JP2000340777A - 受光素子およびその製造方法 - Google Patents

受光素子およびその製造方法

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JP2000340777A
JP2000340777A JP11146328A JP14632899A JP2000340777A JP 2000340777 A JP2000340777 A JP 2000340777A JP 11146328 A JP11146328 A JP 11146328A JP 14632899 A JP14632899 A JP 14632899A JP 2000340777 A JP2000340777 A JP 2000340777A
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electrode
photoelectric conversion
receiving element
conversion film
capacitance
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JP11146328A
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English (en)
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Satoshi Masuda
敏 増田
Takashi Morimoto
隆史 森本
Koichi Ishida
耕一 石田
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光電変換膜の開口率が高く、受光量に応じた
電荷を正しく出力し得る受光素子を提供する。 【解決手段】 透明な基板上に透明な第1の電極、光電
変換膜および不透明な第2の電極をこの順に積層し、第
2の電極の上方に、光電変換膜によって生成された電荷
を蓄積する付加容量と、付加容量に蓄積された電荷を出
力するFETとを形成する。付加容量はFETと同一層
として、または第2の電極とFETの間に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光電変換を行う受光
素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】デジタルカメラやビデオカメラでは、光
電変換を行う受光素子を用いて撮影を行う。撮影される
画像の精細度は受光素子の画素密度に依存し、近年、高
精細な画像を撮影するために画素の高密度化の要求が高
まっている。この要求に応えるために、光電変換膜とこ
れにより生成された電荷を出力するスイッチ回路とを重
ねた積層型受光素子が用いられている。
【0003】従来の積層型受光素子の一例を図6に示
す。この受光素子6は、スイッチ回路であるMOSFE
T61上にアモルファス半導体より成る光電変換膜62
を積層したものである。図6において、63は単結晶シ
リコン基板、61Sおよび61DはそれぞれFET61
のソースおよびドレイン、64はFET61のゲート電
極、65は絶縁膜、66および67は光電変換膜62の
電極、68は電極67とソース61Sを接続する導電膜
である。
【0004】電極66は透明であり、受光素子6は電極
66側から光を受ける。光電変換膜62の光電変換によ
って生成した電荷は、FET61のソース61Sと単結
晶シリコン基板63の接合で形成される容量に蓄積さ
れ、FET61の導通により出力される。このように、
FET61の上に光電変換膜62を設けることにより、
光電変換膜62の開口率が略100%となって、高密度
化のために個々の画素が小さくなっても、感度を高く保
つことができる。
【0005】ところが、この構造では、FET61や電
極67の形成により光電変換膜62を形成する面には凹
凸が生じるため、光電変換膜62自体も凹凸を有し、電
界分布が不均一となる。その結果、画素ごとに光電変換
の効率に差が生じて感度がばらつき、また、局所的な電
界集中により暗電流が増加し、ノイズが増加するという
問題が生じる。
【0006】特公昭62−58550号公報には、この
問題を解決し得る構造の受光素子が提案されている。同
公報の受光素子7を図7に示す。受光素子7は、ガラス
製の透明な基板70の上に光電変換膜71を形成し、そ
の上にスイッチ回路であるFET72を半導体膜78に
よって形成したものである。図7において、73および
74は光電変換膜71の電極、75S、75Dおよび7
5GはFET72のソース電極、ドレイン電極およびゲ
ート電極、76は絶縁膜、77は保護膜である。電極7
3は透明であり、受光素子7は電極73側から光を受け
る。この構成では、光電変換膜71を凹凸のない均一な
厚さとすることができるため、電界分布も均一になっ
て、画素間で感度のばらつきが生じない。
【0007】しかしながら、受光素子7では、受光素子
6のソース61Sと単結晶シリコン基板63間に見られ
る接合容量が存在しないため、FET72のゲート−ソ
ース間に存在する浮遊容量が無視できなくなり、光電変
換で生成した電荷を忠実に読み出せず、信号のリニアリ
ティーが悪化するという新たな問題が生じる。特に、近
年高まっている撮影画像の高解像度化の要請などに合わ
せて画素を高密度化した場合、1画素当たりの面積が小
さくなるため光電変換膜71自体がもつ容量が減少し、
浮遊容量とのカップリングが増大するため上記の問題が
より深刻である。
【0008】さらに、前記接合容量が存在しないため各
画素の飽和容量が減少し、光電変換により発生した電荷
によって光電変換膜にかかる電界が緩和されてしまう。
この電界緩和は、光電変換膜としてアバランシェ現象等
の増倍現象を発現するものを用いる場合に特に大きな問
題となる。すなわち、このような増倍型の光電変換膜に
おいては、発生した信号電荷が増倍されて多大なものと
なるため上記電界緩和も信号電荷の増加に伴って大きく
なり、光電変換膜に印加される電界の大きさが変化する
ことになり、増倍率が変化するという問題を生じる。
【0009】光電変換膜とスイッチ回路を積層した構成
ではないが、特開平5−63901号公報では、半導体
により付加容量を別途形成することが提案されている。
同公報の受光素子を図8に示す。この受光素子8は、光
電変換膜81とガラス基板80の間に、アモルファスシ
リコン膜82と導電膜83と絶縁層90を形成し、これ
らの膜82、83と絶縁層90によって付加容量84を
構成している。スイッチ回路であるFET85は、基板
80上の異なる部位に設けられている。
【0010】図8において、86および93は光電変換
膜81の上部電極および下部電極、88はFET85の
ゲート電極、89、90は絶縁膜、91はポリイミド
膜、92は金属膜である。電極86は透明であり、受光
素子8は電極86側から光を受ける。金属膜92は、電
極86、電極87およびFET85のソース電極に接し
ており、付加容量84は光電変換膜81と並列である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】受光素子8では、付加
容量84を設けたことで浮遊容量と電界緩和による問題
を解消することができる。しかしながら、FET85を
光電変換膜81に並べて設けるため、基板80の全体に
わたって光電変換膜81を形成することができない。そ
の結果、開口率の低下を招き、特に、カメラの受光素子
のように画素を2次元に配列する場合は、開口率が大き
く低下してしまう。
【0012】このように、従来の受光素子はいずれも長
所と短所を併せもっており、画素の高密度化の要求を十
分に満たし得るものではなかった。本発明は、このよう
な現状に鑑みてなされたもので、光電変換膜の開口率が
高く、しかも受光量に応じた電荷を正しく出力し得る受
光素子およびその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、透光性の第1の電極と、第1の電極の
上面側に設けられた光電変換膜と、光電変換膜の上面側
に設けられた不透明な第2の電極と、第2の電極の上面
側に設けられ、光電変換膜によって生成された電荷を蓄
積する付加容量と、第2の電極の上面側に設けられ、付
加容量に蓄積された電荷を出力するスイッチ回路とを備
える受光素子とする。
【0014】この受光素子は、透光性の第1の電極を介
して光電変換膜の下面側から光を受ける。付加容量とス
イッチ回路はいずれも光電変換膜の上面側に位置し、光
電変換膜に入射する光を妨げることがない。したがっ
て、画素を1次元に配列する場合も2次元に配列する場
合も、光電変換膜の開口率をきわめて大きくすることが
できる。略100%の開口率とすることも可能である。
【0015】しかも、第1の電極、光電変換膜および第
2の電極を形成した後に付加容量とスイッチ回路を形成
することで、光電変換膜を凹凸のない均一な厚さとする
ことができ、光電変換膜の電界分布を均一にすることが
可能になる。その結果、画素ごとのばらつきや暗電流の
増加を抑制することができる。また、付加容量が存在す
るため、信号のリニアリティーが損なわれることもな
く、また、生成した電荷によって光電変換膜の電界緩和
が起こることもない。したがって、光電変換膜のどの部
位においても、受光量を正しく表す電荷を出力すること
ができる。
【0016】上記の受光素子において、付加容量とスイ
ッチ回路が同一の層を共用するようにしてもよい。両者
を同時に形成することができ、素子構成が簡素化され
る。この場合、付加容量とスイッチ回路は略同じ高さに
位置させることもできる。
【0017】付加容量を光電変換膜とスイッチ回路の間
に設けるようにしてもよい。付加容量の大容量化が容易
になる。
【0018】ここで、具体的には、第2の電極とスイッ
チ回路との間に付加容量の大きさに関係する容量電極を
さらに設けるとともに、スイッチ回路は容量電極に対向
する電極を有するものとし、付加容量は、容量電極と第
2の電極間、および容量電極とスイッチ回路の電極間に
設ける。容量電極の上下両側に付加容量が存在すること
になり、容量が倍増する。
【0019】光電変換膜はアモルファス半導体で形成す
るとよい。アモルファス半導体は無定形ゆえ、不純物制
御が容易で組成を自由に設定することが可能であり、例
えば傾斜構造を取り入れた増倍型の光電変換膜を容易に
形成できる。光電変換膜をアバランシェ現象等の増倍現
象を発現する半導体で形成するようにしてもよい。高感
度の光電変換膜となる上、付加容量によって電界緩和が
抑えられるため増倍率が安定して、高感度であるという
特徴が損なわれることもない。
【0020】前記目的を達成するために、本発明ではま
た、透光性の第1の電極を形成する工程と、第1の電極
の上方に光電変換膜を形成する工程と、光電変換膜の上
方に不透明な第2の電極を形成する工程と、第2の電極
の上方に、光電変換膜によって生成された電荷を蓄積す
る付加容量と、付加容量に蓄積された電荷を出力するス
イッチ回路とを形成する工程とから成る方法で受光素子
を製造する。
【0021】この方法で製造される受光素子は、第1の
電極側から光を受けるものであり、付加容量を有する。
光電変換膜は、付加容量やスイッチ回路に先だって形成
されるから凹凸のない均一な厚さとなり、しかも、付加
容量やスイッチ回路よりも光の入射側に位置する。した
がって、得られる受光素子は、きわめて高い開口率を有
し、感度が均一で、受光量を正しく表す電荷を出力する
ことが可能なものとなる。
【0022】ここで、付加容量の一部とスイッチ回路の
一部を同時に形成するようにしてもよく、付加容量を形
成した後に、付加容量の上方にスイッチ回路を形成する
ようにしてもよい。前者のようにすると製造効率が高ま
り、後者のようにすると容量の大きな付加容量を形成す
ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の受光素子およびそ
の製造方法の実施形態について、図面を参照しながら説
明する。図1に第1の実施形態の受光素子1の断面を模
式的に示す。受光素子1は図1の下方から光を受けるよ
うに設定されている。画素は2次元に配列されており、
図1は2画素分の範囲を示したものである。受光素子1
は、下から順に、透明な基板11、透明な下部電極1
2、光電変換膜13、不透明な上部電極14、絶縁膜1
5、導電膜16S、16D、半導体層17、絶縁膜1
8、導電膜19G、19Cを備えている。
【0024】基板11はガラス等の半導体以外の材料よ
り成り、平坦な上面を有する。下部電極12はITO等
の透明な導電材製の膜であり、基板11の上面全体にわ
たって設けられている。光電変換膜13は、a−Si
(アモルファスシリコン)等の半導体をPN構造または
PIN構造として形成されている。光電変換膜13は、
上下両面共に平坦で均一な厚さを有する。
【0025】上部電極14はAl等の金属をはじめとす
る不透明な導電材製の膜であり、1画素分の大きさに区
分けされている。不透明な上部電極14は、下方から入
射する光を遮断して、光が半導体層17に達するのを防
止する。絶縁膜15はSiNx、SiO2またはポリイミ
ド製であり、上部電極14上の一部分を除いて、上部電
極14の上面全体と光電変換膜13の上部電極14が存
在しない部位に設けられている。
【0026】導電膜16Sおよび16DはAl等の不透
明な導電材製であり、共に上部電極14の上方に位置す
る。導電膜16Sは、上部電極14の広い範囲に対向し
ており、絶縁膜15が設けられていない部位を介して上
部電極14に接している。半導体層17は、例えばa−
Siであり、導電膜16S、16Dの上部、および導電
膜16S、16Dの設けられていない絶縁膜15の上部
を覆うように設けられている。
【0027】絶縁膜18はSiNx、SiO2またはポリ
イミド製であり、半導体層17の上面全体にわたって設
けられている。導電膜19Gおよび19CはAl等の不
透明な導電材製である。導電膜19Gは、導電膜16S
と導電膜16Dとの間の部分に対向している。
【0028】上記導電膜16S、16D、19G、半導
体層17、絶縁膜18により、スイッチ回路となるトラ
ンジスタ(FET)17Tが構成される。このとき、導
電膜16Sがソース電極、導電膜16Dがドレイン電
極、導電膜19Gがゲート電極となり、絶縁膜18はゲ
ート絶縁膜となる。
【0029】導電膜19Cは容量電極であり、ソース電
極である導電膜16Sの大部分に対向している。半導体
層17のうち導電膜19Cと導電膜16Sの間に位置す
る部分17Cが、光電変換膜13の光電変換で生成した
電荷を蓄積する付加容量となる。
【0030】光電変換膜13に光電変換を行わせると
き、例えば、上部電極14をグランド電位、下部電極1
2を正電位として、光電変換膜13を逆バイアス状態と
する。この状態で光を受けると、光電変換膜13内で電
荷が発生し、電荷は下部電極12側から上部電極14側
に向けて移動する。この間、FET17Tは非導通状態
に保たれ、生じた電荷は付加容量17Cに蓄積されてい
く。所定時間経過後、FET17Tは導通状態とされ、
付加容量17Cに蓄積された電荷はFET17Tのドレ
インから出力される。
【0031】受光素子1の等価回路を図5に示す。図5
におけるフォトダイオードPD、トランジスタQ、容量
C1は、受光素子1の光電変換膜13、FET17T、
付加容量17Cにそれぞれ対応する。また、C2はフォ
トダイオードPDがもつ固有の容量、C3はトランジス
タQのゲート−ソース間の浮遊容量を表す。フォトダイ
オードPDの容量C2に加えて大きな容量C1を有する
受光素子1では、トランジスタQの浮遊容量C3とのカ
ップリングが低く抑えられる。したがって、受光素子1
では安定して光電変換が行われ、受光量を正しく表す電
荷を蓄積し出力することができる。
【0032】また、付加容量17Cに電荷を蓄積するこ
とによって、高い飽和光量が得られる。しかも、光電変
換膜13は上下両面共に凹凸がなく、全体にわたって厚
さが均一であるため、画素ごとに感度にばらつきが生じ
ることもない。
【0033】さらに、付加容量17Cやスイッチ回路で
あるFET17Tは光電変換膜13の上方に設けられて
おり、光電変換膜13に入射する光を遮るものが存在し
ないから、光電変換膜13の開口率はきわめて高い。上
部電極14の間隔を狭めることによって、光電変換膜1
3の開口率を実質的に100%近くにすることも可能で
ある。
【0034】受光素子1の製造方法を図2に示す。ま
ず、透明な基板11上に透明な下部電極12を形成し、
下部電極12上に光電変換膜13を形成する(A)。上
面が平坦な基板11上に下部電極12を平坦に形成する
ことは、例えばスパッタリング法により、容易に実現可
能であり、その上に光電変換膜13を平坦に形成するこ
とも、例えばプラズマCVD法により、容易に実現でき
る。原料ガスの組成種を変えることにより、光電変換膜
13にPN構造やPIN構造を形成することができる。
【0035】次いで、蒸着等の周知の方法により光電変
換膜13上に不透明な上部電極14を形成し、フォトリ
ソグラフィーによりパターニングを行って、上部電極1
4を画素ごとに区分けする(B)。そして、上部電極1
4上に絶縁膜15を形成し、フォトリソグラフィーによ
りコンタクトホール15aを設ける(C)。さらに、絶
縁膜15上に導電膜を形成し、フォトリソグラフィーに
よりパターニングを行って、導電膜をソース電極となる
部分16Sとドレイン電極となる部分16Dに区分けす
る(D)。
【0036】その後、導電膜16S、16Dおよび露出
している絶縁膜15上に半導体層17を形成する
(E)。そして、半導体層17上に絶縁膜18を形成す
る(F)。最後に、絶縁膜18上に導電膜を形成し、フ
ォトリソグラフィーによるパターニングを行って、ゲー
ト電極となる部分19Gと容量電極となる部分19Cに
区分けして、受光素子1を得る(図1)。
【0037】この製造方法では、FET17Tのゲート
電極19Gを形成すると同時に付加容量17Cと容量電
極19Cとが形成されることになり、付加容量17Cや
容量電極19Cの形成のために別工程を加える必要がな
い。したがって、受光素子1を効率よく製造することが
できる。
【0038】なお、上に示した各構成要素の具体的な材
料は代表的な例であり、他の材料を用いて受光素子1を
製造することもできる。光電変換膜を、例えばPIN構
造をもつように形成するなどして、アバランシェ増倍を
行うようにしてもよい。この場合、光電変換膜に電圧を
印加しながら電荷を蓄積する。増倍を行うと多量の電荷
が生成するが、受光素子1では生成した電荷を全て付加
容量17Cに蓄積することが可能であり、増倍率が変動
するおそれはない。
【0039】第2の実施形態の受光素子2の断面を図3
に模式的に示す。受光素子2も図の下方から光を受ける
ものである。画素は2次元に配列されており、図3は2
画素分の範囲を示したものである。受光素子2は、下か
ら順に、透明な基板21、透明な下部電極22、光電変
換膜23、不透明な上部電極24、絶縁膜25、導電膜
26C、絶縁膜27、導電膜28S、28D、半導体層
29、絶縁膜30、導電膜31Gを備えている。基板2
1から上部電極24までの各構成要素は受光素子1の対
応する構成要素と同一であり、重複する説明は省略す
る。
【0040】絶縁膜25はSiNx、SiO2またはポリ
イミド製である。絶縁膜25は、上部電極24上の一部
分を除いて、上部電極24の上面全体と光電変換膜23
の上部電極24が存在しない部位に設けられている。導
電膜26CはAl等の不透明な導電材製であり、上部電
極24の上方に位置し、上部電極14の広い範囲に対向
している。絶縁膜27もSiNx、SiO2またはポリイ
ミド製である。絶縁膜27は、導電膜26Cの上面全体
と絶縁膜25の上面とを覆うように、絶縁膜25と同一
部位に設けられている。
【0041】導電膜28Sおよび28DはAl等の不透
明な導電材製であり、共に上部電極24の上方に位置す
る。導電膜28Sは、導電膜26Cを間にして、上部電
極24の広い範囲に対向しており、絶縁膜25、27が
設けられていない部位を介して上部電極24に接してい
る。半導体層29は、例えばa−Siであり、導電膜2
8S、28Dの上部、および導電膜28S、28Dが設
けられていない絶縁膜27の上部を覆うように設けられ
ている。
【0042】絶縁膜30はSiNx、SiO2またはポリ
イミド製であり、半導体層29の上面全体にわたって設
けられている。導電膜31GはAl等の不透明な導電材
製である。導電膜31Gは、導電膜28Sと導電膜28
Dとの間の部位に対向している。
【0043】上記導電膜28S、28D、31G、半導
体層29、絶縁膜30により、スイッチ回路となるFE
T29Tが構成される。このとき、導電膜28Sがソー
ス電極、導電膜28Dがドレイン電極、導電膜31Gが
ゲート電極となり、絶縁膜30はゲート絶縁膜となる。
【0044】受光素子2においては、上部電極24とソ
ース電極である導電膜28Sとに対向する導電膜26C
が容量電極である。絶縁膜25のうち、導電膜26Cと
上部電極24とに挟まれた部分25Cが付加容量とな
り、絶縁膜27のうち、導電膜26Cと導電膜28Sと
に挟まれた部分27Cも付加容量となる。すなわち、受
光素子2は、導電膜26Cの上下両側に付加容量を有す
る。
【0045】容量電極である導電膜26Cを前述の受光
素子1の容量電極19Cと同じ大きさにする場合、容量
は倍増することになる。したがって、FET29Tの浮
遊容量が信号の読み出しに及ぼす影響を一層低減するこ
とができる。
【0046】本実施形態の受光素子2の等価回路も図5
に示したものと同じになる。図5におけるフォトダイオ
ードPD、トランジスタQ、容量C1は、光電変換膜2
3、FET29T、付加容量25C、27Cにそれぞれ
対応する。
【0047】高い飽和光量、および光電変換膜23の厚
さが一定であることによる電界の均一化の効果は、受光
素子1と同じである。また、付加容量25C、27Cや
FET29Tを光電変換膜23の上方に設けたことによ
り高い開口率が確保されることも同様である。
【0048】受光素子2の製造方法を図4に示す。透明
な基板21上に、透明な下部電極22、光電変換膜2
3、不透明な上部電極24を、前述した方法に従って順
に形成し、上部電極24の全体と光電変換膜23の露出
している部分とを覆うように絶縁膜25を形成する
(A)。次いで、蒸着等の周知の方法により絶縁膜25
上の全体にわたって導電膜を設け、フォトリソグラフィ
ーによりパターニングを行って導電膜26Cを形成する
(B)。
【0049】そして、導電膜26Cの全体と絶縁膜25
の露出している部分を覆うように絶縁膜27を形成し、
フォトリソグラフィーによるパターニングで、絶縁膜2
7と絶縁膜25を貫通するコンタクトホール27aを設
ける(C)。さらに、絶縁膜27上に導電膜を形成し、
フォトリソグラフィーによりパターニングを行って、導
電膜をソース電極となる部分28Sとドレイン電極とな
る部分28Dに区分けする(D)。
【0050】その後、導電膜28S、28Dおよび露出
している絶縁膜27上に半導体層29を形成し、さら
に、半導体層29上に絶縁膜30を形成する(E)。最
後に、絶縁膜30上に導電膜を設け、フォトリソグラフ
ィーによるパターニングを行って、ゲート電極となる部
分31Gを形成して、受光素子2を得る(図3)。
【0051】この製造方法では、付加容量25C、27
Cや容量電極26CをFET29Tとは別工程で作製す
ることになり、きわめて容量の大きな付加容量をもつ受
光素子2が得られる。したがって、光電変換膜23を大
きな増倍率のアバランシェフォトダイオードとする場合
に特に好適である。
【0052】アバランシェフォトダイオードは、アモル
ファス半導体を用いたPIN構造で実現することができ
るが、光を受けて光電変換を行う領域とアバランシェ現
象を発現する領域とを分けた構成とすることもできる。
後者の場合、アバランシェ現象を発現する領域を複数段
として、きわめて大きな増倍率を達成することが可能で
ある。本実施形態の受光素子2では、このような構成の
大きな増倍率の光電変換膜23であっても、生成した電
荷を全て付加容量25C、27Cに蓄積できるから、電
界強度の変動がなく、確実に増倍率を一定に保つことが
できる。
【0053】
【発明の効果】本発明の受光素子は、開口率が大きく、
受光量を正しく表す電荷を出力し得るものとなる。した
がって、画素の高密度化に有利であり、画素密度を向上
させても高い性能を発揮し、カメラの撮像素子に好適で
ある。
【0054】付加容量とスイッチ回路が同一の層を共用
する構成では、スイッチ回路と同時に付加容量を形成す
ることが可能であり、構成が簡単になる。
【0055】付加容量を光電変換膜とスイッチ回路の間
に設ける構成では、付加容量の大容量化が容易であり、
光電変換膜に増倍機能をもたせる場合でも、増倍率の変
動を抑制することができる。特に、第2の電極とスイッ
チ回路の電極の間に容量電極を配置し、容量電極と第2
の電極間および容量電極とスイッチ回路の電極間に付加
容量を設けるようにすると、容量を倍増させることが可
能になる。
【0056】また、本発明の製造方法では、上記の特徴
を有する受光素子を容易に製造することができる。付加
容量の一部とスイッチ回路の一部を同時に形成すれば、
工程数は増えず製造効率が高まり、付加容量を形成した
後に、付加容量の上方にスイッチ回路を形成すれば、付
加容量を大容量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の受光素子の断面図。
【図2】 第1の実施形態の受光素子の製造方法を示す
工程図。
【図3】 第2の実施形態の受光素子の断面図。
【図4】 第2の実施形態の受光素子の製造方法を示す
工程図。
【図5】 第1および第2の実施形態の受光素子の等価
回路図。
【図6】 従来の受光素子の断面図。
【図7】 従来の他の受光素子の断面図。
【図8】 従来のさらに他の受光素子の断面図。
【符号の説明】
1 受光素子 11 基板 12 下部電極(第1の電極) 13 光電変換膜 14 上部電極(第2の電極) 15 絶縁膜 16S 導電膜(ソース電極) 16D 導電膜(ドレイン電極) 17 半導体層 17T FET(スイッチ回路) 17C 付加容量 18 絶縁膜 19G 導電膜(ゲート電極) 19C 導電膜(容量電極) 2 受光素子 21 基板 22 下部電極(第1の電極) 23 光電変換膜 24 上部電極(第2の電極) 25 絶縁膜 25C 付加容量 26C 導電膜(容量電極) 27 絶縁膜 27C 付加容量 28S 導電膜(ソース電極) 28D 導電膜(ドレイン電極) 29 半導体層 29T FET(スイッチ回路) 30 絶縁膜 31G 導電膜(ゲート電極)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 耕一 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪 国際ビル ミノルタ株式会社内 Fターム(参考) 4M118 AA10 AB01 BA05 CA03 CA05 CB06 EA14 FB09 FB13 FB16 FB20 GA02 GB05 GB11 GB15 5F049 MA02 MA04 MA07 MB05 NA18 NA20 NB05 RA08 RA10 SE04 SE05 SS01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性の第1の電極と、 前記第1の電極の上面側に設けられた光電変換膜と、 前記光電変換膜の上面側に設けられた不透明な第2の電
    極と、 前記第2の電極の上面側に設けられ、前記光電変換膜に
    よって生成された電荷を蓄積する付加容量と、 前記第2の電極の上面側に設けられ、前記付加容量に蓄
    積された電荷を出力するスイッチ回路とを備えることを
    特徴とする受光素子。
  2. 【請求項2】 前記付加容量と前記スイッチ回路は同一
    の層を共用していることを特徴とする請求項1に記載の
    受光素子。
  3. 【請求項3】 前記付加容量は前記光電変換膜と前記ス
    イッチ回路との間に設けられていることを特徴とする請
    求項1に記載の受光素子。
  4. 【請求項4】 前記第2の電極と前記スイッチ回路との
    間に付加容量の大きさに関係する容量電極をさらに備
    え、 前記スイッチ回路は前記容量電極に対向する電極を有
    し、 前記付加容量は、前記容量電極と前記第2の電極間、お
    よび前記容量電極と前記スイッチ回路の電極間に設けら
    れていることを特徴とする請求項3に記載の受光素子。
  5. 【請求項5】 前記光電変換膜はアモルファス半導体よ
    り成ることを特徴とする請求項1に記載の受光素子。
  6. 【請求項6】 前記光電変換膜は増倍現象を発現する半
    導体より成ることを特徴とする請求項1に記載の受光素
    子。
  7. 【請求項7】 透光性の第1の電極を形成する工程と、 前記第1の電極の上方に光電変換膜を形成する工程と、 前記光電変換膜の上方に不透明な第2の電極を形成する
    工程と、 前記第2の電極の上方に、前記光電変換膜によって生成
    された電荷を蓄積する付加容量と、前記付加容量に蓄積
    された電荷を出力するスイッチ回路とを形成する工程と
    から成ることを特徴とする受光素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記付加容量の一部と前記スイッチ回路
    の一部とを同時に形成することを特徴とする請求項7に
    記載の受光素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記付加容量を形成した後に、前記付加
    容量の上方に前記スイッチ回路を形成することを特徴と
    する請求項7に記載の受光素子の製造方法。
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