JP2000336205A - 異形押出成形用樹脂組成物および異形押出成形体 - Google Patents

異形押出成形用樹脂組成物および異形押出成形体

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JP2000336205A
JP2000336205A JP11153315A JP15331599A JP2000336205A JP 2000336205 A JP2000336205 A JP 2000336205A JP 11153315 A JP11153315 A JP 11153315A JP 15331599 A JP15331599 A JP 15331599A JP 2000336205 A JP2000336205 A JP 2000336205A
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unsaturated carboxylic
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carboxylic acid
ethylene
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JP11153315A
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Isao Wada
功 和田
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Grand Polymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異形押出成形時のドローダウン性
が防止され、かつ外観良好な成形体の製造に適した樹脂
組成物を提供すること。 【解決手段】 溶融動的粘弾性測定装置を用いて
測定した貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”との比(G’
/G”)が、角速度0.01(rad/s)の時に1.
0以上であって、かつ角速度10〜50(rad/s)
の時に1.5以上を示す、異形押出成形用の樹脂組成物
である。特に、その組成物は、ポリプロピレン樹脂10
〜49重量部および小麦粉51〜90重量部とから構成
され、前記の粘弾性特性を有することが好ましく、さら
に、その組成物100重量部に対して、不飽和カルボン
酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体を0.1〜1
0重量部配合すると一層異形押出性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異形押出特性に優
れた樹脂組成物、およびそれから製造した異形押出成形
体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリプロピレン樹脂からパイプ、
ロッド、チャンネル等のような異形押出成形体が製造さ
れていた。しかし、成形体の剛性をさらに高め同時にコ
ストをより低くするために、充填剤を含むポリプロピレ
ン樹脂を異形押出成形する技術開発が要望されている
が、ポリプロピレン樹脂と充填剤との相溶性が一般的に
は良好でないので、充填剤の種類が制限されたり、その
配合量が多くできず、また成形時に押出物のドローダウ
ンが生じたり、あるいは押出成形体の外観が良好でない
との現象が起こっていた。
【0003】一方、資源のリサイクル化が現在産業界に
強く求められている。食品産業で多量に生産されている
小麦粉の場合、その精製の粉砕工程で「ふすま」あるい
は「末子」と呼ばれる微粉が発生し、その微粉を単に焼却
処分するのではなく、ポリプロピレン樹脂のようなプラ
スチックの充填剤として利用する方法が考えられ始め
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、異形
押出時のドローダウン性が防止され、かつ外観良好な成
形体の製造に適した樹脂組成物、およびその成形体の提
供を目的とする。特に本発明は、ポリプロピレンと小麦
粉とからなる組成物を用いて、異形押出成形時のドロー
ダウン性が改良され、かつ外観良好な異形成形体の提供
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、溶融
動的粘弾性測定装置を用いて測定した貯蔵弾性率(P
a)G’と損失弾性率(Pa)G”との比(G’/
G”)が、角速度0.01(rad/s)の時に1.0
以上であって、かつ角速度10〜50(rad/s)の
時に1.5以上を示す異形押出成形用樹脂組成物に関す
る。
【0006】この樹脂組成物は、好ましくは、ポリプロ
ピレン樹脂10〜49重量部および小麦粉51〜90重
量部とから構成されていることが望ましく、さらに、ポ
リプロピレン樹脂および小麦粉とからなる組成物100
重量部に対して、不飽和カルボン酸変性エチレン・α−
オレフィン共重合体を0.1〜10重量部配合されてい
ることが一層望ましい。
【0007】前記の不飽和カルボン酸変性エチレン・α
−オレフィン共重合体としては、エチレン70〜90モ
ル%およびα−オレフィン10〜30モル%を含む、エ
チレン・プロピレン共重合体やエチレン・1−ブテン共
重合体のような重合体にマレイン酸や無水マレイン酸の
ような不飽和カルボン酸が0.1〜1.5モル%グラフ
ト共重合した変性体であることが好ましい。
【0008】また本発明は、前記の樹脂組成物から製造
した異形押出成形体に関するものである。
【0009】
【発明の具体的な説明】粘 弾 性 特 性 本発明に係わる異形押出成形用樹脂組成物は、溶融動的
粘弾性測定装置を用いて測定した貯蔵弾性率(Pa)
G’と損失弾性率(Pa)G”との比 (G’/G”)
が、角速度0.01(rad/s)の時に1.0以上で
あって、かつ角速度10〜50(rad/s)の時に
1.5以上を示す粘弾性特性を有している。
【0010】ここで、G’とG”の測定は、樹脂組成物
を溶融粘弾性測定装置、例えば回転式レオメーターを用
いて、測定温度を変えながら、周波数すなわち角速度を
変えて行われる。その後、時間−温度換算則に従って、
基準温度よりも低温側のデータを短時間側へ、基準温度
よりも高温側のデータを長時間側へと時間軸に沿ってず
らせ、その結果、マスターカーブと呼ばれる長時間範囲
に亘るG’、G”の変化を示す曲線を描く。その曲線か
らG’とG”との比( G’/G”)が算出される。
【0011】図1〜4は、後述する実施例および比較例
において、170〜185℃の温度範囲で角速度を変え
ながらG’(弾性項)、G”(粘性項)および粘度η*
(複素粘度)を測定し、その結果からG’、G”および
η*を縦軸にプロットし、角速度を横軸にプロットし、
両者の関係をグラフ化したマスターカーブを示してい
る。これらの図には、角速度の増加に伴ってG’および
G”とが徐々に上昇し、逆にη*が徐々に低下する傾向
が示されている。高い角速度側で、G’/G”が大きい
値を示すと、サイジン装置内での樹脂組成物の粘着性が
減少し、押出成形物の表面が平滑となり、良好な外観が
得られることを示している。
【0012】図2および図4の低角速度側のカーブを一
部拡大した図が、図5および図6である。低い角速度側
において、本発明に係わる樹脂組成物を用いた実施例2
のG’、G”およびη*のデータを示す図5にはバラツ
キが見られず、一方本発明とは異なる樹脂組成物を用い
た比較例1の各データを示す図6にはバラツキが明瞭に
見られる。このように、低角速度側でのデータにバラツ
キがなく、1本のカーブ上に乗っていることは、組成物
の相溶性の良さを示すものであり、データにバラツキが
あって、1本のカーブの上に乗ってこないことは、組成
物の相溶性不良を示すものである。
【0013】G’/G”が、前記した範囲にある樹脂組
成物は、異形押出成形時に、ダイとサイジング装置との
間で押出物がドローダウンを起こしにくくなっており、
また同時に製造されてきた押出成形体は、その外表面に
毛羽立ちや鮫肌がほとんどみられない良好な外観が得ら
れる。従って、異形押出時にドローダウンを起こさない
と言う成形面からの要請と、外観良好と言う商品として
の強い要求が同時に満たされることから、このような粘
弾性特性を有する樹脂組成物は異形押出成形体の製造に
好適である。
【0014】ポリプロピレン樹脂 本発明に使用できるポリプロピレン樹脂は、プロピレン
の単独重合体であっても、あるいはプロピレンと他のα
−オレフィンとのランダムまたはブロック共重合体であ
ってもよい。他のα−オレフィンの例としては、エチレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メ
チル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−
ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等を挙げることが
できる。ランダム共重合体とする場合には、α−オレフ
ィン含量が0.1〜5重量%、ブロック共重合体とする
場合には、α−オレフィン含量が6〜15重量%である
ことが望ましい。このようなポリプロピレン樹脂は、オ
レフィンの立体規則性重合触媒の存在下に、プロピレ
ン、必要に応じての他のα−オレフィンを共存させて重
合することによって、製造することができる。
【0015】目的とする異形押出成形体に求められる物
性によって、使用するポリプロピレン樹脂の種類が適宜
選択される。一般的な異形押出成形体を製造する場合に
は、プロピレンの単独重合体またはランダム共重合体が
使用されるが、耐衝撃性等の高い機械的強度を要する成
形体の場合には、エチレン−プロピレンブロック共重合
体の使用が好ましい。
【0016】エチレン−プロピレンブロック共重合体
は、ポリプロピレンセグメントとエチレン・プロピレン
共重合体セグメントとから基本的に構成された重合体で
あって、必要に応じてさらにポリエチレンセグメントが
共存していてもよい。ポリプロピレンセグメントは結晶
性であって、主にブロック共重合体の剛性等の機械的強
度付与に寄与し、エチレン・プロピレン共重合体セグメ
ントはゴム的な性質を有しているので、耐衝撃性の付与
に寄与している。
【0017】ブロック共重合体中に占めるポリプロピレ
ンセグメントは、80〜99、好ましくは82〜88重
量%であって、エチレン・プロピレン共重合体セグメン
トは1〜20、好ましくは12〜18重量%であって、
この範囲にあると樹脂組成物の諸機械的な物性向上に適
している。必要に応じて共存するポリエチレンセグメン
トは、0〜20重量%の範囲が好ましい。
【0018】また、プロピレン重合体のメルトフローレ
ート(MFR)は、ASTM D−1238に準拠して
230℃、2.16kg荷重下で測定した値が、0.1
〜15、好ましくは0.5〜10(g/10分)である
ことが望ましく、この範囲にあると押出成形性に優れる
と共に、高い機械的強度を有した樹脂組成物および押出
成形体が得られる。
【0019】樹 脂 組 成 物 本発明に係わる樹脂組成物は、前記の粘弾性特性を満足
している限りいかなる樹脂、例えばポリオレフィン樹
脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂等を含む組成物
でもよい。
【0020】中でも、ポリプロピレン樹脂と小麦粉とか
らなる樹脂組成物が好適に挙げられる。特に、ポリプロ
ピレン樹脂10〜49、好ましくは15〜40重量部、
および小麦粉51〜90、好ましくは60〜85重量部
とから構成され、小麦粉の占める割合が高い組成物が望
ましい。この組成割合の範囲内であると、異形押出成形
時に押出物のドローダウンが避けられ、外観良好な成形
体を得ることができる。
【0021】ここで、ポリプロピレン樹脂は、既に詳述
したポリプロピレンの中から適宜選択して使用される。
また使用される小麦粉は、もちろん精製された小麦粉で
あってもよいが、使用目的が充填剤としての用途であ
り、かつまた資源リサイクルの観点から、その精製の粉
砕工程で発生する「ふすま」あるいは「末子」と呼ばれる
微粉を用いることが適している。
【0022】より好ましい樹脂組成物は、前記したポリ
プロピレン樹脂および小麦粉とからなる組成物に、さら
に不飽和カルボン酸変性エチレン・α−オレフィン共重
合体を両者の相溶性改良剤として配合した組成物であ
る。例えば、ポリプロピレン樹脂および小麦粉とからな
る組成物100重量部に対して、不飽和カルボン酸変性
エチレン・α−オレフィン共重合体を0.1〜10、好
ましくは0.5〜9重量部配合して形成される樹脂組成
物である。不飽和カルボン酸変性エチレン・α−オレフ
ィン共重合体を前記の範囲内で加えると、高濃度の小麦
粉を使用しても、ポリプロピレン樹脂との均一混合が可
能となり、容易に大きさの揃ったペレットへと造粒する
ことができ、異形押出時の可塑化安定に寄与する。
【0023】ここで不飽和カルボン酸変性エチレン・α
−オレフィン共重合体は、エチレン・α−オレフィン共
重合体へ不飽和カルボン酸をグラフト共重合した変性体
である。この変性体は、幹ポリマーとなるエチレン・α
−オレフィン共重合体の存在下に不飽和カルボン酸また
はその誘導体を重合させることによって製造することが
できる。この際、有機または無機の過酸化物のようなラ
ジカル開始剤を共存させることにより、高いグラフト効
率で共重合を進行させることができ、また、この共重合
反応は溶液状態でも、あるいは溶融状態でも行うことが
できる。
【0024】変性体の幹となるエチレン・α−オレフィ
ン共重合体は、例えば、エチレン・プロピレン共重合
体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘ
キセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体等で
あって、エチレン含量が70〜90、好ましくは75〜
85モル%である。この共重合体の密度が0.85〜
0.90、好ましくは0.86〜0.89(g/c
3)、メルトフローレート(ASTM D−1238
に準拠し、230℃、2.16kg荷重下で測定)が
0.3〜5(g/10分)の範囲にあるゴム的な性質を
有するエチレン系共重合体であるとより好ましい。これ
らの中でも、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン
・1−ブテン共重合体が好適である。
【0025】ここで、グラフト共重合変性に使用される
不飽和カルボン酸としては、α,β−不飽和カルボン酸
またはその誘導体である。不飽和カルボン酸の具体例と
しては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマ
ル酸、テトラヒドロフタール酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ソルビン酸、ナジ
ック酸(エンドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−
5−エン−2,3−ジカルボン酸)などのカルボン酸を
挙げることができる。
【0026】また、α,β−不飽和カルボン酸の誘導体
としては、不飽和カルボン酸の無水物、エステル、イミ
ド、アミド、酸ハライド、エポキシド等であり、具体的
には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
グリシジルメタクリレート、無水マレイン酸、無水イタ
コン酸、無水シトラコン酸、無水ハイミック酸、塩化マ
レニル、マレイミド、マレイン酸モノメチル、マレイン
酸ジメチル、グリシジルマレエート等を挙げることがで
きる。
【0027】これら不飽和カルボン酸またはその誘導体
の中でも、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無
水マレイン酸、ナジック酸、ナジック酸無水物が好まし
く、特にアクリル酸および無水マレイン酸が好ましい。
これらの不飽和カルボン酸およびその誘導体は、1種ま
たは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0028】変性体中に占める不飽和カルボン酸または
その誘導体の含量は、0.1〜1.5、好ましくは0.
2〜1.2モル%である。本発明において変性体は、前
記の含量になるよう直接製造された変性体であっても、
あるいは不飽和カルボン酸またはその誘導体を高濃度で
含む変性体を未変性のエチレン・α−オレフィン共重合
体で希釈し、所定の不飽和カルボン酸またはその誘導体
の含量に調整した変性体であってもよい。
【0029】この樹脂組成物には、本発明の目的を損な
わない範囲内で、造核剤、フェノール系・リン系・イオ
ウ系酸化防止剤、耐熱安定剤、中和剤、耐候安定剤、光
安定剤、帯電防止剤、顔料等を適宜配合することができ
る。
【0030】異形押出成形体 これまでに説明した樹脂組成物から、押出成形法によっ
てパイプ、角パイプ、ホース、ロッド、チャンネル、I
ビーム、サッシ、雨樋等の種々の断面形状を有する異形
成形体を製造することができる。
【0031】これら成形体は、押出機先端に製品形状に
合った凹部を形成したダイを取付け、そのダイを通して
溶融ポリプロピレン樹脂組成物を連続的に押出し、その
後サイジング装置を通して押出物の形状を整え、冷却
し、引き取って製造されるが、本発明に係わる樹脂組成
物を使用すれば、押出物がドローダウンを起こすことな
く、良好な外観を持った成形体を、従来通りの装置を用
いて生産性よく製造することができる。
【0032】
【実施例】次に本発明を実施例を通して説明するが、本
発明はそれら実施例に限定されるものではない。
【0033】ここで使用したポリプロピレン樹脂、小麦
粉、変性体は、次の性状を有する製品を使用した。 (A)ポリプロピレン樹脂:プロピレン単独重合体、M
FR 2(g/10分) (B)ポリプロピレン樹脂:プロピレン単独重合体、M
FR 8(g/10分) (C)小麦粉:ふすま、平均粒子径0.5μm (D)タルク:平均粒子径0.5μm (E)変性体:エチレン含有量80モル%で、MFR
0.7(g/10分)のエチレン・プロピレン共重合体
ゴムへ無水マレイン酸を0.5モル%グラフト共重合し
た重合体。
【0034】(実施例1〜3)ポリプロピレン樹脂、小
麦粉、および変性体を表1に記載した配合割合で混合
し、組成の異なる樹脂組成物3種類を得た。
【0035】次に、この組成物について溶融動的粘弾性
測定装置である回転式レオメーターを用い、170、1
75、180、および185℃の温度で、直径12.5
mmのパラレルプレート間に樹脂組成物を挟み、10%
歪み下で下側のプレートを左右に交互に動かし、角速度
を0.01〜400(rad/s)の範囲で変え、
G’、G”および粘度η*を測定した。その結果からマ
スターカーブを作成し、図1〜3に示した。
【0036】この測定実験において、図2を一部拡大し
て示した図5から明らかなように、低い角速度領域で、
対応する温度におけるG’およびG”の測定データには
バラツキが見られず、これら組成物が均一に混合され、
小麦粉が凝集状態にないことがわかった。
【0037】また、実施例2では、低い角速度側での粘
度η*の立ち上がり、すなわち角速度が遅くなるにつれ
て粘度が上昇する現象が顕著に認められた。この現象
は、変性体の添加によって、ポリプロピレン樹脂と小麦
粉との間で化学結合が生じ、小麦粉の凝集防止に寄与し
たものと思われる。
【0038】次に、フルフライトスクリュータイプの単
軸押出機(L/t=28、φ=40mm)を用い、80
rpmで「コ」の字型の建材枠(中央主要部長さ42m
m、左右凸部長さ5mm、中央主要部肉厚15mm、左
右凸部肉厚1mm)を押出成形した。押出機ダイの前方
に約3cmの空間を設けてフリー法成形し、その後水冷
バキュームサイジング装置を通して、引き取り速度1.
5m/minで連続生産した。
【0039】その際に、ダイとサイジング装置との間で
の押出成形物のドローダウン性を観察すると共に、サイ
ジングおよび冷却後の押出成形体の表面状態を調べ、そ
の結果を表1に記した。
【0040】実施例1および2ともに押出物のドローダ
ウンは見られず、また成形体の外観も良好であった。実
施例3は、MFRの高いポリプロピレン樹脂を使用した
にも係わらず、変性体の添加によって粘度の低下が抑制
され、その結果異形押出性は比較的良好であった。
【0041】(比較例1)実施例3において、小麦粉の
代わりにタルクを使用し、実施例1と同様の操作を繰り
返し、角速度を変えてG’およびG”を測定し、マスタ
ーカーブを作成して図4に示した。図4の低角速度側を
拡大して示した図6から明らかなように、低い角速度側
でのG’およびG”のデータにバラツキが見られ、この
ことから使用した成分間での分散性が良好でないことが
わかった。
【0042】また、この配合物を用いて、実施例1と同
様にして異形押出を行ったところ、ドローダウンは起こ
らなかったが、表面に毛羽立ちや鮫肌が生じており、外
観不良であった。
【0043】(比較例2〜3)実施例3において、ポリ
プロピレン(B)および小麦粉の配合割合を表1に記載
の通りに変えた以外は、実施例3と同様の操作を繰り返
した。G’およびG”の測定結果より、G’/G”を算
出し表1に併せて記載した。また、同様に異形押出を行
ったところ、ドローダウンは見られなかったが、成形体
の外観が良好ではなかった。
【0044】
【表1】 (註1) ドローダウン性の評価は、○はドローダウン
せず、△少しドローダウンした、×はドローダウンし
た、を示す。 (註2) 外観の評価は、○は表面平滑で良好、△はや
や良好、×は毛羽立ちや鮫肌が表面に見つかり不良、を
示す。
【0045】
【発明の効果】本発明に係わる樹脂組成物は、特定の粘
弾性特性を有していることから異形押出成形に適してお
り、特にその粘弾性特性を備えたポリプロピレン樹脂に
小麦粉を高濃度に配合した樹脂組成物からは、外観良好
な異形押出成形体の製造を可能とした。またその押出成
形時にドローダウンを起こすことなく、高い連続生産性
を上げることができた。さらに、小麦粉の精製時に発生
する微粉の新しい用途が開発され、リサイクル利用にも
寄与することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で測定した、G’,G”およびη*
と角速度との関係を示すグラフである。
【図2】 実施例2で測定した、G’,G”およびη*
と角速度との関係を示すグラフである。
【図3】 実施例3で測定した、G’,G”およびη*
と角速度との関係を示すグラフである。
【図4】 比較例1で測定した、G’,G”およびη*
と角速度との関係を示すグラフである。
【図5】 図2の一部拡大図である。
【図6】 図4の一部拡大図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 3/00 23:10) (C08L 3/00 23:10 51:06) (C08L 3/00 53:00) (C08L 3/00 53:00 51:06) B29K 1:00 23:00 33:00 Fターム(参考) 4F071 AA08 AA15 AA15X AA20 AA20X AA21X AA75 AA77X AA78 AH03 BA01 BB06 BC05 BC06 BC07 4F207 AA01 AA03E AA11 AA12 AA20J AG08 AG09 AH46 AM32 KA01 KA20 KF01 KK76 4J002 AB041 BB122 BB142 BB152 BB213 BP022 4J026 AA12 BA33

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融動的粘弾性測定装置を用いて測定した
    貯蔵弾性率(Pa)G’と損失弾性率(Pa)G”との
    比(G’/G”)が、角速度0.01(rad/s)の
    時に1.0以上であって、かつ角速度10〜50(ra
    d/s)の時に1.5以上を示すことを特徴とする異形
    押出成形用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記の組成物が、ポリプロピレン樹脂10
    〜49重量部および小麦粉51〜90重量部とからなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の異形押出成形用樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】前記の組成物が、ポリプロピレン樹脂およ
    び小麦粉とからなる組成物100重量部に対して、不飽
    和カルボン酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体を
    0.1〜10重量部配合してなることを特徴とする請求
    項1または2に記載の異形押出成形用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記の不飽和カルボン酸変性エチレン・α
    −オレフィン共重合体が、エチレン70〜90モル%お
    よびα−オレフィン10〜30モル%を含むエチレン・
    α−オレフィン共重合体に不飽和カルボン酸またはその
    誘導体を0.1〜1.5モル%グラフト共重合した変性
    体であることを特徴とする請求項3に記載の異形押出成
    形用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】前記のα−オレフィンがプロピレンまたは
    1−ブテンであって、また前記の不飽和カルボン酸がマ
    レイン酸または無水マレイン酸であることを特徴とする
    請求項3または4に記載の異形押出成形用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成
    物からなることを特徴とする異形押出成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014162923A (ja) * 2013-02-21 2014-09-08 Cj Cheiljedang Corp バイオマスフィルム組成物、バイオマスフィルム、及びバイオマスフィルムの製造方法
JP2016050210A (ja) * 2014-08-28 2016-04-11 日本製紙株式会社 ふすま及び樹脂を含む成形用樹脂材料、およびその製造方法、並びにその成形用樹脂材料からなる成形物品

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