JP2000338407A - 顕微鏡 - Google Patents

顕微鏡

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JP2000338407A
JP2000338407A JP11147447A JP14744799A JP2000338407A JP 2000338407 A JP2000338407 A JP 2000338407A JP 11147447 A JP11147447 A JP 11147447A JP 14744799 A JP14744799 A JP 14744799A JP 2000338407 A JP2000338407 A JP 2000338407A
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objective lens
microscope
objective
cam shaft
lenses
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Hidehiko Furuhashi
英彦 古橋
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水の入ったチャンバ内の試料を観察する際、
焦準ハンドルでステージ又は対物レンズ切替装置全体を
移動させることなく、簡単な構成で切替操作が簡単な対
物レンズの倍率を変えることができる顕微鏡を提供す
る。 【解決手段】 作動距離の異なる2つの対物レンズob
1,ob2を保持し、対物レンズob1,ob2を選択
的に顕微鏡の観察光路に配置可能な対物レンズ切替装置
を備えた顕微鏡において、作動距離の異なる対物レンズ
ob1,ob2を保持する2つの対物レンズ保持部材6
0,70と、対物レンズ保持部材60,70を対物レン
ズob1,ob2の光軸方向へ同期して移動させたと
き、作動距離の短い対物レンズob1の対物レンズ保持
部材70の移動量が、作動距離の長い対物レンズob2
の対物レンズ保持部材60の移動量より大きい移動機構
とで対物レンズ切替装置を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】生理学分野では、生きた細胞や生物組織
を顕微鏡で観察する場合、観察対象物が厚くなると光の
透過性の関係で試料の対物レンズ側の表面から浅い部位
は良好に観察できるが、試料の深い部位は観察し難いと
いう欠点がある。
【0003】また、マイクロマニプレータ等を使用して
試料の局所に微小電極を接触させる又は刺す等の作業を
行い、電極像(電気刺激を与えたときの像)を観察する
ことが行われる。このような観察をする際、試料を入れ
た容器の上から電極を試料に接触等させる。
【0004】このとき、厚い試料でも良好な試料像と電
極像との観察を同時に実現するため、しばしば正立顕微
鏡が使用される。また、生きている生体試料は、人口体
液等の入ったチャンバに沈められ、この液を通して観察
される。
【0005】微小電極として使用されるマイクロマニプ
レータは、研究が複雑になるに従い、対物レンズの周辺
に複数個が配置される。微小電極をセットする場合、ま
ず視野が広く、作動距離が長く、焦点深度の深い乾燥系
の低倍対物レンズ(例えば、4×、10×程度の倍率)
を使用してセットを行う。
【0006】次に、高倍の水浸対物レンズ(例えば、4
0×、60×程度の倍率)を使用して、最終セットや局
所観察等を行う。
【0007】乾燥系の低倍対物レンズは作動距離が長い
ので、対物レンズの先端は、試料の入ったチャンバの縁
よりも上方にある。しかし、水浸対物レンズの先端は、
液中又は液面近傍にあり、チャンバの縁よりも下方にあ
る。
【0008】また、研究の目的によっては、乾燥系の対
物レンズを使用せず、観察範囲の異なる複数の液浸対物
レンズ(例えば、20×と40×程度の倍率)を使用し
て観察を行う。
【0009】したがって、倍率を切り換える際、液浸系
の対物レンズがチャンバの縁にぶつかる問題がある。焦
準機構を上下動することなく、この問題を解決する顕微
鏡に関しては、例えば実開平6−4720号公報に開示
されている。これは対物レンズ交換機と複数の対物レン
ズの各々との間に、各対物レンズを光軸方向へ移動可能
にする上下移動機構を備えている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術におい
ては、各対物レンズに対して上下移動機構を備えている
ため、構成が複雑で、切換操作が面倒である。また、各
対物レンズに対して同焦点を確保しようとすると、上下
移動機構機構の加工精度が非常に厳しく、製品が高価に
なってしまい現実的でない。
【0011】また、通常水(液)が入ったチャンバの底
部にある試料をマイクロマニプレータ等を使用して観察
する場合、乾燥系低倍対物レンズと詳細観察用の水浸の
高倍対物レンズとを用いる。乾燥系低倍対物レンズで
は、水(液)の全深さを通して試料やマニプレータを観
察し、水浸の高倍対物レンズでは、設計値による一定の
水浸の水(液)の深さを通して試料を観察する。
【0012】ここで、試料(チャンバ)を交換し、チャ
ンバ内の水の量が変わった場合について考えてみる。水
浸対物レンズでは、レンズ先端から試料までの距離は、
設計値による一定の水の深さで焦準状態である。
【0013】したがって、水の量が変わっても、対物レ
ンズ先端が浸かる水の量が変わるだけで、試料の位置か
ら対物レンズ取付位置までの距離は一定である。
【0014】一方、乾燥系の対物レンズによる観察で
は、水と空気との屈折率の差により、焦準状態の試料の
位置から対物レンズ取付位置までの距離が変化する。こ
のため、ある定められた設計値での水深の場合しか乾燥
系の対物レンズと水浸対物レンズとは同焦点が得られな
いという問題が生じる。
【0015】水の深さが1mm変化すると、乾燥系の対
物レンズでは焦準位置が0、25mm変化することにな
る。したがって、顕微鏡の調節量としては、僅かな水深
の変化によって焦準ハンドルを大きく回転させる必要が
生じ、不便を強いられる。また、顕微鏡の周囲にマイク
ロマニプレータを複数配置した状態では、焦準ハンドル
を操作しづらく、焦準ハンドルの操作は極力少ないこと
が望ましい。
【0016】更に、比較的高倍の水浸対物レンズを複数
取り付けて使用する場合、対物レンズの焦点深度がどち
らも浅いので、一方に調節機構がないと対物レンズ切替
機構と対物レンズとの同焦点精度を非常に厳しくして製
作しないと切り換えたとき同焦点が得られず、倍率を切
り換える度に焦準ハンドルを操作しなければならないと
いう問題がある。
【0017】この発明はこのような事情に鑑みてなされ
たもので、その課題は水の入ったチャンバ内の試料を観
察する際、焦準ハンドルでステージ又は対物レンズ切替
装置全体を移動させることなく、簡単な構成かつ簡単な
切替操作で対物レンズの倍率を変えることができる顕微
鏡を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
請求項1に記載の発明は、作動距離の異なる複数の対物
レンズを保持し、前記対物レンズを選択的に顕微鏡の観
察光路に配置可能な対物レンズ切替装置を備えた顕微鏡
において、前記対物レンズ切替装置は、前記作動距離の
異なる前記対物レンズを保持する複数の対物レンズ保持
部材と、前記各対物レンズ保持部材を前記対物レンズの
光軸方向へ同期して移動させたとき、作動距離の短い対
物レンズの対物レンズ保持部材の移動量が、作動距離の
長い対物レンズの対物レンズ保持部材の移動量より大き
い移動機構とを備えていることを特徴とする。
【0019】対物レンズを切り換えるとき、複数の対物
レンズを同期して光軸方向へ移動させるだけで、焦準ハ
ンドルを操作してステージや切替装置全体を移動させる
必要がない。
【0020】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の顕微鏡において、前記移動機構は、前記作動距離の長
い対物レンズの対物レンズ保持部材に設けられた第1の
カム軸と、前記対物レンズ保持部材の同心円上に配置さ
れ、前記第1のカム軸と係合する第1のカム溝を形成し
た環状部材と、この環状部材に形成され、前記作動距離
の短い対物レンズの対物レンズ保持部材に設けられた第
2のカム軸と係合する第2のカム溝と、前記環状部材を
回動させる操作部材とを備え、前記第2のカム軸の上下
方向ストロークは前記第1のカム軸の上下方向ストロー
クより大きく、前記第2のカム軸の全ストロークは前記
第1のカム軸の全ストロークと同じであることを特徴と
する。
【0021】操作部材を操作するだけで、複数の対物レ
ンズ保持部材を同期して光軸方向へ移動させることがで
きる。このとき、第2のカム軸の上下方向ストロークが
第1のカム軸の上下方向ストロークより大きいので、作
動距離の短い対物レンズの対物レンズ保持部材の移動量
が、作動距離の長い対物レンズの対物レンズ保持部材の
移動量より大きくなる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。
【0023】図1はこの発明の一実施形態に係る顕微鏡
の側面図、図2はアーム部に設けられた対物レンズ切替
装置を示す断面図、図3は図2のIII −III 矢視断面
図、図4は図2のA矢視図である。なお、図2は対物レ
ンズob1が観察光軸に入った状態を示している。
【0024】顕微鏡1はベース部10と支柱部20とア
ーム部30とを備える。
【0025】支柱部20の側面には対物レンズ切替装置
を上下動させて焦準操作を行うための焦準ハンドル21
が設けられている。
【0026】アーム部30の下面の凹部31には対物レ
ンズ切替装置を構成する焦準部材40と水平移動部材5
0と移動機構とが収容されている。
【0027】アーム部30の内部に設けられた垂直移動
メスガイド30aに焦準部材40のオスガイド40bが
係合している。
【0028】焦準部材40に設けられたラック41はピ
ニオン(図示せず)に噛み合っており、このピニオンは
焦準ハンドル21の操作によって回転する。
【0029】水平移動部材50の水平移動オスガイド5
0aは、焦準部材40の水平移動メスガイド40aに係
合している。水平移動部材50は水平移動ガイド40
a,50aに沿って水平に移動する。対物レンズob1
又は対物レンズob2は、水平移動部材50に設けられ
たクリック機構(図示せず)により観察光路に位置決め
される。
【0030】水平移動部材50は上下方向へ延びるV溝
51と複数のボール52とで形成される直線ガイドを備
え、この直線ガイドによって対物レンズ保持器60が光
軸方向に上下移動可能に保持されている。この対物レン
ズ保持器60にはカム軸(第2のカム軸)61が捩じ込
み固定されている。
【0031】また、水平移動部材50の円筒嵌合軸53
には対物レンズ保持器70が保持されている。水平移動
部材50には対物レンズ保持器70に固定されたカム軸
(第1のカム軸)71と係合する直線カム溝54が形成
されている。円筒嵌合軸53、直線カム溝54及びカム
軸71で直線ガイドが構成され、この直線ガイドによっ
て対物レンズ保持器70は光軸方向に移動することがで
きる。
【0032】円筒嵌合軸53の外周には、円筒状のリン
グ80が嵌合している。リング80の上部には、抜止め
用の押え環81が設けられている。このリング80は円
筒嵌合軸53に対して回転可能に設けられており、その
外周面にはカム溝82,83が設けられている。
【0033】カム軸61、カム軸71、リング80及び
カム溝82,83で移動機構が構成される。
【0034】カム溝82は対物レンズ保持器60に固定
されたカム軸61と係合している。カム溝83と直線カ
ム溝54とは対物レンズ保持器70に捩じ込み固定され
たカム軸71と係合している。
【0035】つまみ84は、リング80にねじ込み固定
され、水平移動部材50の前側に設けられた開口部55
から突出している。この開口部55にはつまみ84の回
転を制限する回転制限部56,57が設けられている。
【0036】ねじ85は、水平移動部材50にねじ込ま
れている。そのねじ込み量に応じて、ねじ85の先端部
の回転制限部57からの突出量を調節することができ
る。
【0037】図3に示すように、ねじ85の先端部を回
転制限部57より突出させると、先端部がつまみ84の
回転範囲を狭くすることができるので、簡単につまみ8
4の回転範囲を調節することができる。
【0038】対物レンズob1は、詳細観察用の高倍の
水浸対物レンズであり、上下動可能な対物レンズ保持器
60に取り付けられている。対物レンズob2は概略位
置決め用の乾燥系の低倍対物レンズや対物レンズob1
とは倍率の異なる水浸対物レンズであり、上下動可能な
対物レンズ保持器70に取り付けられている。
【0039】高倍の水浸対物レンズob1の作動距離は
低倍の乾燥系対物レンズob2の作動距離より短い。
【0040】図5は図2に示す状態から水平移動部材5
0を移動させて低倍対物レンズob2が観察光路に入っ
た状態を示す図、図6は図5のVI−VI矢視断面図、図7
はカム溝82の展開拡大図、図8はカム溝83の展開拡
大図であり、図2,図3に示す部材と同一部材には同一
符号を付してその説明を省略する。
【0041】カム溝82はほぼ円弧状であり、その両端
部の高さ位置(上下方向位置)は異なる(図7参照)。
図2、図3に示すように、つまみ84が回転制限部57
側にあるとき、カム軸61は図7に示す下方制限位置6
1aにある。
【0042】この状態から、つまみ84を回転制限部5
6側に回転させると、対物レンズ保持器60は、カム溝
82の下方制限位置61aから一旦ストロークaだけ持
ち上がり、上方制限位置では最上位からストロークbだ
け下がって停止する。
【0043】図5、図6に示すように、つまみ84を回
転制限部56側に回転させると、リング80が回転し、
カム軸61は図7に示す位置61bに至る。
【0044】カム溝83はほぼクランク状であり、水平
部を有し、両端部の高さ位置が異なる(図8参照)。図
2、図3に示すように、つまみ84が回転制限部57側
にあるとき、カム軸71は図8に示す位置71dにあ
る。
【0045】つまみ84を回転制限部56側に回転させ
たとき、対物レンズ保持器70は、つまみ84をc1だ
け回転させる間にはカム溝83の下方制限位置で上下方
向へ移動せず、c1以上回転させた後c2回転させる
間、一旦ストロークdだけ持ち上がり、上方制限位置で
最上位からストロークbだけ下がって停止する。
【0046】図5、図6に示すように、つまみ84を回
転制限部56側に回転させると、リング80が回転し、
カム軸71は図8に示す位置71bに至る。
【0047】図7及び図8において、a,b,c,dは
ストロークを、α、βはカム溝の角度をそれぞれ示す。
なお、a>d、β>αである。
【0048】カム溝82,83の両端部が下方制限位置
側、上方制限位置側共に下がっているため、カム軸6
1,71は対物レンズob1と対物レンズ保持器60及
び対物レンズob2と対物レンズ保持器70との自重に
より各制限位置に位置決めされる。したがって、対物レ
ンズob1と対物レンズob2とは、特別な固定機構な
しに安定状態で停止する。
【0049】また、つまみ84を回転制限部56,57
間で往復させるだけで、簡単に対物レンズob1と対物
レンズob2とを上下移動させることができる。更に、
対物レンズob1と対物レンズob2との上下移動を、
水平移動部材50の水平移動や、焦準部材40の上下動
から独立して(すなわち、焦準ハンドル21でステージ
や対物レンズ切替装置を操作することなく)行うことが
できる。
【0050】次に、水の入ったチャンバ内の試料を観察
する場合の操作手順を説明する。
【0051】まず、図5に示す状態で水平移動部材50
を移動させ、観察光軸に乾燥系低倍対物レンズob2を
挿入する。このとき、つまみ84は回転制限部56側に
回転され、対物レンズob1,ob2が上方制限位置6
1b,71bにある。
【0052】次に、つまみ84を回転制限部57側に回
転し、対物レンズob1,ob2を下方制限位置61
a,71dに下げる。このとき、低倍の乾燥系対物レン
ズob2は高倍の水浸対物レンズob1より高い位置に
ある。この状態で焦準ハンドル21により試料に焦準
し、マイクロマニプレータのセットを行う。
【0053】次に、つまみ84を回転制限部56側に回
転し、対物レンズob1,ob2を上方制限位置61
b,71bに上げた後、水平移動部材50を移動させ、
観察光軸に高倍の水浸対物レンズob1を挿入する。そ
の後、つまみ84を下方制限57側に回転し、水浸対物
レンズob1を下方に下げ、観察可能な状態にする。
【0054】チャンバ内の水の深さが水浸対物レンズの
作動距離と異なる場合、乾燥系対物レンズと水浸系対物
レンズとでは同焦点が狂うので、ねじ85を出し入れし
て焦準位置を調節する。下方制限位置をねじ85で調節
するとき、カム溝83の範囲c1では対物レンズob2
は上下動しないので、対物レンズob1の調節だけを行
うことができ、焦準ハンドル21を操作しなくてよい。
【0055】そのため、チャンバを変えたときにチャン
バ内の水の深さ(量)が変化しても、対物レンズob1
の焦点位置を対物レンズob2の焦点位置に合わせるこ
とにより、対物レンズを切り換えても常に同焦点が保た
れる。
【0056】なお、対物レンズob1,ob2が焦点深
度が浅い高倍の水浸対物レンズの場合であっても、同様
に対物レンズob1,ob2と対物レンズ保持器60,
70との機械誤差を補正することができる。
【0057】上記実施形態によれば、チャンバや周囲の
マイクロマニプレータと干渉することなく、チャンバ内
の水の深さが変わっても対物レンズob1,ob2の同
焦点を確保した状態で対物レンズの倍率を切り換えるこ
とができ、焦準ハンドルの操作頻度を少なくでき、操作
性が向上する。
【0058】また、上下動が必要な水浸対物レンズob
1に対してねじ85を有する同焦点補正機構を採用した
ため、簡単な構成で焦準することができる。
【0059】次に、水浸対物レンズob1の下方制限位
置を定めるねじ85の変形例を説明する。
【0060】図9はねじ85の変形例を説明する断面図
である。
【0061】ねじ85は受け部85cと弾性部材である
バネ85bと先端部85aとを有する。先端部85aに
強い力を加えたとき、先端部85aが受け部85c側へ
引っ込む。
【0062】このバネ85bの弾性力は、対物レンズo
b1と対物レンズ保持器60との自重によってつまみ8
4が先端部85aを押す力より大きい。すなわち、通常
の対物レンズ切替操作では、つまみ84はねじ85の先
端部85aに当接した位置で停止する。そして、操作者
がつまみ84を先端部85aに押し付けたとき、バネ8
5bが縮み、対物レンズob1が下方制限位置よりも下
がる。
【0063】図10は水浸対物レンズの作動を説明する
図である。
【0064】チャンバ内の試料からの水の深さd1が対
物レンズob1の作動距離L1より浅い場合でも、つま
み84をねじ85に押し付けることにより、対物レンズ
ob1を下方制限位置よりも下げることができる(図1
0(a)参照)。
【0065】そして、チャンバ内の水に対物レンズ先端
を触れさせた後、つまみ84に加えた力を除くと、対物
レンズob1と水との親和性によって対物レンズob1
が水を引き上げる(図10(b)参照)。
【0066】この変形例によれば、前記実施形態の効果
を奏することができるとともに、チャンバ内の水の深さ
が対物レンズの作動距離より浅い場合でも、焦準ハンド
ル21を操作することなく、簡単に同焦点を調整するこ
とができるという効果を奏する。
【0067】次に、上述の実施形態の構成に、焦準部材
40と水平移動部材50との間に切替抑止機構を追加し
た変形例を、図11、図12を用いて説明する。
【0068】図11は図2のXI−XI矢視断面図、図12
は図5のXII −XII 矢視断面図である。図11、図12
において、図2、図5と同一部材には同一符号を付して
示す。
【0069】焦準部材40の下面には溝40Lが設けら
れ、円筒嵌合軸53に嵌合するリング80には、溝40
Lに係合するピン40Pが設けられている。溝40Lは
焦準部材40の光軸Lの近傍に設けられた開口40Eか
ら観察者側(図11の左側)にJ字形に延びている。
【0070】対物レンズ保持器60(対物レンズob
1)が下方制限位置近傍にあるとき、ピン40Pはほぼ
中心線O上に位置している(図11参照)。
【0071】このとき、ピン40Pは溝40Lに対して
前後方向(図11の左右方向)への移動が制限され、水
平移動部材50は焦準部材40に対して移動できない。
これは対物レンズ保持器70が顕微鏡光路に配置されて
いる場合でも同様である。
【0072】対物レンズ保持器60(対物レンズob
2)が上方にあるとき、ピン40Pは中心線Oから離れ
る(図12参照)。
【0073】このとき、ピン40Pは溝40Lに対して
前後方向(図12の左右方向)へ移動でき、水平移動部
材50は焦準部材40に対して移動することができる。
【0074】なお、溝40Lの形状は、J字形に限るも
のではなく、例えばC字形であってもよい。
【0075】この変形例によれば、対物レンズob1が
下方制限位置にあるときは対物レンズを切り換えること
ができないため、対物レンズ先端とチャンバの縁との接
触を回避することができ、対物レンズob1及びチャン
バを保護することができる。
【0076】なお、上記実施形態及び変形例では、対物
レンズを2本用いる場合で説明したが、3本以上であっ
てもよい。この場合、各対物レンズに応じた対物レンズ
保持器を備え、光軸方向に移動可能な対物レンズ保持器
を連結し、各対物レンズを一体的に光軸方向へ移動する
ような構成にすればよい。
【0077】本実施形態の顕微鏡の対物レンズ切替装置
は、水平移動によって対物レンズを切り換える機構であ
るが、回転移動や円弧状に回動することによって対物レ
ンズを切り換えるような構成としてもよい。
【0078】
【発明の効果】以上に説明したように請求項1記載の発
明の顕微鏡によれば、焦準ハンドルを操作してステージ
や切替装置全体を移動させる必要がないので、水の入っ
たチャンバ内の試料を観察する際、焦準ハンドルでステ
ージ又は対物レンズ切替装置全体を移動させることな
く、簡単な構成で切替操作が簡単な対物レンズの倍率を
変えることができる。
【0079】請求項2記載の発明の顕微鏡によれば、第
2のカム軸の上下方向ストロークが第1のカム軸の上下
方向ストロークより大きいので、作動距離の短い対物レ
ンズの対物レンズ保持部材の移動量が、作動距離の長い
対物レンズの対物レンズ保持部材の移動量より大きくな
り、対物レンズの先端部とチャンバとの接触を回避する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の一実施形態に係る顕微鏡の側
面図である。
【図2】図2はアーム部に設けられた対物レンズ切替装
置を示す断面図である。
【図3】図3は図2のIII −III 矢視断面図である。
【図4】図4は図2のA矢視図である。
【図5】図5は図2に示す状態から水平移動部材50を
移動させて低倍対物レンズob2が観察光路に入った状
態を示す図である。
【図6】図6は図5のVI−VI矢視断面図である。
【図7】図7はカム溝82の展開拡大図である。
【図8】図8はカム溝83の展開拡大図である。
【図9】図9はねじ85の変形例を説明する断面図であ
る。
【図10】図10は水浸対物レンズの作動を説明する図
である。
【図11】図11は図2のXI−XI矢視断面図である。
【図12】図12は図5のXII −XII 矢視断面図であ
る。
【符号の説明】
60,70 対物レンズ保持部材 61,71 カム軸 80 リング(環状部材)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動距離の異なる複数の対物レンズを保
    持し、前記対物レンズを選択的に顕微鏡の観察光路に配
    置可能な対物レンズ切替装置を備えた顕微鏡において、 前記対物レンズ切替装置は、 前記作動距離の異なる前記対物レンズを保持する複数の
    対物レンズ保持部材と、 前記各対物レンズ保持部材を前記対物レンズの光軸方向
    へ同期して移動させたとき、作動距離の短い対物レンズ
    の対物レンズ保持部材の移動量が、作動距離の長い対物
    レンズの対物レンズ保持部材の移動量より大きい移動機
    構とを備えていることを特徴とする顕微鏡。
  2. 【請求項2】 前記移動機構は、前記作動距離の長い対
    物レンズの対物レンズ保持部材に設けられた第1のカム
    軸と、前記対物レンズ保持部材の同心円上に配置され、
    前記第1のカム軸と係合する第1のカム溝を形成した環
    状部材と、この環状部材に形成され、前記作動距離の短
    い対物レンズの対物レンズ保持部材に設けられた第2の
    カム軸と係合する第2のカム溝と、前記環状部材を回動
    させる操作部材とを備え、前記第2のカム軸の上下方向
    ストロークは前記第1のカム軸の上下方向ストロークよ
    り大きく、前記第2のカム軸の全ストロークは前記第1
    のカム軸の全ストロークと同じであることを特徴とする
    請求項1に記載の顕微鏡。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101923211A (zh) * 2009-06-16 2010-12-22 徕卡显微系统复合显微镜有限公司 物镜转换器
JP2011018018A (ja) * 2009-06-10 2011-01-27 Yokogawa Electric Corp 光学顕微鏡

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