JP2000331885A - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及びその製造方法

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JP2000331885A
JP2000331885A JP11144934A JP14493499A JP2000331885A JP 2000331885 A JP2000331885 A JP 2000331885A JP 11144934 A JP11144934 A JP 11144934A JP 14493499 A JP14493499 A JP 14493499A JP 2000331885 A JP2000331885 A JP 2000331885A
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conductive polymer
polymer layer
capacitor element
solid electrolytic
immersed
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Toru Jo
徹 城
Yutaka Harashima
豊 原島
Kazuyoshi Endo
和芳 遠藤
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Marcon Electronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンデンサ素子表面に均一な厚さで所望の厚
みを有し、機械的強度に優れた複合導電性高分子層を形
成した特性良好にして、生産性に優れた固体電解コンデ
ンサ及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 モノマー溶液に浸漬し、次に酸化剤溶液
に浸漬して化学酸化重合を行い内部に導電性高分子層を
形成したコンデンサ素子1を、繊維或いは粒子を懸濁し
た溶液に浸漬−乾燥工程を所望回数繰り返し、コンデン
サ素子1表面に付着した繊維或いは粒子3を取り込んだ
複合導電性高分子層2を形成して固体電解コンデンサを
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解コンデン
サ及びその製造方法に係り、特に樹脂外装時の応力によ
って生ずる諸特性劣化要因を解消した優れた導電性高分
子層を有する固体電解コンデンサ及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、低ESR化を目的として導電性高
分子を固体電解質として用いる固体電解コンデンサが実
用化されている。一般に、これら導電性高分子として
は、ポリチオフェン、ポリピロール又はポリアニリン等
があり、中でもポリチオフェンは、ポリピロール又はポ
リアニリンと比較して、導電率が高く熱安定性が特に優
れていることから近年注目されており、ポリチオフェン
を固体電解質として用いた固体電解コンデンサとして特
開平1−313521号公報、又は特開平2−1561
1号公報に開示されているものがある。しかして、ポリ
チオフェンは、化学酸化重合及び電解重合によって製作
できるが、電解重合手段を講じた場合、導電性高分子が
電極上にフィルム状に形成されるため大量に製造するこ
とに困難性が伴う問題を抱えているのに対して、化学酸
化重合手段の場合は、そのような問題はなく、電解重合
と比較して大量の導電性高分子層を容易に得ることがで
きることは当業者の中では良く知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリチ
オフェンは、他のポリピロール又はポリアニリン等他の
導電性高分子に比べて、化学酸化重合の際の重合速度が
小さいため、所望の厚さの導電性高分子層を形成するた
めには、重合時間を長くしたり、重合回数を多くしなけ
ればならず、生産性が悪く、コスト高となる問題を抱
え、また、溶媒に水を用いた場合は重合反応が著しく抑
制される問題を有し、更に、トランスファーモールド法
による樹脂外装構造では、モールド成型時の応力により
導電性高分子層が損傷され漏れ電流増大や信頼性低下と
なる問題をも抱える結果となっていた。
【0004】本発明は、上記問題を解決するもので、コ
ンデンサ素子表面に均一な厚さで所望の厚みを有し、機
械的強度に優れた導電性高分子層を形成した特性良好に
して、生産性に優れた固体電解コンデンサ及びその製造
方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来技術
の課題を解決すべく検討した結果、完成するに至ったも
のである。すなわち、固体電解質として導電性高分子層
を用いた固体電解コンデンサにおいて、コンデンサ素子
表面に形成するポリチオフェン又はその誘導体からなる
導電性高分子層として、コンデンサ素子表面に付着した
繊維或いは粒子を取り込んで形成した複合導電性高分子
層とすることによって、機械的強度に優れた固体電解質
の形成が可能となり、作業性良好にして特性劣化のない
ことが判明した。
【0006】本発明は、陽極となる弁作用金属からなる
コンデンサ素子の表面に誘電体酸化皮膜を形成し、この
誘電体酸化皮膜の表面に導電性高分子層を形成してなる
固体電解コンデンサにおいて、導電性高分子層がポリチ
オフェン又はその誘導体からなり、この導電性高分子層
が前記コンデンサ素子表面に付着した繊維或いは粒子を
取り込んで形成した複合導電性高分子層からなることを
特徴とする固体電解コンデンサである。
【0007】また、前記繊維がパルプ及び/又はガラス
からなることを特徴とする固体電解コンデンサである。
更に、前記粒子が二酸化マンガンからなることを特徴と
する固体電解コンデンサである。コンデンサ素子表面に
繊維を付着する手段として、繊維を懸濁した溶液内にコ
ンデンサ素子を浸漬する工程とこのコンデンサ素子を乾
燥する工程を有するものであり、繊維を懸濁している溶
液は、撹拌され、繊維が静かに流動していても良い。コ
ンデンサ素子表面に粒子を形成する手段として、粒子を
懸濁した溶液内にコンデンサ素子を浸漬する工程と、こ
のコンデンサ素子を乾燥する工程とを有するものであ
る。
【0008】また、前記導電性高分子層と繊維或いは粒
子との複合導電性高分子層を構成する手段としては、予
め繊維或いは粒子を分散させた導電性高分子層を形成す
るためのモノマー溶液に誘電体層が設けられたタンタル
の焼結体又はアルミニウム箔からなる電極のコンデンサ
素子を浸漬させ、次に酸化剤溶液に浸漬して化学酸化重
合によりコンデンサ素子表面に繊維或いは粒子を取り込
んだ複合導電性高分子層を形成するか、モノマー溶液に
誘電体層が設けられたタンタルの焼結体又はアルミニウ
ム箔からなる電極のコンデンサ素子を浸漬させ、次に繊
維或いは粒子を分散させた酸化剤溶液に浸漬して化学酸
化重合によりコンデンサ素子表面に繊維或いは粒子を取
り込んだ複合導電性高分子層を形成するものであるが、
前述の手段において、コンデンサ素子内部に予め導電性
高分子層を形成しておくことによって、より緻密で強固
な複合導電性高分子層が得られるものである。
【0009】以上により、チオフェンを繰り返し単位と
して含む導電性高分子と、繊維或いは粒子との複合体を
構成することにより、繊維或いは粒子で厚さを稼ぎ、重
合時間及び回数を低減して生産性を上げると共に、コン
デンサ素子表面に均一で厚い導電性高分子層が形成で
き、機械的強度が向上し、樹脂外装時の応力にも耐え、
漏れ電流増大や信頼性低下のない良好な固体電解コンデ
ンサを得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、
陽極となるタンタル、アルミニウム、ニオブ、チタン等
からなる弁作用金属を使用して構成したコンデンサ素子
表面に誘電体酸化皮膜を形成し、この誘電体酸化皮膜表
面に導電性高分子層を形成してなる固体電解コンデンサ
において、前記導電性高分子層がポリチオフェン又はそ
の誘導体からなり、前記コンデンサ素子表面に繊維が付
着されており、この繊維を取り込んで複合導電性高分子
層が形成されている固体電解コンデンサである。
【0011】本発明の請求項2記載の発明は、陽極とな
るタンタル、アルミニウム、ニオブ、チタン等からなる
弁作用金属を使用して構成したコンデンサ素子表面に誘
電体酸化皮膜を形成し、この誘電体酸化皮膜表面に導電
性高分子層を形成してなる固体電解コンデンサにおい
て、前記導電性高分子層がポリチオフェン又はその誘導
体からなり、前記コンデンサ素子表面に粒子が付着され
ており、この粒子を取り込んで複合導電性高分子層が形
成されている固体電解コンデンサである。
【0012】なお、上記請求項1及び請求項2記載の発
明において、コンデンサ素子構成としては、微粉末焼結
体形又は箔巻回形いずれでも良く、また、誘電体酸化皮
膜の形成手段としても特別なものに限定することなく、
公知の手段にて行うものである。コンデンサ素子表面に
付着した繊維或いは粒子の存在でポリチオフェン又はそ
の誘導体からなる膜厚の厚い複合導電性高分子層となる
ことにより、重合回数及び重合時間を低減でき生産性向
上に寄与することができる。また複合導電性高分子層は
機械的強度が向上するため樹脂外装時の応力にも耐え、
漏れ電流増大や信頼性低下のない良好な固体電解コンデ
ンサが得られる。
【0013】請求項3記載の発明は、コンデンサ素子の
表面に付着する繊維がパルプ及び/又はガラス繊維から
なることを特徴とする請求項1記載の固体電解コンデン
サであり、特に十分に叩解されたパルプはフィブリルが
発達し、コンデンサ素子の凹凸に絡まりパルプ層の形成
が容易となる。また、付着する繊維の厚み確保を容易に
するため、叩解が不十分で繊維が長く太いパルプと十分
に叩解が進んだパルプとを混合したり、パルプ又はガラ
ス繊維の懸濁液濃度を適宜選択することもできる。
【0014】請求項4記載の発明は、コンデンサ素子の
表面に付着する粒子が二酸化マンガンからなることを特
徴とする請求項2記載の固体電解コンデンサであり、粒
子が半導体であるため、機械的強度を向上するため二酸
化マンガン層を厚くしても、等価直列抵抗等のコンデン
サの特性を低下させることがない。
【0015】請求項5記載の発明は、複合導電性高分子
層の形成手段として、繊維を懸濁した溶液内にコンデン
サ素子を浸漬−乾燥しこのコンデンサ素子表面に繊維を
付着させた後モノマー溶液に浸漬し、更に酸化剤溶液に
浸漬して化学酸化重合を行うことを特徴とする請求項1
又は請求項3記載の固体電解コンデンサの製造方法であ
り、繊維の懸濁液を撹拌しながら溶液内にコンデンサ素
子を浸漬することで行うことができる。
【0016】請求項6記載の発明は、複合導電性高分子
層の形成手段として、粒子を懸濁した溶液内にコンデン
サ素子を浸漬−乾燥しこのコンデンサ素子表面に粒子を
付着させた後モノマー溶液に浸漬し、更に酸化剤溶液に
浸漬して化学酸化重合を行うことを特徴とする請求項2
又は請求項4記載の固体電解コンデンサの製造方法であ
り、粒子の厚み確保のため、浸漬−乾燥を適宜繰り返し
行うものである。
【0017】請求項7記載の発明は、複合導電性高分子
層の形成手段として、繊維を分散させたモノマー溶液に
コンデンサ素子を浸漬して素子表面にモノマー溶液を付
着させた後、酸化剤溶液に浸漬して化学酸化重合を行う
ことを特徴とする請求項1又は請求項3記載の固体電解
コンデンサの製造方法であり、繊維の付着と同時に導電
性高分子層の形成が進行するので厚み確保が容易で生産
性向上に寄与できる。
【0018】請求項8記載の発明は、複合導電性高分子
層の形成手段として、粒子を分散させたモノマー溶液に
コンデンサ素子を浸漬して素子表面にモノマー溶液を付
着させた後、酸化剤溶液に浸漬して化学酸化重合を行う
ことを特徴とする請求項2又は請求項4記載の固体電解
コンデンサの製造方法であり、粒子の付着と同時に導電
性高分子層の形成が進行するので請求項7記載の発明と
同様に厚み確保が容易で生産性向上に寄与できる。
【0019】請求項9記載の発明は、複合導電性高分子
層の形成手段として、繊維を分散させたモノマー溶液
に、予め内部に導電性高分子層を形成したコンデンサ素
子を浸漬して素子表面にモノマー溶液を付着させた後、
酸化剤溶液に浸漬して化学酸化重合を行うことを特徴と
する請求項1又は請求項3記載の固体電解コンデンサの
製造方法であり、所望箇所への導電性高分子層の形成が
より確実となり、繊維の存在があってもESR特性劣化
とはならない。
【0020】請求項10記載の発明は、複合導電性高分
子層の形成手段として、粒子を分散させたモノマー溶液
に、予め内部に導電性高分子層を形成したコンデンサ素
子を浸漬して素子表面にモノマー溶液を付着させた後、
酸化剤溶液に浸漬して化学酸化重合を行うことを特徴と
する請求項2又は請求項4記載の固体電解コンデンサの
製造方法であり、請求項9記載の発明と同様に所望箇所
への導電性高分子層の形成がより確実となり、粒子の存
在があってもESR特性劣化とはならない。
【0021】請求項11記載の発明は、予め内部に導電
性高分子層を形成したコンデンサ素子をモノマー溶液に
浸漬して素子表面にモノマー溶液を付着させた後、繊維
を分散した酸化剤溶液に浸漬して化学酸化重合を行うこ
とを特徴とする請求項1又は請求項3記載の固体電解コ
ンデンサの製造方法であり、コンデンサ素子内部への導
電性高分子層の形成が容易となり生産性向上及び諸特性
向上に大きく貢献する。
【0022】請求項12記載の発明は、予め内部に導電
性高分子層を形成したコンデンサ素子をモノマー溶液に
浸漬して素子表面にモノマー溶液を付着させた後、粒子
を分散した酸化剤溶液に浸漬して化学酸化重合を行うこ
とを特徴とする請求項2又は請求項4記載の固体電解コ
ンデンサの製造方法であり、請求項11記載の発明と同
様にコンデンサ素子内部への導電性高分子層の形成が容
易となり生産性向上及び諸特性向上に大きく貢献する。
【0023】本発明は以上のように、電解質としての複
合導電性高分子層を形成した後、必要に応じて乾燥を行
い、公知の手段でその上にグラファイト層、銀塗料層を
形成し、しかる後引出電極を設けて樹脂外装を施し完成
品としてなるものである。
【0024】
【実施例】以下、本発明の固体電解コンデンサの基本構
造について図面を参照して説明する。図1において、1
は陽極となる弁作用金属としてタンタル微粉末からなる
焼結体表面に陽極酸化皮膜を形成してなるコンデンサ素
子で、2はこのコンデンサ素子1の表面に付着した繊維
或いは粒子3を取り込んで形成されたポリチオフェン又
はその誘導体からなる複合導電性高分子層で、4はこの
複合導電性高分子層2上に形成したカーボン層で、5は
このカーボン層4上に形成した陰極となる銀塗料層で、
6は前記焼結体に埋設された陽極線で、7はこの陽極線
6と接続した陽極引出端子で、8は前記銀塗料層5に接
続した陰極引出端子で、9は樹脂外装層である。次に具
体的な実施例について比較例と対比して詳細に説明す
る。すなわち、以下に示す実施例1〜5及び従来技術に
係る比較例1〜3の容量、漏れ電流及びESR特性を測
定した結果、表1に示す通りであった。
【0025】(実施例1)陽極として大きさが3.9×
3.3×1.6mmのタンタル焼結体を用い、陽極線
としてタンタル線を用いた重量が約100mgの陽極体
を0.05wt%燐酸水溶液中で90℃、40Vで18
0分陽極酸化し、脱イオン水の流水により洗浄して、乾
燥を行いコンデンサ素子とした。なお、この状態をコン
デンサと見立て化成液中の容量を測定した結果100μ
Fであった。
【0026】次に、このコンデンサ素子をブチルアルコ
ール50gと3,4−エチレンジオキシチオフェン50
gとを混ぜ合わせてなるモノマー溶液に7分間浸漬し、
次に遷移金属イオンを含む酸化剤としてパラトルエンス
ルホン酸第二鉄40gを60gのブタノールに溶解させ
て得た酸化剤溶液に15分間浸漬し、化学酸化重合を行
い、コンデンサ素子を構成する陽極酸化皮膜上に導電性
高分子層を形成し、ブタノールによる流水洗浄を5分間
行った後、105℃で5分間乾燥した。導電性高分子層
が所望の厚さになるまで、モノマー溶液への浸漬−乾燥
までの重合回数を10回繰り返した。
【0027】次に、このようにして内部に導電性高分子
層を形成したコンデンサ素子を、コンデンサ紙の原料で
ある2wt%パルプ懸濁液の5倍〜10倍に希釈した溶
液に浸漬してコンデンサ素子表面にパルプ繊維を付着さ
せる。この場合、懸濁液は撹拌され、パルプ繊維が流動
している中に浸漬することで効果的にコンデンサ素子表
面へのパルプ繊維の付着を行うことができ、特に機械的
強度が求められるコンデンサ素子エッジ部により効果的
に付着できる。しかして、このようにパルプ繊維を付着
したコンデンサ素子を105℃で5分間乾燥した。な
お、パルプ繊維層が所望の厚さになるまで、懸濁液への
浸漬から乾燥までの工程を2回繰り返した。
【0028】次に、表面にパルプ繊維が付着されたコン
デンサ素子を、再びモノマー溶液に7分間浸漬して酸化
剤溶液に15分間浸漬して化学酸化重合を行い、ブタノ
ールによる流水洗浄を5分間行った後、105℃で5分
間乾燥する工程を5回繰り返し、コンデンサ素子表面に
所望の厚さのパルプ繊維を取り込んだ複合導電性高分子
層を形成した。しかして、この複合導電性高分子層の上
に、カーボン層、このカーボン層の上に陰極となる銀塗
料層を形成し、この銀塗料層の上に陰極引出端子を、前
記陽極体から引出した陽極線に陽極引出端子をそれぞれ
取付け、トランスファーモールドにより樹脂外装を行
い、前記陰極引出端子及び陽極引出端子を所定の位置に
折曲げてチップ状の固体電解コンデンサを完成した。
【0029】(実施例2)実施例1と同様の手段で内部
に導電性高分子層を形成したコンデンサ素子を、ガラス
繊維2wt%を水に懸濁した懸濁溶液に浸漬してコンデ
ンサ素子表面にガラス繊維を付着させ、105℃で5分
間乾燥した。なお、ガラス繊維が所望の厚さになるま
で、懸濁液への浸漬から乾燥までの工程を2回繰り返し
た。次に、表面にガラス繊維が付着されたコンデンサ素
子に複合導電性高分子層を形成し完成品としてなるもの
であるが、その手段は実施例1同様である。
【0030】(実施例3)実施例1と同様の手段で内部
に導電性高分子層を形成したコンデンサ素子を、適宜懸
濁可能な粒径とした二酸化マンガン粒子を水に懸濁した
懸濁液に浸漬してコンデンサ素子表面に二酸化マンガン
粒子を付着させ、105℃で5分間乾燥した。なお、二
酸化マンガン粒子が所望の厚さになるまで前記懸濁液へ
の浸漬から乾燥までの工程を2回繰り返した。次に、表
面に二酸化マンガン粒子が付着されたコンデンサ素子に
複合導電性高分子層を形成し完成品としてなるものであ
るが、その手段は実施例1と同様である。
【0031】(実施例4)実施例1と同様の手段で内部
に導電性高分子層を形成したコンデンサ素子を、ブチル
アルコール50gと3,4−エチレンジオキシチオフェ
ン50gとを混ぜ合わせ、且つ、パルプ繊維0.5wt
%を加え良く撹拌してなるモノマー溶液に7分間浸漬
し、次に、遷移金属イオンを含む酸化剤としてのパラト
ルエンスルホン酸第二鉄40gを60gのブタノールに
溶解させた酸化剤溶液に15分間浸漬し化学酸化重合を
行い、ブタノールによる流水洗浄を5分間行った後、1
05℃で5分間乾燥する工程を10回繰り返し、所望の
厚さのパルプ繊維を取り込んだ複合導電性高分子層を形
成した。なお、複合導電性高分子層形成後、完成品とし
てなるまでの手段は実施例1同様である。
【0032】(実施例5)まず、縦8×横3.3mm
のアルミニウムエッチド箔を4mmと3mmの部分に仕
切るように、両面に渡って幅1mmのポリイミドテープ
を貼り付け、次にアルミニウムエッチド箔の3×3.3
mmの部分に陽極リード線を取付け、アルミニウムエ
ッチド箔の4×3.3mmの部分を、70℃の3wt
%のアジピン酸アンモニウム水溶液を用い、10Vの定
電圧を40分印加して陽極酸化により酸化皮膜誘電体層
を形成した。しかして、これを105℃で5分間乾燥を
行いコンデンサ素子とした。なお、この状態をコンデン
サと見立て化成液中の容量を測定した結果18μFであ
った。
【0033】次に、このコンデンサ素子を、遷移金属イ
オンを含む酸化剤としてパラトルエンスルホン酸第二鉄
1.76gを2.64gのブタノールに溶解させて,次
にパルプ繊維0.5wt%を加え良く撹拌し分散させ、
且つ、3,4−エチレンジオキシチオフェン2gを加え
撹拌して得た重合溶液に1分間浸漬してから引上げ、真
空中で30分放置し化学酸化重合を行い、コンデンサ素
子を構成する陽極酸化皮膜上にパルプ繊維を取り込んだ
複合導電性高分子層を形成した。次に脱イオン水による
流水洗浄を15分間行った後、105℃で5分間乾燥し
た。複合導電性高分子層が所望の厚さになるまで、浸漬
−乾燥までの工程を3回繰り返した。なお、複合導電性
高分子層形成後、完成品としてなるまでの手段は実施例
1同様である。
【0034】(比較例1)コンデンサ素子表面へのパル
プ繊維の付着する工程を除き、実施例1と同様の工程を
経て完成品としてなるものであるが、コンデンサ素子表
面へパルプ繊維が付着されていないため、コンデンサ素
子表面の導電性高分子層構成は、パルプ繊維との複合化
はされておらず、単なる導電性高分子層であり、この場
合の重合回数は61回である。
【0035】(比較例2)重合回数を15回とする点を
除き、比較例1と同様の工程を経て完成したものであ
る。
【0036】(比較例3)コンデンサ素子表面へのパル
プ繊維の付着する工程を除き、実施例5と同様の工程を
経て完成品としてなるものであるが、コンデンサ素子表
面へパルプ繊維が付着されていないため、コンデンサ素
子表面の導電性高分子層構成は、パルプ繊維との複合化
はされておらず、単なる導電性高分子層であり、この場
合の重合回数は8回である。
【0037】
【表1】
【0038】表1から明らかなように、実施例1,2,
3,4,5のものは、いずれも漏れ電流及びESR特性
に優れ信頼性の高い固体電解コンデンサを得ることがで
きるのに対し、比較例1,2,3のものはESR特性は
問題ないものの、重合回数を比較例1のように61回行
っても漏れ電流特性が芳しくなく実用上好ましくないも
のであることが分かる。この差は実施例の場合、コンデ
ンサ素子表面に形成される導電性高分子層が、繊維或い
は粒子を取り込んだ複合導電性高分子層で構成されてそ
の層厚を稼げるため、導電性高分子層の機械的強度を高
めることになり、外装樹脂工程での応力によっても導電
性高分子層を損傷することがないと言う結果に基づくも
のである。また、比較例の中で、漏れ電流特性が最もよ
い比較例1においても61回の重合回数を要し、生産性
の観点からも好ましくないのに対し、実施例のものは、
重合回数を減らしても漏れ電流特性が優れており、生産
性向上に大きく貢献できるものであることが分かる。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、弁作
用金属からなるコンデンサ素子を構成する酸化皮膜の表
面に導電性高分子層を形成してなる固体電解コンデンサ
において、導電性高分子層がポリチオフェン又はその誘
導体からなり、該導電性高分子層をコンデンサ素子表面
に付着した繊維或いは粒子を取り込んで形成した複合導
電性高分子層とすることによって、導電性高分子層の層
厚を稼ぎ、重合回数を低減して生産性向上を可能とした
漏れ電流特性の良好な固体電解コンデンサを得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の固体電解コンデンサの基本構造を示
す断面図である。
【符号の明明】
1 コンデンサ素子 2 複合導電性高分子層 3 繊維或いは粒子 4 カーボン層 5 銀塗料層 6 陽極線 7 陽極引出端子 8 陰極引出端子 9 樹脂外装層

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極となる弁作用金属からなる焼結体表
    面に誘電体酸化皮膜を形成してなるコンデンサ素子と、
    前記誘電体酸化皮膜の表面に形成した導電性高分子層か
    らなる固体電解コンデンサにおいて、前記導電性高分子
    層がポリチオフェン又はその誘導体からなり、コンデン
    サ素子表面に形成される導電性高分子層が前記コンデン
    サ素子表面に付着した繊維を取り込んで形成した複合導
    電性高分子層で構成されたことを特徴とする固体電解コ
    ンデンサ。
  2. 【請求項2】 陽極となる弁作用金属からなる焼結体表
    面に誘電体酸化皮膜を形成してなるコンデンサ素子と、
    前記誘電体酸化皮膜の表面に形成した導電性高分子層か
    らなる固体電解コンデンサにおいて、前記導電性高分子
    層がポリチオフェン又はその誘導体からなり、コンデン
    サ素子表面に形成される導電性高分子層が前記コンデン
    サ素子表面に付着した粒子を取り込んで形成した複合導
    電性高分子層で構成されたことを特徴とする固体電解コ
    ンデンサ。
  3. 【請求項3】 コンデンサ素子表面に付着した繊維がパ
    ルプ及び/又はガラスからなることを特徴とする請求項
    1記載の固体電解コンデンサ。
  4. 【請求項4】 コンデンサ素子表面に付着した粒子が二
    酸化マンガンからなることを特徴とする請求項2記載の
    固体電解コンデンサ。
  5. 【請求項5】 複合導電性高分子層の形成手段として、
    繊維を懸濁した溶液内にコンデンサ素子を浸漬−乾燥し
    てこのコンデンサ素子表面に繊維を付着させ、次にモノ
    マー溶液に浸漬した後、酸化剤溶液に浸漬し化学酸化重
    合することを特徴とする請求項1又は請求項3記載の固
    体電解コンデンサの製造方法。
  6. 【請求項6】 複合導電性高分子層の形成手段として、
    粒子を懸濁した溶液内にコンデンサ素子を浸漬−乾燥し
    てこのコンデンサ素子表面に粒子を付着させ、次にモノ
    マー溶液に浸漬した後、酸化剤溶液に浸漬し化学酸化重
    合することを特徴とする請求項2又は請求項4記載の固
    体電解コンデンサの製造方法。
  7. 【請求項7】 複合導電性高分子層の形成手段として、
    コンデンサ素子を、繊維を分散させたモノマー溶液に浸
    漬してコンデンサ素子表面にモノマー溶液を付着させた
    後、酸化剤溶液に浸漬して化学酸化重合によりコンデン
    サ素子表面に繊維を取り込んだ複合導電性高分子層を形
    成することを特徴とする請求項1又は請求項3記載の固
    体電解コンデンサの製造方法。
  8. 【請求項8】 複合導電性高分子層の形成手段として、
    コンデンサ素子を、粒子を分散させたモノマー溶液に浸
    漬してコンデンサ素子表面にモノマー溶液を付着させた
    後、酸化剤溶液に浸漬して化学酸化重合によりコンデン
    サ素子表面に粒子を取り込んだ複合導電性高分子層を形
    成することを特徴とする請求項2又は請求項4記載の固
    体電解コンデンサの製造方法。
  9. 【請求項9】 複合導電性高分子層の形成手段として、
    内部に予め導電性高分子層を形成したコンデンサ素子
    を、繊維を分散させたモノマー溶液に浸漬してコンデン
    サ素子表面にモノマー溶液を付着させた後、酸化剤溶液
    に浸漬して化学酸化重合によりコンデンサ素子表面に繊
    維を取り込んだ複合導電性高分子層を形成することを特
    徴とする請求項1又は請求項3記載の固体電解コンデン
    サの製造方法。
  10. 【請求項10】 複合導電性高分子層の形成手段とし
    て、内部に予め導電性高分子層を形成したコンデンサ素
    子を、粒子を分散させたモノマー溶液に浸漬してコンデ
    ンサ素子表面にモノマー溶液を付着させた後、酸化剤溶
    液に浸漬して化学酸化重合によりコンデンサ素子表面に
    粒子を取り込んだ複合導電性高分子層を形成することを
    特徴とする請求項2又は請求項4記載の固体電解コンデ
    ンサの製造方法。
  11. 【請求項11】 複合導電性高分子層の形成手段とし
    て、内部に予め導電性高分子層を形成したコンデンサ素
    子を、モノマー溶液に浸漬してコンデンサ素子表面にモ
    ノマー溶液を付着させた後、繊維を分散させた酸化剤溶
    液に浸漬して化学酸化重合によりコンデンサ素子表面に
    繊維を取り込んだ複合導電性高分子層を形成することを
    特徴とする請求項1又は請求項3記載の固体電解コンデ
    ンサの製造方法。
  12. 【請求項12】 複合導電性高分子層の形成手段とし
    て、内部に予め導電性高分子層を形成したコンデンサ素
    子を、モノマー溶液に浸漬してコンデンサ素子表面にモ
    ノマー溶液を付着させた後、粒子を分散させた酸化剤溶
    液に浸漬して化学酸化重合によりコンデンサ素子表面に
    粒子を取り込んだ複合導電性高分子層を形成することを
    特徴とする請求項2又は請求項4記載の固体電解コンデ
    ンサの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009218521A (ja) * 2008-03-13 2009-09-24 Sanyo Electric Co Ltd 固体電解コンデンサ

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