JP2000337523A - 水中軸受の水封装置 - Google Patents

水中軸受の水封装置

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JP2000337523A
JP2000337523A JP11144455A JP14445599A JP2000337523A JP 2000337523 A JP2000337523 A JP 2000337523A JP 11144455 A JP11144455 A JP 11144455A JP 14445599 A JP14445599 A JP 14445599A JP 2000337523 A JP2000337523 A JP 2000337523A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ほぼ水平に延びる軸を相対回転可能に枢着す
る軸受を内蔵したハウジングと、上記軸受の軸線方向端
部に隣接してハウジングに配設された第1のシール手段
とを備えた水中軸受において、軸受部への水の侵入を防
止する。 【解決手段】 ハウジングHの軸線方向端部に第1のシ
ール手段5に隣接して水溜め室24を設ける。この水溜
め室24の内部には予め油が内部に充填され、かつ水溜
め室24の最低部ロが少なくとも第1のシール手段5の
シール面の最低位置イよりも低くなっている。水溜め室
24の第1のシール手段5とは反対側の端壁20aと軸
3との間には第2のシール手段22が介装され、水溜め
室24の最低部近傍を外部に連通させる排出路が設けら
れている。さらに、軸受部に対する新油の圧入により軸
受部内の古油を第1のシール手段5のシール部を通じて
水溜め室内24へ圧入し、これによって、水溜め室24
の底に溜まっている水を排出路を通じて排出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中軸受の水封装
置に関し、特に、汚水処理施設の沈砂池や沈澱池等の処
理池において沈砂掻揚機や汚泥掻揚機で使用される水中
軸受に好適な水封装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、汚水処理施設の沈澱池等で使用
される沈砂掻揚機や汚泥掻揚機においては、水中に設け
られたスプロケットに巻掛けられたエンドレスチェーン
が循環駆動されるようになっている。
【0003】図4は、上述のようなスプロケットを回転
自在に軸支する従来の水中軸受の構造を示す断面図であ
る。図において、図示しないエンドレスチェーンが巻掛
けられたスプロケット1のボス部である円筒状ハウジン
グHの内周に円筒状軸受2が嵌装固定されている。
【0004】このスプロケット1を回転自在に軸支する
ほぼ水平に延びる軸(固定軸)3の外周面にはスリーブ
4が圧入され、このスリーブ4上に、ハウジングHが軸
受2を介して回転自在に軸支され、さらにハウジングH
の軸線方向両端部には、軸受2と軸3との間の間隙への
汚水の侵入を阻止するためのオイルシール5,5が固設
されている。またハウジングHは、このハウジングHの
両側位置においてボルト6によってそれぞれ軸3に固定
された一対のカラー7,7により、軸3に対する軸線方
向の取付け位置が決められている。
【0005】軸受2の内周面には潤滑油の油溜まり8が
スリーブ4を巡って円筒状に形成され、この油溜まり8
は、スリーブ4に形成された孔9を通じて、軸3に形成
された軸線方向に延びる油供給溝10の一端に連通して
いる。さらに、一方のカラー7には、図示しないポンプ
に通じる潤滑油供給パイプの先端が螺装されるねじ孔で
ある油注入口11およびこの注入口11から先端に通じ
る油注入路12を備えた油注入具13が螺着され、油注
入具13の先端が、上記油供給溝10の他端に連通する
ようにスリーブ4に形成された孔14に押圧されている
ことにより、油注入路12と油供給溝10とが水封状態
で連通している。
【0006】軸3の端部には、支持具15がボルト16
によって固定されており、この支持具15が、取付け具
17を介し処理池の壁18に固定されていることによ
り、軸3の端部が固定されている。19は据付け調整用
のモルタルである。
【0007】以上の構成において、図示しないポンプに
よって高圧の新たな潤滑油が、逆流防止弁を備えた分配
弁を介して油注入具13の油脂注入口11から、油注入
路12、孔14、溝10および孔9を通って軸受2の油
溜まり8に間欠的かつ強制的に注入され、これによっ
て、オイルシール5,5のリップ部(シール部)が油の
圧力に押されて開き、廃油となる古い油が処理池内に排
出されて、潤滑油の更新がなされるように構成されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の水中
軸受は、構造が簡単で、安価である特徴を有するもので
あるが、処理池の汚水中には、細砂や汚泥が混濁して混
在しており、また上記水中軸受が低速、高トルクの過酷
な環境下で使用されるため、既知の水封装置を用いて
も、やがては必ず汚水がオイルシール5,5を介して軸
受2と軸3との間の間隙に侵入して滞り、潤滑油の劣化
等を招来して、軸受2やスリーブ4等が早期に損耗する
という問題を生じた。
【0009】一般に、汚水との境界部に配設されたシー
ル手段のうち、固定部に配設された固定部シール手段に
関しては汚水の侵入は防止可能であるが、軸3と軸受2
との間のような相対回転部分に配設されたオイルシール
5,5のような運動部シール手段のシール面には必ず極
めて薄い層の油膜が形成されているものであり、さらに
軸3の外周面や運動部シール手段のシール面を拡大して
見ると凹凸になっていることが分かる。特に軸3は、作
成時にバイトに送りをかけて切削されるものであるか
ら、軸3の外周面上には、無数のねじ状の凹凸溝が形成
されており、凹状の溝内に汚水と潤滑油とが混在して閉
じ込められることになる。
【0010】この凹状の溝内に閉じ込められている汚水
と潤滑油とは、軸3が回動する際に油の粘性によって連
れ回されることとなるが、凹状の溝がねじポンプの作用
をして、極めて僅かではあるが、潤滑油を汚水中に流出
させたり、汚水を軸受2の内部に侵入させたりすること
となり、その侵入した汚水が軸受2の内部に滞り、潤滑
油の劣化を早め、劣化が進むと潤滑油が固形化する場合
もあって、新油を注入して使用済み油を押し出して更新
することが完全に行なわれなくなるものであった。
【0011】そして、シール手段が損耗し始めると、軸
受2の内部に侵入する汚水量が増加することは自明の理
である。
【0012】上述の事情に鑑み、本発明は、過酷な環境
下にあっても、軸と軸受との間の間隙に汚水を侵入させ
ることなく、確実に間隙を水封して、良好な潤滑状態を
維持することによって、水中軸受の長期に亘る安定した
性能を維持することができる水封装置を提供することを
目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、ほぼ水平に延
びる軸を枢着する軸受を内蔵したハウジングと、上記軸
受の軸線方向端部に隣接してハウジングに配設された第
1のシール手段とを備えた水中軸受において、上記ハウ
ジングの軸線方向端部に上記第1のシール手段に隣接し
て水溜め室が付設されていることを特徴とするものであ
る。
【0014】この水溜め室の内部には予め油が内部に充
填され、かつ水溜め室の最低部が少なくとも上記第1の
シール手段のシール面の最低位置よりも低くなるように
構成されている。
【0015】また、上記水溜め室の第1のシール手段側
とは反対側の端壁と上記軸との間には第2のシール手段
が介装され、また、水溜め室の最低部近傍を外部に連通
させる排出路が設けられている。
【0016】上記水溜め室の最低部は、運動部シール手
段である上記第2のシール手段を通じて侵入した僅かな
水が水溜め室の底に溜まっても、その水面が上記第1の
シール手段のシール面の最低位置に達するおそれのない
低さに設定される。
【0017】さらに、上記水溜め室内へ油を圧入する手
段が設けられ、この油圧入手段の作動に伴い、水溜め室
の底に溜まった水が上記排出路を通じて排出されるよう
に構成されている。
【0018】また、上記水溜め室内に対する油の圧入に
は、水溜め室内へ直接油を圧入する手段を設けて行なう
ことも可能であるが、軸と軸受との間の間隙に対する新
油の圧入により上記間隙内の古油を上記第1のシール手
段のシール部を通じて上記水溜め室内へ圧入するように
することが好ましい。
【0019】本発明による水封装置は、軸側が固定さ
れ、この固定軸にハウジングが軸受を介して回転自在に
枢支されている構成を有する水中軸受と、これとは反対
に、ハウジング側が固定され、このハウジングの軸受
に、軸が回転自在に枢支されている構成を有する水中軸
受との双方のいずれにも適用可能である。
【0020】上記水溜め室は、この水溜め室がハウジン
グとともに回動する場合に、水溜め室内に充填された油
がほぼ静止した油層を維持し得るに十分な容積および形
状を有することが好ましい。
【0021】
【発明の作用および効果】本発明においては、第2のシ
ール手段により軸との間をシールされた水溜め室が、ハ
ウジングの軸線方向端部に付設されていることにより、
汚水と軸受との間には、第2のシール手段と、水溜め室
と、第1のシール手段とが直列的に介在することにな
る。この場合、水と油の境界部に配設されている第2の
シール手段は第1のシール手段と同様に運動部シール手
段であるから、少量の汚水がこの第2のシール手段を通
じて水溜め室内へ侵入することになるが、水溜め室内に
は予め油が充填されているから、水溜め室内へ侵入した
水は、油と水との比重の差により水溜め室の内壁面に沿
って下方へ移動して、上層の油と完全に分離して水溜め
室の底に溜まる。
【0022】水溜め室の最低部は、水溜め室の底に溜ま
った汚水の水面が、第1のシール手段のシール面の最低
位置に到達しないように、少なくとも第1のシール手段
のシール面の最低位置よりも低くなっていることによ
り、第1のシール手段は常に油と油との境界部にあるか
ら、汚水が第1のシール手段を通じて軸と軸受との間の
間隙に侵入するおそれが皆無になる。
【0023】したがって、軸受部に注入された油は極め
て良好にその潤滑性を維持し、軸および軸受が長期に亘
る寿命を保つことができる。
【0024】そして、上記水溜め室の最低部近傍を外部
に連通させる排出路が設けられているから、上記水溜め
室内へ油を圧入することにより、水溜め室の底に溜まっ
た汚水を、排出路を通じて外部に押し出すことができ
る。
【0025】そして、軸と軸受との間の間隙に対する間
欠的な新油の圧送供給に伴い、上記間隙内の古油がその
圧力により第1のシール手段のシール部を開いて水溜め
室内に押し出されるから、これによって、水溜め室の底
に溜まった汚水を排出路を通じて外部に排出することが
できる。
【0026】また、軸が固定されて、上記水溜め室が、
ハウジングとともに回動するように構成されている場合
には、水溜め室内の油は水溜め室の内壁面に粘着して薄
い油膜層を形成し、水溜め室の内壁に連れ回されること
になるから、水溜め室の軸線方向の幅が狭いと、水溜め
室内の油全体が水溜め室の内壁に連れ回されて、汚水と
の分離作用が減退する。したがって、水溜め室がハウジ
ングとともに回動する場合に、水溜め室内に充填された
油のがほぼ静止した油層を維持し得るに十分な容積およ
び形状を水溜め室が備えていることにより、油と水の分
離を確実に行なうことができる。
【0027】さらに、水溜め室内の油が水溜め室の内壁
に連れ回されると、水溜め室内に侵入した汚水に接触す
ることによって混濁し、早期に劣化するが、その場合で
も、その混濁した油は混濁しない油よりも比重が大きい
ために、水溜め室の容積が十分大きければ、水溜め室の
内部では、上層には、軸受から押し出されたばかりの比
較的劣化の少ない廃油、中間層には混濁して劣化の進ん
だ廃油、下層には汚水との三種類の液に分離することに
なり、廃油が排出路から押し出される場合であっても、
劣化の進んだ廃油から先に排出されるから、劣化の進ん
だ廃油を水溜め室内に停滞させることがなくなり、軸受
内の潤滑油の更新が極めて適切に行なわれる利点があ
る。
【0028】さらに、従来より水中軸受は一般に滑り軸
受が用いられてきたが、本発明の水封装置を付加するこ
とによって初めて、転がり軸受を用いても、長期の寿命
を維持できるようになった。このことは、重いチェーン
や掻寄具を引き摺り回して運行させている沈砂掻揚機や
汚泥掻寄機のように、大きな負荷がかかる多数の軸受を
備えた機械において、転がり軸受を用いて回転抵抗を極
めて小さくすることができることになるから、運行動力
を著しく低減することができ、省エネを達成できるとい
う付加効果もある。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0030】図1は、本発明による水中軸受の第1の実
施の形態を示す断面図、図2は図1のA−A線に沿った
断面図である。
【0031】本実施の形態の水中軸受は、図4に示され
た従来の水中軸受と同様の用途に用いられるもので、水
中軸受自体は同様の構成を有するから、図4の水中軸受
と共通する部材には同一符号を付して示してある。
【0032】この水中軸受においても、図示しないエン
ドレスチェーンが巻掛けられたスプロケット(被駆動ス
プロケット)1のボス部である円筒状ハウジングHの内
周に軸受2が嵌装固定され、ハウジングHを回転自在に
軸支するほぼ水平に延びる軸(固定軸)3の外周面には
スリーブ4が圧入され、このスリーブ4上に、ハウジン
グHが軸受2を介して回転自在に軸支され、さらにハウ
ジングHの両端部には、軸3と軸受2との間の間隙への
汚水の侵入を阻止するための運動部シール手段であるオ
イルシール(第1のシール手段)5,5がシール押さえ
23に支持されて軸受2の両端に接して装着されてい
る。
【0033】ハウジングHの両端部の外周面には、スリ
ーブ4を貫通させる軸孔を備えたカップ状部材20が、
Oリング21からなる固定部シール手段を介してそれぞ
れ同軸的に嵌着されており、さらに、カップ状部材20
のスリーブ4の外周面に摺接する壁部20aの内周面に
は、Oリング22(第2のシール手段)からなる運動部
シール手段が配設されている。そして、ハウジングHの
外側面、オイルシール5(運動部シール手段)、Oリン
グ21(固定部シール手段)、スリーブ4の外周面、カ
ップ状部材20の内周面、およびOリング22(第2の
シール手段)によって、外部から隔絶された空間が水溜
め室24として形成されている。この場合、運動部シー
ル手段5,22のシール面の最も低い位置(図1に符号
イで示されている)に対して、水溜め室24の最低部
(符号ロで示されている)が低くなるように、水溜め室
24の大きさが設定されている。
【0034】水溜め室24の最低部ロは、運動部シール
手段であるOリング22(第2のシール手段)を通じて
侵入した僅かな水が水溜め室(24)の底に溜まって
も、その水面が少なくとも同じく運動部シール手段であ
るオイルシール5(第1のシール手段)のシール面の最
低位置イに到達おそれのない低さに設定される。
【0035】上記各カップ状部材20の軸線方向外側に
は、軸3におけるスプロケット1の取付け位置を決める
カラー7が配設され、各カラー7は、カップ状部材20
の端面との間に僅かな間隙25を介してボルト6によっ
てスリーブ4上に固定されている。
【0036】軸受2の内周面には、図4に示す従来の構
成と同様に、潤滑油の油溜まり8が円筒状に形成され、
この油溜まり8は、軸3に形成された軸線方向に延びる
油供給溝10に対し、スリーブ4に形成された孔9を通
じて連通している。さらに、一方のカラー7には、図示
しないポンプに通じる油供給パイプの先端が螺装される
ねじ孔である油注入口11およびこの油注入口11から
先端に通じる油注入路12を備えた油注入具13が螺着
され、油注入具13の先端が、上記油供給溝10に連通
するようにスリーブ4に形成された孔14に押圧されて
いることにより、油注入路12と油供給溝10とが連通
するとともに、油供給系への汚水の侵入を防止してい
る。
【0037】上記水溜め室24の底部には、水溜め室2
4を汚水処理池に連通させる鉛直方向に延びる排出管2
5が取り付けられている。この排出管25の上端部は、
軸3の最低部に形成された軸線方向に延びる溝26に対
し、スリーブ4に形成された孔を通じて達しており、排
出管25の孔27の上端が溝26に当接しているが、排
出管25の上端部の外周に溝26に臨む切欠け28が形
成されていることによって、排出管25の孔27が溝2
6に連通している。排出管25の孔27の下端は、図1
に符号ロで示す水溜め室24の最低部よりも若干高い位
置に開口している。
【0038】また、各カラー7の最低部には、排出路2
9を備えた排出具30が螺装されており、排出具30の
上端は、スリーブ4に形成された孔にシール手段31を
介して押圧され、排出路29と軸3の溝26とが水封状
態で連通している。排出路29の下端には、排出路29
を水面上まで延長する図示しないパイプの先端が螺装さ
れるねじ孔32が形成されている。この場合、排出管2
5の下端よりも排出具30の下端の方が低くなっている
ことが好ましい。
【0039】以上のような構成を有する水中軸受は、そ
の使用開始に先立って、油注入口11から高圧の潤滑油
が圧入され、この油は、まず油溜まり8内に入り、次い
でオイルシール5,5のリップ部を押圧して開き、水溜
め室24,24内に充填される。この場合、閉塞栓を螺
装し得る図示しないエア抜き孔を各カップ状部材20に
設けておくことが好ましい。
【0040】水溜め室24内に充填された油の一部は、
カップ状部材20がハウジングHとともに回動される際
に、油の粘性によって水溜め室24の内壁に粘着し、薄
い油膜層を形成して連れ回ることになるので、水溜め室
24内に充填された油全体が連れ回ることのないよう
に、カップ状部材20の軸線方向の寸法を大きくするこ
とにより、上記薄い油膜層の占める容積に対して水溜め
室24全体の容積が十分大きくなるように設定されてい
る。
【0041】そして、水溜め室24内に油を充填するこ
とによって、一方の運動部シール手段であるオイルシー
ル5,5が、軸受4内部の油と、水溜め室24内の油と
の境界部に介装され、他方の運動部シール手段であるO
リング22,22が、水溜め室24内の油と、汚水処理
池内の汚水との境界部に配設されていることになる。
【0042】次に、水溜め室24内に汚水が侵入した場
合の油と汚水の状態について、図2を参照して説明す
る。
【0043】Oリング22のシール面を通じて水溜め室
24内へ侵入した僅かな水は、油と水との比重の差によ
り水溜め室24の内壁面に沿って下方へ移動して、上層
の油と完全に分離して水溜め室の底に溜まる。
【0044】スプロケット1を静止させた状態におい
て、油36と完全に分離したときの汚水の水面を符号3
5で示し、例えばスプロケット1の回動に伴ってカップ
状部材20が矢印方向に回動させられると、汚水面は油
の粘性によって符号35′で示す位置まで連れ回され
る。このように汚水面がある程度傾くと、汚水の重力と
カップ状部材20の内周面の連れ回される薄い油膜層の
粘性とバランスして、それ以上は傾かなくなる。その際
に、カップ状部材20の内周面の下端部において、上記
内周面に連れ回される薄い油膜層は汚水面の下にさらに
薄い油膜38となって潜り込んでいる。上記汚水面の傾
きは、カップ状部材20の周速と油の粘度とによって変
化するが、本実施の形態のように、沈砂掻揚機や汚泥掻
揚機で使用される水中軸受は、高トルク下で比較的低速
度で運行される軸受であって、軸径も大きいから、従来
の水中軸受の各構成要素の寸法を大きくすることなく、
水溜め室24の容積を容易に確保することができ、高粘
度の油を使用することができる。
【0045】水溜め室24内に汚水が侵入した図2に示
す状態で(説明のために汚水面35が実際よりも高くな
っている)、図示しないポンプにより、逆流防止弁を備
えた分配弁を介して高圧の潤滑油を油注入口11から軸
受2内部に間欠的に注入すると、運動部シール手段であ
るオイルシール5,5のリップ部が、軸受2内の古油の
圧力に押されて開き、古油は廃油となって水溜め室24
内に押し出され、これに伴って、分離されている汚水が
排出管25から押し出されて、水溜め室24内から間欠
的に排出されることになる。すなわち、水溜め室24内
に侵入した汚水は、次々に油とともに押し出されて、オ
イルシール5,5の符号イで示すシール面の最低部に到
達する以前に排出されてしまうことになり、これによっ
て、軸3と軸受2との間の間隙への汚水の侵入を完全に
防止することができる。
【0046】また、水溜め室24内の油が水溜め室24
の内壁に連れ回されると、水溜め室内24に侵入した汚
水に接触することによって混濁し、早期に劣化するが、
その場合でも、この混濁した油は、混濁しない油よりも
比重が大きいために、水溜め室24の容積が十分大きけ
れば、上層には、軸受2内から押し出されたばかりの比
較的劣化の少ない廃油が、中間層には混濁して劣化の進
んだ廃油が、下層には汚水と三種類の液に分離すること
になり、廃油が排出路から押し出される場合であって
も、劣化の進んだ廃油から先に排出されるから、劣化の
進んだ廃油を水溜め室24内に停滞させることがなくな
り、軸受内の潤滑油の更新が極めて適切に行なわれるこ
とになる。
【0047】図3は、本発明による水中軸受の第2の実
施の形態を示す断面図である。上述した第1の実施の形
態では軸受を備えたスプロケットが固定軸に回転自在に
枢支されているのに対し、本実施の形態では、スプロケ
ット(駆動スプロケット)を固定した軸が軸受を備えた
固定ハウジングに回転自在に枢支されており、構成がよ
り簡単になっている。なお、主要部の構成は共通するの
で、図3においては、図1と対応する部材に同一符号を
付して示してある。
【0048】すなわち、ほぼ水平に延びる軸(回転軸)
3の外周面にはスリーブ4が圧入され、円筒状ハウジン
グHの内周には軸受2が嵌装固定されて、軸3をスリー
ブ4を介して回転自在に軸支している。ハウジングHの
一端には、軸受部への汚水の侵入を阻止するための運動
部シール手段であるオイルシール(第1のシール手段)
5がシール押さえ23に支持されて軸受2の一端に接し
て装着されている。
【0049】ハウジングHの一端の外周面には、スリー
ブ4を貫通させる軸孔を備えたカップ状部材20が、O
リング21からなる固定部シール手段を介して同軸的に
嵌着され、かつスリーブ4の外周面に摺接するカップ状
部材20の内周面には、Oリング(第2のシール手段)
22からなる運動部シール手段が配設されている。そし
て、ハウジングHの外側面、オイルシール5(運動部シ
ール手段)、Oリング21(固定部シール手段)、スリ
ーブ4の外周面、カップ状部材20の内周面、およびO
リング22(運動部シール手段)によって、外部から隔
絶された空間が水溜め室24として形成されている。こ
の場合も、図3に符号イで示された、運動部シール手段
5,22の最も低い位置よりも、符号ロで示された、カ
ップ状部材20の内周面の最低部が低くなるように、カ
ップ状部材20の内周面の大きさが設定されている。
【0050】上記カップ状部材20の軸線方向外側(図
3の左側)には、軸3の右方への移動を阻止するための
カラー7が配設され、このカラー7は、カップ状部材2
0の端面との間に僅かな間隙25を介してボルト6によ
ってスリーブ4上に固定されている。ハウジングHの軸
3の先端側の端面には、カバー部材40が図示しないボ
ルトによって固定され、このカバー部材40とハウジン
グHとの間にシール手段であるOリング41が介装され
ていることにより、ハウジングHの他端が水封されてい
る。
【0051】軸受2の内周面には、潤滑油の油溜まり8
が円筒状に形成されている。本実施の形態においては、
図示しないポンプに通じる油供給パイプの先端が螺装さ
れる油注入口11が、ハウジングHの油溜まり8の上部
に形成され、この油注入口11が、ハウジングHに形成
された油注入路42および軸受2に形成された孔43を
通じて油溜まり8に連通している。
【0052】水溜め室24を汚水処理池に連通させる排
出路としての排出管25は、カップ状部材20の底壁に
この底壁を貫通して垂設されている。排出管25の上端
は、図3に符号ロで示す水溜め室24の最低部よりも若
干高い位置に開口している。
【0053】本実施の形態においては、排出管25がカ
ップ状部材20の底壁に垂設けされているので、使用開
始に先立って、大気中で油が油注入口11から油溜まり
8を経由して水溜め室24内に充填されると、油がその
自重により排出管25から漏出するおそれがある。この
油の漏出を防止するために、排出管25の孔27の上端
には、油に流出抵抗を付与するべく小さい孔27aを形
成してある。
【0054】なお、本実施の形態においては、カップ状
部材20の底壁に排出管25が垂設されているが、排出
管25に代えて、単にカップ状部材20の底壁に水溜め
室24を処理池に連通させる孔を形成しただけでもよ
い。
【0055】また、本実施の形態においては、スリーブ
4を備えた軸3のみが回転するから、油の連れ回りはス
リーブ5の外周面にしか生じないので、溜め室24内に
侵入して油と分離し、下層に溜まった汚水は、図2に示
すような傾いた汚水面35′は生ぜず、静止した場合の
水平の汚水面35と同様になる。
【0056】以上のような第1および第2の実施の形態
の説明から明らかなように、本発明は、汚水と境界を接
する運動部シール手段である第2のシール手段(Oリン
グ22)のシール部から必ず侵入してくる汚水を、水溜
め室24内において油と水の比重差によって油の下層側
へ完全に分離するとともに、汚水層となる下方の層の低
い位置を排出路によって水溜め室24の外部に連通し、
油の充填された水溜め室24内にさらに油を圧入するこ
とによりその油圧によって汚水を排出路を通じて水溜め
室24の外部へ排出させ、侵入した汚水を軸受部に到達
させないようにするものである。
【0057】そして、上記排出路の排水端は、必ずしも
第2のシール手段(Oリング22)のシール面の最底部
よりも低い位置に設ける必要はなく、上記排出路の排出
端を第2のシール手段のシール面の最低部よりも高い位
置に設ける場合には、この排出路の孔を小さくして、こ
の孔を油の粘着によって塞いでやれば、排出路内からの
汚水の侵入を阻止することができ、汚水と油とが混在し
て排出される場合であっても、汚水と油とがプラグ状に
なって排出される。
【0058】したがって、図1において、ねじ孔32か
ら図示しないパイプを水面上まで延長した排出路も、小
さな孔として形成するのがよく、その排出端において排
出された油の状態を監視することによって、軸受内部の
状況を診断することができる。
【0059】さらに、上述の実施の形態では、軸受が従
来の水中軸受と同様に滑り軸受となっているが、本発明
による水封装置を用いれば、その軸受が大気中に設けら
れる軸受と同じ条件で使用可能となるから、ボールベア
リング等の転がり軸受を用いてもよいことは、当業者に
は容易に理解できるものである。
【0060】また、上述の実施の形態では、軸3と軸受
2との間の間隙に新油を圧入することによって間隙内の
古油を水溜め室24内に圧入して、水溜め室24内の汚
水を油とともに排出させているが、これに限定されるも
のではなく、水溜め室24内へ直接油を圧入する別個の
油圧入手段を設けてもよいものである。
【0061】さらに、スリーブ4を省略したり、図1の
溝26に代えて、軸3の中心部に軸端まで達する長い孔
を開け、これに栓をして、孔27と排出路29と連通さ
せるようにしてもよいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による水中軸受の第1の実施の形態の断
面図
【図2】図1のA−A線に沿った断面図
【図3】本発明による水中軸受の第2の実施の形態の断
面図
【図4】従来の水中軸受の断面図
【符号の説明】
H ハウジング 1 スプロケット 2 軸受 3 軸 4 スリーブ 5 オイルシール(第1のシール手段) 7 カラー 8 油溜まり 20 カップ状部材 22 Oリング(第2のシール手段) 24 水溜め室 25 排出管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ほぼ水平に延びる軸(3)を枢着する軸
    受(2)を内蔵したハウジング(H)と、前記軸受
    (2)の軸線方向端部に隣接して前記ハウジング(H)
    に配設された第1のシール手段(5)とを備えた水中軸
    受において、 予め油が内部に充填され、かつ最低部(ロ)が少なくと
    も前記第1のシール手段(5)のシール面の最低位置
    (イ)よりも低くなる態様で、前記ハウジング(H)の
    軸線方向端部に前記第1のシール手段(5)に隣接して
    付設された水溜め室(24)と、 該水溜め室(24)の前記第1のシール手段(5)側と
    は反対側の端壁(20a)と前記軸(3)との間に介装
    された第2のシール手段(22)と、 前記水溜め室(24)の最低部(ロ)近傍を外部に連通
    させる排出路(27,26,29)と、 前記水溜め室(24)内へ油を圧入する手段とを備え、 該油圧入手段の作動に伴い、該水溜め室(24)の底に
    溜まった水が前記排出路(27,26,29)を通じて
    排出されるように構成されていることを特徴とする水中
    軸受の水封装置。
  2. 【請求項2】 前記油圧入手段が、前記軸(3)と前記
    軸受(2)との間の間隙への新油の圧入により該間隙内
    の古油を前記第1のシール手段(5)のシール部を通じ
    て前記水溜め室(24)内へ圧入する手段よりなること
    を特徴とする請求項1記載の水中軸受の水封装置。
  3. 【請求項3】 前記軸(3)が固定され、該軸(3)
    に、前記ハウジング(H)が前記軸受(2)を介して回
    転自在に枢支されていることを特徴とする請求項1また
    は2記載の水中軸受の水封装置。
  4. 【請求項4】 前記水溜め室(24)は、該水溜め室
    (24)が前記ハウジング(H)とともに回動する場合
    に、前記水溜め室(24)内に充填されている前記油が
    ほぼ静止した油層を維持し得るに十分な容積および形状
    を有することを特徴とする請求項3記載の水中軸受の水
    封装置。
  5. 【請求項5】 前記ハウジング(H)が固定され、該ハ
    ウジング(H)の前記軸受(2)に、前記軸(3)が回
    転自在に枢支されていることを特徴とする請求項1また
    は2記載の水中軸受の水封装置。
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CN112577059A (zh) * 2020-12-11 2021-03-30 江苏斯咖图精密工具有限公司 一种刮板捞渣机用水下内导轮

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