JP2000336161A - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステルの製造方法

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JP2000336161A
JP2000336161A JP11153641A JP15364199A JP2000336161A JP 2000336161 A JP2000336161 A JP 2000336161A JP 11153641 A JP11153641 A JP 11153641A JP 15364199 A JP15364199 A JP 15364199A JP 2000336161 A JP2000336161 A JP 2000336161A
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polyester
treatment
tank
water
treatment tank
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JP11153641A
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Hirotoshi Sonoda
博俊 園田
Atsushi Hara
厚 原
Yoshinao Matsui
義直 松井
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】成形時での金型汚れを発生させにくく、さらに
はボトルの透明性やキャッピングが良好となるポリエス
テルを提供する。 【達成手段】 ポリエステルチップ及び処理水を処理槽
に供給してポリエステルチップを水処理するポリエステ
ルの製造方法において、処理槽から排出された処理水の
一部を処理槽に戻すことなく、処理槽内の処理水のファ
イン量を1000ppm以下に維持しながらポリエステ
ルチップを処理することを特徴とするポリエステルの製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボトルをはじめと
して、フィルム、シート成形用などに用いられるポリエ
ステルの製造方法に関し、さらに詳しくは、成形時に金
型汚れが発生しにくく、成形品の結晶化コントロール性
に優れたポリエステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】調味料、油、飲料、化粧品、洗剤などの
容器の素材としては、充填内容物の種類およびその使用
目的に応じて種々の樹脂が採用されている。
【0003】これらのうちでポリエステルは機械的強
度、耐熱性、透明性およびガスバリヤー性に優れている
ので、特にジュース、清涼飲料、炭酸飲料などの飲料充
填用容器の素材として最適である。
【0004】このようなポリエステルは射出成形機械な
どの成形機に供給して中空成形体用プリフォームを成形
し、このプリフォームを所定形状の金型に挿入し延伸ブ
ロー成形した後ボトルの胴部を熱処理(ヒートセット)
して中空成形容器に成形され、さらには必要に応じてボ
トルの口栓部を熱処理(口栓部結晶化)させるのが一般
的である。
【0005】ところが、従来のポリエステルには、環状
三量体などのオリゴマー類が含まれており、このオリゴ
マー類が金型内面や金型のガスの排気口、排気管に付着
することによる金型汚れが発生しやすかった。
【0006】このような金型汚れは、得られるボトルの
表面肌荒れや白化の原因となる。もしボトルが白化して
しまうと、そのボトルは廃棄しなければならない。この
ため金型汚れを頻繁に除去しなければならず、ボトルの
生産性が低下してしまうという問題点があった。
【0007】これらの解決方法として、特開平10−1
14819号公報にはポリエステルを水処理する方法が
開示されている。
【0008】しかし、工業的にこの方法を行う場合で
は、処理用水として毎回新たな蒸留水を使うことはコス
ト面で不利であり、処理水を繰り返し使うことが必要で
あった。この場合、処理水に浮遊、沈殿し処理槽壁や配
管壁に付着したファインがポリエステルチップに再度付
着して、成形時での結晶化が促進され、透明性の悪いボ
トルとなり、また口栓部結晶化における口栓部の収縮量
が規定範囲におさまらないためキャッピング不良となり
内容物が漏れる問題等が生じた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
問題点を解決することにあり、成形時での金型汚れを発
生させにくく、さらにはボトルの透明性やキャッピング
が良好となるポリエステルを提供することを目的として
いる。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のポリエステルの製造方法は、ポリエステル
チップ及び処理水を処理槽に供給してポリエステルチッ
プを水処理するポリエステルの製造方法において、処理
槽から排出された処理水の一部を処理槽に戻すことな
く、処理槽内の処理水のファイン量を1000ppm以
下に維持しながらポリエステルチップを処理することを
特徴とする。
【0011】ここで、ファインとはJIS−Z−880
1による20メッシュ以下のポリエステルの微粉末を意
味し、ファイン量は処理槽の処理水の排出口からJIS
−Z−8801による20メッシュのフィルターを通過
した処理水を1000cc採取し、岩城硝子社製1G1
ガラスフィルターで濾過し、フィルター上に残った残渣
を100℃で2時間乾燥し室温下で冷却後、重量を測定
して算出する。
【0012】この場合において、ポリエステルチップの
処理槽への供給、および処理槽からの排出が継続的であ
ることができる。
【0013】この場合において、ポリエステルチップの
処理槽への供給、および処理槽からの排出が間欠的であ
ることができる。
【0014】この場合において、処理槽からのファイン
を含んだ処理水の排出と、新しい処理水の処理槽への供
給が継続的であることができる。
【0015】この場合において、処理槽からのファイン
を含んだ処理水の排出と、新しい処理水の処理槽への供
給が間欠的であることができる。
【0016】またこの場合において、ポリエステルが、
極限粘度0.55〜1.30デシリットル/グラムの主
たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートから構成さ
れるポリエステルであることができる。
【0017】かかる本発明のポリエステルの製造方法に
よれば、成形時での金型汚れを発生させにくく、またさ
らには、ボトルの透明性やキャッピングが良好となるポ
リエステルを有利に製造することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるポリエステル
は、好ましくは、主たる繰り返し単位がエチレンテレフ
タレートから構成されるポリエステルであり、さらに好
ましくはエチレンテレフタレート単位を好ましくは85
モル%以上含む線状ポリエステルであり、特に好ましい
のは、エチレンテレフタレート単位を95モル%以上含
む線状ポリエステルである。
【0019】前記ポリエステル中に共重合して使用され
るジカルボン酸としては、イソフタル酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、ジフェニール−4,4'−ジカル
ボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジ
カルボン酸及びその機能的誘導体、p−オキシ安息香
酸、オキシカプロン酸等のオキシ酸及びその機能的誘導
体、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸等
の脂肪族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、シクロヘ
キサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸及びその機
能的誘導体などが挙げられる。
【0020】前記ポリエステル中に共重合して使用され
るグリコールとしては、ジエチレングリコール、トリメ
チレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサ
ンジメタノール等の脂環族グリコール、ビスフェノール
A、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等
の芳香族グリコールなどが挙げられる。
【0021】さらに、前記ポリエステル中の多官能化合
物からなるその他の共重合成分としては、酸成分とし
て、トリメリット酸、ピロメリット酸等を挙げることが
でき、グリコール成分としてグリセリン、ペンタエリス
リトールを挙げることができる。以上の共重合成分の使
量は、ポリエステル樹脂が実質的に線状を維持する程度
でなければならない。
【0022】また本発明に用いられるポリエステル、特
に、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートから
構成されるポリエステルの極限粘度は好ましくは0.5
5〜1.30デシリットル/グラム、より好ましくは
0.60〜1.20デシリットル/グラム、さらに好ま
しくは0.65〜0.90デシリットル/グラムの範囲
である。極限粘度が0.55デシリットル/グラム未満
では、得られた成形体等の機械的特性が悪い。また、
1.30デシリットル/グラムを越える場合は、成型機
等による溶融時に樹脂温度が高くなって熱分解が激しく
なり、保香性に影響を及ぼす遊離の低分子量化合物が増
加したり、成形体が黄色に着色する等の問題が起こる。
【0023】ポリエステルのチップの形状は、シリンダ
ー型、角型、または扁平な板状等の何れでもよく、その
大きさは、縦、横、高さがそれぞれ通常1.5〜4mm
の範囲である。例えばシリンダー型の場合は、長さは
1.5〜4mm、径は1.5〜4mm程度であるのが実
用的である。
【0024】また、本発明に用いられるポリエステルの
アセトアルデヒド含量は好ましくは10ppm以下、よ
り好ましくは8ppm以下、更に好ましくは5ppm以
下、ホルムアルデヒド含量は好ましくは7ppm以下、
より好ましくは6ppm以下、更に好ましくは4ppm
以下である。本発明で用いるポリエステルのアセトアル
デヒド含有量を10ppm以下、またホルムアルデヒド
含有量を7ppm以下にする方法は特に限定されるもの
ではないが、例えば低分子量のポリエステルを減圧下ま
たは不活性ガス雰囲気下において170〜230℃の温
度で固相重合する方法を挙げることが出来る。
【0025】また、本発明に用いられるポリエステル中
のジエチレングリコール量はグリコール成分の好ましく
は1.0〜5.0モル%、より好ましくは1.3〜4.
5モル%、更に好ましくは1.5〜4.0モル%であ
る。ジエチレングリコール量が5.0モル%を越える場
合は、熱安定性が悪くなり、成型時に分子量低下が大き
くなったり、またアセトアルデヒド含量やホルムアルデ
ヒド含量の増加量が大となり好ましくない。
【0026】また、本発明に用いられるポリエステルの
環状3量体の含有量は好ましくは0.50重量%以下、
より好ましくは0.45重量%以下、さらに好ましくは
0.40重量%以下である。本発明のポリエステルから
耐熱性の中空成形体等を成形する場合は加熱金型内で熱
処理を行うが、環状3量体の含有量が0.50重量%以
上含有する場合には、加熱金型表面へのオリゴマー付着
が急激に増加し、得られた中空成形体等の透明性が非常
に悪化する。
【0027】上記のポリエステルは、従来公知の製造方
法によって製造することが出来る。即ち、テレフタール
酸とエチレングリコール及び必要により他の共重合成分
を直接反応させて水を留去しエステル化した後、減圧下
に重縮合を行う直接エステル化法、または、テレフタル
酸ジメチルとエチレングリコール及び必要により他の共
重合成分を反応させてメチルアルコールを留去しエステ
ル交換させた後、減圧下に重縮合を行うエステル交換法
により製造される。更に極限粘度を増大させ、アセトア
ルデヒド含量等を低下させる為に固相重合を行ってもよ
い。
【0028】前記溶融重縮合反応は、回分式反応装置で
行っても良いしまた連続式反応装置で行っても良い。こ
れらいずれの方式においても、溶融重縮合反応は1段階
で行っても良いし、また多段階に分けて行っても良い。
固相重合反応は、溶融重縮合反応と同様、回分式装置や
連続式装置で行うことが出来る。溶融重縮合と固相重合
は連続で行っても良いし、分割して行ってもよい。
【0029】直接エステル化法による場合は、重縮合触
媒としてGe、Sb、Tiの化合物が用いられるが、特
にGe化合物が好都合である。Ge化合物としては、無
定形二酸化ゲルマニウム、結晶性二酸化ゲルマニウム粉
末またはエチレングリコールのスラリー、結晶性二酸化
ゲルマニウムを水に加熱溶解した溶液またはこれにエチ
レングリコールを添加加熱処理した溶液等が使用される
が、特に本発明で用いるポリエステルを得るには二酸化
ゲルマニウムを水に加熱溶解した溶液、またはこれにエ
チレングリコールを添加加熱した溶液を使用するのが好
ましい。これらの重縮合触媒はエステル化工程中に添加
することができる。Ge化合物を使用する場合、その使
用量はポリエステル樹脂中のGe残存量として好ましく
は20〜150ppm、より好ましくは23〜100p
pm、更に好ましくは25〜70ppmである。
【0030】また、安定剤として、燐酸、ポリ燐酸やト
リメチルフォスフェート等の燐酸エステル類等を使用す
るのが好ましい。これらの安定剤はテレフタル酸とエチ
レングリコールのスラリー調合槽からエステル化反応工
程中に添加することができる。
【0031】ポリエステル中のDEG含量を制御するた
めにエステル化工程に塩基性化合物、とえば、トリエチ
ルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の第3級アミン、
水酸化テトラエチルアンモニウム等の第4級アンモニウ
ム塩等を加えることが出来る。
【0032】本発明においては、ポリエステルは、環状
三量体などのオリゴマー類が成形時に金型内面や金型の
ガスの排気口、排気管等に付着することによる金型汚れ
等を防止するために、前記の固相重合の後に水との接触
処理を行なう。水との接触処理の方法としては、水中に
浸ける方法が挙げられる。水との接触処理を行う時間と
しては5分〜2日間、好ましくは10分〜1日間、さら
に好ましくは30分〜10時間であり、水の温度として
は20〜180℃、好ましくは40〜150℃、さらに
好ましくは50〜120℃である。
【0033】以下に水処理を工業的に行なう方法を例示
するが、これに限定するものではない。また処理方法は
連続方式、バッチ方式のいずれであっても差し支えない
が、工業的に行なうためには連続方式の方が好ましい。
【0034】ポリエステルチップをバッチ方式で水処理
をする場合は、ポリエステルチップか滞留出来かつ処理
水が浸透出来る内槽と、その内槽を投入出来る水槽タイ
プの処理槽が挙げられる。すなわち、バッチ方式でポリ
エステルチップを内槽へ受け入れ内槽を処理槽に浸漬し
て水処理を行ない、ポリエステルチップを内槽と共に処
理槽から取出して排出させることができる。
【0035】ポリエステルチップを連続的に水処理する
場合は、ポリエステルチップを処理槽内で移動でき、且
つ処理槽外へ順次移動できる搬出装置を設けた水槽タイ
プの処理槽が挙げられる。すなわち処理槽内に連続的に
ポリエステルチップを処理槽に受け入れ水処理を行な
い、搬出装置で連続的にポリエステルチップを処理槽か
ら排出させることができる。
【0036】しかし処理槽内の処理水には、処理槽にポ
リエステルのチップを受け入れる段階で既にポリエステ
ルのチップに付着しているファインや、水処理時にポリ
エステルのチップ同士あるいは処理槽壁との摩擦で発生
するポリエステルのファインが含まれている。従って、
長時間処理を続けると処理槽内の処理水に含まれるファ
イン量は次第に増えていく。そのため、処理水中に含ま
れているファインが再びポリエステルのチップに付着
し、この後、水分を乾燥除去する段階でポリエステルの
チップにファインが静電効果により付着するため、乾燥
後にファイン除去を行なっても除去が困難となる。その
ため、ポリエステルの結晶性が促進されて、透明性の悪
いボトルとなったり、また口栓部結晶化時の収縮量が規
定範囲におさまらなくなってキャッピング不良となり内
容物が漏れることがある。
【0037】処理槽内の処理水のファインの増加を防ぐ
ために、処理槽内に新しい水を供給して、処理槽内の処
理水を多量に排出し工業排水とすると、新しい水が多量
に入用であるばかりでなく、排水量増大による環境への
影響が懸念される。処理槽から排出した処理水を再び処
理槽に戻して使用すると、処理槽内の処理水のファイン
量は次第に増えていくばかりでなく、この循環経路内に
ファインが蓄積して配管を詰まらせることが有る。これ
を防ぐためには処理水中のファインを除去する設備が必
要となる。
【0038】本発明は、水処理後のポリエステルチップ
にファインが混入するのを低減させる工業的方法の提案
であって、ポリエステルチップ及び処理水を処理槽に供
給してポリエステルチップを水処理するポリエステルの
製造方法において、処理槽内の処理水のファイン量を1
000ppm以下、好ましくは500ppm以下、さら
に好ましくは300ppm以下に維持しながら処理槽か
ら排出される処理水の一部を処理槽に戻して繰り返し使
用することで前記問題を解決するものである。
【0039】以下に処理槽内の処理水のファイン量を低
減する方法を例示するが、本発明は、これに限定するも
のではない。
【0040】処理槽に少なくとも1個所以上にファイン
を含んだ処理水を排出する排水口、および処理槽に少な
くとも1個所以上に新しい処理水を供給する供給口を設
ける。この排水口からのファインを含んだ処理水の排水
と、供給口からの新しい処理水の供給を継続的あるいは
断続的に行って、処理槽内の処理水中のファイン量が1
000ppm以下、好ましくは500ppm以下、さら
に好ましくは300ppm以下になるようにする。即
ち、処理槽内の処理水中のファイン濃度が過大にならな
いように適度に処理水の排出と新しい処理水の供給を行
なうことにより、新しい処理水と排水量は少なくできる
ため、コストが少なくなり、排水量増大による環境への
影響も低減することができる。
【0041】水処理したポリエステルチップは振動篩
機、シモンカーターなどの水切り装置で水切りし、乾燥
工程へ移送する。当然のことながら水切り装置でポリエ
ステルチップと分離された水は前記のファイン除去の装
置へ送られ、再度水処理に用いることができる。
【0042】ポリエステルチップの乾燥は通常用いられ
るポリエステルチップの乾燥処理を用いることができ
る。連続的に乾燥する方法としては上部よりポリエステ
ルチップを供給し、下部より乾燥ガスを通気するホッパ
ー型の通気乾燥機が通常使用される。乾燥ガス量を減ら
し、効率的に乾燥する方法としては回転ディスク型加熱
方式の連続乾燥機が選ばれ、少量の乾燥ガスを通気しな
がら、回転ディスクや外部ジャケットに加熱蒸気、加熱
媒体などを供給した粒状ポリエステルチップを間接的に
乾燥することができる。
【0043】バッチ方式で乾燥する乾燥機としてはダブ
ルコーン型回転乾燥機が用いられ、真空下であるいは真
空下少量の乾燥ガスを通気しながら乾燥することができ
る。あるいは大気圧下で乾燥ガスを通気しながら乾燥し
てもよい。
【0044】乾燥ガスとしては大気空気でも差し支えな
いが、ポリエステルの加水分解や熱酸化分解による分子
量低下を防止する点からは乾燥窒素、除湿空気が好まし
い。
【0045】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定させるものではな
い。なお、本明細書中における主な特性値の測定法を以
下に説明する。
【0046】(1)ポリエステルの極限粘度(IV) 1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノール
(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求
めた。
【0047】(2)密度 四塩化炭素/n−ヘプタン混合溶媒の密度勾配管で25
℃で測定した。
【0048】(3)ポリエステルの環状3量体の含量 試料をヘキサフルオロイソプロパノール/クロロフォル
ム混合液に溶解し、さらにクロロフォルムを加えて希釈
する。これにメタノールを加えてポリマーを沈殿させた
後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルムア
ミドで定容とし、液体クロマトグラフ法よりエチレンテ
レフタレート単位から構成される環状3量体を定量し
た。
【0049】(4)ヘイズ(霞度%) 中空成形体の胴部(肉厚約0.4mm)より試料を切り
取り、東洋製作所製ヘイズメーターで測定。
【0050】(5)中空成形容器からの内容物の漏れ評
価 中空成形容器に90℃の温湯を充填し、キャッピング機
によりキャッピングをしたあと容器を倒し放置後、内容
物の漏洩を調べた。
【0051】(6)処理槽の処理水中のファイン量(p
pm) 処理槽の処理水を1000cc採取し、岩城硝子社製1
G1ガラスフィルターで濾過後、100℃で2時間乾燥
し室温下で冷却後、重量を測定して算出する。
【0052】(実施例1)ポリエステルチップが滞留で
き且つ処理水が浸透できる内槽(1)と、その内槽
(1)を浸漬できる水槽タイプの処理槽(2)を準備
し、この処理槽(2)にファインを含んだ処理水を排出
する排出口(3)、新しい処理水を供給する供給口
(4)を設けた装置を使用してポリエチレンテレフタレ
ート(以下、PETと略称)チップを水処理した。
【0053】処理水温度95℃にコントロールされた水
処理槽(2)の排出口(3)からの処理水の排出と供給
口(4)からの新しい処理水の供給を開始した。極限粘
度が0.75デシリットル/グラムであり、密度が1.
400g/cm3であり、環状3量体含量が0.33重
量%であるPETチップを内槽(1)へ50kg投入
し、その内槽(1)を水処理槽(2)内に浸漬させ、5
時間後に処理槽(2)からPETチップを内槽(1)と
共に取出して、更に内槽(1)からPETチップを排出
させ、このPETチップと処理槽内の処理水をサンプリ
ングした。以降このPETチップの投入から排出、サン
プリングをバッチ方式で繰り返した。
【0054】上記サンプリングを行ったPETチップを
減圧乾燥し、名機製作所製M−100射出成形機により
ボトルの予備成形体を成形した。射出成形温度は295
℃とした。次にこの予備成形体の口栓部を、近赤外線ヒ
ーター方式の自家製口栓部結晶化装置で加熱して口栓部
を結晶化した。この予備成形体をCOPOPLAST社
製のLB−01E成形機で縦方法に約2.5倍、周方向
に約5倍の倍率に二軸延伸ブローし、容量が1500c
cの容器を成形した。延伸温度は100℃にコントロー
ルした。
【0055】また上記サンプリングを行った処理水に含
まれるファイン量を求めた。
【0056】実施例1で得られたポリエステル容器の特
性および処理水中のファイン量を比較例とともに表1に
示す。
【0057】
【表1】
【0058】表1から明らかなように、本発明の処理槽
の処理水中のファイン量を1000ppm以下にするこ
とで、得られた成形品は優れた透明性を持続し、および
キャッピングも良好で内容物の漏れは生じなかった。
【0059】(比較例1)実施例1で使用した処理槽に
設けた処理水の排水口、および新しい処理水の供給口を
閉じて、それ以外は実施例1と同様に行った。表1に示
すとおり、処理水のファイン量は増加を続けて、その処
理で得られた成形品の透明性は次第に悪くなり、キャッ
ピング不良で内容物の漏れも生じた。
【0060】
【発明の効果】本発明はポリエステルのチップを水処理
槽に供給し、処理槽から排出した処理水の一部は再度処
理槽にもどすことなく処理する方法であって、かつ、処
理水のファイン量が1000ppm以下であるため、成
形時での金型汚れを発生させにくく、またさらにはボト
ルの透明性やキャッピングが良好となるポリエステルと
して有利に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のポリエステルの製造方法に用いる装
置の一例の概略図。
【符号の説明】
1 内槽 2 処理槽 3 処理水排出口 4 イオン交換水導入口 5 内槽釣り下げ治具 6 内槽移動装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F070 AA47 AB22 AC12 AE30 BA10 BB08 4J029 AA03 AB04 AC01 AD01 AE01 BA03 BB12A BB13A BD03A BD04A BF08 BF09 BF20 CA02 CA04 CA05 CA06 CB05A CB06A CC05A CC06A EA02 EB04A EB05A HA01 HB01 JF321 JF361 JF471 KB02 KE03 KH08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルチップ及び処理水を処理槽
    に供給してポリエステルチップを水処理するポリエステ
    ルの製造方法において、処理槽から排出された処理水の
    一部を処理槽に戻すことなく、処理槽内の処理水のファ
    イン量を1000ppm以下に維持しながらポリエステ
    ルチップを処理することを特徴とするポリエステルの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 ポリエステルチップの処理槽への供給、
    および処理槽からの排出が継続的であることを特徴とす
    る請求項1記載のポリエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリエステルチップの処理槽への供給、
    および処理槽からの排出が間欠的であることを特徴とす
    る請求項1記載のポリエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】 処理槽からのファインを含んだ処理水の
    排出と、新しい処理水の処理槽への供給が継続的である
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載のポリエステ
    ルの製造方法。
  5. 【請求項5】 処理槽からのファインを含んだ処理水の
    排出と、新しい処理水の処理槽への供給が間欠的である
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載のポリエステ
    ルの製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリエステルが、極限粘度0.55〜
    1.30デシリットル/グラムの主たる繰り返し単位が
    エチレンテレフタレートから構成されるポリエステルで
    あることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載
    のポリエステルの製造方法。
JP11153641A 1999-06-01 1999-06-01 ポリエステルの製造方法 Pending JP2000336161A (ja)

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