JP2000336512A - 物品の製造方法、物品の製造装置及びハンガー - Google Patents

物品の製造方法、物品の製造装置及びハンガー

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JP2000336512A
JP2000336512A JP11150125A JP15012599A JP2000336512A JP 2000336512 A JP2000336512 A JP 2000336512A JP 11150125 A JP11150125 A JP 11150125A JP 15012599 A JP15012599 A JP 15012599A JP 2000336512 A JP2000336512 A JP 2000336512A
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Japan
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hanger
rail
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elastic plate
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JP11150125A
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English (en)
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Tamiaki Matsuzono
民章 松園
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Yamaki Co Ltd
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Yamaki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産個数の把握や仕掛かり品の把握、仕掛か
り状況の把握が容易であり、かつ製造品目の変更も容易
であって、多品種少量生産に適する被服の製造装置・製
造方法を提案する。 【解決手段】 被服製造装置1は、レール2と、ハンガ
ー3及び6個の作業ステーション5によって構成されて
いる。ハンガー3は、3本のピアノ線と弾性板材及び大
径部材によって構成されており、ピアノ線を相互にずら
した状態で重ね、重なり部分に弾性板材を装着して結束
されたものである。ハンガー3に、前見頃、後見頃、右
袖、左袖、襟の5点の部品を吊り下げる。そして最初の
作業ステーション51 で、前見頃と、後見頃を取り外
し、これらを縫製し、縫製した仕掛かり品を、上部の鉤
部材に引っかける。続いてハンガー3を押し、ハンガー
3をレール2に沿って移動させ、次の作業ステーション
2 に送る。続く作業ステーション52 では、前記した
仕掛かり品と右袖を取り出し、これらを縫合する。こう
して作業を続け、最後には部品が全て無くなり、ハンガ
ー3には仕上がった被服が残る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物品の製造装置及
び製造方法に関するものである。本発明は、特に被服等
の布帛製品の製造に適するものである。
【0002】
【従来の技術】被服等の布帛製品の製造は、多くの場
合、分業によって行われる。すなわち被服には前身頃、
後身頃、襟、袖等の部品があり、これらの部品を縫製に
より結合することによって完成品たる被服が製造される
が、例えば前身頃と後身頃を縫い合わせる工程、袖を付
ける工程、襟を付ける工程という様に工程分けが行わ
れ、これらが分業で作業される。また各部品の製造につ
いても同様であり、例えばカフスであれば、表布と裏布
を合わせて特定の辺を縫い付ける工程、他辺を縫い付け
る工程、ボタン穴を設ける工程、ボタン穴をかがる工
程、ボタンを付ける工程、飾りを付ける工程、アイロン
を当てる工程という様に工程分けがなされ、これらの作
業が分業で行われる。
【0003】分業による作業は、例えば一人の作業者が
仕掛かり品に袖を付け、袖が取り付けられた仕掛かり品
がある程度溜まると、次の作業者にその仕掛かり品を送
るという様に行われる。また袖付きの仕掛かり品をまと
めて受け取った次工程の作業者は、その仕掛かり品を手
近な位置に置き、一つ一つ取り出して襟を取り付ける。
そして襟が取り付けられた仕掛かり品がある程度溜まる
と、次の作業者にその仕掛かり品を送る。すなわち従来
技術の被服の製造は、多くの場合、複数の数の仕掛かり
品を次工程に送り、順次に完成品に仕上げてゆくもので
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、被服等の分
野においては、デザインの品種が甚だしく多い。また近
年消費者の嗜好が細分化し、一つの製品の製造個数が旧
来に比べて減少する傾向にある。すなわち被服等の分野
においても、いわゆる多品種少量生産の傾向が現れつつ
ある。これに対して、従来の製造方法は、大量生産には
適するものの、多品種少量生産には不向きである。また
従来の製造方法は、生産個数の把握や仕掛かり品の把
握、仕掛かり状況の把握が困難である。また従来の製造
方法は、人間の本質的性格も相まって、製品を必要以上
の個数に作りすぎてしまう傾向がある。
【0005】すなわち分業による場合は、工程が細かく
分割されるので、どの段階の仕掛かり品がどの程度ある
のかが把握しにくい。また各工程に要する作業時間がま
ちまちであるから、作業者の中に繁忙な者と、時間に余
裕が有る者が生じる。特に分業によって作業を行う場合
には、経験を基礎として、一つの工程にどの程度の時間
がかかるかを見積もり、作業時間が均等になるように工
程分けするが、服のデザイン等によっては正確な見積も
りが困難であり、実際の作業時間が見積もりと大きく異
なる場合も多い。そのため現実的には繁忙な作業者と暇
な作業者が生じる。このような状況が生じた場合、ライ
ン管理者は、工程の割り方を変更するか、手の開いた者
に応援させるといった適切な処置をするべきであるが、
実際上、どの工程で滞りがあるかを把握することは困難
である。そのためこの様な状況が発生しても、余程の重
症となるまで、気づかないのが現状である。
【0006】一方、人間の特性として、時間に余裕が有
る作業者は、前工程の作業者に早く仕掛かり品を送る様
に促し、前工程の作業者は、次工程の作業者が手空きに
ならない様に無理をして多くのものを作る。そのため従
来技術の製造方法では、製品を過剰に生産してしまう傾
向となる。
【0007】また従来技術の製造方法は、製造品目の変
更が困難である。例えば従来技術の製造では、身頃や袖
等を部品として服を作る製造ラインであったものを、よ
り全段階の製品たるカフス等を製造する製造ラインに変
更することが困難である。この点でも従来技術は多品種
少量生産には適さない。
【0008】そこで本発明は、従来技術の上記した問題
点に注目し、生産個数の把握や仕掛かり品の把握、仕掛
かり状況の把握が容易であり、かつ製造品目の変更も容
易であって、多品種少量生産に適する物品の製造装置・
製造方法を提案するものである。また併せて、本発明
は、多品種少量生産の製造ラインに適するハンガーを開
発するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】そして上記した課題を解
決するための請求項1に記載の発明は、レールと、レー
ルに沿って移動する複数のハンガーと、複数の作業ステ
ージを有し、前記ハンガーは複数の載置箇所を有すると
共に、全長を変更可能であることを特徴とする物品の製
造装置である。
【0010】本発明の物品の製造装置では、仕掛かり品
をハンガーに吊るして移動し、各作業ステージで仕掛か
り品に所定の作業を施す。そして本発明で採用するハン
ガーは、全長を変更することができる。そのため例えば
カフスを製造する場合の様に小さい仕掛かり品を吊るす
必要がある場合であっても、逆にカッターシャツの様に
大きな仕掛かり品を吊るす場合であっても、全長を変更
することにより単一のハンガーで対応することができ
る。
【0011】また同様の課題を解決するための請求項2
に記載の発明は、レールと、レールに沿って移動する複
数のハンガーと、複数の作業ステージを有し、前記ハン
ガーは複数の載置箇所を有すると共に、載置箇所同士の
間隔を変更可能であることを特徴とする物品の製造装置
である。
【0012】本発明の物品の製造装置についても仕掛か
り品をハンガーに吊るして移動し、各作業ステージで仕
掛かり品に所定の作業を施す。本発明で採用するハンガ
ーは、複数の載置箇所を有すると共に、載置箇所同士の
間隔を変更可能である。そのため例えばカフスを製造す
る場合の様に小さい仕掛かり品を吊るす必要がある場合
であっても、逆にカッターシャツの様に大きな仕掛かり
品を吊るす場合であっても、載置箇所の間隔を変更する
ことにより単一のハンガーで対応することができる。
【0013】また上記した発明を改良した請求項3に記
載の発明は、ハンガーは、上部に大径部を有することを
特徴とする請求項1又は2に記載の物品の製造装置であ
る。
【0014】本発明で採用するハンガーは、上部に大径
部を有する。そのため多数のハンガーをレールに吊るし
ても、ハンガー同士には適度の距離が保たれる。そのた
めハンガーに吊るした仕掛かり品が交錯せず、作業がし
易い。
【0015】さらに請求項4に記載の発明は、ハンガー
は、レールから取り外し可能であることを特徴とする請
求項1乃至3のいずれかに記載の物品の製造装置であ
る。
【0016】本発明の物品の製造装置では、ハンガーを
取り外すことができる。ここで、ハンガーの全てに仕掛
かり品を載置して装置を運転することを前提とすると、
仕掛かり品の数はハンガーの数と一致するので、現在の
仕掛かり品の数を容易に把握することができる。また各
ステージの作業の進み具合に応じてハンガーの数を増減
することができ、適切な仕掛かり量で物品の製造を行う
ことができる。
【0017】さらに請求項5に記載の発明は、ハンガー
は、二以上の剛性の線材と、線材に設けられた載置部
と、二箇所に穴が設けられた弾性板材を有し、前記線材
は重ねて配され、弾性板材を曲げた状態で二以上の線材
が弾性板材の二つの穴に挿通されていることを特徴とす
る請求項1乃至4のいずれかに記載の物品の製造装置で
ある。
【0018】本発明の物品の製造装置で採用するハンガ
ーは、二以上の剛性の線材と弾性板材によって構成さ
れ、弾性板材を曲げた状態で二以上の線材が弾性板材の
二つの穴に挿通されている。この時、弾性板材は自己の
弾性力によって元の形に復帰しようとし、穴はその中心
線が線材に対して垂直方向となる様に付勢される。その
結果、線材に垂直方向の穴の投影面積が減少し、穴によ
って線材が締めつけられる。また弾性板材が元の形に復
帰しようとする力により、穴の部位で線材にモーメント
が負荷されるが、本発明では弾性板材の二箇所に穴が設
けられており、線材は弾性板材の二つの穴に挿通されて
いるので、線材に係るモーメントは相殺される。一方、
指等で、弾性板材をさらに曲げると、穴の中心線が線材
と平行になり穴と線材との間に隙間ができる。その結
果、線材の結束が解け、線材と弾性板材との相対移動が
可能となる。
【0019】次に請求項6に記載の物品の製造装置は、
作業ステージは移動可能であることを特徴とする請求項
1乃至5のいずれかに記載の物品の製造装置である。
【0020】本発明の物品の製造装置では、作業ステー
ジが移動可能であるため、製造品種の変更に迅速に対応
することができる。
【0021】さらに請求項7に記載の発明は、請求項1
乃至6の物品の製造装置を使用し、物品を構成する複数
の部品をハンガーに載置し、作業ステージにおいてハン
ガーに載置された部品に加工を施し又は部品同士を結合
し、加工後の仕掛かり品又は完成品を再度ハンガーに載
置して次のステージに送ることを特徴とする物品の製造
方法である。
【0022】本発明の物品の製造方法では、物品を構成
する複数の部品をハンガーに載置している。そのため作
業者は、一々部品を取りにゆく必要がない。また部品が
ハンガーに取り付けられているので、作業者が交代した
場合や、他者の応援を仰ぐ場合に部品の位置を指示する
必要が無い。
【0023】また同様の課題を解決するための請求項8
に記載の発明は、単線のレールと、レールに沿って移動
する複数のハンガーと、複数の作業ステージを有する製
造装置を使用し、物品を構成する複数の部品をハンガー
に載置し、作業ステージにおいてハンガーに載置された
部品に加工を施し又は部品同士を結合し、加工後の仕掛
かり品又は完成品を再度ハンガーに載置して次のステー
ジに送ることを特徴とする物品の製造方法である。
【0024】本発明の物品の製造方法では、単線のレー
ルを使用する。そのため仕掛かり品は、必ず先に投入し
たものから加工が行われる。そのため製造品目の切り替
え時に、異なる製品が混ざり込むことはない。また本発
明の物品の製造方法においても、物品を構成する複数の
部品をハンガーに載置している。そのため作業者は、一
々部品を取りにゆく必要がない。また部品がハンガーに
取り付けられているので、作業者が交代した場合や、他
者の応援を仰ぐ場合に部品の位置を指示する必要が無
い。
【0025】またハンガーに関する請求項9に記載の発
明は、二以上の剛性の線材と、線材に設けられた載置部
と、二箇所に穴が設けられた弾性板材を有し、前記線材
は重ねて配され、弾性板材を曲げた状態で二以上の線材
が弾性板材の二つの穴に総通されていることを特徴とす
るハンガーである。
【0026】本発明のハンガーは、二以上の剛性の線材
と弾性板材によって構成され、弾性板材を曲げた状態で
二以上の線材が弾性板材の二つの穴に挿通されている。
この時、弾性板材は自己の弾性力によって元の形に復帰
しようとして穴が線材を締めつける。また弾性板材が元
の形に復帰しようとする力により、穴の部位で線材にモ
ーメントが負荷されるが、本発明では弾性板材の二箇所
に穴が設けられており、線材は弾性板材の二つの穴に挿
通されているので、線材に係るモーメントは相殺され
る。
【0027】さらに請求項10に記載の発明は、上部に
大径部を有することを特徴とする請求項9に記載のハン
ガーである。
【0028】
【発明の実施の形態】以下さらに本発明の実施形態につ
いて説明する。図1は、本発明の実施形態の被服製造装
置の全体斜視図である。図2は、図1の被服製造装置で
使用するレールの断面図である。図3は、図1の被服製
造装置で使用するハンガーの斜視図である。図4は、図
1の被服製造装置で使用するハンガーの要部斜視図であ
る。図5は、図3のハンガーの弾性板材部分の断面図で
ある。図6は、弾性板材の正面図及び側面図である。図
7は、図3のハンガーに部品又は仕掛かり品を吊り下げ
た状態を示す斜視図である。図8は、ハンガーに対する
他の吊り下げ方法を示す説明図である。図9は、本発明
の被服製造装置の使用方法を示す説明図である。
【0029】本実施形態の被服製造装置1は、レール2
と、ハンガー3及び6個の作業ステーション5によって
構成されている。順次説明すると、レール2は、公知の
吊り戸レールやカーテンレールと同様の構造であり、例
えば軽量C型鋼の様な断面形状が「C」形の部材であ
り、図2の様に開口部分6を下に向けて配設したもので
ある。本実施形態では、レール2は、平面視で概ね
「コ」の字状に配設されている。またレール2は単線で
ある。
【0030】レール2には、図の様にハンガー3を吊り
下げるための駒部材7が配されている。駒部材7は、走
行用のコロ8を持ち、当該コロ8がレール2の内側の水
平部分と当接する。そしてコロ8によってリング状のつ
り下げ具9を支持し、吊り下げ具9をレール2の開口6
から垂下する。
【0031】ハンガー3は、図3の様に、3本のピアノ
線10,11,12と弾性板材13,15及び大径部材
16によって構成されている。ピアノ線10,11,1
2は、いずれも線径が2〜5mm程度のものであり、曲
げ及び引っ張りに対して相当の剛性を持つものである。
なお本実施形態では、相当の剛性を持つ線材の代表例と
してピアノ線を採用したが、相当の剛性を発揮できる線
材でありば、材質に限定はない。
【0032】3本のピアノ線10,11,12の内、最
も上部に位置するピアノ線10は、一端にフック部20
が設けられている。すなわちピアノ線10の一端は、円
形に曲げられている。
【0033】中間部に位置するピアノ線11は、他の二
つに比べて全長が短いものである。より具体的には、ピ
アノ線11の全長は、他のピアノ線10,12の1/5
〜1/3である。ピアノ線11は、両端部が折り曲げら
れて鉤部(載置箇所)50,51が形成される。当該鉤
部(載置箇所)50,51の角度は約30°である。ま
た一方の鉤部50には、ビニール等の樹脂チューブ52
が被せられている。
【0034】もう一つのピアノ線12は、一端が「コ」
の字状に折り曲げられて鉤部(載置箇所)21が設けら
れている。すなわちピアノ線12は一端が二段階に曲げ
られている。具体的には、ピアノ線12の先端側は、本
体部分に対して垂直方向に曲げられ、さらにその先端部
は、垂直部分に対して60°に折り返されている。従っ
て、ピアノ線11,12の最先端部分は、本体に対して
約30度の傾斜を持つ。ピアノ線12に設けられた鉤部
21にも、ビニール等の樹脂チューブ53が被せられて
いる。
【0035】弾性板材13,15は、図6の様にバネ鋼
で作られた短冊状の板であり、厚さは概ね1mmであ
る。弾性板材13,15には、中心軸線上に二個の穴2
2,23が設けられている。穴22,23の形状は、い
ずれも楕円形である。弾性板材13,15の短辺には、
いずれも折り返し部53が設けられている。折り返し部
53は、当該部分を厚くして、全体を摘みやすくするこ
とを意図したものである。
【0036】大径部材16は、木又は合成樹脂で作られ
たものであり、円柱状をしていて、中心に貫通穴が設け
られている。大径部材16の形状は、特に限定はなく、
四角柱等の角柱状や角錐状であっても良いが、機能上、
曲面を基調とした形状であることが望ましく、円柱、
球、樽形のいずれかの形状を採用することが望ましい。
【0037】次にハンガー3の各部材の組立構造につい
て説明する。ハンガー3は、前記したピアノ線10,1
1,12を弾性部材13,15で結束し、さらに大径部
材16が挿通されたものである。すなわち上下のピアノ
線10、12が相互にずらした状態で重ねられ、重なり
部分に弾性板材13が装着され、ピアノ線10、12が
弾性板材13によって結束されている。またピアノ線1
2と中間部のピアノ線11が重ねられ、重なり部分に弾
性板材15が装着され、ピアノ線12,11が弾性板材
15によって結束されている。
【0038】ピアノ線10,11,12と弾性部材1
3,15との関係は、図4,5の通りである。すなわち
弾性板材13,15には、一対の穴22,23が設けら
れており、弾性板材13,15を円弧状に曲げて、穴2
2,23同士を直線上に位置させ、穴22,23の双方
にピアノ線10,11又はピアノ線11,12の重なり
部分を挿通している。より具体的には、図3の上部にあ
る弾性板材13の二つの穴22,23には、ピアノ線1
0,11が共に挿通されている。また下部にある弾性板
材15の二つの穴22,23には、ピアノ線11,12
が共に挿通されている。
【0039】ここで弾性板材13,15は通常の状態で
は平板状であるから、その弾性力により平板状に戻ろう
とする。そのため穴22,23は、図5の様にピアノ線
10,11,12の軸線に対して傾斜方向に付勢され、
ピアノ線10,11及びピアノ線11,12を互いに押
しつける。またピアノ線10,11,12は、穴22,
23からモーメントを受けるが、弾性板材13,15に
は、二つの穴22,23が設けられているので、モーメ
ントは相殺される。
【0040】大径部材16は、中心の貫通穴にピアノ線
10が挿通されている。そして大径部材16の下面に
は、ピアノ線12の先端部が当接している。そのため大
径部材16は、落下することなく、ハンガー3の上部で
停止している。
【0041】本実施形態のハンガー2は、全長及び鉤部
21同士の距離を変更することができる。すなわち図5
の二点鎖線で示した様に、弾性板材13,15を指で摘
んで、より「く」の字状に変形させると、穴22,23
の平面がピアノ線10,11又はピアノ線11,12に
対して垂直となり、ピアノ線10,11,12と穴2
2,23との間に隙間ができる。この状態では、ピアノ
線10,11,12の結束は解け、ピアノ線10,1
1,12は相互に移動することができる。従って弾性板
材13をより「く」の字状に変形させ、ピアノ線10,
12の重なり部分の長さを調節すると、ハンガー2は、
全長が変化する。また弾性板材15をより「く」の字状
に変形させ、ピアノ線11に対するピアノ線12の位置
を変更することにより、ピアノ線12の鉤部(載置箇
所)50,51と、ピアノ線12の鉤部(載置箇所)2
1の間隔が変化する。
【0042】なお、本実施形態では、ハンガー3は、3
本のピアノ線10,11,12を重ねたものを例示した
が、4本又はそれ以上のピアノ線10,11,12を重
ねたものであってもよい。また弾性板材13,15には
3以上の穴が設けられていてもよい。弾性板材には3以
上の穴を設けた構成を採用する場合には、弾性板材は波
形に変形することとなる。
【0043】本実施形態の被服製造装置1では、レール
2に設けられた駒部材7の吊り下げ具9に、ハンガー3
のフック部20が係合され、ハンガー3はレール2から
垂下される。なおハンガー3の取付けは、前記した様
に、単にフック部20を吊り下げ具9に係合するだけで
あるから、ハンガー3の取付け・取り外しは容易であ
る。
【0044】ハンガー3は、レール2に沿って手動で走
行されるが、本実施形態では、レール2が単線であるた
め、ハンガー3は順番に送られ、追い越しはできない。
【0045】ハンガー2には、仕掛かり品及び部品がつ
り下げられる。ハンガー2へのつり下げ方法は任意であ
り、鉤部21,50,51に直接部品等を引っかけても
良く、また他の部材を介して部品等を吊り下げても良
い。
【0046】図7は、下側の鉤部21に洗濯バザミ状の
保持部材30を取り付け、保持部材で部品31を挟んだ
例を示す。また鉤部50には、直接的に仕掛かり品33
が引っかけられている。これに対して、図8は、ピアノ
線11,12の間に仕掛かり品33を挟んだ例を示すも
のである。
【0047】作業ステーション5は、具体的にはミシン
台、アイロン台等である。そして特記するべきは、本実
施形態の被服製造装置1では、作業ステーション4に図
9の様にコロ35が取り付けられており、自由に移動が
可能である点である。
【0048】次に、被服製造装置1の使用方法について
説明する。被服製造装置1を使用する際には、最初にハ
ンガー3に、一つの製品を構成する部品の全てを載置す
る。例えば被服製造装置1で服の縫製を行う場合であれ
ば、図9の様に最初ハンガー3に、前見頃40、後見頃
41、右袖42、左袖43、襟44の5点の部品を吊り
下げる。これらの部品は、例えば下側の鉤部材21に引
っかける。
【0049】そして最初の作業ステーション51 では、
例えば前見頃40と、後見頃41を取り外し、これらを
縫製する。縫製した仕掛かり品46は、上部の鉤部材2
1に引っかける。続いてハンガー3を押し、ハンガー3
をレール2に沿って移動させ、次の作業ステーション5
2 に送る。ハンガー3を移動させる際、前方にハンガヘ
ー3が溜まっている場合には、ハンガー3をもって先の
ハンガー3を押すこととなるが、本実施形態で採用する
ハンガー3は、大径部材16が設けられているので、ハ
ンガー3同士が交錯することは少ない。
【0050】続く作業ステーション52 では、前記した
仕掛かり品46と右袖42を取り出し、これらを縫合す
る。そして仕掛かり品を再度上部の鉤部材21に戻し、
ハンガー3を押し、ハンガー3をレール2に沿って移動
させ、次の作業ステーションに送る。こうして作業を続
け、最後には部品が全て無くなり、ハンガー3には仕上
がった被服が残る。
【0051】本実施形態の被服製造装置1では、レール
2は単線であり、仕掛かり品は一個づつ次工程に送られ
る。そのため作業の滞り状態や仕掛かり量等が一目して
把握できる。例えば、一つの工程が早期に終了し、次の
工程に相当の時間を要している場合は、当該作業ステー
ションの所でハンガー3が数多く止まるので、一目して
当該工程に時間がかかることが分かる。その場合は、例
えばその工程をさらに細分化し、作業ステーションを入
替えて作業者を投入する。その結果、全体としてスムー
ズに作業が進むこととなる。逆に予想以上に簡単な工程
が続く場合は、複数の工程を統合して一つのステーショ
ンで行う。
【0052】また被服を製造した後にカフスを製造する
場合には、ハンガー3の全長を縮め、カフスの部品に合
ったハンガー3の長さに調節してハンガー3に部品を載
置する。そして作業ステーション5も適当に配置替えを
する。本実施形態の被服製造装置1では、ハンガー3の
全長や、鉤部材21の間隔を容易に変更することがで
き、また作業ステーション5にはコロ35が設けられて
いて容易に移動が可能であるから、製造品目の変更に容
易に対応することができる。
【0053】さらに製造量の調整は、ハンガー3数を増
減することによって調節することもできる。
【0054】
【発明の効果】請求項1及び2に記載の物品の製造装置
は、仕掛かり品をハンガーに吊るして移動し、各作業ス
テージで仕掛かり品に所定の作業を施す。そして請求項
1に記載の物品の製造装置では、ハンガーの全長を変更
することができ、請求項1に記載の物品の製造装置では
載置箇所同士の間隔を変更可能である。そのため請求項
1,2に記載の発明は、製造物の大小に係わらず、単一
の装置で被服等を製造することができる効果がある。
【0055】また請求項3の物品の製造装置及び請求項
10に記載のハンガーでは、ハンガーの上部に大径部が
設けられているので、多数のハンガーをレールに吊るし
ても、ハンガー同士は適度の距離が保たれる。そのため
ハンガーに吊るした仕掛かり品が交錯せず、作業がし易
いという効果がある。
【0056】さらに請求項4に記載の物品の製造装置で
は、ハンガーを取り外すことができるので、現在の仕掛
かり品の数を容易に把握することができる効果がある。
【0057】さらに請求項5に物品の製造装置で採用す
るハンガー及び請求項9に記載のハンガーの発明は、簡
単な素材を活用し、単純な構成でありながらハンガーの
全長や載置箇所同士の間隔を変更が容易であり、製造ラ
インの物品搬送ハンガーとして好適である。
【0058】請求項6に記載の物品の製造装置は、作業
ステージが移動可能であるため、製造品種の変更に迅速
に対応することができる効果がある。
【0059】さらに請求項7に記載の物品の製造方法
は、物品を構成する複数の部品をハンガーに載置してい
る。そのため作業者は、一々部品を取りに行く必要がな
い。また部品がハンガーに取り付けられているので、作
業者が交代した場合や、他者の応援を仰ぐ場合に部品の
位置を指示する必要が無い。また本発明の物品の製造方
法は、生産個数の把握や仕掛かり品の把握、仕掛かり状
況の把握が容易であり、かつ製造品目の変更も容易であ
るという効果がある。
【0060】請求項8に記載の物品の製造方法はでは、
単線のレールを使用するため仕掛かり品は、必ず先に投
入したものから加工が行われる。そのため製造品目の切
り替え時に、異なる製品が混在することはがない。本発
明の物品の製造方法においても、生産個数の把握や仕掛
かり品の把握、仕掛かり状況の把握が容易であり、かつ
製造品目の変更も容易であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の被服製造装置の全体斜視図
である。
【図2】図1の被服製造装置で使用するレールの断面図
である。
【図3】図1の被服製造装置で使用するハンガーの斜視
図である。
【図4】図1の被服製造装置で使用するハンガーの要部
斜視図である。
【図5】図3のハンガーの弾性板材部分の断面図であ
る。
【図6】弾性板材の正面図及び側面図である。
【図7】図3のハンガーに部品又は仕掛かり品を吊り下
げた状態を示す斜視図である。
【図8】ハンガーに対する他の吊り下げ方法を示す説明
図である。
【図9】本発明の被服製造装置の使用方法を示す説明図
である。
【符号の説明】
1 被服製造装置 2 レール 3 ハンガー 10,11,12 ピアノ線 13,15 弾性板材 21 鉤部(載置箇所) 50,51 鉤部(載置箇所) 22,23 穴 46 仕掛かり品

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レールと、レールに沿って移動する複数
    のハンガーと、複数の作業ステージを有し、前記ハンガ
    ーは複数の載置箇所を有すると共に、全長を変更可能で
    あることを特徴とする物品の製造装置。
  2. 【請求項2】 レールと、レールに沿って移動する複数
    のハンガーと、複数の作業ステージを有し、前記ハンガ
    ーは複数の載置箇所を有すると共に、載置箇所同士の間
    隔を変更可能であることを特徴とする物品の製造装置。
  3. 【請求項3】 ハンガーは、上部に大径部を有すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の物品の製造装置。
  4. 【請求項4】 ハンガーは、レールから取り外し可能で
    あることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載
    の物品の製造装置。
  5. 【請求項5】 ハンガーは、二以上の剛性の線材と、線
    材に設けられた載置部と、二箇所に穴が設けられた弾性
    板材を有し、前記線材は重ねて配され、弾性板材を曲げ
    た状態で二以上の線材が弾性板材の二つの穴に挿通され
    ていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記
    載の物品の製造装置。
  6. 【請求項6】 作業ステージは移動可能であることを特
    徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の物品の製造
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6の物品の製造装置を使用
    し、物品を構成する複数の部品をハンガーに載置し、作
    業ステージにおいてハンガーに載置された部品に加工を
    施し又は部品同士を結合し、加工後の仕掛かり品又は完
    成品を再度ハンガーに載置して次のステージに送ること
    を特徴とする物品の製造方法。
  8. 【請求項8】 単線のレールと、レールに沿って移動す
    る複数のハンガーと、複数の作業ステージを有する製造
    装置を使用し、物品を構成する複数の部品をハンガーに
    載置し、作業ステージにおいてハンガーに載置された部
    品に加工を施し又は部品同士を結合し、加工後の仕掛か
    り品又は完成品を再度ハンガーに載置して次のステージ
    に送ることを特徴とする物品の製造方法。
  9. 【請求項9】 二以上の剛性の線材と、線材に設けられ
    た載置部と、二箇所に穴が設けられた弾性板材を有し、
    前記線材は重ねて配され、弾性板材を曲げた状態で二以
    上の線材が弾性板材の二つの穴に総通されていることを
    特徴とするハンガー。
  10. 【請求項10】 上部に大径部を有することを特徴とす
    る請求項9に記載のハンガー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102273756A (zh) * 2011-08-31 2011-12-14 南通泰慕士服装有限公司 服装流水线以及其实现服装流水生产高效运行的方法

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CN102273756A (zh) * 2011-08-31 2011-12-14 南通泰慕士服装有限公司 服装流水线以及其实现服装流水生产高效运行的方法
CN102273756B (zh) * 2011-08-31 2013-08-14 南通泰慕士服装有限公司 服装流水线以及其实现服装流水生产高效运行的方法

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