JP2000340101A - 冷陰極電界電子放出素子の製造方法、冷陰極電界電子放出素子、並びに、表示装置 - Google Patents

冷陰極電界電子放出素子の製造方法、冷陰極電界電子放出素子、並びに、表示装置

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JP2000340101A
JP2000340101A JP14656599A JP14656599A JP2000340101A JP 2000340101 A JP2000340101 A JP 2000340101A JP 14656599 A JP14656599 A JP 14656599A JP 14656599 A JP14656599 A JP 14656599A JP 2000340101 A JP2000340101 A JP 2000340101A
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conductive material
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Shinji Kubota
紳治 久保田
Hiroshi Sata
博史 佐多
Kazuo Kikuchi
一夫 菊地
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Sony Corp
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  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】先端部が錐状形状を有する電子放出電極を備え
た電界放出素子を、簡便且つ歩留まり良く製造する。 【解決手段】支持体10上にカソード電極11、絶縁層
12、ゲート電極13を形成し、底部にカソード電極1
1が露出した開口部15を少なくとも絶縁層12に形成
し、開口部15内を含む全面に導電材料層17を形成
し、開口部15の中央部に位置する導電材料層17の領
域を遮蔽するように、先端部が錐状形状を有するマスク
材料層18を導電材料層17上に形成し、導電材料層1
7のエッチング速度がマスク材料層18のエッチング速
度よりも速くなる異方性エッチング条件下で、導電材料
層17とマスク材料層18とをエッチングすることによ
り、導電材料層17から成り、先端部が錐状形状を有す
る電子放出電極を開口部15内に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷陰極電界電子放
出素子の製造方法に関し、より詳しくは、先端部が錐状
形状を有する電子放出電極を備えた冷陰極電界電子放出
素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在主流の陰極線管(CRT)に代わる
画像表示装置として、平面型(フラットパネル形式)の
表示装置が種々検討されている。このような平面型の表
示装置としては、液晶表示装置(LCD)、エレクトロ
ルミネッセンス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置
(PDP)が例示される。また、熱的励起によらず固体
から真空中に電子を放出することが可能な冷陰極電界電
子放出型の表示装置、所謂フィールドエミッションディ
スプレイ(FED)も提案されており、画面の明るさ及
び低消費電力の観点から注目を集めている。
【0003】冷陰極電界電子放出型の表示装置(以下、
単に、表示装置と称する場合がある)は、一般に、2次
元マトリクス状に配列された各画素に対応して電子放出
電極を有するカソード・パネルと、この電子放出電極か
ら放出された電子との衝突により励起されて発光する蛍
光体層を有するアノード・パネルとが、真空層を介して
対向配置された構成を有する。カソード・パネル上の各
画素においては、通常、複数の電子放出電極が形成さ
れ、更に、電子放出電極から電子を引き出すためのゲー
ト電極も形成されている。この電子放出電極とゲート電
極を有する部分を、冷陰極電界電子放出素子、あるいは
より簡略に電界放出素子と称することにする。
【0004】かかる表示装置の構成において、低い駆動
電圧で大きな放出電子電流を得るためには、電子放出電
極の先端形状を鋭く尖らせた形状とすること、個々の電
子放出電極を微細化して、一画素に対応する区画内にお
ける電子放出電極の存在密度を高めること、電子放出電
極の先端とゲート電極との距離を短縮することが必要で
ある。従って、これらを実現するために、従来より様々
な構成を有する電界放出素子が提案されている。
【0005】かかる従来の表示装置に用いられる電界放
出素子の代表例の1つとして、電子放出電極を円錐形の
導電体で構成した、所謂スピント(Spindt)型電
界放出素子が知られている。このスピント型表示装置の
概念図を、図25に示す。カソード・パネルCPに形成
されたスピント型電界放出素子は、支持体100に形成
されたカソード電極101と、絶縁層102と、絶縁層
102上に形成されたゲート電極103と、ゲート電極
103及び絶縁層102を貫通して設けられた開口部1
04内に形成された円錐形の電子放出電極105から構
成されている。電子放出電極105が所定数、2次元マ
トリクス状に配列されて1画素が構成される。一方、ア
ノード・パネルAPは、基板110上に所定のパターン
に従って蛍光体層111が形成され、この蛍光体層11
1がアノード電極112で覆われた構造を有する。
【0006】実際の表示装置の構成においては、カソー
ド・パネルCPとアノード・パネルAPとが枠体(図示
せず)を介して接合され、両パネルと枠体とに囲まれた
空間が高真空に排気されている。電子放出電極105に
はカソード電極101を通じて走査回路から相対的に負
電圧が印加され、ゲート電極103には制御回路から相
対的に正電圧が印加され、アノード電極112にはゲー
ト電極103よりも更に高い正電圧が加速電源から印加
される。表示装置において表示を行う場合、制御回路に
はビデオ信号、走査回路には走査信号が入力される。カ
ソード電極101とゲート電極103とに電圧を印加し
た際に生ずる電界により、電子放出電極105の先端部
から電子eが引き出される。この電子eが、アノード電
極112に引き付けられて蛍光体層111に衝突する
と、蛍光体層111が発光し、所望の画像を得ることが
できる。
【0007】かかる表示装置を構成する電界放出素子の
製造方法の概要を、以下、図26及び図27を参照しな
がら説明する。この製造方法は、基本的には、円錐形の
電子放出電極105を金属材料の垂直蒸着により形成す
る方法である。即ち、開口部104に対して蒸着粒子は
垂直に入射するが、開口端付近に形成されるオーバーハ
ング状の堆積物による遮蔽効果を利用して、開口部10
4の底部に到達する蒸着粒子の量を漸減させ、円錐形の
堆積物である電子放出電極105を自己整合的に形成す
る。ここでは、不要なオーバーハング状の堆積物の除去
を容易とするために、ゲート電極103上に剥離層10
6を予め形成しておく方法について説明する。
【0008】[工程−10]先ず、例えばガラス基板か
ら成る支持体100の上にニオブ(Nb)から成るカソ
ード電極101を形成した後、その上にSiO2から成
る絶縁層102、導電材料から成るゲート電極103を
順次製膜し、次に、このゲート電極103と絶縁層10
2をパターニングすることにより開口部104を形成す
る(図26の(A)参照)。
【0009】[工程−20]次に、図26の(B)に示
すように、ゲート電極103上にアルミニウムを斜め蒸
着することにより、剥離層106を形成する。このと
き、支持体100の法線に対する蒸着粒子の入射角を十
分に大きく選択することにより、開口部104の底面に
はアルミニウムを殆ど堆積させることなく、ゲート電極
103の上に剥離層106を形成することができる。こ
の剥離層106は、開口部104の開口端から庇状に張
り出しており、これにより開口部104が実質的に縮径
される。
【0010】[工程−30]次に、全面に例えば導電材
料としてモリブデン(Mo)を垂直蒸着する。このと
き、図27の(A)に示すように、剥離層106上でオ
ーバーハング形状を有する導電材料層105Aが成長す
るに伴い、開口部104の実質的な直径が次第に縮小さ
れるので、開口部104の底部において堆積に寄与する
蒸着粒子は、次第に開口部104の中央付近を通過する
ものに限られるようになる。この結果、開口部104の
底部には円錐形の堆積物が形成され、この円錐形の堆積
物が電子放出電極105となる。
【0011】[工程−40]この後、図27の(B)に
示すように、電気化学的プロセス及び湿式プロセスによ
って剥離層106をゲート電極103の表面から剥離
し、ゲート電極103の上方の導電材料層105Aを選
択的に除去する。これは、所謂リフトオフ・プロセスで
ある。
【0012】また、特開平9−63463号公報には、
上記のスピント型電界放出素子とは異なる構成を有する
電界放出素子が開示されている。この電界放出素子にお
いては、当該特許公開公報の図2に示されるように、下
から上に向かってn型半導体層32、p型半導体層3
3、n型半導体層34が積層されて成るシリコン基板が
これら3層に亙って円錐状に加工され、円錐状に加工さ
れた部分の先鋭な先端部がエミッタ13(本明細書の添
付図面である図27の電子放出電極105に相当)とさ
れている。エミッタ13の周面には絶縁層35が形成さ
れ、その上に薄い導電性電極層であるゲート14が形成
されている。かかる電界放出素子を製造するには、当該
特許公開公報の図3に示されるように、先ず、所定の不
純物プロファイルを有するシリコン基板上にSiO2
スク44を形成し、このSiO2マスク44の下にアン
ダカットを生ずるようにシリコン基板を等方的にエッチ
ングして円錐状のエミッタ13を形成し、エミッタ13
の周面を熱酸化して絶縁層35を形成する。続いて、ス
パッタリング法により導電材料層45(将来、ゲート1
4となる)を絶縁層35上に形成し、最後に全体を緩衝
フッ酸溶液に入れてSiO2マスク44や絶縁層35の
一部を除去する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図27の
(B)に示した構造を有する電界放出素子の電子放出特
性は、開口部104の上端部を成すゲート電極103の
縁部103Aから電子放出電極105の先端部までの距
離に大きく依存する。そして、この距離は、開口部10
4の形状の加工精度や直径の寸法精度、[工程−30]
において製膜される導電材料層105Aの膜厚精度やカ
バレージ(段差被覆性)、更にはその下地となる剥離層
106の形状精度に大きく依存する。
【0014】従って、均一な特性を有する複数の電界放
出素子から構成された表示装置を製造するためには、被
製膜体の全面に亙って導電材料層105Aを均一に製膜
しなければならない。しかしながら、通常の蒸着装置で
は1地点に設置された蒸発源からある程度の広がり角を
もって導電材料粒子が放出されるため、被製膜体の中央
部近傍と周辺部とでは、層厚もカバレージの対称性も異
なってしまう。このため、電子放出電極の高さがばらつ
いたり、電子放出電極の頂点の位置が開口部104の中
心からずれ易く、円錐状の電子放出電極105の先端部
からゲート電極103までの距離のばらつきを抑えるこ
とが難しい。しかも、この距離のばらつきは、同一の製
造ロット内はもちろん、製造ロット間でも発生し、表示
装置の画像表示特性、例えば画像の輝度ムラを発生させ
る原因となる。更に、導電材料層105Aは通常、約1
μmあるいはそれ以上の厚さに製膜されるため、蒸着法
では数十時間単位の製膜時間が必要となり、スループッ
ト改善が困難であること、大型の蒸着装置が必要となる
こと等の問題もある。
【0015】また、剥離層106を斜め蒸着法にて大面
積の被製膜体全面に亙って均一に製膜することも極めて
困難である。ゲート電極103に設けられた開口部10
4の縁部から剥離層106が庇状に延びるように剥離層
106を高精度で堆積させることも極めて困難である。
しかも、剥離層106の製膜は、支持体面内でばらつく
だけでなく、ロット間でもばらつき易い。更には、大面
積の表示装置を製造するために大面積のガラス基板全体
に亙って剥離層106の剥離を行うことは極めて困難で
ある上、剥離層106の剥離は汚染の原因となり、表示
装置の製造歩留まりの低下を招く。
【0016】加えて、円錐状の電子放出電極105の高
さは主に導電材料層105Aの膜厚によって規定される
ため、電子放出電極105の設計上の自由度が低い。加
えて、電子放出電極105の高さを任意に設定すること
が困難であるが故に、電子放出電極105からゲート電
極103までの距離を短くする場合、絶縁層102の膜
厚を薄くせざるを得ない。然るに、絶縁層102の膜厚
を薄くすると、配線間(ゲート電極103とカソード電
極101との間)の静電容量を低減することができず、
表示装置の電気回路の負担が増えるばかりか、表示画像
の面内の均一性及び画質が劣化するといった問題があ
る。
【0017】更に、低いゲート駆動電圧にて電子放出電
極105から効率良く電子を放出させる観点からは、ゲ
ート電極103に設けられる開口部104の開口寸法が
できるだけ小さく、また、電子放出電極105の先端部
ができるだけ鋭く尖っていることが有利である。例え
ば、セミコンダクター・インターナショナル、p.30
〜34、1998年7月には、先端部の直径が10nm
以下のシリコン単結晶から成る電子放出電極を用い、ゲ
ート電極に開口される開口部の直径を3μmとし、20
ボルト以下のゲート駆動電圧にて電子の1100時間以
上の連続放出を達成した例が記載されている。
【0018】しかし、ゲート電極103に設けられる開
口部104の直径が縮小することは、より微小な導電性
ダストによってもゲート電極103と電子放出電極10
5との間の短絡不良の危険が増すことを意味している。
例えば、ゲート電極103に設けられた開口部104の
直径の設計値を0.5μmとした場合、理論上は、半径
相当分の0.25μmの長さを有する導電性ダストが付
着しても短絡不良が生じ得る。かかるダストの付着によ
る製造歩留まりの低下は、FEDの量産における最も深
刻な問題の一つであり、特に製造工程にリフトオフ・プ
ロセスが含まれる場合には不可避的である。リフトオフ
・プロセスでは、一般に被加工体を剥離液に浸漬して不
要部を除去するため、剥離液中を浮遊する不要部がダス
トとして被加工体に再付着する可能性が極めて高いから
である。例えば、10cm×10cmの表示画面寸法を
有するFEDの製造歩留まりを80%まで上げるために
は、欠陥密度を0.1個/cm2以下に抑えることが目
安となるが、このように低い欠陥密度値を達成すること
は、実際には極めて困難である。
【0019】前述の特開平9−63463号公報に記載
された技術では、プラズマエッチング法によりエミッタ
を形成しており、エミッタの形状精度や寸法精度は良好
である。しかしながら、SiO2マスク44の除去に緩
衝フッ酸溶液を用いたリフトオフ・プロセスが採用され
ており、ダストによる製造歩留まりの低下に関しては何
ら対策となり得ていない。
【0020】そこで、本発明は、冷陰極電界電子放出素
子(以下、電界放出素子と称する)を、簡便に、且つ、
高い製造歩留まりをもって製造し得る電界放出素子の製
造方法と、かかる製造方法によって得られる均一且つ良
好な電子放出特性を有する電界放出素子と、この電界放
出素子を組み込んだ表示画像の画質に優れる表示装置を
提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の第1の態様に係る電界放出素子の製造方法
(以下、第1の態様に係る製造方法と称する)は、
(イ)支持体上にカソード電極を形成する工程と、
(ロ)カソード電極上を含む支持体上に絶縁層を形成す
る工程と、(ハ)絶縁層上にゲート電極を形成する工程
と、(ニ)底部にカソード電極が露出した開口部を、少
なくとも絶縁層に形成する工程と、(ホ)開口部内を含
む全面に導電材料層を形成する工程と、(ヘ)開口部の
中央部に位置する導電材料層の領域を遮蔽するように、
先端部が錐状形状を有するマスク材料層を導電材料層上
に形成する工程と、(ト)支持体に対して垂直な方向に
おける導電材料層のエッチング速度が、支持体に対して
垂直な方向におけるマスク材料層のエッチング速度より
も速くなる異方性エッチング条件下で、導電材料層とマ
スク材料層とをエッチングすることにより、導電材料層
から成り、先端部が錐状形状を有する電子放出電極を開
口部内に形成する工程、から成ることを特徴とする。
尚、本明細書中では、以下、「支持体に対して垂直な方
向におけるエッチング速度」を単に「エッチング速度」
と称することにする。
【0022】本発明の第1の態様に係る電界放出素子
は、本発明の第1の態様に係る製造方法により得られる
電界放出素子であり、(A)支持体上に形成されたカソ
ード電極、(B)カソード電極上を含む支持体上に形成
された絶縁層、(C)絶縁層上に形成されたゲート電
極、(D)少なくとも絶縁層に形成され、底部にカソー
ド電極が露出した開口部、及び、(E)開口部の底部に
露出したカソード電極上に形成され、導電材料層から成
り、先端部が錐状形状を有する電子放出電極、を備え、
電子放出電極は、開口部内を含む全面に導電材料層を形
成し、開口部の中央部に位置する導電材料層の領域を遮
蔽するように、先端部が錐状形状を有するマスク材料層
を導電材料層上に形成し、更に、支持体に対して垂直な
方向における導電材料層のエッチング速度が、支持体に
対して垂直な方向におけるマスク材料層のエッチング速
度よりも速くなる異方性エッチング条件下で、導電材料
層とマスク材料層とをエッチングすることによって形成
されていることを特徴とする。本発明の第1の態様に係
る電界放出素子は、均一且つ良好な電子放出特性を有し
ている。
【0023】更に、本発明の第1の態様に係る表示装置
は、本発明の第1の態様に係る電界放出素子を組み込ん
だ表示装置であり、複数の画素から構成され、各画素
は、複数の冷陰極電界電子放出素子と、複数の冷陰極電
界電子放出素子に対向して基板上に設けられたアノード
電極及び蛍光体層から構成され、各冷陰極電界電子放出
素子は、(A)支持体上に形成されたカソード電極、
(B)カソード電極上を含む支持体上に形成された絶縁
層、(C)絶縁層上に形成されたゲート電極、(D)少
なくとも絶縁層に形成され、底部にカソード電極が露出
した開口部、及び、(E)開口部の底部に露出したカソ
ード電極上に形成され、導電材料層から成り、先端部が
錐状形状を有する電子放出電極、を備え、電子放出電極
は、開口部内を含む全面に導電材料層を形成し、開口部
の中央部に位置する導電材料層の領域を遮蔽するよう
に、先端部が錐状形状を有するマスク材料層を導電材料
層上に形成し、更に、支持体に対して垂直な方向におけ
る導電材料層のエッチング速度が、支持体に対して垂直
な方向におけるマスク材料層のエッチング速度よりも速
くなる異方性エッチング条件下で、導電材料層とマスク
材料層とをエッチングすることによって形成されている
ことを特徴とする。第1の態様に係る表示装置は、輝度
ムラを抑えた良好な画像表示を可能とする。
【0024】本発明の第1の態様に係る製造方法の上記
工程(ト)は、マスク材料層と導電材料層のエッチング
速度の差を巧妙に利用した一種のエッチバック・プロセ
スである。先端部が錐状形状を有するマスク材料層を介
してその下側の導電材料層をエッチングすると、導電材
料層の被エッチング面が露出するタイミングは、錐状形
状の仮想底面の周縁部に対応する領域においてより早
く、仮想底面の中心部に対応する領域においてより遅く
なる。このように、第1の態様に係る製造方法によれ
ば、エッチング・マスク(ここではマスク材料層)の形
状の工夫により、先端部が錐状形状を有する電子放出電
極を、通常のエッチング技術を用いて形成することが可
能である。しかも、導電材料層のエッチング速度は、マ
スク材料層のエッチング速度よりも速いため、電子放出
電極の先端部の錐状形状は、マスク材料層の先端部の錐
状形状よりも急峻となる。即ち、第1の態様に係る製造
方法によれば、電子放出電極の先端部を鋭く尖らせるこ
とが容易であり、以て、電子放出効率に優れる電界放出
素子を簡便に製造することが可能となる。しかも、リフ
トオフ法と異なり、ダストが発生する虞れが極めて少な
いため、開口部の開口寸法が縮小されても、このことが
直ちにゲート電極と電子放出電極との間の短絡の原因と
はなり得ない。尚、マスク材料層において、錐状形状を
有する部分は先端部のみであっても、全体であってもよ
い。マスク材料層の先端部のみが錐状形状を有する場
合、先端部以外の部分は柱状形状あるいは漏斗形状を有
していてもよい。また、形成される電子放出電極につい
ても、錐状形状を有する部分は先端部のみであっても、
全体であってもよい。
【0025】先端部が錐状形状を有するマスク材料層
を、開口部の中央部に位置する導電材料層の領域を遮蔽
するように形成するための具体的な方法としては、工程
(ホ)において、開口部の上端面と底面との間の段差を
反映した凹部を導電材料層の表面に生成させ、続く工程
(ヘ)において、(ヘ−1)導電材料層上の全面に、該
導電材料層の凹部の形状を反映した窪み部を有するマス
ク材料層を形成する工程、(ヘ−2)マスク材料層上の
全面に平坦化層を形成する工程、(ヘ−3)窪み部に平
坦化層を残す工程、(ヘ−4)マスク材料層のエッチン
グ速度が平坦化層のエッチング速度よりも速くなる異方
性エッチング条件下で、マスク材料層と平坦化層とをエ
ッチングし、以て、先端部が錐状形状を有するマスク材
料層を凹部に残す工程、を経ることが特に好適である。
【0026】上記工程(ヘ−4)も、平坦化層とマスク
材料層のエッチング速度の差を巧妙に利用した一種のエ
ッチバック・プロセスである。窪み部に残された平坦化
層は、漏斗形状を有する。かかる漏斗形状を有する平坦
化層を介してその下側のマスク材料層をエッチングする
と、マスク材料層の被エッチング面が露出するタイミン
グは、漏斗形状の周縁部に対応する領域においてより早
く、漏斗形状の中心部に対応する領域においてより遅く
なる。このようなエッチング・マスク(ここでは平坦化
層)の形状の工夫により、先端部が錐状形状を有するマ
スク材料層を、通常のエッチング技術を用いて形成する
ことが可能となる。
【0027】工程(ヘ−3)において、窪み部に平坦化
層を残す方法としては、サンドブラスト法、レーザアブ
レーション法、ラビング法等の手法を用いても構わない
が、加工損傷を最小限に抑える観点から特に好ましい方
法として、(1)マスク材料層に対してエッチング選択
比を十分に大きく確保し得る条件下で、マスク材料層の
上面が露出するまで平坦化層をドライエッチングあるい
はウェットエッチングにより除去する方法、あるいは、
(2)研磨法によりマスク材料層の上面が露出するまで
平坦化層を除去する方法、を挙げることができる。窪み
部に残された平坦化層の表面は、略平坦であることが好
ましい。従って、マスク材料層の全面に形成された段階
で平坦化層の表面が略平坦である場合は、平坦化層の除
去を異方性エッチング条件によるエッチバック法や研磨
法、あるいはこれらの方法の組合せによって行えばよ
い。また、マスク材料層の全面に形成された段階で平坦
化層の表面が略平坦でない場合は、平坦化層の除去を研
磨法によって行えばよい。
【0028】第1の態様に係る製造方法において、工程
(ヘ)を工程(ヘ−1)〜(ヘ−4)により構成する場
合、工程(ニ)において形成される開口部の壁面の傾斜
角により、3種類の構成が可能である。尚、本明細書中
で述べる「壁面の傾斜角」とは、カソード電極の表面を
基準とした場合の傾斜角と定義する。第1の構成では、
工程(ニ)において、壁面の傾斜角θが実質的に90°
に等しい開口部を形成する。第2の構成では、工程
(ニ)において、壁面の傾斜角θが90°未満である開
口部を絶縁層に形成する。更に、第3の構成では、工程
(ニ)において、壁面の傾斜角θが90°未満である開
口上部を形成した後、該開口上部の下端に連通し、壁面
が略垂直な開口下部を形成し、以て、開口上部と開口下
部とから成る開口部を完成する。これら3種類の構成に
おいては、工程(ホ)における導電材料層のカバレージ
が互いに異なる。このため、開口部の上端面と底面との
間の段差を反映した凹部の形状、寸法、最深部の位置に
変化が生じ、これらの変化は、凹部内に残されるマスク
材料層の形状、寸法、最下部の位置に反映される。従っ
て、これら3種類の構成を適宜選択することによって、
最終的に得られる電子放出電極の先端部の錐状形状の急
峻さや先端部の高さを制御することが可能となる。
【0029】絶縁層に開口部を形成する方法としては、
異方性エッチング法が最も一般的であり、このエッチン
グ法において、堆積性の反応副生成物によるエッチング
速度の低下効果を利用することにより、開口部の壁面を
傾斜させることができる。特に、絶縁層の構成材料とし
て酸化シリコン系材料や窒化シリコン系材料等のシリコ
ン化合物を想定した場合、エッチングガスとしては一般
にフルオロカーボン系エッチングガスが用いられ、堆積
性物質としてカーボン系ポリマーを利用することができ
る。かかるエッチング反応系においてカーボン系ポリマ
ーの堆積量を増加させるためには、フルオロカーボン系
エッチングガスの流量を増大させるか、カーボン系ポリ
マーの燃焼を促進する酸素系化学種の供給源となり得る
エッチングガスの流量を減少させるか、ガス圧を高めて
イオンの平均自由行程を短縮するか、プラズマ励起用の
RFパワーを低下させるか、プラズマ励起用のRF電源
の周波数を増大させて、イオン・スパッタ効果によるカ
ーボン系ポリマーの除去を抑制するか、あるいは被エッ
チング物の温度を低下させることにより、カーボン系ポ
リマーの蒸気圧を低下させる、等の手段を講ずることが
できる。但し、カーボン系ポリマーの堆積量が多すぎる
と、実用的な速度でエッチングが進行しなくなるため、
上記の手段はあくまでも実用的なエッチング速度を達成
し得る範囲で講じられる必要がある。
【0030】尚、本発明の第1の態様に係る製造方法の
工程(ニ)において、底部にカソード電極が露出した開
口部を「少なくとも」絶縁層に形成する、と表現したの
は、ゲート電極における開口部の形成と絶縁層における
開口部の形成とを同時に行う必要がない場合も想定され
るからである。ゲート電極における開口部の形成と絶縁
層における開口部の形成とを同時に行う必要がない場合
とは、例えば、最初から開口部が設けられたゲート電極
を絶縁層上に形成し、この開口部内において絶縁層の一
部を除去することにより開口部を形成する場合である。
尚、この「少なくとも」の意味は、後述する本発明の第
2の態様に係る製造方法の工程(ニ)についても同様に
当てはまるものとする。
【0031】本発明の第2の態様に係る電界放出素子の
製造方法(以下、第2の態様に係る製造方法と称する)
は、(イ)支持体上にカソード電極を形成する工程と、
(ロ)カソード電極上を含む支持体上に絶縁層を形成す
る工程と、(ハ)絶縁層上にゲート電極を形成する工程
と、(ニ)底部にカソード電極が露出した開口部を、少
なくとも絶縁層に形成する工程と、(ホ)開口部の底部
を第1導電材料層で埋め込む工程と、(へ)開口部の残
部を含む全面に第2導電材料層を形成する工程と、
(ト)開口部の中央部に位置する第2導電材料層の領域
を遮蔽するように、先端部が錐状形状を有するマスク材
料層を第2導電材料層上に形成する工程と、(チ)支持
体に対して垂直な方向における第2導電材料層のエッチ
ング速度と、支持体に対して垂直な方向における第1導
電材料層のエッチング速度とが、支持体に対して垂直な
方向におけるマスク材料層のエッチング速度よりも速く
なる異方性エッチング条件下で、第2導電材料層と第1
導電材料層とマスク材料層とをエッチングすることによ
り、第2導電材料層及び第1導電材料層から成り、先端
部が錐状形状を有する電子放出電極を開口部内に形成す
る工程、から成ることを特徴とする。
【0032】本発明の第2の態様に係る電界放出素子
は、本発明の第2の態様に係る製造方法により得られる
電界放出素子であり、(A)支持体上に形成されたカソ
ード電極、(B)カソード電極上を含む支持体上に形成
された絶縁層、(C)絶縁層上に形成されたゲート電
極、(D)少なくとも絶縁層に形成され、底部にカソー
ド電極が露出した開口部、及び、(E)開口部の底部に
露出したカソード電極上に形成され、第1導電材料層及
び第2導電材料層から成り、先端部が錐状形状を有する
電子放出電極、を備えた冷陰極電界電子放出素子であっ
て、電子放出電極は、開口部の底部を第1導電材料層で
埋め込み、開口部の残部を含む全面に第2導電材料層を
形成し、開口部の中央部に位置する第2導電材料層の領
域を遮蔽するように、先端部が錐状形状を有するマスク
材料層を第2導電材料層上に形成し、更に、支持体に対
して垂直な方向における第2導電材料層のエッチング速
度と、支持体に対して垂直な方向における第1導電材料
層のエッチング速度とが、支持体に対して垂直な方向に
おけるマスク材料層のエッチング速度よりも速くなる異
方性エッチング条件下で、第2導電材料層と第1導電材
料層とマスク材料層とをエッチングすることによって形
成されていることを特徴とする。
【0033】更に、本発明の第2の態様に係る表示装置
は、本発明の第2の態様に係る電界放出素子を組み込ん
だ表示装置であり、複数の画素から構成され、各画素
は、複数の冷陰極電界電子放出素子と、複数の冷陰極電
界電子放出素子に対向して基板上に設けられたアノード
電極及び蛍光体層から構成され、各冷陰極電界電子放出
素子は、(A)支持体上に形成されたカソード電極、
(B)カソード電極上を含む支持体上に形成された絶縁
層、(C)絶縁層上に形成されたゲート電極、(D)少
なくとも絶縁層に形成され、底部にカソード電極が露出
した開口部、及び、(E)開口部の底部に露出したカソ
ード電極上に形成され、第1導電材料層及び第2導電材
料層から成り、先端部が錐状形状を有する電子放出電
極、を備え、電子放出電極は、開口部の底部を第1導電
材料層で埋め込み、開口部の残部を含む全面に第2導電
材料層を形成し、開口部の中央部に位置する第2導電材
料層の領域を遮蔽するように、先端部が錐状形状を有す
るマスク材料層を第2導電材料層上に形成し、更に、支
持体に対して垂直な方向における第2導電材料層のエッ
チング速度と、支持体に対して垂直な方向における第1
導電材料層のエッチング速度とが、支持体に対して垂直
な方向におけるマスク材料層のエッチング速度よりも速
くなる異方性エッチング条件下で、第2導電材料層と第
1導電材料層とマスク材料層とをエッチングすることに
よって形成されていることを特徴とする。
【0034】第2の態様に係る製造方法において、先端
部が錐状形状を有するマスク材料層を用い、先端部が錐
状形状を有する電子放出電極が形成される機構について
は、第1の態様に係る製造方法に関連して前述した通り
である。但し、第2の態様に係る製造方法においては、
被エッチング層は単一の導電材料層ではなく、第2導電
材料層と第1導電材料層の2層となる。マスク材料層や
電子放出電極の形状についても、第1の態様に係る製造
方法に関連して前述した通りである。
【0035】第2の態様に係る製造方法では、第1の態
様に係る製造方法と異なり、開口部の底部を第1導電材
料層で一旦埋め込んだ後に、開口部の残部を含む全面に
第2導電材料層を形成するので、導電材料層1層当たり
の埋め込みの負担が軽減され、カバレージの制御が容易
となる。また、第2の態様に係る製造方法で得られる電
子放出電極は、下側の第1導電材料層と上側の第2導電
材料層との2層構成となるため、電子放出電極の先端部
の高さをゲート電極の端部の高さに近付けることが容易
となる。従って、ゲート電極近傍の強電界を利用して効
率良く電子を放出する電界放出素子を製造することが可
能となる。
【0036】第2の態様に係る製造方法の工程(ホ)に
おいて、開口部の底部を第1導電材料層で埋め込む具体
的な方法としては、開口部内を含む全面に第1導電材料
層を形成した後、第1導電材料層をエッチングすること
により、開口部の底部に第1導電材料層を残す方法が簡
便である。開口部内を含む全面に第1導電材料層を形成
した時点では、通常、開口部の上端面と底面との間の段
差が第1導電材料層の上面にも反映されるが、この第1
導電材料層の上面を平坦化した後にエッチングを行え
ば、開口部の底部に残される第1導電材料層の上面を平
坦化することができる。平坦化の手法としては、研磨
法、あるいはリフロー層を併用したエッチバック法が挙
げられる。
【0037】工程(チ)のエッチングにおいては、第1
導電材料層のエッチング速度と第2導電材料層のエッチ
ング速度のいずれもが、マスク材料層のエッチング速度
よりも速い必要があり、かかる条件が満たされる限りに
おいて、第1導電材料層のエッチング速度と第2導電材
料層のエッチング速度は異なっていても構わない。但
し、第1導電材料層と第2導電材料層とが共に電子放出
電極の一部分を構成する層であることを考慮すると、電
子放出電極の形状制御の観点から、両層のエッチング速
度がほぼ等しいことが好ましく、そのためには両層が同
一の材料から構成されることが特に好ましい。
【0038】第2の態様に係る製造方法において、先端
部が錐状形状を有するマスク材料層を、開口部の中央部
に位置する導電材料層の領域を遮蔽するように形成する
ための具体的な方法としては、工程(へ)において、開
口部の上端面と第1導電材料層の上面との間の段差を反
映した凹部を第2導電材料層の表面に生成させ、続く工
程(ト)において、(ト−1)第2導電材料層上の全面
に、該第2導電材料層の凹部の形状を反映した窪み部を
有するマスク材料層を形成する工程、(ト−2)マスク
材料層上の全面に平坦化層を形成する工程、(ト−3)
窪み部に平坦化層を残す工程、(ト−4)マスク材料層
のエッチング速度が平坦化層のエッチング速度よりも速
くなる異方性エッチング条件下で、マスク材料層と平坦
化層とをエッチングし、以て、先端部が錐状形状を有す
るマスク材料層を凹部に残す工程、を経ることが特に好
適である。
【0039】上記工程(ト−4)も、平坦化層とマスク
材料層のエッチング速度の差を巧妙に利用した一種のエ
ッチバック・プロセスである。窪み部に残された平坦化
層は、漏斗形状を有する。かかる漏斗形状を有する平坦
化層を介してその下側のマスク材料層をエッチングする
と、マスク材料層の被エッチング面が露出するタイミン
グは、漏斗形状の周縁部に対応する領域においてより早
く、漏斗形状の中心部に対応する領域においてより遅く
なる。このようなエッチング・マスク(ここでは平坦化
層)の形状の工夫により、先端部が錐状形状を有するマ
スク材料層を、通常のエッチング技術を用いて形成する
ことが可能となる。
【0040】第2の態様に係る製造方法の工程(ト−
3)において、窪み部に平坦化層を残す方法は、第1の
態様に係る製造方法の工程(ヘ−3)に関連して述べた
通りである。
【0041】また、第2の態様に係る製造方法におい
て、工程(ト)を工程(ト−1)〜(ト−4)により構
成する場合、工程(ニ)において形成される開口部の壁
面の傾斜角により、3種類の構成が可能である。即ち、
第1の構成では、工程(ニ)において、壁面の傾斜角θ
が実質的に90°に等しい開口部を形成する。第2の構
成では、工程(ニ)において、壁面の傾斜角θが90°
未満である開口部を絶縁層に形成する。更に、第3の構
成では、工程(ニ)において、壁面の傾斜角θが90°
未満である開口上部を形成した後、該開口上部の下端に
連通し、壁面が略垂直な開口下部を形成し、以て、開口
上部と開口下部とから成る開口部を完成する。第3の構
成においては、開口下部を開口部の底部と見なし、開口
下部を第1導電材料層で埋め込むことができる。第1〜
第3のいずれの構成を採るにしても、第2の態様に係る
製造方法によれば、開口部の底部が第1導電材料層で一
旦埋め込まれるために、開口部が見掛け上、底上げされ
た状態となる。従って、開口部の上端面と第1導電材料
層の上面との間の段差を反映した凹部が第2導電材料層
の表面に形成される際、凹部の最深部は、必ず開口部の
残部内に位置することになる。この凹部の最深部の位置
は、最終的な電子放出電極の高さを決定する重要なパラ
メータであり、この位置を高く保証することによって、
電子放出電極とゲート電極の端部との距離を短縮し、ひ
いては電界放出素子の電子放出効率を高めることが可能
となる。絶縁層に開口部を形成する方法については、第
1の態様に係る製造方法に関連して述べた通りである。
【0042】第1の態様及び第2の態様に係る各製造方
法においては、電子放出電極を構成する導電材料層と絶
縁層との密着性を向上させるために、電子放出電極とカ
ソード電極との間に導電性の密着層を設けてもよい。即
ち、第1の態様に係る製造方法では、工程(ホ)におい
て、導電材料層を形成する前に、開口部内を含む全面に
密着層を形成し、工程(ト)において、支持体に対して
垂直な方向における導電材料層のエッチング速度と、支
持体に対して垂直な方向における密着層のエッチング速
度とが、支持体に対して垂直な方向におけるマスク材料
層のエッチング速度よりも速くなる異方性エッチング条
件下で、導電材料層とマスク材料層と密着層とをエッチ
ングすることができる。また、第2の態様に係る製造方
法では、工程(へ)において、第2導電材料層を形成す
る前に、開口部内を含む全面に密着層を形成し、工程
(チ)において、支持体に対して垂直な方向における第
2導電材料層のエッチング速度と、支持体に対して垂直
な方向における第1導電材料層のエッチング速度と、支
持体に対して垂直な方向における密着層のエッチング速
度とが、支持体に対して垂直な方向におけるマスク材料
層のエッチング速度よりも速くなる異方性エッチング条
件下で、第2導電材料層と第1導電材料層と密着層とマ
スク材料層とをエッチングすることができる。従って、
第1の態様及び第2の態様に係る電界放出素子及び表示
装置は、電子放出電極とカソード電極との間に導電性の
密着層を有してを設する構成を採ることができる。
【0043】密着層としては、通常の半導体プロセスに
おいて所謂バリヤメタルとして用いられている層を利用
することができ、単一の種類の材料層を用いても、複数
の種類の材料層が組み合わせられた複合層を用いてもよ
い。但し、電子放出電極が導電材料層や第2導電材料層
や第1導電材料層(以下、導電材料層、第2導電材料
層、第1導電材料層を総称して導電材料層等と称するこ
とがある)のエッチングにより形成されることを考慮す
ると、導電材料層等と密着層に関しては、同一のエッチ
ング条件下においてほぼ同程度のエッチング速度で除去
され得るか、あるいは導電材料層等のエッチング速度の
方が速いとしても、密着層のエッチング速度の5倍以内
に選択することが特に好ましい。即ち、導電材料層のエ
ッチング速度をR1、密着層のエッチング速度をR2、第
2導電材料層のエッチング速度をR 3とすると、R2≦R
1≦5R2、及び、R2≦R3≦5R2の関係が各々成立す
ることが特に好ましい。これは、導電材料層等のエッチ
ングが進行して被エッチング面の大部分に密着層が露出
し、該密着層のエッチング反応生成物が大量に発生して
その一部が導電材料層等の表面に付着した場合、このエ
ッチング反応生成物の蒸気圧が余り低いと、該エッチン
グ反応生成物自体がエッチング・マスクとして機能して
しまい、導電材料層等のエッチングを妨げる虞れが大き
いからである。最も単純には、導電材料層等と密着層と
を同一の導電材料にて構成すれば、両層のエッチング速
度をほぼ同一とすることができる。但し、導電材料層等
と密着層とを同一の導電材料にて構成する場合、密着層
をスパッタ法により形成し、導電材料層等をCVD法に
よって形成することが特に好ましい。
【0044】第1の態様に係る製造方法で用いる導電材
料層、及び、第2の態様に係る製造方法で用いる第1導
電材料層と第2導電材料層は、例えば、タングステン、
チタン、モリブデン、タンタル、クロム、あるいはこれ
らの化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、M
oSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド)の導
電材料を用い、公知の薄膜形成技術により形成すること
ができる。薄膜形成技術の中では、CVD法が特に好適
である。CVD法は、スパッタ法や蒸着法に比べて製膜
速度が速いので、スループットを大幅に改善できる可能
性がある。また、1地点に置かれた蒸発源から飛来する
蒸着粒子を堆積させる蒸着法や、ある程度の指向性をも
って飛来するスパッタ粒子を堆積させるスパッタ法とは
異なり、CVD法では製膜雰囲気中に存在する原料ガス
に接触する地点であれば、如何なる地点であっても製膜
が進行し得ることから、大面積の被製膜体全面に亙って
均一な膜厚とカバレージを達成することが可能である。
【0045】マスク材料層は、異方性ドライエッチング
条件下で酸素系エッチング種を実質的に必要とせず、且
つ、酸素を含むエッチング反応生成物を実質的に発生し
ない材料から構成されることが特に好ましい。これは、
導電材料層等の被エッチング面に蒸気圧の低い酸化物が
形成され、導電材料層等のエッチング速度が大幅に低下
したり、導電材料層等に由来する酸化物がダスト源とな
ったり、あるいは最終的に得られる電子放出電極の仕事
関数が上昇して電子放出効率が低下することを防止する
ために、エッチング反応系から酸素系エッチング種や酸
素を含むエッチング反応生成物を排除しておくことが特
に望ましいからである。尚、「酸素系エッチング種を実
質的に必要とせず」、及び、「酸素を含むエッチング反
応生成物を実質的に発生しない」の中で「実質的に」の
表現を用いたのは、エッチング反応系への微量の酸素の
不可避的な混入や残留を許容する旨を明確にするためで
ある。マスク材料層の具体的な構成材料としては、窒化
シリコンを代表例として挙げることができる。
【0046】第1の態様及び第2の態様に係る製造方法
において、平坦化層は、エッチング速度を導電材料層等
のエッチング速度よりも遅く設定し得る材料により構成
される。加えて、平坦化層の表面を平坦にできるよう、
形成の適当な段階で流動性を持ち得る材料により構成さ
れることが特に好ましい。平坦化層を構成する材料とし
て、例えば、レジスト材料やSOG(スピン・オン・グ
ラス)、ポリイミド系樹脂を挙げることができ、これら
の材料はスピンコート法により簡便に塗布することがで
きる。あるいは、BPSG(ホウ素/リン・シリケート
・ガラス)のように、製膜後に加熱リフローを行って表
面を平坦化できる材料であってもよい。
【0047】支持体は、少なくとも表面が絶縁性部材よ
り構成されていればよく、ガラス基板、表面に絶縁膜が
形成されたガラス基板、石英基板、表面に絶縁膜が形成
された石英基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板
を用いることができる。
【0048】絶縁層の構成材料としては、SiO2、S
iN、SiON、ガラス・ペースト硬化物を単独あるい
は適宜積層して使用することができる。絶縁層の製膜に
は、CVD法、塗布法、スパッタ法、印刷法等の公知の
プロセスが利用できる。
【0049】ゲート電極及びカソード電極は、タングス
テン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタ
ン(Ti)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、ア
ルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Au)等の金属
層、又はこれらの金属元素を含む合金層、又はこれらの
金属元素を含む化合物(例えばTiN等の窒化物や、W
Si2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイ
ド)、あるいはダイヤモンド等の半導体層を用いて形成
することができる。ただし、本発明では電子放出電極を
エッチングにより形成する際に、これらの電極が露出す
る場合があるため、電子放出電極を構成する導電材料層
に対してエッチング選択比を確保できる材料を選択する
必要がある。
【0050】また、本発明の第1の態様及び第2の態様
に係る製造方法においては、ゲート電極上に更に第2絶
縁層を形成し、第2絶縁層上に収束電極を形成してもよ
い。収束電極は、アノード電極とカソード電極との間の
電位差が10〜100Vのオーダーであって両電極間の
距離が比較的長い、所謂高電圧タイプの表示装置におい
て、電子放出電極から放出された電子の軌道の発散を防
止するために設けられる部材である。放出電子軌道の収
束性を高めることによって、画素間のクロストークが低
減され、特にカラー表示を行う場合の色濁りを防止し、
更に画素を微細化して表示画面の高精細度化を図ること
が可能となる。第2絶縁層の構成材料及び成膜方法は、
絶縁層と同様である。また、収束電極の構成材料は、ゲ
ート電極及びカソード電極に関連して述べた通りであ
る。従って、本発明の第1の態様及び第2の態様に係る
電界放出素子及び表示装置は、ゲート電極上に形成され
た第2絶縁層と、第2絶縁層上に形成された収束電極を
備えた構成を採ることができる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発
明を説明する。
【0052】(実施の形態1)実施の形態1は、本発明
の第1の態様(より具体的には第1の構成)に係る製造
方法、本発明の第1の態様に係る電界放出素子、及び、
この電界放出素子を組み込んだ本発明の第1の態様に係
る表示装置に関する。実施の形態1の製造方法と電界放
出素子に構成を図1乃至図6を参照して説明し、表示装
置の構成例を図24に示す。
【0053】[工程−100]先ず、一例としてガラス
基板上に厚さ約0.6μmのSiO2層を形成し、支持
体10上を構成する。SiO2層は、例えば下記の表1
に示す条件に従い、TEOS(テトラエトキシシラン)
を原料ガスとするプラズマCVD法によって形成するこ
とができる。尚、本明細書の添付図面では全て、支持体
10を単層として図示する。
【0054】[表1] TEOS流量:800SCCM O2流量 :600SCCM 圧力 :1.1kPa RFパワー :0.7kW(13.56MHz) 製膜温度 :40°C
【0055】次に、支持体10上にカソード電極11を
形成する。カソード電極11は、DCスパッタ法によ
り、Ti層(厚さ約5nm)、TiN層(同約0.1μ
m)、Ti層(同約5nm)、Al−Cu層(同約0.
4μm)、Ti層(同約5nm)、TiN層(同約0.
02μm)及びTi層(同約0.02μm)をこの順に
積層して積層膜を形成し、次に通常のフォトリソグラフ
ィ技術を用いて積層膜上にレジスト層(図示せず)を形
成し、更にこのレジスト層をマスクとした積層膜のRI
E(反応性イオンエッチング)を行って形成する。カソ
ード電極11の幅は約190μm、隣接するカソード電
極11間のスペースは約50μmとする。DCスパッタ
条件の一例を下記の表2に示し、RIE条件の一例を下
記の表3に示す。尚、図ではカソード電極11を単層と
して表した。RIE終了後のレジスト層は、アッシング
により除去する。アッシング条件の一例を、下記の表4
に示す。
【0056】[表2] Ar流量 :30SCCM N2流量 :60SCCM(TiN層の製膜時のみ) 圧力 :0.67Pa DCパワー :3kW スパッタ温度:200°C
【0057】[表3] エッチング装置:平行平板型RIE装置 BCl3流量 :30SCCM Cl2流量 :70SCCM 圧力 :7Pa RFパワー :1.3kW(13.56MHz) エッチング温度:60°C
【0058】[表4] O2流量 :1200SCCM 圧力 :75Pa RFパワー :1.3kW(13.56MHz) アッシング温度:300°C
【0059】次に、カソード電極11上を含む支持体1
0上に、SiO2から成る厚さ約0.7μmの絶縁層1
2を形成する。絶縁層12は、表1に示した条件に従っ
て形成することができる。次に、絶縁層12の上にゲー
ト電極13を形成する。ゲート電極13は、例えば表2
に示したスパッタ条件に従ってDCスパッタ法で形成さ
れた厚さ約0.07μmのTiN層を、表3に示したR
IE条件に従ってパターニングすることによって形成さ
れる。ゲート電極13の幅は約50μm、隣接するゲー
ト電極13間のスペースは約30μmとする。
【0060】次に、全面に例えば SiO2から成る厚さ
0.2μmのエッチング停止層14を形成する。このエ
ッチング停止層14は、電界放出素子の機能上不可欠な
部材ではなく、後工程で行われる導電材料層17及び密
着層16のエッチング時に、ゲート電極13を保護する
役割を果たす。エッチング停止層14の形成条件は、前
述の表1に示した通りである。但し、導電材料層17の
エッチング条件に対してゲート電極13が十分に高いエ
ッチング耐性を持ち得る場合には、エッチング停止層1
4を省略しても構わない。
【0061】次に、RIE法により、エッチング停止層
14、ゲート電極13、絶縁層12を貫通し、底部にカ
ソード電極11が露出した開口部15を形成する。エッ
チング停止層14と絶縁層12のRIE条件の一例を、
下記の表5に示す。ゲート電極13のRIE条件は、表
3に示した通りである。このようにして、図1の(A)
に示す状態が得られる。開口部15の平面形状は円形、
直径は0.56μmとし、カソード電極11とゲート電
極13とが重複する領域、即ち、1画素領域においてお
およそ500〜5000個形成する。開口部15の壁面
は、カソード電極11の表面に対してほぼ垂直である。
【0062】[表5] エッチング装置:平行平板型RIE装置 C48流量 :30SCCM CO流量 :70SCCM Ar流量 :300SCCM 圧力 :7.3Pa RFパワー :1.3kW(13.56MHz) エッチング温度:20°C
【0063】[工程−110]次に、図1の(B)に示
すように、開口部15内を含む全面に密着層16をスパ
ッタ法にて形成する。この密着層16は、ゲート電極1
3の非形成部や開口部15の側壁面に露出している絶縁
層12と、次工程で全面的に製膜される導電材料層17
との間の密着性を高めるために設けられる層である。こ
こでは、導電材料層17をタングステンで形成すること
を前提とし、タングステンとの密着性に優れる窒化チタ
ン(TiN)から成る密着層16を、スパッタ法により
0.07μmの厚さに形成する。このときのスパッタ条
件の一例を、下記の表6に示す。
【0064】[表6] Ar流量 :30SCCM N2流量 :60SCCM 圧力 :0.67Pa DCパワー :3kW スパッタ温度:200°C
【0065】[工程−120]次に、図2の(A)に示
すように、開口部15内を含む全面に、電子放出電極形
成用の導電材料層17を形成する。ここでは、導電材料
層17として、厚さ約0.6μmのタングステン層を減
圧CVD法により製膜する。製膜条件を以下の表7に例
示する。製膜された導電材料層17の表面には、開口部
15の上端面と底面との間の段差を反映した凹部17A
が形成される。
【0066】[表7] WF6流量 :10SCCM SiH4流量:70SCCM H2流量 :1000SCCM 圧力 :26.6Pa 製膜温度 :430゜C
【0067】[工程−130]次に、図2の(B)に示
すように、導電材料層17上の全面に、窒化シリコン
(SiN)から成るマスク材料層18を約0.3μmの
厚さに形成する。マスク材料層18の形成は、例えば下
記の表8に示す条件に従い、プラズマCVD法により行
うことができる。マスク材料層18の上面には、凹部1
7Aの形状を反映した窪み部18Aが形成される。
【0068】[表8] CVD装置 :有磁場マイクロ波プラズマCVD
装置 SiH4流量 :70SCCM N2流量 :30SCCM Ar流量 :1000SCCM 圧力 :0.3Pa マイクロ波パワー :1.2kW(2.45GHz) RFバイアスパワー:40W(13.56MHz) CVD温度 :460°C
【0069】[工程−140]次に、図3の(A)に示
すように、マスク材料層上の全面に、平坦化層19を上
面が略平坦となるように形成する。平坦化層19とし
て、ここでは、スピンコート法により形成される厚さ
0.35μmのレジスト層を用いる。
【0070】[工程−150]次に、図3の(B)に示
すように、平坦化層19を酸素系ガスを用いたRIE法
によりエッチングする。このときのRIE条件の一例
を、下記の表9に示す。このエッチングは、マスク材料
層18の上面が露出した時点で終了する。これにより、
マスク材料層18の窪み部18Aを平坦に埋め込むよう
に平坦化層19が残る。
【0071】[表9] O2流量 :100SCCM 圧力 :5.3Pa RFパワー :0.7kW(13.56MHz) エッチング温度:20°C
【0072】[工程−160]次に、平坦化層19とマ
スク材料層18とをエッチングし、図4の(A)に示す
ように、先端部が円錐形状を有するマスク材料層18を
導電材料層17の凹部17Aに残す。これらの層のエッ
チングは、マスク材料層18のエッチング速度が平坦化
層19のエッチング速度よりも速くなるように、例えば
下記の表10に示す異方性エッチング条件下で行う。
【0073】[表10] エッチング装置:平行平板型RIE装置 CHF3流量 :50SCCM CF4流量 :30SCCM Ar流量 :100SCCM 圧力 :5.3Pa RFパワー :0.7kW(13.56MHz) エッチング温度:20°C
【0074】ここで、[工程−160]において、錐状
形状を有するマスク材料層18が形成される機構につい
て、図4の(B)を参照して説明する。この図は、エッ
チングの進行に伴って、被エッチング物の表面プロファ
イルが一定時間毎にどのように変化するかを示す模式図
である。表10に示したエッチング条件では、レジスト
材料から成る平坦化層19のエッチング速度よりも、窒
化シリコンから成るマスク材料層18のエッチング速度
の方が速い。平坦化層19が存在しない領域では、マス
ク材料層18が直ちにエッチングされ始め、被エッチン
グ物の表面が速やかに下降してゆく。これに対し、平坦
化層19が存在する領域では、先ずこの平坦化層19が
除去されないとその下のマスク材料層18のエッチング
が始まらないので、平坦化層19がエッチングされてい
る間は被エッチング物の厚さの減少速度は遅く、平坦化
層19が消失した時点で初めて、被エッチング物の厚さ
の減少速度が平坦化層19の存在しない領域と同様に速
くなる。マスク材料層18のエッチング開始時期は、平
坦化層19の厚さが最大である開口部中心で最も遅く、
平坦化層19の薄い開口部周辺に向かって早くなる。こ
のようにして、円錐形状を有するマスク材料層18が形
成される。
【0075】[工程−170]次に、導電材料層17と
マスク材料層18と密着層16とをエッチングし、図5
の(A)に示すように、開口部15内に、錐状形状を有
する電子放出電極17eを形成する。電子放出電極17
eの下には、密着層16eが残存する。これらの層のエ
ッチングは、導電材料層17のエッチング速度と密着層
16のエッチング速度が共にマスク材料層18のエッチ
ング速度よりも速くなるように、例えば下記の表11に
示す異方性エッチング条件下で行う。
【0076】[表11] エッチング装置 :有磁場マイクロ波プラズマエッチ
ング装置 SF6流量 :30SCCM Cl2流量 :70SCCM Ar流量 :500SCCM 圧力 :3.0Pa マイクロ波パワー :1.3kW(2.45GHz) RFバイアスパワー:20W(8MHz) エッチング温度 :−30°C
【0077】図5の(B)は、[工程−170]におい
て、錐状形状を有する電子放出電極17eが形成される
機構を示す模式図である。この機構は、前述の[工程−
160]において、錐状形状を有するマスク材料層18
が形成される機構と原理的に同じである。但し、[工程
−170]では、エッチングマスク(即ち、マスク材料
層18)の元々の形状が錐状であるため、場所による導
電材料層17のエッチング開始時期の差がより大きくな
り、この結果、形成される電子放出電極17eの錐状形
状は、マスク材料層18の錐状形状よりも急峻となる。
このように、本発明の第1の態様に係る製造方法によれ
ば、先端部が鋭く尖った電子放出電極17eを形成する
ことが可能となる。また、[工程−170]におけるエ
ッチング反応系には、酸素系化学種が実質的に関与して
いない。即ち、表11に示したエッチング条件では、酸
素を構成元素として含むエッチングガスが用いられてお
らず、また、マスク材料層18も窒化シリコン(Si
N)から成るため、エッチング反応生成物に酸素が含ま
れることもない。従って、エッチング中に導電材料層1
7が酸化される虞れが殆ど無く、エッチング速度の低
下、ダスト発生、あるいは電子放出電極の仕事関数等の
問題を効果的に回避することが可能となる。
【0078】尚、マスク材料層18のエッチング速度に
対する導電材料層17のエッチング速度の比を、「対マ
スク選択比」と称することにすると、この対マスク選択
比の大小に応じて電子放出電極17eの高さと形状を制
御することができる。即ち、対マスク選択比が大きいほ
ど、マスク材料層18の膜減りに比べて導電材料層17
の膜減りが激しくなるので、電子放出電極17eはより
高く急峻となり、対マスク選択比が小さいほど電子放出
電極17eは低く、且つ鈍化する。対マスク選択比は、
基板バイアスを併用してイオンの入射エネルギーを変化
させることが可能なエッチング装置を用いる場合には、
RFバイアスパワーを高めたり、バイアス印加用の交流
電源の周波数を下げると低下する。
【0079】[工程−180]この後、等方的なエッチ
ング条件で開口部15の内部において絶縁層12に設け
られた開口部の側壁面を後退させると共に、エッチング
停止層14を除去すると、図6に示すような電界放出素
子が完成される。等方的なエッチングは、ケミカルドラ
イエッチングのようにラジカルを主エッチング種として
利用するドライエッチング、或いはエッチング液を利用
するウェットエッチングにより行うことができる。エッ
チング液としては、例えば49%フッ酸水溶液と純水の
1:100(容積比)混合液を用いることができる。
【0080】上述のような電界放出素子を組み込んだ表
示装置の構成例を、図24に示す。実際の表示装置の構
成においては、電界放出素子はカソード・パネルCPの
構成要素である。一方、アノード・パネルAPは、基板
50上に所定のパターンに従って形成された蛍光体層5
1と、この蛍光体層51を覆うアノード電極52から構
成される。カソード・パネルCPとアノード・パネルA
Pとは、枠体(図示せず)を介して接合され、両パネル
と枠体とに囲まれた空間が高真空に排気されている。電
子放出部17eにはカソード電極11を通じて走査回路
53から相対的に負電圧が印加され、ゲート電極13に
は制御回路54から相対的に正電圧が印加され、アノー
ド電極52にはゲート電極13よりも更に高い正電圧が
加速電源55から印加される。表示装置において表示を
行う場合、制御回路54にはビデオ信号、走査回路53
には走査信号が入力される。カソード電極11とゲート
電極13とに電圧を印加した際に生ずる電界により、電
子放出部17eの先端部から電子eが引き出される。こ
の電子eが、アノード電極52に引き付けられて蛍光体
層51に衝突すると、蛍光体層51が発光し、所望の画
像を得ることができる。
【0081】かかる表示装置を製造するには、例えば、
セラミックスやガラスから作製された高さ約1mmの枠
体を用意し、枠体とアノード・パネルAP、及び枠体と
カソード・パネルCPとの間にフリットガラスから成る
シール材を塗布しておき、かかるシール材を乾燥した
後、約450゜Cで10〜30分焼成すればよい。この
後、表示装置の内部を10-4Pa程度の真空度となるま
で排気し、適当な方法で封止する。
【0082】(実施の形態2)実施の形態2は、本発明
の第1の態様(より具体的には第2の構成)に係る製造
方法に関する。実施の形態2の製造方法を、図7乃至図
9を参照して説明する。尚、これらの図面で用いる参照
符号は図1乃至図6と一部共通であり、共通部分につい
ては詳しい説明を省略する。
【0083】[工程−200]エッチング停止層14の
形成までを、実施の形態1と同様に行った後、エッチン
グ停止層14を表5に示した条件に従ってエッチング
し、更に、ゲート電極13を表3に示した条件でエッチ
ングする。図7の(A)には、ここまでのプロセスが終
了した状態を示す。
【0084】[工程−210]次に、絶縁層12をRI
E法によりエッチングし、図7の(B)に示すように、
壁面の傾斜角θが90°未満である開口部25を形成す
る。RIE条件の一例を、下記の表12に示す。表12
に示す条件は、先の表5に示した条件に比べ、C48
量の増加によって堆積性が増強され、且つ、Arガス流
量の減少及びRFバイアスパワーの低減によってイオン
スパッタ作用を弱めた条件である。開口部25の壁面の
傾斜角θは、約75°となる。
【0085】[表12] エッチング装置:平行平板型RIE装置 C48流量 :100SCCM CO流量 :70SCCM Ar流量 :100SCCM 圧力 :7.3Pa RFパワー :0.7kW(13.56MHz) エッチング温度:20°C
【0086】[工程−220]次に、図8の(A)に示
すように、開口部25内を含む全面に密着層16を形成
し、更に、密着層16上に導電材料層17、マスク材料
層18、平坦化層19をこの順に形成する。これら各層
の形成方法は、実施の形態1の[工程−110]〜[工
程−140]と同様とすることができる。但し、実施の
形態2では、開口部25の壁面が傾斜し、開口端が拡大
しているために、導電材料層17の凹部17Aは実施の
形態1に比べて大きく形成され、より多くのマスク材料
層18が凹部17Aに埋め込まれた状態となる。
【0087】[工程−230]次に、平坦化層19をエ
ッチングし、図8の(B)に示すように、平坦化層19
をマスク材料層18の窪み部18Aに残す。このプロセ
スは、実施の形態1の[工程−150]と同様に行うこ
とができる。
【0088】[工程−240]次に、マスク材料層18
と平坦化層19とをエッチングし、図9の(A)に示す
ように、導電材料層17の凹部17A内に、先端部が錐
状形状を有するマスク材料層18を残す。このプロセス
は、実施の形態1の[工程−160]と同様に行うこと
ができる。
【0089】[工程−250]次に、導電材料層17と
マスク材料層18と密着層16とをエッチングし、図9
の(B)に示すように、開口部25内に電子放出電極1
7eを形成する。電子放出電極17eの下には、密着層
16eが残存する。このプロセスは、実施の形態1の
[工程−170]と同様に行うことができる。
【0090】[工程−260]この後、等方的なエッチ
ング条件で開口部25の内部において絶縁層12に設け
られた開口部の側壁面を後退させると共に、エッチング
停止層14を除去すると、図9の(C)に示す電界放出
素子が完成される。等方的なエッチングについては、実
施の形態1で前述した通りである。かかる電界放出素子
を用いて、実施の形態1で述べたと同様に表示装置を構
成することができる。
【0091】(実施の形態3)実施の形態3は、本発明
の第1の態様(より具体的には第3の構成)に係る製造
方法に関する。実施の形態3の製造方法を、図10及び
図11を参照して説明する。尚、これらの図面で用いる
参照符号は図1乃至図6と一部共通であり、共通部分に
ついては詳しい説明を省略する。
【0092】[工程−300]ゲート電極13のエッチ
ングまでを、実施の形態2の[工程−200]と同様に
行う。続いて、先の表12に示した条件で絶縁層12の
厚さの半分程度(即ち、約0.35μm)までエッチン
グし、側壁の傾斜角θが約75°の開口上部35Uを形
成する。更に、エッチング条件を先の表5に示した条件
に切り替え、絶縁層12の残部(即ち、約0.35μ
m)をエッチングする。このエッチングにより、開口上
部35Uの下端に連通し、壁面が略垂直な開口下部35
Lを形成し、以て開口部35を完成する。
【0093】[工程−310]次に、開口部35内を含
む全面に密着層16を形成し、更に、密着層16上に導
電材料層17、マスク材料層18、平坦化層19をこの
順に形成する。これら各層の形成方法は、実施の形態1
の[工程−110]〜[工程−140]と同様とするこ
とができる。但し、実施の形態3では、開口部35の壁
面が傾斜し、開口端が拡大しているために、導電材料層
17の凹部17Aは実施の形態1に比べて大きく形成さ
れ、より多くのマスク材料層18が凹部17Aに埋め込
まれた状態となる。しかも、開口部35は、実施の形態
2で形成された開口部25と異なり上部のみが拡大した
形状を有し、開口下部35Lを埋め込む導電材料層17
によって見掛け上、底上げされた状態となるので、導電
材料層17の凹部17Aの最深部の位置を、実施の形態
2におけるよりも高めることができる。この後、平坦化
層19をエッチングしてマスク材料層18の窪み部18
Aに残す。図10の(B)には、ここまでのプロセスを
終了した状態を示す。
【0094】[工程−320]次に、マスク材料層18
と平坦化層19とをエッチングし、図11の(A)に示
すように、導電材料層17の凹部17A内に、先端部が
錐状形状を有するマスク材料層18を形成する。このプ
ロセスは、実施の形態1の[工程−160]と同様に行
うことができる。
【0095】[工程−330]次に、導電材料層17と
マスク材料層18と密着層16とをエッチングし、開口
部35内に電子放出電極17eを形成する。電子放出電
極17eの下には、密着層16eが残存する。このプロ
セスは、実施の形態1の[工程−170]と同様に行う
ことができる。実施の形態3では、実施の形態2に比
べ、電子放出電極17eの高さを十分に大きく確保する
ことが容易となる。この後、実施の形態1で述べた等方
的なエッチング条件で開口部35の内部において絶縁層
12に設けられた開口部の側壁面を後退させると共に、
エッチング停止層14を除去すると、図11の(B)に
示す電界放出素子が完成される。かかる電界放出素子を
用いて、実施の形態1で述べたと同様に表示装置を構成
することができる。
【0096】(実施の形態4)実施の形態4は、実施の
形態1の変形例である。実施の形態4が実施の形態1と
異なる点は、密着層16を窒化チタン(TiN)層では
なく、スパッタ法により製膜されたタングステン層によ
り構成した点である。実施の形態4の製造方法を提案す
るに至った技術的背景について、図12の(A)を参照
して説明し、実施の形態4の製造方法を図12の(B)
を参照して説明する。尚、図12で用いた参照符号は図
4と共通であり、各部の詳しい説明は省略する。
【0097】先の図4及び図5は、実施の形態1におけ
る[工程−160]から[工程−170]に至るプロセ
ス、即ち、導電材料層17のエッチングが理想的に進行
した場合を示している。しかしながら、実際のプロセス
ではエッチング条件の微妙なばらつきにより、電子放出
電極17eの錐状形状がエッチングの進行に伴って鈍化
したり、あるいは開口部15の側壁にエッチング残渣が
残る場合も生じ得る。その原因のひとつとして、導電材
料層17と密着層16の各構成材料の組合せによって
は、密着層16に由来するエッチング反応生成物が導電
材料層17のエッチングを阻害することが考えられる。
例えば、導電材料層17がタングステン(W)から成
り、密着層16が窒化チタン(TiN)から成り、これ
らをフッ素系化学種を用いてエッチングする際に生じ得
る現象を、図12の(A)に概念的に示す。尚、図12
の(A)には、エッチングガスとしてSF6を使用し、
フッ素系化学種としてSFx +が生成した状態を例示する
が、エッチングガスとしてNF 3を用いればNFx +、フ
ルオロカーボン系ガスを用いればCFxが、それぞれフ
ッ素系化学種として生成する。
【0098】[工程−170]で行われるエッチングの
初期においては、タングステンから成る導電材料層17
の面積が被エッチング物の面積の大部分を占めており、
導電材料層17は、W+xF→WFx(但し、xは6以
下の自然数であり、典型的にはx=6である)で表され
る反応により速やかに除去される。しかし、TiNから
成る密着層16が露出した途端に、密着層16が被エッ
チング物の面積の大部分を占めるようになり、導電材料
層17の面積が被エッチング物の面積に占める割合は、
通常の電界放出素子の設計では僅か1%以下となってし
まう。TiNとフッ素系化学種との反応によって生成す
るフッ化チタン(TiFx;但し、xは3以下の自然数
であり、典型的にはx=3である)は蒸気圧が低いた
め、導電材料層17の表面に付着するとエッチングの進
行を妨げる。このため、導電材料層17のエッチング速
度が極端に低下したり、電子放出電極17eの錐状形状
が鈍化したり、あるいは開口部15の隅部にエッチング
残渣が残ってダスト源となる虞れがある。このことは、
電子放出効率の低下や、ダストによるゲート電極とカソ
ード電極との短絡等の不具合の原因となる。
【0099】実施の形態4の製造方法においては、導電
材料層17のエッチング速度R1と密着層16のエッチ
ング速度R2とをほぼ揃えるか、あるいは導電材料層1
7のエッチング速度R1の方が速いとしても、密着層1
6のエッチング速度R2の5倍以内に選択する(R2≦R
1≦5R2)ことにより、上記の問題を解決する。同一の
エッチング条件下で導電材料層17と密着層16のエッ
チング速度を揃えるには、両層を同一の導電材料を用い
て構成することが最も簡便である。両層を構成する導電
材料が同一であっても、製膜方法を選択することによ
り、導電材料層に要求されるステップカバレージの良好
さと、密着層に要求される密着性の良好さをそれぞれ達
成することは可能である。
【0100】実施の形態4の製造方法においては、密着
層16として、例えばDCスパッタ法により、厚さ約
0.07μmのタングステン層を製膜することができ
る。スパッタ条件の一例を、下記の表13に示す。スパ
ッタ法により形成されたタングステン層は、密着層16
として十分な機能を果たし得る。密着層16の形成以外
のプロセスは、全て実施の形態1と同様に行うことがで
きる。 [表13] Ar流量 :100SCCM 圧力 :0.67Pa DCパワー :3kW スパッタ温度:200°C
【0101】密着層16を導電材料層17と同じくタン
グステンを用いて構成すると、導電材料層17のエッチ
ング時に密着層16の上面が露出した時点でも、被エッ
チング物の面積の大部分を占める材料は依然としてタン
グステンである。従って、図12の(A)に示したよう
な蒸気圧の低いエッチング反応生成物が発生せず、エッ
チングは引き続き速やかに進行し、最終的には、良好な
錐状形状を有する電子放出電極17eを形成することが
できる。かかる電界放出素子を用いて、実施の形態1で
述べたと同様に表示装置を構成することができる。
【0102】(実施の形態5)実施の形態5は、実施の
形態1の変形例である。実施の形態5の製造方法が実施
の形態1の製造方法と異なる点は、ゲート電極上に更に
第2絶縁層を形成し、第2絶縁層上に収束電極を形成す
る点である。実施の形態5の製造方法を、図13乃至図
16を参照して説明する。尚、これらの図面の符号は図
1乃至図6と一部共通であり、共通部分については詳し
い説明を省略する。
【0103】[工程−500]先ず、支持体10上にお
いて、行方向に平行に延びる帯状の複数のカソード電極
11を形成し、続いて、カソード電極11上を含む支持
体10上に絶縁層12を形成する。更に、絶縁層12上
において、列方向に平行に延びる帯状の複数のゲート電
極13を形成し、図13の(A)に示す状態を得る。こ
こまでのプロセスは、実施の形態1と同様に行うことが
できる。
【0104】[工程−510]次に、SiO2から成る
厚さ約1μmの第2絶縁層40を、CVD法で全面に形
成する。更に、第2絶縁層40上の全面に厚さ約0.0
7μmのTiN層をスパッタ法にて製膜し、所定のパタ
ーニングを行って収束電極41を形成する。更に、収束
電極41上を含む第2絶縁層40上に、厚さSiO2
ら成るエッチング停止層42を約0.2μmの厚さに形
成し、図13の(B)に示す状態を得る。第2絶縁層4
0とエッチング停止層42の形成は、絶縁層12の形成
条件と同じ条件にて行うことができる。また、収束電極
41の形成は、ゲート電極13の形成条件と同じ条件に
て行うことができる。
【0105】[工程−520]次に、エッチング停止層
42の上に所定のパターンを有するレジスト層43を形
成し、このレジスト層43をマスクとしてエッチング停
止層42、収束電極41、第2絶縁層40、ゲート電極
13及び絶縁層12を順次エッチングする。このエッチ
ングにより、図14の(A)に示すように、底部にカソ
ード電極11が露出した円形の開口部44を形成するこ
とができる。ここで、収束電極41とゲート電極13の
エッチングは、前述の表3に示した条件に従って行うこ
とができる。また、エッチング停止層42、第2絶縁層
40及び絶縁層12のエッチングは、先の表12に示し
た条件に従って行うことができる。絶縁層12と第2絶
縁層44に設けられる開口部44の壁面の傾斜角θは、
約75°となる。
【0106】[工程−530]次に、レジスト層43を
除去し、開口部44内を含む全面に、TiNから成る密
着層46を形成し、更にタングステンから成る導電材料
層47、窒化シリコン(SiN)から成るマスク材料層
48、レジスト材料から成る平坦化層49を、順次、実
施の形態1と同様にして形成する。導電材料層47の表
面には、開口部44の上端面と底面との間の段差を反映
した凹部47Aが形成され、マスク材料層48の表面に
は、凹部47Aの形状を反映した窪み部48Aが形成さ
れる。図14の(B)には、ここまでのプロセスが終了
した状態を示す。
【0107】[工程−540]次に、平坦化層49をエ
ッチングし、図15の(A)に示すように、窪み部48
Aに平坦化層49を残す。このプロセスは、実施の形態
の[工程−150]と同様に、エッチングにより行って
もよいが、例えば下記の表14に例示される条件に従っ
て化学機械研磨(CMP)法により行うこともできる。
尚、下記の条件中、「ウェーハ」という語を慣用的に使
用しているが、本発明においてウェーハに相当する部材
は、支持体10である。
【0108】[表14] ウェーハ押圧圧力 :3.4×104Pa(=5ps
i) 定盤回転数 :280rpm ウェーハ保持台回転数:16rpm スラリー流量 :150ml/分
【0109】[工程−550]次に、マスク材料層48
と平坦化層49とをエッチングし、図15の(B)に示
すように、凹部47Aに先端部が錐状形状を有するマス
ク材料層48を残す。凹部47Aにマスク材料層48を
残すプロセスは、実施の形態1の[工程−160]と同
様に行うことができる。
【0110】[工程−560]次に、図16の(A)に
示すように、導電材料層47とマスク材料層48と密着
層46とをエッチングし、円錐形状の電子放出電極47
eを形成する。これらの層のエッチングは、実施の形態
1の[工程−170]と同様に行うことができる。
【0111】この後、等方的なエッチング条件で開口部
44の内部において絶縁層12及び第2絶縁層40に設
けられた開口部の側壁面を後退させると共に、エッチン
グ停止層42を除去すると、図16の(B)に示した電
界放出素子が完成される。等方的なエッチングについて
は、実施の形態1で前述した通りである。かかる電界放
出素子を用いて、実施の形態1で述べたと同様に表示装
置を構成することができる。
【0112】(実施の形態6)実施の形態6は、本発明
の第2の態様(より具体的には第1の構成)に係る製造
方法に関する。実施の形態6の製造方法を、図17乃至
図19を参照して説明する。尚、これらの図面で用いる
参照符号は図1乃至図6と一部共通であり、共通部分に
ついては詳しい説明を省略する。
【0113】[工程−600]先ず、密着層16の形成
までを実施の形態1の[工程−100]〜[工程−11
0]と同様に行う。次に、開口部15内を含む全面に第
1導電材料層27を形成する。第1導電材料層27とし
ては、CVD法により製膜されるタングステン層を使用
する。第1導電材料層27を製膜するためのCVD条件
は、先の表7とすることができる。次に、全面にリフロ
ー層28を形成する。このリフロー層28は、前述の平
坦化層19と同様の材料を用いて形成することができ、
第1導電材料層27の表面段差を吸収して平坦に形成さ
れる。尚、リフロー層28は省略することもできる。
【0114】[工程−610]次に、リフロー層28と
第1導電材料層27と密着層16の各エッチング速度が
いずれもほぼ等しくなる条件でエッチングを行うことに
より、図17の(B)に示すように、開口部15の底部
を、厚さ約0.4μmの第1導電材料層27eで埋め込
む。尚、第1導電材料層27eとカソード電極11の間
には、密着層16eが残る。尚、図示される例では、第
1導電材料層27eの上面は平坦であるが、先の[工程
−600]においてリフロー層28を省略した場合に
は、開口部15の底部を埋め込む第1導電材料層27e
の上面には製膜直後の表面段差が残る。
【0115】[工程−620]次に、開口部44内を含
む全面に、TiNから成る密着層29を形成し、更にタ
ングステンから成る第2導電材料層30、窒化シリコン
(SiN)から成るマスク材料層31、レジスト材料か
ら成る平坦化層32を、順次、実施の形態1と同様にし
て形成する。第2導電材料層30の表面には、開口部1
5の上端面と第1導電材料層27eの上面との間の段差
を反映した凹部30Aが形成され、マスク材料層31の
表面には、凹部30Aの形状を反映した窪み部31Aが
形成される。図18の(A)には、ここまでのプロセス
が終了した状態を示す。実施の形態6では、開口部15
の底部が第1導電材料層27eで一旦埋め込まれるため
に、開口部15が見掛け上、底上げされた状態となる。
従って、開口部15の上端面と第1導電材料層27eの
上面との間の段差を反映した凹部30Aが第2導電材料
層30の表面に形成される際、凹部30Aの最深部は、
開口部15の底部ではなく、残部内に位置することにな
る。
【0116】[工程−630]次に、平坦化層32をエ
ッチングあるいは研磨して窪み部31Aに平坦化層32
を残し、続いてマスク材料層31と平坦化層32とをエ
ッチングすることにより、図18の(B)に示すよう
に、第2導電材料層30の凹部30Aに、先端部が錐状
形状を有するマスク材料層31を残す。これらのプロセ
スは、実施の形態1と同様に行うことができる。
【0117】[工程−640]次に、第2導電材料層3
0、密着層29、第1導電材料層27e、密着層16e
の各エッチング速度がいずれもマスク材料層31のエッ
チング速度よりも速くなる異方性エッチング条件下で、
第2導電材料層30と密着層29と第1導電材料層27
eと密着層16とをエッチングする。このエッチング
は、実施の形態1の[工程−170]と同様に行うこと
ができる。この結果、図19の(A)に示すように、開
口部15内に、第2導電材料層30eと第1導電材料層
27eから成り、全体として錐状形状を有し、かつ十分
な高さを有する電子放出電極32が形成される。尚、第
2導電材料層30eと第1導電材料層27eとの間には
密着層29eが残存し、第1導電材料層27eとカソー
ド電極11との間には密着層16eが残存する。
【0118】[工程−650]この後、実施の形態1で
述べた等方的なエッチング条件で開口部15の内部にお
いて絶縁層12に設けられた開口部の側壁面を後退させ
ると共に、エッチング停止層14を除去すると、図19
の(B)に示す電界放出素子が完成される。かかる電界
放出素子を用いて、実施の形態1で述べたと同様に表示
装置を構成することができる。
【0119】(実施の形態7)実施の形態7は、本発明
の第2の態様(より具体的には第2の構成)に係る製造
方法に関する。実施の形態7の製造方法を、図20及び
図21を参照して説明する。尚、これらの図面で用いる
参照符号は図17乃至図19と一部共通であり、共通部
分については詳しい説明を省略する。
【0120】[工程−700]先ず、開口部25の形成
までを、実施の形態2の[工程−200]〜[工程−2
10]と同様に行う。続いて、実施の形態6と同様にし
て、開口部25の底部を第1導電材料層27e及び密着
層16eで埋め込む。ここまでのプロセスを終了した状
態を、図20の(A)に示す。
【0121】[工程−710]次に、開口部25内を含
む全面に、TiNから成る密着層29を形成し、更にタ
ングステンから成る第2導電材料層30、窒化シリコン
(SiN)から成るマスク材料層31、レジスト材料か
ら成る平坦化層(図示せず)を、順次、実施の形態6と
同様にして形成する。更に、平坦化層をマスク材料層3
1の窪み部(図示せず)に残すプロセス、及び、マスク
材料層31と平坦化層とをエッチングするプロセスを実
施の形態6と同様に行い、図20の(B)に示すよう
に、第2導電材料層30の凹部30Aに、先端部が錐状
形状を有するマスク材料層31を残す。
【0122】[工程−720]次に、実施の形態6と同
様にして、第2導電材料層30、密着層29、第1導電
材料層27e、密着層16eの各エッチング速度がいず
れもマスク材料層31のエッチング速度よりも速くなる
異方性エッチング条件下で、第2導電材料層30と密着
層29と第1導電材料層27eと密着層16とをエッチ
ングする。この結果、図21の(A)に示すように、開
口部25内に、第2導電材料層30eと第1導電材料層
27eから成り、全体として錐状形状を有し、かつ十分
な高さを有する電子放出電極32が形成される。尚、第
2導電材料層30eと第1導電材料層27eとの間には
密着層29eが残存し、第1導電材料層27eとカソー
ド電極11との間には密着層16eが残存する。
【0123】[工程−730]この後、実施の形態1で
述べた等方的なエッチング条件で開口部25の内部にお
いて絶縁層12に設けられた開口部の側壁面を後退させ
ると共に、エッチング停止層14を除去すると、図21
の(B)に示す電界放出素子が完成される。かかる電界
放出素子を用いて、実施の形態1で述べたと同様に表示
装置を構成することができる。
【0124】(実施の形態8)実施の形態8は、本発明
の第2の態様(より具体的には第3の構成)に係る製造
方法に関する。実施の形態8の製造方法を、図22及び
図23を参照して説明する。尚、これらの図面で用いる
参照符号は図17乃至図19と一部共通であり、共通部
分については詳しい説明を省略する。
【0125】[工程−800]先ず、開口部35の形成
までを、実施の形態3の[工程−300]と同様に行
う。続いて、実施の形態6と同様にして、開口部35の
底部を第1導電材料層27e及び密着層16eで埋め込
む。ここまでのプロセスを終了した状態を、図22の
(A)に示す。
【0126】[工程−810]次に、開口部35内を含
む全面に、TiNから成る密着層29を形成し、更にタ
ングステンから成る第2導電材料層30、窒化シリコン
(SiN)から成るマスク材料層31、レジスト材料か
ら成る平坦化層(図示せず)を、順次、実施の形態6と
同様にして形成する。更に、平坦化層をマスク材料層3
1の窪み部(図示せず)に残すプロセス、及び、マスク
材料層31と平坦化層32とをエッチングするプロセス
を実施の形態6と同様に行い、図22の(B)に示すよ
うに、第2導電材料層30の凹部30Aに、先端部が錐
状形状を有するマスク材料層31を残す。
【0127】[工程−820]次に、実施の形態6と同
様にして、第2導電材料層30、密着層29、第1導電
材料層27e、密着層16eの各エッチング速度がいず
れもマスク材料層31のエッチング速度よりも速くなる
異方性エッチング条件下で、第2導電材料層30と密着
層29と第1導電材料層27eと密着層16とをエッチ
ングする。この結果、図23の(A)に示すように、開
口部35内に、第2導電材料層30eと第1導電材料層
27eから成り、全体として錐状形状を有し、かつ十分
な高さを有する電子放出電極32が形成される。尚、第
2導電材料層30eと第1導電材料層27eとの間には
密着層29eが残存し、第1導電材料層27eとカソー
ド電極11との間には密着層16eが残存する。
【0128】[工程−830]この後、実施の形態1で
述べた等方的なエッチング条件で開口部35の内部にお
いて絶縁層12に設けられた開口部の側壁面を後退させ
ると共に、エッチング停止層14を除去すると、図23
の(B)に示す電界放出素子が完成される。かかる電界
放出素子を用いて、実施の形態1で述べたと同様に表示
装置を構成することができる。
【0129】以上、本発明を、発明の実施の形態に基づ
き説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。電界放出素子の製造方法における加工条件や使用し
た材料等の詳細事項は例示であり、適宜変更、選択、組
合せが可能である。例えば、実施の形態1〜実施の形態
4、及び実施の形態6〜実施の形態8において説明した
製造方法において、実施の形態5で説明したごとく収束
電極の形成工程を追加してもよい。また、平坦化層を窪
み部に残す際に、実施の形態5では研磨法を適用した
が、この研磨法は他のあらゆる実施の形態にも適用可能
である。
【0130】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の第1の態様に係る電界放出素子の製造方法によれ
ば、先端部が錐状形状を有するマスク材料層を用いるこ
とにより、急峻な錐状形状を有する電子放出電極を、ダ
ストによる製造歩留まりの低下を招くことなく容易に形
成し、以て、信頼性の高い電界放出素子を製造すること
が可能となる。本発明の第2の態様に係る電界放出素子
の製造方法によれば、上述の急峻な錐状形状に加え、高
さも十分に高い電子放出電極を形成することができ、以
て、電子放出効率に優れ、消費電力の低い電界放出素子
を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の製造方法を説明する工程図であ
る。
【図2】図1に続き、実施の形態1の製造方法を説明す
る工程図である。
【図3】図2に続き、実施の形態1の製造方法を説明す
る工程図である。
【図4】図3に続き、実施の形態1の製造方法を説明す
る工程図である。
【図5】図4に続き、実施の形態1の製造方法を説明す
る工程図である。
【図6】図5に続き、実施の形態1の製造方法を説明す
る工程図である。
【図7】実施の形態2の製造方法を説明する工程図であ
る。
【図8】図7に続き、実施の形態2の製造方法を説明す
る工程図である。
【図9】図8に続き、実施の形態2の製造方法を説明す
る工程図である。
【図10】実施の形態3の製造方法を説明する工程図で
ある。
【図11】図10に続き、実施の形態3の製造方法を説
明する工程図である。
【図12】実施の形態4の製造方法に関連し、(A)は
技術的背景を説明する模式図、(B)は実施の形態4の
製造方法を説明する模式図である。
【図13】実施の形態5の製造方法を説明する工程図で
ある。
【図14】図13に続き、実施の形態5の製造方法を説
明する工程図である。
【図15】図14に続き、実施の形態5の製造方法を説
明する工程図である。
【図16】図15に続き、実施の形態5の製造方法を説
明する工程図である。
【図17】実施の形態6の製造方法を説明する工程図で
ある。
【図18】図17に続き、実施の形態6の製造方法を説
明する工程図である。
【図19】図18に続き、実施の形態6の製造方法を説
明する工程図である。
【図20】実施の形態7の製造方法を説明する工程図で
ある。
【図21】図20に続き、実施の形態7の製造方法を説
明する工程図である。
【図22】実施の形態8の製造方法を説明する工程図で
ある。
【図23】図22に続き、実施の形態8の製造方法を説
明する工程図である。
【図24】本発明の第1の態様に係る電界放出素子を組
み込んだ表示装置の構成例を示す部分模式的断面図であ
る。
【図25】従来の表示装置の一般的な構成を示す部分模
式的断面図である。
【図26】従来のスピント型電界放出素子の製造方法を
一例を説明する工程図である。
【図27】図26に続き、従来のスピント型の電界放出
素子の製造方法の一例を説明する工程図である。
【符号の説明】
10・・・支持体、11・・・カソード電極、12・・
・絶縁層、13・・・ゲート電極、14,42・・・エ
ッチング停止層、15,25,35,44・・・開口
部、16,16e,29,29e,46,46e・・・
密着層,17,47・・・導電材料層、17A,30
A,47A・・・凹部、17e,32,47e・・・電
子放出電極、18,31,48・・・マスク材料層、1
8A,31A,48A・・・窪み部、19,32,49
・・・平坦化層、27,27e・・・第1導電材料層、
28・・・リフロー層、30・・・第2導電材料層、3
5U・・・開口上部、35L・・・開口下部、40・・
・第2絶縁層、41・・・収束電極、50・・・基板、
51・・・蛍光体層、52・・・アノード電極、53・
・・走査回路、54・・・制御回路、55・・・加速電
源、AP・・・アノード・パネル、CP・・・カソード
・パネル

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)支持体上にカソード電極を形成する
    工程と、 (ロ)カソード電極上を含む支持体上に絶縁層を形成す
    る工程と、 (ハ)絶縁層上にゲート電極を形成する工程と、 (ニ)底部にカソード電極が露出した開口部を、少なく
    とも絶縁層に形成する工程と、 (ホ)開口部内を含む全面に導電材料層を形成する工程
    と、 (ヘ)開口部の中央部に位置する導電材料層の領域を遮
    蔽するように、先端部が錐状形状を有するマスク材料層
    を導電材料層上に形成する工程と、 (ト)支持体に対して垂直な方向における導電材料層の
    エッチング速度が、支持体に対して垂直な方向における
    マスク材料層のエッチング速度よりも速くなる異方性エ
    ッチング条件下で、導電材料層とマスク材料層とをエッ
    チングすることにより、導電材料層から成り、先端部が
    錐状形状を有する電子放出電極を開口部内に形成する工
    程、から成ることを特徴とする冷陰極電界電子放出素子
    の製造方法。
  2. 【請求項2】工程(ホ)では、開口部の上端面と底面と
    の間の段差を反映した凹部を導電材料層の表面に生成さ
    せ、 工程(ヘ)は更に、 (ヘ−1)導電材料層上の全面に、該導電材料層の凹部
    の形状を反映した窪み部を有するマスク材料層を形成す
    る工程、 (ヘ−2)マスク材料層上の全面に平坦化層を形成する
    工程、 (ヘ−3)窪み部に平坦化層を残す工程、 (ヘ−4)支持体に垂直な方向におけるマスク材料層の
    エッチング速度が、支持体に垂直な方向における平坦化
    層のエッチング速度よりも速くなる異方性エッチング条
    件下で、マスク材料層と平坦化層とをエッチングし、以
    て、先端部が錐状形状を有するマスク材料層を凹部に残
    す工程、 から成ることを特徴とする請求項1に記載の冷陰極電界
    電子放出素子の製造方法。
  3. 【請求項3】工程(ニ)では、カソード電極の表面を基
    準とした壁面の傾斜角θが90°未満である開口部を絶
    縁層に形成することを特徴とする請求項2に記載の冷陰
    極電界電子放出素子の製造方法。
  4. 【請求項4】工程(ニ)では、カソード電極の表面を基
    準とした壁面の傾斜角θが90°未満である開口上部を
    形成した後、該開口上部の下端に連通し、壁面がカソー
    ド電極の表面に対して略垂直な開口下部を形成し、以
    て、開口上部と開口下部とから成る開口部を完成するこ
    とを特徴とする請求項2に記載の冷陰極電界電子放出素
    子の製造方法。
  5. 【請求項5】工程(ホ)では、導電材料層を形成する前
    に、開口部内を含む全面に密着層を形成し、 工程(ト)では、支持体に対して垂直な方向における導
    電材料層のエッチング速度と、支持体に対して垂直な方
    向における密着層のエッチング速度とが、支持体に対し
    て垂直な方向におけるマスク材料層のエッチング速度よ
    りも速くなる異方性エッチング条件下で、導電材料層と
    マスク材料層と密着層とをエッチングすることを特徴と
    する請求項1に記載の冷陰極電界電子放出素子の製造方
    法。
  6. 【請求項6】工程(ト)では、支持体に対して垂直な方
    向における導電材料層のエッチング速度R1と支持体に
    対して垂直な方向における密着層のエッチング速度R2
    とが、R2≦R1≦5R2の関係を満たすことを特徴とす
    る請求項5に記載の冷陰極電界電子放出素子の製造方
    法。
  7. 【請求項7】導電材料層と密着層とが同一の導電材料か
    ら成ることを特徴とする請求項6に記載の冷陰極電界電
    子放出素子の製造方法。
  8. 【請求項8】工程(ホ)では、導電材料層をCVD法に
    より形成することを特徴とする請求項1に記載の冷陰極
    電界電子放出素子の製造方法。
  9. 【請求項9】マスク材料層は、異方性ドライエッチング
    条件下で酸素系エッチング種を実質的に必要とせず、且
    つ、酸素を含むエッチング反応生成物を実質的に発生し
    ない材料から構成されることを特徴とする請求項1に記
    載の冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  10. 【請求項10】マスク材料層は、窒化シリコンから成る
    ことを特徴とする請求項9に記載の冷陰極電界電子放出
    素子の製造方法。
  11. 【請求項11】(イ)支持体上にカソード電極を形成す
    る工程と、 (ロ)カソード電極上を含む支持体上に絶縁層を形成す
    る工程と、 (ハ)絶縁層上にゲート電極を形成する工程と、 (ニ)底部にカソード電極が露出した開口部を、少なく
    とも絶縁層に形成する工程と、 (ホ)開口部の底部を第1導電材料層で埋め込む工程
    と、 (へ)開口部の残部を含む全面に第2導電材料層を形成
    する工程と、 (ト)開口部の中央部に位置する第2導電材料層の領域
    を遮蔽するように、先端部が錐状形状を有するマスク材
    料層を第2導電材料層上に形成する工程と、 (チ)支持体に対して垂直な方向における第2導電材料
    層のエッチング速度と、支持体に対して垂直な方向にお
    ける第1導電材料層のエッチング速度とが、支持体に対
    して垂直な方向におけるマスク材料層のエッチング速度
    よりも速くなる異方性エッチング条件下で、第2導電材
    料層と第1導電材料層とマスク材料層とをエッチングす
    ることにより、第2導電材料層及び第1導電材料層から
    成り、先端部が錐状形状を有する電子放出電極を開口部
    内に形成する工程、から成ることを特徴とする冷陰極電
    界電子放出素子の製造方法。
  12. 【請求項12】工程(ホ)では、開口部内を含む全面に
    第1導電材料層を形成した後、第1導電材料層をエッチ
    ングすることにより、開口部の底部に第1導電材料層を
    残すことを特徴とする請求項11に記載の冷陰極電界電
    子放出素子の製造方法。
  13. 【請求項13】第1導電材料層のエッチングを、第1導
    電材料層の上面を平坦化した後に行うことを特徴とする
    請求項12に記載の冷陰極電界電子放出素子の製造方
    法。
  14. 【請求項14】第1導電材料層と第2導電材料層とは、
    同じ材料から成ることを特徴とする請求項11に記載の
    冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  15. 【請求項15】工程(ヘ)では、開口部の上端面と第1
    導電材料層の上面との間の段差を反映した凹部を第2導
    電材料層の表面に生成させ、 工程(ト)は更に、 (ト−1)第2導電材料層上の全面に、該第2導電材料
    層の凹部の形状を反映した窪み部を有するマスク材料層
    を形成する工程、 (ト−2)マスク材料層上の全面に平坦化層を形成する
    工程、 (ト−3)窪み部に平坦化層を残す工程、 (ト−4)支持体に垂直な方向におけるマスク材料層の
    エッチング速度が、支持体に垂直な方向における平坦化
    層のエッチング速度よりも速くなる異方性エッチング条
    件下でマスク材料層と平坦化層とをエッチングし、以
    て、先端部が錐状形状を有するマスク材料層を凹部に残
    す工程、から成ることを特徴とする請求項11に記載の
    冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  16. 【請求項16】工程(ニ)では、カソード電極の表面を
    基準とした壁面の傾斜角θが90°未満である開口部を
    絶縁層に形成することを特徴とする請求項15に記載の
    冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  17. 【請求項17】工程(ニ)では、カソード電極の表面を
    基準とした壁面の傾斜角θが90°未満である開口上部
    を形成した後、該開口上部の下端に連通し、壁面がカソ
    ード電極の表面に対して略垂直な開口下部を形成し、以
    て、開口上部と開口下部とから成る開口部を完成するこ
    とを特徴とする請求項15に記載の冷陰極電界電子放出
    素子の製造方法。
  18. 【請求項18】第1導電材料層は開口下部を埋め込むこ
    とを特徴とする請求項17に記載の冷陰極電界電子放出
    素子の製造方法。
  19. 【請求項19】工程(ヘ)では、第2導電材料層を形成
    する前に、開口部の残部を含む全面に密着層を形成し、 工程(チ)では、支持体に対して垂直な方向における第
    2導電材料層のエッチング速度と、支持体に対して垂直
    な方向における第1導電材料層のエッチング速度と、支
    持体に対して垂直な方向における密着層のエッチング速
    度とが、支持体に対して垂直な方向におけるマスク材料
    層のエッチング速度よりも速くなる異方性エッチング条
    件下で、第2導電材料層と第1導電材料層と密着層とマ
    スク材料層とをエッチングすることを特徴とする請求項
    11に記載の冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  20. 【請求項20】工程(チ)では、支持体に対して垂直な
    方向における第2導電材料層のエッチング速度R3と、
    支持体に対して垂直な方向における密着層のエッチング
    速度R2とが、R2≦R3≦5R2の関係を満たすことを特
    徴とする請求項19に記載の冷陰極電界電子放出素子の
    製造方法。
  21. 【請求項21】第2導電材料層と第1導電材料層と密着
    層とが同一の導電材料から成ることを特徴とする請求項
    20に記載の冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  22. 【請求項22】工程(ヘ)では、第2導電材料層をCV
    D法により形成することを特徴とする請求項11に記載
    の冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  23. 【請求項23】マスク材料層は、異方性ドライエッチン
    グ条件下で酸素系エッチング種を実質的に必要とせず、
    且つ、酸素を含むエッチング反応生成物を実質的に発生
    しない材料から構成されることを特徴とする請求項11
    に記載の冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  24. 【請求項24】マスク材料層は、窒化シリコンから成る
    ことを特徴とする請求項23に記載の冷陰極電界電子放
    出素子の製造方法。
  25. 【請求項25】(A)支持体上に形成されたカソード電
    極、 (B)カソード電極上を含む支持体上に形成された絶縁
    層、 (C)絶縁層上に形成されたゲート電極、 (D)少なくとも絶縁層に形成され、底部にカソード電
    極が露出した開口部、及び、 (E)開口部の底部に露出したカソード電極上に形成さ
    れ、導電材料層から成り、先端部が錐状形状を有する電
    子放出電極、を備えた冷陰極電界電子放出素子であっ
    て、 電子放出電極は、 開口部内を含む全面に導電材料層を形成し、開口部の中
    央部に位置する導電材料層の領域を遮蔽するように、先
    端部が錐状形状を有するマスク材料層を導電材料層上に
    形成し、更に、支持体に対して垂直な方向における導電
    材料層のエッチング速度が、支持体に対して垂直な方向
    におけるマスク材料層のエッチング速度よりも速くなる
    異方性エッチング条件下で、導電材料層とマスク材料層
    とをエッチングすることによって形成されていることを
    特徴とする冷陰極電界電子放出素子。
  26. 【請求項26】(A)支持体上に形成されたカソード電
    極、 (B)カソード電極上を含む支持体上に形成された絶縁
    層、 (C)絶縁層上に形成されたゲート電極、 (D)少なくとも絶縁層に形成され、底部にカソード電
    極が露出した開口部、及び、 (E)開口部の底部に露出したカソード電極上に形成さ
    れ、第1導電材料層及び第2導電材料層から成り、先端
    部が錐状形状を有する電子放出電極、を備えた冷陰極電
    界電子放出素子であって、 電子放出電極は、 開口部の底部を第1導電材料層で埋め込み、開口部の残
    部を含む全面に第2導電材料層を形成し、開口部の中央
    部に位置する第2導電材料層の領域を遮蔽するように、
    先端部が錐状形状を有するマスク材料層を第2導電材料
    層上に形成し、更に、支持体に対して垂直な方向におけ
    る第2導電材料層のエッチング速度と、支持体に対して
    垂直な方向における第1導電材料層のエッチング速度と
    が、支持体に対して垂直な方向におけるマスク材料層の
    エッチング速度よりも速くなる異方性エッチング条件下
    で、第2導電材料層と第1導電材料層とマスク材料層と
    をエッチングすることによって形成されていることを特
    徴とする冷陰極電界電子放出素子。
  27. 【請求項27】複数の画素から構成され、 各画素は、複数の冷陰極電界電子放出素子と、複数の冷
    陰極電界電子放出素子に対向して基板上に設けられたア
    ノード電極及び蛍光体層から構成された表示装置であっ
    て、 各冷陰極電界電子放出素子は、 (A)支持体上に形成されたカソード電極、 (B)カソード電極上を含む支持体上に形成された絶縁
    層、 (C)絶縁層上に形成されたゲート電極、 (D)少なくとも絶縁層に形成され、底部にカソード電
    極が露出した開口部、及び、 (E)開口部の底部に露出したカソード電極上に形成さ
    れ、導電材料層から成り、先端部が錐状形状を有する電
    子放出電極、を備え、 電子放出電極は、 開口部内を含む全面に導電材料層を形成し、開口部の中
    央部に位置する導電材料層の領域を遮蔽するように、先
    端部が錐状形状を有するマスク材料層を導電材料層上に
    形成し、更に、支持体に対して垂直な方向における導電
    材料層のエッチング速度が、支持体に対して垂直な方向
    におけるマスク材料層のエッチング速度よりも速くなる
    異方性エッチング条件下で、導電材料層とマスク材料層
    とをエッチングすることによって形成されていることを
    特徴とする表示装置。
  28. 【請求項28】複数の画素から構成され、 各画素は、複数の冷陰極電界電子放出素子と、複数の冷
    陰極電界電子放出素子に対向して基板上に設けられたア
    ノード電極及び蛍光体層から構成された表示装置であっ
    て、 各冷陰極電界電子放出素子は、 (A)支持体上に形成されたカソード電極、 (B)カソード電極上を含む支持体上に形成された絶縁
    層、 (C)絶縁層上に形成されたゲート電極、 (D)少なくとも絶縁層に形成され、底部にカソード電
    極が露出した開口部、及び、 (E)開口部の底部に露出したカソード電極上に形成さ
    れ、第1導電材料層及び第2導電材料層から成り、先端
    部が錐状形状を有する電子放出電極、を備え、 電子放出電極は、 開口部の底部を第1導電材料層で埋め込み、開口部の残
    部を含む全面に第2導電材料層を形成し、開口部の中央
    部に位置する第2導電材料層の領域を遮蔽するように、
    先端部が錐状形状を有するマスク材料層を第2導電材料
    層上に形成し、更に、支持体に対して垂直な方向におけ
    る第2導電材料層のエッチング速度と、支持体に対して
    垂直な方向における第1導電材料層のエッチング速度と
    が、支持体に対して垂直な方向におけるマスク材料層の
    エッチング速度よりも速くなる異方性エッチング条件下
    で、第2導電材料層と第1導電材料層とマスク材料層と
    をエッチングすることによって形成されていることを特
    徴とする表示装置。
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