JP2000335293A - 自動車用敷具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 座席上での向きの如何に拘わらずチャイルド
シートを安定して支持することができ、該チャイルドシ
ートとの接触に伴う座席の傷みを有効に防止し得る自動
車用敷具を提供する。 【解決手段】 不織布により一体構成された第１，第２
の平板部10，11を、裏面側から所定深さを有して形成さ
れた切り込み12により屈伸自在に連結し、これらの平板
部10，11を伸長させた図示の状態と、切り込み12の形成
部分にて屈曲させた状態とにて使用可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の座席とチ
ャイルドシート（幼児用補助席）との間に介在させて、
前記座席の傷みを防ぐべく用いられる自動車用敷具に関
する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
自動車事故の発生時に乗車中の幼児の安全を確保するた
め、チャイルドシートの使用が義務付けられている。該
チャイルドシートは、幼児の体に合わせて成形され、身
体固定用のベルトを備える補助座席であり、車内の座席
上に載置し、該座席に備えられたシートベルトにより固
定して用いられる。

【０００３】しかしながらこのようなチャイルドシート
は、前記シートベルトによる固定が不完全なまま用いら
れた場合、走行中の振動及び慣性力の作用により、座席
上にて滑りを伴って移動し、該座席の表面を傷めるとい
う問題があり、このような問題を解消するため、チャイ
ルドシートと座席との間に介装して用いる敷具が実用化
されている。

【０００４】従来実用化されているこの種の敷具は、チ
ャイルドシートと座席との当接が、該座席の座部のみな
らず背もたれ部の下位置においても生じることに着目
し、座部との間に介在させるための第１の平板部の一側
に、背もたれ部との間に介在させるための第２の平板部
を、取付け対象となる座席の座部と背もたれ部との間の
角度に対応する傾斜角度を有して連設した座椅子形の形
状を有するものが主流となっている。

【０００５】このような座椅子形の敷具は、座席の座部
上に第１の平板部を載置したとき、第２の平板部が座席
の背もたれ部に沿うこととなり、座部及び背もたれ部の
双方に対するチャイルドシートの接触を防ぎ、座席の傷
みを有効に防止することができる。

【０００６】ところが、近年のチャイルドシートは、座
部に対して傾倒可能に連設された背もたれ部を備え、幼
児の就寝時に背もたれ部を倒し、例えば、自動車の後部
座席に横向きに載置することにより、ベッドとしての使
用が可能に構成されたものがあり、このような使用に際
し前述の如く座椅子形に成形された敷具を用いようとし
た場合、第２の平板部が邪魔となり、使い勝手が悪いと
いう問題があった。

【０００７】また一方、毛布等の大判の布を敷具として
代用することができるが、このような敷具は柔らかく、
使用中の幼児と共にチャイルドシートを安定して支持す
ることができず、チャイルドシートがぐら付くという問
題があり、またチャイルドシートとの当接部における座
席の傷みを確実に防止することは難しい。

【０００８】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、座席上での向きの如何に拘わらずチャイルドシ
ートを安定して支持することができ、該チャイルドシー
トとの接触に伴う座席の傷みを有効に防止し得る自動車
用敷具を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明に係る自動車用敷
具は、自動車の座席上に敷いて、該座席上に載置される
チャイルドシートとの間に介装して用いる自動車用敷具
において、前記チャイルドシートと前記座席の座部との
間に介装される第１の平板部と、前記チャイルドシート
と前記座席の背もたれ部とに間に介装される第２の平板
部と、これらを屈伸自在に連結する連結部とを具備する
ことを特徴とする。

【００１０】本発明においては、座席の座部上に載置さ
れる第１の平板部と、同じく背もたれ部に載置される第
２の平板部とを、両者間にて屈伸自在に連結して敷具を
構成し、通常のチャイルドシートの使用時には、第１，
第２の平板部間の連結部を屈曲させ、第１の平板部を座
部に、第２の平板部を背もたれ部に夫々当て、チャイル
ドシートとの間に介在させる一方、チャイルドシートを
ベッドとして使用する際には、第１，第２の平板部間の
連結部を伸長させて、これらを一枚の平板として座席の
座部上に横向きに置き、チャイルドシートとの間に介在
させる。

【００１１】また、前記第１，第２の平板部は、平板状
に成形された不織布製のシートにより一体に構成してあ
り、前記連結部は、前記シートを一面側から所定深さに
切り込んで構成してあることを特徴とする。

【００１２】この発明においては、不織布製のシートに
一面側から所定深さに切り込んだ切り込みを形成し、こ
の切り込み部の一側を第１の平板部とし、また他側を第
２の平板部として一体に構成する。

【００１３】また、前記シートは、硬さの異なる複数枚
の不織布を、夫々の硬さの順に厚さ方向に積層し、接着
により一体化せしめて構成してあることを特徴とする。

【００１４】この発明においては、硬さの異なる複数枚
の不織布を厚さ方向に積層し、接着により一体化させて
なるシートを用い、厚さ方向に硬度が異なる敷具を構成
し、座席とチャイルドシートとの間への介装を、硬度の
低い面を座席側、硬度の高い面をチャイルドシート側と
して行い、チャイルドシートの安定した支持を実現する
と共に、座席の疵つきをより有効に防止する。

【００１５】更に、前記第１，第２の平板部の座席との
当接面の一部又は全部に被着され、合成樹脂からなり、
粘着性を有する滑り止めシートを備えることを特徴とす
る。

【００１６】この発明においては、第１，第２の平板部
の一面に、ポリウレタン等の合成樹脂からなり、接触面
に対して所定の粘着性が得られる滑り止めシートが被着
してあり、これらの平板部は、滑り止めシートの被着面
を下に向け自動車の座席上に載置し、上面側から適宜の
力を加えることにより、前記滑り止めシートの粘着性に
より、座席の表面に対して相対的なずれを生じることな
く位置決めされる。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図１は、本発明に係る自動
車用敷具の表面側から見た外観斜視図、図２は、同じく
裏面側から見た外観斜視図である。

【００１８】これらの図に示す如く本発明に係る敷具１
は、矩形平板状をなす第１の平板部10の長手方向一側
に、平面視台形の平板状をなす第２の平板部11を、これ
らの厚さ方向に屈伸自在に連結して構成されている。

【００１９】第１，第２の平板部10，11は、綿状の繊維
をニードルパンチにより一体化せしめて形成された不織
布製のシートを図示の形状に裁断して一体に構成されて
いる。これらの境界部には、図２に示す如く、裏面側か
ら所定深さの切り込み12が全幅に亘って形成されてお
り、両平板部10，11は、前記切り込み12の拡開により、
残りの部分の変形を伴って屈曲せしめられるようになっ
ている。図３は、第１，第２の平板部10，11を屈曲させ
た状態が示してある。

【００２０】不織布は、その形成に際してのニードルパ
ンチのストロークを変えることにより、その硬さを異な
らせることができる。前記第１，第２の平板部10，11を
構成するシートは、このように硬さが異なる複数枚（実
際には３枚）の不織布を厚さ方向に積層し、接着により
一体化せしめて構成されており、第１，第２の平板部1
0，11は、前記切り込み12が形成された裏面側を柔らか
く、表面側を硬くしてある。

【００２１】なお本発明に係る敷具１は、第１，第２の
平板部10，11を別体とし、適宜の連結手段により屈伸自
在に連結して構成することも可能であるが、第１，第２
の平板部10，11を前述の如く一体とし、前記切り込み12
により両者を屈伸自在に連結する連結部を構成した敷具
１は、一連の工程により高い生産性にて製造することが
できる。

【００２２】また敷具１の裏面には、図２に示す如く、
第１平板部10の４隅の近傍と、第２の平板部11の幅方向
両端部近傍とに滑り止めシート13，13…が被着されてい
る。これらの滑り止めシート13は、例えば、ポリウレタ
ン等の合成樹脂製のシート材を加圧して厚さを減じた
後、所望の形状に裁断してなり、平坦な対象面に押し付
けたとき、この押し付け面に対して所定の粘着力にて粘
着し、滑り止め作用をなすように構成されたものであ
り、第１，第２の平板部10，11の裏面に、例えば、接着
により被着されている。

【００２３】なお、図示の滑り止めシート13，13…は、
円板形をなして形成されているが、矩形、楕円形等、他
の平面形状を有するものであってもよく、また第１，第
２の平板部10，11の裏面内での被着位置も適宜に設定す
ることができる。

【００２４】以上の如く構成された敷具１は、自動車の
座席上に敷いて、該座席上に載置されるチャイルドシー
トとの間に介装して用いられる。図４及び図５は、敷具
１の使用状態を示す斜視図である。図中２は、図示しな
い自動車の車室内に配設された座席であり、着座のため
の座部20と、背中をあずけるための背もたれ部21とを備
えて構成されている。

【００２５】また図中の３は、幼児の体に合わせて成形
された座部30及び背もたれ部31を備え、身体固定用のベ
ルト32を備えるチャイルドシートであり、該チャイルド
シート３は、通常時には、図４に示す如く、座部30の底
面に突設された脚部33を介して前記座席２の座部20上に
支持させ、また背もたれ部31の後面を前記座席２の背も
たれ部21に沿わせて、図示しないシートベルトにより座
席２に固定して使用される。

【００２６】このようなチャイルドシート３の使用状態
において本発明に係る敷具１は、図４に示す如く、前記
切り込み12を介して第１，第２の平板部10，11を屈曲さ
せ、第１の平板部10を座部20の上面にその表面を上向き
として敷設し、第２の平板部11を背もたれ部21の前面に
その表面を前向きとして敷設して、チャイルドシート３
の脚部33と前記座部20との間に第１の平板部10を介在さ
せ、前記脚部33と前記背もたれ部21との間に第２の平板
部11を介在させて用いられる。

【００２７】このように敷具１を介在させることによ
り、チャイルドシート３の一部、主として脚部33が、座
部20及び背もたれ部21の表面に直接接触することがなく
なり、座席２の傷みを未然に防止することができる。ま
た、座席２とチャイルドシート３との間に介在する第
１，第２の平板部10，11は、前述の如く、チャイルドシ
ート３に当たる表面側を硬く、座席２に当たる裏面側を
柔らかくしてあるから、チャイルドシート３を安定して
支持することができ、また座席２の表面の傷みをより確
実に防ぐことができる。

【００２８】また、座席２の座部20に当接する第１の平
板部10の裏面と、座席２の背もたれ部21に当接する第２
の平板部11の裏面とには、前述の如く構成された滑り止
めシート13，13…が被着されており、本発明に係る敷具
１は、座席２上に載置し、表面側から押し付け力を加え
ることにより、前記滑り止めシート13，13…の粘着性に
より、図示の敷設姿勢を安定して維持することができ
る。

【００２９】また、図示のチャイルドシート３の背もた
れ部31は、座部30に対して傾倒可能に連設され、背もた
れ部31を倒し、座部30と面一に連続させることにより、
ベッドとしての使用が可能に構成されており、このよう
に使用されるチャイルドシート３は、図５に示す如く、
座席２の座部20上に横向きに載置される。

【００３０】以上の如くチャイルドシート３を用いる場
合、本発明に係る敷具１は、第１，第２の平板部10，11
が面一に連続した状態に伸長させ、図５に示す如く、両
平板部10，11の長手方向を座部20の幅方向に向け、夫々
の表面を上向きとして座部20の上面に敷設して、前記チ
ャイルドシート３の脚部33と座部20との間に第１，第２
の平板部10，11を介在させて用いられる。

【００３１】このように敷具１を介在させることによ
り、横向きにされたチャイルドシート３を、全長に亘っ
て確実に支持することができ、座席２の傷みを未然に防
止することができる。またこの使用状態においても、第
１，第２の平板部10，11の表面側を硬く、裏面側を柔ら
かくしてあることから、チャイルドシート３の支持が安
定してなされ、座席２の表面の傷みをより確実に防ぐこ
とができる。

【００３２】また、敷具１の前述した敷設姿勢は、第
１，第２の平板部10，11の裏面に被着された滑り止めシ
ート13，13…の作用により、座部20の表面上でのずれを
許容することなく維持され、図５に示す状態でのチャイ
ルドシート３の支持を安定して実現することができる。

【００３３】

【発明の効果】以上詳述した如く本発明に係る自動車用
敷具においては、第１，第２の平板部を屈伸自在に連結
して構成してあるから、通常のチャイルドシートの使用
時には屈曲状態とし、座席の座部に第１の平板部を、背
もたれ部に第２の平板部を夫々当ててチャイルドシート
との間に介在させることができ、またチャイルドシート
を座部上に横向きに置き、ベッドとして使用する際に
は、第１，第２の平板部を伸長させ、これらを一枚の平
板として使用し、チャイルドシートとの間に無理なく介
在させることができ、座席上での向きの如何に拘わらず
チャイルドシートを安定して支持することができ、該チ
ャイルドシートとの接触に伴う座席の傷みを有効に防止
することが可能となる。

【００３４】また、平板状に成形された不織布製のシー
トにより第１，第２の平板部を一体に構成し、これらの
平板部を、前記シートに一面側から所定深さに切り込ん
だ切り込みにより屈伸可能としたから、不織布のシート
材を所定形状に裁断し、前記切り込みを形成する一連の
工程により、高い生産性にて安価に製造することができ
る。

【００３５】また、硬さの異なる複数枚の不織布を硬さ
の順に厚さ方向に積層し、接着により一体化せしめてな
るシートを用いて第１，第２の平板部を構成したから、
座席とチャイルドシートとの間への介装を、硬度の低い
面を座席側、硬度の高い面をチャイルドシート側として
行うことにより、チャイルドシートの安定した支持を実
現でき、また座席の傷みをより有効に防止することがで
きる。

【００３６】更に、前記第１，第２の平板部の座席との
当接面に粘着性を有する滑り止めシートを備えたから、
座席への着脱が容易に行え、装着時の姿勢を安定して維
持することが可能となる等、本発明は優れた効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る自動車用敷具の表面側から見た外
観斜視図である。

【図２】本発明に係る自動車用敷具の裏面側から見た外
観斜視図である。

【図３】第１，第２の平板部を屈曲させた状態を示す外
観斜視図である。

【図４】本発明に係る自動車用敷具の使用状態を示す斜
視図である。

【図５】本発明に係る自動車用敷具の使用状態を示す斜
視図である。

【符号の説明】

１ 敷具 ２ 座席 ３ チャイルドシート 10 第１の平板部 11 第２の平板部 12 切り込み 13 滑り止めシート

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車の座席上に敷いて、該座席上に載
   置されるチャイルドシートとの間に介装して用いる自動
   車用敷具において、前記チャイルドシートと前記座席の
   座部との間に介装される第１の平板部と、前記チャイル
   ドシートと前記座席の背もたれ部とに間に介装される第
   ２の平板部と、これらを屈伸自在に連結する連結部とを
   具備することを特徴とする自動車用敷具。
2. 【請求項２】 前記第１，第２の平板部は、平板状に成
   形された不織布のシートにより一体に構成してあり、前
   記連結部は、前記シートを一面側から所定深さに切り込
   んで構成してある請求項１記載の自動車用敷具。
3. 【請求項３】 前記シートは、硬さの異なる複数枚の不
   織布を、夫々の硬さの順に厚さ方向に積層し、接着によ
   り一体化せしめて構成してある請求項２記載の自動車用
   敷具。
4. 【請求項４】 前記第１，第２の平板部の座席との当接
   面の一部又は全部に被着され、合成樹脂からなり、粘着
   性を有する滑り止めシートを備える請求項１乃至請求項
   ３のいずれかに記載の自動車用敷具。