JP2000328160A - 水素精製用水素吸蔵合金及び水素含有ガスの精製方法。 - Google Patents
水素精製用水素吸蔵合金及び水素含有ガスの精製方法。Info
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Abstract
化がなく、高速度で水素を精製、吸蔵することができる
水素精製用水素吸蔵合金及びこれを用いた一酸化炭素を
含む水素含有ガスの精製方法を得る。 【解決手段】温度150〜350℃において一酸化炭素
による性能劣化のない希土類系AB5 型合金であって、
少なくともBサイトの一部を原子比で0.1〜1.5のA
lで置換した希土類系AB5 型合金の表面をフッ素或い
はフッ素含有化合物を含むガス、またはフッ素或いはフ
ッ素含有化合物を含む液体で処理してなることを特徴と
する水素精製用水素吸蔵合金、及び、これを用いた一酸
化炭素を含む水素含有ガスの精製方法。
Description
吸蔵時に一酸化炭素(CO)による性能劣化がなく、高
速度で水素を分離精製、貯蔵させることができる水素精
製用水素吸蔵合金及びこれを用いたCOを含む水素含有
ガスの精製方法に関する。
素炎用その他各種用途に供される基礎原料であり、燃料
電池用の燃料としても利用される。水素の工業的製造方
法としては、水の電解法、石炭やコークスのガス化法、
液体燃料のガス化法、ガス体燃料の変成法、コークス炉
ガスの液化分離法、メタノールやアンモニアの分解法な
ど各種の方法が知られている。
常、天然ガスや都市ガス等の炭化水素ガスの水蒸気改質
により行われる。水蒸気改質法では改質器が用いられ、
触媒としてNi系、Ru系等の適当な触媒が使用され
る。得られる水素を主成分とする改質ガスは、改質器自
体の構造、規模、操作条件等の如何にもよるが、改質器
から例えば400〜700℃という温度で排出され、改
質器に低温CO変成器を付設する場合には、その出口か
ら200〜300℃程度の温度で排出される。
主成分である水素のほか、CO、CO2 等の副生成分や
余剰H2Oが含まれている。このため改質ガスを例えば
燃料電池にそのまま使用したのでは電池性能を阻害して
しまう。燃料電池のうちリン酸型燃料電池で用いる水素
ガス中のCOは1%、固体高分子型燃料電池では100
ppmが限度であり、これらを越えると電池性能が著し
く劣化する。このため改質ガスは、燃料電池へ導入する
前に精製し、それら副生成分を除去する必要がある。ま
た不飽和結合への水素添加用或いは酸水素炎用の水素は
通常ボンベに詰めたものが使用されており、その純度は
5N以上が要求されている。
の精製法としてはPSA法、高分子膜法、Pd膜法など
各種の方法があり、水素吸蔵合金による精製法も研究さ
れ開発されている。水素吸蔵合金は水素含有ガスから水
素を選択的に吸蔵し、水素以外のガスは実質上吸蔵しな
いので、これによって水素含有ガスをさらに分離精製し
て高純度水素とする。精製、貯蔵された水素は加熱或い
は減圧することにより放出される。
合金をフッ素又はフッ素含有化合物によりフッ化処理す
ることにより、水素吸蔵合金を活性化し且つ安定化させ
る技術を先に開発している(特開平8ー183601号
公報)。これによれば、水素吸蔵合金の表面に金属フッ
化物を主成分とする膜を形成して、水素吸蔵合金を水素
分子に対して高活性化するとともに、水素吸蔵合金の表
面被毒性を有する水素分子以外の物質に対して非活性化
することができる。
にフッ化処理したLaNi系合金(基本組成式=LaN
i5、水素と反応してLaNi5H6 を生成し水素を吸蔵
する)等の希土類系AB 5 型合金についてさらに実験、
追求したところ、上記のようにフッ化処理したLaNi
系の水素吸蔵合金は、水素含有ガス中にCOが例えば1
00ppm以上、1%(vol%)というように多量に含
まれると水素の吸蔵速度が著しく低下してしまい、しか
もこの欠点は温度条件に著しく左右されることが分かっ
た。
ち、フッ化処理した、Niの1部をAlで置換したLa
Ni4.7Al0.3ついて、JIS法による温度60℃にお
ける水素吸蔵速度の測定結果を示す図である。図1のと
おり、純水素では吸蔵開始時から水素を急速に吸蔵しは
じめ、5分経過時以降、水素吸蔵量H/M=0.94
(H/M:水素吸蔵合金Mと水素Hとの原子比)程度を
示している。水素にメタンを1vol%含む場合は、水
素吸蔵速度は純水素に比べればやや遅いが、吸蔵開始時
から10分経過時には水素吸蔵量H/M=0.88とな
り、メタンの存在が水素吸蔵速度に幾分は影響するが、
特に悪影響はないことを示している。
%含むガスの場合は、水素吸蔵速度は純水素に比べれば
やや遅いが、吸蔵開始時から約10分経過時には水素吸
蔵量H/M=0.37となり、以降時間の経過とともに
水素吸蔵を続ける。このように水素中にCO2 が存在す
る場合は、水素吸蔵速度にある程度は影響するが、大き
な影響はないことを示している。
vol%含むガスの場合は、水素吸蔵速度は非常に遅
く、吸蔵開始時から60分経過時でも水素吸蔵量H/M
=0.1にしかならない。この事実からして、水素中の
COがLaNi系合金等の希土類系AB5 型水素吸蔵合
金による水素吸蔵速度に決定的な悪影響を及ぼし、例え
ば温度60℃というような低温域では、実用上、水素の
分離精製、吸蔵用として役に立たないことを示してい
る。
うにフッ化処理したLaNi系合金等の希土類系AB5
型水素吸蔵合金のCOを含む水素含有ガスに対する水素
の吸蔵速度は、温度条件に大きく左右され、温度60℃
という低温域ではなく、温度150〜350℃という高
温域においては、COの影響が実質上ないか全くなく速
い速度で水素を吸蔵することが分かった。本発明は、こ
の知見に基づきなされたもので、温度150〜350℃
において一酸化炭素による性能劣化のない水素精製用L
aNi系合金等の希土類系AB5 型水素吸蔵合金及びこ
の合金を用いる一酸化炭素を含む水素含有ガスの精製方
法を提供することを目的とする。
50〜350℃において一酸化炭素による性能劣化のな
い希土類系AB5 型合金であって、少なくともBサイト
の一部を原子比で0.1〜1.5のAlで置換した希土
類系AB5 型合金の表面をフッ素或いはフッ素含有化合
物を含むガス、またはフッ素或いはフッ素含有化合物を
含む液体で処理してなることを特徴とする水素精製用水
素吸蔵合金を提供する。
金における少なくともBサイトの一部を原子比で0.1
〜1.5のAlで置換した希土類系AB5 型合金の表面
をフッ素或いはフッ素を含むガス、またはフッ素或いは
フッ素含有化合物を含む液体で処理してなる水素精製用
水素吸蔵合金を使用し、温度150〜350℃におい
て、一酸化炭素を含む水素含有ガスから水素を分離精
製、吸蔵させることを特徴とする一酸化炭素を含む水素
含有ガスの精製方法を提供する。
は、希土類系AB5 型合金であって、少なくともBサイ
トの一部を原子比で0.1〜1.5のAlで置換した希
土類系AB5型合金の表面をフッ素或いはフッ素含有化
合物を含むガス、またはフッ素或いはフッ素含有化合物
を含む液体で処理してなる合金である。
(2)乾式法、(1)湿式法の何れも適用できる。
(1)乾式法においては、上記水素吸蔵合金をフッ素
ガス、フッ化水素ガス、フッ素とフッ化水素との混
合ガスにより処理することができる。 (2)湿式法においては、上記水素吸蔵合金を低濃度
のフッ化水素酸水溶液、無水フッ化水素酸溶液、無
水フッ化水素とピリジン、トリエチルアミン、イソプロ
ピルアルコール等との混合溶液により処理することがで
きる。
は、温度150〜350℃において、COによる性能劣
化を来たすことなく水素を非常に速い速度で吸蔵するこ
とができる。COの影響が実質上ないか全くない温度条
件は150℃以上であるが、実質上利用できる上限温度
は合金の溶融温度未満である。しかし、水素吸蔵合金は
水素を吸収する際に発熱反応を伴うため、溶融温度近く
での利用は避けることが望ましく、その上限の目安とし
て該合金の溶融温度より低い350℃程度の温度とす
る。また、希土類系AB5 型合金を高温下で連続使用す
ると、サイクル(吸蔵/放出の繰り返し)寿命の低下を
招く傾向があるため、水素供給圧力などの条件も考慮し
て、Bサイトの一部を少なくともAlを含む他の元素
(Mn、Si、Cr、Zr、Co等)で置換した合金を
用い、150〜350℃の温度範囲で使用するのが好ま
しい。
ては水の電解法、石炭やコークスのガス化法、液体燃料
のガス化法、ガス体燃料の変成法、コークス炉ガスの液
化分離法、メタノールやアンモニアの分解法など各種の
方法で得られる水素を主成分とするガスが対象とされ
る。このうちガス体燃料の変成法の1種である水蒸気改
質法で得られる水素を主成分とする改質ガスは、前述の
とおり、改質器に低温CO変成器を付設する場合、その
出口から200〜300℃程度の温度で排出されるが、
本発明の水素精製用水素吸蔵合金は150〜350℃に
おいて有効であるため、本発明を改質ガスに適用すれば
非常に有利である。また、改質ガスは天然ガスや都市ガ
ス等の容易に入手でき安価でクリーンな原料であること
から、この点でも有利である。
COを含む水素含有ガスをフッ化処理希土類系AB5 型
水素精製用水素吸蔵合金を充填した容器に通すことによ
り行われる。これにはバッチ式と通気式の2種の態様が
ある。バッチ式の場合は、水素吸蔵合金充填容器の出口
を閉すなわち行き止まりにして、水素含有ガス中の水素
を吸蔵させる。水素吸蔵合金に水素が選択的に吸蔵され
て分離精製され、水素以外のガスは容器の空間に滞留す
る。このため水素吸蔵合金充填容器には水素以外のガス
を収容するための所定の空間が必要である。
である。図2(a)は水素の分離精製、吸蔵時の状態を
示し、図2(b)〜(c)は放出時の状態を示してい
る。吸蔵時には水素吸蔵合金充填容器内を150〜35
0℃に加熱して、COを含む水素含有ガスから水素を吸
蔵させ、これによってCOによる性能劣化を防止し、水
素を急速に短時間で吸蔵させる。なお、COを含む水素
含有ガスがその温度範囲内の温度であるときは上記加熱
は省略でき、この点以下の態様でも同じである。吸蔵水
素の放出は、該容器を加熱又は減圧し、或いは加熱及び
減圧することにより放出される。容器の空間に滞留した
水素以外のガスはガス放出時の初期の段階でオフガスと
して排出されるが、図2(b)はこの段階を示してい
る。排出ガスはやがて水素100%又はこれに準ずる高
純度の水素ガスとして排出されるが、図2(c)はこの
段階を示している。
である。水素の分離精製、吸蔵時には水素吸蔵合金充填
容器内を150〜350℃に加熱して、水素吸蔵合金充
填容器にCOを含む水素含有ガスを水素吸蔵合金が水素
を十分吸収可能な圧力で流通させ、水素を吸蔵させる。
図3(a)はこの段階を示し、オフガスは水素の分離精
製、吸蔵時に常時排出される。吸蔵水素の放出時には、
水素100%又はこれに準ずる高純度の水素ガスとして
排出されるが、図2(b)はこの段階を示している。こ
うして分離精製され吸蔵された純粋な水素又はほぼ純粋
な水素は燃料電池の燃料用、その他各種用途に使用され
る。
説明するが、本発明がこれら実施例に限定されないこと
はもちろんである。
器に粒径38μm以下(400メッシュ以下)の水素吸
蔵合金LaNi4Al1 100gを入れ、これに10w
t%フッ化水素酸水溶液500mlを投入し、約10分
間撹拌した。次いで、溶液を分離した後、温度150℃
に設定した電気炉中で、1時間、加熱しながら窒素ガス
で反応容器内のパージを行った。こうしてフッ化処理し
た水素精製用水素吸蔵合金「LaNi4Al1」を得た。
「LaNi4Al1」を使用して水素吸蔵速度試験を実施
した。試験は、被吸蔵ガスとしてそれぞれ純水素及びC
Oを1vol%含む水素ガスを用い、JIS法に準じた
測定法で、温度条件を60〜350℃の範囲で変えて実
施した。図4は温度200℃、供給圧力1MPaにおけ
るその結果を示すグラフ図である。
に吸蔵され、純水素の場合、約500sec(8分20
秒)経過時に0.78wt%程度、約850sec経過
時には0.8wt%程度も吸蔵し、以降この吸蔵量を維
持している。COを1vol%含む水素ガスの場合、純
水素の場合より僅かに下回るが、約500sec経過時
に0.74wt%程度吸蔵され、950sec経過時以
降0.78wt%前後の吸蔵量を維持している。また、
図示してはいないが、温度条件として約150℃程度を
下回ると、吸蔵速度の低下が見られるようになり、CO
による悪影響が見られた。
器に粒径38μm以下(400メッシュ以下)の水素吸
蔵合金LaNi4.7Al0.3100gを入れ、これに10
wt%フッ化水素酸水溶液500mlを投入し、約10
分間撹拌した。次いで溶液を分離した後、温度150℃
に設定した電気炉中で、1時間、加熱しながら窒素ガス
で反応容器内のパージを行い、フッ化処理水素精製用水
素吸蔵合金「LaNi4.7Al0.3」を得た。この合金につ
いて実施例1と同様に水素吸蔵速度試験を実施したとこ
ろ、実施例1とほぼ同様な結果が得られた。
系AB5 型合金における少なくともBサイトの一部を原
子比で0.1〜1.5のAlで置換した希土類系AB5
型水素吸蔵合金を温度150〜350℃という高温域に
おいて使用することにより、COの影響がなく、速い速
度で水素を分離精製、吸蔵させることができる。
H4、CO2、COが含まれている場合の吸蔵速度の測定
結果を示す図(温度60℃)。
素精製用水素吸蔵合金の使用態様例を示す図(バッチ
式)。
素精製用水素吸蔵合金の使用態様例を示す図(通気
式)。
合金「LaNi4Al1」の水素吸蔵試験結果を示すグラ
フ図(200℃)。
Claims (4)
- 【請求項1】温度150〜350℃において一酸化炭素
による性能劣化のない希土類系AB 5 型合金であって、
少なくともBサイトの一部を原子比で0.1〜1.5の
Alで置換した希土類系AB5 型合金の表面をフッ素或
いはフッ素含有化合物を含むガス、またはフッ素或いは
フッ素含有化合物を含む液体で処理してなることを特徴
とする水素精製用水素吸蔵合金。 - 【請求項2】上記希土類系AB5 型合金におけるAサイ
トがLaで、BサイトがNiである請求項1に記載の水
素精製用水素吸蔵合金。 - 【請求項3】希土類系AB5 型合金における少なくとも
Bサイトの一部を原子比で0.1〜1.5のAlで置換
した希土類系AB5 型合金の表面をフッ素或いはフッ素
を含むガス、またはフッ素或いはフッ素含有化合物を含
む液体で処理してなる水素精製用水素吸蔵合金を使用
し、温度150〜350℃において、一酸化炭素を含む
水素含有ガスから水素を分離精製、吸蔵させることを特
徴とする一酸化炭素を含む水素含有ガスの精製方法。 - 【請求項4】上記希土類系AB5 型合金におけるAサイ
トがLaで、BサイトがNiである請求項3に記載の一
酸化炭素を含む水素含有ガスの精製方法。
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JP13168299A JP4391620B2 (ja) | 1999-05-12 | 1999-05-12 | 水素精製用水素吸蔵合金及び水素含有ガスの精製方法。 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP4391620B2 JP4391620B2 (ja) | 2009-12-24 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115108531A (zh) * | 2022-07-19 | 2022-09-27 | 西安交通大学城市学院 | 一种掺氢天然气的连续氢纯化系统及其纯化工艺 |
-
1999
- 1999-05-12 JP JP13168299A patent/JP4391620B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN115108531A (zh) * | 2022-07-19 | 2022-09-27 | 西安交通大学城市学院 | 一种掺氢天然气的连续氢纯化系统及其纯化工艺 |
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