JP2000332140A - 枠状ガラスシールの形成方法 - Google Patents

枠状ガラスシールの形成方法

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JP2000332140A
JP2000332140A JP11137284A JP13728499A JP2000332140A JP 2000332140 A JP2000332140 A JP 2000332140A JP 11137284 A JP11137284 A JP 11137284A JP 13728499 A JP13728499 A JP 13728499A JP 2000332140 A JP2000332140 A JP 2000332140A
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glass
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glass seal
seal
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Yukitsugu Sumida
幸嗣 隅田
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Sumitomo Metal SMI Electronics Device Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラスペーストに混入する気泡を除去し、高
い真空度を維持できる、高品質で低コストの枠状ガラス
シールの形成方法を提供する。 【解決手段】 中央部に素子搭載部21を有するセラミ
ック基板20の表面周囲に形成する枠状ガラスシール1
0の形成方法であって、枠状ガラスシール10は、スク
リーン印刷によりガラスペースト11をセラミック基板
20に薄く印刷し、100〜120℃で乾燥し、更に2
00〜390℃で焼成する工程を、複数回繰り返すこと
によって所定厚みの枠状ガラスシール10を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ICや水晶振動子
などの素子をセラミック基板に搭載して封止するための
枠状ガラスシールの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ICや水晶振動子などの素子をセ
ラミックパッケージに封止する場合、中央部に凹部から
なる素子搭載部を有するアルミナのセラミック基板の表
面にタングステンメタライズを行い、その素子搭載部に
ICや水晶振動子などの素子を搭載している。そして、
その上にコバール(Fe−Ni−Co合金)の枠状のフ
レームを銀ろう付けし、コバール材の金属キャップを枠
状のフレームの上に載せて、例えばシームウエルド法に
より1000℃程度でセラミック基板に熱圧着して、素
子を封入したセラミックパッケージを形成している。し
かし、この方法ではコバールや銀ろうを使用するためコ
スト高になり、また厚みが厚くなって薄型化の要求に応
えられないことがあった。そのため、アルミナのセラミ
ック基板の素子搭載部に素子を搭載してセラミックキャ
ップで覆い、セラミック基板とセラミックキャップとを
ガラスペーストで封止する方法が採られている。すなわ
ち、セラミック基板の上にガラスペーストをスクリーン
印刷により印刷した後、100〜120℃で乾燥し、更
に複数回印刷、乾燥を繰り返して所定の厚みに積層した
あと、350℃程度で焼成してセラミック基板にガラス
ペーストを固定して枠状ガラスシールを形成している。
そして、セラミック基板の素子搭載部に素子を搭載した
後、枠状ガラスシールの上にセラミックキャップを載せ
て枠状ガラスシールを溶融し、素子の封止を行ってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の枠状ガラスシールの形成方法では、パッケージの一
辺の大きさが、例えば15〜25mm程度の四角形であ
ればガラスペーストの幅を1mm程度にする事が出来る
ので、ガラスペーストの中にスクリーン印刷の網目によ
って生じる気泡が多少混入していてもパッケージの中の
真空度を保つことは可能であった。しかし、素子の大き
さが、例えば一辺が2mm以下の四角形に小さくなり、
パッケージの一辺の大きさが3mm程度の四角形に小さ
くなると、ガラスペーストの幅を1mm程度にする事が
出来ず、0.3〜0.45mm程度と狭くする必要があ
る。ところが、ガラスペーストの幅が狭くなるため、ガ
ラスペーストの中に気泡があると、焼成したときにガラ
スペーストの膜が破れてパッケージの真空度が低下する
という問題があり、特に水晶振動子は雰囲気の真空度が
低下することにより発振周波数が変わるという問題があ
った。本発明はこのような事情に鑑みてなされたもの
で、ガラスペーストに混入する気泡を除去し、高い真空
度を維持できる、高品質で低コストの枠状ガラスシール
の形成方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明に
係る枠状ガラスシールの形成方法は、中央部に素子搭載
部を有するセラミック基板の表面周囲に形成する枠状ガ
ラスシールの形成方法であって、枠状ガラスシールは、
スクリーン印刷によりガラスペーストをセラミック基板
に薄く印刷し、100〜120℃で乾燥し、更に200
〜390℃で焼成する工程を、複数回繰り返すことによ
って所定厚みの枠状ガラスシールを形成する。これによ
り、1回に印刷するガラスペーストの厚みは例えば10
〜80μm程度に薄く、幅は0.3〜0.45mm程度
であり、それをガラスペーストのバインダーの種類によ
って100〜120℃で乾燥して溶剤を蒸発させ、更に
枠状ガラスシールの母材の種類によって200〜390
℃程度で焼成すると、厚みが薄いために簡単に気泡が破
れて、気泡は除去される。更にガラスペーストの印刷、
乾燥、焼成を例えば3〜4回繰り返して、印刷、乾燥す
る毎に焼成することによってガラスペーストの気泡を除
去するので、例えば焼成後、0.20〜0.3mm程度
に積み重ねて形成したガラスシールには気泡は殆ど残る
ことはない。ここで、ガラスペーストはホウケイ酸鉛ガ
ラス粉末を母材とした低融点ガラスとセラミック粉末と
をバインダーに混合してペースト状にしてもよい。この
場合、このようなガラスペーストによって形成された枠
状ガラスシールは、低融点ガラスとセラミック粉末の割
合を適宜決めることにより融点(作用温度)が例えば3
50℃程度に低く、作業性がよくなり、しかも、熱膨張
率はセラミックスの熱膨張率に近い値(例えば7〜8×
10-6/℃)にすることが出来るので、セラミック基板
の温度が変化しても、枠状ガラスシールが変形して剥離
したり破損することがない。
【0005】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1(A)、(B)、
(C)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係る枠状ガラ
スシールの形成方法の製造工程を示す側断面図、図2
(A)、(B)はそれぞれ同枠状ガラスシールの形成方
法に用いたセラミック基板に素子を搭載した状態を示す
平面図、側断面図、図3は同枠状ガラスシールの形成方
法に用いる製造設備の構成を示す平面図である。
【0006】図1(A)、(B)、(C)に示すよう
に、本発明の一実施の形態に係る枠状ガラスシール10
の形成方法に用いるセラミック基板20は、アルミナセ
ラミックからなり、平面視して四角形に形成され、中央
部に凹部からなる素子搭載部21を有し、素子搭載部2
1の表面周囲には平面状の枠部22を形成している。素
子搭載部21には図2(A)、(B)に示すように、例
えば水晶振動子30を収納するようにしている。枠部2
2上にはガラスペースト11を焼成して形成した枠状ガ
ラスシール10を介してアルミナセラミックからなる蓋
部材31を載置して素子搭載部21内を封止するように
している。
【0007】ここで、セラミック基板20に枠状ガラス
シール10を形成する方法について説明する。先ず、ガ
ラスペースト11を準備する。ガラスペースト11は、
低融点ガラスであるホウケイ酸鉛ガラス粉末、例えば結
晶性はんだガラスとして知られているホウケイ酸鉛ガラ
ス50〜80重量%を母材とし、例えばチタン酸鉛系等
のセラミック粉末20〜50重量%との混合物を、アク
リル系樹脂又はニトロセルローズを有機溶剤に溶かした
容積割合で30%程度のバインダー(結合剤)に混入し
てペースト状にする。また、図3に示すように、ステン
レス鋼板にセラミック基板20を1個ずつ収納する複数
(例えば1000個程度)の凹部からなる収納部41を
等間隔に設けた焼成トレー40を準備し、自動ガラスシ
ール形成装置50に設けた循環コンベア60上に載置す
る。焼成トレー40の各収納部41には、循環コンベア
60上に設けた基板供給装置61からセラミック基板2
0を収納する。そして、循環コンベア60によって焼成
トレー40を印刷ステージ62に送り、図1(A)に示
すように、網の目が100メッシュ程度のスクリーン印
刷機63によってガラスペースト11を各セラミック基
板20の枠部22上に枠状に、例えば厚みが10〜80
μm程度になるように印刷する。印刷後に循環コンベア
60によって焼成トレー40を乾燥炉64に送り、10
0〜120℃で乾燥して溶剤を蒸発する。続いて循環コ
ンベア60によって焼成トレー40を350〜380℃
の焼成炉65に5〜10分入れてガラスペースト11を
焼成、溶融する。焼成によりガラスペースト11の厚み
は80%程度減少するが、ガラスペースト11内部の気
泡は蒸発して除去される。
【0008】焼成炉65を出たセラミック基板20は循
環コンベア60上で冷却され、取出しステージ66を通
り越して、再び印刷ステージ62に自動的に運ばれ、図
1(B)に示すように、順次印刷、乾燥、焼成の工程を
行う。これを3〜4回繰り返すことにより、図1(C)
に示すように、所定の厚み、例えば0.25mm程度の
枠状ガラスシール10を形成する。印刷、乾燥、焼成の
工程を所定回数完了して枠状ガラスシール10を形成し
た後、取出しステージ66で焼成トレー40からセラミ
ック基板20を取外し、セラミック基板20を次の素子
搭載ステージ(図示しない)に送る。空の焼成トレー4
0は基板供給装置61に送られ、基板供給装置61によ
って焼成トレー40の収納部41に新しい複数のセラミ
ック基板20を収納し、枠状ガラスシール10の形成を
繰り返す。
【0009】このように、ガラスペースト11を印刷、
乾燥する毎に焼成することによってガラスペーストの気
泡を除去するので、複数回印刷、乾燥、焼成を繰り返し
て、0.2〜0.3mm程度に積み重ねて形成したガラ
スシールの気泡は確実に除去することができる。また、
印刷、焼成の工程は循環コンベア60によって繰り返し
行うことが出来るので、印刷の都度焼成を行う工程を繰
り返しても、人手がかからず、自動化が可能である。な
お、ガラスペースト11を低融点ガラスとセラミック粉
末の混合物をバインダーに溶かして作成することによ
り、このガラスペースト11によって形成される枠状ガ
ラスシール10は融点(粘度が104 CPSとなる作用
温度)が350℃程度になり、熱膨張率はセラミックス
の熱膨張率に近い値(例えば7〜8×10-6)になる。
したがって、ガラスペースト11によって形成された枠
状ガラスシール10は、融点が低く、作業性が良くな
り、しかも、熱膨張率はセラミックスの熱膨張率に近い
値にすることが出来るので、セラミック基板20の温度
が変化しても、枠状ガラスシール10が変形して剥離し
たり破損することがない。
【0010】
【実施例】ここで、自動ガラスシール形成装置50を使
用して枠状ガラスシールを形成した実験の結果を説明す
る。セラミック基板は、Al22 が85重量%のもの
を用い、ガラスペーストは、例えばPbOが85重量
%、B23 が12重量%、SiO2 が1.0重量%、
Al23 が0.5重量%、ZnOが1.4重量%、B
23 が0.1重量%のホウケイ酸鉛ガラス粉末を母
材として使用した。そして、このようなホウケイ酸鉛ガ
ラスを70重量%、チタン酸鉛系、コージェライト系、
ウーレマイト系又は酸化錫固溶体系などのセラミック粉
末を30重量%として混合したものを、アクリル系樹脂
(例えば5重量%)を有機溶剤に溶かした30容積%の
バインダーに混入してペースト状に形成した。印刷は網
の目を100メッシュとしてスクリーン印刷し、乾燥温
度120℃で乾燥、焼成温度350℃で焼成する工程を
4回繰り返した。ガラスペーストの厚みは0.25mm
に形成し、各焼成回数後の気孔率を1000個のテスト
ピースについて測定した。気孔率は、焼成後の枠状ガラ
スシールの断面を顕微鏡で観察し、不良となる気孔が存
在するか否かを調べ、全体のテストピースの数に対する
気孔の存在するテストピースの割合を気孔率として表し
た。その結果、焼成回数と気孔率(%)との関係は、次
の表1の通りであった。
【0011】
【表1】
【0012】この結果、4回の印刷、乾燥、焼成の繰り
返しを行い、気孔率は初回の印刷、乾燥、焼成工程では
15%であったのに対し、4回目の工程では3%に低減
し、初回の工程の5分の1になった。また、1000個
のテストピースを1グループとして10グループについ
て、ヘリウムガスのリーク量(例えば、10-10 ccA
tm/sec以下であれば合格)を調べるテスト封止テ
ストを行った結果、不良率は0%であった。なお、従来
のガラスペーストを0.25mmの厚みに印刷し、1回
の焼成を行ったものでは、3〜5%の不良率であった。
このように、ガラスペーストをスクリーン印刷する度に
焼成を行うことにより、気泡の発生を防ぐことができ、
微小素子のセラミックパッケージでも高い真空度を維持
できることがわかった。
【0013】
【発明の効果】請求項1、2記載の枠状ガラスシールの
形成方法においては、枠状ガラスシールは、スクリーン
印刷によりガラスペーストをセラミック基板に薄く印刷
し、100〜120℃で乾燥し、更に200〜390℃
で焼成する工程を、複数回繰り返すことによって所定厚
みの枠状ガラスシールを形成するので、1回ごとに形成
するガラスペーストの厚みが薄いために簡単に気泡が破
れて、中の気体が消滅する。その上に、更にガラスペー
ストを印刷、焼成し、これを例えば3〜4回繰り返す
と、0.25〜0.3mm程度に形成したガラスシール
には気泡は殆ど残ることはなく、微小素子を搭載する小
型のセラミックパッケージでも高い真空度を維持でき
る。
【0014】特に、請求項2記載の枠状ガラスシールの
形成方法においては、ガラスペーストはホウケイ酸鉛ガ
ラス粉末を母材とした低融点ガラスとセラミック粉をバ
インダーに混合してペースト状にしているので、このよ
うなガラスペーストによって形成された枠状ガラスシー
ルは、融点が低く、作業性がよくなり、しかも、熱膨張
率はセラミックスの熱膨張率に近い値にすることが出
来、セラミック基板の温度が変化しても、枠状ガラスシ
ールが変形して剥離したり破損することがなく、高品
質、低コストで枠状ガラスシールを形成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)、(C)はそれぞれ本発明の一
実施の形態に係る枠状ガラスシールの形成方法の製造工
程を示す側断面図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ同枠状ガラスシール
の形成方法に用いたセラミック基板に素子を搭載した状
態を示す平面図、側断面図である。
【図3】同枠状ガラスシールの形成方法に用いる製造設
備の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
10:枠状ガラスシール、11:ガラスペースト、2
0:セラミック基板、21:素子搭載部、22:枠部、
30:水晶振動子、31:蓋部材、40:焼成トレー、
41:収納部、50:自動ガラスシール形成装置、6
0:循環コンベア、61:基板供給装置、62:印刷ス
テージ、63:スクリーン印刷機、64:乾燥炉、6
5:焼成炉、66:取出しステージ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央部に素子搭載部を有するセラミック
    基板の表面周囲に形成する枠状ガラスシールの形成方法
    であって、前記枠状ガラスシールは、スクリーン印刷に
    よりガラスペーストを前記セラミック基板に薄く印刷
    し、100〜120℃で乾燥し、更に200〜390℃
    で焼成する工程を、複数回繰り返すことによって所定厚
    みの前記枠状ガラスシールを形成することを特徴とする
    枠状ガラスシールの形成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の枠状ガラスシールの形成
    方法において、前記ガラスペーストはホウケイ酸鉛ガラ
    ス粉末を母材とした低融点ガラスと、セラミック粉末と
    をバインダーに混合してペースト状にしたことを特徴と
    する枠状ガラスシールの形成方法。
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