JP2000052584A - サーマルヘッド - Google Patents
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Abstract
や機械的衝撃に対しても保護膜の割れや剥離の発生を防
止して、十分な耐久性を有し、長期に渡って高い信頼性
を発揮できるサーマルヘッドを提供する。 【解決手段】発熱素子を保護する保護膜として、下層保
護膜と、その上に形成される中間層保護膜と、その上に
複数層形成される炭素を主成分とするカーボン保護膜と
を有し、かつ、カーボン保護膜の応力を、下層から上層
に向かって順次高くすることにより、前記課題を解決す
る。
Description
プロッタ、ファックス、レコーダ等に記録手段として用
いられる感熱記録を行うためのサーマルヘッドの技術分
野に属する。
支持体として感熱記録層を形成してなる感熱材料を用い
た感熱記録が利用されている。また、感熱記録は、湿式
の現像処理が不要であり、取り扱いが簡単である等の利
点を有することから、近年では、超音波診断のような小
型の画像記録のみならず、CT診断、MRI診断、X線
診断等の大型かつ高画質な画像が要求される用途におい
て、医療診断のための画像記録への利用も検討されてい
る。
熱して画像を記録する、発熱抵抗体と電極とを有する発
熱素子が一方向(主走査方向)に配列されてなる発熱体
(グレーズ)が形成されたサーマルヘッドを用い、グレ
ーズを感熱材料に若干押圧した状態で、両者を前記主走
査方向と直交する副走査方向に相対的に移動しつつ、M
RIやCT等の画像データ供給源から供給された記録画
像の画像データに応じて、グレーズの各画素の発熱素子
にエネルギーを印加して発熱させることにより、感熱材
料の感熱記録層を加熱して発色させて画像記録を行う。
材料を加熱する発熱体、あるいはさらに電極等を保護す
るため、その表面に保護膜が形成されている。従って、
感熱記録時に感熱材料と接触するのは、この保護膜で、
発熱体は、この保護膜を介して感熱材料を加熱し、これ
により感熱記録が行われる。保護膜の材料には、通常、
耐摩耗性を有するセラミック等が用いられているが、保
護膜の表面は、感熱記録時には加熱された状態で感熱材
料と慴接するため、記録を重ねるにしたがって摩耗し、
劣化する。
ラが生じたり、保護膜としての強度が保てなくなるた
め、発熱体等を保護する機能が損なわれ、最終的には、
画像記録ができなくなる状態に陥る(ヘッド切れ)。特
に、前述の医療用途のように、高品質で、かつ高画質な
多階調画像が要求される用途においては、高品質化およ
び高画質化を計るために、ポリエステルフィルム等の高
剛性の支持体を使用する感熱フィルムを用い、さらに、
記録温度(印加エネルギー)や、感熱材料へのサーマル
ヘッドの押圧力を高く設定する方向にある。そのため、
通常の感熱記録に比して、サーマルヘッドの保護膜にか
かる力や熱が大きく、摩耗や腐食(腐食による摩耗)が
進行し易くなっている。
ッドの保護膜の摩耗を防止し、耐久性を向上する方法と
して、保護膜の性能を向上する技術が数多く検討されて
おり、中でも特に、耐摩耗性や耐蝕性に優れた保護膜と
して、炭素を主成分とする保護膜(以下、カーボン保護
膜とする)が知られている。例えば、特公昭61−53
955号および特公平4−62866号(前記出願の分
割出願)の各公報には、サーマルヘッドの保護膜とし
て、ビッカーズ硬度が4500kg/mm2以上のカーボン保
護膜を形成することにより、優れた耐摩耗性と共に、保
護膜を十分に薄くして優れた応答性も実現したサーマル
ヘッド、およびその製造方法が開示されている。また、
特開平7−132628号公報には、下層のシリコン系
化合物層と、その上層のダイヤモンドライクカーボン層
との2層構造の保護膜を有することにより、保護膜の摩
耗および破壊を大幅に低減し、高画質記録が長期に渡っ
て可能なサーマルヘッドが開示されている。
ドに極めて近い特性を有するもので、非常に硬度が高
く、また、化学的にも安定である。そのため、感熱材料
との摺接に対する耐摩耗性や耐蝕性という点では優れた
特性を発揮する。しかしながら、カーボン保護膜は、優
れた耐摩耗性を有するものの、硬いが故に脆い、すなわ
ち靭性が低い。そのため、発熱素子の加熱によるヒート
ショックや熱的なストレス、カーボン保護膜とこれに接
する層との熱膨張係数の違いによるストレス、記録中に
感熱材料とサーマルヘッド(グレーズ)との間に混入す
る異物による機械的衝撃等によって、比較的容易に割れ
や剥離が生じてしまうという問題点がある。保護膜に割
れや剥離が生じると、ここから摩耗や腐食、さらには腐
食による摩耗が進行して、サーマルヘッドの耐久性が低
下してしまい、やはり、長期に渡って高い信頼性を発揮
することはできない。
解決することにあり、炭素を主成分とする保護膜を有す
るサーマルヘッドであって、保護膜の腐食や摩耗が極め
て少なく、しかも熱や機械的衝撃に対しても保護膜の割
れや剥離の発生を防止して、十分な耐久性を有し、長期
に渡って高い信頼性を発揮し、これにより、長期に渡っ
て高画質の感熱記録を安定して行うことができるサーマ
ルヘッドを提供することにある。
め、本発明は、発熱素子を保護する保護膜として、下層
保護膜と、その上に形成される中間層保護膜と、その上
に複数層形成される炭素を主成分とするカーボン保護膜
とを有し、かつ、前記カーボン保護膜の応力が、下層か
ら上層に向かって順次高くなることを特徴とするサーマ
ルヘッドを提供する。
護膜であり、前記中間層保護膜が、4A族の金属、5A
族の金属、6A族の金属、珪素およびゲルマニウムから
なる群より選択される少なくとも1種を主成分とするの
が好ましい。
ついて、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に
説明する。
発熱素子の概略断面図を示す。図示例のサーマルヘッド
10は、例えば、最大B4サイズまでの画像記録が可能
な、約300dpiの記録(画素)密度の感熱記録を行
うもので、保護膜に特徴を有する以外は、感熱材料Aへ
の感熱記録を行う発熱素子が一方向(主走査方向 図1
において紙面と垂直方向)に配列されるグレーズが形成
された公知の構成を有するものである。なお、本発明の
サーマルヘッド10の幅(主走査方向)、解像度(記録
密度)、記録階調等には特に限定は無いが、幅は5cm〜
50cm、解像度は6dot/mm(約150dpi)以上、記
録階調は256階調以上であるのが好ましい。
記録を行う感熱材料Aは、透明なポリエチレンテレフタ
レート(PET)フィルム等を支持体として、その一面
に感熱記録層を形成してなる、通常の感熱材料である
が、良好なスティッキングの低減等の点で、潤滑剤を含
有する感熱材料Aが好適に利用される。
10は、基板12の上(図示例において、サーマルヘッ
ド10は、上から感熱材料Aに押圧されるので、図1中
では下となる)に形成されるグレーズ層(畜熱層)14
と、その上に形成される発熱(抵抗)体16と、その上
に形成される電極18と、その上に形成される、発熱体
16および電極18からなる発熱素子等を護するための
保護膜とを有して構成される。図示例のサーマルヘッド
10の保護膜は、発熱体16および電極18を覆って形
成される下層保護膜20と、下層保護膜20の上に形成
される中間層保護膜22(以下、中間層22とする)
と、中間層22の上に形成される炭素を主成分とする複
数層の保護膜、すなわち第1カーボン保護膜24および
第2カーボン保護膜26とからなる4層構成を有する。
外は、基本的に公知のサーマルヘッドと同様の構成を有
する。従って、それ以外の層構成や各層の材料には特に
限定はなく、公知のものが各種利用可能である。具体的
には、基板12としては耐熱ガラスやアルミナ、シリ
カ、マグネシアなどのセラミックス等の電気絶縁性材料
が、グレーズ層14としては耐熱ガラスやポリイミド樹
脂等の耐熱性樹脂等が、発熱体16としてはニクロム
(Ni-Cr)、タンタル、窒化タンタル等の発熱抵抗体が、
電極18としてはアルミニウム、銅等の導電性材料が、
各種利用可能である。なお、発熱素子(グレーズ)に
は、真空蒸着、CVD(Chemical Vapor Deposition) 、
スパッタリング等のいわゆる薄膜形成技術およびフォト
エッチング法を用いて形成される薄膜型発熱素子と、ス
クリーン印刷などの印刷ならびに焼成によるいわゆる厚
膜形成技術を用いて形成される厚膜型発熱素子とが知ら
れているが、本発明に用いられるサーマルヘッド10
は、いずれの方法で形成されたものであってもよい。
下層保護膜20としては、サーマルヘッドの保護膜とな
りうる耐熱性、耐蝕性および耐摩耗性を有する材料であ
れば、公知の材料が各種利用可能であり、好ましくは、
各種のセラミックス材料が例示される。具体的には、窒
化珪素(Si3N4) 、炭化珪素(SiC) 、酸化タンタル(Ta
2O5) 、酸化アルミニウム(Al2O3) 、サイアロン(SiAlO
N)、酸化珪素(SiO2)、窒化アルミニウム(AlN) 、窒化ホ
ウ素(BN)、酸化セレン(SeO) 、窒化チタン(TiN) 、炭化
チタン(TiC) 、炭窒化チタン(TiCN)、窒化クロム(CrN)
、およびこれらの混合物等が例示される。中でも特
に、成膜の容易性や製造コスト、機械的摩耗や化学的摩
耗に対する耐摩耗性等の点で、窒化物、炭化物が好まし
く、窒化珪素、炭化珪素、サイアロン等が好適に利用さ
れる。また、下層保護膜20には、物性調整のため、金
属等の微量の添加物が含まれてもよい。
なく、前述の厚膜形成技術や薄膜形成技術等を用いて、
公知のセラミックス膜(層)の成膜方法で形成すればよ
いが、中でも特に、CVDが好適に利用される。周知の
ように、CVDは、反応室中に導入した気体原料に、熱
や光等のエネルギを加え、種々の化学反応を誘起させ
て、基板上に物質を堆積被覆して成膜する技術である
が、下層保護膜20をCVDで形成することにより、非
常に緻密で、しかもクラック等の欠損部がない下層保護
膜20を形成することができ、その結果、より耐久性に
優れ、かつ画質的にも有利なサーマルヘッドを作成する
ことができる。
が、好ましくは0.2μm〜20μm程度、より好まし
くは2μm〜15μm程度である。下層保護膜20の厚
さを上記範囲とすることにより、耐摩耗性と熱伝導性
(すなわち記録感度)とのバランスを好適に取ることが
できる等の点で好ましい結果を得る。また、下層保護膜
20は多層構成でもよい。下層保護膜20を多層構成と
する際には、異なる材料を用いて多層構成としてもよ
く、あるいは、同じ材料で密度等の異なる層を有する多
層構成であってもよく、あるいは、その両者を有するも
のであってもよい。
な下層保護膜20の上に中間層22を形成し、その上に
カーボン保護膜(第1カーボン保護膜24および第2カ
ーボン保護膜26)を有する4層構成の保護膜を有す
る。前述のように、カーボン保護膜は化学的に非常に安
定であるため、下層保護膜20の上層にカーボン保護膜
を有することにより、下層保護膜20、発熱体16、電
極18等の化学腐食を有効に防止し、サーマルヘッドの
寿命を長くすることができるが、さらに、この中間層2
2を有することにより、下層保護膜20とカーボン保護
膜の密着性、衝撃吸収性等を向上し、より、耐久性や長
期信頼性に優れた、長寿命のサーマルヘッドを実現でき
る。
2としては、周期表4A族(4族=チタン族)の金属、
同5A族(5族=バナジウム族)の金属、同6A族(6
族=クロム族)の金属、Si(珪素)およびGe(ゲル
マニウム)からなる群より選択される少なくとも1種を
主成分とするのが、上層であるカーボン保護膜および下
層である下層保護膜20との密着性、ひいてはカーボン
保護膜の耐久性の点から好ましい。具体的には、Si、
Ge、Ti(チタン)、Ta(タンタル)、Mo(モリ
ブデン)およびこれらの混合物等が好適に例示される。
中でも特に、カーボンとの結合性等の点で、Si、Mo
が好ましく、最も好ましくはSiである。
く、前述の厚膜形成技術や薄膜形成技術等を用いて、中
間層22の形成材料に応じた公知の成膜方法で形成すれ
ばよいが、好ましい一例として、スパッタリングが例示
され、また、プラズマCVDも利用可能である。また、
中間層22は多層構成としてもよい。中間層22を多層
構成とする際には、異なる材料を用いて多層構成として
もよく、あるいは、同じ材料で密度等の異なる層を有す
る多層構成であってもよく、あるいは、その両者を有す
るものであってもよい。
ッピングやエッチング等による処理を行ってもよい。こ
れにより、下層保護膜20と中間層22との間、ならび
に中間層22とカーボン保護膜24との間における密着
力を向上でき、サーマルヘッドの耐久性を向上できる。
この際における下層保護膜20の表面粗度には特に限定
はないが、Ra値で1nm〜0.1μmが好適である。
この中間層22の上に、炭素を主成分とする第1カーボ
ン保護膜24が形成され、その上に、炭素を主成分とす
る第2カーボン保護膜26が形成される。両者は応力が
異なるものであり、上層の第2カーボン保護膜26の方
が、高い応力を有する。カーボン保護膜は化学的に非常
に安定であるため、下層保護膜20の化学腐食を有効に
防止し、サーマルヘッドの耐久性向上に好適であるのは
前述の通りであるが、本発明においては、このカーボン
保護膜を多層にして、上層に向かって順次高い応力を有
する構成とすることにより、カーボン保護膜と、下層の
中間層22や下層保護膜20との密着性をより高くし
て、前述のヒートショックや熱ストレス、下層との熱膨
張係数の違いによるストレス、不純物による機械的衝撃
等に起因する、カーボン保護膜の割れや剥離を防止し
て、より耐久性および信頼性に優れた、長寿命なサーマ
ルヘッドを実現している。
るカーボン保護膜とは、50原子%(atm%)超の炭
素を含有するカーボン膜で、好ましくは炭素および不可
避的不純物からなるカーボン膜のことである。本発明の
サーマルヘッドにおいて、カーボン保護膜を形成する炭
素以外の添加成分としては、水素、窒素、フッ素、S
i、およびTi等が好適に例示される。添加成分が水
素、窒素およびフッ素である場合には、カーボン保護膜
中のこれらの含有量は50atm%未満であるのが好ま
しく、添加成分がSiおよびTiである場合には、カー
ボン保護膜中のこれらの含有量は20atm%以下であ
るのが好ましい。
ーボン保護膜の応力には特に限定はないが、最上層のカ
ーボン保護膜と最下層カーボン保護膜とで2倍〜10倍
程度の応力差を有するのが好ましい。なお、薄膜の応力
は下記式で算出できるので、カーボン保護膜の応力は、
一例として、成膜基板の反り量で比較することができ、
反り量が大きい程、高応力である。 S=dED2 /[3L2 (1−v)] 上記式において、Sは薄膜の応力を; Eは基板のヤン
グ率を; vは基板のポアゾン比を; Dは基板の厚さ
を; Lは薄膜の長さを; dは基板の反り量を; そ
れぞれ示す。
定はなく、複数層であればよいが、サーマルヘッドの生
産性、層間の密着性等の点で、2層〜5層とするのが好
ましい。
特に限定はなく、目的とするカーボン保護膜の組成に応
じた、公知の成膜方法がすべて利用可能であるが、好ま
しい方法として、スパッタリング、特にマグネトロンス
パッタリングや、CVD、特にプラズマCVDが好適に
例示される。このような成膜手段を用いる場合には、成
膜条件を調整することにより、前述のように、応力の異
なる複数層のカーボン保護膜を成膜することができる。
によって形成する際には、成膜中の真空度(系内の圧
力)を調整することにより、カーボン保護膜の硬度を調
整することができ、具体的には、真空度を高くすること
によって、高硬度すなわち高応力のカーボン保護膜を形
成することができる。また、プラズマを発生するための
ガスとともに、水素ガスを流入して、その流量を調整す
ることにより、カーボン保護膜の応力を調整することが
できる。具体的には、プラズマ発生ガスとしてアルゴン
を用いた場合には、水素ガスの流量がアルゴン流量の5
%〜10%である時が最も硬度の高いカーボン保護膜を
成膜することができ、水素量が増えるに応じて膜は軟化
するので、これを利用して、応力の異なる複数層のカー
ボン保護膜を形成することができる。なお、スパッタリ
ングによって成膜を行う場合のカーボン保護膜の応力の
制御方法には特に限定はなく、例えば、成膜中の真空度
や水素ガス流量と膜の硬度との関係をあらかじめ実験等
によって調べておき、これに応じて、所望する応力のカ
ーボン保護膜を形成すればよい。
成する際には、基板となるサーマルヘッドに印加するバ
イアス電圧を調整することによって、応力の異なるカー
ボン保護膜を形成することができる。周知のように、C
VDで成膜を行う際には、基板に負のバイアス電圧を印
加しながら成膜を行うのが好ましいが、一般的に、基板
バイアス電圧を印加しながらCVDで成膜したカーボン
膜は、基板バイアス電圧が0から負に向かうに従って硬
度が高くなり、−200V〜−300Vの範囲で硬度が
最も高く、これを超えて負になると、逆に硬度が低くな
っていく。従って、これを利用して、応力の異なる複数
層のカーボン保護膜を形成することができる。なお、C
VDによって成膜する場合のカーボン保護膜の応力の制
御方法には特に限定はなく、例えば、先のスパッタリン
グと同様、成膜中のバイアス電圧と膜の硬度との関係を
あらかじめ実験等によって調べておき、これに応じて、
所望する応力のカーボン保護膜を形成すればよい。
程度、特に、サーマルヘッド10の使用温度に加熱しな
がら形成してもよい。これにより、カーボン保護膜24
と中間層22ひいては下層保護膜20との密着性をさら
に向上でき、ヒートショックや感熱記録中の異物混入に
よる機械的衝撃による割れや剥離、ならびに高パワー記
録によるカーボン膜の変質や消失に対する、より一層優
れた耐久性を得ることができる。なお、加熱は、ヒータ
等の加熱手段を用いる方法や、サーマルヘッド10に通
電する方法で行えばよい。
限定はなく、サーマルヘッドの保護膜として十分な硬度
を有すればよい。例えば、図示例のような2層のカーボ
ン保護膜を有する構成であれば、下層の第1カーボン保
護膜24は、ビッカーズ硬度で1000kg/mm2〜200
0kg/mm2程度が、上層の第2カーボン保護膜26であれ
ば、ビッカーズ硬度で2000kg/mm2〜3000kg/mm2
程度が好適に例示される。
ン保護膜を有する本発明のサーマルヘッド10におい
て、中間層22およびカーボン保護膜の厚さには特に限
定はないが、好ましくは、中間層22は0.05μm〜
1μm、より好ましくは0.1μm〜1μmである。カ
ーボン保護膜の厚さは、全体で0.5μm〜5μm、特
に、1μm〜3μmが好ましい。また、図示例のよう
に、2層のカーボン保護膜を有する構成であれば、下層
の第1カーボン保護膜24および上層の第2カーボン保
護膜26共に、0.5μm〜1.5μmが好ましい。
ぎると、中間層22の割れ、剥離が生じる場合があり、
逆に、中間層22が薄すぎると、中間層としての機能を
十分に発揮できなくなってしまう。これに対し、中間層
22およびカーボン保護膜24の厚さを上記範囲内とす
ることにより、中間層22の有する下層への密着力およ
び衝撃吸収力、カーボン保護膜の有する耐久性等の機能
を、安定して、バランス良く実現できる。
る保護膜は、前述の構成に限定はされず、下層保護膜2
0、中間層22および複数層のカーボン保護膜を有し、
かつ、カーボン保護膜が下層から上層に向かって順次応
力が高くなるものであれば、各種の構成が利用可能であ
る。例えば、カーボン保護膜を形成した後、その表面に
潤滑剤やワックスを塗布し、あるいはさらに、ヒータ等
を用いた加熱やサーマルヘッドの駆動によって焼き付け
てもよい。この際においては、カーボン保護膜を酸素エ
ッチングした後に、潤滑剤等の塗布および焼き付けを行
ってもよい。潤滑剤やワックスには特に限定はなく、各
種のものが利用可能であるが、例えば、感熱材料Aに含
有される潤滑剤や、耐熱性を有するコーティング剤、好
ましくは滑性に優れるコーティング剤が各種利用可能で
ある。
の形成に好適な成膜装置の概念図を示す。図示例の成膜
装置50は、基本的に、真空チャンバ52と、ガス導入
部54と、第1スパッタリング手段56と、第2スパッ
タリング手段58と、プラズマ発生手段60と、バイア
ス電源62と、基板ホルダ64とを有して構成される。
ャンバ52内に2つのスパッタリングによる成膜手段と
プラズマCVDによる成膜手段を有するものであり、異
なる組成の複数層の成膜を連続的に、さらに系内を開放
することなく行うことが可能である。従って、成膜装置
50を用いることにより、例えば、異なるターゲットを
用いたスパッタリングによって、あるいはスパッタリン
グとプラズマCVDとによって、中間層22(あるいは
下層保護膜20)とカーボン保護膜の形成を、容易かつ
効率よく行うことができる。
磁性材料で形成されるのが好ましく、内部(成膜系内)
を排気して減圧とする真空排気手段66が配置される。
真空チャンバ52内のプラズマやプラズマ発生用の電磁
波によってアークが発生する箇所は、MCナイロン、テ
フロン(PTFE)等の絶縁部材で覆ってもよい。
aおよび54bを有する。一例として、ガス導入管54
aは、プラズマを発生するためのガスを導入し、ガス導
入管54bは、プラズマCVDの反応ガスを導入する。
なお、プラズマ発生用のガスとしては、例えば、ヘリウ
ムやネオン等の不活性ガスが用いられる。他方、カーボ
ン保護膜を成膜するための反応ガスとしては、メタン、
エタン、プロパン、エチレン、アセチレン、ベンゼン等
の炭化水素化合物のガスが例示され、中間層22を成膜
するための反応ガスとしては、中間層22の形成材料を
含む各種のガスが例示される。
リングするターゲット材を配置し、カソードを負電位に
すると共に、ターゲット材の表面にプラズマを発生させ
ることにより、ターゲット材(その原子)を弾き出し
て、対向した配置した基板の表面に付着させ、堆積する
ことにより成膜する。第1スパッタリング手段56およ
び第2スパッタリング手段58は、共に、スパッタリン
グによって基板表面に成膜を行うものであり、第1スパ
ッタリング手段56は、カソード68、ターゲット材7
0の配置部、シャッタ72および高周波(RF)電源7
4等を有して構成され、他方、第2スパッタリング手段
58は、カソード76、ターゲット材70の配置部、シ
ャッタ78および直流電源80等を有して構成される。
上記構成より明らかなように、第1スパッタリング手段
56と第2スパッタリング手段58は、配置位置および
電源が異なる以外は基本的に同じ構成を有するので、以
下の説明は、異なる部分以外は、第1スパッタリング手
段56を代表例として行う。
目的とする成膜に必要にして必要にして十分な性能を有
するものを選択すればよい。例えば、前述の中間層22
およびカーボン保護膜24の形成を行う装置であれば、
RF電源74としては、周波数13.56MHzで最高
出力5kwのRF電源を、他方、直流電源80として
は、最高出力10kwの負電位の直流電源を、それぞれ
用いればよい。また、両電源の少なくとも一方、特にカ
ーボン保護膜24の成膜を行うものに、変調器を組み合
わせ、パルス変調、例えば、2kHz〜100kHzで
パルス変調可能にするのが好ましい。これにより、カー
ボン保護膜24等の成膜時にアーク放電を検出した際
に、電圧の反転を行なうことができ、より好適なカーボ
ン保護膜24等の成膜が可能となる。
等からなるバッキングプレート82(84)をカソード
68に固定し、その上にターゲット材70をIn系ハン
ダや機械的な固定手段で固定する。なお、中間層22の
形成に用いられるターゲット材70としては、4A族、
5A族、6A族の各金属や、GeやSiの単結晶等が好
適に例示される。また、カーボン保護膜を形成するため
に用いられるターゲット材70としては、焼結カーボン
材、グラッシーカーボン材等が好適に例示される。ま
た、図示例の装置は、マグネトロンスパッタリングを行
うものであり、カソード68の内部には、磁石68a
(76a)が配置される。マグネトロンスパッタリング
は、ターゲット材70表面に磁場を形成してプラズマを
閉じ込めてスパッタリングを行うものであり、成膜速度
が早い点で好ましい。
CR磁場とによってプラズマを発生させる、マイクロE
CR波放電を利用するプラズマCVDでカーボン保護膜
等の成膜を行うものであり、プラズマ発生手段60は、
マイクロ波電源86、磁石88、マイクロ波導波管9
0、同軸変調器92、誘電体板94、放射状アンテナ9
6等を有して構成される。マイクロ波電源86は、カー
ボン保護膜等の成膜に必要にして十分な出力を有するも
のを適宜選択すればよい。また、ECR磁場発生用の磁
石88としては、所望の磁場を形成できる永久磁石や電
磁石を適宜用いればよい。真空チャンバ52内へのマイ
クロ波の導入は、マイクロ波導波管90、同軸変調器9
2、誘電体板94等を用いて行われる。
(その本体)等の被成膜材(成膜基板)を固定するもの
である。図示例の成膜装置50は、3つの成膜手段を有
するものであり、基板ホルダ64は各成膜手段、すなわ
ちスパッタリング手段56および58と、プラズマCV
Dを行うプラズマ発生手段60に基板となるグレーズを
対向できるように、基板ホルダ64を揺動する回転部9
8に保持されている。また、基板ホルダ64とターゲッ
ト材70や放射状アンテナ96との距離は、公知の方法
で調整可能にされる。なお、基板とターゲット材70も
しくは放射状アンテナ96との距離は、膜厚分布が均一
になる距離を選択設定すればよい。
表面や、中間層22の表面は、必要に応じてエッチング
で粗面化される。さらに、プラズマCVDで硬質膜を得
るためには、基板に負のバイアス電圧を印加しながら成
膜を行うのが好ましい。そのため成膜装置50では、基
板ホルダ64に高周波電圧を印加するバイアス電源62
が接続される。また、プラズマCVDの際には、高周波
の自己バイアス電圧を使用するのが好ましい。
細に説明したが、本発明は上述の例に限定はされず、本
発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変
更等を行ってもよいのはもちろんである。
をより詳細に説明する。 [実施例1]公知のサーマルヘッドの製造方法と同様に
して、基板12上に蓄熱層14を形成し、その上に発熱
体16を形成し、その上に電極18を形成した。さら
に、その上に、通常のスパッタリングによって厚さ4μ
mの窒化珪素膜(Si3N4)を形成して、基となるサーマル
ヘッドを作製した。従って、本実施例では、この窒化珪
素膜が下層保護膜20となり、この下層保護膜20上に
中間層22が形成され、この中間層22上にカーボン保
護膜が形成される。このようなサーマルヘッドに、以下
のような、図3に示される成膜装置50を用いて、中間
層22および第1カーボン保護膜24および第2カーボ
ン保護膜26を形成した。
トル)/分のロータリーポンプ、同12000L/分の
メカニカルブースタポンプ、および同3000L/秒の
ターボポンプを、各1台ずつ有する、SUS304製で
容積が0.5m3の真空チャンバ52を用いた。ターボポ
ンプの吸引部にオリフィスバルブを配置して、開口度を
10%〜100%まで調整できる。
トローラと、直径6ミリのステンレス製パイプを用い
て、プラズマ発生ガス用と反応ガス用の2つのガス導入
管54aおよび104bを形成した。
2スパッタリング手段58 永久磁石68aおよび76aとしてSm-Co 磁石を配置し
た、幅600mm×高さ200mmの矩形のカソード68お
よび76を用いた。バッキングプレート82および84
として、矩形状に加工した無酸素銅を、カソード68お
よび76にIn系ハンダで張り付けた。また、カソード
68および76内部を水冷することにより、磁石68a
および76a、カソード68および76、ならびにバッ
キングプレート82および84の裏面を冷却した。な
お、RF電源74としては、周波数13.56MHzで
最高出力5kwのRF電源を、直流電源80としては、
最大出力10kWの負電位の直流電源を、それぞれ用い
た。また、直流電源80には、変調器を組み合わせて、
供給電力を2kHz〜100kHzの範囲でパルス状に
変調可能とした。
クロ波電源86を用いた。マイクロ波は、マイクロ波導
波管90で真空チャンバ52近傍まで導き、同軸変調器
92で変換後、真空チャンバ52内の放射状アンテナ9
6に導入した。プラズマ発生部は、幅600mm×高さ2
00mmの矩形のものを用いた。さらに、ECR用磁場
は、磁石88としてSm-Co 磁石を複数個、誘電体板94
の形状に合わせて配置することで形成した。
ーマルヘッド10)を第1スパッタリング手段56およ
び第2スパッタリング手段58に配置されたターゲット
材70、ならびにプラズマ発生手段60の放射状アンテ
ナ96に対向して保持する。以下に示す、スパッタリン
グによる中間層22およびカーボン保護膜の生成時に
は、基板とターゲット材70の距離は100mmとした。
さらに、エッチング用の高周波電圧が印加できるよう
に、サーマルヘッドの保持部分を浮遊電位にした。さら
には、基板ホルダ64表面にはヒータを設け、加熱しな
がら成膜を行えるようにした。
電源を接続した。高周波電源は、周波数13.56MH
zで、最大出力は3kWである。また、この高周波電源
は、自己バイアス電圧をモニタすることにより、負の1
00V〜500Vの範囲で高周波出力が調整可能に構成
されている。なお、このバイアス電源62は、エッチン
グ手段を兼ねている。
0において、発熱素子が第1スパッタリング手段56の
ターゲット材70の保持位置に対向するように、基板ホ
ルダ64に前記基となるサーマルヘッドを固定した。な
お、サーマルヘッドの中間層22の形成部分以外にはマ
スキングを施しておいた。真空排気を継続しながら、ガ
ス導入部54によってアルゴンガスを導入し、ターボポ
ンプに設置したオリフィスバルブによって、真空チャン
バ52内の圧力が5.0mTorrになるように調整した。
次いで、基板に高周波電圧を印加し、自己バイアス電圧
−300Vで10分間、下層保護膜(窒化珪素膜)のエ
ッチングを行った。
てSi単結晶を第1スパッタリング手段56のバッキン
グプレート82に、また、焼結グラファイト材を第2ス
パッタリング手段58のバッキングプレート84に、そ
れぞれ固定(In系ハンダで張り付け)した。その後、
真空チャンバ52内の圧力が5×10-6Torrになるまで
真空排気した後、圧力が2.5mTorrとなるようにアル
ゴンガス流量およびオリフィスバルブを調整し、シャッ
タ72を閉じた状態でターゲット材70に高周波電力
0.5kWを5分間印加した。次いで、真空チャンバ5
2内の圧力を保ったまま、供給電力を2kWの高周波電
力としてシャッタ72を開いてスパッタリングを行い、
厚さ0.2μmのSi膜を中間層22として形成した。
なお、Si膜の膜厚は、あらかじめ成膜速度を求めてお
き、所定の膜厚となる成膜時間を算出して、成膜時間で
制御した。
発熱素子を第2スパッタリング手段58のターゲット材
70(焼結グラファイト材)に向け、真空チャンバ52
内の圧力が5mTorrとなるようにアルゴンガス流量およ
びオリフィスバルブを調整し、シャッタ78を閉じた状
態でターゲット材70に直流電力0.5kWを5分間印
加した。次いで、真空チャンバ52内の圧力を保ったま
ま、直流電力を5kWとしてシャッタ78を開いてスパ
ッタリングを行い、厚さ1μmの第1カーボン保護膜2
4を形成した。さらに、供給電力はそのままで、真空チ
ャンバ52内の圧力を2.5mTorrに変更して、引き続
きスパッタリングを行い、厚さ1μmの第2カーボン保
護膜26を形成した。なお、カーボン保護膜の膜厚は、
あらかじめ成膜速度を求めておき、所定の膜厚となる成
膜時間を算出して、成膜時間で制御した。
にカーボン膜を形成し、その基板の反り量から、成膜条
件による違いを求めておき、それを参照した。具体的に
は、10mm×50mmで100μm厚のポリチレンテレフ
タレート(PET)フィルムの全面に0.2μm厚のカ
ーボン膜を形成し、カーボン膜成膜後のPETフィルム
の反り量を求めた。成膜条件は、先のカーボン保護膜と
同様とし、真空チャンバ52内の圧力を2.5mTorr、
5.0mTorrおよび8.0mTorrの3種として成膜を行
なった。その結果、PETフィルムの反り量は、2.5
mTorr>5.0mTorr>8.0mTorrの順であり、3mm
〜30mm程度で、圧力と反比例していた。
マルヘッド10を、感熱記録装置に組み込み、B4サイ
ズの感熱材料(富士写真フイルム社製、医療用ドライ画
像記録用フィルムCR−DP)にベタ画像を感熱記録し
た。その結果、40000枚の画像記録を行っても、カ
ーボン保護膜の摩耗や剥離を生じなかった。
チャンバ52内の圧力を2.5mTorrで一定として、厚
さ2μmのカーボン保護膜を1層形成した以外は、前記
実施例1と同様にして、3層構成の保護膜を有するサー
マルヘッドを作成した。このようなサーマルヘッドを用
いて、実施例1と同様の感熱記録を行った結果、300
00枚を過ぎた当たりで画質に変化が生じたので、確認
したところ、カーボン保護膜の一部に剥離が生じてい
た。以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
よれば、保護膜の腐食や摩耗が極めて少ない十分な耐久
性および信頼性を有し、長期に渡って高画質の感熱記録
を安定して行うことが可能な長寿命のサーマルヘッドを
得ることができる。
示す概略図である。
成膜装置の一例の概念図である。
1)
め、本発明は、発熱素子を保護する保護膜として、下層
保護膜と、その上に形成される中間層保護膜と、その上
に複数層形成される炭素を主成分とするカーボン保護膜
とを有し、かつ、前記カーボン保護膜の内部応力の絶対
値が、下層から上層に向かって順次高くなることを特徴
とするサーマルヘッドを提供する。
この中間層22の上に、炭素を主成分とする第1カーボ
ン保護膜24が形成され、その上に、炭素を主成分とす
る第2カーボン保護膜26が形成される。両者は内部応
力が異なるものであり、上層の第2カーボン保護膜26
の方が、内部応力の絶対値(以下、単に応力とする)が
高い。カーボン保護膜は化学的に非常に安定であるた
め、下層保護膜20の化学腐食を有効に防止し、サーマ
ルヘッドの耐久性向上に好適であるのは前述の通りであ
るが、本発明においては、このカーボン保護膜を多層に
して、上層に向かって順次高い応力を有する構成とする
ことにより、カーボン保護膜と、下層の中間層22や下
層保護膜20との密着性をより高くして、前述のヒート
ショックや熱ストレス、下層との熱膨張係数の違いによ
るストレス、不純物による機械的衝撃等に起因する、カ
ーボン保護膜の割れや剥離を防止して、より耐久性およ
び信頼性に優れた、長寿命なサーマルヘッドを実現して
いる。
ーボン保護膜の応力には特に限定はないが、最上層のカ
ーボン保護膜と最下層カーボン保護膜とで2倍〜10倍
程度の応力差を有するのが好ましい。なお、薄膜の応力
は、100μm厚のポリエチレンテレフタレート膜等の
薄板を成膜基板として成膜した際の、薄板成膜基板の反
り量を用いて、下記式で算出できるので、カーボン保護
膜の応力は、一例として、薄板成膜基板の反り量で比較
することができ、反り量が大きい程、高応力である。 S=dED2 /[3L2 (1−v)] 上記式において、Sは薄膜の応力を; Eは基板のヤン
グ率を; vは基板のポアゾン比を; Dは基板の厚さ
を; Lは薄膜の長さを; dは基板の反り量を; そ
れぞれ示す。
成する際には、基板となるサーマルヘッドに印加するバ
イアス電圧を調整することによって、応力の異なるカー
ボン保護膜を形成することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】発熱素子を保護する保護膜として、下層保
護膜と、その上に形成される中間層保護膜と、その上に
複数層形成される炭素を主成分とするカーボン保護膜と
を有し、かつ、前記カーボン保護膜の応力が、下層から
上層に向かって順次高くなることを特徴とするサーマル
ヘッド。 - 【請求項2】前記下層保護膜が、セラミックス保護膜で
あり、前記中間層保護膜が、4A族の金属、5A族の金
属、6A族の金属、珪素およびゲルマニウムからなる群
より選択される少なくとも1種を主成分とする請求項1
に記載のサーマルヘッド。
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