JP2000334026A - 血液成分保存容器 - Google Patents

血液成分保存容器

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JP2000334026A
JP2000334026A JP2000013987A JP2000013987A JP2000334026A JP 2000334026 A JP2000334026 A JP 2000334026A JP 2000013987 A JP2000013987 A JP 2000013987A JP 2000013987 A JP2000013987 A JP 2000013987A JP 2000334026 A JP2000334026 A JP 2000334026A
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ethylene
copolymer
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polystyrene
blood component
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JP2000013987A
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Osami Shinonome
修身 東雲
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】赤血球の保存性にすぐれ、かつ高温滅菌処理可
能な非PVC系の血液成分保存容器の提供。 【解決手段】(1)ポリプロピレン系ポリマー(A)、
エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル
酸エステルコポリマーもしくはエチレン−メタクリル酸
エステルコポリマー(B)および低分子有機エステル系
可塑剤(C)の組成物を内壁層とする血液成分保存容
器。(2)(A)、(B)、(C)およびオレフィン系
もしくはスチレン系熱可塑性エラストマー(D)の組成
物を内壁層とする血液成分保存容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本件発明は血液成分特に赤血
球含有液を貯蔵・保存するに適し、高温での滅菌処理が
可能でかつ実質的に塩素を含まないプラスチック容器に
関する。
【0002】
【従来の技術】可塑剤を含有した軟質ポリ塩化ビニル
(以下PVCと称す)は使用後の廃棄処理等が問題視さ
れているにもかかわらず、現在でも血液保存容器(血液
バッグ)用材料の主流を占めている。その最大の理由は
特に赤血球成分の保存において、軟質PVC中に含まれ
る可塑剤が侵出することによって、赤血球の形態変化や
溶血現象を抑制する作用があるのに対し、他のポリマー
例えば通常のポリエチレンやポリプロピレンではかよう
な効果が期待できないことにある。しかしながら、PV
C廃棄物の処理は今後も大きな課題であり、血液成分保
存容器の「脱PVC化」へのニーズは大きい。
【0003】この方向に沿って種々の提案がなされてい
るが、十分満足すべき段階に達していないのが実状であ
る。例えば、特表平3−502298号には非PVCプ
ラスチック(具体例としてスチレン系エラストマー、ポ
リプロピレンなどから構成された組成物が挙げられてい
る)とクエン酸エステルとの組成物は赤血球の溶血現象
を抑制する働きがある旨の記載がされているが、本発明
者が試みた範囲では、軟質PVCにおける可塑剤の溶血
抑制作用に劣り、実用性に乏しい。
【0004】また、本発明者は特願平7−109605
号(特開平8−299413号)において、エチレン酢
酸ビニルコポリマーやエチレンアクリル酸エステルコポ
リマーに可塑剤を配合した系を提案し、軟質PVCと同
等の赤血球保護作用があることを示したが、この系では
エチレン酢酸ビニルコポリマー等の低融点に起因して、
高圧蒸気滅菌処理(通常101〜121℃で行われる)
のような高温滅菌が難しい問題がある(放射線架橋で耐
熱性が向上し、高温滅菌可能となるが、放射線照射装置
は大がかりなものであり、必ずしも得策ではない)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記状況に鑑
み、赤血球の保存性にすぐれ、かつ高温滅菌処理可能な
非PVC系の血液成分保存容器の提供を課題としてなさ
れたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明者は前記特願平7−109
605号の組成の改良を進めた結果、ポリプロピレン系
ポリマーの導入が、赤血球保護作用効果を保ったまま
耐熱性を向上できることおよびこれに加えてオレフィ
ン系やスチレン系のエラストマーを導入することによっ
て、赤血球保護作用効果と耐熱性向上効果が保たれたま
ま力学的性質においてさらに優れた血液成分保存容器と
なることを知り、本発明に至った。すなわち、本発明の
第一はポリプロピレン系ポリマー(A)、エチレン−酢
酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸エステルコ
ポリマーもしくはエチレン−メタクリル酸エステルコポ
リマー(B)および低分子有機エステル系可塑剤(C)
の組成物を内壁層とする血液成分保存容器であり、本発
明の第二はポリプロピレン系ポリマー(A)、エチレン
−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸エステ
ルコポリマーもしくはエチレン−メタクリル酸エステル
コポリマー(B)、低分子有機エステル系可塑剤(C)
およびオレフィン系もしくはスチレン系の熱可塑性エラ
ストマー(D)の組成物を内壁層とする血液成分保存容
器である。(B)のエステル成分と(C)との適度な親
和性が(A)の導入によっても妨げられず、(C)が血
液成分中に適度に侵出する(すなわち溶血現象に対して
抑制剤として働く)他、(A)が比較的高融点のため系
全体の耐熱性が向上するのである。また、熱可塑性エラ
ストマー(D)は(A)と(B)との相溶化剤として働
くと考えられ、系全体の力学的性質を向上させる効果が
ある。
【0007】まず本発明において、ポリプロピレン系ポ
リマー(以下PPと称す)(A)は通常の立体規則性構
造のポリプロピレンすなわちアイソタクチック、シンジ
オタクチックなどの結晶性ホモポリマーもしくはこれら
を主成分とする結晶性コポリマーを意味するが、血液成
分保存容器は透明性・柔軟性のあるバッグ状形態が好ま
しいので、ランダムコポリマーが特に有利である。コモ
ノマーとしてはエチレン、ブテン−1、ペンテン−1、
ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−
1、4−メチルペンテン−1などの炭素原子数2〜12
のα−オレフィン類がよく、コモノマー量は2〜30モ
ル%程度、より好ましくは3〜25モル%程度が適当で
ある。ここでPPの曲げ弾性率(JISK7203)は
12000kg/cm2以下であるのが好ましい。ま
た、耐熱性の点からPPはそのビカット軟化点(JIS
K7206)が110℃以上であるのが好ましい。そし
て成形性、成形物(容器シート)の力学的性質などを考
慮すると、温度230℃、荷重2160gにおけるMF
R(メルトフローレイト)が0.3〜15、より好まし
くは0.5〜10であるのがよい。
【0008】次に(B)について説明すると、エチレン
酢酸ビニルコポリマー(以下EVAと称す)は通常公知
の方法で製造されるポリマーであるが、可塑剤(C)と
の相互作用(親和性・相溶性)、柔軟性および透明性を
考えると酢酸ビニル成分含量が15〜40重量%、さら
に好ましくは18〜35重量%であるのがよい。また、
成形性、加工性、成形物の力学的性質などから、温度1
90℃、荷重2160gにおけるMFRが0.2〜2
0、さらに好ましくは0.5〜10のものを選ぶのがよ
い。
【0009】エチレン−アクリル酸エステルコポリマ
ー、エチレン−メタクリル酸エステルコポリマーとして
は、エチレン−アクリル酸メチルコポリマー(EM
A)、エチレン−アクリル酸エチルコポリマー(EE
A)、エチレン−メタクリル酸メチルコポリマー(EM
MA)およびエチレン−メタクリル酸エチルコポリマー
(EEMA)が代表例である。これらのコポリマーはE
VAと同様の理由で、アクリル酸エステルもしくはメタ
クリル酸エステル成分の含量が15〜40重量%、さら
に好ましくは18〜35重量%であって、MFR(EV
Aと同条件で測定)が0.2〜20、さらに好ましくは
0.5〜10のものが適当である。
【0010】次に、本発明における低分子有機エステル
系可塑剤(C)は通常のポリ塩化ビニル材料の可塑化に
用いられる低分子有機エステル系化合物を指し、フタル
酸エステル、トリメリット酸エステル、アジピン酸エス
テル、セバシン酸エステル、アゼライン酸エステル、酒
石酸エステル、クエン酸エステル、リンゴ酸エステルな
どのうちで分子量が200〜800、より好ましくは2
50〜600程度のものがよい。分子量が低すぎると揮
発性の問題があり、分子量が高すぎるとポリマー
((A)(B))の分子間を移動しにくいためブリード
アウトし難く、結果として赤血球の溶血に対する抑制効
果が低下してしまうことがあるからである。ブリードア
ウト性、人体への影響などを総合的に考慮すると、望ま
しい可塑剤の具体例としてはフタル酸ジ−2−エチルヘ
キシル、フタル酸ジ−n−デシル、アジピン酸ジ−n−
ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシ
ン酸ジ−n−ヘキシル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキ
シル、アセチルクエン酸トリ−n−ブチル、アセチルク
エン酸トリ−n−ヘキシル、ブチリルクエン酸トリ−n
−ブチル、ブチリルクエン酸トリ−n−ヘキシル、アセ
チルリンゴ酸ジ−n−ヘキシル、アセチルリンゴ酸ジ−
n−オクチル、ブチリルリンゴ酸ジ−n−ヘキシル、ジ
アセチル酒石酸ジ−n−ブチル、ジアセチル酒石酸ジ−
n−ヘキシル、ジブチリル酒石酸ジ−n−ブチル、ジブ
チリル酒石酸ジ−n−ヘキシルなどが挙げられる。本発
明がこれらの化合物に限定されるものでないのはもちろ
んである。
【0011】次に、本発明におけるオレフィン系もしく
はスチレン系熱可塑性エラストマー(D)としては下記
に説明する、EP、EB、EEBE、EEPE、SEP
E、SEBE、SEPS、SEBS、水添SIS等が挙
げられる。なお、下記説明中、MFRは温度230℃、
2160gにおける測定値である。・ランダムコポリマ
ータイプのオレフィン系熱可塑性エラストマーエチレン
とプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1などのα−オ
レフィン類とのコポリマーのうち非晶性もしくは低結晶
性の軟質ポリマー(エラストマー)が代表例であり、特
に密度0.90g/cm以下でビカット軟化点が50
〜70℃で、エチレン含有量が25〜80重量%のエチ
レン−プロピレンコポリマー(EP)とエチレン−ブテ
ン−1コポリマー(EB)が好ましく選ばれる。
(A)、(B)との相溶性、成形性、成形物の力学的性
質などを考慮すると、MFRが0.5〜15より好まし
くは1〜10程度であるのがよい。・ブロックコポリマ
ータイプのオレフィン系熱可塑性エラストマー EEBE:ブロック(ポリエチレン−エチレン−ブチ
レンコポリマー−ポリエチレン) EEBEは、ポリ−1,4−ブタジエン−ポリブタジエ
ン(1,2−結合体と1,4−結合体とのコポリマー)
−ポリ−1,4−ブタジエンの構造を持つトリブロック
型コポリマーを水素添加して得られる。(A)、(B)
との相溶性、成形性、力学的性質などを考慮すると、両
端のポレエチレン部(E部)の合計が、EEBE中の5
〜90重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜85
重量%を占め、エチレンブチレンコポリマー(EB部)
はブチレン部の割合が30〜90重量%が好ましく、さ
らに好ましくは35〜85重量%であるのがよい。また
MFRは、0.5〜20のものが好ましく、さらに好ま
しくは1〜15のものがよい。 EEPE:ブロック(ポリエチレン−エチレン−プロ
ピレンコポリマー−ポリエチレン) EEPEは、EEBEの場合とほぼ同様に、ポリ−1,
4−ブタジエン−ポリイソプレン−ポリ−1,4−ブタ
ジエンの構造のトリブロック型コポリマーに水素添加し
て得られるブロックコポリマーである。EEBEと同様
の事柄を考慮すると、両端のポリエチレン部(E部)の
合計がEEPE中の5〜90重量%を占めるものが好ま
しく、さらに好ましくは10〜85重量%を占めるもの
であって、MFRが0.5〜20のものが好ましく、さ
らに好ましくは1〜15のものがよい。 ・スチレン系熱可塑性エラストマー SEBS:ブロック(ポリスチレン−エチレンブチレ
ンコポリマー−ポリスチレン) ポリスチレン−ポリブタジエン(1,2−結合体と1,
4−結合体とのコポリマー)−ポリスチレン型のトリブ
ロックコポリマー(SBS)への水素添加によって得ら
れるブロックコポリマーである。(A)、(B)との親
和性を考慮すると、両端のポリスチレン部(S部)の合
計がSEBS中の10〜40重量%さらに好ましくは1
2〜30重量%を占めるのがよい。また、エチレンブチ
レンコポリマー部(EB部)はEB部中のブチレン部の
割合が20〜90重量%でさらに好ましくは30〜80
重量%であるのがよい。そして、成形性、成形物の力学
的性質などからSEBSはMFRが0.5〜20さらに
好ましくは1〜15のものが薦められる。 SEPS:ブロック(ポリスチレン−エチレンプロピ
レンコポリマー−ポリスチレン) SEBSの場合とほぼ同様に、ポリスチレン−ポリイソ
プレン−ポリスチレン型のトリブロックコポリマー(S
IS)の水素添加で得られる。SEBSと同様の事柄を
考慮すると、両端のポリスチレン部(S部)の合計がS
EPS中の8〜40重量%さらに好ましくは10〜35
重量%であるのがよく、MFRは0.5〜20さらに好
ましくは1〜15のものがよい。 SEBE:ブロック(ポリスチレン−エチレンブチレ
ンコポリマー−ポリエチレン) ポリスチレン−ポリブタジエン(1,2−結合体と1,
4−結合体とのコポリマー)−ポリ−1,4−ブタジエ
ン型のトリブロックコポリマーの水素添加で得られる。
SEBSと同様の事柄を考慮すると、ポリスチレン部
(S部)、エチレンブチレンコポリマー部(EB部)お
よびポリエチレン部(E部)の重量割合は好ましくは5
〜30:40〜80:10〜40さらに好ましくは8〜
25:45〜75:12〜35であり、EB中のブチレ
ン量は25〜90重量%さらに好ましくは30〜80重
量%であるのがよい。また、MFRはSEBSと同程度
のものがよい。 SEPE:ブロック(ポリスチレン−エチレンプロピ
レンコポリマー−ポリエチレン) ポリスチレン−ポリ−1,4−イソプレン−ポリ−1,
4−ブタジエン構造ののトリブロックコポリマーの水素
添加によって製造され得る。SEBSと同様の事柄を考
慮すると、ポリスチレン部(S部)、エチレンプロピレ
ンコポリマー部(EP部)およびポリエチレン部(E
部)重量割合は好ましくは5〜30:40〜80:10
〜40さらに好ましくは8〜25:45〜75:12〜
35であって、MFRがSEBSと同程度のものがよ
い。 水添SIS:ブロック(ポリスチレン−ポリ−1,2
−ポリイソプレン−ポリスチレン)の水素添加物 ポリスチレン含量が10〜50重量%さらに好ましくは
15〜40重量%であって、MFRがSEBSと同程度
のものがよい。
【0012】そして、(A)、(B)および(C)の組
成物の場合は、(B)や(C)の種類によって異なる
が、透明性・柔軟性、耐熱性、強度、赤血球保護効果な
どを考慮すると、(A)30〜65重量%、(B)25
〜60重量%および(C)3〜30重量%、さらに好ま
しくは(A)35〜60重量%、(B)30〜55重量
%および(C)5〜25重量%であるのがよい。また、
(A)、(B)、(C)および(D)の組成物の場合、
上記と同様の事柄を考慮すると、(A)25〜55重量
%、(B)20〜55重量%、(C)3〜30重量%お
よび(D)5〜40重量%、さらに好ましくは(A)3
0〜50重量%、(B)25〜50重量%、(C)5〜
25重量%および(D)5〜25重量%であるのがよ
い。
【0013】さらに、本発明で言う「組成物を内壁層と
する」とは、本発明の容器シートでは、(A)、
(B)および(C)の組成物または(A)、(B)、
(C)および(D)の組成物の層単独からなる場合と、
該組成物を内壁面(血液成分含有液と直接接触する
面)とする層と他のポリマー(または他のポリマー組成
物)層を少なくとも一層とする多層体からなる場合があ
るという意味である。
【0014】の場合は容器の力学的性質(柔軟性、強
度など)、成形性、ガス透過性などを調節するために採
用される。ここで他のポリマー(または他のポリマー組
成物)としては次のものが適当である。
【0015】(イ)エチレン主成分ポリマー 高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)、Ziegle
r−Natta系触媒やメタロセン触媒による線状低密
度ポリエチレン(LLDPE。プロピレン、ブテン−
1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−
メチルペンテン−1などのα−オレフィン類を2〜20
モル%程度共重合したものがよい)、EVA(酢酸ビニ
ル含量が2〜20重量%程度のものがよい)などが挙げ
られ、成形性、成形物の力学的性質などを考慮すると、
温度190℃、荷重2160gにおけるMFRが0.1
〜20、より好ましくは0.3〜15のものがよい。
【0016】(ロ)プロピレン主成分ポリマー 前述のPP(A)から選ぶのがよい。
【0017】(ハ)エチレン主成分ポリマーもしくはプ
ロピレン主成分ポリマーと柔軟性ポリマーとの重合体組
成物 (イ)もしくは(ロ)と既述のEP,EB,SEBS,
SEPS,SEBE,SEPE,EEBE、EEPE、
水添SISなどの柔軟性ポリマーとの重合体組成物であ
り、これら柔軟性ポリマーは5〜40重量%を占めるの
がよい。柔軟性ポリマーとして非晶性のアタクチックポ
リプロピレンを使うのもよく、この場合は10〜30重
量%の導入が適当である。
【0018】そして、容器を形成するシートの厚さは、
の単層の場合では0.05〜0.70mm、さらに好
ましくは0.08〜0.50mmがよく、の複層の場
合は(A)、(B)および(C)の組成物層(内壁層)
が0.02〜0.20mm、さらに好ましくは0.03
〜0.15mmで、全体の厚さが0.05〜0.80m
m、さらに好ましくは0.08〜0.60mmであるこ
とが薦められる。
【0019】本発明において血液バッグとは血液成分特
に赤血球を含む液体を保存する軟質プラスッチク容器を
意味するが、かような製品は通常公知の方法で製造され
得る。すなわち前記重合体組成物を単独であるいは他の
ポリマーを同時にTダイあるいはサーキュラーダイを介
して押出し、得られたフラット状のシート、チューブ状
のシート、パリソンなどについてサーモフォーミング、
ブロー、延伸、裁断、融着(熱シール)などの手法を適
宜活用して所定の形状・形態に加工すればよい。多層シ
ートを製造するにはラミネート法を適用することもさし
つかえない。またシート間のブロッキングを防ぐために
容器の内面や外面を粗面化(エンボス加工すること)、
ブロッキング防止剤・スリップ剤などを添加してもよい
ことは言うまでもない。
【0020】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに具体的に
説明する。 実施例1〜5、比較例1〜4
【0021】(実験方法) 原料ポリマーおよび可塑剤の準備:表1に示すポリマ
ーと可塑剤を用意した。
【0022】組成物の調製:表1のポリマーや可塑剤
を適宜選択し、2軸溶融混合押出機に供給し、150〜
180℃で混練して押出されたストランドを水冷・カッ
ティング・乾燥してペレット状組成物を得た。表2に組
成物の組成(重量比)を示す。
【0023】シートの作成:組成物を2層用のTダイ
から150〜180℃でシート状に押出し、20℃に保
たれたキャスティングローラーで冷却後、トリミングし
て厚さ0.35mm、巾200mmのシートを10m/
分の速度で捲き取った。シートの構成を表2に示す。
【0024】容器(バッグ)の作製:で得られたシ
ートを用いて、内寸法が50mm×80mmの長方形
(有効表面積は表裏合わせて約80cm2)のミニバッ
グ(容量50ml)をインパルスシール法で作製した。
【0025】高圧蒸気滅菌処理:で得られたバッグ
について、高圧蒸気滅菌(108℃×60分)を施し
た。
【0026】シートの引張破壊強さ(強度)の測定:
JISK7127に準じ、高圧蒸気滅菌処理後のバッグ
のシートについて速度100mm/分で引張って強度を
測定した。
【0027】溶血レベルの評価:別途、健常人より4
00mlバッグ採血したCPD加全血から、常法によっ
て、赤血球濃厚液(CRC)を調製した。このCRC各
50mlをクリーンベンチ内で無菌的に上記滅菌処理後
のミニバッグに分注し、4℃で3週間保存した。溶血レ
ベルの測定結果を表2に示す。
【0028】比較のため、PP(A)を含まない系(比
較例1)、可塑剤(C)を含まない系(比較例2)、可
塑剤(フタル酸ジ−2−エチルヘキシル)55PHR含
有のPVC(比較例3)および実施例4からEVA(B
1)を抜いた系(比較例4)についても同形状のミニバ
ッグを作製し、以降の実験に供した。評価結果を表2
に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】(実験結果)表2参照。 シートの作製はすべて順調に行われ、実施例1〜5の
容器は高圧蒸気滅菌可能で変形がほとんどなく透明性・
柔軟性も実用的に十分な範囲であった。また、エラスト
マーを含まない系(実施例1、2)のシート強度は実用
上支障のない領域にあるが、これにエラストマーを加え
ることによって(実施例4、5)申し分のない強度に達
する。複層構成(実施例3)にすることによっても強度
は向上する。
【0032】溶血レベルにおいても実施例1〜5の容
器は通常に用いられている可塑剤含有PVC製バッグ
(比較例3)と遜色ないレベルであることが確認されて
いる。
【0033】これに対し、PP(A)を含まないシー
トからなる容器は耐熱性は不十分であり、高圧蒸気滅菌
処理で大きく変形した(比較例1)。シートは処理温度
において溶融状態にまで達したと考えられる。また、可
塑剤(C)を含まない系では溶血レベルが高く、赤血球
保存容器として用をなさないことは明らかである(比較
例2)。エラストマー(D1)を含むがEVA(B1)
を含まない系の溶血レベルも高い(比較例4)。EVA
(B1)が無いと可塑剤(C)との親和性が不足するた
めと考えられる。
【0034】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明はPP
(A)、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−
アクリル酸エステルコポリマーもしくはエチレン−メタ
クリル酸エステルコポリマー(B)および低分子有機エ
ステル系可塑剤(C)の間の適度な親和性、熱可塑性
エラストマー(D)の相溶化効果、PP(A)の耐熱
性などを巧みに応用した血液成分保存容器であり、脱P
VCを実現したものである。製造の容易さと相まってそ
の価値はきわめて高いものと考えている。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/10 C08L 23/16 23/16 31/04 S 31/04 33/08 33/08 33/10 33/10 53/00 53/00 A61J 1/00 331Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン系ポリマー(A)、エチレ
    ン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸エス
    テルコポリマーもしくはエチレン−メタクリル酸エステ
    ルコポリマー(B)および低分子有機エステル系可塑剤
    (C)の組成物を内壁層とする血液成分保存容器。
  2. 【請求項2】ポリプロピレン系ポリマー(A)、エチレ
    ン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸エス
    テルコポリマーもしくはエチレン−メタクリル酸エステ
    ルコポリマー(B)、低分子有機エステル系可塑剤
    (C)およびオレフィン系もしくはスチレン系の熱可塑
    性エラストマー(D)の組成物を内壁層とする血液成分
    保存容器。
  3. 【請求項3】エチレン−アクリル酸エステルコポリマー
    がエチレン−アクリル酸メチルコポリマーもしくはエチ
    レン−アクリル酸エチルコポリマーであり、エチレン−
    メタクリル酸エステルコポリマーがエチレン−メタクリ
    ル酸メチルコポリマーであることを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の血液成分保存容器。
  4. 【請求項4】エチレン−酢酸ビニルコポリマー中の酢酸
    ビニル成分含量、エチレン−アクリル酸エステルコポリ
    マー中のアクリル酸エステル成分含量、エチレン−メタ
    クリル酸エステルコポリマー中のメタクリル酸エステル
    成分含量がそれぞれ15〜40重量%であることを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の血液成分保存容
    器。
  5. 【請求項5】可塑剤(C)がフタル酸エステル、トリメ
    リット酸エステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エ
    ステル、アゼライン酸エステル、酒石酸エステル、クエ
    ン酸エステルおよびリンゴ酸エステルの群より選ばれた
    一種または二種以上であることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載の血液成分保存容器。
  6. 【請求項6】熱可塑性エラストマー(D)がエチレン−
    プロピレンコポリマー、エチレン−ブテン−1コポリマ
    ー、ブロック(ポリエチレン−エチレン−プロピレンコ
    ポリマー−ポリエチレン)、ブロック(ポリエチレン−
    エチレン−プチレンコポリマー−ポリエチレン)、ブロ
    ック(ポリスチレン−エチレン−プロピレンコポリマー
    −ポリエチレン)、ブロック(ポリスチレン−エチレン
    −プチレンコポリマー−ポリエチレン)、ブロック(ポ
    リスチレン−エチレン−プロピレンコポリマー−ポリス
    チレン)、ブロック(ポリスチレン−エチレン−ブチレ
    ンコポリマー−ポリスチレン)、ブロック(ポリスチレ
    ン−ポリ1,2−イソプレン−ポリスチレン)の水添物
    の群より選ばれた一種または二種以上であることを特徴
    とする請求項2記載の血液成分保存容器。
  7. 【請求項7】組成物が(A)30〜65重量%、(B)
    25〜60重量%および(C)3〜30重量%からなる
    ことを特徴とする請求項1記載の血液成分保存容器。
  8. 【請求項8】組成物が(A)25〜55重量%、(B)
    20〜55重量%、(C)3〜30重量%および(D)
    5〜40重量%からなることを特徴とする請求項2記載
    の血液成分保存容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007509206A (ja) * 2003-10-17 2007-04-12 バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド 高衝撃強度フィルムおよび塩化ビニルを含まない容器およびポーチおよびオーバーポーチ

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