JP2000335480A - 船上コンテナ固縛装置 - Google Patents

船上コンテナ固縛装置

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JP2000335480A JP11145049A JP14504999A JP2000335480A JP 2000335480 A JP2000335480 A JP 2000335480A JP 11145049 A JP11145049 A JP 11145049A JP 14504999 A JP14504999 A JP 14504999A JP 2000335480 A JP2000335480 A JP 2000335480A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 本発明は、船上に積み重ねられたコンテナの
固縛について、同コンテナを引き上げる方向の力の成分
を生じるように緊締手段の配置を工夫することにより、
コンテナの圧壊を防止できるようにするとともに、上記
緊締手段の小型軽量化も図れるようにした船上コンテナ
固縛装置を提供することを課題とする。 【解決手段】 船上に立設されたラッシングブリッジピ
ラー8のラッシングアイプレート4に、ラッシングロッ
ド6およびターンバックル7からなる緊締部材の一端
(上端)が取付けられ、同緊締部材が斜め下方へ延在し
て、その他端(下端)がコンテナ2の隅金物5に取り付
けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船上に積み重ねら
れるコンテナの固縛装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、コンテナ船では、船内にコンテ
ナが積み込まれるほか、図5(a)に示すようにハッチカ
バー上面1などにもコンテナ2を積み重ねることが行な
われている。そして、船体の横揺れに伴い図5(b)に示
すように荷崩れを起こす恐れがあるので、コンテナ2の
固縛が図6(a)および図7に示すように行なわれている
が、いまコンテナ固縛に関する強度計算の原理を説明す
るため、図5(a)に示すように固縛が行なわれていない
と仮定した場合、各コンテナ2には船体の動揺(横揺
れ)により図5(b)に示すような水平方向力f1,f2
3および垂直方向力v1,v2,v3が発生することにな
る。
【0003】このとき、水平方向力f1,f2,f3によ
り最下段のコンテナ上部に[数1]式で示されるラッキ
ング力R1が発生するのに伴って、コンテナが菱形変形
を起こし、コンテナ自体の許容強度を超えた場合には、
コンテナの圧壊が生じる。
【数1】R1=f1+f2+(1/2)f3
【0004】上記の水平方向力f1〜f3によって、コン
テナの隅部には転倒力V2が発生し、コンテナ隅部の許
容強度およびオートツィストロック3の許容引張強度を
超えた場合、破断事故を起こすことになる。
【0005】また、上記の垂直方向力v1〜v3によって
コンテナ隅部には圧縮力V1が発生し、これがコンテナ
本体の許容圧縮強度を超えた場合、コンテナが圧壊する
ことになる。
【0006】そこで、図6に示すように、ハッチカバー
上面1上のラッシングアイプレート4とコンテナ隅金物
5との間にラッシングロッド6および同ロッド6にジョ
イントaを介して連結されたターンバックル7によって
コンテナ2を固縛すると、ラッシングロッド6およびタ
ーンバックル7に発生する張力Tの水平方向力Tcos
θによって上記のラッキング力R1は[数2]式に示す
1′に減じられ、コンテナの圧壊が防止される。
【数2】R1′=R1−Tcosθ ここでθは図6(b)に示すターンバックル7の張り角
(固縛角)を示す。
【0007】上記のコンテナ転倒力V2に対しても、上
記張力の水平方向力Tcosθは軽減する方向に働き、
これによりコンテナ転倒力V2を減少させるようにな
る。コンテナの幅Bとコンテナの高さHとの比によって
コンテナ転倒力V2′は[数3]式のようになる。
【数3】V2′=V2−T・cosθ・(H/B)
【0008】また、上記の固縛手段における張力Tによ
ってコンテナの圧縮力V1′は[数4]式のようにな
る。
【数4】 V1′=V1−Tcosθ・(H/B)+Tsinθ
【0009】このため、コンテナの多段積および重積付
に対しては、ロッドの張力Tを増大させるか、図8およ
び図9に示すように、コンテナラッシングブリッジピラ
ー8を設けてコンテナ2の固縛位置を上方にとる必要が
ある。
【0010】しかしながら、固縛張力Tを増大させる
と、コンテナ圧縮力V1′は張力の垂直方向力Tsin
θの増加によって増大する傾向になる。図8および図9
の固縛手段によるコンテナの積付重量の計算結果を[表
1]に示す。
【0011】ここで、ケースAは図8に示すコンテナ2
段目固縛手段についての計算結果を示し、ケースBは図
9に示すコンテナ3段目固縛手段についての計算結果を
示す。
【0012】これらの計算結果では、ケースAにて積付
重量111.0ton(5段積),92.75ton(6段積)
となり、ケースBにて積付重量133.6ton(5段
積),111.5ton(6段積)となる。
【表1】
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前述のような従来の船
上コンテナ固縛手段における問題点に鑑みて、本発明
は、船上に積み重ねられたコンテナの固縛について、同
コンテナを引き上げる方向の力の成分を生じるように緊
締手段の配置を工夫することにより、コンテナの圧壊を
防止で生きるようにするとともに、上記緊締手段の小型
軽量化も図れるようにした船上コンテナ固縛装置を提供
することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め、本発明の船上コンテナ固縛装置は、船上に積み重ね
られたコンテナを固縛すべく船上に立設された複数のラ
ッシングブリッジピラーと、同ラッシングブリッジピラ
ーに設けられたラッシング用取付け部と、同取付け部に
一端を取付けられて斜め下方へ延在し上記ラッシングブ
リッジピラー相互間のコンテナの隅金物に他端を取付け
られる緊締部材とをそなえたことを特徴としている。
【0015】また、本発明の船上コンテナ固縛装置は、
上記緊締部材の緊締方向が水平面となす固縛角を、5〜
35度の範囲に設定されていることを特徴としている。
【0016】さらに、本発明の船上コンテナ固縛装置
は、上記緊締部材がターンバックルのみで構成されてい
ることを特徴としている、
【0017】上述の本発明の船上コンテナ固縛装置で
は、船上に立設されたラッシングブリッジピラーにおけ
るラッシング用取付け部に一端(上端)を取付けられた
緊締部材が、斜め下方へ延在して、同緊締部材の他端
(下端)がコンテナの隅金物に取付けられているので、
同緊締部材の収縮による緊締作用に伴い、上記コンテナ
を引き上げる方向に緊締力の上向き成分が働くようにな
り、これにより従来問題とされていたコンテナ隅部の圧
縮力が軽減されるようになって、コンテナの圧壊が防止
されるようになる。
【0018】そして、上記緊締部材の緊締方向が水平面
となす固縛角を5〜35度に設定されていると、従来の
緊締部材に見られた45度以上の固縛角の場合と比べ
て、緊締部材の長さを大幅に減少させることが可能とな
り、同緊締部材の小型軽量化がもたらされるようにな
る。
【0019】また、上述のように緊締部材の長さが減少
するのに伴い、同緊締部材をターンバックルのみにて構
成して、従来のターンバックルにジョイントを介して連
結されていたラッシングロッドを省略すると、部品数の
減少をもたらし、構造が簡素化されて、コストの低減お
よびメンテナンスの簡易化がもたらされるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の実施形
態について説明すると、図1は本発明の第1実施形態と
しての船上コンテナ固縛装置を示す正面図、図2(a)は
図1の装置をハッチカバー上面に積み重ねたコンテナに
適用した場合を示す正面図、図2(b)は図2(a)のコン
テナが船体動揺を受けた状態を模式的に示す正面図であ
り、図3は本発明の第2実施形態としての船上コンテナ
固縛装置を概略的に示す正面図、図4は図3の装置の要
部を拡大して示す斜視図である。
【0021】まず本発明の第1実施形態について説明す
ると、図1に示すごとく、船上に積み重ねられたコンテ
ナ2を固縛できるように船上に複数のラッシングブリッ
ジピラー8が立設されるとともに、同ピラー8にはラッ
シング用取付け部としてのラッシングアイプレート4が
装着されている。
【0022】また、ラッシングアイプレート4に一端
(上端)を取付けられて斜め下方へ延在する緊締部材と
してのラッシングロッド6およびターンバックル7が、
その他端(下端)をラッシングブリッジピラー8の相互
間のコンテナ2の隅金物5に取付けられるように構成さ
れている。
【0023】そして、上記緊締部材におけるターンバッ
クル7の緊締方向が水平面となす固縛角αは5〜35度
の範囲に設定され、好ましくは25〜35度の範囲に設
定される。なお、緊締部材を形成するラッシングロッド
6とターンバックル7とはジョイントaで連結されてい
る。
【0024】図2(a)は上述の船上のコンテナ固縛装置
をハッチカバー上面1に積み重ねられたコンテナ2の固
縛に用いた場合を示しており、図中の符号は図1と同様
に用いられている。
【0025】また、図2(b)は図2(a)のコンテナ2が
船体動揺(横揺れ)を受けたときの状態を示しており、
張力Tの垂直方向力T″sinαが、[数5]式に示す
ごとく圧縮力V1″について有利に働くようになってい
る。
【数5】V1″=V1−T″cosα・(H/B)−T″
sinα
【0026】また固縛角αは従来の45度以上の場合と
比べて大幅に小さい5〜35度の範囲に設定されている
ので、張力の水平方向力T″cosαを増大させること
ができ、前述のラッキング力R1および転倒力V2を減少
させて、それぞれ[数6]式に示すラッキング力R1
および転倒力V2″とすることができる。
【数6】 R1″=R1−T″cosα V2″=V2−T″cosα・(H/B)
【0027】上述の固縛装置によるコンテナ積付量の増
大を[表1]におけるケースCとして示す。結果とし
て、積付重量は5段積にて161.2ton,6段積にて1
21.5tonとなり、図8に示す従来の2段目固縛手段で
の積付の場合と比べて、図1に示す固縛手段では30%
以上の積付量を確保することができる。
【0028】上述の第1実施形態の船上コンテナ固縛装
置では、船上に立設されたラッシングブリッジピラー8
におけるラッシング用取付け部としてのラッシングアイ
プレート4に一端(上端)を取付けられた緊締部材とし
てのラッシングロッド6およびターンバックル7が、斜
め下方へ延在して、同緊締部材の他端(下端)がコンテ
ナ2の隅金物5に取付けられているので、同緊締部材の
収縮による緊締作用に伴い、コンテナ2を引き上げる方
向に緊締力の上向き成分が働くようになり、これにより
従来問題とされていたコンテナ隅部の圧縮力が軽減され
るようになって、コンテナ2の圧壊が防止されるように
なる。
【0029】そして、上記緊締部材の緊締方向が水平面
となす固縛角を5〜35度に設定されているので、従来
の緊締部材に見られた45度以上の固縛角の場合と比べ
て、緊締部材の長さを大幅に減少させることが可能とな
り、同緊締部材の小型軽量化がもたらされるようにな
る。
【0030】次に本発明の第2実施形態としての船上コ
ンテナ固縛装置について説明すると、図3はその正面
図、図4はその斜視図であって、この第2実施形態の場
合も、船上に積み重ねられたコンテナ2を固縛できるよ
うに船上に複数のラッシングブリッジピラー8が立設さ
れるとともに、同ピラー8にはラッシング用取付け部と
してのラッシングアイプレート4が装着されている。
【0031】また、ラッシングアイプレート4に一端
(上端)を取付けられた緊締部材としてのターンバック
ル7が、斜め下方へ延在してラッシングブリッジピラー
8の相互間のコンテナ2の隅金物5に取付けられてお
り、前述の第1実施形態の場合におけるラッシングロッ
ド6およびジョイントaが省略されている。すなわち、
前述の固縛角を5〜35度の範囲に設定して緊締部材の
長さを従来の場合と比べ大幅に短縮したことにより、タ
ーンバックル7のロッド部分をやや長くするだけですま
せることが可能となるのである。
【0032】このようにして、この第2実施形態の場合
も、前述の第1実施形態と同様の作用効果が得られるほ
か、さらに上記緊締部材の長さの減少に伴い同緊締部材
をターンバックルのみにて構成したので、所要部品数の
減少をもたらし、構造が簡素化されて、コストの低減お
よびメンテナンスの簡易化がもたらされるようになる。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の船上コン
テナ固縛装置によれば次のような効果が得られる。 (1) 船上に立設されたラッシングブリッジピラーにおけ
るラッシング用取付け部に一端(上端)を取付けられた
緊締部材が、斜め下方へ延在して、同緊締部材の他端
(下端)がコンテナの隅金物に取付けられているので、
同緊締部材の収縮による緊締作用に伴い、上記コンテナ
を引き上げる方向に緊締力の上向き成分が働くようにな
り、これにより従来問題とされていたコンテナ隅部の圧
縮力が軽減されるようになって、コンテナの圧壊が防止
されるようになる。 (2) 上記緊締部材の緊締方向が水平面となす固縛角を5
〜35度に設定されていると、従来の緊締部材に見られ
た45度以上の固縛角の場合と比べて、緊締部材の長さ
を大幅に減少させることが可能となり、同緊締部材の小
型軽量化がもたらされるようになる。 (3) 上記緊締部材の長さの減少に伴い、同緊締部材をタ
ーンバックルのみにて構成して、従来のターンバックル
にジョイントを介して連結されていたラッシングロッド
を省略すると、部品数の減少をもたらし、構造が簡素化
されて、コストの低減およびメンテナンスの簡易化がも
たらされるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としての船上コンテナ固
縛装置を示す正面図である。
【図2】図1の船上コンテナ固縛装置の変形例を示すも
ので、(a)図は船体動揺を受ける前の状態を示す正面
図、(b)図は船体動揺を受けた後の状態を示す正面図で
ある。
【図3】本発明の第2実施形態としての船上コンテナ固
縛装置を示す正面図である。
【図4】図3の装置の要部を示す斜視図である。
【図5】船上にコンテナが積み重ねられた状態を示すも
ので、(a)図は船体動揺を受ける前の状態を示す正面
図、(b)図は船体動揺を受けた後の状態を示す正面図で
ある。
【図6】図5のコンテナに従来の固縛装置を施した状態
を示すもので、(a)図は船体動揺を受ける前の状態を示
す正面図、(b)図は船体動揺を受けた後の状態を示す正
面図である。
【図7】図6に示す従来の固縛装置を施されたコンテナ
の斜視図である。
【図8】従来の船上コンテナ固縛装置の一例を示す正面
図である。
【図9】従来の船上コンテナ固縛装置の他の例を示す正
面図である。
【符号の説明】
1 ハッチカバー上面 2 コンテナ 3 オートツィストロック 4 ラッシングアイプレート 5 コンテナ隅金物 6 ラッシングロッド 7 ターンバックル 8 ラッシングブリッジピラー a ジョイント

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船上に積み重ねられたコンテナを固縛す
    べく船上に立設された複数のラッシングブリッジピラー
    と、同ラッシングブリッジピラーに設けられたラッシン
    グ用取付け部と、同取付け部に一端を取付けられて斜め
    下方へ延在し上記ラッシングブリッジピラー相互間のコ
    ンテナの隅金物に他端を取付けられる緊締部材とをそな
    えたことを特徴とする、船上コンテナ固縛装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の船上コンテナ固縛装置
    において、上記緊締部材の緊締方向が水平面となす固縛
    角を、5〜35度の範囲に設定されていることを特徴と
    する、船上コンテナ固縛装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の船上コンテナ固縛装置
    において、上記緊締部材がターンバックルのみで構成さ
    れていることを特徴とする、船上コンテナ固縛装置。
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