JP3989120B2 - サーマルヘッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種のプリンタ、プロッタ、ファックス、レコーダ等に記録手段として用いられる、感熱記録を行うサーマルヘッドの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
超音波診断画像の記録に、フィルム等を支持体として感熱記録層を形成してなる感熱材料を用いた感熱記録が利用されている。
また、感熱記録は、湿式の現像処理が不要であり、取り扱いが簡単である等の利点を有することから、近年では、超音波診断のような小型の画像記録のみならず、CT診断、MRI診断、X線診断等の大型かつ高画質な画像が要求される用途において、医療診断のための画像記録への利用も検討されている。
【0003】
周知のように、感熱記録は、感熱材料を加熱して画像を記録する、発熱抵抗体と電極とを有する発熱素子が一方向(主走査方向)に配列されてなるグレーズを有するサーマルヘッドを用い、グレーズを感熱材料に若干押圧した状態で、両者を前記主走査方向と直交する副走査方向に相対的に移動しつつ、MRIやCT等の画像データ供給源から供給された記録画像の画像データに応じて、グレーズの各画素の発熱素子にエネルギーを印加して発熱させることにより、感熱材料の感熱記録層を加熱して発色させて画像記録を行う。
【0004】
このサーマルヘッドのグレーズには、発熱素子等を保護するため、その表面に保護膜が形成されている。従って、感熱記録時に感熱材料と接触するのは、この保護膜で、発熱体は、この保護膜を介して感熱材料を加熱し、これにより感熱記録が行われる。
保護膜の材料には、通常、耐摩耗性を有するセラミック等が用いられているが、保護膜の表面は、感熱記録時には加熱された状態で感熱材料と慴接するため、記録を重ねるにしたがって摩耗し、劣化する。
【0005】
この摩耗が進行すると、感熱画像に濃度ムラが生じたり、保護膜としての強度が保てなくなるため、発熱体等を保護する機能が損なわれ、最終的には、画像記録ができなくなる状態に陥る(ヘッド切れ)。
特に、前述の医療用途のように、高品質で、かつ高画質な多階調画像が要求される用途においては、高品質化および高画質化を計るために、ポリエステルフィルム等の高剛性の支持体を使用する感熱フィルムを用い、さらに、記録温度(印加エネルギー)や、感熱材料へのサーマルヘッドの押圧力を高く設定する方向にある。そのため、通常の感熱記録に比して、サーマルヘッドの保護膜にかかる力や熱が大きく、摩耗や腐食(腐食による摩耗)が進行し易くなっている。
【0006】
このようなサーマルヘッドの保護膜の摩耗を防止し、耐久性を向上する方法として、保護膜の性能を向上する技術が数多く検討されており、中でも特に、耐摩耗性や耐蝕性に優れた保護膜として、炭素を主成分とする保護膜(以下、カーボン保護膜とする)が知られている。
例えば、特公昭61−53955号公報には、保護膜として、ビッカーズ硬度が4500kg/mm2以上のカーボン保護膜を形成することにより、優れた耐摩耗性と共に、保護膜を十分に薄くして優れた応答性も実現したサーマルヘッドが開示されている。また、特開平7−132628号公報には、下層のシリコン系のセラミックス保護層と、その上層のダイヤモンドライクカーボン層との2層構造の保護膜を有することにより、保護膜の摩耗および破壊を大幅に低減し、高画質記録が長期に渡って可能なサーマルヘッドが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
サーマルヘッドの発熱素子は、図3に示されるように、通常、基板100上に形成されるアンダーグレーズ蓄熱層102(以下、蓄熱層102とする)と、蓄熱層102を覆って形成される発熱抵抗体104と、基板100や蓄熱層102等を覆って形成されるプラス電極層106およびマイナス電極層108とを有して構成される。
保護膜は、このような発熱素子を覆って形成され、前述の2層構成の保護膜を有する例であれば、発熱素子を覆ってセラミック保護膜110が形成され、その上にカーボン保護膜112が形成される。
【0008】
基板100は、例えば、アルミナ等の材料で構成されるが、基板100は、通常、細かな凹凸を有しており、電極層の基板100上の領域は、この凹凸を反映してしまう。
このような電極層等の上に形成されるセラミック保護膜110やカーボン保護膜112は、通常、スパッタリングやCVD(Chemical Vapor Deposition) 等の成膜方法で形成されるが、これらの保護膜には、前記電極層の凹凸に起因するピンホール114やクラックが形成されてしまうことが多々ある。
【0009】
カーボン保護膜112は、高い導電性を有する。
そのため、セラミック保護膜110にピンホール114等があると、サーマルヘッドの駆動電流が、導電性の低い発熱抵抗体104を通過する経路ではなく、図中点線で示されるように、セラミック保護膜110のプラス電極層106側のピンホール114aからカーボン保護膜112に流れ、カーボン保護膜112をつたって、セラミック保護膜110のマイナス電極層108側のピンホール114bからマイナス電極層108に流れてしまう。
【0010】
ピンホール114は小さな孔である。そのため、このような現象が起こると、電極層の一部に電荷が集中して、大きなエネルギが掛かかり、電極層が破壊されてしまうことがあり、場合によっては、数ドット分の電極層(発熱素子)破壊され、ヘッド切れとなる。
また、電極層が破壊されなくても、発熱抵抗体104を通過しない過剰な電流が流れることになり、その結果、サーマルヘッド駆動用のIC等の各種の素子が破壊されてしまう場合もある。
【0011】
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、炭素を主成分とする保護膜であるカーボン保護膜を有するサーマルヘッドであって、カーボン保護膜の下層に形成される絶縁性保護膜のピンホールに起因する異常電流の流れをなくし、長期に渡って高い信頼性を発揮し、これにより、長期に渡って高画質の感熱記録を安定して行うことができるサーマルヘッドを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、基板と、前記基板の一部に形成された凸状のアンダーグレーズ蓄熱層と、前記アンダーグレーズ蓄熱層の上に形成された発熱抵抗体、前記基板および発熱抵抗体の上に形成されたプラズ側の電極層、および、前記基板および発熱抵抗体の上に形成されたマイナス側の電極層からなる発熱素子と、前記発熱素子を保護する保護膜としての、前記発熱抵抗体、前記プラス電極層およびマイナス電極層の上に形成された絶縁性保護膜と、前記絶縁性保護膜よりも上層に形成される炭素を主成分とする導電性保護膜とを有し、前記導電性保護膜は、少なくとも前記アンダーグレーズ蓄熱層に対応する領域は全域を覆い、かつ、前記アンダーグレーズ蓄熱層に対応する領域以外の前記基板上にプラス側の電極層およびマイナス側の電極層が形成された領域は、前記マイナス側の電極層およびプラス側の電極層に対応する領域の少なくとも一方を覆わないことを特徴とするサーマルヘッドを提供する。
【0013】
また、前記絶縁性保護膜がセラミックスを主成分とするものであり、あるいはさらに、前記絶縁性保護膜と導電性保護膜の間に、中間層を有するのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のサーマルヘッドについて、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
【0015】
図1に、本発明にかかるサーマルヘッドの概略断面図を示す。
図示例のサーマルヘッド10(10a、10bおよび10c)は、例えば、最大B4サイズまでの画像記録が可能な、約300dpiの記録(画素)密度の感熱記録を行うもので、保護膜に特徴を有する以外は、感熱材料への感熱記録を行う発熱素子が一方向(主走査方向 図1において紙面と垂直方向)に配列されて形成された公知の構成を有するものである。
なお、本発明のサーマルヘッド10の幅(主走査方向)、解像度(記録密度)、記録階調等には特に限定は無いが、幅は5cm〜50cm、解像度は6dot/mm(約150dpi)以上、記録階調は256階調以上であるのが好ましい。
【0016】
図1に示されるように、サーマルヘッド10(そのグレーズ)は、基板12の上(図示例において、サーマルヘッド10は、上から感熱材料に押圧されるので、図1中では下となる)に形成されるアンダーグレーズ蓄熱層14(以下、蓄熱層14とする)と、蓄熱層14を覆って形成される発熱(抵抗)体16と、図中左側に形成されるプラス(Common)電極層18と、マイナス(Ground)電極層20と、その上に形成される、発熱体16や電極層等からなる発熱素子を護するための保護膜とを有して構成される。
図示例のサーマルヘッド10の保護膜は、発熱素子を全体的に覆って形成される絶縁性保護膜としての下層保護膜22と、その上に形成される導電性保護膜である炭素を主成分とする保護膜、すなわちカーボン保護膜24とからなる2層構成を有する。
【0017】
本発明のサーマルヘッド10は、保護膜以外は、基本的に公知のサーマルヘッドと同様の構成を有する。従って、それ以外の層構成や各層の材料には特に限定はなく、公知のものが各種利用可能である。
具体的には、基板12としては耐熱ガラスやアルミナ、シリカ、マグネシアなどのセラミックス等の電気絶縁性材料が、蓄熱層14としては耐熱ガラスやポリイミド樹脂等の耐熱性樹脂等が、発熱体16としてはニクロム(Ni-Cr)、タンタル、窒化タンタル等の発熱抵抗体が、プラス電極層18およびマイナス電極層20としては、アルミニウム、銅等の導電性材料が、各種利用可能である。
【0018】
なお、発熱素子(グレーズ)には、真空蒸着、CVD(Chemical Vapor Deposition) 、スパッタリング等のいわゆる薄膜形成技術およびフォトエッチング法を用いて形成される薄膜型発熱素子と、スクリーン印刷などの印刷ならびに焼成によるいわゆる厚膜形成技術を用いて形成される厚膜型発熱素子とが知られているが、本発明に用いられるサーマルヘッド10は、いずれの方法で形成されたものであってもよい。
また、図示例においては、発熱体16は蓄熱層14の全面を覆って形成されるが、本発明はこれに限定はされず、感熱材料との接触領域のみに発熱体を形成してもよい。
【0019】
本発明のサーマルヘッド10に形成される下層保護膜22としては、絶縁性で、かつサーマルヘッドの保護膜となりうる耐熱性、耐蝕性および耐摩耗性を有する材料であれば、公知の材料が各種利用可能であり、好ましくは、各種のセラミックス材料が例示される。
具体的には、窒化珪素(Si3N4) 、炭化珪素(SiC) 、酸化タンタル(Ta2O5) 、酸化アルミニウム(Al2O3) 、サイアロン(SiAlON)、酸化珪素(SiO2)、窒化アルミニウム(AlN) 、窒化ホウ素(BN)、酸化セレン(SeO) 、窒化チタン(TiN) 、炭化チタン(TiC) 、炭窒化チタン(TiCN)、窒化クロム(CrN) 、およびこれらの混合物等が例示される。中でも特に、成膜の容易性や製造コスト、機械的摩耗や化学的摩耗に対する耐摩耗性等の点で、窒化物、炭化物が好ましく、窒化珪素、炭化珪素、サイアロン等が好適に利用される。また、下層保護膜22には、物性調整のため、金属等の微量の添加物が含まれてもよい。
【0020】
下層保護膜22の形成方法には特に限定はなく、前述の厚膜形成技術や薄膜形成技術等を用いて、スパッタリング、特にマグネトロンスパッタリングや、CVD、特にプラズマCVD等の、公知のセラミックス膜(層)の成膜方法で形成すればよいが、中でもCVDが好適に利用される。
周知のように、CVDは、反応室中に導入した気体原料に、熱や光等のエネルギを加え、種々の化学反応を誘起させて、基板上に物質を堆積被覆して成膜する技術であるが、下層保護膜22をCVDで形成することにより、非常に緻密で、しかもクラック等の欠損部がない下層保護膜22を形成することができ、その結果、より耐久性に優れ、かつ画質的にも有利なサーマルヘッドを作成することができる。
【0021】
下層保護膜22は多層構成でもよい。下層保護膜22を多層構成とする際には、異なる材料を用いて多層構成としてもよく、あるいは、同じ材料で密度等の異なる層を有する多層構成であってもよく、あるいは、その両者を有するものであってもよい。
【0022】
本発明のサーマルヘッド10においては、このような下層保護膜22の上にカーボン保護膜24が形成されるが、必要に応じて、下層保護膜22の上に中間層(中間層保護膜)を形成し、その上にカーボン保護膜24を有する、3層以上の構成の保護膜としてもよい。
前述のように、下層保護膜22とカーボン保護膜24とを有することにより、長寿命なサーマルヘッドを実現できるが、さらに中間層を有することにより、下層保護膜22とカーボン保護膜24の密着性、衝撃吸収性等を向上し、より耐久性や長期信頼性に優れた、より長寿命のサーマルヘッドを実現できる。
【0023】
サーマルヘッド10に形成される中間層としては、周期表4A族(4族=チタン族)の金属、同5A族(5族=バナジウム族)の金属、同6A族(6族=クロム族)の金属、Si(珪素)およびGe(ゲルマニウム)からなる群より選択される少なくとも1種を主成分とするのが、上層であるカーボン保護膜24および下層である下層保護膜22との密着性、ひいてはカーボン保護膜24の耐久性の点から好ましい。
具体的には、Si、Ge、Ti(チタン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)およびこれらの混合物等が好適に例示される。中でも特に、カーボンとの結合性等の点で、Si、Moが好ましく、最も好ましくはSiである。
【0024】
中間層の形成方法には特に限定はなく、前述の厚膜形成技術や薄膜形成技術等を用いて、中間層の形成材料に応じた公知の成膜方法で形成すればよく、また、中間層も複数層であってもよい。
なお、本発明のサーマルヘッドが中間層を有する場合に、中間層が導電性である際には、中間層も、後述するカーボン保護膜24と同様に、下層保護膜22の、少なくとも蓄熱層14の上は覆うと共に、蓄熱層14の上以外の領域では、プラス電極層18およびマイナス電極層20の少なくとも一方の上は、覆わないように形成するのが好ましい。
【0025】
前述のように、本発明のサーマルヘッド10は、下層保護膜22の上に、導電性保護膜である、炭素を主成分とするカーボン保護膜24が形成される。
本発明において、炭素を主成分とするカーボン保護膜24とは、50atm%超の炭素を含有するカーボン膜で、好ましくは炭素および不可避的不純物からなるカーボン膜のことである。本発明のサーマルヘッドにおいて、カーボン保護膜24を形成する炭素以外の添加成分としては、水素、窒素、フッ素、Si、およびTi等が好適に例示される。添加成分が水素、窒素およびフッ素である場合には、カーボン保護膜24中のこれらの含有量が50atm%未満であるのが好ましく、添加成分がSiおよびTiである場合には、カーボン保護膜24中のこれらの含有量が20atm%以下であるのが好ましい。
【0027】
本発明においては、カーボン保護膜24は、下層保護膜22の、少なくとも蓄熱層14の上は全域を覆うと共に、蓄熱層14の上以外の領域では、プラス電極層18およびマイナス電極層20の少なくとも一方の上は、覆わないように形成される。
【0028】
このようなカーボン保護膜24は、上記規定を満たすものであれば、以下に示すような、各種の形態が利用可能である。
図1(A)に示されるサーマルヘッド10aは、下層保護膜22上の蓄熱層14が形成された領域のみにカーボン保護膜24aを形成した例である。
図1(B)に示されるサーマルヘッド10bは、上記サーマルヘッド10aで蓄熱層14が形成された領域に加え、プラス電極層18上の下層保護膜22も覆うカーボン保護膜24bを形成した例である。
さらに、図1(C)に示されるサーマルヘッド10cは、上記サーマルヘッド10aで蓄熱層14が形成された領域に加え、マイナス電極層20上の下層保護膜22も覆うカーボン保護膜24cを形成した例である。
【0029】
すなわち、本発明のサーマルヘッド10は、蓄熱層14が形成された領域を超えて基板12上にプラス電極層18とマイナス電極層20が直接形成された領域をつなくごとなく、下層保護膜22の上にカーボン保護膜24を形成することにより、下層保護膜22にピンホールが形成されても、プラス電極層18上のピンホールとマイナス電極層20上のピンホールとがカーボン保護膜24で接続されることがない。
従って、本発明のサーマルヘッド10は、前述のプラス電極層18側の下層保護膜22のピンホールからカーボン保護膜24に至り、カーボン保護膜24を通過して、マイナス電極層20側の下層保護膜22のピンホールからマイナス電極層20に流れる、異常電流の発生を防止して、これに起因する電極層の破壊や駆動IC等の各種の素子への悪影響をなくし、長期にわたって高い信頼性有するサーマルヘッドを実現することができる。
【0030】
なお、蓄熱層14上の下層保護膜22にもピンホールが形成される場合があるが、通常のサーマルヘッドでは、蓄熱層14の表面は基板12に比してはるかに平滑であり、蓄熱層14上の下層保護膜22に形成されるピンホールは、サーマルヘッドの駆動電流が流れることができないほど微細なものであるので、問題はない。
【0031】
カーボン保護膜24の硬度には特に限定はなく、サーマルヘッドの保護膜として十分な硬度を有すればよいが、例えば、ビッカーズ硬度で3000kg/mm2〜5000kg/mm2程度が好適に例示される。
また、この硬度は、カーボン保護膜24の厚さ方向に対して、一定でも異なるものであってもよく、厚さ方向に硬度が異なる場合には、硬度の変化は連続的でも段階的でもよい。
【0032】
本発明のサーマルヘッド10において、下層保護膜22およびカーボン保護膜24の厚さには特に限定はないが、耐摩耗性と熱伝導性(すなわち記録感度)とのバランスを好適に取ることができる等の点で、下層保護膜22の厚さは0.5μm〜50μm、特に、2μm〜20μmが好ましく、カーボン保護膜24の厚さは、0.1μm〜5μm、特に、1μm〜3μmが好ましい。
また、中間層を有する場合には、下層保護膜22の厚さは0.2μm〜20μm、特に2μm〜15μmが好ましく、中間層の厚さは0.05μm〜1μm、特に0.1μm〜1μmが好ましく、カーボン保護膜24の厚さは、0.5μm〜5μm、特に1μm〜3μmが好ましい。中間層がカーボン保護膜24に対して厚すぎると、中間層の割れ、剥離が生じる場合があり、逆に、中間層が薄すぎると、中間層としての機能を十分に発揮できなくなってしまう。これに対し、中間層およびカーボン保護膜24の厚さを上記範囲内とすることにより、中間層の有する下層への密着力および衝撃吸収力、カーボン保護膜24の有する耐久性等の機能を、安定して、バランス良く実現できる。
【0033】
カーボン保護膜24を形成した後、その表面に潤滑剤やワックスを塗布し、あるいはさらに、ヒータ等を用いた加熱やサーマルヘッドの駆動によって焼き付けてもよい。この際においては、カーボン保護膜24を酸素エッチングした後に、潤滑剤等の塗布および焼き付けを行ってもよい。潤滑剤やワックスには特に限定はなく、各種のものが利用可能であるが、例えば、感熱材料に含有される潤滑剤や、耐熱性を有するコーティング剤、好ましくは滑性に優れるコーティング剤が各種利用可能である。
【0034】
カーボン保護膜24(24a、24b、24c)の成膜方法には特に限定はなく、目的とするカーボン保護膜24の組成に応じた、公知の成膜方法がすべて利用可能であるが、好ましい方法として、カーボン保護膜24を形成しない領域をマスキングして、スパッタリング、特にマグネトロンスパッタリングや、CVD、特にプラズマCVDでカーボン保護膜を成膜する方法が好適に例示される。
【0035】
カーボン保護膜24は、50℃〜400℃程度、特に、サーマルヘッド10の使用温度に加熱しながら形成してもよい。これにより、カーボン保護膜24と中間層ひいては下層保護膜22との密着性をさらに向上でき、ヒートショックや感熱記録中の異物混入による機械的衝撃による割れや剥離、ならびに高パワー記録によるカーボン膜の変質や消失に対する、より一層優れた耐久性を得ることができる。なお、加熱は、ヒータ等の加熱手段を用いる方法や、サーマルヘッド10に通電する方法で行えばよい。
【0036】
図2に、本発明のサーマルヘッドの保護膜の形成に好適な成膜装置の概念図を示す。
図示例の成膜装置50は、基本的に、真空チャンバ52と、ガス導入部54と、第1スパッタリング手段56と、第2スパッタリング手段58と、プラズマ発生手段60と、バイアス電源62と、基板ホルダ64とを有して構成される。
【0037】
この成膜装置50は、系内すなわち真空チャンバ52内に2つのスパッタリングによる成膜手段とプラズマCVDによる成膜手段を有するものであり、異なる組成の複数層の成膜を連続的に行うことが可能である。
従って、成膜装置50を用いることにより、例えば、異なるターゲットを用いたスパッタリングによって、あるいはスパッタリングとプラズマCVDとによって、下層保護膜22、カーボン保護膜24、あるいはさらに中間層等の形成を、効率良く行うことができる。
【0038】
真空チャンバ52は、SUS304等の非磁性材料で形成されるのが好ましく、内部(成膜系内)を排気して減圧とする真空排気手段66が配置される。真空チャンバ52内のプラズマやプラズマ発生用の電磁波によってアークが発生する箇所は、MCナイロン、テフロン(PTFE)等の絶縁部材で覆ってもよい。
【0039】
ガス導入部54は、2つのガス導入管54aおよび54bを有する。一例として、ガス導入管54aは、プラズマを発生するためのガスを導入し、ガス導入管54bは、プラズマCVDの反応ガスを導入する。
【0040】
なお、プラズマ発生用のガスとしては、例えば、アルゴン、ヘリウム、ネオン等の不活性ガスが用いられる。
カーボン保護膜24を成膜するための反応ガスとしては、メタン、エタン、プロパン、エチレン、アセチレン、ベンゼン等の炭化水素化合物のガスが例示される。また、下層保護膜22を成膜するための反応ガスとしては、下層保護膜22の形成材料を含む各種のガスが例示され、例えば、下層保護膜22として窒化珪素膜を作製する際には、反応ガスとして、シラン、窒素および酸素の混合ガス等を用いればよい。
【0041】
スパッタリングでは、カソードにスパッタリングするターゲット材を配置し、カソードを負電位にすると共に、ターゲット材の表面にプラズマを発生させることにより、ターゲット材(その原子)を弾き出して、対向し配置した基板の表面に付着させ、堆積することにより成膜する。
第1スパッタリング手段56および第2スパッタリング手段58は、共に、スパッタリングによって基板表面に成膜を行うものであり、第1スパッタリング手段56は、カソード68、ターゲット材70の配置部、シャッタ72および高周波(RF)電源74等を有して構成され、他方、第2スパッタリング手段58は、カソード76、ターゲット材70の配置部、シャッタ78および直流電源80等を有して構成される。
上記構成より明らかなように、第1スパッタリング手段56と第2スパッタリング手段58は、配置位置および電源が異なる以外は基本的に同じ構成を有するので、以下の説明は、異なる部分以外は、第1スパッタリング手段56を代表例として行う。
【0042】
第2スパッタリング手段58において、ターゲット材70の表面にプラズマを発生する際には、直流電源80のマイナス側を直接カソード76に接続し、スパッタリングのための電圧を印加する。
両電源の出力や性能には特に限定はなく、目的とする成膜に必要にして十分な性能を有するものを選択すればよい。例えば、カーボン保護膜24の形成を行う装置であれば、最高出力10kwの負電位の直流電源を用い、変調器によって2kHz〜100kHzでパルス状に変調できるように構成した直流電源を用いればよい。
【0043】
図示例においては、無酸素銅やステンレス等からなるバッキングプレート82(84)をカソード68に固定し、その上にターゲット材70をIn系ハンダや機械的な固定手段で固定する。
なお、下層保護膜22の形成に用いられるターゲット材70としては、前述の各種のセラミックス材料、SiN、SiAlN等が好適に例示される。また、カーボン保護膜24を形成するために用いられるターゲット材70としては、焼結カーボン材、グラッシーカーボン材等が好適に例示される。
【0044】
また、図示例の装置は、マグネトロンスパッタリングを行うものであり、カソード68の内部には、磁石68a(76a)が配置される。マグネトロンスパッタリングは、ターゲット材70表面に磁場を形成してプラズマを閉じ込めてスパッタリングを行うものであり、成膜速度が早い点で好ましい。
【0045】
図示例の成膜装置50は、マイクロ波とECR磁場とによってプラズマを発生させる、マイクロECR波放電を利用するプラズマCVDでカーボン保護膜24等の成膜を行うものであり、プラズマ発生手段60は、マイクロ波電源86、磁石88、マイクロ波導波管90、同軸変調器92、誘電体板94、放射状アンテナ96等を有して構成される。
マイクロ波電源86は、カーボン保護膜24等の成膜に必要にして十分な出力を有するものを適宜選択すればよい。また、ECR磁場発生用の磁石88としては、所望の磁場を形成できる永久磁石や電磁石を適宜用いればよい。真空チャンバ52内へのマイクロ波の導入は、マイクロ波導波管90、同軸変調器92、誘電体板94等を用いて行われる。
【0046】
基板ホルダ64は、サーマルヘッド10(その本体)等の被成膜材(成膜基板)を固定するものである。
図示例の成膜装置50は、3つの成膜手段を有するものであり、基板ホルダ64は各成膜手段、すなわちスパッタリング手段56および58と、プラズマCVDを行うプラズマ発生手段60に基板となるグレーズを対向できるように、基板ホルダ64を揺動する回転部98に保持されている。
また、基板ホルダ64とターゲット材70や放射状アンテナ96との距離は、公知の方法で調整可能にされる。なお、基板とターゲット材70もしくは放射状アンテナ96との距離は、膜厚分布が均一になる距離を選択設定すればよい。
【0047】
ここで、前述のように、下層保護膜22の表面は、必要に応じてエッチングで粗面化される。さらに、プラズマCVDで硬質膜を得るためには、基板に負のバイアス電圧を印加しながら成膜を行うのが好ましい。
そのため成膜装置50では、基板ホルダ64に高周波電圧を印加するバイアス電源62が接続される。また、プラズマCVDの際には、高周波の自己バイアス電圧を使用するのが好ましい。
【0048】
以上、本発明のサーマルヘッドについて詳細に説明したが、本発明は上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更等を行ってもよいのはもちろんである。
【0049】
【実施例】
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明をより詳細に説明する。
[実施例]
公知のサーマルヘッドの製造方法と同様にして、基板12上に蓄熱層14を形成し、その上に発熱体16、プラス電極層18およびマイナス電極層20をスパッタリングで成膜して、フォトリソグラフィーおよびエッチングによってパターンを形成し、保護膜を有さない、基となるサーマルヘッドを作製した。
得られたサーマルヘッドに、下記に示されるようにして、厚さ7μmの窒化珪素膜を成膜して、下層保護膜22を作製した。
【0050】
<下層保護膜22の作製>
通常のスパッタリング装置によって、2kW〜5kWのRFパワーによるマグネトロンスパッタリングで成膜を行った。
ターゲット材は、SiN焼結剤を用いた。
チャンバ内に導入するスパッタ用ガスは、キャリアガスとしてArを100[sccm]、反応ガスとして、窒素ガスを20[sccm]、酸素ガスを5[sccm]を用い、トータルのガス圧(チャンバ内の圧力)は5mTorrとした。
【0051】
<カーボン保護膜の作製>
このようにして下層保護膜20を作製したサーマルヘッドに、以下のような、図2に示される成膜装置50を用いて、カーボン保護膜24を形成した。
【0052】
<成膜装置50>
a.真空チャンバ52
真空排気手段66として、排気速度が1500L(リットル)/分のロータリーポンプ、同12000L/分のメカニカルブースタポンプ、および同3000L/秒のターボポンプを、各1台ずつ有する、SUS304製で容積が0.5m3の真空チャンバ52を用いた。ターボポンプの吸引部にオリフィスバルブを配置して、開口度を10%〜100%まで調整できる。
【0053】
b.ガス導入部54
最大流量50[sccm]〜500[sccm]のマスフローコントローラと、直径6ミリのステンレス製パイプを用いて、プラズマ発生ガス用と反応ガス用の2つのガス導入管54aおよび54bを形成した。
【0054】
c.第1スパッタリング手段56および第2スパッタリング手段58
永久磁石68aおよび76aとしてSm-Co 磁石を配置した、幅600mm×高さ200mmの矩形のカソード68および76を用いた。
バッキングプレート82および84として、矩形状に加工した無酸素銅を、カソード68および76にIn系ハンダで張り付けた。また、カソード68および76内部を水冷することにより、磁石68aおよび76a、カソード68および76、ならびにバッキングプレート82および84の裏面を冷却した。
なお、RF電源74としては、13.56MHzで最大出力10kWのRF電源を、直流電源80としては最大出力10kWの負電位の直流電源を、それぞれ用いた。また、直流電源80には、変調器を組み合わせ、2kHz〜100kHzの範囲でパルス状に変調可能とした。
【0055】
d.プラズマ発生手段60
発振周波数2.45GHz、最大出力1.5kWのマイクロ波電源86を用いた。マイクロ波は、マイクロ波導波管90で真空チャンバ52近傍まで導き、同軸変調器92で変換後、真空チャンバ52内の放射状アンテナ96に導入した。プラズマ発生部は、幅600mm×高さ200mmの矩形のものを用いた。
さらに、ECR用磁場発生用に、磁石88としてSm-Co 磁石を複数個、誘電体板94の形状に合わせて配置した。
【0056】
e.基板ホルダ64
回転部98の作用により、保持した基板(すなわち、サーマルヘッド10)を第1スパッタリング手段56および第2スパッタリング手段58に配置されたターゲット材70、ならびにプラズマ発生手段60の放射状アンテナ96に対向して保持する。以下に示す、スパッタリングによるカーボン保護膜24の成膜時には、基板とターゲット材70の距離は100mmとした。
さらに、エッチング用の高周波電圧が印加できるように、サーマルヘッドの保持部分を浮遊電位にした。さらには、基板ホルダ64表面にはヒータを設け、加熱しながら成膜を行えるようにした。
【0057】
f.バイアス電源62
基板ホルダ64に、マッチングボックスを介して高周波電源を接続した。
高周波電源は、周波数13.56MHzで、最大出力は3kWである。また、この高周波電源は、自己バイアス電圧をモニタすることにより、負の100V〜500Vの範囲で高周波出力が調整可能に構成されている。
なお、このバイアス電源62は、エッチング手段を兼ねている。
【0058】
<カーボン保護膜24の作製>
このような成膜装置50において、発熱素子(下層保護膜20)が第2スパッタリング手段58のターゲット材70の保持位置に対向するように、基板ホルダ64に前記基となるサーマルヘッドを固定した。
【0059】
真空排気手段66によって真空排気を行いながら、ガス導入部54によってアルゴンガスを導入し、ターボポンプに設置したオリフィスバルブによって、真空チャンバ52内の圧力が5.0×10-3Torrになるように調整した。次いで、基板に高周波電圧を印加し、自己バイアス電圧−300Vで10分間、下層保護膜20(窒化珪素膜)のエッチングを行った。
【0060】
エッチング終了後、ターゲット材70として焼結グラファイト材を第2スパッタリング手段58のバッキングプレート84に、それぞれ固定(In系ハンダで張り付け)した。
その後、真空チャンバ52内の圧力が2.5×10-3Torrとなるようにアルゴンガス流量およびオリフィスバルブを調整し、シャッタ78を閉じた状態でターゲット材70に直流電力0.5kWを5分間印加した。
次いで、真空チャンバ52内の圧力を保ったまま、直流電力を5kWとしてシャッタ78を開いてスパッタリングを行って、厚さ2μmのカーボン保護膜24を形成した。
なお、カーボン保護膜24の膜厚は、あらかじめ成膜速度を求めておき、所定の膜厚となる成膜時間を算出して、成膜時間で制御した。
【0061】
ここで、このようなカーボン保護膜の成膜に先立ち、ステンレス製のマスクによってマスキングをしておくことにより、図1(A)に示される、カーボン保護膜24aを有するサーマルヘッド10a(実施例1)、図1(B)に示される、カーボン保護膜24bを有するサーマルヘッド10b(実施例2)、および図1(C)に示される、カーボン保護膜24cを有するサーマルヘッド10c(実施例3)を作成した。
また、比較例として、マスキングを行わずにカーボン保護膜の成膜を行い、下層保護膜110上の全面にカーボン保護膜112を形成した、図3に示されるような、従来のサーマルヘッドも作成した。
【0062】
<性能評価>
このようにして作製した4種のサーマルヘッド(実施例1、2および3、比較例)を用いて、2kmのベタ記録を行うランニング試験を行った。
その結果、実施例1、2および3では、いずれもヘッド切れや駆動ICの不良等は発生しなかった。これに対し、比較例では、2kmの記録を終了した時には、既にヘッド切れを起こしていた。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
【0063】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明サーマルヘッドは、導電性のカーボン保護膜を有するサーマルヘッドにおいて、電極層上に形成される絶縁性保護膜が有するピンホールに起因する、カーボン保護膜を通過する異常電流の発生を防止して、これによるヘッド切れや駆動ICの破損等がなく、長期間に渡って高い信頼性を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)、(B)および(C)は、本発明のサーマルヘッドの発熱素子の構成を示す概略図である。
【図2】 本発明のサーマルヘッドの製造に利用される成膜装置の一例の概念図である。
【図3】 従来のサーマルヘッドの発熱素子の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
10(10a,10b,10c) サーマルヘッド
12,100 基板
14,102 (アンダーグレーズ)蓄熱層
16,104 発熱(抵抗)体
18,106 プラス電極層
20,108 マイナス電極層
22,110 下層保護膜
24(24a,24b,24c) カーボン保護膜
50 成膜装置
52 真空チャンバ
54 ガス導入部
56 第1スパッタリング手段
58 第2スパッタリング手段
60 プラズマ発生手段
62 バイアス電源
64 基板ホルダ
66 真空排気手段
68,76 カソード
70 ターゲット材
72,78 シャッタ
74 RF電源
80 直流電源
82,84 バッキングプレート
86 マイクロ波電源
88 磁石
90 マイクロ波導波管
92 同軸変換器
94 誘電体板
96 放射状アンテナ
98 回転部
114(114a,114b) ピンホール

Claims (2)

  1. 基板と、
    前記基板の一部に形成された凸状のアンダーグレーズ蓄熱層と、
    前記アンダーグレーズ蓄熱層の上に形成された発熱抵抗体、前記基板および発熱抵抗体の上に形成されたプラズ側の電極層、および、前記基板および発熱抵抗体の上に形成されたマイナス側の電極層からなる発熱素子と、
    前記発熱素子を保護する保護膜としての、前記発熱抵抗体、前記プラス電極層およびマイナス電極層の上に形成された絶縁性保護膜と、前記絶縁性保護膜よりも上層に形成される炭素を主成分とする導電性保護膜とを有し、
    前記導電性保護膜は、少なくとも前記アンダーグレーズ蓄熱層に対応する領域は全域を覆い、かつ、前記アンダーグレーズ蓄熱層に対応する領域以外の前記基板上にプラス側の電極層およびマイナス側の電極層が形成された領域は、前記マイナス側の電極層およびプラス側の電極層に対応する領域の少なくとも一方を覆わないことを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 前記絶縁性保護膜がセラミックスを主成分とするものであり、あるいはさらに、前記絶縁性保護膜と導電性保護膜の間に、中間層を有する請求項1に記載のサーマルヘッド。
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