JP2000335804A - 剥離装置 - Google Patents

剥離装置

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JP2000335804A
JP2000335804A JP11145122A JP14512299A JP2000335804A JP 2000335804 A JP2000335804 A JP 2000335804A JP 11145122 A JP11145122 A JP 11145122A JP 14512299 A JP14512299 A JP 14512299A JP 2000335804 A JP2000335804 A JP 2000335804A
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film
diamond
peeling
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intermediate layer
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JP11145122A
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Yasushi Takeuchi
寧 竹内
Osamu Watanabe
督 渡辺
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分離爪を回転体に長期間摺接させておくと、
分離爪と接している回転体の表面は摩耗して傷痕が付い
てしまい、この削れた箇所で画像形成不良や、定着不良
が発生する。 【解決手段】 分離爪の表面上に中間層を介して水素化
アモルファス炭素膜もしくはダイヤモンド状炭素膜、ダ
イヤモンド膜、または硬質炭素膜を気相合成法で形成し
たことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、LBPな
どの画像形成装置に用いられる感光体ドラム、感光体ベ
ルト、定着ローラのような回転表面から転写材を剥離す
る分離爪を備えた剥離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複写機やレーザプリンタでは、画像に対
応した静電潜像を感光体上に形成し、これを現像してト
ナー像を作成するようになっている。トナー像は転写、
分離装置を通過し、転写材に転写され、この後、トナー
の定着が行われるようになっている。
【0003】このような記録装置で、転写材は感光体と
転写装置の間を通過する際に静電的に感光体表面に吸着
されるのが通常である。このため、通常の状態で、転写
材がトナー像と感光体上で密着することになる。これは
画像の定着にとっては好ましいことである。
【0004】ところが、吸着した転写材が剥がれずにそ
のまま感光体ドラムに巻きついてしまうことがある。感
光体ドラムに転写材が巻きついたままでは、次の画像形
成を行うことができない。また、この転写材が現像装置
やクリーニング装置内に進入する場合もあり、このよう
なときには、これらの装置の正常な機能を阻害してしま
う。また、熱加圧方式の定着装置でも定着ローラに転写
材が巻きついてしまうことがあり、この場合にも定着装
置としての機能を阻害するという問題がある。
【0005】そこで従来から、感光体ドラムや定着ロー
ラには、1つまたは複数の分離爪がこれらの表面に摺接
している。特に複数の分離爪を摺接させておいて、転写
材の両端に分離爪を同時に作用させるようにすると、幅
の広い転写材や剥離しにくい転写材でも、感光体ドラム
等の回転体から確実に分離させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、分離爪を回
転体に長期間摺接させておくと、分離爪と接している回
転体の表面は摩耗して、傷痕が付いてしまい、この削れ
た箇所で画像形成不良や、定着不良が発生してしまって
いた。現在、分離爪表面の摩擦抵抗を下げるために、感
光体ドラムのための分離爪の表層はカーボンエポキシ、
定着ローラのための分離爪の表層にはPFAコートなど
が用いられているが、十分な効果は得られていない。
【0007】そこで、分離爪による削れを防止するため
に、レシプロ機構などを分離爪ユニットに取り付けるこ
とで、摩耗を低減させてきた。しかし、これは分離機構
ユニットのコストアップにつながってしまう。
【0008】本発明の目的は、長画像形成装置におい
て、感光体ドラムや定着ローラ等の回転体に摺接して、
回転体から転写材を剥離する剥離装置において、長期間
にわたって優れた摺動性を保持する分離爪を有し、長期
にわたって回転体の表面を傷つけることがない転写材剥
離装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、分離爪の表面
上に中間層を介して水素化アモルファス炭素膜(以下、
a−C:H膜)もしくはダイヤモンド状炭素膜(以下、
DLC膜)、ダイヤモンド膜、または硬質炭素膜を気相
合成法で形成することにより、上述の問題を解決したも
のである。
【0010】すなわち本発明の剥離装置は、回転体の回
転表面の移動方向と直交する方向に一列に配置され、前
記回転体を通過した転写材を、回転体から剥離させるた
めにそれぞれの先端を前記回転体の表面に摺接された複
数の剥離爪を有する剥離装置において、前記剥離爪の表
面上に設けられた、Si、B、周期律表の4A族(T
i、Zr、Hf)、5A族(V、Nb、Ta)及び6A
族(Cr、Mo、W)の金属からなる群より選択された
元素、前記元素の酸化物、炭化物、窒化物、炭窒化物、
炭酸化物または炭酸窒化物、Bを除く前記元素の硼化物
または硼窒化物、前記元素の複数を含む化合物、または
これらの物質の複数からなる混合物で構成された中間層
と、この中間層上に設けられた、水素化アモルファス炭
素膜、ダイヤモンド状炭素膜、ダイヤモンド膜、または
硬質炭素膜からなる潤滑保護膜とを具備することを特徴
とする。
【0011】本発明の他の態様においては、剥離爪の表
面上に設けられた中間層と、中間層上に設けられた潤滑
保護膜とを具備し、潤滑保護膜が、水素化アモルファス
炭素膜、ダイヤモンド状炭素膜、ダイヤモンド膜、また
は硬質炭素膜からなり、剥離爪表面上から中間層、及び
この中間層から潤滑保護膜にかけて組成が連続的に変化
していることを特徴とする。
【0012】好ましくは、ダイヤモンド膜が、ダイヤモ
ンドの多結晶膜、あるいはダイヤモンド結晶とグラファ
イト結晶とアモルファス状カーボンとからなる混合膜で
ある。
【0013】本発明のさらに他の態様においては、剥離
爪はその表面上に絶縁保護膜を介して設けられた水素化
アモルファス炭素膜からなる潤滑保護膜を具備し、この
潤滑保護膜中の水素濃度が、絶縁保護膜側で高く、剥離
爪の表面側で低いことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
【0015】本発明の剥離装置に適用されるa−C:H
膜もしくはDLC膜は、熱伝導率が200〜600W/
m・K、電気抵抗(体積抵抗率)108 〜1011Ωc
m、硬度2000〜5000kg/mm2 、摩擦係数が
0.2より小さい等に代表される物理的性質を有するも
のである。同様に、本発明に係わる硬質炭素膜は、巨視
的にはアモルファス構造でsp2、sp3結合の炭素か
らなり、膜中に水素をほとんど含有していない。含有す
る場合でもその量は1atom%よりも少ない。硬質炭
素膜の密度は、グラファイトの密度(2.26g/cm
3 )よりも大きく、ダイヤモンドの密度(3.15g/
cm3 )よりも小さい範囲にある。また、硬度は200
0〜5000kg/mm2 、摩擦係数μ<0.2、電気
抵抗(体積抵抗率)105 〜1011Ωcm等に代表され
る物理的性質を有するものである。
【0016】ダイヤモンド膜は、結晶性の良好な膜か
ら、膜中にアモルファス状カーボンやグラファイト結晶
を少量含有するものまで、硬度は2000〜10000
kg/mm2 、摩擦係数μ<0.2、電気抵抗(体積抵
抗率)105 〜1013Ωcm等に代表される物理的性質
を有するものである。
【0017】本発明で用いるa−C:H膜もしくはDL
C膜は、マイクロ波プラズマCVD法、直流プラズマC
VD法、高周波プラズマCVD法、有磁場マイクロ波プ
ラズマCVD法、イオンビーム・スパッタ法、イオンビ
ーム蒸着法、イオンプレーティング法、反応性プラズマ
・スパッタ法、イオン注入法、レーザープラズマCVD
法等により形成される。このとき用いる原料ガスは、含
炭素ガスであるメタン、エタン、プロパン、エチレン、
ベンゼン、アセチレン等の炭化水素;塩化メチレン、四
塩化炭素、クロロホルム、トリクロルエタン等ハロゲン
化炭化水素;メチルアルコール、エチルアルコール等の
アルコール類;(CH3 2 CO、(C 6 5 2 CO
等のケトン類;CO、CO2 等のガス、及びこれらのガ
スにN2、H2 、O2 、H2 O、Ar等のガスを混合し
たのが挙げられる。固体炭素源としては、高純度のグラ
ファイトやガラス状炭素等を用いることができる。
【0018】また、硬質炭素膜は、プラズマ・スパッタ
法、イオンビーム・スパッタ法、イオンビーム蒸着法、
イオンビーム・ミキシング法、イオンプレーティング
法、クラスター・イオンビーム法、イオン注入法、アー
ク放電法、レーザー蒸着法等により形成される。
【0019】原料としては、前述の材料の他にアシスト
・イオンビームを用いる場合には、He、N2 、H2
2 、H2 O、Ar、Ne、Kr、Xe等のガスを用い
る。同様にダイヤモンド膜は、マイクロ波プラズマCV
D法、直流プラズマCVD法、高周波プラズマCVD
法、有磁場マイクロ波プラズマCVD法、イオンビーム
・スパッタ法、イオンビーム蒸着法、反応性プラズマ・
スパッタ法、レーザープラズマCVD法、熱フィラメン
トCVD法、プラズマジェット法(DC、RF)、燃焼
炎法等により形成される。このときの原料としては、前
述の気体あるいは固体源が用いられる。
【0020】ダイヤモンド結晶グラファイト結晶及びア
モルファス状カーボンの混合物からなるダイヤモンド膜
は、図3のラマンスペクトルや図4のX線回折により特
定できる。すなわち、1550cm-1付近に二重結合炭
素によるラマン線が、1360cm-1付近にランダムな
グラファイト微結晶に起因するラマン線が、1150c
-1付近にポリエン構造に起因するラマン線が特徴的に
見られる。また、1333cm-1付近に、わずかにダイ
ヤモンドによるラマン線が認められる。一方、X線回折
によれば、2θ=44°にダイヤモンド微結晶による回
折線が認められる。
【0021】この膜の表面粗さは、アモルファス状カー
ボンを含むため、多結晶のダイヤモンド膜に比べ格段に
良好で、最大面粗さ50nm以下である。膜の密度は、
グラファイトの密度(2.26g/cm3 )よりも大き
く、ダイヤモンドの密度(3.51g/cm3 )よりも
小さい範囲にあり、膜中水素濃度は最大でも10ato
m%である。また、膜硬度2000〜10000kg/
mm2 、摩擦係数μ<0.2、電気抵抗(体積抵抗率)
105 〜1011Ωcm等に代表される物理的性質を有し
ている。但し、膜中のグラファイト結晶及びアモルファ
ス状カーボン成分が増えるに従い、膜硬度、電気抵抗、
熱伝導率等が低下する。従って、膜中のグラファイト結
晶及びアモルファス状カーボン成分は表面粗さを低下さ
せない範囲で可能な限り少ない方が良く、特にグラファ
イト結晶成分は含まない方が好適である。
【0022】a−C:H膜あるいはDLC膜は、膜中に
水素を数十atom%含有しており、この水素の含有量
によって膜の性質は大きく異なる。例えば、水素を50
atom%以上含む膜は、光学バンドギャップが大きく
透明で電気抵抗が高いものの、膜硬度が低く熱伝導率の
低いポリマーライクな膜である。一方、水素を10〜4
5atom%含む膜は、ピッカース硬度で2000〜5
000kg/mm2 と非常に硬く、電気抵抗が108 Ω
cmより大きく、熱伝導率が200W/m・Kより大き
く、摩擦係数が0.2より小さい、高熱伝導率と高絶縁
性、高硬度を兼ね備えた膜である。これらの性質は、膜
中に40〜70%存在するsp3結合に由来しているも
のと考えられる。
【0023】従って、本発明の潤滑保護膜として用いら
れるのは、水素含有量が10〜45atom%であるa
−C:H膜やDLC膜である。a−C:H膜とDLC膜
を明確に区別することは難しい。いずれの膜も巨視的に
はアモルファスで、膜中に水素を含有し、sp2結合と
sp3結合炭素からなり、その物理的性質も前述の通り
類似している。本発明で言うDLC膜は、微視的に見た
ときダイヤモンドの結晶構造、例えば電子線回折により
ダイヤモンドと特定される回折パターンを有しているも
のである。
【0024】分離爪の絶縁保護膜上に高硬度、低摩擦係
数のa−C:H膜もしくはDLC膜、ダイヤモンド膜、
硬質炭素膜を形成することにより、従来問題であったト
ライポロジー的問題を解決することができる。しかしな
がら、これらの炭素膜は高硬度である一方、膜の内部応
力(圧縮応力)が大きく、下地との密着性が必ずしも良
好ではない。
【0025】そのため、以下の手段により炭素膜の密着
性を向上させ、厚膜化に対応した。まず、第1の方法と
して、いずれの炭素膜においても下地と炭素膜の間にそ
の物質を中間層として形成するものである。
【0026】Si、B、Al、周期律表4A族(T
i、Zr、Hf)、5A族(V、Nb、Ta)、及び6
A族(Cr、Mo、W)からなる群より選択された元
素、 前記群より選択された元素の酸化物、炭化物、窒化
物、炭窒化物、炭酸化物または炭酸窒化物、 前記群より選択されたBを除く元素の硼化物または硼
窒化物、 前記群より選択された元素のうち少なくとも複数の元
素による化合物、(例.Si、Alの酸化物とか窒化物
等.) またはこれまで〜に挙げた物質のうち複数の物質
による混合物。
【0027】これらは、炭素原子と結合し易い(密着性
の良い)材料であり、このうち下地材料の主要構成元素
と結合し易い(密着性が良好な)物質を選択すれば良
い。中間層の膜厚は必要最小限の厚さで良く、数オング
ストロームから数1000オングストロームの範囲が好
適である。また、炭素膜の内部応力が圧縮応力であるた
め、中間層は内部応力が引っ張り応力である物質が理想
的である。中間層の形成は、EB蒸着法、スパッタ法、
イオンプレーティング法等により炭素膜の形成と独立し
て(別個に)行っても良いし、炭素膜の形成装置にEB
蒸着等を組み込んだ装置により中間層、炭素膜の形成を
連続して行っても良い。
【0028】第2の方法は、下地材料の界面において炭
素膜と下地材料との遷移層(または混合層ともいう)を
形成するものである。遷移層は、炭素原子濃度が炭素膜
側で高く、下地側で低いのに対し、下地構成元素の濃度
が下地側で高く、炭素膜側で低い濃度勾配を有するもの
である。この遷移層の厚さは、1nm以上100nm以
下であれば良い。1nmに満たない薄い場合には、十分
な遷移層が形成されず膜の密着力が低下する。一方、1
00nmを越えて厚い場合には膜応力が大きくなり、膜
剥離を生じ易くなる。
【0029】また、下地上に中間層を形成する場合も中
間層と炭素膜の界面において遷移層を形成することによ
り同様の効果を得ることができる。遷移層は、イオンビ
ーム蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームミ
キシング法、イオン注入法等により形成する。
【0030】第3の方法は、下地材料、中間層、炭素膜
の界面において組成を連続的に傾斜させるものである。
すなわち、下地、中間層、炭素膜間を連続的な傾斜組成
とすることにより、各層間の結合を強固な状態にするこ
とができる。
【0031】第4の方法は、a−C:H膜及びDLC膜
に係わるもので、下地上に水素濃度の高いa−C:H膜
もしくはDLC膜を形成した後、水素濃度の低いa−
C:H膜もしくはDLC膜を形成するものである。この
とき、水素濃度の異なる二層の膜であっても良いし、膜
中の水素濃度が連続的に高い状態から低い状態に変化し
ていても良い。
【0032】前述したように、a−C:H膜、DLC膜
は膜中の水素濃度により、膜質が大きく異なる。特に、
水素濃度が高い膜は膜硬度は比較的低いものの内部応力
が小さく、水素濃度の小さい膜は高硬度であるが内部応
力が大きいという特徴がある。従って、下地と高硬度な
a−C:H膜、DLC膜との間に内部応力の小さい比較
的柔らかい膜を形成することにより、内部応力の大きい
膜の応力を吸収、調整することができる。水素濃度の高
い膜における水素含有率は45〜60atom%であ
り、水素濃度の低い膜の水素含有率は5〜45atom
%である。以上の方法により炭素膜と下地との密着性を
改善することができる。
【0033】a−C:H膜あるいはDLC膜の摩擦係数
は、真空中や乾燥窒素雰囲気中ではμ〜0.02と非常
に低摩擦係数であるが、相対湿度が高くなるに従い摩擦
係数は大きくなる傾向にある。通常状態における摩擦係
数はμ<0.2であるが、相対湿度の高い状態や接触摺
動距離が長くなるに従い、摩擦係数の劣化を生じる。こ
れに対し、a−C:H膜、DLC膜中にTa、W、M
o、Nb、Ti、Cr、Fe、B、Siあるいはフッ素
を含有させることにより、湿度や接触摺動距離に影響さ
れない摩擦係数を有するa−C:H膜やDLC膜を得る
ことができる。これらの元素の膜中濃度は、30ato
m%以下であれば良い。濃度が30atom%を越える
とa−C:H膜あるいはDLC膜本来の有する性質が低
下する。特に膜硬度の低下が顕著であり、分離爪との密
着性も低下するため適さない。
【0034】これらの元素を含有するa−C:H膜ある
いはDLC膜の摩擦係数が、環境(特に湿度)や使用状
況(接触摺動距離)に因らず一定である理由は不明であ
るが、a−C:H膜やDLC膜に存在するダングリング
・ボンドがこれらの元素でターミネートされることによ
り、ダングリング・ボンドが減少して環境や使用状況に
対して安定な膜になっているものと推測される。
【0035】a−C:H膜、DLC膜、硬質炭素膜、ダ
イヤモンド膜の厚さは、分離爪上に形成する場合、数n
m〜数10μmの範囲であれば良く、所望の電気抵抗と
なるように膜圧を決定してやれば良い。膜厚が数nmに
満たず薄いときには、十分な潤滑性能が得られず、数1
0μmを越えて厚いときには膜応力により膜が分離爪か
ら剥離し易くなる。
【0036】本発明は、分離爪上に、密着性の良好なa
−C:H膜、DLC膜、硬質炭素膜、ダイヤモンド膜を
潤滑保護層として形成することにより、ローラと分離爪
間の摺動性を改善し、ローラの長寿命化を実現するもの
である。
【0037】
【実施例】以下に、本発明の定着装置の実施例について
図面を参照しながら説明する。
【0038】(実施例1)図1は本発明の剥離装置を使
用した記録装置の中で、定着装置の構成を示す概略縦断
面図である。
【0039】定着装置は図1に示すように、定着ローラ
1を備える。定着ローラ1は、表層に絶縁接着層2と離
型層3を有する中空の芯金4からなる。定着ローラ1内
部にはヒーター5が配置されている。定着ローラ1は芯
金を介して接地されている。また、定着装置の出口側の
定着ローラ表面には、定着ローラ1表面の回転方向に対
して直交するように分離爪10が摺接している。
【0040】定着ローラ1に圧接して回転する加圧ロー
ラ6は、アルミニウムの芯金7を導電性シリコンゴムの
弾性層8が覆っている構造をもつ。ゴム弾性層8の表層
は、離型性を高めるため離型層9で被覆されている。
【0041】転写材11上の未定着画像は、定着装置中
の定着ニップ部で熱加圧され、転写紙11上に定着され
る。その後、定着画像を載せた転写材11は、定着装置
の出口で分離爪10によって定着ローラから分離され、
排紙される。
【0042】図2は、分離爪の部分斜視図である。図
中、符号12はガラス質の絶縁保護層、13は中間層、
14はDLC膜である。
【0043】本実施例における分離爪は、材質がセラミ
ックの本体の表面に、絶縁性保護膜12としてケイ酸鉛
系の低軟化点ガラスをスクリーン印刷により塗工し、大
気焼成して形成したものである。この絶縁性保護膜12
上にa−Si膜13をECR−PCVD法により15n
m形成した。引き続き、DLC膜14をECR−プラズ
マCVD法により500nm形成した。
【0044】図6は、a−Si膜、DLC膜を形成する
ために用いたECRプラズマCVD装置の概略的縦断面
図である。図中、符号15は空洞共振器タイプのプラズ
マ室、16はガス導入系、17はマイクロ波導入窓、1
8はマイクロ波導波管、19は電磁石、20はマイクロ
波発振器、21は分離爪、22は真空槽、23は排気系
である。真空槽を1×10-7Torrまで排気した後、
ガス導入系よりSiH 4 :200ccm、H2 :40c
cmを導入し、ガス圧を6.0×10-3Torrとした
後、2.45GHzのマイクロ波を700W投入してプ
ラズマ室内にプラズマを生成した。このとき、電磁石に
より導入窓で1200Gauss、空洞共振器出口で8
75GaussのECR条件とし、分離爪21位置で6
000Gaussとなるよう外部磁場を形成してa−S
i膜を15nm形成した。
【0045】分離爪21温度は、350℃とした。引き
続き、原料ガスとしてCH4 :15ccm、H2 :35
ccmを導入し、ガス圧を3.0×10-3Torrとし
た後、マイクロ波を1200W投入し、不図示のDC電
源により分離爪に−500Vの電圧を印加して、図2中
14のDLC膜を500nm形成した。同一条件で作製
したDLC膜をHFS(Hydrogen Forwardscattering S
pectoroscopy)法により水素濃度を分析した結果、水素
含有量は25atom%であった。
【0046】この膜の硬度を薄膜硬度計で測定した結
果、ピッカース硬度換算で3000kg/mm2 であっ
た。ピン・オン・ディスク法により摩擦特性を評価し
た。測定は相対湿度50%の空気中で行い、ピンとして
軸受け鋼(SUJ2)の球(直径5mm)を用い加重
1.0N、摺動速度0.04m/sで行った結果、摩擦
係数は0.11であった。また、同一条件で20000
回摺動をさせたが膜の剥離や傷等の顕著な損傷は見られ
なかった。
【0047】以上のようにして得られた分離爪を用いた
剥離装置を定着装置に取り付け、耐久実験を行ったとこ
ろ、分離爪と定着ローラ間の摺動に対して、定着ローラ
上に傷の発生がなく、安定した摺動性能を長期間保持す
ることができた。
【0048】なお、中間層としては、Si、B、Al、
周期律表の4A族(Ti、Zr、Hf)、5A族(V、
Nb、Ta)及び6A族(Cr、Mo、W)の金属から
なる群より選択された元素、前記元素の酸化物、炭化
物、窒化物、炭窒化物、炭酸化物、炭酸窒化物、Bを除
く前記元素の硼化物または硼窒化物、前記元素のうち少
なくとも複数の元素による化合物またはこれまでに挙げ
た物質のうち複数の物質の混合物を中間層として形成し
た場合も、Siと同様の結果が得られた。
【0049】(実施例2)次に他の剥離装置について説
明する。
【0050】実施例1と同様にして、絶縁性保護膜上に
a−C:H膜を形成した。実施例1と同様に図6に示す
ECRプラズマCVD装置を用い、真空槽22を1×1
-7Torrまで排気した後、ガス導入系16よりA
r:30ccmを導入してガス圧を3.0×10-4To
rrした後、2.45GHzのマイクロ波を500W投
入してプラズマ室15内にArプラズマを生成した。こ
のとき、電磁石により導入窓17で1500Gaus
s、空洞共振器出口で875GaussのECR条件と
し、分離爪位置で650Gaussとなるよう外部磁場
を形成した。
【0051】さらに、空洞共振器出口に設けた不図示の
引き出し電極(グリッド)に−500Vの電圧を印加し
てイオン電流密度0.5mA/cm2 のArイオンビー
ムを分離爪に1分間照射して分離爪表面のクリーニング
を行った。次に、C2 2 :25ccm、Hz:50c
cmを導入し、ガス圧を4.0×10-4Torrとした
後、2.45GHzのマイクロ波を1.2kW投入して
プラズマ室15内にプラズマを生成した。このとき、電
磁石により導入窓17で1500Gauss、空洞共振
器出口で875GaussのECR条件とし、分離爪2
1位置で650Gaussとなるよう外部磁場を形成し
た。
【0052】さらに、空洞共振器出口に設けた不図示の
引き出し電極(グリッド)に−7kVの電圧を印加し
て、イオンビームを引き出すと同時に、引き出し電極と
分離爪間に配設したニュートラライザーにより中性化し
た粒子線を分離爪に照射した。この状態を3分間続けた
後、引き出し電極の電圧を−700Vまで変化させ、ニ
ュートラライザーをオフにしてa−C:H膜を400n
m形成した。同様にして分離爪上に形成したa−C:H
にAES(Auger Electron Spectroscopy)でデプスプ
ロファイルを分析した結果を図5に示した。図より明ら
かなように遷移層の厚さは50nmで、遷移層における
C濃度は膜表面側で高く分離爪表面側で低くなってお
り、Si濃度は膜表面側で低く分離爪表面側で高くなっ
ている。なお、遷移層の厚さは、分離爪界面の前後にお
いてC濃度が極大から極小となる変化量の50%の深さ
からC濃度が極大となるまでの厚さとした。
【0053】以上のようにして得られた分離爪を装着し
た定着装置を用い、実施例1と同様に耐久実験を行った
結果、実施例1と同様に長期にわたって定着ローラに分
離爪による傷は発生しなかった。
【0054】(実施例3)次に他の剥離装置について説
明する。
【0055】本実施例における分離爪材質がセラミック
で、まず絶縁性保護膜としてケイ酸鉛系の低軟化点ガラ
スをスクリーン印刷により塗工し、大気焼成して形成し
た。この後、SiCからなる中間層13とダイヤモンド
結晶、グラファイト結晶及びアモルファス状カーボンの
混合物からなるDLC膜14を実施例1と同様のECR
マイクロ波プラズマCVD法によりそれぞれ100n
m、1μm形成した。
【0056】分離爪を、有磁場マイクロ波プラズマCV
D装置に設置し、真空槽を1×10 -7Torrまで排気
した後、ガス導入系よりSiH4 :20ccm、C
4 :20ccm、Hz:40ccmを導入し、ガス圧
を8.0×10-3Torrとした後、2.45GHzの
マイクロ波を700W投入してプラズマ室内にプラズマ
を生成した。このとき、電磁石により導入窓で1200
Gauss、空洞共振器出口で875GaussのEC
R条件とし、分離爪位置で600Gaussとなるよう
外部磁場を形成してSiC膜を分離爪温度500℃で1
00nm形成した。引き続き、粒径1〜10μmのダイ
ヤモンド砥粒を分散させたアルコール溶液中で超音波を
印加することにより傷つけ処理を行った(核発生密度1
×109 〜1010/cm2 )。
【0057】この分離爪を再び装置に設置し、真空槽を
1×10-7Torrまで排気した後、ガス導入系よりC
4 とH2 ガスを全ガス流量で150ccm、{CH4
/(H2 +CH4 )}:2vol%になるよう調節して
導入し、真空槽の全圧(ガス圧)を50Torrとした
後、2.45GHzのマイクロ波を2.0kW投入して
プラズマ室内にプラズマを生成した。このとき、電磁石
により導入窓で2000Gauss、空洞共振器出口で
875GaussのECR条件となるよう外部磁場を形
成した。さらに、不図示のRF電源により分離爪に1k
Wの電力を供給して、図2中14の炭素膜を形成した。
このとき、分離爪は空洞共振器の出口付近に配置し、分
離爪は500℃に加熱した。同一条件で作製した膜の表
面粗さを評価したところ、最大面粗さ50nmであっ
た。
【0058】この膜の硬度を薄膜硬度計で測定した結
果、ビッカース硬度換算で8000kg/mm2 であっ
た。ピン・オン・ディスク法により相対湿度45%の空
気中で、ピンとして軸受け鋼(SUJ2)の球(直径5
mm)を用い加重2N、摺動速度0.04m/sで摩擦
特性を評価した結果、摩擦係数は0.06であった。さ
らに、ラマン分光分析法、X線回折法で分析した結果、
図3、図4と同様なスペクトル並びに回折図が得られ
た。HFS(Hydrogen Forwardscattering Spectometr
y)法により膜中の水素濃度を分析したところ、水素濃
度は4atom%以下であった。
【0059】以上のようにして得られた分離爪を装着し
た加熱定着装置を用い、実施例1と同様に耐久実験を行
った結果、実施例1と同様に長期にわたって定着ローラ
に分離爪による傷は発生しなかった。
【0060】(実施例4)本実施例における分離爪は、
まず、絶縁性保護膜としてケイ酸鉛系の低軟化点ガラス
をスクリーン印刷により塗工し、大気焼成して形成し
た。その後、中間層13と硬質炭素膜14をDCスパッ
タリング法によりそれぞれ50nm、500nm形成し
た。
【0061】図7は、DLC膜を形成するために用いた
DCマグネトロン・スパッタリング装置の模式図であ
る。図中24は真空槽、25は分離爪、26は純度9
9.99%のSiO2 ターゲットとグラファイト・ター
ゲット、27はガス導入系、28はDC電源、29は排
気系である。真空槽40を1×10-7Torrまで排気
した後、ガス導入系33よりArを導入しガス圧を0.
9Paとした。このとき、分離爪25温度を室温、放電
パワー50W、分離爪ターゲット間距離を40mmとし
た。なお、成膜に先立ち、300Wで20min.間タ
ーゲットのプレスパッタリングを行った。まず、最初に
SiO2 ターゲットを用い、絶縁保護膜上に、SiO2
膜を50nm形成した後、ターゲットを反転させて、グ
ラファイト・ターゲットを用い硬質炭素膜を500nm
形成した。
【0062】同一条件で作製した膜をHFS(Hydrogen
Forwardscattering Spectometry)法により水素濃度を
分析したところ水素含有量は0atom%であった。膜
硬度を薄膜硬度計測定した結果、ピッカース硬度換算で
2000kg/mm2 であった。ピン・オン・ディスク
法により摩擦特性を評価した。測定は相対湿度45%の
空気中で行い、ピンとして軸受け鋼(SUJ2)の球
(直径5mm)を用い加重1.2N、摺動速度0.04
m/sで行った結果、摩擦係数は0.15であった。な
お、RBS(Rutherford Backscattering Spectrometr
y)で評価した密度は、2.8g/cm3 であった。
【0063】以上のようにして得られた分離爪を装着し
た加熱定着装置を用い、実施例1と同様に転写材の熱定
着を行った結果、実施例1と同様に長期にわたって定着
ローラに分離爪による傷は発生しなかった。
【0064】(実施例5)実施例1と同様にして、絶縁
保護膜上にDLC膜を形成した。実施例1と同様に図6
に示すECRプラズマCVD装置を用い、真空槽を1×
10-7Torrまで排気した後、ガス導入系よりAr:
30ccmを導入してガス圧を3.0×10-4Torr
した後、2.45GHzのマイクロ波を500W投入し
てプラズマ室内にArプラズマを生成した。このとき、
電磁石により導入窓で1500Gauss、空洞共振器
出口で875GaussのECR条件とし、分離爪位置
で650Gaussとなるよう外部磁場を形成した。
【0065】さらに、空洞共振器出口に設けた不図示の
引き出し電極(グリッド)に−500Vの電圧を印加し
てイオン電流密度0.5mA/cm2 のArイオンビー
ムを分離爪に1分間照射して分離爪表面のクリーニング
を行った。次に、SiH4 :20ccm、O2 :40c
cmを導入し、ガス圧を4.0×10-4Torrとした
後、2.45GHzのマイクロ波を1kW投入してSi
2 膜を20nm(3分間)形成した後、O2 流量を徐
々に減少させる一方、CH4 とH2 を徐々に増加させて
CH4 :20ccmとH2 :40ccmとしてSiC膜
を100nm(10分間)形成した後、SiH4 流量を
徐々に減少させて最終的には0ccmとした。この状態
で実施例1と同様にしてDLC膜を700nm形成し
た。
【0066】分離爪上に同様に作製したDLC膜をES
CAにより化学結合状態を深さ方向に分析した結果、分
離爪側からSiO2 、SiC、C(DLC)膜と組成が
傾斜していることを確認した。また、DLC膜をHFS
(Hydrogen Forwardscattering Spectoroscopy)法によ
り水素濃度を分析した結果、水素含有量は30atom
%であった。また、この膜の硬度を薄膜硬度計で測定し
た結果、ピッカース硬度換算で2500kg/mmであ
った。ピン・オン・ディスク法により摩擦特性を評価し
た。測定は相対湿度50%の空気中で行い、ピンとして
軸受け鋼(SUJ2)の球(直径5mm)を用い加重
1.0N、摺動速度0.04m/sで行った結果、摩擦
係数は0.11であった。また同一条件で20000回
摺動をさせたが膜の剥離や傷等の顕著な損傷は見られな
かった。
【0067】以上のようにして得られた分離爪を装着し
た定着装置を用い、実施例1と同様に転写材の熱定着を
行った結果、実施例1と同様に長期にわたって定着ロー
ラに分離爪による傷は発生しなかった。
【0068】(実施例6)絶縁保護膜上に潤滑保護膜と
してa−C:H膜を形成した。図8は、イオンビーム蒸
着(IBD)装置の模式図である。図中30は真空層、
31はイオンビーム源、32はイオン化室、33はガス
導入系、34はイオンビーム引き出し電極、35は分離
爪、36は排気系である。真空槽30を1×10-7To
rrまで排気した後、ガス導入系33よりAr:30c
cmを導入しガス圧を3.0×10 -4Torrした後、
引き出し電極34に500Vの電圧を印加して、イオン
電流密度0.5mA/cm2 のArイオンビームを1分
間照射して表面をクリーニングした。次に、ガス供給系
33からCH4 :5ccm、H2 :40ccmを導入
し、ガス圧を2.0×10-4Torrとしてプラズマ室
内にプラズマを生成した。引き出し電極34に0.6k
Vの電圧を印加して、イオンビームを引き出し分離爪に
照射してa−C:H膜を100nm形成した後、CH4
流量を徐々に増加させて20ccmとして、さらにa−
C:H膜を450nm形成した。このとき、分離爪を3
00℃に加熱した。
【0069】分離爪上に同様に形成したa−C:H膜を
HFS(Hydrogen Forwardscattering Spectoroscopy)
法により水素濃度を分析した結果、水素含有量は分離爪
側で50atom%、表面側で30atom%であっ
た。また、この膜の硬度を薄膜硬度計で測定した結果、
ピッカース硬度換算で2000kg/mm2 であった。
ピン・オン・ディスク法により摩擦特性を評価した。測
定は相対湿度50%の空気中で行い、ピンとして軸受け
鋼(SUJ2)の球(直径5mm)を用い加重1.0
N、摺動速度0.04m/sで行った結果、摩擦係数は
0.11であった。また、同一条件で20000回摺動
をさせたが膜の剥離や傷等の顕著な損傷は見られなかっ
た。
【0070】以上のようにして得られた分離爪を装着し
た定着装置を用い、実施例1と同様に転写材の熱定着を
行った結果、実施例1と同様に長期にわたって定着ロー
ラに分離爪による傷は発生しなかった。
【0071】また、実施例では定着ローラから転写材を
剥離する剥離装置について説明したが、感光体ドラムや
感光体ベルト等の他の回転体から転写材を剥離する装置
についても本発明を適用することができる。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、熱定着
を用いた画像形成装置の定着ローラなどの回転体で使用
される転写材剥離装置において、回転体と摺接する分離
爪上に高硬度、低摩擦係数であるa−C:H膜、DLC
膜、ダイヤモンド膜、または硬質炭素膜を潤滑保護膜と
して形成するとき、分離爪上に中間層を設けたり、分離
爪上の保護層と炭素膜の界面に遷移層を設けたり、絶縁
保護層から中間層、炭素膜にかけて組成を連続的に傾斜
させたり、水素濃度の異なるa−C:H膜、DLC膜を
積層することにより、密着性の良好な潤滑保護膜を実現
することができる。この結果、優れた摺動特性の分離爪
を有する転写材剥離装置を長期間にわたって提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる定着装置の平面図である。
【図2】本発明における分離爪の部分拡大図である。
【図3】本発明に係わる炭素膜のラマン・スペクトル図
である。
【図4】本発明に係わる炭素膜のX線回折図である。
【図5】本発明の実施例で、a−C:H膜をAESによ
り深さ方向分析した図である。
【図6】本発明の実施例でDLC膜形成に用いたECR
プラズマCVD装置の模式図である。
【図7】本発明の実施例でDLC膜形成に用いたDCマ
グネトロン・スパッタリング装置の模式図である。
【図8】本発明の実施例でa−C:H膜形成に用いたイ
オンビーム蒸着装置の模式図である。
【符号の説明】
1 定着ローラ 2 絶縁接着層 3 離型層 4 芯金 5 ヒーター 6 加圧ローラ 7 芯金 8 弾性層 9 離型層 10 分離爪 11 転写材 12 絶縁保護層 13 中間層 14 DLC膜または炭素膜 15 プラズマ室 16 ガス導入系 17 マイクロ波導入窓 18 マイクロ波導入管 19 電磁石 20 マイクロ波発振器 21 分離爪 22 真空槽 23 排気系 24 真空槽 25 分離爪 26 ターゲット 27 ガス導入系 28 DC電源 29 排気系 30 真空槽 31 イオンビーム源 32 イオン化室 33 ガス導入系 34 イオンビーム引き出し電極 35 分離爪 36 排気系

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転体の回転表面の移動方向と直交する
    方向に一列に配置され、前記回転体を通過した転写材
    を、回転体から剥離させるためにそれぞれの先端を前記
    回転体の表面に摺接された複数の剥離爪を有する剥離装
    置において、前記剥離爪の表面上に設けられた、Si、
    B、周期律表の4A族(Ti、Zr、Hf)、5A族
    (V、Nb、Ta)及び6A族(Cr、Mo、W)の金
    属からなる群より選択された元素、前記元素の酸化物、
    炭化物、窒化物、炭窒化物、炭酸化物または炭酸窒化
    物、Bを除く前記元素の硼化物または硼窒化物、前記元
    素の複数を含む化合物、またはこれらの物質の複数から
    なる混合物で構成された中間層と、この中間層上に設け
    られた、水素化アモルファス炭素膜、ダイヤモンド状炭
    素膜、ダイヤモンド膜、または硬質炭素膜からなる潤滑
    保護膜とを具備することを特徴とする剥離装置。
  2. 【請求項2】 回転体の回転表面の移動方向と直交する
    方向に一列に配置され、前記回転体を通過した転写材
    を、回転体から剥離させるためにそれぞれの先端を前記
    回転体の表面に摺接された複数の剥離爪を有する剥離装
    置において、前記剥離爪の表面上に設けられた中間層
    と、前記中間層上に設けられた潤滑保護膜とを具備し、
    前記潤滑保護膜が、水素化アモルファス炭素膜、ダイヤ
    モンド状炭素膜、ダイヤモンド膜、または硬質炭素膜か
    らなり、前記剥離爪表面上から前記中間層、及びこの中
    間層から前記潤滑保護膜にかけて組成が連続的に変化し
    ていることを特徴とする剥離装置。
  3. 【請求項3】 前記ダイヤモンド膜が、ダイヤモンドの
    多結晶膜、あるいはダイヤモンド結晶とグラファイト結
    晶とアモルファス状カーボンとからなる混合膜である請
    求項1または2に記載の剥離装置。
  4. 【請求項4】 回転体の回転表面の移動方向と直交する
    方向に一列に配置され、前記回転体を通過した転写材
    を、回転体から剥離させるためにそれぞれの先端を前記
    回転体の表面に摺接された複数の剥離爪を有する剥離装
    置において、前記剥離爪はその表面上に絶縁保護膜を介
    して設けられた水素化アモルファス炭素膜からなる潤滑
    保護膜を具備し、この潤滑保護膜中の水素濃度が、前記
    絶縁保護膜側で高く、前記剥離爪の表面側で低いことを
    特徴とする剥離装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005274952A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Fuji Xerox Co Ltd クリーニング装置及びこれを用いた画像形成装置並びにクリーニング部材
US8055173B2 (en) 2008-04-17 2011-11-08 Fuji Xerox Co., Ltd. Fixing apparatus and image forming apparatus
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JP2016090974A (ja) * 2014-11-11 2016-05-23 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置用摺擦部材、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置

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