JP2000336151A - 樹脂粒子 - Google Patents

樹脂粒子

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JP2000336151A
JP2000336151A JP11149012A JP14901299A JP2000336151A JP 2000336151 A JP2000336151 A JP 2000336151A JP 11149012 A JP11149012 A JP 11149012A JP 14901299 A JP14901299 A JP 14901299A JP 2000336151 A JP2000336151 A JP 2000336151A
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Yoshiki Inoue
芳樹 井上
Hiromasa Kawai
宏政 河合
Tomoaki Aoki
知明 青木
Hitoshi Yamazaki
仁 山崎
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Hitachi Chemical Co Ltd
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂粒子を含む樹脂組成物の分散性の向上、
低粘度化をもたらし、かつ、硬化成形物の誘電率低下や
耐衝撃性の向上をもたらす樹脂粒子を提供する。 【解決手段】 樹脂微粒子はシクロオレフィン類を重合
させた樹脂粒子であり、前記樹脂粒子の球形度(平均)
が0.90〜1.00であることを特徴とする。本発明
の樹脂粒子を用いて製造される硬化物は、強靭な機械的
特性、優れた電気的特性等が要求される用途、例えばコ
イル、配線板、半導体等の電子・電気用の絶縁材料、浄
化槽、浴槽、壁パネル、プレジャーボート等の住宅機器
用成形材料、波板、パイプ等の工業用材料として利用さ
れ得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シクロオレフィン
類の重合体よりなる球形の樹脂粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】ノルボルネンやジシクロペンタジエンな
どのシクロオレフィン類の重合体は、低吸水率、低誘電
性、透明性及びその良好な機械的特性から、電気絶縁分
野やプラスチック成形品分野に応用が期待されている。
これまでに、メタセシス重合触媒を用いてシクロオレフ
ィン類の樹脂粒子または粉末の製造に関して、開示され
ている。
【0003】特公昭53−46240号公報には、ノル
ボルネンおよびその置換誘導体を加圧系で、有機溶剤中
で重合させた後、段階的減圧により、生成重合体の膨張
・多孔質化と細分化により、粉末状の重合体を製造する
方法を開示している。特開昭53−13400号公報に
は、ノルボルネン誘導体を、生成重合体の良溶媒と非溶
媒との混合溶媒中で開環重合させることにより、溶媒か
らの重合体の回収が容易で、得られた重合体中の溶媒含
有量が少ない重合体の製造法を開示している。特公昭6
3−238127号公報には、ノルボルネンおよびその
誘導体を、これらの単量体の良溶媒であり、かつ、生成
重合体の非溶媒である溶媒中で重合させることにより、
低コストで、油類の吸収速度および吸収能力に優れた樹
脂粉体の製造法を開示している。
【0004】しかし、いずれの重合法も溶媒を用いた分
散重合であるため、得られた重合体は粉末状であって、
その形状は無定形で球状ではない。また、上述の樹脂の
粒子を他の樹脂または樹脂組成に配合することにより、
成形品の低誘電率化、耐衝撃性、機械強度の特性向上が
可能であることが知られている。例えば、特開平6−1
62856号公報には、熱硬化性樹脂に粒子を配合した
低誘電性、低吸水性に優れた成形品を開示しているが、
用いられている樹脂粒子は機械粉砕により得られるもの
であり、その形状は無定形であり、熱硬化性樹脂に配合
させた場合、その配合物粘度が高くなることと、その樹
脂粒子の製造コストが高い問題がある。特開平7−26
6464号公報には、分散重合で得られたノルボルネン
樹脂粒子を配合した加硫ゴムをスラッシュ靴の底面に用
いることにより、防滑性を付与することが開示されてい
る。また、特開平10−110062号公報には、分散
重合で得られたノルボルネン樹脂粒子を配合した、振動
エネルギー吸収性、長期耐久性に優れた免振積層体を開
示されている。しかし、上述した樹脂粒子の形状は無定
形で球状ではないため、その樹脂粒子を含む樹脂組成物
は、球状の粒子に比べて、分散性が悪く、また、樹脂組
成物の粘度が高くハンドリング性が低下し、粒子を多く
配合できない問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、樹脂粒子を
含む樹脂組成物の分散性の向上、低粘度化をもたらし、
かつ、硬化成形物の誘電率低下や耐衝撃性の向上をもた
らす樹脂粒子を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。本発明によれば、樹脂微粒子はシクロオレフ
ィン類を重合させた樹脂粒子であり、前記樹脂粒子の球
形度(平均)が0.90〜1.00であることを特徴と
する。すなわち、本発明の樹脂粒子は、シクロオレフィ
ン類を重合させた球形度(平均)が0.90〜1.00
のものである。樹脂粒子の粒子径(平均)は、1mm以
下であることが好ましい。樹脂粒子は、メタセシス重合
触媒の存在下に、メタセシス重合可能なシクロオレフィ
ン類を重合させた粒子、更には架橋させた樹脂粒子が好
ましい。本発明の樹脂粒子は極性基が形成された表面を
有すこと、酸化により極性基が形成された表面を有すこ
とができる。シクロオレフィン類の重合は懸濁重合が好
ましく、シクロオレフィン類は、二環体以上のノルボル
ネン類及び炭素数4以上の単環シクロオレフィン類から
選ばれる少なくとも一種が好ましい。メタセシス重合触
媒は、式(a)及び(b)で示されるメタセシス重合触
媒の少なくとも一種か好ましい。
【0007】
【化3】
【0008】
【化4】 (式(a)(b)で、Mはルテニウム又はオスミウムを
示し、R及びR1は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜
20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭
素数2〜20のアルキニル基、アリール基、炭素数1〜
20のカルボキシレート基、炭素数1〜20のアルコキ
シ基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、アリール
オキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、
炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20のア
ルキルスルフォニル基、炭素数1〜20のアルキルスル
フィニル基、炭素数1〜20のアルキルセレノ基、炭素
数1〜20のアルキルセレニニル基又は炭素数1〜20
のアルキルセレノニル基から選ばれ、それぞれは炭素数
1〜5のアルキル基、ハロゲン、炭素数1〜5のアルコ
キシ基又はフェニル類で置換されていても良く、前記フ
ェニル類はハロゲン、炭素数1〜5のアルキル基、炭素
数1〜5のアルコキシ基で置換されていても良く、X及
びX1はアニオン性配位子を示し、L及びL1は中性の
電子供与基を示す。)
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、シクロオレフィン類を
重合させてなる球形度(平均)が0.90〜1.00で
ある樹脂粒子に関する。ここで、ワーデルの球形度と
は、粒子の球形度を、(粒子の投影面積に等しい円の直
径)/(その粒子の外接する最小円の直径)で測る指数
で、この指数で、この指数が1.0に近いほど真球体に
近い粒子であることを意味する化学工学辞典、丸善株式
会社発行参照)。
【0010】本発明の樹脂粒子の球形度は平均で0.9
0〜1.00である。好ましくは平均で0.95〜1.
00、より好ましくは平均で0.98〜1.00であ
る。また、個々の粒子としては、球形度が絶対値で0.
70〜1.00が好ましい。より好ましくは絶対値で
0.8〜1.00、特に好ましくは絶対値で0.90〜
1.00である。球形度が平均で0.90未満である
と、粒子が異形状となり、液状のマトリックス樹脂に粒
子を分散させた場合、その樹脂粒子を含む樹脂組成物
は、真球状の粒子に比べて、分散性が悪く、また、樹脂
組成物の粘度が高く、ハンドリング性が低下し、粒子を
多く配合できない。本発明の樹脂粒子の粒子径(平均)
は1mm以下が好ましい。より好ましくは500μm以
下である。粒子径が1mmより大きいと、樹脂粒子を含
む成形品の機械強度が低下する。
【0011】本発明で用いられるメタセシス重合可能な
シクロオレフィン類としては、二環体以上のノルボルネ
ン類、炭素数4以上の単環シクロオレフィン類から選ば
れる少なくとも一種が使用できる。中でも置換又は非置
換のノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジ
シクロペンタジエンなどのノルボルネンが好適に用いら
れる。ノルボルネン類としては、ノルボルネン、ノルボ
ルナジエン、メチルノルボルネン、ジメチルノルボルネ
ン、エチルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ブ
チルノルボルネン、5−アセチル−2−ノルボルネン、
ジメチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシレ
ート、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジ
カルボキシイミド、5−ノルボルネン−2−カルボニト
リル、5−ノルボルネン−2−カルボキシアルデヒド、
5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸モノメチルエ
ステル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジメ
チルエステル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン
酸ジエチルエステル、5−ノルボルネン−2,3−ジカ
ルボン酸ジ−n−ブチルエステル、5−ノルボルネン−
2,3−ジカルボン酸ジシクロヘキシルエステル、5−
ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジベンジルエステ
ル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、
3,6ーエポキシー1,2,3,6ーテトラヒドロフタ
ル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン
酸、5−ノルボルネン−2−メタノール、6−トリエト
キシシリル−2−ノルボルネン、5−ノルボルネン−2
−オールなどの二環ノルボルネン、ジシクロペンタジエ
ン(シクロペンタジエンの二量体)、ジヒドロジシクロ
ペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジメチル
ジシクロペンタジエン、などの三環ノルボルネン、テト
ラシクロドデセン、メチルテトラシクロドデセン、ジメ
チルシクロテトラドデセンなどの四環ノルボルネン、ト
リシクロペンタジエン(シクロペンタジエンの三量
体)、テトラシクロペンタジエン(シクロペンタジエン
の四量体)などの五環以上のノルボルネンが挙げられ
る。
【0012】2個以上のノルボルネン基を有する化合
物、例えばテトラシクロドデカジエン、対称型トリシク
ロペンタジエン等を用いることもできる。ノルボルネン
系以外のシクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテ
ン、シクロドデセン、1,5−シクロオクタジエン、
1,3,5,7−シクロオクタテトラエン、1,5,7
−シクロドデカトリエン、5,6−エポキシ−1−シク
ロオクテン、3,4−エポキシ−1−シクロオクテン、
5−メトキシ−1−シクロオクテン、5−ブロモ−1−
シクロオクテン、5−イソプロポキシ−1−シクロオク
テン、5−ホルミル−1−シクロオクテン、5−メトキ
シ−1−シクロオクテン、エチル シクロオクト−1−
エン−5−カルボキシレート、(トリメチルシリル)
シクロオクト−1−エン−5−カルボキシレート、テト
ラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデンなどの
シクロオレフィン類も使用することができる。以上の化
合物は、単独でまた複数の混合物として用いることもで
きる。
【0013】5−ノルボルネン−2−カルボキシアルデ
ヒド、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水
物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、5−ノ
ルボルネン−2−メタノール、5−ノルボルネン−2−
オール等の官能基を有する化合物を用いることにより、
製造した樹脂粒子は官能基を含有し、マトリックス樹脂
との親和性、密着性が高く、樹脂粒子配合の樹脂組成物
の機械強度が高くなり、好ましい。
【0014】本発明において、用いることのできるメタ
セシス重合触媒は式(a)及び(b)で示されるものが
好ましい。
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】 (式(a)(b)で、Mはルテニウム又はオスミウムを
示し、R及びR1は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜
20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭
素数2〜20のアルキニル基、アリール基、炭素数1〜
20のカルボキシレート基、炭素数1〜20のアルコキ
シ基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、アリール
オキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、
炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20のア
ルキルスルフォニル基、炭素数1〜20のアルキルスル
フィニル基、炭素数1〜20のアルキルセレノ基、炭素
数1〜20のアルキルセレニニル基又は炭素数1〜20
のアルキルセレノニル基から選ばれ、それぞれは炭素数
1〜5のアルキル基、ハロゲン、炭素数1〜5のアルコ
キシ基又はフェニル類で置換されていても良く、前記フ
ェニル類はハロゲン、炭素数1〜5のアルキル基、炭素
数1〜5のアルコキシ基で置換されていても良く、X及
びX1はアニオン性配位子を示し、L及びL1は中性の
電子供与基を示す。)上記メタセシス重合触媒における
電子供与性基L及びL1の少なくとも一方は次式で表さ
れる化合物を用いることにより、重合反応における触媒
活性の耐熱性の点で、好ましい。
【0017】
【化7】
【0018】これら触媒は、従来知られているような触
媒成分と活性化剤とを組み合わせた2液系の複分解触媒
系とは異なり、空気中の酸素や水分によって容易に触媒
活性を失わずにメタセシス重合性化合物を複分解(メタ
セシス)反応で開環重合させることができる。このよう
な化合物(触媒)の具体的なものは、たとえば式(1)
〜(8)に挙げるような触媒である。
【0019】
【化8】
【0020】
【化9】
【0021】
【化10】
【0022】
【化11】
【0023】
【化12】
【0024】
【化13】
【0025】
【化14】
【0026】
【化15】
【0027】本発明の球形樹脂粒子の製造法としては、
特に制約はなく、バルク重合、溶液重合、懸濁重合、乳
化重合等により製造することができる。球形の樹脂粒子
を安価に製造するには、懸濁重合が好ましい。本発明の
樹脂粒子は熱可塑性樹脂粒子または、架橋した樹脂粒子
の何れでもかまわないが、耐熱性、耐溶剤性が問題とな
る用途では、架橋した樹脂粒子が好ましい。
【0028】本樹脂粒子の合成では、樹脂原料のモノマ
ー組成及びその重合反応の選択により、化学構造中に不
飽和二重結合を含有する樹脂粒子を得ることができる。
この不飽和二重結合を含有する樹脂粒子をそのまま用い
てもかまわないが、不飽和二重結合を含有する樹脂粒子
の不飽和二重結合の反応性により、他の官能基への変換
または、各種化合物を付加することができる。それらに
より、樹脂粒子と各種マトリックス樹脂との親和性性、
密着性が向上され、樹脂粒子配合樹脂組成物の機械強度
等を向上させるすることができる。例えば、この二重結
合は室温、空気中で容易に酸化され、カルボニル基およ
び水酸基が生成する。そのため、未酸化の樹脂粒子に比
べて、酸化された粒子はエポキシ、フェノール、ポリエ
ステル樹脂等の極性樹脂との親和性、密着性が高く、樹
脂粒子配合の樹脂組成物の機械強度が高くなり、好まし
い。また、不飽和二重結合を含有する樹脂粒子に、付加
反応により、水素、ハロゲン、ハロゲン化水素等を付加
でき、耐候性、耐薬品性等の点で好ましい。また、不飽
和二重結合を含有する樹脂粒子に、ディールスアルダー
反応により、ディールスアルダー反応可能な化合物を付
加でき、他の樹脂との親和性、密着性等の点で好まし
い。また、不飽和二重結合を含有する樹脂粒子に、グラ
フト化反応により、グラフト化可能な化合物を付加で
き、他の樹脂との親和性、密着性等の点で好ましい。ま
た、不飽和二重結合を含有する樹脂粒子に、硫黄、チオ
ール類等を配合して、加硫でき、樹脂粒子単独での架橋
重合体が作製できる。
【0029】本発明の樹脂粒子には、粒子中にポリイミ
ド、飽和ポリエステル、ポリエチレン、ゴム系エラスト
マ、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ビニル樹脂等の樹
脂を配合させることができる。その粒子の構造として
は、均一な樹脂組成にすることと、粒子の中心部、表面
部を異なる組成の樹脂で構成することもできる。本発明
の樹脂粒子をマトリックス樹脂に混合した樹脂組成物に
は、フィラー、ガラス繊維等を混入することができる。
また、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、光安定剤等の添加剤を混入することができる。本発
明で得られた樹脂粒子は、電気絶縁材料、フィルム、強
化プラスチック、注型品、モールド成型品、コーティン
グ材の分野で使用することができる。また本発明の樹脂
粒子は、塗料用樹脂、顔料、化粧品用粒子、診断検査薬
単体粒子、薬物キャリア、液晶表示用スペーサー、感圧
記録紙用粒子、感熱記録用粒子、感光性印刷材用粒子、
電子写真トナー用粒子、プラスチック耐衝撃性改良剤、
発泡性粒子、電気粘性流体用粒子等に応用できる。
【0030】
【実施例】以下本発明を実施例により説明する。なお実
施例中、部とは特に限定しない限り重量部を意味する。 実施例1 <モノマー・触媒溶液の調製>純度約98重量%のジシ
クロペンタジエン(DCPDとする)500重量部に反
応抑制剤としてトリフェニルホスフィン0.625重量
部、酸化防止剤としてチバスペシャリティーケミカル社
製イルガノックス1010 2.5重量部を配合してモ
ノマー液とした。このモノマー液を撹拌しながら、式
(1)で示した触媒0.425重量部を少量ずつモノマ
ー液に添加してモノマー・触媒溶液を調製した。 <分散媒の調製>蒸留水1,000重量部にポリビニル
アルコール(日本合成化学(株)製ゴーセノールGH−
20、ケン化度88mol%)1重量部を添加混合して
分散媒を調製した。 <樹脂微粒子合成反応液の調製>上述の分散媒をホモジ
ナイザー(ハイドルフ社製DIAX−600)を用いて
回転数5,000rpmで撹拌しながら、調製直後の上
述のモノマー・触媒溶液を少量ずつ分散媒に添加して樹
脂微粒子合成反応液を調製した。 <樹脂微粒子合成>カイ型撹拌羽根を付けた撹拌機、コ
ンデンサ、窒素ガス導入管及び温度計を取り付けた2リ
ットルのセパラブルフラスコに上述の合成反応液を入
れ、回転数400rpmで撹拌しながら50℃で3時
間、さらに、90℃で3時間反応させた。その後、蒸留
水で洗浄、60℃で6時間減圧乾燥し樹脂粒子を得た。
得られた樹脂粒子の電子顕微鏡観察から、粒子径とワー
デルの球形度の平均を求め、結果を図1の表1に示し
た。 <樹脂粒子・エポキシ樹脂配合物の調製>ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂100重量部(東都化成(株)製Y
D−128)、硬化剤としてメチルテトラヒドロ無水フ
タル酸(日立化成工業(株)製HN−2200)、を8
7重量部、硬化促進剤に2−エチル−4−メチルイミダ
ゾールを2部および上述の樹脂粒子100重量部を十分
混合して樹脂粒子・エポキシ樹脂配合物を得た。 <樹脂粒子・エポキシ樹脂配合物の粘度測定>B型粘度
計(ロータ#4、60rpm)を用いて得られた樹脂粒
子・エポキシ樹脂配合物の23℃の粘度を測定し、結果
を図1の表1に示した。 <樹脂粒子・エポキシ樹脂硬化物の曲げ強度試験>上述
の樹脂粒子・エポキシ樹脂配合物を125℃×3時間で
硬化させて、3mmtの注型板を作製した。JIS−K
−7203に準拠し、上述の注型板の23℃での曲げ強
度試験を行い、結果を表1に示した。試験片の形状は2
5×80×3mm、試験スパン48mm、試験速度1.
5mm/minで試験した。 <樹脂粒子・エポキシ樹脂硬化物の曲げ強度試験>JI
S−C−6481に準拠し、上述の注型板の23℃での
誘電率、誘電正接の測定を行い、結果を表1に示した。 <樹脂粒子・エポキシ樹脂硬化物のヒートサイクル試験
>上述の樹脂粒子・エポキシ樹脂配合物を金属シャーレ
ーに入れ、10mm角のアルミブロックを埋め込み、1
25℃×3時間で硬化させて試験成形体を作製した。こ
の成形体を(−40℃×30分+125℃×30分)を
1サイクルとするヒートサイクル試験を400サイクル
行い、試験後のアルミブロック周辺の樹脂硬化物のクラ
ックの有無を調べた。
【0031】実施例2 樹脂微粒子合成反応液の調製において、ホモジナイザー
(ハイドルフ社製DIAX−600)の回転数を10,
000rpmにした以外は、実施例1と同様の方法で樹
脂微粒子を調製した。得られた樹脂粒子について、実施
例1と同様の評価を行い、結果を図1の表1に示した。
【0032】実施例3 モノマー・触媒溶液の調製において、反応抑制剤である
トリフェニルホスフィンの配合量を3.125重量部に
した以外は、実施例1と同様の方法で樹脂粒子を調製し
た。得られた樹脂粒子について、実施例1と同様の評価
を行い、結果を図1の表1に示した。
【0033】実施例4 実施例1で得られた樹脂粒子を空気中で80℃30分加
熱処理し、表面を酸化させた樹脂粒子を調製し、実施例
1と同様の評価を行い、結果を図1の表1に示した。
【0034】比較例1 <分散重合による樹脂微粒子の調製>純度約98重量%
のDCPD100重量部に連鎖移動剤として1−ヘキセ
ン2重量部、分散媒としてトルエン900重量部を配合
し、モノマー液とした。このモノマー液を、半月状羽根
を付けた撹拌機、コンデンサ、窒素ガス導入管及び温度
計を取り付けた5リットルのセパラブルフラスコに入
れ、30℃に保温し、撹拌機で撹拌しながら、式(1)
で示した触媒0.085重量部を少量ずつモノマー液に
添加した。回転数200rpmで撹拌しながら30℃で
5時間反応させた。その後、メタノール2,000重量
部を添加し、不溶解分をろ過した。この不溶解分に酸化
防止剤として、チバスペシャリティーケミカル社製イル
ガノックス1010 0.2wt%メチルエチルケトン
溶液250重量部を添加混合し、60℃で12時間減圧
乾燥し樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子について、実
施例1と同様の評価を行い、結果を図1の表1に示し
た。
【0035】比較例2 <分散重合による樹脂微粒子の調製>触媒配合量を0.
050重量部にした以外は、比較例1と同様の方法で樹
脂粒子を調製した。得られた樹脂粒子について、実施例
1と同様の評価を行い、結果を図1の表1に示した。
【0036】比較例3 樹脂粒子として架橋ポリスチレン(積水化成品工業
(株)製テクポリマーSBX−8) を用いて、実施例
1と同様の評価を行い、結果を図1の表1に示した。
【0037】比較例4 樹脂粒子を配合しない以外は実施例1と同様に、エポキ
シ樹脂の注型板の作製とその評価を行い、結果を図1の
表1に示した。
【0038】実施例及び比較例の評価結果から、本発明
のシクロオレフィン樹脂粒子は球形度が高いことによ
り、本発明の樹脂粒子を含む樹脂組成物の粘度は低く、
さらに、本発明の樹脂粒子を含む樹脂組成物の硬化物は
機械強度、低誘電性に優れている。
【0039】
【発明の効果】本発明の樹脂粒子を用いれば、樹脂粒子
を含む樹脂組成物成形品の低誘電率化、耐衝撃性、耐ク
ラック性、機械強度の特性向上と、樹脂組成物の分散性
の向上、低粘度化をもたらすことができる。本発明の樹
脂粒子を用いて製造される硬化物は、強靭な機械的特
性、優れた電気的特性等が要求される用途、例えばコイ
ル、配線板、半導体等の電子・電気用の絶縁材料、浄化
槽、浴槽、壁パネル、プレジャーボート等の住宅機器用
成形材料、波板、パイプ等の工業用材料として利用され
得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例の評価結果を示す表1。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 知明 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社筑波開発研究所内 (72)発明者 山崎 仁 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社筑波開発研究所内 Fターム(参考) 4J032 CA24 CA25 CA27 CA28 CA34 CA35 CA36 CA38 CA43 CA45 CA46 CD02 CD09 CE03 CE17 CE18 CF03 CG06 CG07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロオレフィン類を重合させた球形度
    (平均)が0.90〜1.00である樹脂粒子。
  2. 【請求項2】 粒子径(平均)が1mm以下である請求
    項1記載の樹脂粒子。
  3. 【請求項3】 メタセシス重合触媒の存在下に、メタセ
    シス重合可能なシクロオレフィン類を重合させた請求項
    1又は2記載の樹脂粒子。
  4. 【請求項4】 架橋させた請求項1〜3各項記載の樹脂
    粒子。
  5. 【請求項5】 極性基が形成された表面を有す請求項1
    〜4各項記載の樹脂粒子。
  6. 【請求項6】 酸化により極性基が形成された表面を有
    す請求項1〜5各項記載の樹脂粒子。
  7. 【請求項7】 シクロオレフィン類の重合が、懸濁重合
    である請求項1〜6各項記載の樹脂粒子。
  8. 【請求項8】 メタセシス重合可能なシクロオレフィン
    類が、二環体以上のノルボルネン類及び炭素数4以上の
    単環シクロオレフィン類から選ばれる少なくとも一種で
    ある請求項1〜7各項記載の樹脂粒子。
  9. 【請求項9】 メタセシス重合触媒が、式(a)及び
    (b)で示されるメタセシス重合触媒の少なくとも一種
    のである請求項3又は8記載の樹脂粒子。 【化1】 【化2】 (式(a)(b)で、Mはルテニウム又はオスミウムを
    示し、R及びR1は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜
    20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭
    素数2〜20のアルキニル基、アリール基、炭素数1〜
    20のカルボキシレート基、炭素数1〜20のアルコキ
    シ基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、アリール
    オキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、
    炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20のア
    ルキルスルフォニル基、炭素数1〜20のアルキルスル
    フィニル基、炭素数1〜20のアルキルセレノ基、炭素
    数1〜20のアルキルセレニニル基又は炭素数1〜20
    のアルキルセレノニル基から選ばれ、それぞれは炭素数
    1〜5のアルキル基、ハロゲン、炭素数1〜5のアルコ
    キシ基又はフェニル類で置換されていても良く、前記フ
    ェニル類はハロゲン、炭素数1〜5のアルキル基、炭素
    数1〜5のアルコキシ基で置換されていても良く、X及
    びX1はアニオン性配位子を示し、L及びL1は中性の
    電子供与基を示す。)
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