JP2000329963A - 光合分波器及び光通信線路 - Google Patents

光合分波器及び光通信線路

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研 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光通信線路におけるアレイ導波路回折格子の
使用個数を削減し、光通信線路の設備コストを低減す
る。 【解決手段】 所定の波長間隔で各々に波長が割り当て
られた複数の伝送チャネルCH1〜CH16からなる現用
回線及び予備回線の波長分割多重光信号を合分波する光
合分波器Aであって、伝送チャネルCH1〜CH16のチ
ャネル数に対して2倍の伝送チャネルからなる波長分割
多重光信号の合分波用に、上記チャネル数に対して2倍
数からなる入力ポートI1〜I32と出力ポートO1〜O32
とを有するAWG1を備え、現用回線の各伝送チャネル
と予備回線の各伝送チャネルとが互いに異なる出力ポー
トO1〜O32にそれぞれ分離出力されるように、現用回
線の波長分割多重光信号と予備回線の波長分割多重光信
号とを異なる入力ポートI15,I16にそれぞれ入力す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光合分波器及び光
通信線路に係わり、特にその構成の簡単化技術にに関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】アレイ
導波路回折格子(AWG)を伝送チャネル数nの波長分
割多重光信号の光合分波器として用いた場合、波長分割
多重光信号の各送受信端にAWGからなるn×1/1×
nの光合分波器を設け、各々の光合分波器をn本の光伝
送線からなる光ファイバケーブルで接続している。
【0003】また、光通信線路は、信頼性の向上を図る
べく、2重化されているのが一般的である。一方の光回
線が通常使用される現用回線であり、他方の光回線が予
備回線である。したがって、このように2重化された光
通信線路にAWGからなる光合分波器を適用した場合、
各送受信端では、現用回線用と予備回線用とに、2つの
AWG(nチャネル用)からなる光合分波器を設備しな
ければならない。またあるいは、1つのnチャネル用の
AWGからなる光合分波器を2個設備しなければならな
い。したがって、比較的高価なAWGを各送受信端で2
つ必要とするために、設備コストが掛かるという問題点
がある。
【0004】本発明は、上述する問題点に鑑みてなされ
たもので、以下の点を目的とするものである。 (1)光通信線路におけるAWGの使用個数を削減す
る。 (2)光通信線路の設備コストを低減する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、光合分波器に係わる手段として、所定の波長間隔で
各々に波長が割り当てられた複数の伝送チャネルからな
る現用回線及び予備回線の波長分割多重光信号を合分波
する光合分波器であって、前記伝送チャネルのチャネル
数に対して少なくとも2倍の伝送チャネルからなる波長
分割多重光信号の合分波用に、前記チャネル数に対して
少なくとも2倍数からなる入力ポートと出力ポートとを
有するアレイ導波路回折格子を備え、現用回線の各伝送
チャネルと予備回線の各伝送チャネルとが互いに異なる
出力ポートにそれぞれ分離出力されるように、現用回線
の波長分割多重光信号と予備回線の波長分割多重光信号
とを異なる入力ポートにそれぞれ入力するという手段を
採用する。
【0006】また、光通信線路に係わる手段として、上
記手段に基づく光合分波器を波長分割多重光信号の送受
信端に備えるという手段を採用する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
係わる光合分波器及び光通信線路の一実施形態について
説明する。
【0008】図1は、波長分割多重光信号の送受信端に
おける光通信線路の要部構成を示す平面図である。この
図において、符号Aは光合分波器、BINは現用回線用の
入力側光ファイバ、CINは予備回線用の入力側光ファイ
バ、B1OUT〜B16OUTは合計16本からなる現用回線
用の出力側光ファイバ、またC1OUT〜C16OUTは合計1
6本からなる予備回線用の出力側光ファイバである。
【0009】本光通信線路は、現用回線用の入力側光フ
ァイバBINと予備回線用の入力側光ファイバCINとに全
く同様の波長分割多重光信号を伝送するようになってお
り、2重化されている。この波長分割多重光信号は、後
述するように周波数(つまり波長)が所定間隔で割り当
てられた合計16波の伝送チャネルCH1〜CH16から
構成されている。
【0010】例えば、最大周波数としての「194,800G
Hz」が伝送チャネルCH1に割り当てられ、他の伝送
チャネルCH2〜CH16については、200GHzの周
波数間隔で順次低い周波数が割り当てられている。図2
は、このような合計16波の各伝送チャネルCH1〜C
H16の周波数及び波長を、伝送チャネルを100GHz
の周波数間隔で32波設定した場合における連番λ1〜
λ32に対応させて一覧表示したものである。この図に示
すように、16波の伝送チャネルCH1〜CH16の各周
波数及び波長は、伝送チャネルを32波設定した場合に
対して(連番λ1〜λ32に対して)1つ置きに設定され
る。
【0011】光合分波器Aは、アレイ導波路回折格子
(AWG)1、光コネクタ2b,2c,2b1〜2b1
6,2c1〜2c16、接続用光ファイバ3b,3c,3b
1〜3b16,3c1〜3c16から構成されている。AWG
1は、シリコン基板上に2次元的に構成されたものであ
り、並列に一連配置された複数の入出力光導波路1a,
1bと、該入出力光導波路1a,1bにそれぞれ接続さ
れたスラブ光導波路1c、1dと、該スラブ光導波路1
c、1dを相互接続する複数のアレイ光導波路1eとか
ら構成されている。なお、アレイ導波路回折格子につい
ては、特開平7−98419号公報等、各種文献に詳細
が記載されており、周知のものである。
【0012】本実施形態のAWG1は、上記連番λ1〜
λ32の各周波数(波長)に対応して32波の伝送チャネ
ル用に設計されたものである。すなわち、このAWG1
は、並列状に配置された32本の入出力光導波路1a,
1bを備えており、このうち入出力光導波路1aの一端
はスラブ光導波路1cを介して並列状に配置されたアレ
イ光導波路1eの一端に接続され、入出力光導波路1b
の一端はスラブ光導波路1dを介してアレイ光導波路1
eの他端に接続されている。また、入出力光導波路1a
の他端は、図示するように32個の入力ポートI1〜I
32を形成し、入出力光導波路1bの他端は、32個の出
力ポートO1〜O32を形成している。
【0013】ここで、上記入出力光導波路1aにおい
て、入力ポートI15は、接続用光ファイバ3b及び光コ
ネクタ2bを介して現用回線用の入力側光ファイバBIN
に接続され、入力ポートI16は、接続用光ファイバ3c
及び光コネクタ2cを介して予備回線用の入力側光ファ
イバCINに接続されている。
【0014】一方、入出力光導波路1bにおいて、1つ
置きに位置する合計16本の出力ポートO1,O3
5,……O31(添字奇数)は、図示するように接続用
光ファイバ3c1〜3c16及び光コネクタ2c1〜2c16
を介して予備回線用の出力側光ファイバC1OUT〜C16
OUT(16本)にそれぞれ接続され、その他の合計16
本の出力ポートO2,O4,O6,……O32(添字偶数)
は、接続用光ファイバ3b1〜3b16及び光コネクタ2
b1〜2b16を介して現用回線用の出力側光ファイバB1
OUT〜B16OUT(16本)にそれぞれ接続されている。す
なわち、並列状に配置された出力ポートO1〜O32は、
予備回線用の出力側光ファイバC1OUT〜C16OUTと現用
回線用の出力側光ファイバB1OUT〜B16OUTとに交互に
接続されている。
【0015】光コネクタ2bは、現用回線用の入力側光
ファイバBINを光合分波器Aに連結するために備えられ
たものであり、現用回線用の入力側光ファイバBINを上
記接続用光ファイバ3bに接続する。光コネクタ2c
は、予備回線用の入力側光ファイバCINを光合分波器A
に連結するために備えられたものであり、予備回線用の
入力側光ファイバCINを上記接続用光ファイバ3cに接
続する。
【0016】また、光コネクタ2b1〜2b16は、現用
回線用の出力側光ファイバB1OUT〜B16OUTを光合分
波器Aに連結するために備えられたものであり、図示す
るように各出力側光ファイバB1OUT〜B16OUTを上記
各接続用光ファイバ3b1〜3b16にそれぞれ接続す
る。光コネクタ2c1〜2c16は、予備回線用の出力側
光ファイバC1OUT〜C16OUTを光合分波器Aに連結す
るために備えられたものであり、図示するように各出力
側光ファイバC1OUT〜C16OUTを上記各接続用光ファ
イバ3c1〜3c16にそれぞれ接続する。
【0017】次に、このように構成された本実施形態の
作用について詳しく説明する。
【0018】図3は、32波の伝送チャネル用に設計さ
れたAWG1の入出力特性を上記連番λ1〜λ32(図2
参照)に対応させて示したものである。この入出力特性
図では、各行が入力ポートI1〜I32、各列が出力ポー
トO1〜O32を示しており、例えば入力ポートI1(最上
行)に入力された連番λ18の伝送チャネルCH9が出力
ポートO1(最左列)に出力されることを示している。
【0019】この図から容易に理解できるように、本実
施形態では、現用回線用の入力側光ファイバBINは入力
ポートI15に接続されているので、連番λ1つまり伝送
チャネルCH1は出力ポートO2に、連番λ3つまり伝送
チャネルCH2は出力ポートO 4に、また連番λ5つまり
伝送チャネルCH3は出力ポートO6に、……、連番λ31
つまり伝送チャネルCH16は出力ポートO32にそれぞれ
分波出力される。
【0020】これに対して、予備回線用の入力側光ファ
イバCINは入力ポートI16に接続されているので、連番
λ1つまり伝送チャネルCH1は出力ポートO1に、連番
λ3つまり伝送チャネルCH2は出力ポートO3に、また
連番λ5つまり伝送チャネルCH3は出力ポートO5に、
……、連番λ31つまり伝送チャネルCH16は出力ポート
31にそれぞれ分波出力される。
【0021】すなわち、現用回線用の波長分割多重光信
号と現用回線用の波長分割多重光信号とを互いに隣り合
う入力ポートI15,I16に入力することにより、現用回
線用の各伝送チャネルCH1〜CH16は、現用回線用に
備えられた各々の出力側光ファイバB1OUT〜B16OUT
にそれぞれ分波出力され、予備回線用の各伝送チャネル
CH1〜CH16は、予備回線用に備えられた各々の出力
側光ファイバC1OUT〜C16OUTにそれぞれ分波出力さ
れる。
【0022】したがって、本実施形態の光合分波器A
は、32波の伝送チャネル用に設計された1つのAWG
1を用いることにより、入力側光ファイバBINから入力
された現用回線用の波長分割多重光信号と入力側光ファ
イバCINから入力された現用回線用の波長分割多重光信
号とを各々個別に設けられた現用回線用に設けられた各
出力側光ファイバB1OUT〜B16OUTと予備回線用に設
けられた各出力側光ファイバC1OUT〜C16OUTとに分
波出力することができる。
【0023】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、例えば以下のような変形が考えられ
る。 (1)上記実施形態では、現用回線及び予備回線の各伝
送チャネル数が16チャネルの場合について説明した
が、本発明は種々の伝送チャネル数の光通信線路に適用
可能である。
【0024】(2)上記実施形態では、現用回線用と予
備回線用との各波長分割多重光信号を互いに隣り合う入
力ポートI15,I16に入力することにより、互いに異な
る出力ポートO1〜O32に現用回線の各伝送チャネルC
H1〜CH16と予備回線の各伝送チャネルCH1〜CH16
とを分波するようにしたが、図3を見ると解るように必
ずしも入力ポートI15,I16を使用する必要はない。例
えば、現用回線の波長分割多重光信号を入力ポートI15
に代えて、入力ポートI13に入力しても同様の作用を得
ることができる。
【0025】(3)上記実施形態では、合計16波の伝
送チャネルCH1〜CH16からなる現用回線及び予備回
線に対して、2倍の伝送チャネル数である32波の伝送
チャネル用に設計されたAWG1を用いたが、現用回線
及び予備回線の伝送チャネル数に対して、必ずしも2倍
の伝送チャネル数に対応したAWGを用いる必要はな
い。2倍以上の伝送チャネル数に対応したAWGであれ
ば良い。
【0026】(4)上記実施形態において、光信号の入
出力を入れ替えることにより、各伝送チャネルを合波し
て他の送受信端に伝送可能なことは勿論であり、したが
って上記入力ポートI1〜I32及び出力ポートO1〜O32
は、入出力ポートとして機能するものである。
【0027】(5)また、上記実施形態では、入力側光
ファイバBIN,CIN及び出力側光ファイバB1OUT〜B
16OUT,C1OUT〜C16OUTを光コネクタ2b,2c,2
b1〜2b16,2c1〜2c16を介して各接続用光ファイ
バ3b,3c,3b1〜3b16,3c1〜3c16と接続す
るように構成したが、光コネクタ2b,2c,2b1〜
2b16,2c1〜2c16を用いることなく、入力側光フ
ァイバBIN,CIN及び出力側光ファイバB1OUT〜B16
OUT,C1OUT〜C16OUTを各接続用光ファイバ3b,3
c,3b1〜3b16,3c1〜3c16に直接接続するよう
にしても良い。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる光
合分波器及び光通信線路によれば、1つのアレイ導波路
回折格子によって現用回線及び予備回線の各伝送チャネ
ルを合分波することが可能である。したがって、従来に
比較して光通信線路におけるアレイ導波路回折格子の使
用個数を削減し、光通信線路の設備コストを低減するこ
とが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態における光伝送線路の要
部構成を示す平面図である。
【図2】 本発明の一実施形態における各伝送チャネル
の周波数及び波長の割当を一覧表示した表である。
【図3】 本発明の一実施形態の作用を説明するための
32チャネル用のアレイ導波路回折格子の入出力特性図
である。
【符号の説明】
A……光合分波器,BIN,CIN……入力側光ファイバ,
B1OUT〜B16OUT,C1OUT〜C16OUT……出力側光フ
ァイバ,I1〜I32……入力ポート,O1〜O32……出力
ポート,1……アレイ導波路回折格子(AWG),1
a,1b……入出力光導波路,1c、1d……スラブ光
導波路,1e……アレイ光導波路,2b,2c,2b1
〜2b16,2c1〜2c16……光コネクタ,3b,3
c,3b1〜3b16,3c1〜3c16……接続用光ファイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大浦 宏治 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内 (72)発明者 佐々木 研 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内 (72)発明者 細谷 英行 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内 (72)発明者 藤田 大吾 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内 (72)発明者 甲本 克敏 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内 Fターム(参考) 2H047 KA02 KA03 KA12 LA01 LA19 RA00 TA00 5K002 AA06 BA05 DA02 EA33 FA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の波長間隔で各々に波長が割り当て
    られた複数の伝送チャネル(CH1〜CH16)からなる
    現用回線及び予備回線の波長分割多重光信号を合分波す
    る光合分波器(A)であって、 前記伝送チャネルのチャネル数に対して少なくとも2倍
    の伝送チャネルからなる波長分割多重光信号の合分波用
    に、前記チャネル数に対して少なくとも2倍数からなる
    入力ポート(I1〜I32)と出力ポート(O1〜O32)と
    を有するアレイ導波路回折格子を備え、 現用回線の各伝送チャネルと予備回線の各伝送チャネル
    とが互いに異なる出力ポートにそれぞれ分離出力される
    ように、現用回線の波長分割多重光信号と予備回線の波
    長分割多重光信号とを異なる入力ポート(I15,I16
    にそれぞれ入力することを特徴とする光合分波器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光合分波器を波長分割多
    重光信号の送受信端に備えることを特徴とする光通信線
    路。
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