JP2000334357A - 補助リップ式ダイコータ - Google Patents

補助リップ式ダイコータ

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JP2000334357A
JP2000334357A JP11148159A JP14815999A JP2000334357A JP 2000334357 A JP2000334357 A JP 2000334357A JP 11148159 A JP11148159 A JP 11148159A JP 14815999 A JP14815999 A JP 14815999A JP 2000334357 A JP2000334357 A JP 2000334357A
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lip
die body
coating
auxiliary
auxiliary lip
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JP11148159A
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Shinji Fujino
真司 藤野
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Chugai Ro Co Ltd
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Chugai Ro Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼鈑等の帯状基材に塗膜を形成する二層式ダ
イコータにおいて、エッジドロップ部を有する基材に対
しても均一な塗膜厚の塗布面を得ることができるととも
に、多品種少量ロット生産の意匠塗布を容易に可能にす
る。 【解決手段】 第1金物14と第2金物16と第3金物
18とからなり、内部に設けられた2つの塗料貯留用マ
ニホールド20,26と、各金物間にそれぞれ形成され
た空間であって連通する各マニホールド20,26から
の塗料をそれぞれ吐出する2つのスロット24,30と
を備えた二層式ダイコータにおいて、帯状部材からなる
補助リップ56,68を第1金物14および第2金物1
6の各先端リップ部4,6にそれぞれ配置するととも
に、各補助リップ56,68と帯状基材との間のギャッ
プを塗布幅方向にわたって一定に保持するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイ本体の先端リ
ップ部から塗料を吐出して、連続搬送される帯状基材に
塗布するダイコータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、バッキングロールに支持されつつ
連続搬送される帯状基材に対し、バッキングロールに沿
って対向配置したダイ本体の先端リップ部から塗料を吐
出して帯状基材に塗布するダイコータ装置が公知であ
る。このダイコータ装置において、帯状基材の表面に均
一厚みの塗膜を形成するためには、先端リップ部と帯状
基材表面との間のギャップが塗布幅方向にわたって最適
ギャップ範囲に調整されている必要がある。この最適ギ
ャップ範囲は、ウェット時の塗布厚みの1.0〜1.6
倍程度、具体的には20〜80μm程度である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、帯状基
材が亜鉛めっき鋼鈑である場合、亜鉛めっき鋼鈑はその
製造工程で熱間圧延や冷間圧延が施され、その圧延工程
で圧延される際、亜鉛めっき鋼鈑は幅方向に完全に同一
厚みに形成されず、その幅方向において両端部が中央部
に比べて薄くなるという「エッジドロップ」と呼ばれる
現象が発生する。具体的に亜鉛めっき鋼鈑には板厚0.
3〜1.2mm、板幅600〜1500mmの各範囲内
で種々のものがあり、前記エッジドロップは両端部から
それぞれ約150mmの範囲で、最小のもので約30μ
m、最大のもので約46μmほど両端部が中央部に比べ
て薄くなっている。
【0004】そのため、先端リップ部が高精度の真直度
を有するダイ本体で塗布すると、前記エッジドロップに
よって前記ギャップが不均一となり、特に塗布幅の両端
部においてギャップが大きくなる。ギャップが大きくな
った両端部では、亜鉛めっき鋼鈑の中央部に比べて塗料
の圧力損失が小さくなり、塗料の吐出量が多くなる。こ
れにより亜鉛めっき鋼鈑の幅方向両端部で塗膜が厚くな
るために、塗布幅方向で塗膜厚みにむらが発生したり、
畝筋(連続した縦筋)が発生する。塗膜が厚くなり過ぎ
ると、次工程である焼付け処理で溶剤が塗膜表面より急
激に蒸発し、脱気跡が残る「ワキ」と呼ばれる現象が発
生する。また、ギャップが更に拡大すると、先端リップ
部によるレベリング効果が減少して塗布面が粗くなる。
【0005】このような問題を解決するため、亜鉛めっ
き鋼鈑のエッジドロップ位置に合わせてダイ本体の両端
部を撓ませて塗布幅方向にわたってギャップを均一にす
る方法も考えられるが、ダイ本体は剛体であるため数μ
mの撓みを与えるだけでもその調整に時間がかかるばか
りか、撓みを与えた後元に戻らなくなる等、再現性に問
題があった。さらに、亜鉛めっき鋼鈑の形状不良に起因
する該鋼鈑とダイ本体の先端リップ部との衝突で先端リ
ップ部が損傷した場合には、ダイ本体を取り外して先端
リップ部を再研磨する必要があった。
【0006】一方、近年、家電製品の外板や建材用鋼鈑
等のデザインの多様化で、意匠性を有する基材が幅広く
使用されており、塗膜に凹凸を形成したものが注目され
ている。前記意匠性を有する基材を得るための技術とし
て、バッキングロールに支持されつつ連続搬送される帯
状基材(例えば、PETフィルム、アルミ、亜鉛めっき
鋼鈑等)に対し、バッキングロールに沿って対向配置し
たダイ本体の先端リップ面を凹凸状に形成し、該リップ
部から塗料を吐出して帯状基材の幅方向に濃淡塗布を施
す塗布方法が提案されている。
【0007】しかしながら、ダイ本体の先端リップ面を
凹凸状に形成することにより帯状基材に濃淡塗布を施す
塗布方法では、多品種少量ロット生産の意匠塗布をする
際には、所望の模様を得るためにダイ本体をその都度交
換する必要があるばかりか、数種類のダイ本体を保有す
る必要があり、多大な設備費用を要するという問題があ
る。
【0008】また、二層式ダイコータで、例えばアルミ
フレーク等の骨材を含んだメタリック塗料の塗布を行う
場合、通常一層目はプライマー塗料の塗布を行うために
塗膜は非常に薄いものになり、一層目の塗膜厚みを規定
する第2リップと塗布基材との間のギャップはウェット
塗膜厚みと同等程度の15〜25μmに設定する必要が
ある。第1リップについてのギャップは、トップ塗料と
プライマー塗料との合計膜厚で決定されるが、ダイ本体
の先端リップ面は通常第1、第2および第3の各リップ
面を面一致に構成されるため、第2リップのギャップが
決定されると第1リップのギャップは必然的にバッキン
グロールの曲率で決まってくる。一般に使用されている
直径600〜1000mmのバッキングロールでは、第
2リップのギャップと第1リップのギャップの差は極め
て小さく、第2リップのギャップを前述した範囲に設定
したときには第1リップ下端のギャップが前記骨材のサ
イズより狭くなるため、前記骨材の粒径が70〜100
μmと大きい塗料の場合には骨材通過が困難になって骨
材筋塗装欠陥が発生する。これを防止するために、ダイ
本体を回転させて基材面に対する先端リップ面の角度を
調整することも考えられるが、この方法では第1リップ
上端のギャップが開き過ぎ、最適塗布可能ギャップであ
るウェット塗膜厚みの1.0〜1.6倍を超えてしま
い、均一な塗布面を形成することが困難になり、畝筋
(連続した縦筋)が発生する。また、塗膜が厚くなり過
ぎると前述のように次工程である焼付け処理で溶剤が塗
膜表面より急激に蒸発し、脱気跡が残る「ワキ」と呼ば
れる現象が発生するという問題がある。
【0009】そこで、本発明は鋼鈑等の帯状基材に塗膜
を形成する単層式ダイコータおよび二層式ダイコータに
おいて、エッジドロップ部を有する基材に対しても均一
な塗膜厚の塗布面を得ることができるとともに、意匠塗
布の可能なダイコータを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明は、第1金物と第2金物と第3金物とからな
り、内部に設けられた2つの塗料貯留用マニホールド
と、前記各金物間にそれぞれ形成された空間であって連
通する前記各マニホールドからの塗料をそれぞれ吐出す
る2つのスロット部とを備えた二層式ダイ本体におい
て、帯状部材からなる補助リップを前記第1金物および
第2金物の各先端リップ部にそれぞれ配置するととも
に、前記各補助リップと帯状基材との間のギャップを塗
布幅方向にわたって一定に保持するようにしたものであ
る。
【0011】この二層式ダイ本体では、前記補助リップ
の基材側エッジ部に複数の凹凸部を塗布幅方向に沿って
形成してもよい。
【0012】また、本発明の別の態様では、第1金物と
第2金物とからなり、内部に設けられた塗料貯留用マニ
ホールドと、前記各金物間に形成された空間であって連
通する前記マニホールドからの塗料を吐出するスロット
部とを備えた単層式ダイ本体において、帯状部材からな
る補助リップを前記第1金物の先端リップ部に配置する
とともに、前記補助リップと帯状基材との間のギャップ
を塗布幅方向にわたって一定に保持するようにしたもの
である。
【0013】この単層式ダイ本体では、前記補助リップ
の基材側エッジ部に複数の凹凸部を塗布幅方向に沿って
形成してもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1
実施形態である二層式ダイコータ装置10の部分断面を
含む側面図である。このダイコータ装置10は、二層式
ダイ本体12を備えている。ダイ本体12は、第1金物
14、第2金物16および第3金物18を一体に組み合
わせて構成されている。各金物14,16,18は、塗
料吐出部となる先端リップ部に、第1リップ4、第2リ
ップ6、第3リップ8をそれぞれ有している。
【0015】第1金物14には、ダイ本体12の幅方向
に延びる塗料貯留用の第1マニホールド20と、上面か
ら第1マニホールド20に連通する塗料供給口22とが
形成されている。また、第1金物14と第2金物16と
の間には、第1マニホールド20に連通し、かつ第1リ
ップ4と第2リップ6間に開口する薄層空間である第1
スロット24が幅方向に延びて形成されている。これに
より、塗料供給口22から第1マニホールド20に供給
されたトップ塗料が第1スロット24を介して先端リッ
プ部から吐出されるようになっている。
【0016】第3金物18には、ダイ本体12の幅方向
に延びる塗料貯留用の第2マニホールド26と、下面か
ら第2マニホールド26に連通する塗料供給口28とが
形成されている。また、第2金物16と第3金物18と
の間には、第2マニホールド26に連通し、かつ第2リ
ップ6と第3リップ8間に開口する薄層空間である第2
スロット30が幅方向に延びて形成されている。これに
より、塗料供給口28から第2マニホールド26に供給
されたプライマー塗料が第2スロット30を介して先端
リップ部から吐出されるようになっている。
【0017】ダイ本体12は、断面L字状のベッド32
上に載置されて固定されている。ベッド32の上部に
は、板状のレール台34が取り付けてある。レール台3
4上には、ダイ本体12の幅方向と平行にリニアレール
36が設置されている。このリニアレール36上をリニ
アベアリング38を介して移動可能にレーザ測長器用移
動台40が設けられている。この移動台40には、垂直
方向に延びる保持部材42が固定されている。保持部材
42には、ダイ本体12の第1、第2、第3の各リップ
4,6,8を上下方向から挟む位置に、投光器44と受
光器46とからなるレーザ測長器が取り付けられてい
る。また、保持部材42には、ダイ本体12の各リップ
4,6,8と対向する位置にX,Y方向に移動可能な接
触変位計48と、その下部にリニアレール真直度計測用
部材50とがそれぞれ取り付けられている。レーザ測長
器44,46と接触変位計48は、それぞれ計測される
データを演算処理して表示するための外部装置(例えば
パソコン)49に電気的に接続されている。レーザ測長
器用移動台40がリニアレール36に沿って移動する
と、レーザ測長器44,46、接触変位計48およびリ
ニアレール真直度計測用部材50がダイ本体12の各リ
ップ4,6,8の先端面に沿ってダイ本体12の幅方向
に移動するようになっている。
【0018】レーザ測長器の投光器44から受光器46
に向かってレーザ光52が照射される。このレーザ光5
2を垂直に貫く方向に延びるとともにリニアレール真直
度計測用部材50に対向して、ピアノ線からなる真直ゲ
ージ54がダイ本体12の幅方向と平行に緊張状態で保
持されている。
【0019】図2はダイ本体12の先端リップ部の拡大
断面図であり、図3はダイ本体12をバッキングロール
1の外周に支持された帯状基材(例えば亜鉛めっき鋼
鈑)Wに対向配置した状態の平面図である。図1〜3を
参照すると、ダイ本体12の第1リップ4の傾斜面先端
に沿って、長さがダイ本体12より長い帯状薄板からな
る第1補助リップ56が複数の押え部材58により取り
付けられている。第1補助リップ56は押え部材58に
よる押えつけを緩めることにより第1リップ4に関して
進退可能になっている。また、第1補助リップ56は、
図3に示すように、緊張状態でその両端部が保持されて
おり、その両端部近傍には第1補助リップ56に帯状基
材W側への撓みを与える調整機構60a,60bとその
撓み量を測定する計測器62a,62bがそれぞれ設け
られている。
【0020】図1,2に示すように、第2リップ6には
切り溝64がダイ本体12の幅方向にわたって形成さ
れ、この切り溝64の内部には第2補助リップ68を固
定するための複数のピン66が幅方向に所定間隔を置い
て配置されている。そして、前記第2補助リップ68の
両端部近傍には、図示していないが、第1補助リップ5
6と同様に撓みを与える調整機構とその撓み量を測定す
る計測器がそれぞれ設けられている。
【0021】図4に示すように、第2補助リップ68に
は前記ピン66に対応して複数の切り欠き溝70,7
2,74が形成されている。これらの切り欠き溝70,
72,74にピン66が嵌合することにより第2補助リ
ップ68が取り付けられる。ダイ本体12の幅方向に関
して中央部に位置する少なくとも2つの切り欠き溝70
(図4では1つのみを図示する)は略L字状に形成さ
れ、溝部70aはピン66が遊嵌するように形成してあ
る。これに対し、切り欠き溝72,74は段差の付いた
鍵状溝に形成され、ピン66が遊嵌する幅の第1段部7
2a,74a、ピン66の外径の約1.03倍の幅の第
2段部72b,74b、ピン66の外径の約1.06倍
の幅の第3段部72c,74cをそれぞれ有している。
【0022】次に、前記構成からなるダイコータ装置1
0の塗布前における調整方法について説明する。図1を
参照すると、第1、第2、第3の各リップ4,6,8の
真直度及び第1補助リップ56と第2補助リップ68の
撓み変位を正確に計測するためには、リニアレール36
自体が各リップ4,6,8に対して完全に平行で、かつ
真直になっているかを確認して各計測値を補正する必要
がある。そのために、まず、リニアレール36に沿って
レーザ測長器用移動台40を移動させながら、リニアレ
ール真直度計測用部材50と真直ゲージ54との間を通
過するレーザ光の幅W1を受光器46で計測する。この
とき同時に、受光器46は真直ゲージ54の外径W2も
計測する。これは、真直ゲージ54の外径変動がある
と、前記幅W1にも影響を与えるからである。これらの
計測幅W1,W2は外部装置49に入力される。外部装
置49では、リニアレール真直度計測用部材50と真直
ゲージ54との中心間距離W3を式W3=W1+(W2
/2)から算出して真直ゲージ54の外径変動の影響を
除外し、これによりリニアレール36についての真直補
正値を得る。
【0023】次に、接触式変位計48をXY方向に調整
して各リップ4,6,8と補助リップ56,68に接触
式変位計48の測定部を接触させ、レーザ測長器用移動
台40を移動させることにより各リップ4,6,8およ
び各補助リップ56,68の真直度と撓み変位をそれぞ
れ計測し、これら全ての計測データを基に前記リニアレ
ール36の真直補正値を考慮しつつ外部装置49におい
て表計算ソフトで演算してグラフ化することでダイ本体
12の状態を知ることができる。
【0024】前記各補助リップ56,68の撓み変位を
計測する際に、撓み量の調整を行う。この調整は、次の
手順で行われる。まず、塗布基材である亜鉛めっき鋼鈑
のエッジドロップに関するデータ、すなわち、エッジド
ロップの開始位置やエッジドロップ量(板厚の減少量)
を予め入手しておく。
【0025】続いて、前述の全ての計測データを基に前
記エッジドロップの位置に合わせて第1補助リップ56
と第2補助リップ68を所望の撓み量にそれぞれ調整す
る。図3を参照すると、第1補助リップ56について
は、亜鉛めっき鋼鈑Wのエッジドロップ領域Lの開始位
置Sより外側に位置する押え部材58の締結を一旦解除
し、第1補助リップ56が亜鉛めっき鋼鈑Wのエッジド
ロップ領域Lに沿うように調整機構60で撓ませる。そ
して、その撓み量が所望の値になったことを計測器62
で確認した時点で押え部材58を締め付けて第1補助リ
ップ56を固定し、これにより第1補助リップ56の調
整が完了する。
【0026】第2補助リップ68については、まず、そ
の撓み開始位置を亜鉛めっき鋼鈑Wのエッジドロップ開
始位置Sに合わせる。図4を参照すると、エッジドロッ
プ開始位置Sが第2補助リップ68のA点にほぼ一致す
るときは、端部の固定を一旦解除した後、このままの状
態で第2補助リップ68のL1部分をエッジドロップ領
域Lに沿わせるように調整機構で矢印方向に撓ませる。
このとき、切り欠き溝72におけるピン66と第2段部
72bとの間のギャップと、切り欠き溝74におけるピ
ン66と第3段部74cとの間のギャップが撓み代とな
る。そして、計測器で所望の撓み量が達成されたことを
確認したら端部を再度固定し、これにより第2補助リッ
プ68の調整が完了する。
【0027】なお、亜鉛めっき鋼鈑の板幅が変更された
場合には、第2補助リップ68の撓み開始位置を次のよ
うにして調整する。亜鉛めっき鋼鈑Wの板幅が広くなっ
てエッジドロップ開始位置Sが外側にずれた場合、その
開始位置Sにほぼ一致するB点が第2補助リップ68の
撓み開始位置になるように第2補助リップ68を矢印方
向にスライドさせる。これにより、切り欠き溝72では
ピン66が第1段部72aに係合して撓み代がなくな
り、切り欠き溝74ではピン66が第2段部74bに対
向してその間のギャップが撓み代になる。したがって、
この場合にはB点を撓み開始位置としてL2部分を亜鉛
めっき鋼鈑Wのエッジドロップ領域Lに沿わせるように
第2補助リップ68を撓ませることができる。また、亜
鉛めっき鋼鈑の板幅がより広くなってエッジドロップ開
始位置Sがさらに外側にずれた場合には、その開始位置
Sにほぼ一致するC点が撓み開始位置となるように第2
補助リップ68をスライドさせて切り欠き溝74におけ
るピン66を第1段部74aに係合させる。これによ
り、切り欠き溝74における撓み代がなくなり、C点を
撓み開始位置としてL3部分を亜鉛めっき鋼鈑Wのエッ
ジドロップ領域Lに沿わせるように第2補助リップ68
を撓ませることができる。
【0028】以上のようにして各補助リップ56,68
の撓み量を調整した後、レーザ測長器用移動台40とと
もにレール台34をベッド32から取り外し、図3に示
すようにベッド32に固定されたダイ本体12をバッキ
ングロール1の外周に支持された亜鉛めっき鋼鈑Wに対
向配置する。そして、ダイ本体12の各リップ4,6,
8と亜鉛めっき鋼鈑Wとの間のギャップが最適塗布ギャ
ップ、すなわち、ウェット塗膜厚みの1.0〜1.6倍
程度で塗布幅方向にわたってほぼ一定なるように調整す
る。
【0029】ギャップ調整が完了した後、亜鉛めっき鋼
鈑Wを走行させるとともに、ダイコータ本体12にトッ
プ塗料およびプライマー塗料を供給して第1および第2
スロット24,30から吐出する。これにより亜鉛めっ
き鋼鈑Wの表面に塗膜厚みが塗布幅方向にわたって均一
な二層塗布が施される。
【0030】以上に説明したように、本実施形態の二層
式ダイコータ装置10では、第1,第2補助リップ5
6,68を亜鉛めっき鋼鈑等の帯状基材Wのエッジドロ
ップ位置に合わせて撓ませることで、帯状基材Wとの間
のギャップを塗布幅方向にわたって最適条件でほぼ一定
に保つことができ、帯状基材Wの全面に均一厚みの塗膜
を形成することができる。
【0031】また、帯状基材Wの表面形状不良に起因す
る帯状基材Wとの衝突で補助リップ56,68が損傷し
た場合でも、補助リップ56,68を交換するだけで足
りるので、メンテナンス性が向上した。
【0032】次に、図5を参照して二層式ダイ本体12
の変形例について説明する。この変形例のダイ本体12
aでは、第1補助リップ56および第2補助リップ68
がダイ本体12aの幅方向においてそれぞれ3分割され
ており、両端側の各第1補助リップ56および各第2補
助リップ68の基材対向端部にエッジドロップに合わせ
た傾斜部をそれぞれ形成してある。また、第2金物16
の突出部分が中心部で分割されており、3分割された第
2補助リップ68は分割片16aと第2金物16との各
先端部で挟持されている。これら以外の構成は、前記二
層式ダイ本体12と同様である。このダイ本体12aで
は、第1補助リップ56は押え部材58で保持され、か
つ、第2補助リップ68は分割片16aと第2金物16
により挟持されて固定されるため、前記ダイコータ装置
10の場合のように各補助リップの両端部を固定するた
めの機構は必要ない。また、亜鉛めっき鋼鈑のサイズに
応じて両端側の各補助リップ56,68をエッジドロッ
プの傾斜部に応じたものに交換すればよいので、前記ダ
イコータ装置10のように撓み調整機構や撓み量計測器
を設ける必要もない。
【0033】なお、本実施形態およびその変形例では、
二層式ダイコータ装置について説明したが、本発明は単
層式ダイコータにも適用することができる。図6に、本
発明を適用した単層式ダイコータ装置11を示す。この
装置11のダイ本体13は、第1金物15と第2金物1
9とを一体に組み合わせて構成されている。第1金物1
5の内部には塗料貯留用マニホールド21が形成されて
いる。また、第1金物15には、上面からマニホールド
21に連通する塗料供給口22と、各金物15,19間
に形成された薄層空間であって先端リップ部に開口する
スロット部25に連通する連通孔23とが形成されてい
る。これら以外の構成は前記二層式ダイコータ装置10
と同様であるため、同一の部材または部分に同一符号を
付して説明を省略する。この単層式ダイコータ装置11
も、前記二層式ダイコータ装置10と同様の効果を得る
ことができる。
【0034】次に、本発明の第2実施形態である二層式
ダイコータ装置について説明する。図7は第2実施形態
の二層式ダイコータ装置71のダイ本体73を、その先
端リップ部がバッキングロール1に支持された帯状基材
Wに僅かなギャップを隔てて対向するように配置した状
態を示し、図8はその平面図である。図7に示すよう
に、ダイ本体73は、前記第1実施形態のダイ本体12
とほぼ同様の構成を有しており、ベッド32は支持ピン
75を中心として回転可能な支持台76に取り付けられ
ている。この支持台76を微小回転させることにより、
ダイ本体73の各リップ4,6,8と帯状基材Wとの間
のギャップを微妙に調整可能になっている。図7,8に
示す他の構成は、前記第1実施形態と同一であるため、
同一の部材または部分に同一符号を付して説明を省略す
る。
【0035】なお、第2実施形態の二層式ダイコータ装
置71においても、第1実施形態と同様に、ベッド32
にレール台34やレーザ測長器用移動台40などを取り
付けて、レーザ測長器44,46や接触式変位計48に
より各リップ4,6,8や第1および第2補助リップ5
6a,68の真直度や撓み変位量を計測することができ
る。
【0036】図9に示すように、本実施形態の第1補助
リップ56aの基材側エッジ部には、複数の凹部78お
よび凸部80が塗布幅方向に沿って形成されている。凹
部78の幅aおよび深さcと凸部80の幅bは、後述す
る意匠塗布の濃淡ストライプ模様の種類に応じて任意に
変更できる。
【0037】次に、前記二層式ダイコータ装置71によ
る塗布動作について説明する。通常塗布の場合には、図
10に示すように、第1補助リップ56aを第1リップ
4よりも後退させた状態で、第1スロット24および第
2スロット30からトップ塗料とプライマー塗料をそれ
ぞれ吐出して、塗布表面が均一な塗装を行なう。
【0038】一方、意匠塗布の場合には、図11に示す
ように、第1補助リップ56aを前進させて第1リップ
4から僅かに突出させ、第1補助リップ56aと帯状基
材Wとの間を最適塗布ギャップに設定した状態で塗布す
る。このとき、第1スロット24から吐出されたトップ
塗料には、第1補助リップ56aの凹凸部78,80に
より塗膜が厚い部分と薄い部分とが塗布幅方向に交互に
形成され、これにより濃淡ストライプ意匠塗布が可能に
なる。
【0039】また、トップ塗料にアルミフレーク等の骨
材を含んだメタリック塗料を用いる場合、ダイ本体73
を反時計回り方向に微小回転させて第1リップ4の下端
部と帯状基材W間のギャップgを骨材通過可能な程度に
拡大する。このとき、前記ギャップgが最適塗布ギャッ
プ範囲を越えることになっても、第1補助リップ56a
により最適塗布ギャップを確保することができるため、
塗膜厚が厚くなり過ぎることはない。したがって、比較
的大きな粒径の骨材を含むメタリック塗料でも、濃淡ス
トライプ意匠塗布が可能になる。一方、凹凸部のない第
1補助リップを用いて前記メタリック塗料の塗装を行な
えば、塗膜厚みが均一な通常塗布が可能になる。
【0040】なお、第2実施形態では二層式ダイコータ
について説明したが、補助リップを用いて意匠塗布を行
なう本発明の方式は単層式ダイコータにも適用できる。
【0041】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
二層式または単層式ダイコータによれば、補助リップを
亜鉛めっき鋼鈑等の帯状基材のエッジドロップ位置に合
わせて撓ませるか、または、補助リップをエッジドロッ
プに応じた形状に形成することで、帯状基材との間のギ
ャップを塗布幅方向にわたって最適塗布条件でほぼ一定
に保つことができ、帯状基材の表面に均一厚みの塗膜を
形成することができる。
【0042】また、塗布幅方向にわたってギャップを一
定にするためにダイ本体自体を撓ませる方法ではないの
で、ギャップ調整を容易に行うことができ、繰り返し精
度を向上させることができる。
【0043】さらに、帯状基材の表面形状不良に起因す
る帯状基材との衝突で補助リップが損傷した場合でも補
助リップを交換するだけで足りるので、メンテナンス性
を向上させることができる。
【0044】さらにまた、ダイ本体の先端リップ部を凹
凸状に加工して多品種少量ロット生産の意匠塗布を行な
う場合には多大な設備費用を要したが、本発明の凹凸部
を形成した補助リップを用いる方式では、補助リップを
交換するだけで種々の濃淡塗布、縮み意匠塗布、大きな
骨材を含む塗料の意匠塗布などを容易に行なうことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の二層式ダイコータ装置の部分
断面を含む側面図。
【図2】 ダイ本体の先端リップ部の拡大断面図。
【図3】 バッキングロールに支持された帯状基材にダ
イ本体を対向配置した状態を示す平面図。
【図4】 第2補助リップの部分拡大図。
【図5】 二層式ダイ本体の変形例を示す断面図。
【図6】 単層式ダイコータ装置の部分断面を含む側面
図。
【図7】 第2実施形態の二層式ダイコータ装置の断面
図。
【図8】 図7に示す二層式ダイコータ装置の平面図。
【図9】 凹凸部を有する第1補助リップの部分拡大
図。
【図10】 通常塗布の際の第1補助リップの位置を示
すダイ本体の先端リップ部の拡大断面図。
【図11】 濃淡意匠塗布の際の第1補助リップの位置
を示すダイ本体の先端リップ部の拡大断面図。
【符号の説明】
4…第1リップ、6…第2リップ、8…第3リップ、1
0…二層式ダイコータ装置、12…二層式ダイ本体、1
4…第1金物、16…第2金物、18…第3金物、20
…第1マニホールド、24…第1スロット、26…第2
マニホールド、30…第2スロット、56…第1補助リ
ップ、68…第2補助リップ、W…帯状基材または亜鉛
めっき鋼鈑。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1金物と第2金物と第3金物とからな
    り、内部に設けられた2つの塗料貯留用マニホールド
    と、前記各金物間にそれぞれ形成された空間であって連
    通する前記各マニホールドからの塗料をそれぞれ吐出す
    る2つのスロット部とを備えた二層式ダイ本体におい
    て、 帯状部材からなる補助リップを前記第1金物および第2
    金物の各先端リップ部にそれぞれ配置するとともに、前
    記各補助リップと帯状基材との間のギャップを塗布幅方
    向にわたって一定に保持するようにしたことを特徴とす
    る二層式ダイ本体。
  2. 【請求項2】 前記第1金物の先端リップ部に配置され
    る補助リップの基材側エッジ部に複数の凹凸部を塗布幅
    方向に沿って形成したことを特徴とする請求項1の二層
    式ダイ本体。
  3. 【請求項3】 第1金物と第2金物とからなり、内部に
    設けられた塗料貯留用マニホールドと、前記各金物間に
    形成された空間であって連通する前記マニホールドから
    の塗料を吐出するスロット部とを備えた単層式ダイ本体
    において、 帯状部材からなる補助リップを前記第1金物の先端リッ
    プ部に配置するとともに、前記補助リップと帯状基材と
    の間のギャップを塗布幅方向にわたって一定に保持する
    ようにしたことを特徴とする単層式ダイ本体。
  4. 【請求項4】 前記補助リップの基材側エッジ部に複数
    の凹凸部を塗布幅方向に沿って形成したことを特徴とす
    る請求項3の単層式ダイ本体。
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