JP2000330330A - トナー、およびその作製方法 - Google Patents

トナー、およびその作製方法

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JP2000330330A JP13735699A JP13735699A JP2000330330A JP 2000330330 A JP2000330330 A JP 2000330330A JP 13735699 A JP13735699 A JP 13735699A JP 13735699 A JP13735699 A JP 13735699A JP 2000330330 A JP2000330330 A JP 2000330330A
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acid
resin
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dispersion
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Hiroyuki Tanaka
浩之 田中
Takashi Hara
敬 原
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電性、環境依存性、転写性、流動性に優
れ、かつ良好な画像を形成し得るトナーを提供すること
である。 【解決手段】 少なくとも樹脂と着色剤とを含有し、ト
ナー再分散試験により求めたNa+、K+、Ca2+、Mg
2+、およびNH4 +の総量が0.5〜7.5μmol価/
gであることを特徴とするトナーである。好ましくは、
トナー中における、溶媒の含有量が1〜500ppmで
あり、かつトナーの球形化度(SF1)が100〜15
0であることを特徴とする前記トナーである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法に用い
られるトナー、およびその作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法としては米国特許第2,29
7,691号明細書、特公昭42−23910号公報
(米国特許第3,666,363号明細書)等に記載さ
れているように、多数の方法が知られているが、一般に
は光導電性物質を利用した感光体層に種々の手段を用い
電気的な潜像を形成する露光工程、トナーを用いて現像
する工程、トナーを紙等の記録材に転写する工程、該ト
ナー画像を加熱、圧力、熱圧あるいは溶剤蒸気などによ
り記録材に定着する工程、感光体層に残存したトナーを
除去する工程といった基本工程から成り立っている。近
年、省電力や省資源のために、定着温度を低減するこ
と、および感光体上から紙へトナー画像を転写した後
に、感光体上に残存する未転写トナーの量を減らすこと
が検討されている。これらを実現する方法として、トナ
ーの材料を低溶融化する方法や、トナーの形状を球形化
する方法等がある。
【0003】ところで、電子写真用トナーの製造方法と
しては、混練粉砕法が従来知られており、一般的であ
る。混錬粉砕法は、トナーの配合成分を、混練し、その
後、粉砕して、所望の粒径のトナーを得る方法である。
混練粉砕法は、混錬を高温度で行うこと、および所望の
粒径にするために粉砕を行うため、トナー材料の低溶融
化、およびトナーの形状制御が困難である。これらを解
決するトナーの作製方法として、特開昭50−1206
32号公報、特開昭63−25664号公報、特開平5
−127422号公報、特開平8−179556号公報
等には、トナー成分を溶解した油性成分液を、水性媒体
中で粒子化し、溶媒除去後粉体化する、いわゆる液中乾
燥方法が提案されている。また、特公昭36−1023
1号公報等には、スチレンおよびその誘導体、α−メチ
レン脂肪族モノカルボン酸エステル類を代表例とする、
ラジカル重合可能な重合性単量体を含有する油性成分
を、水性媒体中で微粒子化し、重合後粉体化する、懸濁
重合法などの湿式製法が提案されている。前記液中乾燥
法および湿式製法は、トナー材料を低溶融化できる点、
およびトナーの形状制御が可能であり、トナーを容易に
球形化できる点で有利である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記液中乾燥
法等の湿式製法では、樹脂および着色剤を溶媒に分散ま
たは溶解させた分散液を用いてトナー粒子を生成する、
あるいは、着色剤を分散させた樹脂モノマーの分散液を
用いて、重合反応を行い、トナー粒子を生成するので、
樹脂や着色剤等の分散性を向上させるために、分散助剤
として、界面活性剤や無機微粒子を添加することが多
い。その結果、前記液中乾燥法等によって製造されるト
ナー粒子の表面には、分散助剤由来のイオン成分が残留
する場合がある。トナー粒子に残存するイオン成分は、
トナーの帯電性(特に環境依存性)、転写性、および流
動性を悪化させる原因となる。このような問題を解決す
るため、例えば、特開平7−319205号公報では、
前記湿式製法において製造されたトナーを再分散させた
水の電導度を1〜100μS/cmにし、高温高湿下で
のトナーの帯電性を改善している。また、特開平9−2
18532号公報では、前記湿式製法において製造され
たトナーに残存するアルカリ金属、またはアルカリ土類
金属の量を5重量%以下にすることで、高温高湿下での
トナーの帯電性を改善している。しかし、前記公報に記
載の方法では、充分な諸特性を有するトナーは得られて
いない。
【0005】本発明は、前記諸問題を解決することを目
的とする。即ち、帯電性、環境依存性、転写性、流動性
に優れ、かつ良好な画像を形成し得るトナー、およびそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。 (1) 少なくとも樹脂と着色剤とを含有し、トナー再
分散試験により求めたNa+、K+、Ca2+、Mg2+、お
よびNH4 +の総量が0.5〜7.5μmol価/gであ
ることを特徴とするトナー。 (2)トナー中における、残留溶媒量が1〜500pp
mであり、かつトナーの球形化度(SF1)が100〜
150であることを特徴とする(1)に記載のトナー。
【0007】(3) 樹脂および着色剤を溶媒に分散ま
たは溶解させた分散液を、水系媒体へ分散させた後、溶
媒を除去することによって、あるいは、樹脂のモノマー
を分散液中で重合することによって、樹脂を含有する粒
子を生成する工程を含むトナーの作製方法において、前
記分散液中に、少なくとも、酸に可溶な無機分散剤を添
加するとともに、生成した粒子を、該粒子の固形分重量
比が1〜30重量%になる量の酸で洗浄し、(1)に記
載のトナーを作製することを特徴とするトナーの作製方
法。 (4) 生成した粒子を、該粒子の固形分重量に対し
て、3倍以上の重量の水で洗浄することを特徴とする
(3)に記載のトナーの作製方法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のトナーは、トナー再分散
試験により求めたNa+、K+、Ca2+、Mg 2+、および
NH4 +の総量が0.5〜7.5μmol価/gであるこ
とを特徴とする。本明細書において、「トナー再分散試
験」とは、以下の試験をいう。まず、トナー3gを、メ
タノール3gと水20gとの混合溶媒中に分散させた
後、さらに、水80gを加えて室温(25℃)下に18
時間放置する。その後、0.45μm孔のフィルターに
通して、試料を調製する。次に、該試料をイオン分析計
(例えば、東亜電波工業社製「IA100」)で分析
し、Na+、K+、Ca2+、Mg2+、およびNH4 +を定量
し、分散液中の各々のイオンmol濃度を求める。次
に、各々のイオンの価数を、求めた各々のイオンmol
濃度に乗じた値を算出し、その総量を、トナー1gあた
りに換算する。
【0009】本発明のトナーは、前記トナー再分散試験
により求めたトナー1g当りの前記陽イオンの総量が、
0.5〜7.5μmol価/gであることが必要であ
り、好ましくは、1.0〜6.0μmol価/g、さら
に好ましくは、1.0〜4.5μmol価/gである。
トナー表面に、前記陽イオンが多量に存在すると、その
価は、大きくなり、高温高湿下での帯電性の低下、トナ
ー流動性の低下が起こり、良好な画像が得られなくな
る。特に、前記陽イオンの総量が、7.5μmol価/
gを超えるとトナー帯電性は、大幅に悪化する。また、
0.5μmol価/g未満では、低温低湿下での帯電性
が高くなり、帯電性の環境依存性が大きくなり、好まし
くない。
【0010】一般的に、帯電性等のトナー特性は、トナ
ー表面の状態に大きく影響される。本発明では、トナー
を水性媒体に再分散させ、水性媒体中のトナーから溶出
した陽イオンの総量を規定している。従って、主に、ト
ナー表面近傍の、トナー特性に大きく影響を与える陽イ
オンの量を規定することができ、例えば、トナーの全体
に含有される陽イオンの総量を規定するよりも、よりト
ナーの諸特性の向上に寄与でき、諸特性に優れたトナー
を提供することができる。尚、トナーの分散溶媒とし
て、メタノールと水との混合溶媒を用いているのは、乾
いたトナーは水には分散されないため、少量のメタノー
ルを加えることで、トナーを濡れ易くさせている。
【0011】本発明のトナーは、少なくとも樹脂と着色
剤とを含有する。本発明のトナーに含有される樹脂は、
特に制限されるものではなくトナー用のいわゆる結着樹
脂として一般に用いられる樹脂が使用できる。具体的に
は、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、
スチレン・アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹
脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン・酢
酸ビニル樹脂等が挙げられる。中でも、ポリエステル樹
脂を用いると、カラーの発色性がよく、定着時にシャー
プに溶融し、画像表面が平滑になるため、画質が良好に
なり易いので好ましい。
【0012】前記ポリエステル樹脂は、アルコール成分
と酸成分を重合単量体とする樹脂である。アルコール成
分の重合単量体としては、ポリオキシプロピレン(2,
2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチ
レン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2,0)−ポリ
オキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2,
0)−ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のジオール、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ポリエチレングルコール、プロピレング
リコール、ジプロピレングリコール、イソペンチルグリ
コール、ジプロピレングリコール、イソペンチルグリコ
ール、水添ビスフェノールA、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、キシリレングリコール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ビス−
(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート、トリス−
(β−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、2,2,
4−トリメチロールペンタン−1,3−ジオール等が挙
げられる。前記アルコール成分とともに、ヒドロキシカ
ルボン酸成分を加えることができる。ヒドロキシカルボ
ン酸としては、例えばp−オキシ安息香酸、バニリン
酸、ジメチロールプロピオン酸、リンゴ酸、酒石酸、5
−ヒドロキシイソフタル酸等が挙げられる。
【0013】酸成分の具体例としては、マロン酸、コハ
ク酸、グルタル酸、ダイマー酸、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、イソフタル酸ジメチルエステル、テ
レフタル酸ジメチルエステル、テレフタル酸モノメチル
エステル、テトラヒドロテレフタル酸、メチルテトラヒ
ドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ジメチルテトラ
ヒドロフタル酸、エンドメチレンヘキサヒドロフタル
酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ジフェノール酸、ト
リメリット酸、ピロメリット酸、トリメシン酸、シクロ
ペンタンジカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテト
ラカルボン酸、2,2−ビス−(4−カルボキシフェニ
ル)プロパン、トリメリット酸無水物と4,4−ジアミ
ノフェニルメタンから得られるジイミドカルボン酸、ト
リス−(β−カルボキシエチル)イソシアヌレート、イ
ソシアヌレート環含有ポリイミドカルボン酸、トリレン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート又はイ
ソホロンジイソシアネートの三量化反応物とトリメリッ
ト酸無水物から得られるイソシアネート環含有ポリイミ
ドカルボン酸などであり、これらの一種または二種以上
が使用される。
【0014】前記三価以上の多価カルボン酸、多価アル
コール等の架橋成分を用いると、トナーの定着強度、お
よび耐オフセット性等の安定性の点で好ましい場合があ
る。また、本発明のトナーに含有される樹脂として、前
記ポリエステル樹脂を二種類以上組み合せてもよいし、
更に他の樹脂を組み合せても良い。他の樹脂としては、
スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン・アクリル樹
脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フ
ェノール樹脂、テルペン樹脂、クマリン樹脂、アミド樹
脂、アミドイミド樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹
脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。尚、本
発明のトナー中には、ポリエステル樹脂を主成分とし
て、その他の樹脂はトナー中に0〜30重量部含有させ
るのが好ましい。
【0015】前記ポリエステル樹脂は、前記例示された
アルコール成分と酸成分、および所望により架橋成分
を、通常の縮重合によって製造することができる。本発
明のトナーに含有される樹脂としてポリエステル樹脂を
用いる場合は、ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、
40〜100℃であるのが好ましく、50〜80℃であ
るのがより好ましい。
【0016】本発明のトナーに含有される着色剤として
は、公知の有機、もしくは、無機の顔料や染料、油溶性
染料を使用することができる。例えばC.I.ピグメン
トレッド48:1、C.I.ピグメントレッド57:
1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメ
ントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー97、
C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメント
ブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、
ランプブラック(C.I.No.77266)、ローズ
ベンガル(C.I.No.45432)、カーボンブラ
ック、ニグロシン染料(C.I.No.50415
B)、金属錯塩染料、金属錯塩染料の誘導体これらの混
合物等を挙げることができる。また、シリカ、酸化アル
ミニウム、マグネタイトや各種フェライト類、酸化第二
銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化
チタン、および酸化マグネシウムなどの種々の金属酸化
物を単独で、もしくは2以上を組み合わせて用いること
ができる。尚、着色剤は、トナー中に、トナーが充分な
濃度の可視像を形成するのに充分な割合で含有させれば
よく、トナーの粒径や現像量に依存して、その好ましい
含有量も異なるが、一般的には、トナー100重量部に
対して1〜30重量部含有させるのが適切である。
【0017】本発明のトナーには、ワックス等の離型剤
を含有させてもよい。離型剤としては、ロウ類及びワッ
クス類を使用することができ、具体的には、カルナバワ
ックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワ
ックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾ
ケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、およびパラフ
ィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワ
ックス等が挙げられる。またこれら天然ワックスの外
に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレン
ワックス等の合成炭化水素ワックス、12−ヒドロキシ
ステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル
酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド、エステ
ル、ケトン、エーテル等の合成ワックスも使用できる。
さらに低分子量の結晶性高分子樹脂を使用してもよく、
例えば、ポリn−ステアリルメタクリレート、ポリn−
ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重
合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリ
レート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖
に長いアルキル基を有する結晶性高分子等を使用するこ
ともできる。中でも、パラフィンワックス、マイクロク
リスタリンワックス等の石油ワックスあるいは合成ワッ
クスを離型剤として用いるのが好ましい。これらの離型
剤は、そのまま用いても良いが、後述する湿式製法でト
ナーを製造する場合は、あらかじめ分散媒体中で微分散
させたものを用いることもできる。
【0018】本発明のトナーには、所望により、帯電制
御剤を含有させてもよい。帯電制御剤としては、安息香
酸の金属塩、サリチル酸の金属塩、アルキルサリチル酸
の金属塩、カテコールの金属塩、含金属ビスアゾ染料、
テトラフェニルボレート誘導体、第四級アンモニウム
塩、アルキルピリジニウム塩からなる群より選ばれる化
合物等が挙げられ、これらの化合物は1種、あるいは2
種以上を組み合わせて使用することができる。尚、トナ
ー中における前記帯電制御剤の含有量は、一般的には、
0.1重量%〜10重量%であり、好ましくは、0.5
〜8重量%である。0.1重量%未満であると、帯電制
御効果が不十分になる場合があり、また10重量%を越
えると、トナー抵抗が過度に低下し、画像形成プロセス
に使用困難になる場合がある。
【0019】本発明のトナー中には、前記帯電制御剤と
ともに、金属石鹸、無機または有機金属塩等のクリーニ
ング助剤を併用してもよい。前記金属石鹸としては、ト
リステアリン酸アルミニウム;ジステアリン酸アルミニ
ウム;バリウム、カルシウム、鉛、または亜鉛のステア
リン酸塩;コバルト、マンガン、鉛、または亜鉛のリノ
レン酸塩;アルミニウム、カルシウム、またはコバルト
のオクタン酸塩;カルシウム、またはコバルトのオレイ
ン酸塩;パルミチン酸亜鉛;カルシウム、コバルト、マ
ンガン、鉛、または亜鉛のナフテン酸塩;カルシウム、
コバルト、マンガン鉛、または亜鉛のレジン酸塩;等を
挙げることができる。また、前記無機及び有機金属塩と
しては、例えばカチオン性成分として、周期律表の第I
A族、第IIA族、および第IIIA族の金属からなる群よ
り選ばれる元素のカチオンを含み、アニオン性成分とし
て、ハロゲン、カーボネート、アセテート、サルフェー
ト、ボレート、ニトレート、およびホォスフェートから
なる群より選ばれるアニオンを含む塩等が挙げられる。
尚、前記帯電制御、および前記クリーニング助剤は、一
般的には、トナー中に0.1重量%〜10重量%含有さ
せるのが好ましく、0.1〜5重量%含有させるのがよ
り好ましい。0.1重量%未満であると、所望する効果
が不十分になる場合があり、一方、10重量%を越える
と、トナー粉体流動性の低下等を引き起こし、画像形成
プロセスに、使用困難になる場合がある。
【0020】本発明のトナーには、外添剤を外添しても
よい。外添剤としては、シリカ、チタニア、酸化マグネ
シウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、アルミナ等の無
機微粉末、およびフッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ
エステル樹脂等の有機微粉末が挙げられる。尚、外添剤
が添加されたトナーを前記再分散試験する場合は、外添
剤を除いた状態で、トナーをメタノールと水との前記混
合溶媒に分散させればよい。
【0021】本発明のトナー(トナーに外添剤が外添さ
れている場合は、外添剤を除いた粒子)の形状は、転写
性の観点から、形状係数(SF1)が100〜150で
あるのが好ましく、100〜120であるのがより好ま
しい。トナーの形状係数SF1は、画像解析装置(例え
ば、「LuzexIII」、ニレコ社製)を用いて、トナ
ーの粒子100個について、各々、絶対長、および投影
面積を解析し、下記式より算出して得られる値を、平均
した値である。 SF1={(トナー粒子の絶対最大長)2/(トナー粒
子の投影面積)}×π×1/4×100
【0022】本発明のトナーは、液中乾燥法あるいは重
合法等の湿式製法にて製造するのが好ましい。湿式製法
は、混錬粉砕法等の乾式製法と比較して、トナーの球形
化などの形状制御が容易である点で好ましい。また、本
発明のトナーを多色画像用のトナーにする場合は、含有
される樹脂としては、低温度で溶融化するポリエステル
樹脂を用いるのが好ましいが、液中乾燥法は、ポリエス
テル樹脂を含有するトナーを容易に製造できること、お
よび様々なワックスをトナー中に含有させられるなどの
点から、特に好ましい。前記液中乾燥法とは、樹脂およ
び着色剤を溶媒に分散または溶解させた分散液を、水系
媒体へ分散させた後、前記分散液を細かく分散し、さら
に溶媒を除去することによって樹脂からなるトナー粒子
を製造する方法である。一方、重合法は、樹脂のモノマ
ーを水系媒体に分散させた分散液中で、前記モノマーを
重合することによって、少なくとも樹脂を含有する粒子
を生成する工程を含むトナーの製造方法である。重合の
形態としては、懸濁重合、乳化重合、および分散重合等
のいずれであってもよいが、中でも、懸濁重合により製
造するのが好ましい。前記湿式製法において、着色剤
は、分散液中に樹脂あるいは樹脂のモノマーとともにあ
らかじめ分散させておくのが望ましい。液中乾燥法にお
いては、樹脂の凝集粒子が生成した後、凝集粒子の分散
液に着色剤の分散液を添加し、凝集粒子に該着色剤の分
散粒子を加熱融合させてもよい。
【0023】前記液中乾燥法、および重合法等の湿式製
法では、粒径および粒径の分布を制御するために、分散
液中に分散剤や分散助剤等が用いられる。分散剤として
は、例えば、無機の炭酸カルシウム、リン酸三カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、ヒドロキシアパ
タイト、珪酸ケイソウ土、および粘土等が挙げられる。
また、前記無機の分散剤とともに有機の分散剤を併用し
てもよく、具体的には、セルロース誘導体(例えばカル
ボキシメチルセルロースのアルキルエステル、ヒドロキ
シメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等、
合成高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸塩、ポリメ
タクリル酸塩、ポリマレイン酸塩、ポリスチレンスルフ
ォン酸塩)等が挙げられる。また、分散安定補助剤とし
ては、各種界面活性剤等が使用できる。
【0024】前記湿式製法において、分散液中に添加さ
れる前記分散剤および分散助剤は、凝集または重合によ
り生成するトナー粒子中に残留し、製造されたトナーの
諸特性を低下させる。従って、本発明のトナーを製造す
る場合に、前記無機分散剤等を使用した場合は、トナー
再分散試験により求められる陽イオンの総量が、前記範
囲になるように、前記無機分散剤等を除去する必要があ
る。前記炭酸カルシウムやリン酸三カルシウム等の無機
分散剤は、酸に可溶であるので、塩酸等の酸で、無機分
散剤等を溶解させて除去する、酸処理が効果的である。
前記酸処理には、トナー粒子の固形分重量比が1〜30
重量%になる量の酸を使用するのが好ましい。トナー粒
子の固形分重量比が1重量%未満であると、酸処理に多
量の酸が必要になり、トナーの製造効率が大幅に減少す
る。一方、トナー粒子の固形分重量比が30重量%未満
であると、酸処理の際に、酸に不溶または難溶成分が析
出して、トナー粒子表面および無機分散剤表面に付着
し、これらの除去が困難になる。より好ましくは、トナ
ー粒子の固形分重量比が5〜20重量%になる量の酸を
使用する。酸処理は、多数回行ってもよい。また、酸と
しては、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸を使用することが
でき、酸処理時の酸のpHは1〜5であるのが好まし
い。
【0025】また、前記酸処理の前に、トナー粒子中の
酸に不溶または難溶の成分を、あらかじめ除去するのが
好ましい。前記酸処理前に、トナー粒子の固形分重量に
対して、3倍以上の水で洗浄するのが好ましい。水に可
溶で、酸に不溶または難溶の成分としては、カルボン酸
塩等が挙げられる。例えば、カルボン酸のナトリウム塩
は、水に可溶であるが、酸処理すると難溶化し、カルシ
ウムイオン等の存在によって、さらに不溶化すると考え
られる。尚、水の洗浄は、多数回行ってもよい。また、
水による洗浄は、酸処理の前に行ってもよく、酸処理の
前後で行ってもよい。また、これらの難溶化物を除去す
るために、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液で洗浄
し、難溶化物を可溶な状態に戻して除去するのも効果的
である。
【0026】前記液中乾燥法や前記重合法の湿式製法で
は、トナー中に、有機溶媒やモノマーが残留することが
あるが、トナー中に多量の残留溶媒が残っていると、保
存安定性やトナー特性が低下する場合がある。トナー中
の残留溶媒量は、1〜500ppmであるのが好まし
く、1〜250ppmであるのがより好ましい。トナー
中の残留溶媒量は、例えば、液中乾燥法では、トナー粒
子が生成した後、溶媒を除去する際の減圧条件や加熱条
件を調整することによって低減することができる。尚、
トナー中の残留溶媒量の測定方法は、トナー1重量部
と、2−プロパノール2重量部とを混合し、超音波で3
0分間分散させた後、該分散液を冷蔵庫に1日以上保存
して、トナー中の残留溶媒を抽出する。その後、分散液
の上澄み液をガスクロマトグラフィで分析し、定量し、
これを残留溶媒量とする。測定条件を以下に示す。 装置 : 「GC−14A」(島津製作所) カラム : 「CBP20−M 50−0.25」(島津製作所) 検出器 : FID 注入量 : 1〜5μl キャリアガス : He 2.5kg/cm2 水素流量 : 0.6kg/cm2 空気流量 : 0.5kg/cm2 チャートスヒ゜ート゛ : 5mm/min 感度 : Range 「10×Atten20」 カラム温度 : 40℃ インシ゛ェクション温度 : 150℃
【0027】本発明のトナーは、単独で、一成分系の静
電荷現像用現像剤として、あるいは、キャリアと組み合
わせて、ニ成分系の静電荷現像用現像剤として使用する
ことができる。組み合わせるキャリアとしては、特に制
限はなく、例えば、フェライト等の磁性体を樹脂等で被
覆したキャリアを使用することができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
より詳細に説明するが、下記の実施例および比較例によ
って、本発明がなんら限定されるものではない。なお、
実施例及び比較例において、「部」は「重量部」を意味
する。 <実施例1> (A)シアン顔料分散液Cの作製 以下の手順でシアン顔料分散液Cを調製した。 1.銅フタロシアニン顔料 : 25部(C.I.ピグ
メントブルー15:3、シアニンブルー4933M(大
日精化社製)) 2.酢酸エチル : 75部 前記材料に、ガラスビーズを加えサンドミル分散機に装
着した。分散容器回りを冷却しながら、高速撹拌モード
で3時間分散し顔料分散液を調製した。
【0029】(B)微粒子化ワックスの作製 以下の手順で微粒子化ワックスの分散液Wを調製した。 1.パラフィンワックス : 10部(融点:85
℃,融解潜熱:193mJ/mg) 2.酢酸エチル : 90部 前記材料を、撹拌羽根が装着され、容器回りに熱媒を循
環させる機能を有する分散機に投入した。毎分83回転
で撹拌しながら、徐々に温度を上げてゆき、最後に10
0℃に保ったまま3時間撹拌した。次に撹拌を続けなが
ら毎分約2℃の割合で室温まで冷却し、微粒子化したワ
ックスを析出させた。レーザ回折/散乱粒度分布測定装
置「LA−700」(堀場製作所)を用いて測定したと
ころ、ワックスの平均粒度は約1.2μmであった。こ
のワックス分散液を高圧乳化機APV GAULIN
HOMOGENIZER 15MR型を用い、圧力50
0kg/cm2で再度分散を行った。同様に、ワックス
粒度を測定したところ0.8μmであった。作製した微
粒子化ワックスの分散液は、ワックスの重量濃度が10
重量%濃度になるように酢酸エチルで希釈した。
【0030】(C)シアントナー油相の作製 以下の手順でシアントナー油相を調製した。 1.ポリエステル樹脂 : 50部(ビスフ
ェノールAプロピレンオキサイド付加物/ビスフェノー
ルAエチレンオキサイド付加物/テレフタル酸の共重
合、Tg:67℃、軟化点:102℃、重量平均分子
量:9000) 2.シアン顔料分散液C : 20部(顔料濃
度 25%) 3.微粒子化ワックスの分散液W : 50部(ワック
ス濃度10重量%) 4.酢酸エチル : 30部 前記材料を、ホモミキサー(「エースホモジナイザ
ー」、日本精機社製)に投入し、毎分15000回転で
2分間撹拌し、均一シアントナー油相を調製した。
【0031】(D)水相の作製 以下の手順で炭酸カルシウム水溶液Dを調製した。 1.炭酸カルシウム : 60部(平均粒径0.03ミ
クロン) 2.純水 : 40部 前記材料を、ボールミルで4日間撹拌した。前記レーザ
回折/散乱粒度分布測定装置「LA−700」(堀場製
作所)を用いて炭酸カルシウムの平均粒度を測定すると
約0.08μmであった。一方、以下の組成のカルボキ
シメチルセルロース水溶液Dを調製した。 1.カルボキシルメチルセルロース : 2部(セロゲ
ンBSH;第一工業製薬) 2.純水 :98部
【0032】 (E)シアントナー製造方法 1.シアントナー油相C : 60部 2.炭酸カルシウム水溶液D : 10部 3.カルボキシルメチルセルロース水溶液D : 30部 4.純水 : 80部 前記材料をコロイドミル(日本精機社製)に投入し、ギ
ャップ間隔1.5mm、毎分8000回転で20分間乳
化を行った。次に、前記乳化物を、ロータリーエバポレ
ータに投入、室温30mmHgの減圧下で3時間、溶媒
の除去を行った。脱溶媒後、遠心沈降を行い、上澄みを
除去した後、得られた粒子の量に対して5倍量の水を加
え、再び遠心沈降を行い、上澄みを除去した。この操作
を2回繰り返した後、得られた粒子の固形分重量比が5
重量%になる量の水を加えた後、12N塩酸を、液のp
Hが2になるまで加え、酸処理を行った。その後、遠心
沈降を行い、その上澄みを3回交換して洗浄した後、乾
燥してトナーを得た。コールターカウンターTA−II型
(コールター社製)を用いて測定したところ、得られた
トナーの体積平均粒径は7.5μm、体積平均粒度分布
指標GSD((d84/d160.5)は1.21、形状係
数SF1は117であった。
【0033】<実施例2>実施例1で、着色剤として用
いた銅フタロシアニン顔料を、C.I.ピグメントレッ
ド57に代えた以外は、実施例1のシアン顔料分散液の
作製と同様に、マゼンタ顔料分散液Mを作製した。ま
た、実施例1のシアントナー油相の作製において使用し
たシアン顔料分散液C 20部を、マゼンタ顔料分散液
M 25部に代えた以外は、同様にマゼンタトナー油相
を作製した。
【0034】 (E)マゼンタトナー製造方法 1.マゼンタトナー油相 : 60部 2.炭酸カルシウム水溶液D : 12部 3.カルボキシルメチルセルロース水溶液D : 30部 前記材料をコロイドミル(日本精機社製)に投入し、ギ
ャップ間隔1.5mm、毎分8000回転で20分間乳
化をおこなった。次に前記乳化物を、ロータリーエバポ
レータに投入、室温30mmHgの減圧下で3時間、溶
媒の除去を行った。脱溶媒後、遠心沈降を行い、上澄み
を除去した後、得られた粒子の量に対して、5倍量の水
を加え、遠心沈降した後、上澄み液を除去した。次に、
得られた粒子の固形分重量比が10重量%になる量の水
を加えた後、12N塩酸を、液のpHが2になるまで加
え、酸処理を行った。その後、遠心沈降を行い、その上
澄みを3回交換して洗浄した後、乾燥してトナーを得
た。実施例1と同様に測定したところ、トナーの体積平
均粒径は6.8μm、体積平均粒度分布指標GSDは
1.24、形状係数SF1は121であった。
【0035】<実施例3> (A)イエロー顔料分散液Yの作製 1.C.I.ピグメントイエロー17 : 20部(大
日精化社製) 2.酢酸エチル : 80部 前記材料に、ガラスビーズを加えサンドミル分散機に装
着した。分散容器回りを冷却しながら、高速撹拌モード
で3時間分散しイエロー顔料分散液Yを調製した。
【0036】(B)イエロートナー油相の作製 1.スチレンアクリル樹脂 : 85部(Tg:65
℃、重量平均分子量:200000) 2.イエロー顔料分散液Y : 50部(顔料濃度20
重量%) 3.微粒子化ワックスの分散液W(実施例1と同様):
50部(ワックス濃度10重量%) 4.酢酸エチル : 15部 前記材料組成の油相を、ホモミキサー(「エースホモジ
ナイザー」、日本精機社製)に投入し、毎分15000
回転で2分間撹拌し、均一なイエロートナー油相を調製
した。
【0037】(C)水相の作製 1.リン酸三カルシウム : 60部(平均粒径0.0
9ミクロン) 2.純水 : 40部 前記材料をボールミルで4日間撹拌した。前記レーザ回
折/散乱粒度分布測定装置「LA−700」(堀場製作
所)を用いて測定したところ、リン酸三カルシウムの平
均粒度は、約0.02μmであった。また、別途、ポリ
ビニルアルコール(重合度2000)の2重量%水溶液
を調製した。
【0038】(D)イエロートナーの作製方法。 1.イエロートナー油相 : 60部 2.リン酸三カルシウム水溶液 : 10部 3.ポリビニルアルコール水溶液: 30部 4.純水 : 60部 前記材料をコロイドミル(日本精機社製)に投入し、ギ
ャップ間隔1.5mm、毎分8000回転で20分間乳
化を行った。次に、前記乳化物を、ロータリーエバポレ
ータに投入、室温30mmHgの減圧下で3時間、溶媒
の除去を行った。脱溶媒後、遠心沈降を行い、上澄みを
除去した後、トナー量の2倍量の水を加え、遠心沈降
し、上澄み液を除去した。この操作を2回繰り返した
後、トナーの固形分比が25%になる量の水を加えた
後、12N塩酸を、液のpHが2になるまで加え、トナ
ーの酸処理を行った。その後、遠心沈降を行い、その上
澄み液を3回交換して洗浄した後、乾燥してトナーを採
取した。得られたトナーの体積平均粒度は7.9μm、
体積平均粒度分布指標GSDは1.32、形状係数SF
1は125であった。
【0039】<実施例4> (A)モノマー顔料分散液の作製 以下の手順でモノマーブラック顔料分散液Kを調製し
た。 1.スチレン : 80部 2.ブチルメタクリレート : 20部 3.カーボンブラック : 5部(「#400
0」、三菱化学製) 4.重合開始剤 : 4部(2,2‘アゾ
ビス(2−メチルプロピオニトリル)) 前記組成の分散液に、ガラスビーズを加えボールミル分
散機に装着した。室温で10時間分散し、モノマー顔料
分散液Kを調製した。
【0040】(B)水相の作製 以下の手順で水相を調製した。 1.リン酸三カルシウム : 6部(平均粒径
0.03ミクロン) 2.純水 : 292部 3.メチルセルロース : 2部 前記組成物を、ボールミルで4日間分散を行い、水相を
調製した。
【0041】(C)トナー製造方法 1.モノマー顔料分散液 : 100部 2.水相 : 350部(リン酸三カ
ルシウム分散液) 前記混合液を、ホモミキサー(エースホモジナイザー、
日本精機社製)に投入し、毎分15000回転で2分間
撹拌し、均一に分散させた後、反応容器で、85℃で6
時間重合を行った。重合終了後、遠心沈降を行い、上澄
み液を除去した。その後、得られた粒子の量の4倍量の
水を加え、再び、遠心沈降を行い、上澄み液を除去した
後、得られた粒子の固形分重量比が15重量%になる量
の水を加えた後、12N塩酸を、液のpHが2になるま
で加え、酸処理を行った。その後、遠心沈降を行い、そ
の上澄み液を、3回交換して洗浄した後、乾燥してトナ
ーを得た。得られたトナーの体積平均粒径は8.1μ
m、体積平均粒度分布指標GSDは1.34、形状係数
SF1は124であった。
【0042】<実施例5〜7>実施例1の脱溶媒時間の
3時間を2.5時間に変更し、酸処理前の洗浄水の量お
よび酸処理時の得られた粒子の固形分重量比を、下記表
1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にトナ
ーを作製した。
【0043】<比較例1>実施例1の酸処理時の、得ら
れた粒子の固形分重量比を、40重量%にした以外は、
実施例1と同様にトナーを作製した。得られたトナーの
体積平均粒径は7.7μm、体積平均粒度分布指標GS
Dは1.24、形状係数SF1は119であった。 <比較例2>実施例2の酸処理前の水洗浄の際の水の量
を、トナーの2倍量で行ったこと以外は、実施例2と同
様にトナーを作製した。得られたトナーの体積平均粒度
は6.9μm、体積平均粒度分布指標GSDは1.2
3、形状係数SF1は121であった。
【0044】実施例1〜実施例7、およ比較例1〜比較
例2で得られたトナーについて、前記再分散試験を行っ
て求めた、Na+、K+、Ca2+、Mg2+、およびNH4 +
の各々のモル濃度、およびトナー1g当りの前記陽イオ
ンの総量を表1に示す。また、酸処理時のトナーの固形
分重量比、および酸処理前の水洗浄時の水量、および残
留溶媒量(残留溶媒量は、ガスクロマトグラフィで測定
した。測定条件および試料の調製条件については、前記
と同様である。また、下記の実施例8および実施例9に
ついても同様である。)を表1に示す。また、各々のト
ナーの体積平均粒度分布、体積平均粒度分布指標GS
D、および形状係数を表2に示す。
【0045】さらに、実施例1〜実施例7、およ比較例
1〜比較例2の各々のトナーについて、以下の評価を行
った。評価結果を表3に示す。 (1)画質評価 各々のトナー100部に、シリカ(「R972」、日本
エアロジル(株)製)1部を加えてサンプルミルで1分
間混合した。このトナーを「A−Color635」
(富士ゼロックス(株)製)の改造機の現像装置に装填
し、1000枚コピーして、画像を形成した。初期画
像、および1000枚コピー後の画像の画像濃度を、目
視により以下の基準で官能評価した。 ○ : 充分な画像濃度を有し、高画質であった。 △ : 若干画像濃度は低いが、実用上問題ない画質で
あった。 × : 充分な画像濃度が得られず、画質が劣ってい
た。
【0046】(2)トナー帯電性評価 トナー10gとポリメタクリル酸メチルで表面を被覆し
たフェライトキャリア100gを、温度20℃湿度50
%の低温低湿環境下で混合し、ブローオフ法にてトナー
の帯電量を測定した。同様に温度28℃、湿度80%の
高温高湿環境下で混合し、ブローオフ法にてトナーの帯
電量を測定した。
【0047】(3)転写性の評価 記録紙に転写した直後の、感光体上に残存するトナー
を、テープで貼付け採取し、採取されたトナーの量を、
目視により、以下の基準で評価した。 〇 : トナーの残存がなかった。 △ : 微量のトナーの残存が認められたが、実用上問
題なかった。 × : 多量のトナーの残存が認められた。
【0048】(4)流動性の評価 トナー1gを149μmの金属ふるい上に採取し、振動
を加えた後にメッシュに残るトナーを、目視により、以
下の基準に従い評価した。 ○ : トナーはほとんど残存しなかった。 △ : 少量のトナーの残存が認められた。 × : 多量のトナーの残存が認められた。
【0049】<実施例8>以下の材料を溶融混練法を用
いて混練し、粉砕後分級し、体積平均粒径7.8μm、
体積平均粒度分布指標GSDが1.30、形状係数SF
1が152のトナーを得た。 1.スチレンアクリル樹脂 : 85部(Tg;65
C,重量平均分子量;200000) 2.イエロー顔料 : 10部(C.I.ピグ
メントイエロー1(大日精化社製)) 3.パラフィンワックス : 5部(融点:85
℃)
【0050】<実施例9>実施例2の脱溶媒時間を2時
間にした以外は、実施例2と同様にトナーを作製した。
【0051】実施例8および9で作製したトナーについ
て、トナー再分散試験を行った結果の各陽イオンのモル
濃度、トナー1g当りの陽イオンの総量、酸処理時のト
ナーの固形分重量比、酸処理前の水洗浄時の水量、およ
び残留溶媒量を表1に示す。また、トナーの体積平均粒
径、体積平均粒度分布指標GSD、および形状係数を表
2に示す。実施例8および9についても、実施例1〜7
と同様に、画質評価、転写性評価、および流動性評価を
行った。実施例8は、形状係数が好ましい範囲にないた
め、実施例1〜7と比較して、転写性が若干低く、10
00枚コピー以降の画像の画質は、若干低下していた。
また、実施例9は、トナー中の残留溶媒量が好ましい範
囲になかったため、実施例1〜7と比較して、帯電性お
よび流動性が若干低く、1000枚コピー以降の画像の
画質は、若干低下していた。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、トナー表面の陽イオン
量を制御することによって、環境依存性が小さく、優れ
た帯電性、転写性および流動性を有するトナーを提供す
ることができる。また、高画質な画像、特に、カラー画
像を長期にわたり安定して形成し得るトナーを提供する
ことができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも樹脂と着色剤とを含有し、ト
    ナー再分散試験により求めたNa+、K+、Ca2+、Mg
    2+、およびNH4 +の総量が0.5〜7.5μmol価/
    gであることを特徴とするトナー。
  2. 【請求項2】 樹脂および着色剤を溶媒に分散または溶
    解させた分散液を、水系媒体へ分散させた後、溶媒を除
    去することによって、あるいは、樹脂のモノマーを分散
    液中で重合することによって、樹脂を含有する粒子を生
    成する工程を含むトナーの作製方法において、 前記分散液中に、少なくとも、酸に可溶な無機分散剤を
    添加するとともに、生成した粒子を、該粒子の固形分重
    量比が1〜30重量%になる量の酸で洗浄し、請求項1
    に記載のトナーを作製することを特徴とするトナーの作
    製方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007072327A (ja) * 2005-09-09 2007-03-22 Ricoh Co Ltd トナーの製造方法及びトナー
US7241544B2 (en) 2004-04-12 2007-07-10 Konica Minolta Holdings, Inc. Image forming method
JP2013200500A (ja) * 2012-03-26 2013-10-03 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法
US9285700B2 (en) 2013-11-25 2016-03-15 Fuji Xerox Co., Ltd. Liquid developer, particles for liquid developer, and liquid developer accommodation container

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