JP2000330312A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置

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JP2000330312A
JP2000330312A JP11140046A JP14004699A JP2000330312A JP 2000330312 A JP2000330312 A JP 2000330312A JP 11140046 A JP11140046 A JP 11140046A JP 14004699 A JP14004699 A JP 14004699A JP 2000330312 A JP2000330312 A JP 2000330312A
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孝和 田中
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G2261/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbon-to-carbon link in the main chain of the macromolecule
    • C08G2261/30Monomer units or repeat units incorporating structural elements in the main chain
    • C08G2261/31Monomer units or repeat units incorporating structural elements in the main chain incorporating aromatic structural elements in the main chain
    • C08G2261/312Non-condensed aromatic systems, e.g. benzene

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  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度が弱く、かつ直接帯電による放
電に対する耐電気特性が悪く、耐久による表面荒れによ
る傷のために、長期にわたって画像欠陥のない画像を形
成することが困難である。 【解決手段】 支持体上に感光層を有する電子写真感光
体において、電子写真感光体の表面層がポリフェニレン
樹脂及びフッ素樹脂フィラーを含有することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体、
電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子
写真装置に関し、詳しくは特定の樹脂を含有する表面層
を有する電子写真感光体、電子写真感光体を有するプロ
セスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方法は米国特許第2297691号公
報に示されるように画像露光の間に受けた照射量に応じ
て電気抵抗が変化しかつ暗所では絶縁性の物質をコーテ
ィングした支持体よりなる光導電性材料を用いる。この
光導電性材料を用いた電子写真に要求される基本的な特
性としては(1)暗所で適当な電位に帯電できること、
(2)暗所において電位の散逸が少ないこと及び(3)
光照射によって速やかに電荷を散逸せしめること等が挙
げられる。
【0003】従来より電子写真感光体としてはセレン、
酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機光導電性化合物を主
成分とする感光層を有する無機感光体が広く使用されて
きた。しかしこれらは前記(1)〜(3)の条件は満足
するが熱安定性、耐湿性、耐久性、生産性において必ず
しも満足できるものではなかった。
【0004】無機感光体の欠点を克服する目的で様々な
有機光導電性化合物を主成分とする電子写真感光体の開
発が近年盛んに行われている。例えば米国特許3837851
号公報にはトリアリルピラゾリンを含有する電荷輸送層
を有する感光体、米国特許3871880号公報にはペリレン
顔料の誘導体からなる電荷発生層と3-プロピレンとホ
ルムアルデヒドの縮合体からなる電荷輸送層とからなる
感光体等が公知である。
【0005】さらに有機光導電性化合物はその化合物に
よって電子写真感光体の感光波長域を自由に選択するこ
とが可能であり、例えばアゾ顔料では特開昭61-272754
号公報、特開昭56-167759号公報に示された物質は可視
領域で高感度を示すものが開示されておりまた、特開昭
57-19567号公報、特開昭61-228453号公報で示された化
合物は赤外領域まで感度を有していることが示されてい
る。
【0006】これらの材料のうち赤外領域に感度を示す
ものは近年進歩の著しいレーザービームプリンター(以
下LBPと略す)やLEDプリンターに使用されその需要頻度
は高くなってきている。
【0007】これら有機光導電性化合物を用いた電子写
真感光体は電気的、機械的双方の特性を満足させるため
に電荷輸送層と電荷発生層を積層させた機能分離型の感
光体として利用される場合が多い。一方当然のことなが
ら電子写真感光体には適用される電子写真プロセスに応
じた感度、電気的特性、さらには光学的特性を備えてい
ることが要求される。
【0008】特に繰り返し使用される電子写真感光体に
おいてはその電子写真感光体表面にはコロナまたは直接
帯電、画像露光、トナー現像、転写工程、表面クリーニ
ングなどの電気的、機械的外力が直接加えられるためそ
れらに対する耐久性も要求される。
【0009】具体的には帯電時のオゾン、及び窒素酸化
物による電気的劣化や、帯電時の放電、クリーニング部
材の摺擦によって表面が摩耗したり傷が発生したりする
機械的劣化、電気的劣化にたいする耐久性が求められて
いる。
【0010】電気的劣化は光が照射した部分にキャリア
ーが滞留し光が照射していない部分と電位差が生じる現
象が特に問題でありこれはフォトメモリーとして生じ
る。
【0011】機械的劣化は特に無機感光体と異なり物質
的に柔らかいものが多い有機感光体には機械的劣化にた
いする耐久性が劣り耐久性向上は特に切望されているも
のである。
【0012】上記のような感光体に要求される耐久特性
を満足させるためにいろいろ試みがなされてきた。
【0013】表面層によく使用され摩耗性、電気特性に
良好な樹脂としてはビスフェノールAを骨格とするポリ
カーボネート樹脂が注目されているが、前述したような
問題点すべてを解決できるわけでもなく次のような問題
点を有している。 (1)溶解性に乏しくジクロロメタンや1.2-ジクロロエ
タンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素類の一部にしか良
好な溶解性を示さないうえ、これらの溶剤は低沸点のた
め、これらの溶剤で調製した塗工液を用いて感光体を製
造すると塗工面が白化しやすい。塗工液の固形分管理な
どにも手間がかかる。 (2)ハロゲン化脂肪族炭化水素類以外の溶剤にたいし
てはテトラヒドラフラン、ジオキサン、シクロヘキサン
ノンあるいはそれらの混合溶剤に一部可溶であるが、そ
の溶液は数日でゲル化するなど経時性が悪く感光体製造
には不向きである。 (3)さらに上記(1)、(2)が改善されたとしてもビ
スフェノールAを骨格とするポリカーボネート樹脂には
ソルベントクラックが発生しやすい。 (4)加えて従来のポリカーボネート樹脂では該樹脂で
形成された被膜に潤滑性がないため感光体に傷が付きや
すく電子写真感光体の摩耗量を低くするようなクリーニ
ング設定では画像欠陥になったり、クリーニングブレー
ドの早期の劣化によるクリーニング不良、トナー融着な
どが生じてしまうことがあった。
【0014】前記(1)、(2)に挙げた溶液安定性につ
いてはポリマーの構造単位として嵩高いシクロヘキシレ
ン基を有するポリカーボネートZ樹脂を使用するか、ビ
スフェノールZ、ビスフェノールCなどと共重合させるこ
とによって解決されてきた。
【0015】ソルベントクラックについても特開平6-51
544、特開平6-75415に開示されているようにシリコーン
変成ポリカーボネート、エーテル変成ポリカーボネート
を用いることにより解決することが可能である。ところ
がこれら変成ポリカーボネートは従来のポリカーボネー
ト樹脂に比べソルベントクラックを対策するためにポリ
マー内の内部応力に対して柔軟性をもしている構造をと
っているため、結果、重合体本体の機械的強度が低下す
るという欠点があった。
【0016】また、強度の向上のために特開平5-323630
公報に開示されているように、アリル基をもつポリカー
ボネート樹脂を熱あるいはエネルギーにて架橋させてい
るが、この場合でも電荷輸送材料が低分子状態でいるた
め、強度の面やクラックの面で改善の余地が残されてい
た。
【0017】さらに近年、特開昭57-17826公報、特開昭
58-40566公報に開示してあるような帯電部材に直接電圧
をかけ電子写真感光体に電荷を印加する直接帯電方式が
主流となりつつある。
【0018】これは導電ゴムなどで構成されたローラー
状の帯電部材を直接電子写真感光体に当接させ電荷を印
加する方法であり、スコロトロンなどに比べ、オゾン発
生量が格段に少ない、スコロトロンは帯電器に流す電流
の80%前後はシールドに流れるため浪費されるのに対し
て、直接帯電はこの浪費分がなく非常に経済的である、
などのメリットをもつ。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかし、直接帯電はパ
ッシェン則による放電による帯電のため帯電安定性が非
常に悪いという欠点をもつ。この対策として直流電圧に
交流電圧を重畳させた、いわゆるAC/DC帯電方式が考案
されている(特開昭63-149668公報)。
【0020】この帯電方式により帯電時の安定性は良化
したがACを重畳するために電子写真感光体表面の放電量
は大幅に増大してしまい電子写真感光体の削れ量が増加
してしまうという欠点を新たに生じてしまい機械的強度
のみならず電気的強度も要求されるようになってきた。
【0021】本発明の目的は、従来の表面層が有してい
た問題点を解決し、機械的強度が強く、かつ直接帯電に
よる放電に対する耐電気特性が良好であり、耐久による
表面荒れが小さくかつ傷が付きにくく、長期にわたって
画像欠陥のない画像の得られる電子写真感光体、電子写
真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装
置を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、支
持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該電
子写真感光体の表面層が、ポリフェニレン樹脂及びフッ
素樹脂フィラーを含有することを特徴とする。
【0023】本発明に用いるポリフェニレン樹脂とは、
重合体の主鎖が置換基として様々な有機基を有してもよ
いフェニレンを繰り返し単位とする樹脂である。
【0024】本発明に用いるポリフェニレン樹脂は、主
鎖の構造がポリフェニレン構造である為、高い結晶性を
有し、高分子膜を形成する際、剛直な構造となる為機械
的強度が高く、また広い共役系を有している為電気的に
も強いものと考えられる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明においては、電子写真特性
及び溶解性の点でポリフェニレン樹脂が下記式(1)で
示される構成単位を有することが好ましい。
【0026】
【化3】 (式中R1乃至R5は同一または異なっていてもよい、水
素原子、フッ素原子または、置換もしくは無置換のアル
キル基を示し、R6乃至R8は同一または異なっていても
よい、水素原子、フッ素原子または、置換もしくは無置
換のアルキル基を示す。) 式(1)においてアルキル基としてはメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチ
ル基、ヘキシル基、及びオクチル基等が挙げられる。ア
ルキル基が有してよい置換基としてはフッ素原子、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、t−ブチル基、ヘキシル基、及びオクチル基等のア
ルキル基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基が
挙げられる。
【0027】また、本発明においては、ポリフェニレン
樹脂が式(1)で示される構成単位を2種以上有してい
てもよい。
【0028】さらに本発明においては、ポリフェニレン
樹脂が式(1)以外の構成単位を有していてもよい。こ
の場合、式(1)で示される構成単位が全構成単位に対
し20%mol以上であることが好ましく、特に40%
mol以上であることが好ましい。
【0029】特に、本発明においては、溶解性の点で、
ポリフェニレン樹脂が下記式(2)で示される構成単位
を有することが好ましい。
【0030】
【化4】 (式中R1乃至R5は同一または異なっていてもよい、水
素原子、フッ素原子または、置換もしくは無置換のアル
キル基を示し、R6乃至R12は同一または異なっていて
もよい、水素原子、フッ素原子または、置換もしくは無
置換のアルキル基を示す。また、m及びnは共重合比を
示す。) 式(2)中、アルキル基及びアルキル基が有してもよい
置換基としては式(1)と同様のものが挙げられる。
【0031】また、m:nは20:80〜80:20で
あることが好ましく、特に40:60〜60:40であ
ることが好ましい。
【0032】本発明のポリフェニレン樹脂の重量平均分
子量(Mw)は、10000〜500000であること
が好ましい。
【0033】なお、本発明においては、ポリフェニレン
樹脂を他の樹脂、例えば、ポリカーボネート樹脂やポリ
アリレート樹脂と混合して用いてもよい。この場合、本
発明のポリフェニレン樹脂が樹脂全重量の20重量%以
上、特には60%以上であることが好ましい。以下に本
発明のポリフェニレン樹脂が有する構成単位の好ましい
例をあげるが、本発明はこれらに、限定されるものでは
ない。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】 これらの中では、構成単位例(1)及び(13)が特に
好ましい。
【0037】また、本発明の電子写真感光体は、表面層
に上記のバインダー樹脂に加え、フッ素樹脂粒子を含有
する。フッ素樹脂粒子は、特にポリテトラフルオロエチ
レンであることが好ましく、また粒子径は0.01〜
2.0μm特に0.1〜1.0μmであることが好まし
い。
【0038】また本発明のフッ素樹脂粒子は、表面層の
膜中に0.1〜30wt%含有することが好ましく、特
に1〜20%が好ましい。本発明の電子写真感光体は、
高強度のポリフェニレン樹脂を用いることに加え、フッ
素樹脂粒子を含有することで感光体表面に滑り性、発水
性などが付与され、その結果、耐久による摩耗や表面荒
れが減少し、かつトナーの転写性、クリーニング性など
が向上すると考えられる。
【0039】以上のように本発明による電子写真感光体
は、機械的強度が強く、かつ直接帯電による放電に対す
る耐電気特性が良好であり、耐久による表面荒れが小さ
くかつ傷が付きにくく、転写性やクリーニング性にも優
れているという特性を有するものである。
【0040】これにより、該電子写真感光体の耐久性が
向上し、長期間にわたって欠陥のない画像が得られる。
【0041】以下、本発明に用いる電子写真感光体の構
成について説明する。本発明における電子写真感光体
は、感光層が電荷輸送材料と電荷発生材料を同一の層に
含有する単層型であっても、電荷輸送層と電荷発生層に
分離した積層型でもよいが電子写真特性的には積層型が
好ましい。
【0042】使用する導電性基体は導電性を有するもの
であればよく、アルミニウム、ステンレスなどの金属、
あるいは導電層を設けた金属、紙、プラスチックなどが
挙げられ、形状はシート状、円筒状などがあげられる。
【0043】LBPなど画像入力がレーザー光の場合は散
乱による干渉縞防止、または基盤の傷を被覆することを
目的とした導電層を設けてもよい。これはカーボンブラ
ック。金属粒子などの導電性粉体をバインダー樹脂に分
散させて形成することができる。導電層の膜厚は5〜40
μm、好ましくは10〜30μmが適当である。
【0044】そのうえに接着機能を有する中間層を設け
る。中間層の材料としてはポリアミド、ポリビニルアル
コール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、カ
ゼイン、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン、などが
挙げられる。これらは適当な溶剤に溶解して塗布され
る。中間層の膜厚は0.05〜5μm、好ましくは0.3〜1μm
が適当である。
【0045】中間層の上には電荷発生層が形成される。
本発明に用いられる電荷発生物質としてはセレンーテル
ル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、フタロシアニ
ン、アントアントロン、ジベンズピレンキノン、トリス
アゾ、シアニン、ジスアゾ、モノアゾ、インジゴ、キナ
クリドン、非対称キノシアニン系の各顔料が挙げられ
る。機能分離型の場合、電荷発生層は前期電荷発生物質
を0.3〜4倍量の結着剤樹脂及び溶剤とともにホモジナイ
ザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サン
ドミル、アトライター、ロールミル及び液衝突型高速分
散機などの方法でよく分散し、分散液を塗布、乾燥させ
て形成される。電荷発生層の膜厚は5μm以下、好ましく
は0.1〜2μmが適当である。
【0046】電荷輸送層は、この層が最表面となる場合
には主として本発明からなるポリフェニレン樹脂及びフ
ッ素樹脂フィラーと、電荷輸送材料を溶剤中に溶解させ
た塗料を塗工乾燥して形成する。また、その際フッ素樹
脂フィラーの分散性コントロールのために適当な分散剤
を用いてもよい。
【0047】用いられる電荷輸送材料としてはトリアリ
ールアミン系化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化
合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、ト
リアリルメタン系化合物、チアゾール系化合物などが挙
げられる。電荷輸送層の膜厚は5〜40μm、好ましくは15
〜30μmが適当である。
【0048】また、さらに保護層を設けこの層が最表面
となる場合、主として本発明からなるポリフェニレン樹
脂及びフッ素樹脂フィラーと、抵抗制御剤、添加剤等を
溶剤中に溶解させた塗料を塗工乾燥して形成する。ま
た、その際フッ素樹脂フィラーの分散性コントロールの
ために適当な分散剤を用いてもよい。この場合、電荷輸
送層に本発明からなるポリフェニレン樹脂及びフッ素樹
脂フィラーを含有していなくてもよい。
【0049】(合成例1) (構成単位例1を有するポリフェニレン樹脂の合成)テ
トラヒドロフラン10ml中に亜鉛粉末1.3g(0.
02mol)を含む溶液に、テトラヒドロフラン30m
l中に2、5−ジクロロベンゾフェノン2.5g(0.
01mol)を含む溶液をアルゴン下で加えた。
【0050】混合物を1時間攪拌後、この溶液にNiC
l2ビピリジン0.05g(0.18mol)を加え、
24時間還流した。放冷後、200mlのエタノールに
反応液を注ぎ、沈殿物(合成したポリマー)を濾過し
た。乾燥後の重量は1.4g(収率77.7%)であっ
た。
【0051】(合成例2) (構成単位例13を有するポリフェニレン樹脂の合成)
テトラヒドロフラン20ml中に亜鉛粉末2.6g
(0.04mol)を含む溶液に、テトラヒドロフラン
30ml中に2、5−ジクロロベンゾフェノン2.5g
(0.01mol)と1、4−ジクロロベンゼン1.5
g(0.01mol)を含む溶液をアルゴン下で加え
た。
【0052】混合物を1時間攪拌後、この溶液にNiC
l2ビピリジン0.10g(0.36mol)を加え、
24時間還流した。放冷後、300mlのエタノールに
反応液を注ぎ、沈殿物(合成したポリマー)を濾過し
た。乾燥後の重量は2.2g(収率85.9%)であっ
た。
【0053】上記以外のポリフェニレン樹脂も上記と同
様の方法によって得ることができる。
【0054】図1に本発明の電子写真感光体を有するプ
ロセスカートリッジを用いた電子写真装置の概略構成を
示す。
【0055】図において、1はドラム状の本発明の電子
写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速
度で回転駆動される。感光体1は、回転過程において、
一次帯電手段3によりその周面に正又は負の所定電位の
均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービー
ム走査露光等の露光手段(不図示)から出力される目的
の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強
調変調された露光光4を受ける。こうして感光体1の周
面に対し、目的の画像情報に対応した静電潜像が順次形
成されていく。
【0056】形成された静電潜像は、次いで現像手段5
によりトナー現像され、現像されたトナー像は、不図示
の給紙部から感光体1と転写手段6との間に感光体1の
回転と同期して取り出されて給紙された転写材7に、感
光体1の表面に形成担持されているトナー画像が転写手
段6により順次転写されていく。
【0057】トナー画像の転写を受けた転写材7は、感
光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着
を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)と
して装置外へプリントアウトされる。
【0058】像転写後の感光体1の表面は、クリーニン
グ手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面
化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光10
により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用され
る。なお、一次帯電手段3が帯電ローラー等を用いた接
触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではな
い。
【0059】本発明においては、上述の電子写真感光体
1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段
9等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリ
ッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカート
リッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写
真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。例え
ば、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段
9の少なくとも一つを感光体1と共に一体に支持してカ
ートリッジ化して、装置本体のレール12等の案内手段
を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ1
1とすることができる。
【0060】また、露光光4は、電子写真装置が複写機
やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過
光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、こ
の信号に従って行われるレーザービームの走査、LED
アレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動等により
照射される光である。
【0061】本発明の電子写真感光体は、電子写真複写
機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、
CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター
及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いる
ことができる。
【0062】
【実施例】以下、実施例に従って本発明を更に詳細に説
明する。なお、実施例中の「部」は重量部を表す。
【0063】(実施例1)30φ254mmのAlシリンダーを
支持体とし、それに、以下の材料より構成される塗料を
支持体上に浸せき法で塗布し140℃、30分熱硬化して15
μmの導電層を形成した。
【0064】 導電性顔料:SnO2コート処理硫酸バリウム 10部 抵抗調節用顔料:酸化チタン 2部 バインダー樹脂:フェノール樹脂 6部 レベリング材:シリコーンオイル 0.001部 溶剤:メタノール、メトキシプロパノール 0.2/0.8 20部 次にこの上にNメトキシメチル化ナイロン3部及び共重
合ナイロン3部をメタノール65部、nブタノール30部の混
合溶媒に溶解した溶液を浸せき法で塗布し0.5μmの中間
層を形成した。
【0065】次にCuKαのX線回折スペクトルにおけ
る回折角2θ±0.2°が9.0°、14.2°、23.9°、27.1°
に強いピークを有するTiOPc4部とポリビニルブチラール
(商品名:エスレックBM2、積水化学製)2部及びシ
クロヘキサノン60部をφ1mmガラスビーズを用いたサン
ドミル装置で4時間分散したあとエチルアセテート100部
を加えて電荷発生層用分散液を調製した。これを浸せき
法で塗布し0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0066】次に、クロルベンゼン8部及びポリテトラ
フルオロエチレン粒子(粒子径0.1μmダイキン製)
2部、フッ素含有アクリル樹脂0.1部を高速液衝突式
分散機を用いて5回分散し、フッ素樹脂粒子分散液を作
成した。このフッ素樹脂粒子分散液を遠心沈降式粒径測
定装置CAPA500で粒子径を測定したところ、平均
粒径0.2μmであった。
【0067】次に下記構造を有する電荷輸送材料例化合
物7部
【0068】
【化5】 と下記構造を有する電荷輸送材料化合物1部
【0069】
【化6】 と下記式
【0070】
【化7】 で示されるポリフェニレン樹脂(重量平均分子量約4
万)10部及びフッ素樹脂粒子分散液5部をモノクロロ
ベンゼン65部ジクロロメタン70部の混合溶媒に溶解
した。
【0071】この塗料を浸せき法で塗布し120℃2時間
乾燥し25μmの電荷輸送層を形成した。
【0072】次に評価について説明する。
【0073】装置は、ヒューレットパッカード製LBP
「レーザージェット4000」を改造して用いた。改造
はクリーニングブレード当接圧を1.1倍とした。作成
した電子写真感光体をこの装置で30℃85%RH下で
通紙耐久を行った。シーケンスはプリント1枚ごとに1回
停止する間欠モードとした。トナーがなくなったならば
補給した。5000枚耐久した時点で削れ膜厚及び最大
傷深さを測定した。その後、さらに通紙耐久試験を画像
に問題が出るまで継続した。
【0074】その結果を表2に示す。
【0075】(実施例2)電荷輸送層用バインダー樹脂
として下記式で示される構成単位を有するポリフェニレ
ン樹脂(重量平均分子量38000)を用いた以外は実施
例1と同様に電子写真感光体を作製し評価した。
【0076】
【化8】 (実施例3)電荷輸送層用バインダー樹脂として構成単
位例7を有するポリフェニレン樹脂(重量平均分子量3
5000)を用いた以外は実施例1と同様に電子写真感
光体を作製し評価した。
【0077】(実施例4)電荷輸送層用バインダー樹脂
として構成単位例14を有するポリフェニレン樹脂(重
量平均分子量40000)を用いた以外は実施例1と同
様に電子写真感光体を作製し評価した。
【0078】(実施例5)電荷輸送層用バインダー樹脂
として実施例1のポリフェニレン樹脂(重量平均分子量
40000)及びポリアリレート樹脂(Uポリマー、ユ
ニチカ製)を1:1の割合で用いた以外は実施例1と同
様に電子写真感光体を作製し評価した。
【0079】(実施例6)電荷輸送層用バインダー樹脂
として実施例1のポリフェニレン樹脂(重量平均分子量
40000)及びポリカーボネート樹脂(パンライト、
帝人製)を6:4の割合で用いた以外は実施例1と同様
に電子写真感光体を作製し評価した。
【0080】(実施例7)電荷輸送層用バインダー樹脂
として実施例2のポリフェニレン樹脂(重量平均分子量
38000)及びポリアリレート樹脂(Uポリマー、ユ
ニチカ製)を6:4の割合で用いた以外は実施例2と同
様に電子写真感光体を作製し評価した。
【0081】以上の結果を表2に示す。
【0082】
【表4】 (比較例1)電荷輸送層用バインダー樹脂としてポリカ
ーボネート樹脂(パンライト、帝人製)を用いた以外は
実施例1と同様に電子写真感光体を作製し評価した。
【0083】(比較例2)下記構造を有する電荷輸送材
料例化合物7部
【0084】
【化9】 と下記構造を有する電荷輸送材料化合物1部
【0085】
【化10】 と下記式
【0086】
【化11】 で示されるポリフェニレン樹脂(重量平均分子量約4
万)10部をモノクロロベンゼン70部ジクロロメタン
70部の混合溶媒に溶解した。
【0087】この塗料を浸せき法で塗布し120℃2時間
乾燥し25μmの電荷輸送層を形成した以外は実施例1と
同様に電子写真感光体を作製し評価した。
【0088】以上の結果を表3に示す。
【0089】
【表5】
【0090】
【発明の効果】本発明による電子写真感光体は、機械的
強度が強く、かつ直接帯電による放電に対する耐電気特
性が良好であり、耐久による傷が付きにくい等の効果を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカー
トリッジを用いる電子写真装置の概略構成の例を示す図
である。
【符号の説明】
1 感光体 2 軸 3 帯電手段 4 露光光 5 現像手段 6 転写手段 7 転写材 8 定着手段 9 クリーニング手段 10 前露光光 11 プロセスカートリッジ 12 レール
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 5/05 101 G03G 5/05 101 104 104B (72)発明者 中島 由香 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA03 AA06 AA13 AA14 BB31 BB50 4J002 BD15X CE00W FD01X GP03 4J032 CA03 CA04 CB01 CB04 CC01 CG00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に感光層を有する電子写真感光
    体において、該電子写真感光体の表面層が、ポリフェニ
    レン樹脂及びフッ素樹脂フィラーを含有することを特徴
    とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】ポリフェニレン樹脂が下記式(1) 【化1】 (式中R1乃至R5は同一または異なっていてもよい、水
    素原子、フッ素原子または、置換もしくは無置換のアル
    キル基を示し、R6乃至R8は同一または異なっていても
    よい、水素原子、フッ素原子または、置換もしくは無置
    換のアルキル基を示す。)で示される請求項1記載の電
    子写真感光体。
  3. 【請求項3】前記ポリフェニレン樹脂が下記式(2) 【化2】 (式中R1乃至R5は同一または異なっていてもよい、水
    素原子、フッ素原子または、置換もしくは無置換のアル
    キル基を示し、R6乃至R12は同一または異なっていて
    もよい、水素原子、フッ素原子または、置換もしくは無
    置換のアルキル基を示す。m及びnは共重合比を示
    す。)で示される請求項1記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】該電子写真感光体の表面層に含有させるフ
    ッ素樹脂フィラーがテトラフルオロエチレン樹脂微粒子
    である請求項1記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の電子写
    真感光体を、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、
    静電潜像の形成された電子写真感光体をトナーで現像す
    る現像手段、及び転写工程後の感光体上に残余するトナ
    ーを回収するクリーニング手段からなる群より選ばれた
    少なくとも一つの手段と共に一体に支持し、電子写真装
    置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の電子写
    真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯
    電した電子写真感光体に対し露光を行い静電潜像を形成
    する露光手段、静電潜像の形成された電子写真感光体を
    トナーで現像する現像手段、及び転写材上のトナー像を
    加熱転写する転写手段を有する電子写真装置。
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