JP2002199791A - 電流検出回路及びこれを備えたモータ制御装置 - Google Patents

電流検出回路及びこれを備えたモータ制御装置

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JP2002199791A
JP2002199791A JP2000397126A JP2000397126A JP2002199791A JP 2002199791 A JP2002199791 A JP 2002199791A JP 2000397126 A JP2000397126 A JP 2000397126A JP 2000397126 A JP2000397126 A JP 2000397126A JP 2002199791 A JP2002199791 A JP 2002199791A
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Gunnan Ki
軍南 喜
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電流検出素子の出力信号を増幅する演算増幅器
の出力波形におけるピークの発生を防止する。 【解決手段】モータ電流を検出するシャント抵抗11を
設け、シャント抵抗11の一端と演算増幅器12の反転
入力端子との間、シャント抵抗11の他端と演算増幅器
12の非反転入力端子との間に、それぞれ第1、第2抵
抗13、14を直列に設けると共に、第1、第2ダイオ
ード15、16の接続点、第3、第4ダイオード17、
18の接続点を、演算増幅器12の反転入力端子及び非
反転入力端子にそれぞれ接続し、演算増幅器12の反転
入力端子と出力端子間に第3抵抗20及び第1コンデン
サ21の並列回路を接続し、演算増幅器12の反転入力
端子及び非反転入力端子それぞれとアースとの間に、第
2、第3コンデンサ23、24を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、直流電源にスイ
ッチング手段を介して負荷を接続し、この負荷に流れる
電流を電流検出素子により検出し、この電流検出素子の
出力信号を演算増幅器により増幅して種々の制御対象の
制御等に利用する電流検出回路及びこれを備えたモータ
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、3相ブラシレスDCモータを用い
た自動車用パワーステアリング装置には、モータを流れ
る電流を検出する電流検出回路を設け、異常に大きな値
の電流が流れることのないように電流制限すべく制御す
ることが行われている。このように、モータの電流を検
出する電流検出回路を備えた自動車用パワーステアリン
グ装置におけるモータ制御装置は、従来、例えば図4に
示すように構成されている。
【0003】即ち、図4に示すように、ロータリエンコ
ーダ等から成る検出部SDがステアリング(図示せず)
に設けられ、この検出部SDから、90゜位相のずれた
2相パルス信号が検出信号として信号変換部WSに出力
され、信号変換部WSにより検出信号が波形整形され、
波形整形された検出信号がマイクロコンピュータから成
る制御部COに入力される。
【0004】そして、制御部COにより、検出信号に基
づいてステアリングを操作する舵角速度が検出され、制
御部COにより舵角速度の高、低に応じてステアリング
の操作トルクのアシスト量が決定され、決定されたアシ
ストトルクを発生すべく、制御部COから出力される制
御信号により、3相ブリッジインバータIVを構成する
複数のMOS−FET等から成るスイッチング素子がス
イッチングされ、直流電源(バッテリ)Eから3相ブラ
シレスDCモータMの各巻線への通電路が複数のスイッ
チング素子により開閉制御されてモータMが駆動され、
必要なアシストトルクが発生される。
【0005】この3相ブラシレスDCモータMを駆動す
る3相ブリッジインバータIVは、一般に図5に示すよ
うに構成されている。即ち、2個のスイッチング素子S
1、S2の直列回路により第1のアームA1が、2個の
スイッチング素子S3、S4の直列回路により第2のア
ームA2が、2個のスイッチング素子S5、S6の直列
回路により第3のアームA3がそれぞれ形成され、各ス
イッチング素子S1〜S6にはフライホイールダイオー
ドD1〜D6がそれぞれ逆極性に接続されている。この
とき、スイッチング素子S1〜S6がFETの場合、各
々の寄生ダイオードがフライホイールダイオードD1〜
D6として機能する。ここで、容量を大きくするため
に、各スイッチング素子S1〜S6それぞれが2個(ま
たは2個以上)のMOS−FETの並列構成になってい
ても構わない。
【0006】このようなインバータIVの各アームA1
〜A3それぞれにおける両スイッチング素子の接続点P
1、P2、P3に、モータMの固定子の星形結線された
3相巻線M1、M2、M3が接続され、インバータIV
の接続点P1、P2、P3の上側にある上側スイッチン
グ素子群HTの各スイッチング素子S1、S3、S5の
一端がバスバーにより直流電源Eの正端子に接続され、
インバータIVの接続点P1、P2、P3の下側にある
下側スイッチング素子群LTの各スイッチング素子S
2、S4、S6の他端が、後述するシャント抵抗SHを
介してバスバーにより直流電源Eの負端子に接続されて
いる。
【0007】そして、図6に示すように、制御部COか
らの120゜ずつ位相のずれた制御信号により、上側ス
イッチング素子群HTの各スイッチング素子S1、S
3、S5が120゜ずつずれてオンし、これと同様に制
御部COからの120゜ずつ位相のずれた制御信号によ
り、下側スイッチング素子群LTの各スイッチング素子
S2、S4、S6が120゜ずつずれてオンする。
【0008】このとき、制御部COは、上側スイッチン
グ素子群HTの各アームA1〜A3のスイッチング素子
S1、S3、S5のうちオンしているスイッチング素子
のアームとは異なるアームの下側スイッチング素子群L
Tのスイッチング素子がオンするように制御信号を出力
し、かつオンすべき上側スイッチング素子群HTのスイ
ッチング素子と下側スイッチング素子群LTのスイッチ
ング素子との組み合わせを、ホール素子から成る回転検
出手段(図示せず)により検出されるモータMの回転子
の位置に関連して切り換える。尚、制御部COからイン
バータIVの下側スイッチング素子群LTの各スイッチ
ング素子S2、S4、S6へはPWM制御信号が出力さ
れ、このPWMにおけるデューティサイクルが制御され
てモータMの回転数制御が行われる。
【0009】また、図4に示すように、インバータIV
の各スイッチング素子S1〜S6に過電流が流れること
を防止して保護するために、各スイッチング素子S1〜
S6及びモータMを流れるモータ電流を検出する電流検
出回路CD、及びこの電流検出回路CDによる検出電流
値を予め定められた遮断電流値以下に制限する電流制限
部CRが設けられている。
【0010】電流検出回路CDは、図4に示すように、
電流検出素子であるシャント抵抗SHと、このシャント
抵抗SHの両端電圧を増幅する演算増幅器Aとにより構
成され、電流制限部CRは、比較器CPと、D−フリッ
プフロップDFと、3個のANDゲートAG1〜AG3
と、3個の反転回路IG1〜IG3とにより構成されて
いる。
【0011】図4に示すように、シャント抵抗SHは、
直流電源EからインバータIVへのマイナス側の通電路
に設けられ、このシャント抵抗SHによりインバータI
Vの各スイッチングS1〜S6及びモータMの各巻線M
1〜M3を流れるモータ電流が検出され、シャント抵抗
SHの両端電圧が演算増幅器Aにより増幅される。
【0012】ところで、直流電源Eの負端子に接続され
たシャント抵抗SHの一端と演算増幅器Aの反転入力端
子との間には、入力抵抗R1が直列に接続され、シャン
ト抵抗SHの他端と演算増幅器Aの非反転入力端子との
間にも、入力抵抗R2が直列に接続されると共に、正電
源(図示せず)とアースとの間に過電圧保護素子である
2個のダイオードD1、D2が直列に接続され、両ダイ
オードD1、D2の接続点が演算増幅器Aの反転入力端
子に接続され、これと同様に正電源とアースとの間に過
電圧保護素子である2個のダイオードD3、D4が直列
に接続され、両ダイオードD3、D4の接続点が演算増
幅器Aの非反転入力端子に接続されている。尚、図4に
おいて、R3は演算増幅器Aの反転入力端子と出力端子
間に設けられたゲイン設定用抵抗、Cはゲイン設定用抵
抗R3に並列に接続されたノイズ除去用コンデンサであ
る。
【0013】更に、演算増幅器Aの出力電位Cmoが比
較器CPの非反転入力端子に入力され、正電源(図示せ
ず)とアースとの間に直列に設けられた2個の分圧用抵
抗R4、R5の接続点の電位が過電流保護のための基準
電位Vthとして比較器CPの反転入力端子に入力さ
れ、比較器CPにより両入力端子の電位Cmo、Vth
が比較される。この基準電位Vthは、シャント抵抗S
Hにより検出されるモータ電流の値が、予め定められた
遮断電流値に達したときの演算増幅器Aの出力電位Cm
oに相当する値に設定されている。
【0014】また、図4に示すように、D−フリップフ
ロップDFの入力端子Dは正電源(図示せず)に接続さ
れ、クロック端子CKには制御部COからのクロックパ
ルスが入力され、リセット端子Rには比較器CPの出力
信号が入力される。
【0015】更に、各ANDゲートAG1〜AG3の一
方の入力端子は、制御部COから下側スイッチング素子
群LTの各スイッチング素子S2、S4、S6へのPW
M制御信号の出力端子に接続され、他方の入力端子はD
−フリップフロップDFのQ出力端子に接続され、各A
NDゲートAG1〜AG3それぞれの両入力のAND条
件が成立したときにだけ、各ANDゲートAG1〜AG
3及び反転回路IG1〜IG3を介して下側スイッチン
グ素子群LTの各スイッチング素子S2、S4、S6に
PWM制御信号が出力され、AND条件が成立しないと
きには、制御部COから各スイッチング素子S2、S
4、S6へのPWM制御信号が遮断される。
【0016】そして、シャント抵抗SHを流れるモータ
電流が所定の遮断電流値を超え、比較器CPの非反転入
力端子の電位が反転入力端子の電位を上回れば、比較器
CPの出力がローレベル(以下、Lという)からハイレ
ベル(以下、Hという)に反転し、上記したように各A
NDゲートAG1〜AG3それぞれの両入力のAND条
件が成立しなくなり、各ANDゲートAG1〜AG3及
び反転回路IG1〜IG3を介した下側スイッチング素
子群LTの各スイッチング素子S2、S4、S6へのP
WM制御信号が遮断され、シャント抵抗SHを流れるモ
ータ電流が遮断される。
【0017】このとき、インバータIVでは、上側スイ
ッチング素子群LTのオン状態のスイッチング素子及び
フライホイールダイオードを介してモータMの巻線に循
環電流が流れ、この循環電流がなくなるまでに、D−フ
リップフロップDFのクロック端子CKへの制御部CO
からのクロックパルスの出力タイミングで各ANDゲー
トAG1〜AG3それぞれの両入力のAND条件が成立
し、各ANDゲートAG1〜AG3及び反転回路IG1
〜IG3を介した下側スイッチング素子群LTの各スイ
ッチング素子S2、S4、S6に制御信号が出力されて
再びモータMの各巻線M1〜M3に流れる電流が回復す
る。
【0018】このようにして、下側スイッチング素子群
LTの各スイッチング素子S2、S4、S6へのPWM
制御信号の断続により、モータMに流れるモータ電流が
所定の遮断電流値以下に制限され、各スイッチング素子
S1〜S6の過電流による損傷から保護されている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記したよ
うな構成のモータ制御装置では、モータMに負荷がかか
った状態における演算増幅器Aの出力電位Cmoの波形
は図7に示すように変化し、PWM制御信号の立ち下が
りの直前にピークが発生し、このピークに外来ノイズが
重畳(図7中の出力電位Cmoの波形におけるスパイク
がノイズに相当する)することによって、本来の出力電
位Cmoが基準電位Vthを超えていないにも拘わら
ず、比較器CPの出力が上記したようにLからHに反転
し、下側スイッチング素子群LTの各スイッチング素子
S2、S4、S6へのPWM制御信号が遮断されてシャ
ント抵抗SHを流れるモータ電流が遮断され、その結果
モータMの回転数が急速に低下するという現象が発生し
ていた。特に、モータ負荷が定格負荷付近で運転中でか
つ高温のときに、このような現象が生じ易い。
【0020】このように、演算増幅器Aの出力波形にピ
ークが生じる原因として、シャント抵抗SHを流れる電
流の大きさの変化が速いときには、図4に示す回路を実
装するプリント基板のパターン配線長の差を含む演算増
幅器Aの反転、非反転入力端子への信号入力の応答時間
差により、演算増幅器Aが追従できなくなってその出力
に図7に示すようなピークが生じるものと考えられる。
【0021】そこで、本発明は、電流検出素子の出力信
号を増幅する演算増幅器の出力波形にピークが生じるこ
とを防止できるようにすることを第1の目的とする。
【0022】また、本発明の第2の目的として、電流検
出回路を備えたモータ制御装置において、定格負荷前後
で運転中のモータ回転数が低下することを防止できるよ
うにする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記した第1の目的を達
成するために、本発明にかかる電流検出回路は、前記演
算増幅器の反転入力端子及び非反転入力端子それぞれと
アースとの間にコンデンサを設けたことを特徴としてい
る。
【0024】このような構成によれば、電流検出素子に
より検出される電流の大きさの変化が速いときでも、そ
の変化がコンデンサの積分作用により緩和され、しかも
外来ノイズがコンデンサによって吸収されるため、演算
増幅器の出力波形にピークが生じることを防止でき、演
算増幅器の出力レベルがあるしきい値を超えるかどうか
に基づき、後段回路により何らかの負荷の制御を行うよ
うな場合に、演算増幅器の出力波形におけるピークやノ
イズによる悪影響を防止して安定した制御を実現するこ
とができる。
【0025】また、本発明にかかる電流検出回路は、前
記演算増幅器の出力端子とアースとの間にコンデンサを
設けたことを特徴としている。このような構成によれ
ば、演算増幅器の出力端子側にもコンデンサを設けるこ
とで、外来ノイズをよりいっそう効果的に吸収すること
ができ、演算増幅器の出力レベルがあるしきい値を超え
るかどうかに基づき、後段回路により何らかの負荷の制
御を行うような場合に、外来ノイズの影響を確実に防止
でき、安定した制御を行うことができる。
【0026】また、上記した第2の目的を達成するため
に、本発明にかかるモータ制御装置は、上記した電流検
出回路を備えており、前記負荷がモータから成り、複数
のスイッチング素子から成る駆動部と、前記駆動部の前
記各スイッチング素子にスイッチング制御信号を出力す
る制御部と、前記電流検出回路の前記電流検出素子によ
る検出電流値を予め定められた遮断電流値以下に制限す
る電流制限部とを備え、前記制御部からのスイッチング
制御信号により前記駆動部の前記各スイッチング素子を
スイッチングし、前記モータの巻線への通電路を開閉制
御して前記モータを駆動すると共に、前記電流検出回路
の前記演算増幅器の出力レベルが所定の基準値を超える
ときに、前記電流制限部により、前記検出電流値が所定
の遮断電流値を超えたと判断して前記制御部から前記ス
イッチング素子への制御信号を遮断することを特徴とし
ている。
【0027】このような構成によれば、電流検出回路に
よる検出電流値が遮断電流値を超えていないにも拘わら
ず、演算増幅器の出力波形のピークやこれに重畳する外
来ノイズが原因で、電流制限部により、検出電流値が遮
断電流値を超えたと誤って判断されることを防止できる
ため、定格負荷前後で運転中のモータ回転数が低下して
しまう現象を防止することができる。しかも、電流制限
部により、電流検出回路による検出電流値を所定の遮断
電流値以下になるように電流制限を行うことで、過電流
による駆動部の各スイッチング素子の損傷を未然に防止
することができる。
【0028】また、本発明にかかるモータ制御装置は、
前記モータが複数の前記巻線を有し、前記駆動部が、前
記スイッチング素子を2個直列接続して成るアームを、
前記巻線の数と同数備えたブリッジインバータを有し、
前記各アームにおける前記両スイッチング素子の接続点
に前記各巻線をそれぞれ接続し、前記インバータの前記
接続点の一方側にある一方側スイッチング素子群と他方
側にある他方側スイッチング素子群とを制御し、前記一
方側スイッチング素子群のいずれかの前記スイッチング
素子のオン及びこのスイッチング素子のアームとは異な
るアームの前記他方側スイッチング素子群の前記スイッ
チング素子のオンにより、前記巻線に電流を通流すると
共に、オンすべき前記一方側スイッチング素子群の前記
スイッチング素子と前記他方側スイッチング素子群の前
記スイッチング素子との組み合わせを、回転検出手段に
より検出される前記モータの回転子の位置に関連して切
り換えることによって前記各巻線への電流の通流方向を
切り換えて前記回転子の回転力を得るものであって、前
記電流制限部は、前記制御部から前記一方側スイッチン
グ素子群または前記他方側スイッチング素子群のいずれ
かの前記スイッチング素子への制御信号を遮断すること
を特徴としている。
【0029】このような構成によれば、演算増幅器の出
力波形のピークやこれに重畳する外来ノイズが原因で、
電流制限部により、検出電流値が遮断電流値を超えたと
誤って判断されることを防止できるため、定格負荷前後
で運転中のモータ回転数が低下してしまうことを確実に
防止できる。一方、検出電流値が遮断電流値を超えたと
きには、駆動部の各スイッチング素子に流れる電流を所
定の遮断電流値以下に確実に抑えて各スイッチング素子
を保護できると同時に、モータの制御動作の信頼性を向
上することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】この発明の電流検出回路を備えた
モータ制御装置を、車両用パワーステアリングに適用し
た場合の一実施形態について図1及び図2を参照して説
明する。但し、図1はこの発明の一実施形態におけるモ
ータ制御装置の結線図、図2は動作説明用の波形図であ
る。
【0031】図1に示すように、ロータリエンコーダ等
から成る検出部1がステアリング(図示せず)に設けら
れ、この検出部1から、90゜位相のずれた2相パルス
信号が検出信号として後段の信号変換部2に出力され、
信号変換部2により検出信号が波形整形される。
【0032】そして、波形整形された検出信号がマイク
ロコンピュータから成る制御部3に入力されると、制御
部3により検出信号に基づいて舵角速度、つまりステア
リングを操作する速度が検出され、制御部3によりその
舵角速度の高、低に応じてステアリングの操作トルクの
アシスト量が決定される。
【0033】更に、決定されたアシストトルクを発生す
べく、制御部3から出力される制御信号により、駆動部
としての3相ブリッジインバータ4を構成する複数のM
OS−FET等から成るスイッチング素子がスイッチン
グされ、車両に搭載されたバッテリから成る直流電源6
から3相ブラシレスDCモータMの各巻線への通電路が
複数のスイッチング素子により開閉制御されてモータM
が駆動され、必要なアシストトルクが発生されるのであ
る。
【0034】ところで、この3相ブラシレスDCモータ
Mを駆動する3相ブリッジインバータ4は、上記した図
5に示す構成と同様に構成されているため、ここでは重
複した説明は省略し、以下の説明では図5を参照するこ
ととする。
【0035】また、図1に示すように、インバータ4の
各スイッチング素子S1〜S6に過電流が流れることを
防止して保護するために、各スイッチング素子S1〜S
6及びモータMを流れるモータ電流を検出する電流検出
回路10、及びこの電流検出回路10による検出電流値
を予め定められた遮断電流値以下に制限する電流制限部
30が設けられている。
【0036】電流検出回路10は、図1に示すように、
電流検出素子であるシャント抵抗11と、このシャント
抵抗11の両端電圧を増幅する演算増幅器12とにより
構成され、電流制限部30は、比較器31と、D−フリ
ップフロップ32と、3個のANDゲート33、34、
35と、3個の反転回路36、37、38とにより構成
されている。
【0037】図1に示すように、シャント抵抗11は、
直流電源6からインバータ4へのマイナス側のバスバー
から成る通電路に直列に設けられ、このシャント抵抗1
1によりインバータ4の各スイッチングS1〜S6及び
モータMの各巻線M1〜M3を流れるモータ電流が検出
され、シャント抵抗11の両端電圧が演算増幅器12に
より増幅される。
【0038】ところで、直流電源6の負端子に接続され
たシャント抵抗11の一端と演算増幅器12の反転入力
端子との間には、入力抵抗である第1抵抗13が直列に
接続され、シャント抵抗11の他端と演算増幅器12の
非反転入力端子との間には、入力抵抗である第2抵抗1
4が直列に接続されると共に、正電源(図示せず)とア
ースとの間に過電圧保護素子である第1、第2ダイオー
ド15、16が直列に接続され、両ダイオード15、1
6の接続点が演算増幅器12の反転入力端子に接続さ
れ、これと同様に正電源とアースとの間に過電圧保護素
子である第3、第4ダイオード17、18が直列に接続
され、両ダイオード17、18の接続点が演算増幅器1
2の非反転入力端子に接続されている。
【0039】また、演算増幅器12の反転入力端子と出
力端子間には、ゲイン設定用の第3抵抗20及びノイズ
除去用の第1コンデンサ21の並列回路が接続され、演
算増幅器12の反転入力端子とアースとの間、及び非反
転入力端子とアースとの間には、それぞれ第2、第3コ
ンデンサ23、24が設けられている。
【0040】更に、演算増幅器12の出力電位Cmoが
比較器31の非反転入力端子に入力され、正電源(図示
せず)とアースとの間に直列に設けられた第4、第5抵
抗39、40の接続点の電位が過電流保護のための基準
電位Vthとして比較器31の反転入力端子に入力さ
れ、比較器31により両入力端子の電位Cmo、Vth
が比較される。ここで、基準電位Vthは、シャント抵
抗11により検出されるモータ電流の値が、予め定めら
れた遮断電流値に達したときの演算増幅器12の出力電
位Cmoに相当する値に設定されている。
【0041】また、図1に示すように、D−フリップフ
ロップ32の入力端子Dは正電源(図示せず)に接続さ
れ、クロック端子CKには制御部3からの例えば16k
Hzのクロックパルスが入力され、リセット端子Rには
比較器31の出力信号が入力される。
【0042】更に、各ANDゲート33〜35の一方の
入力端子は、制御部3から下側スイッチング素子群LT
の各スイッチング素子S2、S4、S6へのPWM制御
信号の出力端子に接続され、他方の入力端子はD−フリ
ップフロップ32のQ出力端子に接続され、各ANDゲ
ート33〜35それぞれの両入力のAND条件が成立し
たときにだけ、各ANDゲート33〜35及び反転回路
36〜38を介して下側スイッチング素子群LTの各ス
イッチング素子S2、S4、S6にPWM制御信号が出
力され、AND条件が成立しないときには、制御部3か
ら各スイッチング素子S2、S4、S6へのPWM制御
信号が遮断される。
【0043】そして、シャント抵抗11を流れるモータ
電流が所定の遮断電流値を超え、比較器31の非反転入
力端子の電位(つまり演算増幅器12出力電位Cmo)
が反転入力端子の電位(基準電位Vth)を上回れば、
比較器31の出力がLからHに反転し、上記したように
各ANDゲート33〜35それぞれの両入力のAND条
件が成立しなくなり、各ANDゲート33〜35及び反
転回路36〜38を介した下側スイッチング素子群LT
の各スイッチング素子S2、S4、S6へのPWM制御
信号が遮断され、シャント抵抗11を流れるモータ電流
が遮断される。
【0044】このとき、インバータ4では、上側スイッ
チング素子群LTのオン状態のスイッチング素子及びフ
ライホイールダイオードを介してモータMの巻線に循環
電流が流れ、この循環電流がなくなるまでに、D−フリ
ップフロップ32のクロック端子CKへの制御部3から
のクロックパルス(16kHz)の出力タイミングで各
ANDゲート33〜35それぞれの両入力のAND条件
が成立し、各ANDゲート33〜35及び反転回路36
〜38を介した下側スイッチング素子群LTの各スイッ
チング素子S2、S4、S6に制御信号が出力されて再
びモータMの各巻線M1〜M3に電流が流れ始め、シャ
ント抵抗11にも電流が流れる。
【0045】このように、下側スイッチング素子群LT
の各スイッチング素子S2、S4、S6へのPWM制御
信号の断続により、モータMに流れるモータ電流が断続
されて所定の遮断電流値以下に制限され、各スイッチン
グ素子S1〜S6の過電流による損傷から保護されてい
る。
【0046】ところで、上記したように演算増幅器12
の両入力端子に第2、第3コンデンサ23、24を設け
ると、モータMに負荷がかかっている状態における演算
増幅器12の出力電位Cmoの波形は図2に示すように
なり、コンデンサ23、24それぞれと第1、第2抵抗
13、14それぞれとの積分回路による積分作用によっ
て、シャント抵抗11により検出されるモータ電流の大
きさに変化が生じてもその変化が緩和されるため、図7
に示す従来の出力電位Cmoの波形と比較しても明らか
なように、演算増幅器12の出力電位Cmoの波形(図
2参照)にはピークが現れない。
【0047】しかも、図2の波形に示すようにコンデン
サ23、24によって外来ノイズを吸収することがで
き、その結果、従来のように演算増幅器12の出力波形
のピークにノイズが重畳することにより、出力電位Cm
oが基準電位Vthを超えて、比較器31の出力がLか
らHに反転することが防止される。
【0048】そのため、演算増幅器12の出力波形のピ
ークやこれに重畳する外来ノイズが原因で、電流制限部
30により、シャント抵抗11による検出電流値が所定
の遮断電流値を超えたと誤って判断されることがなく、
定格負荷前後で運転中におけるモータMの回転数の低下
を確実に防止されるのである。
【0049】従って、上記した実施形態によれば、定格
負荷前後で運転中のモータMの回転数が低下してしまう
現象を防止することができ、演算増幅器12の出力波形
にピークやノイズによる悪影響を防止して安定したモー
タMの回転数制御を実現することができる。
【0050】なお、本発明の他の実施形態として、図3
に示すように、演算増幅器12の出力端子とアースとの
間に第4コンデンサ26を設けてもよい。こうすると、
外来ノイズをよりいっそう効果的に吸収することがで
き、演算増幅器12の出力波形に重畳するノイズの影響
をより確実に防止でき、安定したモータMの回転数制御
が可能になる。
【0051】また、上記した実施形態では、電流制限部
30により、インバータ4の下側スイッチング素子群L
Tのスイッチング素子S2、S4、S6への制御信号を
断続するようにした場合について説明したが、上側スイ
ッチング素子群HTスイッチング素子S1、S3、S5
への制御信号を断続しても構わない。
【0052】更に、上記した実施形態において、制御部
3、比較器31、D−フリップフロップ32、ANDゲ
ート33〜35及び反転回路36〜38をマイコン化し
ても構わない。
【0053】また、上記した実施形態では、本発明にお
ける電流検出回路10を、自動車等の車両用パワーステ
アリングにおけるモータ制御装置に適用した場合につい
て説明しているが、本発明の適用範囲はこのようなパワ
ーステアリング用のモータ制御装置に限られるものでは
なく、これ以外にも、モータ等の負荷を駆動しかつその
負荷電流を検出して後段回路において何らかの制御を行
うものであれば、本発明を適用することが可能であり、
その場合の制御は上記したような電流の制限制御を始
め、検出電流値の電流制御であっても構わない。
【0054】更に、本発明を適用可能なモータは、直流
電源により駆動されるモータであればよく、上記した3
相ブラシレスDCモータに限定されるものでないのはい
うまでもない。
【0055】また、本発明は上記した実施形態に限定さ
れるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて
上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能であ
る。
【0056】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
よれば、電流検出素子により検出される電流の大きさの
変化が速いときでも、その変化がコンデンサの積分作用
により緩和され、しかも外来ノイズがコンデンサによっ
て吸収されるため、演算増幅器の出力波形にピークが生
じることを防止でき、演算増幅器の出力レベルがあるし
きい値を超えるかどうかに基づき、後段回路により何ら
かの負荷制御を行うような場合に、演算増幅器の出力波
形におけるピークやノイズによる悪影響を防止して安定
した制御を実現することが可能になる。
【0057】また、請求項2に記載の発明によれば、演
算増幅器の出力端子側にもコンデンサを設けることで、
外来ノイズをよりいっそう効果的に吸収することがで
き、演算増幅器の出力レベルがあるしきい値を超えるか
どうかに基づき、後段回路により何らかの負荷の制御を
行うような場合に、外来ノイズの影響を確実に防止で
き、安定した制御を行うことが可能になる。
【0058】また、請求項3に記載の発明によれば、電
流検出回路による検出電流値が遮断電流値を超えていな
いにも拘わらず、演算増幅器の出力波形のピークやこれ
に重畳する外来ノイズが原因で、電流制限部により、検
出電流値が遮断電流値を超えたと誤って判断されること
を防止できるため、定格負荷前後で運転中のモータ回転
数が低下してしまう現象を防止することが可能になる。
【0059】しかも、電流制限部により、電流検出回路
による検出電流値を所定の遮断電流値以下になるように
電流制限を行うことで、過電流による駆動部の各スイッ
チング素子の損傷を未然に防止することが可能になる。
【0060】また、請求項4に記載の発明によれば、演
算増幅器の出力波形のピークやこれに重畳する外来ノイ
ズが原因で、電流制限部により、検出電流値が遮断電流
値を超えたと誤って判断されることを防止できるため、
定格負荷前後でのモータ回転数の低下を確実に防止する
ことが可能になる。
【0061】更に、検出電流値が遮断電流値を超えたと
きには、駆動部の各スイッチング素子に流れる電流を所
定の遮断電流値以下に確実に抑えて各スイッチング素子
を保護できると同時に、モータの制御動作の信頼性を向
上することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態の結線図である。
【図2】この発明の一実施形態の動作説明図である。
【図3】この発明の一実施形態の一部の結線図である。
【図4】この発明の背景となるモータ制御装置の結線図
である。
【図5】図4に示す装置の一部の詳細な結線図である。
【図6】図4に示す装置の動作説明用のタイミングチャ
ートである。
【図7】図4に示す装置の動作説明用の波形図である。
【符号の説明】
3 制御部 4 3相ブリッジインバータ(駆動部) 6 直流電源 10 電流検出回路 11 シャント抵抗(電流検出素子) 12 演算増幅器 13、14 第1、第2抵抗 15〜18 第1〜第4ダイオード 20 第3抵抗 21 第1コンデンサ 23、24、26 第2、第3、第4コンデンサ 30 電流制限部 31 比較器 32 D−フリップフロップ 33〜35 ANDゲート 36〜38 反転回路 39、40 第4、第5抵抗 M 3相ブラシレスDCモータ M1〜M3 巻線 S1〜S6 スイッチング素子 A1〜A3 アーム HT 上側スイッチング素子群 LT 下側スイッチング素子群
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G025 AA00 AB08 2G035 AA08 AB02 AC16 AD10 AD13 AD20 5H007 AA01 AA12 BB06 CA02 CB02 CB04 CB05 CC05 DC02 EA02 FA03 FA13 FA19 5H576 AA15 BB05 BB06 CC02 DD02 DD07 EE11 HB02 JJ19 KK01 LL22 MM02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源にスイッチング手段を介して負
    荷を接続し、前記負荷に流れる電流を電流検出素子によ
    り検出してこの電流検出素子の出力信号を演算増幅器に
    より増幅する電流検出回路において、 前記演算増幅器の反転入力端子及び非反転入力端子それ
    ぞれとアースとの間にコンデンサを設けたことを特徴と
    する電流検出回路。
  2. 【請求項2】 前記演算増幅器の出力端子とアースとの
    間にコンデンサを設けたことを特徴とする請求項1に記
    載の電流検出回路。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の電流検出回路
    を備えたモータ制御装置であって、 前記負荷がモータから成り、 複数のスイッチング素子から成る駆動部と、前記駆動部
    の前記各スイッチング素子にスイッチング制御信号を出
    力する制御部と、前記電流検出回路の前記電流検出素子
    による検出電流値を予め定められた遮断電流値以下に制
    限する電流制限部とを備え、 前記制御部からのスイッチング制御信号により前記駆動
    部の前記各スイッチング素子をスイッチングし、前記モ
    ータの巻線への通電路を開閉制御して前記モータを駆動
    すると共に、 前記電流検出回路の前記演算増幅器の出力レベルが所定
    の基準値を超えるときに、前記電流制限部により、前記
    検出電流値が所定の遮断電流値を超えたと判断して前記
    制御部から前記スイッチング素子への制御信号を遮断す
    ることを特徴とするモータ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記モータが複数の前記巻線を有し、前
    記駆動部が、前記スイッチング素子を2個直列接続して
    成るアームを、前記巻線の数と同数備えたブリッジイン
    バータを有し、前記各アームにおける前記両スイッチン
    グ素子の接続点に前記各巻線をそれぞれ接続し、前記イ
    ンバータの前記接続点の一方側にある一方側スイッチン
    グ素子群と他方側にある他方側スイッチング素子群とを
    制御し、前記一方側スイッチング素子群のいずれかの前
    記スイッチング素子のオン及びこのスイッチング素子の
    アームとは異なるアームの前記他方側スイッチング素子
    群の前記スイッチング素子のオンにより、前記巻線に電
    流を通流すると共に、オンすべき前記一方側スイッチン
    グ素子群の前記スイッチング素子と前記他方側スイッチ
    ング素子群の前記スイッチング素子との組み合わせを、
    回転検出手段により検出される前記モータの回転子の位
    置に関連して切り換えることによって前記各巻線への電
    流の通流方向を切り換えて前記回転子の回転力を得るも
    のであって、前記電流制限部は、前記制御部から前記一
    方側スイッチング素子群または前記他方側スイッチング
    素子群のいずれかの前記スイッチング素子への制御信号
    を遮断することを特徴とする請求項3に記載のモータ制
    御装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008271628A (ja) * 2007-04-16 2008-11-06 Jtekt Corp 電流検出回路
JP2012151919A (ja) * 2011-01-14 2012-08-09 Hitachi Koki Co Ltd インバータ装置及びそれを備えた電動工具
US9337763B2 (en) 2010-10-27 2016-05-10 Hitachi Koki Co., Ltd. Power tool system and power supply device
KR20200107672A (ko) 2019-03-08 2020-09-16 주식회사 만도 전자제어유닛
CN113541446A (zh) * 2021-06-22 2021-10-22 普联国际有限公司 一种开关电源的轻载模式切换控制电路

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