JP2000336097A - ビナフトールリン酸誘導体及びその利用 - Google Patents

ビナフトールリン酸誘導体及びその利用

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JP2000336097A JP2000083235A JP2000083235A JP2000336097A JP 2000336097 A JP2000336097 A JP 2000336097A JP 2000083235 A JP2000083235 A JP 2000083235A JP 2000083235 A JP2000083235 A JP 2000083235A JP 2000336097 A JP2000336097 A JP 2000336097A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より実用性の高い反応条件で使用でき且つ高
い光学純度を与える不斉合成触媒として使用可能な新規
なビナフトール−リン酸塩誘導体、及びその中間体とし
てのビナフトール−リン酸誘導体を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)〜一般式(4) 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 で示されるビナフトール−リン酸誘導体、及びこれらの
化合物より誘導される不斉合成触媒として有用な下記一
般式(5)〜一般式(8) 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビナフトール−リ
ン酸誘導体、ビナフトール−リン酸塩誘導体、及びそれ
らの用途に関する。本発明のビナフトール−リン酸誘導
体は、各種不斉合成触媒の合成中間体として重要であ
り、さらにそれから誘導されるビナフトール−リン酸塩
誘導体は各種不斉合成反応において、高い反応性を示
し、また、高い光学純度の反応生成物を与える。なお、
本発明の方法により得られるピラン化合物類は、医、農
薬合成中間体として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】本発明のビナフトール−リン酸誘導体、
及びそれから誘導されるビナフトール−リン酸塩誘導体
は従来知られておらず、新規な化合物である。
【0003】また、本発明の不斉合成触媒が適用可能な
反応の1例としてディールス・アルダー環化反応を以下
に示す。
【0004】ディールス・アルダー環化反応としては、
塩化アルミニウム等のルイス酸触媒の存在又は非存在
下、ジエン類とオレフィン類の反応が古くから数多く知
られている。
【0005】不斉ディールス・アルダー環化反応として
は、アクリル−1,3−オキサゾリジン−2−オンとシ
クロペンタジエンの反応等が知られている(Shu K
obayashi,et. al.,J. Org.
Chem.,1994,59,3758等)。
【0006】不斉ヘテロ・ディールス・アルダー環化反
応としてはベンズアルデヒド類とジエン類類との反応等
が知られている(Hisashi Yamamoto,
et. al.,J. Am. Chem. 198
8,110,310等)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
不斉ディールス・アルダー環化反応及び不斉ヘテロ・デ
ィールス・アルダー環化反応においては、生成物に高い
光学純度を与えるものもあるが、既知の全ての反応にお
いて、反応温度が−20℃以下と低く、工業的な製法と
しては満足できるものではなかった。
【0008】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、より実用性の高い反応条件で使用
でき且つ高い光学純度を与える不斉合成触媒として使用
可能な新規なビナフトール−リン酸塩誘導体、及びその
中間体としてのビナフトール−リン酸誘導体を提供する
ことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため、より実用性の高い反応条件で使用で
き且つ高光学純度を与える不斉合成触媒の開発につき鋭
意検討した結果、下記一般式(1)又は一般式(2)
【0010】
【化10】
【0011】
【化11】
【0012】[上記一般式(1)又は一般式(2)中、
1、R2、R3、R4は各々独立して水素、炭素数1〜2
0の直鎖の若しくは分岐したアルキル基、炭素数1〜2
0の分岐した若しくは直鎖のアルケニル基、炭素数1〜
20の分岐した若しくは直鎖にアルキニル基、フェニル
基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖にアルキル
基で核が1〜4置換されたフェニル基、炭素数1〜10
の分岐した若しくは直鎖のアルケニル基で核が1〜4置
換されたフェニル基、炭素数1〜10の分岐した若しく
は直鎖のアルキニル基で核が1〜4置換されたフェニル
基、ナフチル基、又は炭素数3〜8のシクロアルキル基
を表す。但し、R1〜R4が同時に水素になることはな
い。]で示されるビナフトール−リン酸誘導体、並びに
既知化合物から誘導される新規な一般式(3)又は一般
式(4)
【0013】
【化12】
【0014】
【化13】
【0015】[上記一般式(3)又は一般式(4)中、
R5、R6、R7、R8は各々独立して水素、炭素数1
〜20の直鎖の若しくは分岐したアルキル基、炭素数1
〜20の分岐した若しくは直鎖のアルケニル基、炭素数
1〜20の分岐した若しくは直鎖にアルキニル基、フェ
ニル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖にアル
キル基で核が1〜4置換されたフェニル基、炭素数1〜
10の分岐した若しくは直鎖のアルケニル基で核が1〜
4置換されたフェニル基、炭素数1〜10の分岐した若
しくは直鎖のアルキニル基で核が1〜4置換されたフェ
ニル基、ナフチル基、又は炭素数3〜8のシクロアルキ
ル基を表す。]で示されるビナフトール−リン酸誘導体
を見出した。
【0016】そして、上記一般式(1)〜一般式(4)
で示される化合物より誘導される不斉合成触媒として有
用な下記一般式(5)〜一般式(8)
【0017】
【化14】
【0018】
【化15】
【0019】[上記一般式(5)又は一般式(6)中、
1、R2、R3、R4は各々独立して、水素、炭素数1〜
20の直鎖の若しくは分岐したアルキル基、炭素数1〜
20の分岐した若しくは直鎖のアルケニル基、炭素数1
〜20の分岐した若しくは直鎖にアルキニル基、フェニ
ル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖にアルキ
ル基で核が1〜4置換されたフェニル基、炭素数1〜1
0の分岐した若しくは直鎖のアルケニル基で核が1〜4
置換されたフェニル基、炭素数1〜10の分岐した若し
くは直鎖のアルキニル基で核が1〜4置換されたフェニ
ル基、ナフチル基、又は炭素数3〜8のシクロアルキル
基を表す。但し、R1〜R4が同時に水素になることは
ない。またMは3価の金属イオンを形成可能な金属元素
を表す。]
【0020】
【化16】
【0021】
【化17】
【0022】[一般式(7)又は一般式(8)中、
5、R6、R7、R8は各々独立して、水素、炭素数1〜
20の直鎖の若しくは分岐したアルキル基、炭素数1〜
20の分岐した若しくは直鎖のアルケニル基、炭素数1
〜20の分岐した若しくは直鎖にアルキニル基、フェニ
ル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖にアルキ
ル基で核が1〜4置換されたフェニル基、炭素数1〜1
0の分岐した若しくは直鎖のアルケニル基で核が1〜4
置換されたフェニル基、炭素数1〜10の分岐した若し
くは直鎖のアルキニル基で核が1〜4置換されたフェニ
ル基、ナフチル基、又は炭素数3〜8のシクロアルキル
基を表す。またMは3価の金属イオンを形成可能な金属
元素を表す。]で示されるビナフトール−リン酸塩誘導
体を見出した。これらのビナフトール−リン酸塩誘導体
を不斉ヘテロ・ディールス・アルダー環化反応に適用し
た場合、室温条件下で実施可能であり、なおかつ光学純
度の高い目的物を与えることを見出し本発明を完成させ
るに至った。
【0023】すなわち本発明は、上記一般式(1)〜一
般式(4)で示されるビナフトール−リン酸誘導体、上
記一般式(5)〜一般式(8)で示されるビナフトール
−リン酸塩誘導体、及びそれらの用途である。
【0024】本発明を以下詳細に説明する。
【0025】本発明の上記一般式(1)〜一般式(4)
で示されるビナフトール−リン酸誘導体は、光学活性な
(R)又は(S)のビナフトールを原料とし、数ステッ
プで誘導可能である。
【0026】例えば、本発明の上記一般式(1)〜一般
式(2)に示されるビナフトール−リン酸誘導体は、本
発明の参考例及び実施例記載の方法等により、市販の光
活性な(R)又は(S)の1,1’−ビナフチル−2,
2’−ジオールを原料とし、ジオールを保護した後、
3,3’位及び/又は6,6’位のハロゲン化物を得、
クロスカップリング反応等により置換基を導入、引き続
きオキシ塩化リン等と反応させることにより一般式
(1)又は一般式(2)のビナフトール−リン酸誘導体
へ誘導することが可能である。
【0027】また、上記一般式(3)又は一般式(4)
に示されるビナフトール−リン酸誘導体は、同様に市販
の光学活性な(R)又は(S)の1,1’−ビナフチル
−2,2’−ジオール、又は上記一般式(1)又は一般
式(2)で示されるビナフトール−リン酸の製造中間体
として得られるビナフトール−リン酸誘導体を原料と
し、文献既知の方法(D.J.Cram,et.a
l.,J.Org.Chem.,1978,43,19
30)により部分水素化反応を行うことにより得られる
5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−オクタヒド
ロ−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオール誘導体
を原料とし、オキシ塩化リン等と反応させることにより
誘導すことが可能である。
【0028】さらに、本発明の一般式(5)〜一般式
(8)に示されるビナフトール−リン酸塩誘導体は、上
記一般式(1)〜一般式(4)に示されるビナフトール
−リン酸誘導体と3価の金属塩を反応させることにより
調製可能である。
【0029】本発明のビナフトール−リン酸誘導体とし
ては具体的には、(R)−(−)−5,6,7,8,
5’,6’,7’,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビ
ナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−
5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−オクタヒド
ロ−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、
(R)−(−)−6,6’−ジメチル−1,1’−ビナ
フチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−
6,6’−ジメチル−1,1’−ビナフチル−2,2’
−ジイルリン酸、(R)−(−)−6,6’−ジエチル
−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、
(S)−(+)−6,6’−ジエチル−1,1’−ビナ
フチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−
6,6’−ジ−n−プロピル−1,1’−ビナフチル−
2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−6,6’−
ジ−n−プロピル−1,1’−ビナフチル−2,2’−
ジイルリン酸、(R)−(−)−6,6’−ジイソプロ
ピル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン
酸、(S)−(+)−6,6’−ジイソプロピル−1,
1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−
(−)−6,6’−ジ−n−ブチル−1,1’−ビナフ
チル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−6,
6’−ジ−n−ブチル−1,1’−ビナフチル−2,
2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−6,6’−ジ−
tert−ブチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−
ジイルリン酸、(S)−(+)−6,6’−ジ−ter
t−ブチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイル
リン酸、(R)−(−)−6,6’−ジ−n−ペンチル
−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、
(S)−(+)−6,6’−ジ−n−ペンチル−1,
1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−
(−)−6,6’−ジ−n−へキシル−1,1’−ビナ
フチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−
6,6’−ジ−n−へキシル−1,1’−ビナフチル−
2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−6,6’−
ジシクロへキシル1,1’−ビナフチル−2,2’−ジ
イルリン酸、(S)−(+)−6,6’−ジシクロへキ
シル1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、
(R)−(−)−6,6’−ジ−n−へプチル−1,
1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−
(+)−6,6’−ジ−n−へプチル−1,1’−ビナ
フチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−
6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−
2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−6,6’−
ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−
ジイルリン酸、(R)−(−)−6,6’−ジ−n−ノ
ニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン
酸、(S)−(+)−6,6’−ジ−n−ノニル−1,
1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−
(−)−6,6’−ジ−n−デシル−1,1’−ビナフ
チル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−6,
6’−ジ−n−デシル−1,1’−ビナフチル−2,
2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−6,6’−ジフ
ェニル1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン
酸、(S)−(+)−6,6’−ジフェニル1,1’−
ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)
−6,6’−ビス(4−メチルフェニル)−1,1’−
ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)
−6,6’−ビス(4−メチルフェニル)−1,1’−
ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)
−6,6’−ビス(2,6−ジメチルフェニル)−1,
1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−
(+)−6,6’−ビス(2,6−ジメチルフェニル)
−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、
(R)−(−)−3,3’−ジエチニル−1,1’−ビ
ナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−
3,3’−ジエチニル−1,1’−ビナフチル−2,
2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−6,6’−ジエ
テニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン
酸、(S)−(+)−6,6’−ジエテニル−1,1’
−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−
(−)−6,6’−ジ(1”−オクテニル)−1,1’
−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−
(+)−6,6’−ジ(1”−オクテニル)−1,1’
−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−
(−)−6,6’−ジエチニル−1,1’−ビナフチル
−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−6,6’
−ジエチニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイ
ルリン酸、(R)−(−)−3,3’−ジエチニル−
1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、
(S)−(+)−3,3’−ジエチニル−1,1’−ビ
ナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−
3,3’−ジエテニル−1,1’−ビナフチル−2,
2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−3,3’−ジエ
テニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン
酸等が挙げられ、さらにこれらのリン酸誘導体は結晶と
して単離時に0〜10分子の結晶水を保持するものも含
まれる。
【0030】本発明の触媒は、上記一般式(5)〜一般
式(8)に示されるビナフトール−リン酸塩誘導体を含
有するものである。
【0031】上記一般式(5)〜一般式(8)に示され
るビナフトール−リン酸塩誘導体において、塩形成金属
元素としては、3価の金属塩を安定に形成することが可
能なあらゆる金属元素が適用可能であるが、好ましくは
ランタノイド系列元素で具体的には、スカンジウム、イ
ットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオ
ジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリウム、テルビ
ウム、ディスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツ
リウム、イッテルビウム、ルテチウムからなる群より選
択される元素が例示される。
【0032】本発明の触媒としては、本発明の特許請求
の範囲に記載のあらゆるもの使用可能であり、特に限定
するものではないが、具体的には、例えば、ガドリウム
トリス(R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−
1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、ガ
ドリウムトリス(S)−(+)−6,6’−ジ−n−オ
クチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン
酸塩、ガドリウムトリス(R)−(−)−6,6’−ジ
−n−オクテニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−
ジイルリン酸塩、ガドリウムトリス(S)−(+)−
6,6’−ジ−n−オクテニル−1,1’−ビナフチル
−2,2’−ジイルリン酸塩、イッテルビウムトリス
(R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,
1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、イッテ
ルビウムトリス(S)−(+)−6,6’−ジ−n−オ
クチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン
酸塩、スカンジウムトリス(R)−(−)−6,6’−
ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−
ジイルリン酸塩、スカンジウムトリス(S)−(+)−
6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−
2,2’−ジイルリン酸塩、ガドリウムトリス(R)−
(−)−6,6’−ジ(2”,6”−ジメチルフェニ
ル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸
塩、ガドリウムトリス(S)−(+)−6,6’−ジ
(2”,6”−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナフ
チル−2,2’−ジイルリン酸塩、イッテルビウムトリ
ス(R)−(−)−6,6’−ジ(2”,6”−ジメチ
ルフェニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイル
リン酸塩、(S)−(+)−6,6’−ジ(2”,6”
−ジメチルフェニル−1,1’−ビナフチル−2,2’
−ジイルリン酸塩、スカンジウムトリス(R)−(−)
−6,6’−ジ(2”,6”−ジメチルフェニル)−
1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、ス
カンジウムトリス(S)−(+)−6,6’−ジ
(2”,6”−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナフ
チル−2,2’−ジイルリン酸塩、ガドリウムトリス
(R)−(−)−5,6,7,8,5’,6’,7’,
8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル−2,2’
−ジイルリン酸塩、(S)−(+)−5,6,7,8,
5’,6’,7’,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビ
ナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、イッテルビウム
トリス(R)−(−)−5,6,7,8,5’,6’,
7’,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル−
2,2’−ジイルリン酸塩、イッテルビウムトリス
(S)−(+)−5,6,7,8,5’,6’,7’,
8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル−2,2’
−ジイルリン酸塩、スカンジウムトリス(R)−(−)
−5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−オクタヒ
ドロ−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸
塩、スカンジウムトリス(S)−(+)−5,6,7,
8,5’,6’,7’,8’−オクタヒドロ−1,1’
−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、ガドリウム
トリス(R)−(−)−3,3’−ジエテニル−1,
1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、ガドリ
ウムトリス(S)−(+)−3,3’−ジエテニル−
1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、イ
ッテルビウムトリス(R)−(−)−3,3’−ジエテ
ニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸
塩、イッテルビウムトリス(S)−(+)−3,3’−
ジエテニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイル
リン酸塩、スカンジウムトリス(R)−(−)−3,
3’−ジエテニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−
ジイルリン酸塩、スカンジウムトリス(S)−(+)−
3,3’−ジエテニル−1,1’−ビナフチル−2,
2’−ジイルリン酸塩等が挙げられ、さらにこれらのリ
ン酸塩が結晶として単離時に0〜10分子の結晶水とし
て保持するもの、樹脂状物として0〜10モルの水を含
有するものをも含む。
【0033】本発明の触媒は、ルイス酸性触媒のため、
通常のルイス酸を用いるあらゆる反応において適用可能
で、なおかつ不斉を誘起することが可能である。具体的
な反応名としては、不斉ディールス・アルダー環化反
応、不斉ヘテロ・ディールス・アルダー環化反応、不斉
還元反応、不斉ニトロアルドール反応、不斉プロトン化
反応、不斉マイケル付加反応、不斉アルドール縮合反
応、不斉ハイドロフォスフォニル化反応、不斉マイケル
−アルドール反応等が挙げられるがこれらの反応に限ら
れるものではない。
【0034】本発明の不斉合成触媒を用い反応させるこ
とにより発現する光学絶対配置については、一般的に不
斉合成触媒を構成するビナフトール類の光学絶対配置に
依存し、例えば、(R)−ビナフトールを用いた場合
に、生成物の不斉炭素の光学絶対配置が(R)体を与え
る場合、鏡像体の(S)−ビナフトールを用いれば生成
物の不斉炭素の光学絶対配置が(S)体を与える関係に
ある。また、生成物の不斉炭素の光学絶対配置について
は、ビナフトール類が(R)の場合、(R)を与えると
いうことではなく、基質の種類、ビナフトール類の種
類、リン酸塩形成元素の種類の違いにより生成物の光学
絶対配置は異なる。
【0035】本発明の触媒の調製に当たっては、本発明
のビナフトール−リン酸誘導体をリチウム、ナトリウ
ム、カリウム、ルビジウム又はセシウム等のアルカリ金
属塩とした後、塩形成元素のハロゲン化物、硫酸塩、過
塩素酸塩、過臭素酸塩、テトラフルオロボラン塩、トリ
フルオロメタンスルフォン酸塩又はペンタフルオロエタ
ンスルフォン酸塩と反応させることにより調製する。
【0036】本発明のビナフトール−リン酸誘導体と塩
形成元素のモル比は理論的には1/3モル比であるが、
調製に当たっては、ビナフトール−リン酸誘導体を塩形
成元素に対して1.01〜1.2倍当量程度用い、ビナ
フトール−リン酸誘導体をビナフトール−リン酸誘導体
に対して0.9〜1.05倍モル量のアルカリ金属水酸
化物でリン酸塩とした後、塩形成元素と反応させること
により調製する。
【0037】本発明の触媒を反応に用いるに際して、反
応系内に必要に応じて配位子を添加しても良く、具体的
には、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピ
ルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピ
ルアミン、tert−ブチルアミン、ジ−tert−ブ
チルアミン、シクロへキシルアミン、N,N−ジメチル
シクロへキシルアミン、ピペリジン、1−メチルピペリ
ジン、2,6−ジメチルピペリジン、1,2,6−トリ
メチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジンピリジン、ピぺラジン、N、N’−ジメチルピペ
ラジン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−ピ
コリン、2−エチルピリジン、2,4−ルチジン、2,
6−ルチジン、3,5−ルチジン、2,6−ジ−ter
t−ブチルピリジン、2,6−ビス(フェニルエチル)
ピリジン、2,4,6−コリジン、キナルジン、等のア
ミン類、トリフェニルフォスフィンオキサイド、トリ
(2−メチルフェニル)フォスフィンオキサイド、トリ
(3−メチルフェニル)フォスフィンオキサイド、トリ
(4−メチルフェニル)フォスフィンオキサイド、メチ
ルジフェニルフォスフィンオキサイド、メトキシメチル
(ジフェニル)フォスフィンオキサイド、トリn−ブチ
ルフォスフィンオキサイド、トリ−n−オクチルフォス
フィンオキサイド、トリ(シクロへキシル)フォスフィ
ンオキサイド等のフォスフィンオキサイド類、ヘキサメ
チルリン酸トリアミド、トリピペリジノフォスフィンオ
キサイド等のリン酸トリアミド、1,3−ジメチル−2
−イミダゾリジノン、2,6−ルチジン−N−オキサイ
ド等が挙げられ、必要に応じて、塩形成元素に対して、
0〜5モル倍量添加しても良い。
【0038】本発明の触媒を用い反応を実施するに当た
って、反応時に系内を脱水する目的で、必要に応じてモ
レキューラシーブ3A、4A、5Aに代表されるA型ゼ
オライト、モレキュラシーブ13X、Y型、L型等様々
なゼオライトを使用しても良い。
【0039】本発明の触媒の使用例として、不斉ヘテロ
・ディールス・アルダー環化反応への適用例を以下に示
す。
【0040】本発明の触媒を用いた不斉ヘテロ・ディー
ルス・アルダー環化反応においては、触媒を反応に具す
るアルデヒド類及びケトン類又はジエン類に対してあら
ゆる量比で使用可能であるが余りにも過剰の使用は経済
的ではない、また余りにも少量では反応が円滑に進行し
ないか又は微量の不純物の系内への存在により触媒が失
活し反応が全く進行しない場合があり、好ましくは、ア
ルデヒド類及びケトン類又はジエン類に対して0.01
モル%〜100モル%の範囲であり、さらにより好まし
くは0.1モル%〜50モル%の範囲である。
【0041】本発明に適用可能なアルデヒド類として
は、あらゆるアルデヒドが適用可能で、具体的には、ギ
酸エチル、メトキシカルボニルアルデヒド、アセトアル
デヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブタナール、イソ
ブタナール、n−ペンタナール、アクロレイン、クロト
ンアルデヒド、シクロへキシルアルデヒド、ベンズアル
デヒド、4−メトキシベンズアルデヒド、4−メチルベ
ンズアルデヒド、3,5−ジメチルベンズアルデヒド、
4−フェニルベンズアルデヒド、4−クロロベンズアル
デヒド、4−ニトロベンズアルデヒド、ナフチル−2−
アルデヒド、2−フルフラール、桂皮アルデヒド、3−
フェニルプロパナール、2−ベンジルオキシアセトアル
デヒド等が挙げられ、さらにアルデヒド類似化合物とし
てベンジルイミン、フェニルチオアミド等が挙げられ
る。
【0042】本発明に適用可能なケトン類としては、ア
セトフェノン、(4−メチルフェニル)アセトフェノ
ン、(3−メチルフェニル)アセトフェノン、(2−メ
チルフェニル)アセトフェノン、(4−エチルフェニ
ル)アセトフェノン、(3−エチルフェニル)アセトフ
ェノン、(2−エチルフェニル)アセトフェノン、(4
−i−プロピルフェニル)アセトフェノン、(3−i−
プロピルフェニル)アセトフェノン、(2−i−プロピ
ルフェニル)アセトフェノン、1−フェニルプロパン−
1−オン、1−(4−メチルフェニル)プロパン−1−
オン、1−(3−メチルフェニル)プロパン−1−オ
ン、1−(2−メチルフェニル)プロパン−1−オン、
1−フェニル−n−ブタン−1−オン、1−(4−メチ
ルフェニル)−n−ブタン−1−オン、1−(3−メチ
ルフェニル)−n−ブタン−1−オン、1−(2−メチ
ルフェニル)−n−ブタン−1−オン、1−フェニル−
2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−フェニル)
−2−メチルプロパン−1−オン、1−(3−フェニ
ル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−(2−フェ
ニル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−フェニル
−n−ペンタン−1−オン、1−フェニル−n−ヘキサ
ン−1−オン、1−フェニル−n−へプタン−1−オ
ン、1−フェニル−n−オクタン−1−オン、1−フェ
ニル−n−ノナン−1−オン、1−フェニル−n−デカ
ン−1−オン、1−フェニル−n−ウンデカン−1−オ
ン、1−フェニル−n−ドデカン−1−オン、1−フェ
ニル−n−トリデカン−1−オン、1−フェニル−n−
テトラデカン−1−オン、1−フェニル−n−ペンタデ
カン−1−オン、1−フェニル−n−ヘキサデカン−1
−オン、メチル−tert−ブチルケトン、エチル グ
リオキシレート、エチル フェニルグリオキシレート、
メチル フェニルグリオキシレート、エチル i−プロ
ピルグリオキシレート、エチル フェニルエテニルグリ
オキシレート、エチル シクロヘキシルグリオキシレー
ト等が挙げられる。
【0043】本発明に適用可能なジエン類としては、特
に規定ははいが、具体的には1,3−ブタジエン、1,
3−ペンタジエン、シクロペンタジエン、1−メトキシ
−3−(トリメチルシリルオキシ)−1,3−ブタジエ
ン(Danishefsky’s diene)、1,
3−ビス(トリメチルシリルオキシ)−1,3−ブタジ
エン、1−メトキシ−3−(トリメチルシリルオキシ)
−1,3−ペンタジエン、1−メトキシ−2−アセトキ
シ−3−(トリメチルシリルオキシ)−1,3−ブタジ
エン、1−メトキシ−2−メチル−3−(トリメチルシ
リルオキシ)−1,3−ブタジエン、1−tert−ブ
トキシ−3−(トリメチルシリルオキシ)−1,3−ブ
タジエン、1−メトキシ−3−(トリエチルシリルオキ
シ)−1,3−ブタジエン、1−tert−ブトキシ−
3−(トリエチルシリルオキシ)−1,3−ブタジエ
ン、2−メトキシ−4−(トリメチルシリルオキシ)−
1,3−ペンタジエン、1−(トリメチルシリルオキ
シ)−1,3−メトキシ−1,3−ブタジエン等が挙げ
られる。
【0044】発明の方法で得られる下記一般式(9)
【0045】
【化18】
【0046】[式中、*は不斉炭素原子を表し、R9
10は各々独立して、炭素数1〜20の直鎖の若しくは
分岐したアルキル基、炭素数1〜20の直鎖の若しくは
分岐したアルケニル基、炭素数1〜20の直鎖の若しく
は分岐したアルキニル基、フェニル基、炭素数1〜10
の分岐した若しくは直鎖のアルキル基で核が1〜4置換
されたフェニル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは
直鎖のアルケニル基で核が1〜4置換されたフェニル
基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖にアルキニ
ル基で核が1〜4置換されたフェニル基、炭素数1〜1
0の分岐した若しくは直鎖のアルコキシ基で核が1〜4
置換されたフェニル基、ナフチル基、炭素数3〜8のシ
クロアルキル基、フェニル基を有する炭素数1〜10の
アルキル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖の
アルキル基で核が1〜4置換されたフェニル基を有する
炭素数1〜10のアルキル基を表し、R9は水素原子を
も表す。
【0047】R11は水素、炭素数1〜20の直鎖の若し
くは分岐したアルキル基、炭素数1〜20の直鎖の若し
くは分岐したアルケニル基、炭素数1〜20の直鎖の若
しくは分岐したアルキニル基、フェニル基、炭素数1〜
10の分岐した若しくは直鎖のアルキル基で核が1〜4
置換されたフェニル基、炭素数1〜10の分岐した若し
くは直鎖のアルケニル基で核が1〜4置換されたフェニ
ル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖にアルキ
ニル基で核が1〜4置換されたフェニル基、炭素数1〜
10の分岐した若しくは直鎖のアルコキシ基で核が1〜
4置換されたフェニル基、ナフチル基、炭素数3〜8の
シクロアルキル基、フェニル基を有する炭素数1〜10
のアルキル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖
のアルキル基で核が1〜4置換されたフェニル基を有す
る炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜19の直鎖
の若しくは分岐したアルキルカルボニル、炭素数1〜1
9の直鎖の若しくは分岐したアルケニルカルボニル基、
炭素数1〜19の直鎖の若しくは分岐したアルキニルカ
ルボニル基、フェニルカルボニル基、炭素数1〜9の分
岐した若しくは直鎖のアルキル基で核が1〜4置換され
たフェニルカルボニル基、炭素数1〜9の分岐した若し
くは直鎖のアルケニル基で核が1〜4置換されたフェニ
ルカルボニル基、炭素数1〜9の分岐した若しくは直鎖
にアルキニル基で核が1〜4置換されたフェニルカルボ
ニル基、ナフチルカルボニル基、炭素数3〜8のシクロ
アルキルカルボニル基、フェニル基を有する炭素数1〜
9のアルキルカルボニル基、炭素数1〜9の分岐した若
しくは直鎖のアルキル基で核が1〜4置換されたフェニ
ル基を有する炭素数1〜9のアルキルカルボニル基、炭
素数1〜19の直鎖の若しくは分岐したアルキルオキシ
カルボニル基、フェニルオキシカルボニル基、炭素数1
〜9の直鎖の若しくは分岐したアルキル基で核が1〜4
置換されたフェニルオキシカルボニル基を表す。但し、
10とR11は等しくない。Aは酸素、窒素、イオウ、又
はセレン原子を表す。]で示されるピラン化合物は、上
記アルデヒド類又はケトン類とジエン類のあらゆる組み
合わせで生成可能であり、置換基R9、R10、R11が結
合した炭素の立体は、触媒の種類、反応基質の種類によ
り異なる。
【0048】本反応の反応に当たってはアルデヒド類と
ジエン類を等モル量で反応を実施するが必要に応じて、
アルデヒド類をジエン類に対して、0.9〜1.1モル
比で使用しても良い。
【0049】本発明の不斉ヘテロ・ディールス・アルダ
ー環化反応に適用可能な溶剤としては、反応に不活性な
溶剤であればあらゆるものが適用可能で、具体的には、
四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−
ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,
1,2−トリクロロエタン、ブロモホルム、ジブロモメ
タン等のハロゲン化溶剤等が挙げられる。
【0050】本発明の不斉ヘテロ・ディールス・アルダ
ー環化反応における反応温度としては、反応に具する基
質に対して異なるが、通常、−78℃〜100℃の範囲
で実施可能であり、多くの反応においては−20℃〜5
0℃の温度範囲で高収率、高光学純度を与える。
【0051】本発明の不斉ヘテロ・ディールス・アルダ
ー環化反応における基質濃度としては、特に規定はない
が、溶剤に対して通常0.1重量%〜50重量%の範囲
で反応を実施する。
【0052】本発明の不斉ヘテロ・ディールス・アルダ
ー環化反応における反応時間は反応に具する基質の種
類、触媒の種類により異なるが通常は96時間以内に反
応が完結する。
【0053】反応終了後、後処理操作に規定はないが、
具体例としては、トリフルオロ酢酸を適量添加、次いで
ピリジン及び水を添加、ジクロロメタンで抽出した後、
硫酸マグネシウム上で乾燥、濃縮することにより粗製の
目的物を得る方法等でがある。目的物の精製に当たって
は、シリカゲル分集薄層クロマト又は分集カラム等、蒸
留、再結晶等の通常の方法を用いることができる。
【0054】
【発明の効果】本発明の新規なビナフトール−リン酸塩
誘導体は実用性の高い反応条件で使用でき且つ高い光学
純度を与える不斉合成触媒として使用可能であり、また
本発明の新規なビナフトール−リン酸誘導体はその中間
体として有用である。
【0055】さらに、本発明の方法により得られるピラ
ン化合物類は、医、農薬合成中間体として有用な化合物
である。
【0056】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではな
い。
【0057】(旋光度の測定)HORIBA製SEPA
−300を使用。
【0058】(融点測定)ヤナコ(株)製MP−500
Dを使用。
【0059】(1H−NMR、13C−NMRの測定)J
OEL製JNM−EX400を使用(400MHz)。
【0060】(HRFABMASSの測定)JOEL製
JMS−HX110を使用。
【0061】(元素分析)九州大学中央分析センターへ
依頼。
【0062】(IR測定)JOEL製JIR−WINS
PEC50を使用。
【0063】(光学純度の検定)ダイセル(株)のキラ
ルカラムODを装着した高速液体クロマトグラフィーで
行い、溶離溶媒:Hexane/i−PrOH=2/1
〜100/1(vol/vol)、流量1ml/min
で測定した。
【0064】参考例1 (R)−(−)−6,6’−ジ
−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジ
オールの調製 マグネット攪拌子を入れた500mlのナス型フラスコ
に(R)−(−)−6,6’−ジブロモ−2,2’−ジ
ベンジルエーテル10.0g(16.02mmol)、
ビストリフェニルフォスフィンジクロロパラジウム59
0mg(1.602mmol)、塩化第一銅310mg
(1.602mmol)、tert−n−ブチルアンモ
ニウムアイオダイド590mg(1.602mmo
l)、トリエチルアミン106ml、1−オクチン14
ml(96.12mmol)を仕込み、これを攪拌しな
がら加熱し、80℃で12時間反応を行った。
【0065】反応終了後、室温まで冷却の後、ジエチル
エーテル300mlを添加、セライトを充填したカラム
を通すことにより固体を除去、次いで濃縮、乾燥するこ
とにより、粗製の(R)−(−)−6,6’−(1−オ
クテニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジベン
ジルエーテル10.9gを得た。
【0066】得られた(R)−(−)−6,6’−(1
−オクテニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジ
ベンジルエーテルは精製することなく、次反応に用い
た。
【0067】攪拌子を入れた500mlのナス型フラス
コに、粗製の(R)−(−)−6,6’−(1−オクテ
ニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジベンジル
エーテル10.6g、酢酸エチル150ml、N,N−
ジイソプロピルエチルアミン2.78mlを入れ、系内
をアルゴンで置換した後、10%パラジウム−炭素1.
09gを入れ、次いで系内を水素置換し、室温で攪拌し
ながら12時間反応を行った。
【0068】得られた反応液は、セライトを充填したカ
ラムを通し、触媒を除去した後、濃縮、次いでシリカゲ
ルカラムクロマトで精製(へキサン/酢酸エチル=19
/1)、濃縮することにより、透明な黄色液体4.26
g(収率:52%/2工程)を得た。
【0069】<分析結果> Rf=0.46(へキサン/酢酸エチル=4/1) 旋光度:[α]D 24 −58.00°(c=1.2CH
Cl31 H−NMR(CDCl3)δ7.90(d,2H,J
=9.27Hz,C2010),7.66(s,2H,C
2010),7.35(d,2H,J=9.27Hz,C
2010),7.16(d,2H,J=8.79Hz,C
2010),7.08(d,2H,J=8.30Hz,C
2010),4.97(br,2H,OH),2.71
(t,4H,J=7.82Hz,CH2CH2(CH25
CH3),1.68−1.64(m,4H,CH2CH2
(CH25CH3),1.32−1.24(m,20
H,CH2CH2(CH25CH3),0.87(t,6
H,J=6.84Hz,CH2CH2(CH25CH313 C−NMR(CDCl3)δ152.05,138.
63,131.68,130.79,129.60,1
28.99,126.85,124.13,117.6
0,110.85,35.78,31.88,31.4
3,29.49,29.38,29.25,22.6
7,14.11 HRFABMASS m/z 測定値 510.347
7(M)+,(計算値 C36462:510.349
8) 元素分析(%) 測定値 C,84.62;H,9.0
8(計算値 C36462:C,84.66;H,9.
08)。
【0070】参考例2 (R)−(−)−6,6’−ビ
ス(2”,6”−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナ
フチル−2,2’−ジオールの調製 還流コンデンサー、セプタムキャップ及びマグネット攪
拌子をを備えた100mlのナス型3口フラスコに、テ
トラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム88
9mg(0.7693mmol)、2,6−キシリルホ
ウ酸3.00g(20.00mmol)及び水酸化バリ
ウム・6水和物7.28g(23.08mmol)を仕
込んだ。次いで系内をアルゴン置換した後、1,2−ジ
メトキシエタン46.2mlに2,2’−ジベンジルオ
キシ−6,6’−ジブロモ−1,1’−ビナフチル4.
80g(7.693mmol)を溶解した溶液を50m
lのシリンジを用いセプラムを通して系内に注入し、さ
らに水7.7mlを添加した。
【0071】得られた混合物を攪拌しながらオイルバス
上で80℃に加熱し、同温度で2.5時間反応を行っ
た。
【0072】反応終了後、室温まで冷却し、次いでトル
エン抽出、飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾
燥、濃縮、シリカゲルカラムクロマト(へキサン/酢酸
エチル=8/2〜7/3)で精製することにより(R)
−(+)−2,2’−ジベンジルオキシ−1,1’−ビ
ナフチル−6,6’−ジ(2”,6”−ジメチルフェニ
ル)・1水和物5.3gを無色の結晶として得た(収
率:97%)。
【0073】<分析結果> 融点 89.6℃ Rf=0.44(へキサン/酢酸エチル=9/1) 旋光度:[α]D 20 +89.0°(c=1.0CHC
31 H−NMR(CDCl3)δ7.92(d,2H,J=
8.79Hz,aromatic),7.91(s,2
H,aromatic),7.45(dd,4H,J=
8.79,8.30Hz,aromatic),7.2
0−7.07(m,14H,aromatic),6.
96(d,4H,J=6.83Hz,aromati
c),5.08(s,4H,OCH2),2.08
(d,12H,J=4.39Hz,CH3)13 C−NMR(CDCl3)δ153.85,141.
78,137.41,136.35,132.94,1
29.54,129.27,128.99,128.1
9,128.06,127.55,127.29,12
7.24,126.98,126.78,125.7
7,120.69,115.94,71.02,21.
04,21.00 IR(KBR,(ν cm-1)3712,3061,3
030,2947,2918,1589,1483,1
452 HRFABMASS m/z 測定値 674.314
2(M)+,(計算値 C50422:674.318
5) 元素分析(%) 測定値 C,86.60;H,6.1
5(計算値 C50422・H2O:C,86.67;
H,6.40)。
【0074】マグネット攪拌子を備えた100mlのナ
ス型フラスコに(R)−(+)−2,2’−ジベンジル
オキシ−1,1’−ビナフチル−6,6’−ジ(2”,
6”−ジメチルフェニル)・1水和物1.49g(2.
102mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミ
ン385μL(2.208mmol)及び酢酸エチル2
2mlを仕込み、系内をアルゴン置換した後、10%パ
ラジウム−炭素149gを仕込んだ。次いで系内を水素
置換し、攪拌しながら室温で12時間反応を行った。
【0075】反応終了後、セライトを充填したカラムで
固体を分離し、次いで濃縮、シリカゲルカラムクロマト
(へキサン/酢酸エチル=19/1〜4/1)で精製す
ることにより目的物の(R)−(−)−6,6’−ビス
(2”,6”−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナフ
チル−2,2’−ジオール・1水和物1.07g(収率
97%)を淡黄色固体として得た。
【0076】<分析結果> Rf=0.31(へキサン/酢酸エチル=4/1) 旋光度:[α]D 27 −62.90°(c=1.0,C
HCl31 H−NMR(CDCl3)δ7.97(d,2H,J=
8.79Hz,C2010),7.68(s,2H,C20
10),7.42(d,2H,J=8.79Hz,C20
10),7.33(d,2H,J=8.79Hz,C20
10),7.21−7.14(m,8H,C2010,C
63(CH32),2.07(s,12H,CH313 C−NMR(CDCl3)δ152.69,141.
34,136.82,136.31,132.10,1
31.35,129.56,129.30,128.2
3,127.35,127.16,124.29,11
7.87,110.92,21.06 HRFABMASS m/z 測定値 494.224
0(M)+,(計算値 C36302:494.224
6) 元素分析(%) 測定値 C,84.05;H,6.1
9(計算値 C36302・H2O:C,84.35;
H,6.29)。
【0077】実施例1 (R)−(−)−6,6’−ジ
−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジ
イルリン酸・1/4水和物の調製 マグネット攪拌子を入れた100mlのナス型フラスコ
に(R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,
1’−ビナフチル−2,2’−ジオール(5.91g,
11.57mmol)、ジクロロメタン12mlを仕込
み、溶解させた。次いで、オキシ塩化リン2.32ml
(17.36mmol)を入れ、反応器を氷浴上に移
し、0℃に冷却した後、トリエチルアミン4.84ml
(34.71mmol)、ジクロロメタン3.05ml
からなる溶液7.33mlを30分かけて滴下した。滴
下終了後、同温度で40分攪拌した後、室温に戻し、さ
らに1時間攪拌し反応を行った。
【0078】反応終了後、0℃に冷却し、水を添加、ジ
クロロメタンで抽出、硫酸マグネシウム上で乾燥、濃縮
することにより、粗製の(R)−(−)−6,6’−ジ
−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジ
イルリン酸クロライド6.69gを得た。得られた
(R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,
1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸クロライド
は精製することなく反応に用いた。
【0079】<分析結果> Rf 0.47(ヘキサン/酢酸エチル=8/1) 旋光度:[α]D 17 −373.40°(c=1.0,
CHCl31 H−NMR(CDCl3)δ7.99(dd,2H,J
=7.32,7.82Hz,C20H10),7.74
(d,2H,J=6.34Hz,C2010),7.57
(d,1H,J=8.79Hz,C2010),7.49
(d,1H,J=8.79Hz,C2010),7.33
(dd,2H,J=9.28,10.74Hz,C20
10),7.21−7.17(m,2H,C2010),
2.76(t,4H,J=6.34Hz,CH2CH
2(CH25CH3),1.71−1.67(m,4H,
CH2CH2(CH25CH3),1.34−1.27
(m,20H,CH2CH2(CH25CH3),0.8
7(t,6H,J=6.35Hz,CH2CH2(C
25CH313 C−NMR(CDCl3)δ145.98,145.
85,145.75,145.64,141.08,1
32.38,132.21,131.17,130.9
5,130.49,128.68,127.11,12
6.89,126.84,121.59,121.4
4,120.11,119.76,35.76,31.
85,31.13,31.08,29.43,29.3
6,29.23,22.65,14.09 HRFABMASS m/z 測定値 591.278
8(M+H)+,(計算値 C3645ClO3P:59
1.2795)元素分析(%) 測定値 C,73.2
7;H,7.52 (計算値 C3644ClO3P:C,73.14;H,
7.50)。
【0080】還流コンデンサー及びマグネット攪拌子を
備えた200mlのナス型フラスコに、得られた粗製
(R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,
1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸クロライド
1.68g(2.842mmol)、2%炭酸ナトリウ
ム水溶液50ml、THF10mlを仕込み、攪拌しな
がらオイルバス上で75−85℃に加熱し、5時間反応
を行った。
【0081】反応終了後、室温まで冷却し、さらに冷蔵
庫内で12時間保持し、次いで、析出物をろ取し、炭酸
ナトリウム2%水溶液で洗浄した。
【0082】還流コンデンサー及び攪拌子を備えた10
0mlのナス型フラスコに得られた析出物、水23.1
ml、35%塩酸1.8ml及びテトラハイドロフラン
(以下THFと略す)10mlを仕込み、攪拌しながら
オイルバス上で80℃に加熱し4時間反応を行った。反
応終了後、室温まで冷却し、次いでジクロロメタンで抽
出、水洗、硫酸マグネシウム上で乾燥、濃縮、減圧下1
10℃で12時間乾燥することにより目的物の(R)−
(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナ
フチル−2,2’−ジイルリン酸1.46g(収率90
%)を黒褐色粘脹物として得た。
【0083】<分析結果> 旋光度:[α]D 21 −296.30°(c=1.0,
CHCl31 H−NMR(CDCl3)δ7.89(d,2H,J=
8.79Hz,C2010),7.69(s,2H,C20
10),7.50(d,2H,J=8.79Hz,C20
10),7.33(d,2H,J=8.30Hz,C20
10),7.16(d,2H,J=8.79Hz,C20
10),2.75(t,4H,J=7.32Hz,CH
2CH2(CH25CH3),1.69−1.67(m,
4H,CH2CH2(CH25CH3),1.33−1.
27(m,20H,CH2CH2(CH25CH3),
0.88(dd,6H,J=7.33,6.34Hz,
CH2CH2(CH25CH313 C−NMR(CDCl3)δ146.20,140.
40,136.09,132.05,130.64,1
28.28,127.04,126.76,121.3
1,120.38,35.78,31.87,31.1
7,29.47,29.36,29.25,22.6
7,14.11 IR(KBr,ν cm-1)3853,3735,36
49,3307,2926,2854 HRFABMASS m/z 測定値 573.313
4(M+H)+,(計算値 C36464P:573.3
134) 元素分析(%) 測定値 C,74.94;H,8.0
6(計算値 C36454P・1/4H2O:C,74.
91;H,7.95)。
【0084】実施例2 (R)−(−)−6,6’−ビ
ス(2,6−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナフチ
ル−2,2’−ジイルリン酸・1/2水和物の調製 実施例1で用いた(R)−(−)−6,6’−ジ−n−
オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオール
(5.91g,11.57mmol)を(R)−(−)
−6,6’−ビス(2,6−ジメチルフェニル)−1,
1’−ビナフチル−2,2’−ジオール5.73g(1
1.57mmol)に替えた以外、実施例1と同じ操作
で(R)−(−)−6,6’−ビス(2,6−ジメチル
フェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイル
リン酸クロライド6.92g(収率:quant.)を
白色固体として得た。
【0085】<分析結果> Rf 0.55(へキサン/酢酸エチル=4/1) 旋光度:[α]D 21 −301.90°(c=1.0,
CHCl31 H−NMR(CDCl3)δ8.08(q,2H,J=
4.40Hz,C20H10),7.79(d,2H,J=
5.86Hz,C2010),7.67(d,1H,J=
8.78Hz,C2010),7.58(d,2H,J=
8.78Hz,C2010),7.55(d,1H,J=
8.79Hz,C2010),7.22−7.12(m,
8H,C2010,C63(CH32),2.13(s,
6H,CH3),2.00(s,6H,CH313 C−NMR(CDCl3)δ146.17,140.
62,139.23,136.09,135.96,1
35.85,132.38,132.19,131.8
5,131.61,130.93,128.96,12
8.33,127.44,127.37,127.2
7,127.15,126.32,121.57,12
0.42,119.98,20.95,20.89,2
0.82IR(KBr,ν cm-1)3733,333
8,3020,2975,1475, 1461,13
17,960,678 HRFABMASS m/z 測定値 574.146
0(M)+,(計算値 C3628ClO3P:574.1
465)。
【0086】還流コンデンサー及びマグネット攪拌子を
備えた200mlのナス型フラスコに得られた(R)−
(−)−6,6’−ビス(2,6−ジメチルフェニル)
−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸クロ
ライド1.57g(2.730mmol)、炭酸ナトリ
ウム2%水溶液48mlを仕込み、攪拌しながらオイル
バス上で80−110℃に加熱し、1時間反応を行っ
た。
【0087】反応終了後、室温まで冷却し、さらに冷蔵
庫内で12時間保持し、次いで、析出物をろ取し、炭酸
ナトリウム2%水溶液で洗浄した。
【0088】還流コンデンサー及び攪拌子を備えた10
0mlのナス型フラスコに得られた析出物、水22.2
ml、35%塩酸1.7mlを仕込み、攪拌しながらオ
イルバス上で95℃に加熱し1時間反応を行った。
【0089】反応終了後、室温まで冷却し、次いでジク
ロロメタンで抽出、水洗、硫酸マグネシウム上で乾燥、
濃縮、減圧下120℃で16時間乾燥することにより目
的物の(R)−(−)−6,6’−ビス(2,6−ジメ
チルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジ
イルリン酸495mg(収率33%)を無色の結晶とし
て得た。
【0090】<分析結果> 旋光度:[α]D 26 −265.95°(c=1.0,
CHCl31 H−NMR(CDCl3)δ8.03(d,2H,J=
8.79Hz,C2010),7.76(s,2H,C20
10),7.64(d,2H,J=8.79Hz,C20
10),7.58(d,2H,J=8.79Hz,C20
10),7.22−7.12(m,8H,C2010,C
63(CH32),2.14(s,6H,CH3),
1.99(s,6H,CH313 C−NMR(CDCl3)δ147.28,147.
19,140.94,138.32,136.07,1
35.96,131.85,131.10,131.0
2,128.32,128.10,127.38,12
7.31,127.24,121,61,120.9
1,20.91,20.80IR(KBr,ν c
-1)3853,3648,3307,1226,12
07,1027,950,892,767 HRFABMASS m/z 測定値 557.187
9(M)+,(計算値 C36294P:557.188
2) 元素分析(%) 測定値 C,76.54;H,5.2
9(計算値 C36294P・1/2H2O:C,76.
45;H,5.35)。
【0091】実施例3 (R)−(−)−5,6,7,
8,5’,6’,7’,8’−オクタヒドロ−1,1’
−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸・1/4水和物
の調製 マグネット攪拌子を備えた100mlのナス型フラスコ
に、アルゴン雰囲気下(R)−(−)−5,6,7,
8,5’,6’,7’,8’−オクタヒドロ−1,1’
−ビナフチル−2,2’−ジオール1.14g(3.8
7mmol)、オキシ塩化リン710μl(7.62m
mol)及びジクロロメタン8mlを仕込み、攪拌溶解
させた後、これにトリエチルアミン1.60ml(1
1.5mmol)を添加し、室温で12時間反応を行っ
た。
【0092】反応終了後、水を添加、16mlのジクロ
ロメタンで抽出、水洗、硫酸マグネシウム上で乾燥、濃
縮することにより、(R)−5,6,7,8,5’,
6’,7’,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチ
ル−2,2’−ジイルリン酸クロライドを無色の固体と
して得た。
【0093】<分析結果>1 H−NMR(CDCl3)δ7.19−7.17(3
H,Aromatic),7.06(dd,1H,J=
1.95,8.30Hz),2.90−2.78(m,
4H),2.72−2.63(m,2H),2.28
(dt,2H,J=5.37,16.11Hz),1.
86−1.77(m,6H),1.63−1.51
(m,2H)。
【0094】還流コンデンサー及びマグネット攪拌子を
備えた200mlのナス型フラスコに得られた(R)−
5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−オクタヒド
ロ−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸ク
ロライドと2%炭酸ナトリウム水溶液85ml及びTH
F10mlを添加し、攪拌しながら加熱し、65℃で4
時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却し、減圧
下THFのほとんどを留去、次いで冷蔵庫内で12時間
保持した。冷却により析出した固体をろ取、2%炭酸ナ
トリウム水溶液で洗浄、減圧下70℃で乾燥することに
より、(R)−5,6,7,8,5’,6’,7’,
8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル−2,2’
−ジイルリン酸ナトリウム1.42g(収率:97
%)。
【0095】還流コンデンサー及び攪拌子を備えた10
0mlのナス型フラスコに(R)−5,6,7,8,
5’,6’,7’,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビ
ナフチル−2,2’−ジイルリン酸ナトリウム1.01
g(2.67mmol)、35%塩酸6ml及び水45
mlを仕込み、攪拌しながら加熱し、70℃で2時間反
応を行った。反応終了後、室温まで冷却し、析出物をろ
取、水洗、120℃で10時間乾燥することにより、
(R)−5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−オ
クタヒドロ−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイル
リン酸982mg(収率:94%/2工程)を無色の固
定として得た。
【0096】<分析結果> 分解開始温度 289℃ 旋光度:[α]D 20 −250°(c=1.0,EtO
H)1 H−NMR(CD3OD)δ7.22(d,2H,J=
8.30Hz,Aromatic),7.08(d,2
H,J=8.30Hz,Aromatic),2.91
−2.86(m,4H),2.80−2.72(m,2
H),2.30−2.23(m,2H),1.89−
1.80(m,6H),1.61−1.55(m,2
H)13 C−NMR(CD3OD)δ147.98,147.
88,139.45,136.86,131.11,1
27.47,119.34,30.02,28.87,
23.60,23.47 IR(KBr,ν cm-1)2935,2858,14
71,1439,1423,1311,1263、12
52,1227,1157,1056,1049,96
2,904,895,833,816,710 HRFABMASS m/z 測定値 357.125
5(M+H)+,(計算値 C20224P:357.1
256) 元素分析(%) 測定値 C,66.48;H,5.9
2(計算値 C20214P・1/4H2O:C,66.
57;H,6.01)。
【0097】実施例4 ガドリウムトリス(R)−
(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナ
フチル−2,2’−ジイルリン酸塩・2水和物の調製 還流コンデンサー及びマグネット攪拌子を備えた50m
lのナス型フラスコに、実施例1で得られた(R)−
(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナ
フチル−2,2’−ジイルリン酸203mg(0.35
44mmol)、3N水酸化ナトリウム水溶液115μ
L(0.3443mmol)及びメタノール2.1ml
を入れ、攪拌しながら加熱し、還流条件下とした後、こ
れに塩化ガドリウム・6水和物41.8mg(GdCl
3,0.1125mmol)をメタノール0.5mlに
溶解させた溶液をゆっくり添加した後、さらに同条件下
で12時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却
し、析出物をろ過、次いでメタノールで洗浄、減圧下、
125℃で14時間乾燥することにより目的物ガドリウ
ムトリス(R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル
−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩1
96mg(収率:93%)を淡い黄褐色固体として得
た。
【0098】<分析結果> 旋光度:[α]D 22 −195.50°(c=1.0,
CHCl3) IR(KBr,ν cm-1)3853,3735,36
49,3307,2926,2852 元素分析(%) 測定値 C,67.72;H,7.2
3(計算値 C108132123Gd・2H2O:C,6
7.97;H,7.18) 実施例5 イッテルビウムトリス(R)−(−)−6,
6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,
2’−ジイルリン酸塩・5水和物の調製 塩化ガドリウム・6水和物を、塩化イッテルビウム・6
水和物に変える以外は、実施例4と同様な操作を行い、
目的の化合物を得た。
【0099】<分析結果> 旋光度:[α]D 22 −155.15°(c=1.0,
CHCl3) IR(KBr,ν cm-1)3853,3735,36
49,3307,2924,2852 元素分析(%) 測定値 C,65.30;H,7.1
7(計算値 C108132123Yb・5H2O:C,6
5.57;H,7.24)。
【0100】実施例6 スカンジウムトリス(R)−
(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナ
フチル−2,2’−ジイルリン酸塩・1水和物の調製 塩化ガドリウム・6水和物を、三塩化スカンジウム・6
水和物に変える以外は、実施例4と同様な操作を行い、
目的の化合物を得た。
【0101】<分析結果> 旋光度:[α]D 23 −346.90°(c=1.0,
CHCl3) IR(KBr,ν cm-1)3853,3735,36
49,3307,2924,2852 元素分析(%) 測定値 C,73.24;H,7.7
5(計算値 C108132123Sc・1H2O:C,7
2.95;H,7.60)。
【0102】実施例7 ガドリウムトリス(R)−
(−)−6,6’−ジ(2”,6”−ジメチルフェニ
ル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸
塩・4水和物の調製 (R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,
1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸を、実施例
2で得られた(R)−(−)−6,6’−ビス(2,6
−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,
2’−ジイルリン酸・1/2水和物に変える以外は、実
施例4と同様な操作を行い、目的の化合物を得た。
【0103】<分析結果> 旋光度:[α]D 23 −144.20°(c=1.0,
CHCl3) IR(KBr,ν cm-1)3853,3649,33
07,1240,1103 元素分析(%) 測定値 C,68.24;H,5.2
3(計算値 C10884123Gd・4H2O:C,6
8.41;H,4.89)。
【0104】実施例8 イッテルビウムトリス(R)−
(−)−6,6’−ジ(2”,6”−ジメチルフェニ
ル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸
塩・4水和物,5水和物の調製 (R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,
1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸を、実施例
2で得られた(R)−(−)−6,6’−ビス(2,6
−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,
2’−ジイルリン酸・1/2水和物に変え、塩化ガドリ
ウム・6水和物を、塩化イッテルビウム・6水和物に変
える以外は、実施例4と同様な操作を行い、目的の化合
物を得た。乾燥温度の違いにより4水和物又は5水和物
を形成した。
【0105】<分析結果> 旋光度:[α]D 23 −147.70°(c=1.0,
CHCl3) IR(KBr,ν cm-1)3853,3649,33
07,1240,1103 元素分析(%) 4水和物 測定値 C,67.66;H,4.91(計
算値 C10884123Yb・4H2O:C,67.8
5;H,4.85) 5水和物 測定値 C,67.08;H,4.71(計
算値 C10884123Yb・5H2O:C,67.2
2;H,4.91)。
【0106】実施例9 スカンジウムトリス(R)−
(−)−6,6’−ジ(2”,6”−ジメチルフェニ
ル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸
塩・4水和物の調製 (R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,
1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸を、実施例
2で得られた(R)−(−)−6,6’−ビス(2,6
−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,
2’−ジイルリン酸・1/2水和物に変え、塩化ガドリ
ウム・6水和物を、三塩化スカンジニウム・6水和物に
変える以外は、実施例4と同様な操作を行い、目的の化
合物を得た。
【0107】<分析結果> 旋光度:[α]D 23 −107.40°(c=1.0,
CHCl3) HRFABMASS m/z 1711.4819
(M+H)+(計算値 C10885123Sc:C,1
711.4813) 元素分析(%) 測定値 C,72.62;H,5.6
4(計算値 C10884123Sc・4H2O:C,7
2.72;H,5.20)。
【0108】実施例10 スカンジウムトリス(R)−
(−)−5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−
1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩・4
水和物の調製 (R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,
1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸を、実施例
3で得られた(R)−(−)−5,6,7,8,5’,
6’,7’,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチ
ル−2,2’−ジイルリン酸・1/4水和物に変え、塩
化ガドリウム・6水和物を、三塩化スカンジニウム・6
水和物に変える以外は、実施例4と同様な操作を行い、
目的の化合物を得た。
【0109】<分析結果> 外観 無色固体 分解開始温度 248℃ IR(KBr,ν cm-1)2931,2858,14
71,1448,1437,1423,1252,12
25,1111,1057,962,889,877,
833,812 元素分析(%) 測定値 C,61.05;H,5.4
5(計算値 C6060123Sc・4H2O:C,6
0.91;H,5.79)。
【0110】実施例11 2−フェニル−2,3−ジハ
イドロ−4H−ピラン−4−オンの製造 マグネット攪拌子を入れた5mlの丸底フラスコに実施
例8で得られた触媒(4水和物)19.1mg(0.0
1mmol)、ジクロロメタン1mlを添加し溶解さ
せ、続いてベンズアルデヒド(10μl,0.1mmo
l)、1−メトキシ−3−トリメチルシリルオキシ−
1,3−ブタジエン(純度:90%,30.0μl,
0.150mmol)添加し、室温で24時間反応を行
った。反応終了後、トリフルオロ酢酸をマイクロシリン
ジで2滴添加、次いでピリジンをマイクロシリンジで3
滴添加した後、水1mlを添加した。引き続き、ジクロ
ロメタンで抽出、無水硫酸マグネシウム上で乾燥、濃
縮、分集用シリカゲルカラムクロマト(ヘキサン/酢酸
エチル=4/1)で精製することにより目的物の(R)
−2−フェニル−2,3−ジハイドロ−4H−ピラン−
4−オン16.1mgを得た。
【0111】分析の結果、収率93%、光学純度19%
(R)であった。
【0112】実施例12〜実施例18 実施例11と同じ反応装置を用い、表1中に示した条件
下反応を行った。結果を表1中に示した。なお表1中に
記載のない条件については実施例11と同じ条件で反応
を行った。
【0113】
【表1】
【0114】実施例19 2−(4−メトキシフェニ
ル)−2,3−ジハイドロ−4H−ピラン−4−オンの
製造 実施例10で得られた化合物[スカンジウムトリス
(R)−(−)−5,6,7,8,5’,6’,7’,
8’−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸
塩]を触媒に用い、ベンズアルデヒドを4−メトキシベ
ンズアルデヒドに替え、室温で16時間反応を行った以
外、実施例11と同じ操作を行い、2−(4−メトキシ
フェニル)−2,3−ジハイドロ−4H−ピラン−4−
オンを収率99%、光学純度94%ee(R)で得た。
【0115】実施例20 2−イソプロピル−2−エト
キシカルボニル−2,3−ジハイドロ−4H−ピラン−
4−オンの製造 実施例10で得られた化合物[スカンジウムトリス
(R)−(−)−5,6,7,8,5’,6’,7’,
8’−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸
塩]を触媒に用い、ベンズアルデヒドをエチル イソプ
ロピルグリオキシレートに替え、室温で16時間反応を
行った以外、実施例11と同じ操作を行い、2−イソプ
ロピル−2−エトキシカルボニル−2,3−ジハイドロ
−4H−ピラン−4−オンを収率10%、光学純度45
%ee(R)で得た。
【0116】実施例21 2−メチル−2−エトキシカ
ルボニル−2,3−ジハイドロ−4H−ピラン−4−オ
ンの製造 実施例10で得られた化合物[スカンジウムトリス
(R)−(−)−5,6,7,8,5’,6’,7’,
8’−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸
塩]を触媒に用い、ベンズアルデヒドをエチル メチル
グリオキシレートに替え、室温で16時間反応を行った
以外、実施例11と同じ操作を行い、2−メチル−2−
エトキシカルボニル−2,3−ジハイドロ−4H−ピラ
ン−4−オンを収率39%、光学純度17%ee(S)
で得た。
【0117】実施例22 2−フェニル−2−エトキシ
カルボニル−2,3−ジハイドロ−4H−ピラン−4−
オンの製造 実施例10で得られた化合物[スカンジウムトリス
(R)−(−)−5,6,7,8,5’,6’,7’,
8’−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸
塩]を触媒に用い、ベンズアルデヒドをエチル フェニ
ルグリオキシレートに替え、室温で16時間反応を行っ
た以外、実施例11と同じ操作を行い、2−フェニル−
2−エトキシカルボニル−2,3−ジハイドロ−4H−
ピラン−4−オンを収率44%、光学純度3%ee
(S)で得た。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)、一般式(2)、一般
    式(3)又は一般式(4)で示されるビナフトール−リ
    ン酸誘導体。 【化1】 【化2】 [上記一般式(1)又は一般式(2)中、R1、R2、R
    3、R4は各々独立して水素、炭素数1〜20の直鎖の若
    しくは分岐したアルキル基、炭素数1〜20の分岐した
    若しくは直鎖のアルケニル基、炭素数1〜20の分岐し
    た若しくは直鎖にアルキニル基、フェニル基、炭素数1
    〜10の分岐した若しくは直鎖にアルキル基で核が1〜
    4置換されたフェニル基、炭素数1〜10の分岐した若
    しくは直鎖のアルケニル基で核が1〜4置換されたフェ
    ニル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖のアル
    キニル基で核が1〜4置換されたフェニル基、ナフチル
    基、又は炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。但
    し、R1〜R4が同時に水素になることはない。] 【化3】 【化4】 [上記一般式(3)又は一般式(4)中、R5、R6、R
    7、R8は各々独立して水素、炭素数1〜20の直鎖の若
    しくは分岐したアルキル基、炭素数1〜20の分岐した
    若しくは直鎖のアルケニル基、炭素数1〜20の分岐し
    た若しくは直鎖にアルキニル基、フェニル基、炭素数1
    〜10の分岐した若しくは直鎖にアルキル基で核が1〜
    4置換されたフェニル基、炭素数1〜10の分岐した若
    しくは直鎖のアルケニル基で核が1〜4置換されたフェ
    ニル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖のアル
    キニル基で核が1〜4置換されたフェニル基、ナフチル
    基、又は炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。]
  2. 【請求項2】 下記一般式(5)、一般式(6)、一般
    式(7)又は一般式(8)で示されるビナフトール−リ
    ン酸誘導体。 【化5】 【化6】 [上記一般式(5)又は一般式(6)中、R1、R2、R
    3、R4は各々独立して水素、炭素数1〜20の直鎖の若
    しくは分岐したアルキル基、炭素数1〜20の分岐した
    若しくは直鎖のアルケニル基、炭素数1〜20の分岐し
    た若しくは直鎖にアルキニル基、フェニル基、炭素数1
    〜10の分岐した若しくは直鎖にアルキル基で核が1〜
    4置換されたフェニル基、炭素数1〜10の分岐した若
    しくは直鎖のアルケニル基で核が1〜4置換されたフェ
    ニル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖のアル
    キニル基で核が1〜4置換されたフェニル基、ナフチル
    基、又は炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。但
    し、R1〜R4が同時に水素になることはない。またMは
    3価の金属イオンを形成可能な金属元素を表す。] 【化7】 【化8】 [一般式(7)又は一般式(8)中、R5、R6、R7
    8は各々独立して水素、炭素数1〜20の直鎖の若し
    くは分岐したアルキル基、炭素数1〜20の分岐した若
    しくは直鎖のアルケニル基、炭素数1〜20の分岐した
    若しくは直鎖にアルキニル基、フェニル基、炭素数1〜
    10の分岐した若しくは直鎖にアルキル基で核が1〜4
    置換されたフェニル基、炭素数1〜10の分岐した若し
    くは直鎖のアルケニル基で核が1〜4置換されたフェニ
    ル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖のアルキ
    ニル基で核が1〜4置換されたフェニル基、ナフチル
    基、又は炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。また
    Mは3価の金属イオンを形成可能な金属元素を表す。]
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のビナフトール−リン酸
    塩誘導体を含有することを特徴とする不斉合成触媒。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載のビナフトール−リン酸
    塩誘導体を含有する不斉合成触媒の存在下、アルデヒド
    類又はケトン類とジエン類を反応させることを特徴とす
    る下記一般式(9) 【化9】 [式中、*は不斉炭素原子を表し、R9、R10は各々独
    立して、炭素数1〜20の直鎖の若しくは分岐したアル
    キル基、炭素数1〜20の直鎖の若しくは分岐したアル
    ケニル基、炭素数1〜20の直鎖の若しくは分岐したア
    ルキニル基、フェニル基、炭素数1〜10の分岐した若
    しくは直鎖のアルキル基で核が1〜4置換されたフェニ
    ル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖のアルケ
    ニル基で核が1〜4置換されたフェニル基、炭素数1〜
    10の分岐した若しくは直鎖にアルキニル基で核が1〜
    4置換されたフェニル基、炭素数1〜10の分岐した若
    しくは直鎖のアルコキシ基で核が1〜4置換されたフェ
    ニル基、ナフチル基、炭素数3〜8のシクロアルキル
    基、フェニル基を有する炭素数1〜10のアルキル基、
    炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖のアルキル基で
    核が1〜4置換されたフェニル基を有する炭素数1〜1
    0のアルキル基を表し、R9は水素原子をも表す。R11
    は水素、炭素数1〜20の直鎖の若しくは分岐したアル
    キル基、炭素数1〜20の直鎖の若しくは分岐したアル
    ケニル基、炭素数1〜20の直鎖の若しくは分岐したア
    ルキニル基、フェニル基、炭素数1〜10の分岐した若
    しくは直鎖のアルキル基で核が1〜4置換されたフェニ
    ル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖のアルケ
    ニル基で核が1〜4置換されたフェニル基、炭素数1〜
    10の分岐した若しくは直鎖にアルキニル基で核が1〜
    4置換されたフェニル基、炭素数1〜10の分岐した若
    しくは直鎖のアルコキシ基で核が1〜4置換されたフェ
    ニル基、ナフチル基、炭素数3〜8のシクロアルキル
    基、フェニル基を有する炭素数1〜10のアルキル基、
    炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖のアルキル基で
    核が1〜4置換されたフェニル基を有する炭素数1〜1
    0のアルキル基、炭素数1〜19の直鎖の若しくは分岐
    したアルキルカルボニル、炭素数1〜19の直鎖の若し
    くは分岐したアルケニルカルボニル基、炭素数1〜19
    の直鎖の若しくは分岐したアルキニルカルボニル基、フ
    ェニルカルボニル基、炭素数1〜9の分岐した若しくは
    直鎖のアルキル基で核が1〜4置換されたフェニルカル
    ボニル基、炭素数1〜9の分岐した若しくは直鎖のアル
    ケニル基で核が1〜4置換されたフェニルカルボニル
    基、炭素数1〜9の分岐した若しくは直鎖にアルキニル
    基で核が1〜4置換されたフェニルカルボニル基、ナフ
    チルカルボニル基、炭素数3〜8のシクロアルキルカル
    ボニル基、フェニル基を有する炭素数1〜9のアルキル
    カルボニル基、炭素数1〜9の分岐した若しくは直鎖の
    アルキル基で核が1〜4置換されたフェニル基を有する
    炭素数1〜9のアルキルカルボニル基、炭素数1〜19
    の直鎖の若しくは分岐したアルキルオキシカルボニル
    基、フェニルオキシカルボニル基、炭素数1〜9の直鎖
    の若しくは分岐したアルキル基で核が1〜4置換された
    フェニルオキシカルボニル基を表す。但し、R10とR11
    は等しくない。Aは酸素、窒素、イオウ、又はセレン原
    子を表す。]で示されるピラン化合物の製造方法。
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