えた場合(S213:YES)と、異
常検出信号MONIのロウレベルが継続している時間を
表す異常カウンタCDMONIが所定カウント値(例え
ば、500ms)を越えた場合(S212:YES)と
の両方の場合で、各励磁コイル5〜8の少なくともいず
れか1つの電流供給経路に異常があることを表す異常フ
ラグXDMONIをセットする。
【0073】つまり、各制御信号AI,BI,A/I,
B/Iの変化が頻繁にある場合は、異常信号変化無カウ
ンタCDLHがいち早く所定カウント値を越えるため、
異常フラグXDMONIもいち早くセットされることか
ら、各励磁コイル5〜8の少なくともいずれか1つの電
流供給経路に異常があることを速やかに判定することが
できる。また、各制御信号AI,BI,A/I,B/I
の変化があまり無い場合でも、異常カウンタCDMON
Iが所定カウント値を越えれば、異常フラグXDMON
Iがセットされることから、各励磁コイル5〜8の少な
くともいずれか1つの電流供給経路に異常があることを
確実に判定することができる。
【0074】尚、異常信号変化無カウンタCDLHの前
記所定カウント値(例えば、16回)および異常カウン
タCDMONIの所定カウント値(例えば、500m
s)は、実験的に求めた最適値に設定すればよい。ここ
で、前記正常復帰のための異常検出信号MONIの変化
があった場合に、S205にて前記フラグ(XO****)
をセットする際に、ステップモータ2の通電方式が2相
励磁の場合は、各制御信号AI,A/I,BI,B/I
のうちの制御信号AIと制御信号A/Iおよび制御信号
BIと制御信号B/Iとが同時に互いに異なる状態に切
り替えられるが、前記フラグ(XO****)は制御信号の
論理レベルに関係なく(すなわち、通電(0N)を示す
論理レベルであるロウレベルと、非通電(OFF)を示
す論理レベルであるハイレベルとの両方共に)セットす
ればよい。その理由は、否定論理和回路NOR1が設け
られているために、各出力信号AMONI,BMON
I,A/MONI,B/MONIのいずれかが異常を表
す場合は異常検出信号MONIがロウレベルになり、各
励磁コイル5〜8の少なくともいずれか1つの電流供給
経路に異常があることを確実に判定できるためである。
【0075】図8は、各励磁コイル5〜8の電流供給経
路のどこにどのような故障があるのかを判定する異常箇
所特定処理を示すフローチャートである。CPU9が起
動すると、内蔵ROMに記録されているプログラムに従
い、コンピュータによる各種演算処理によって、以下の
各ステップの処理を実行する。
【0076】まず、S300で異常検出信号MONIが
ロウレベルか否かを判定し、ロウレベルの場合(S30
0:YES)は異常カウンタカウンタCLEVをインク
リメントし、ハイレベルの場合(S300:NO)は異
常カウンタカウンタCLEVをクリアする。
【0077】そして、S303で異常カウンタCLEV
が所定カウント値(例えば、8ms)を越えているか否
かを判定し、越えている場合(S303:YES)は、
各励磁コイル5〜8の少なくともいずれか1つの電流供
給経路に異常があることを表す異常フラグXLEVをセ
ットする。
【0078】次に、S305で各制御信号AI,A/
I,BI,B/Iを変化させたか否かを判定し、変化さ
せた場合(S305:YES)は、S306で異常検出
信号MONIのロウレベルからハイレベルへの変化(L
→H)を判定し、変化があった場合(S306:YE
S)は、S307で異常フラグXLEVがセットされて
いるか否かを判定し、セットされている場合(S30
7:YES)は、各制御信号AI,A/I,BI,B/
Iの変化により前記正常復帰が行われたとして、S30
8で異常フラグXLEVをクリアする。
【0079】そして、S309〜S316にて判明した
制御信号AI,BI,A/I,B/Iの変化内容に基づ
いて、S317〜S324にて各励磁コイル5〜8の電
流供給経路のどこにどのような故障があるのかを判定す
る。尚、実際の処理では、S309〜S316の各ステ
ップの処理が順番に行われて制御信号AI,A/I,B
I,B/Iの変化内容が判明するが、図8においては、
図面が煩雑になるのを防ぐため、S309〜S316を
並列に図示してある。
【0080】S309で制御信号AIが非通電(OF
F)を示す論理レベルであるハイレベルから通電(0
N)を示す論理レベルであるロウレベルに切り替えられ
たことが判明した場合(OFF→ON)は、S317に
おいて、A相励磁コイル5とECU1の出力端子O1と
を結ぶ配線の断線故障、A相励磁コイル5自身の断線故
障、出力端子O1が車載バッテリのマイナス端子側(接
地側)にショートするショート故障(GNDショート)
のいずれかの故障が起こったと判定する。
【0081】S310で制御信号A/Iが非通電(OF
F)を示す論理レベルであるハイレベルから通電(0
N)を示す論理レベルであるロウレベルに切り替えられ
たことが判明した場合(OFF→ON)は、S318に
おいて、A/相励磁コイル7とECU1の出力端子O2
とを結ぶ配線の断線故障、A/相励磁コイル7自身の断
線故障、出力端子O2が車載バッテリのマイナス端子側
(接地側)にショートするショート故障(GNDショー
ト)のいずれかの故障が起こったと判定する。
【0082】S311で制御信号BIが非通電(OF
F)を示す論理レベルであるハイレベルから通電(0
N)を示す論理レベルであるロウレベルに切り替えられ
たことが判明した場合(OFF→ON)は、S319に
おいて、B相励磁コイル6とECU1の出力端子O3と
を結ぶ配線の断線故障、B相励磁コイル6自身の断線故
障、出力端子O3が車載バッテリのマイナス端子側(接
地側)にショートするショート故障(GNDショート)
のいずれかの故障が起こったと判定する。
【0083】S312で制御信号B/Iが非通電(OF
F)を示す論理レベルであるハイレベルから通電(0
N)を示す論理レベルであるロウレベルに切り替えられ
たことが判明した場合(OFF→ON)は、S320に
おいて、B/相励磁コイル8とECU1の出力端子O4
とを結ぶ配線の断線故障、B/相励磁コイル8自身の断
線故障、出力端子O4が車載バッテリのマイナス端子側
(接地側)にショートするショート故障(GNDショー
ト)のいずれかの故障が起こったと判定する。
【0084】S313で制御信号AIが通電(ON)を
示す論理レベルであるロウレベルから通電(0FF)を
示す論理レベルであるハイレベルに切り替えられたこと
が判明した場合(ON→OFF)は、S321におい
て、駆動用トランジスタT1がオフしたままになるオー
プン故障、ECU1の出力端子O1が車載バッテリのプ
ラス端子側(バッテリ電圧+B側)にショートするショ
ート故障(+Bショート)のいずれかの故障が起こった
と判定する。
【0085】S314で制御信号A/Iが通電(ON)
を示す論理レベルであるロウレベルから通電(0FF)
を示す論理レベルであるハイレベルに切り替えられたこ
とが判明した場合(ON→OFF)は、S322におい
て、駆動用トランジスタT2がオフしたままになるオー
プン故障、ECU1の出力端子O2が車載バッテリのプ
ラス端子側(バッテリ電圧+B側)にショートするショ
ート故障(+Bショート)のいずれかの故障が起こった
と判定する。
【0086】S315で制御信号BIが通電(ON)を
示す論理レベルであるロウレベルから通電(0FF)を
示す論理レベルであるハイレベルに切り替えられたこと
が判明した場合(ON→OFF)は、S323におい
て、駆動用トランジスタT3がオフしたままになるオー
プン故障、ECU1の出力端子O3が車載バッテリのプ
ラス端子側(バッテリ電圧+B側)にショートするショ
ート故障(+Bショート)のいずれかの故障が起こった
と判定する。
【0087】S316で制御信号A/Iが通電(ON)
を示す論理レベルであるロウレベルから通電(0FF)
を示す論理レベルであるハイレベルに切り替えられたこ
とが判明した場合(ON→OFF)は、S324におい
て、駆動用トランジスタT4がオフしたままになるオー
プン故障、ECU1の出力端子O4が車載バッテリのプ
ラス端子側(バッテリ電圧+B側)にショートするショ
ート故障(+Bショート)のいずれかの故障が起こった
と判定する。
【0088】このように、異常箇所特定処理において
は、図3および図4に例示するように、任意の制御信号
がハイレベルのときに対応する励磁コイルの電流供給経
路に異常がある場合、当該制御信号がロウレベルのとき
は異常検出信号MONIが正常時と同じ状態になり、図
5および図6に例示するように、任意の制御信号がロウ
レベルのときに対応する磁コイルの電流供給経路に異常
がある場合、当該制御信号がハイレベルのときは異常検
出信号MONIが正常時と同じ状態になることから、前
記正常復帰したタイミングにおける制御信号AI,B
I,A/I,B/Iの論理レベルの変化状態に基づい
て、各励磁コイル5〜8の電流供給経路のどこにどのよ
うな故障があるのかを確実に判定している。
【0089】上述のように、本第1実施形態において
は、各励磁コイル5〜8の少なくともいずれか1つの電
流供給経路に異常があるか否かを異常判定処理により確
実に判定した上で、各励磁コイル5〜8の電流供給経路
のどこにどのような故障があるのかを異常箇所特定処理
により判定するようにしている。
【0090】以上詳述したように、本第1実施形態によ
れば、ステップモータ2の4相の各励磁コイル5〜8に
対して、異常検出信号MONIが入力されるCPU9の
入力ポートを1つ設けるだけでよいため、CPU9に対
する異常検出信号の配線本数が増えて部品の実装に支障
をきたすのを防止することができる。また、CPU9は
各励磁コイル5〜8の電流供給経路のどこにどのような
故障があるのかを確実に判定することが可能であり、そ
の判定処理(異常箇所特定処理)は簡単かつ容易である
ため、当該判定処理がCPU9の動作に対して大きな負
荷となることはなく、CPU9によるステップモータ2
の通電制御に支障をきたすこともない。
【0091】そして、本第1実施形態によれば、ステッ
プモータ2の通電方式の1−2相励磁と2相励磁との両
方に適用可能であるため、自動車のエンジンの吸入空気
量を調節するための電子スロットルに用いられるスロッ
トル制御弁の開度をステップモータ2で制御する際に、
トルクの大きな2相励磁と、トルクの小さな1−2相励
磁とを組み合わせて、スロットル制御弁の開度を精密に
制御することができる。
【0092】(第2実施形態)次に、本発明を具体化し
た第2実施形態を図面と共に説明する。尚、本第2実施
形態において、第1実施形態と同じ構成部材については
符号を等しくしてその詳細な説明を省略する。
【0093】図9は、第2実施形態の自動車用電子制御
装置(ECU)51の構成を示す回路図である。尚、図
9においては、図面が煩雑になるのを防ぐため、A相励
磁コイル5に対応する構成部分のみを図示し、その他の
各励磁コイル6〜8に対応する構成部分について図示を
省略してある。
【0094】本第2実施形態のECU51において、第
1実施形態のECU1と異なるのは以下の点である。 (2−1)バッファBF1の入力側に抵抗器RT1およ
びコンデンサC1から成る時定数回路が設けられてい
る。すなわち、出力端子O1は、抵抗器R11を介して
接地されると共に、各抵抗器R12,RT1を介してバ
ッファBF1のプラス入力端子に接続されている。ま
た、各抵抗器R12,RT1の接続点はコンデンサC1
を介して接地されている。
【0095】(2−2)排他的論理和回路EXOR1
は、CPU9からの制御信号AIと、バッファBF1の
出力信号AO1との排他的論理和演算を行い、その演算
結果である出力信号AFAILを生成する。 (2−3)バッファBF1と同様に、各バッファBF2
〜BF4(図示略。図1参照)の入力側にはそれぞれ抵
抗器RT2〜RT4(図示略)およびコンデンサC2〜
C4(図示略)から成る時定数回路が設けられている。
【0096】(2−4)排他的論理和回路EXOR1と
同様に、各排他的論理和回路EXOR2〜EXOR4
(図示略。図1参照)は、CPU9からの制御信号A/
I,BI,B/Iと、バッファBF2〜BF4(図示
略)の出力信号A/O1,BO1,B/O1との排他的
論理和演算を行い、その演算結果である出力信号A/F
AIL,BFAIL,B/FAILを生成する。
【0097】(2−5)否定論理和回路NOR1は、各
排他的論理和回路EXOR1〜EXOR4の各出力信号
AFAIL,A/FAIL,BFAIL,B/FAIL
の否定論理和演算を行い、その演算結果である異常検出
信号MONIを生成する。図10は、A相励磁コイル5
とECU51の出力端子O1とを結ぶ配線の断線故障、
A相励磁コイル5自身の断線故障、出力端子O1が車載
バッテリのマイナス端子側(接地側)にショートするシ
ョート故障のいずれかの故障が起こった後に、当該故障
が回復して正常状態に復帰(正常復帰)したときのタイ
ミングチャートである。尚、図10において、出力信号
AOについては、「ON」が各励磁コイル5の通電を表
し、「OFF」が励磁コイル5の非通電を表している。
また、出力信号AO,AO1,AFAILおよび異常検
出信号MONIについては、A相励磁コイル5の電流供
給経路に異常のある場合(故障時)を実線で図示し、異
常の無い場合(正常時)を点線で図示してある。
【0098】バッファBF1は、出力端子O1の電圧
(ECU51の出力信号)AOを抵抗器RT1およびコ
ンデンサC1から成る時定数回路と抵抗器R12とを介
してプラス入力端子から入力し、その電圧AOが、マイ
ナス入力端子に印加される前記しきい値電圧+B/2よ
りも高い場合はハイレベル(電圧VC)の出力信号を生
成し、前記しきい値電圧+B/2よりも低い場合はロウ
レベル(接地電圧)の出力信号を生成する。
【0099】そのため、バッファBF1の出力信号AO
1は、出力信号AOおよび制御信号AIに対して、抵抗
器RT1およびコンデンサC1から成る時定数回路によ
り設定される遅延時間tが生じる。従って、励磁コイル
5の電流供給経路に異常が無い場合、出力信号AFAI
Lには、制御信号AI(出力信号AO)が変化するタイ
ミングで前記遅延時間tの時間幅(例えば、数ms)分
のパルス信号が発生する。そして、図10に示す故障時
には、制御信号AIがハイレベル(駆動用トランジスタ
T1の非通電を示す論理レベル)のとき、出力信号AF
AILがハイレベルに固定となり、異常検出信号MON
Iはロウレベルに固定となる。また、制御信号AIがロ
ウレベル(駆動用トランジスタT1の通電を示す論理レ
ベル)のとき、異常検出信号MONIは正常時と同様に
ハイレベルとローレベルとを繰り返す。
【0100】尚、バッファBF1の出力信号AO1と同
様に、各バッファBF2〜BF4の出力信号A/O1,
BO1,B/O1についても、出力信号A/O,BO,
B/Oおよび制御信号A/I,BI,B/Iに対して、
抵抗器RT2〜RT4およびコンデンサC2〜C4から
成る時定数回路により設定される遅延時間tが生じる。
【0101】そのため、各励磁コイル6〜8の電流供給
経路に異常が無い場合、出力信号A/FAIL,BFA
IL,B/FAILにも、制御信号A/I,BI,B/
I(出力信号A/O,BO,B/O)が変化するタイミ
ングで前記遅延時間tの時間幅(例えば、数ms)分の
パルス信号が発生する。
【0102】そして、各励磁コイル6〜8の電流供給経
路に前記故障が起こったときには、制御信号A/I,B
I,B/Iがハイレベル(駆動用トランジスタT2〜T
4の非通電を示す論理レベル)のとき、出力信号A/F
AIL,BFAIL,B/FAILがハイレベルに固定
となり、異常検出信号MONIはロウレベルに固定とな
る。また、制御信号A/I,BI,B/Iがロウレベル
(駆動用トランジスタT2〜T4の通電を示す論理レベ
ル)のとき、異常検出信号MONIは正常時と同様にハ
イレベルとローレベルとを繰り返す。
【0103】また、各駆動用トランジスタT1〜T4が
オフしたままになるオープン故障、ECU51の出力端
子O1〜O4が車載バッテリのプラス端子側(バッテリ
電圧+B側)にショートするショート故障のいずれかの
故障が起こったときは、制御信号AI,A/I,BI,
B/Iがロウレベル(駆動用トランジスタT1〜T4の
通電を示す論理レベル)のとき、出力信号AFAIL,
A/FAIL,BFAIL,B/FAILがハイレベル
に固定となり、異常検出信号MONIはロウレベルに固
定となる。また、制御信号AI,A/I,BI,B/I
がハイレベル(駆動用トランジスタT1〜T4の非通電
を示す論理レベル)のとき、異常検出信号MONIは正
常時と同様にハイレベルとローレベルとを繰り返す。
【0104】従って、本第2実施形態においても、第1
実施形態と同様に、異常検出信号MONIをCPU9に
取り込むことにより、CPU9における異常判定処理
(図7参照)にて、異常検出信号MONIの状態に基づ
いて各励磁コイル5〜8の少なくともいずれか1つの電
流供給経路に異常があるか否かを判定することができ
る。また、CPU9における異常箇所特定処理(図8参
照)にて、各制御信号AI,BI,A/I,B/Iの切
り替え状態に基づいて各励磁コイル5〜8の電流供給経
路のどこにどのような故障があるのかを判定することが
できる。
【0105】このように、本第2実施形態においては、
抵抗器RT1〜RT4およびコンデンサC1〜C4から
成る時定数回路により出力信号AO1,A/O1,BO
1,B/O1に遅延時間tを発生させている。それに対
して、第1実施形態においては、各シフトレジスタSR
1〜SR4により出力信号AO1,A/O1,BO1,
B/O1に遅延時間TDLを発生させている。従って、本
第2実施形態においても、第1実施形態と同様の作用・
効果を得ることができる。
【0106】ところで、本第2実施形態では、抵抗器R
T1〜RT4およびコンデンサC1〜C4の値を変更す
ることにより、遅延時間tを任意の値に簡単に設定する
ことが可能であるため、ECU51をディスクリート構
成により具体化する場合に適している。それに対して、
第1実施形態では、各シフトレジスタSR1〜SR4を
構成するDフリップフロップの数(各シフトレジスタS
R1〜SR4の段数)を変更することにより遅延時間T
DLを設定するため、遅延時間tDLを簡単に変更すること
が難しい反面、コンデンサC1〜C4を用いないため、
ECU1をIC化する場合に適している。
【0107】(第3実施形態)次に、本発明を具体化し
た第3実施形態を図面と共に説明する。尚、本第3実施
形態において、第2実施形態と同じ構成部材については
符号を等しくしてその詳細な説明を省略する。
【0108】図11は、第3実施形態の自動車用電子制
御装置(ECU)61の構成を示す回路図である。尚、
図11においては、図面が煩雑になるのを防ぐため、A
相励磁コイル5に対応する構成部分のみを図示し、その
他の各励磁コイル6〜8に対応する構成部分について図
示を省略してある。
【0109】本第3実施形態のECU61において、第
2実施形態のECU51と異なるのは以下の点である。 (3−1)CPU9からの制御信号AIは、セット・リ
セット(RS)フリップフロップRS11のセット信号
入力端子Sに入力されると共に、セット・リセット(R
S)フリップフロップRS12のセット信号反転入力端
子S’に入力される。
【0110】(3−2)バッファBF1の出力信号AO
1は、RSフリップフロップRS11のリセット信号入
力端子Rに入力されると共に、RSフリップフロップR
S12のリセット信号反転入力端子R’に入力される。 (3−3)論理和回路OR1は、各RSフリップフロッ
プRS11,RS12の各出力端子Q,Q’からの各出
力信号AQ,AQ’の論理和演算を行い、その演算結果
である出力信号AFAILを生成する。
【0111】(3−4)制御信号AIと同様に、CPU
9からの各制御信号A/I,BI/B/Iは、RSフリ
ップフロップRS21,RS31,RS41(図示略)
のセット信号入力端子Sに入力されると共に、RSフリ
ップフロップRS22,RS32,RS42(図示略)
のセット信号反転入力端子S’に入力される。
【0112】(3−5)出力信号AO1と同様に、各バ
ッファBF2〜BF4の出力信号A/O1,BO1,B
/O1は、RSフリップフロップRS21,RS31,
RS41のリセット信号入力端子Rに入力されると共
に、RSフリップフロップRS22,32,42のリセ
ット信号反転入力端子R’に入力される。
【0113】(3−6)論理和回路OR1と同様に、論
理和回路OR2(図示略)は各RSフリップフロップR
S21,RS22の各出力端子Q,Q’からの各出力信
号A/Q,A/Q’の論理和演算を行って出力信号A/
FAILを生成し、論理和回路OR3(図示略)は各R
SフリップフロップRS31,RS32の各出力端子
Q,Q’からの各出力信号BQ,BQ’の論理和演算を
行って出力信号BFAILを生成し、論理和回路OR4
(図示略)は各RSフリップフロップRS41,RS4
2の各出力端子Q,Q’からの各出力信号B/Q,B/
Q’の論理和演算を行って出力信号B/FAILを生成
する。
【0114】図12は、A相励磁コイル5とECU61
の出力端子O1とを結ぶ配線の断線故障、A相励磁コイ
ル5自身の断線故障、出力端子O1が車載バッテリのマ
イナス端子側(接地側)にショートするショート故障の
いずれかの故障が起こった後に、当該故障が回復して正
常状態に復帰(正常復帰)したときのタイミングチャー
トである。尚、図12において、出力信号AOについて
は、「ON」が各励磁コイル5の通電を表し、「OF
F」が励磁コイル5の非通電を表している。また、出力
信号AO,AO1,AQ,AQ’,AFAILとリセッ
ト信号反転入力端子R’の入力信号および異常検出信号
MONIについては、A相励磁コイル5の電流供給経路
に異常のある場合(故障時)を実線で図示し、異常の無
い場合(正常時)を点線で図示してある。
【0115】励磁コイル5の電流供給経路に異常が無い
場合、制御信号AIの立ち上がりエッジでRSフリップ
フロップRS11がセットされた後に、前記遅延時間t
が経過すると、出力信号AO1の立ち上がりエッジでR
SフリップフロップRS11がリセットされるため、R
SフリップフロップRS11の出力信号AQには前記遅
延時間tの時間幅のパルス信号が発生する。また、制御
信号AIの立ち下がりエッジ(セット信号反転入力端子
S’の入力信号の立ち上がりエッジ)でRSフリップフ
ロップRS12がセットされた後に、前記遅延時間tが
経過すると、出力信号AO1の立ち下がりエッジ(リセ
ット信号反転入力端子R’の入力信号の立ち上がりエッ
ジ)でRSフリップフロップRS12がリセットされる
ため、RSフリップフロップRS12の出力信号AQ’
には前記遅延時間tの時間幅のパルス信号が発生する。
【0116】従って、励磁コイル5の電流供給経路に異
常が無い場合、出力信号AFAILには、制御信号AI
(出力信号AO)が変化するタイミングで前記遅延時間
tの時間幅分のパルス信号が発生する。そして、図12
に示す故障時には、故障発生後に制御信号AIの立ち下
がりエッジでRSフリップフロップRS12がセットさ
れてから、正常復帰後の出力信号AO1の立ち下がりエ
ッジでRSフリップフロップRS12がリセットされる
までの間、RSフリップフロップRS12の出力信号A
Q’がハイレベルに固定となるため、論理和回路OR1
の出力信号AFAILもハイレベルに固定となり、異常
検出信号MONIはロウレベルに固定となる。
【0117】尚、各励磁コイル6〜8の電流供給経路に
異常が無い場合も、各論理和回路OR2〜OR4の出力
信号A/FAIL,BFAIL,B/FAILには、制
御信号A/I,BI,B/I(出力信号A/O,BO,
B/O)が変化するタイミングで前記遅延時間tの時間
幅分のパルス信号が発生する。
【0118】そして、各励磁コイル6〜8の電流供給経
路に前記故障が起こったときには、故障発生後に制御信
号A/I,BI,B/Iの立ち上がりエッジまたは立ち
下がりエッジから、正常復帰後の出力信号A/O1,B
O1,B/O1の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエ
ッジまでの間、各論理和回路OR2〜OR4の出力信号
A/FAIL,BFAIL,B/FAILもハイレベル
に固定となり、異常検出信号MONIはロウレベルに固
定となる。
【0119】また、各駆動用トランジスタT1〜T4が
オフしたままになるオープン故障、ECU61の出力端
子O1〜O4が車載バッテリのプラス端子側(バッテリ
電圧+B側)にショートするショート故障のいずれかの
故障が起こったときも、故障発生後に制御信号AI,A
/I,BI,B/Iの立ち上がりエッジまたは立ち下が
りエッジから、正常復帰後の出力信号AO1,A/O
1,BO1,B/O1の立ち上がりエッジまたは立ち下
がりエッジまでの間、各論理和回路OR1〜OR4の出
力信号AFAIL,A/FAIL,BFAIL,B/F
AILはハイレベルに固定となり、異常検出信号MON
Iはロウレベルに固定となる。
【0120】従って、本第3実施形態においても、第1
実施形態と同様に、異常検出信号MONIをCPU9に
取り込むことにより、CPU9における異常判定処理
(図7参照)にて、異常検出信号MONIの状態に基づ
いて各励磁コイル5〜8の少なくともいずれか1つの電
流供給経路に異常があるか否かを判定することができ
る。また、CPU9における異常箇所特定処理(図8参
照)にて、各制御信号AI,BI,A/I,B/Iの切
り替え状態に基づいて各励磁コイル5〜8の電流供給経
路のどこにどのような故障があるのかを判定することが
できる。
【0121】このように、本第3実施形態においても、
第2実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
ところで、第2実施形態では、図10に示すように、各
励磁コイル5〜8の電流供給経路に故障が起こったとき
に、異常検出信号MONIが異常な状態と正常な状態と
を交互に繰り返す。それに対して、本第3実施形態で
は、各RSフリップフロップを設けることにより、図1
2に示すように、各励磁コイル5〜8の電流供給経路に
故障が起こったときに、異常検出信号MONIが異常な
状態(ロウレベル)のまま固定となるようにしているた
め、異常検出信号MONIがロウレベルに固定される時
間が長くなることから、第2実施形態よりもさらに確実
に故障の有無を判定することができる。
【0122】尚、本発明は上記各実施形態に限定される
ものではなく、以下のように変更してもよく、その場合
でも、上記各実施形態と同等もしくはそれ以上の作用・
効果を得ることができる。 [1]上記各実施形態では、各励磁コイル5〜8の一端
にバッテリ電圧+Bが印加されており、各出力回路11
〜14が各励磁コイル5〜8から電流を引き込む形式
(一般に、ロウサイド形式と呼ばれる)をとっている。
【0123】これに対して、各励磁コイル5〜8の一端
を接地し、各出力回路11〜14から各励磁コイル5〜
8へ電流を流し出す形式(一般に、ハイサイド形式と呼
ばれる)をとる場合には、プルダウン抵抗器R11,R
21,R31,R41に代えて、各出力端子O1〜O4
と車載バッテリのプラス端子との間にそれぞれプルアッ
プ抵抗器を設けるようにすればよい。
【0124】[2]ステップモータ2の各励磁コイル5
〜8の通電制御に限らず、通電状態が制御される各種電
気負荷の通電制御に適用してもよい。この場合、電気負
荷の数に関係なく異常検出信号MONIが入力されるC
PU9の入力ポートを1つ設けるだけでよいため、電気
負荷の数が増大するほど、本発明の効果が顕在化するこ
とになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1実施形態の構成を示す
回路図。
【図2】第1実施形態の出力回路の構成を示す回路図。
【図3】第1実施形態の動作を説明するためのタイミン
グチャート。
【図4】第1実施形態の動作を説明するためのタイミン
グチャート。
【図5】第1実施形態の動作を説明するためのタイミン
グチャート。
【図6】第1実施形態の動作を説明するためのタイミン
グチャート。
【図7】第1〜第3実施形態の動作を説明するためのフ
ローチャート。
【図8】第1〜第3実施形態の動作を説明するためのフ
ローチャート。
【図9】本発明を具体化した第2実施形態の構成を示す
回路図。
【図10】第2実施形態の動作を説明するためのタイミ
ングチャート。
【図11】本発明を具体化した第3実施形態の構成を示
す回路図。
【図12】第3実施形態の動作を説明するためのタイミ
ングチャート。
【符号の説明】
1,51,61…自動車用電子制御装置(ECU) 2…ステップモータ 5〜8…励磁コイル 9…マイクロコンピュータ(CPU) 11〜14…
出力回路 R11,R21,R31,R41…プルダウン抵抗器 BF1〜BF4…バッファ SR1〜SR4…シフト
レジスタ RT1〜RT4…抵抗器 C1〜C4…コンデンサ EXOR1〜EXOR4…排他的論理和回路 NOR
1…否定論理和回路 OR1〜OR4…論理和回路 AND1〜AND4…
論理積回路 RS11〜RS42…RSフリップフロップ O1〜
O4…出力端子 T1〜T4…駆動用トランジスタ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の電気負荷にそれぞれ対応して設け
    られ、通電を示す論理レベルと非通電を示す論理レベル
    とに切り替えられる制御信号に応じて、当該制御信号が
    通電を示す論理レベルの時に自己に対応する電気負荷に
    電流を流す複数の出力手段と、 前記各出力手段へ前記制御信号をそれぞれ出力すると共
    に、その各制御信号の論理レベルを切り替えることによ
    り、前記各電気負荷の通電状態を制御する制御手段と、 前記各出力手段による前記各電気負荷の実際の通電状態
    を示すモニタ信号をそれぞれ生成する複数のモニタ信号
    生成手段と、 前記制御手段から出力された前記各制御信号に対応し
    て、前記複数のモニタ信号生成手段によりそれぞれ生成
    される前記各モニタ信号を、対応する前記制御信号に対
    して所定遅延時間分だけそれぞれ遅延させる複数の遅延
    手段と、 前記制御手段から出力された前記各制御信号と前記複数
    の遅延手段により遅延された前記各モニタ信号とに基づ
    いて、前記各電気負荷の電流経路の少なくともいずれか
    1つの異常の有無を検出するための異常検出信号を生成
    する検出信号生成手段と、 前記制御手段から出力された前記制御信号の変化状態
    と、前記検出信号生成手段により生成された異常検出信
    号とに基づいて、前記各電気負荷毎にその電流供給経路
    の異常の有無を判定する判定手段とを備えたことを特徴
    とする電気負荷の通電制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電気負荷の通電制御装
    置において、 前記制御手段は、前記各出力手段へ出力する制御信号の
    論理レベルを、予め定められた順序パターンで切り替え
    るように構成されており、 前記検出信号生成手段は、前記複数の遅延手段により遅
    延された前記各モニタ信号のうち、前記制御手段で切り
    替えられる前記順序パターンに対応して、前記各モニタ
    信号の重複するものをマスクする信号マスク手段を備
    え、各モニタ信号のうち重複しないものと前記各制御信
    号とに基づいて前記異常検出信号を生成することを特徴
    とする電気負荷の通電制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の電気負
    荷の通電制御装置において、 前記検出信号生成手段は、前記制御手段から出力された
    前記制御信号の変化状態に応じて、前記各電気負荷の電
    流経路の少なくともいずれか1つの異常が継続している
    ときは前記異常検出信号の論理レベルを固定する論理レ
    ベル固定手段を備えたことを特徴とする電気負荷の通電
    制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電
    気負荷の通電制御装置において、 前記遅延手段は、シフトレジスタを備えて構成されるこ
    とを特徴とする電気負荷の通電制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電
    気負荷の通電制御装置において、 前記遅延手段は、抵抗器とコンデンサとから成る時定数
    回路を備えて構成されることを特徴とする電気負荷の通
    電制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電
    気負荷の通電制御装置において、 前記複数の電気負荷は、ステップモータの各励磁コイル
    であることを特徴とする電気負荷の通電制御装置。
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