JP2000328020A - 難燃性粘着テープの製造方法 - Google Patents

難燃性粘着テープの製造方法

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JP2000328020A
JP2000328020A JP11138632A JP13863299A JP2000328020A JP 2000328020 A JP2000328020 A JP 2000328020A JP 11138632 A JP11138632 A JP 11138632A JP 13863299 A JP13863299 A JP 13863299A JP 2000328020 A JP2000328020 A JP 2000328020A
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Shigeru Suhara
茂 須原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリオレフィン系難燃性樹脂フィルムにエマ
ルジョン状の粘着剤を塗工して加熱乾燥後、ロール状に
巻き取られた樹脂フィルムを常温などの所定温度に達す
る中間段階で保温して段階的に徐冷を行うことで、ロー
ル状樹脂フィルムの表面に皺や突起の異常が発生するの
を抑えるようにする。 【解決手段】 テープ基材となるポリオレフィン系難燃
性樹脂フィルムの表面に粘着剤を塗工して、この粘着剤
を80℃の温度で加熱して乾燥後に樹脂フィルムをロー
ル状に巻き取る。そのロール巻き樹脂フィルムは速やか
に恒温室に入れられ、そこでたとえば常温30℃に達す
るまでの中間温度60℃,50℃,40℃において、保
温を段階的にたとえば3回、各1時間ずつ行って徐冷す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にポリオレフィ
ン系難燃性樹脂フィルムに粘着剤を塗工して加熱乾燥後
にロール巻きする際、巻き取られた樹脂フィルムに皺や
凹凸状突起などの異常が発生するのを防止する難燃性粘
着テープの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン系樹脂は燃焼時に有害なハロ
ゲン化水素ガスを発生せず、そうしたオレフィン系樹脂
に難燃材を配合してベースとした樹脂フィルムにエマル
ジョン状の粘着剤を塗工してなっているポリオレフィン
系難燃性粘着テープがある。このポリオレフィン系難燃
性粘着テープは、電気ジョイント部の電気絶縁や屋外電
線の結束などに使用され、たとえば本件出願人によって
提案された特開平9−310048号公報に記載のもの
などがある。
【0003】ところで、ポリオレフィン系難燃性粘着テ
ープの製造時、次の問題点が発生する。シート加工され
た樹脂フィルムにエマルジョン状の粘着剤を塗工し、こ
の粘着剤を通常110〜130℃の温度で加熱して乾燥
する。その際、加熱乾燥温度の熱ストレスによって、ロ
ール状に巻き取られた樹脂フィルムに収縮などが起きる
ことである。
【0004】そうした樹脂フィルムの巻き取りロールに
発生する熱収縮などの異常は、粘着剤を加熱乾燥する温
度が樹脂フィルムの融点温度と同等、もしくはそれ以上
であることに起因する。したがって、係る問題を解決す
るには、粘着剤の加熱乾燥温度をたとえば70〜90℃
に下げれば済むことである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】また、同じくポリオレ
フィン系難燃性粘着テープの製造時、次の別問題が発生
する。粘着剤を加熱して乾燥後、ロール状に巻き取られ
た樹脂フィルムにギヤ変形およびピーキング現象と呼ば
れる「皺」や「凹凸状の突起」による異常が発生するこ
とである。
【0006】この皺や突起の防止に関しては、前述の熱
収縮問題のように、粘着剤の加熱乾燥温度を70〜90
℃に下げるというだけでは解決できない。
【0007】発明者らは、皺や突起の発生原因を研究し
た結果、加熱乾燥後にロール状に巻き取られる際の樹脂
フィルムの保有温度と、常温放置して室温(10〜30
℃)にまで冷却する温度との差に関係していることを発
見した。
【0008】すなわち、粘着剤の加熱乾燥温度を下げて
仮に70〜90℃とした場合でも、その70〜90℃の
温度に急速加熱して乾燥させた後のロール巻き樹脂フィ
ルムとしては、未だ保有する高い温度70〜90℃から
室温10〜30℃にまで急冷(空冷)されることにな
る。結果、その温度差によってロール巻き樹脂フィルム
に熱ストレスが作用し、部分的な収縮現象である皺や突
起として発生する。
【0009】観察の結果、そうした皺や突起の発生は、
加熱乾燥温度と常温放置温度との温度差が大きい冬季の
方が、夏季よりも顕著であることが確認された。
【0010】したがって、本発明の目的は、粘着剤を塗
工して加熱乾燥後、ロール状に巻き取られた特にポリオ
レフィン系難燃性樹脂フィルムに発生する皺や突起など
の異常を抑えるのに有効な難燃性粘着テープの製造方法
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による請求項1に
記載の難燃性粘着テープの製造方法は、オレフィン系樹
脂に難燃剤を配合してフィルム加工したものをテープ基
材として形成し、このテープ基材を表面に粘着剤を塗工
して加熱乾燥させた後にロール状に巻き取り、その巻き
取りロールを速やかに恒温室に入れて冷却下限の所定温
度に達するまで冷却する間、任意の温度領域において少
なくとも1回の保温を保温ごとに所定時間行うことによ
り、段階的に徐冷することを特徴とする。
【0012】以上から、粘着剤を加熱乾燥後、ロール巻
きされた樹脂フィルムを恒温室にて冷却下限の所定温度
にまで冷却する間、任意の温度領域で保温を1回以上、
保温ごとに所定時間行って段階的に徐冷する。それによ
り、ロール巻き樹脂フィルムに皺や突起が発生するのを
抑える。
【0013】また、請求項2に記載の発明は、粘着剤塗
工後の前記加熱乾燥温度を70〜90℃の温度範囲にお
いて好ましくは80℃とした場合に、冷却下限の前記所
定温度を10℃,20℃,30℃の三段階に設定したと
き、前記加熱乾燥温度の80℃から前記10℃,20
℃,30℃の三段階の所定温度のうちの選択した温度に
達するまで冷却する間、前記任意の温度領域で少なくと
も1回の保温を保温ごとに所定時間行うことを特徴とす
る。
【0014】以上から、粘着剤の加熱乾燥温度を通例温
度の110〜130℃とした場合、フィルム表面に熱収
縮異常を発生する危惧があるが、加熱乾燥温度を下げて
80℃で加熱乾燥後、その80℃からロール巻き樹脂フ
ィルムの冷却を恒温室にて開始すると、少なくとも熱収
縮の異常だけは抑えることができる。そして、その加熱
乾燥温度80℃から10℃,20℃,30℃の三段階に
設定した所定温度のうちの選択した温度に達するまで冷
却する間、任意の温度領域で1回以上保温しながら段階
的に徐冷すると、皺や突起の抑制に有効である。段階的
徐冷とすることで、恒温室内の雰囲気温度と、冷却材料
のロール巻き樹脂フィルムの温度との温度管理や制御も
容易になる。
【0015】また、請求項3に記載の発明は、前記任意
の温度領域を60℃以下40℃とした場合に、保温を行
う回数が1回のとき、好ましくは2〜4時間行うことを
特徴とするものである。
【0016】以上から、保温回数が1回のときは、加熱
乾燥温度80℃から10℃,20℃,30℃のうちの設
定した所定温度に達するまで、その途中である任意の温
度領域を60℃以下40℃とすると、1回の保温時間は
2〜4時間が好適である。2〜4時間よりも過小な保温
時間はロール巻き樹脂フィルムの中心部まで温度が下が
りきらない場合があり、また超過な保温時間は生産性を
下げるだけである。
【0017】また、請求項4に記載の発明は、前記任意
の温度領域を60℃以下30℃とした場合に、保温を行
う回数が2回のとき、1回ごとに好ましくは1〜3時間
行うことを特徴とするものである。
【0018】以上から、上記請求項3の発明において保
温回数が1回の場合と同様な観点により、保温回数を2
回に増した場合は、1回ごとの保温時間を少なくして1
〜3時間が好適である。
【0019】また、請求項5に記載の発明は、前記任意
の温度領域を60℃以下20℃とした場合に、保温を行
う回数が3回以上のとき、1回ごとに好ましくは0.5
〜2時間行うことを特徴とするものである。
【0020】以上から、上記請求項3,4の各発明にお
いて保温回数が1回,2回の場合と同様な観点により、
保温回数を3回またはそれ以上に増す場合は、1回ごと
の保温時間はさらに少なく0.5〜2時間が好適であ
る。それよりも保温時間が過小であるとロール巻き樹脂
フィルムの中心部まで温度が下がりきらず、また超過な
保温時間は生産性を下げる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明による難燃性粘着テ
ープの製造方法の実施の形態として、ポリオレフィン系
難燃性粘着テープの製造方法について説明する。
【0022】本例の樹脂フィルム加工されるシート状テ
ープ基材の材質は、燃焼時に有害なハロゲン化水素ガス
を発生しないオレフィン系樹脂を主成分としている。オ
レフィン系樹脂としては、オレフィン単独重合体である
たとえばエチレン,プロピレン,ブテンなどの他、オレ
フィンと共重合可能なモノマとの共重合体がある。具体
例として、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA:エチ
レン−ビニルアセテート)やエチレンアクリル酸エチル
共重合体(EEA:エチレン−エチルアクリレート)な
どを用いることができる。
【0023】EVAは、特に重量比を限定しないがエチ
レンと酢酸ビニルとの共重合体であり、酢酸ビニルの含
有量が増加すると、ゴム弾性,柔軟性,接着性,溶解性
などの特性が向上する。エチレンの含有量が増加する
と、剛性が大きくなり、耐摩耗性や電気絶縁性に優れた
特性が得られる。また、EEAについても特に重量比を
限定しないが、低密度ポリエチレンに似た外観を呈して
おり、ゴムや軟質ビニルにも似たエラストマの特性を有
している。
【0024】また、本例で用いられる難燃剤も特に制限
しないが、たとえば水酸化マグネシウム,水酸化アルミ
ニウム,酸化スズ,酸化アンチモン,赤リンなどの無機
難燃剤を単独または組み合わせによって使用することが
できる。なかでも、水酸化マグネシウムが好ましいとさ
れている。
【0025】また、本例で用いられるエマルジョン状の
粘着剤についてもその組成を特に制限しないが、市販品
のなかから好適とされるものを選択して使用することが
できる。たとえば、アクリル系樹脂,ウレタン系樹脂,
エポキシ系樹脂,メラミン系樹脂,フェノール系樹脂,
酢酸ビニル系樹脂,オレフィン系樹脂,エステル系樹
脂,そしてナイロン系樹脂などを主成分とするものがあ
る。なかでもアクリル系樹脂が優れた特性から好ましい
とされる。
【0026】上記材料からなるテープ基材がフィルム加
工され、そのシート状の樹脂フィルム表面にエマルジョ
ン状の粘着剤を塗工して、次の乾燥工程で粘着剤を加熱
して乾燥後、その樹脂フィルムをロール状に巻き取る。
【0027】本発明の製造方法の要旨は、そのロール状
に巻き取る際の樹脂フィルムを、恒温室に速やかに入れ
て常温設定した冷却下限の「所定温度」となるまでの冷
却期間中、途中の好適な「任意の温度領域」にて保温を
1回以上行って段階的に徐冷することにある。
【0028】具体的に、冷却下限となる所定温度を10
℃,20℃,30℃の三段階の「常温」として設定した
場合、粘着剤塗工後に加熱乾燥温度80℃で乾燥後、ロ
ール巻きされた樹脂フィルムを恒温室にて加熱乾燥温度
80℃から冷却を開始する。その際、10℃,20℃,
30℃の三段階のうちから1つ選択した常温に達するま
での途中、好適な任意の温度領域にて保温を1回以上行
うことで、段階的な徐冷を行う。
【0029】ここで、上記任意の温度領域を、加熱乾燥
温度80℃と各常温10℃,20℃,30℃との間のほ
ぼ中間温度とする。常温を10℃に設定した場合、加熱
乾燥温度80℃とその常温10℃との間の中間温度は4
5℃である。常温を20℃に設定した場合は、加熱乾燥
温度80℃とその常温20℃との間の中間温度は50℃
である。また、常温を30℃に設定すると、加熱乾燥温
度80℃との間の中間温度は55℃である。
【0030】以上から、本発明では、任意の温度領域の
意味を、上記三段階の中間温度45℃,50℃,55℃
のいずれも含む温度範囲として、「60℃以下20℃」
といっている。この任意の温度領域60℃以下20℃に
は、次に示すように、60℃以下40℃、60℃以下3
0℃の二種類の領域も含まれる。
【0031】表1は、係る本発明の製造方法の要旨に基
づき、実施例1〜10の10個のポリオレフィン系難燃
性粘着テープを製作し、同方法で製作した3個の従来例
1〜3のポリオレフィン系難燃性粘着テープを比較例と
して、ロール表面の「皺」と「突起」の発生状況につい
て比較した結果を示している。
【0032】すなわち、粘着剤塗工して80℃で加熱乾
燥してから、樹脂フィルムをロール状に巻き取り、恒温
室に速やかに入れて常温10℃,20℃,30℃のうち
の設定した温度まで冷却する。その間の中間温度である
任意の温度領域を60℃以下20℃に設定し、それら各
中間温度にて保温を1回,2回,そして3回行う場合の
それぞれについて観察して評価したものである。
【0033】
【表1】 表中、符号◎印は「無し」,○印は「微少」,△印は
「少ない」,×印は「中程度」,××印は「多い」を表
す。また、符号*印(実施例10)は、従来例1で「不
良」となったポリオレフィン系難燃性粘着テープに保温
処理を施したものである。また、表中、実施例のEVA
に関する常温20℃の場合が記載されていない理由は、
常温の設定の差が出やすい夏季(30℃)と冬季(10
℃)を代表例としたためである。
【0034】・実施例1,2 この両実施例のポリオレフィン系難燃性粘着テープは、
テープ基材となるフィルム材に上記EEAを用い、粘着
剤としてエマルジョン状のものを用い、この粘着剤を8
0℃の温度で加熱して乾燥後、設定した常温30℃に達
するまで徐冷を行う。実施例1の場合、常温30℃に達
するまでの中間温度60℃の雰囲気にて保温を1回だけ
2時間(hr)行う徐冷方法である。実施例2の場合、
常温30℃に達するまでの中間温度50℃の雰囲気にて
保温を1回だけ3時間行う徐冷方法である。
【0035】・実施例3 本例のポリオレフィン系難燃性粘着テープは、テープ基
材となるフィルム材に同じくEEAを用い、粘着剤とし
てエマルジョン状のものを用い、この粘着剤を80℃の
温度で加熱して乾燥後、設定した常温30℃に達するま
で徐冷を行う。この場合、常温30℃に達するまでの中
間温度60℃,40℃の各温度雰囲気で保温を段階的に
2回、各1時間ずつ行う徐冷方法である。
【0036】・実施例4 本例のポリオレフィン系難燃性粘着テープは、テープ基
材となるフィルム材に同じくEEAを用い、粘着剤とし
てエマルジョン状のものを用い、この粘着剤を80℃の
温度で加熱して乾燥後、設定した常温30℃に達するま
で徐冷を行う。この場合、常温30℃に達するまでの中
間温度60℃,50℃,40℃の各温度雰囲気で保温を
段階的に3回、各1時間ずつ行う徐冷方法である。
【0037】・実施例5 本例のポリオレフィン系難燃性粘着テープは、テープ基
材となるフィルム材に同じくEEAを用い、粘着剤とし
てエマルジョン状のものを用い、この粘着剤を80℃の
温度で加熱して乾燥後、設定した常温10℃に達するま
で徐冷を行う。この場合、常温10℃に達するまでの中
間温度40℃雰囲気で保温を1回だけ4時間行う徐冷方
法である。
【0038】・実施例6 本例のポリオレフィン系難燃性粘着テープは、テープ基
材となるフィルム材に同じくEEAを用い、粘着剤とし
てエマルジョン状のものを用い、この粘着剤を80℃の
温度で加熱して乾燥後、設定した常温10℃に達するま
で徐冷を行う。この場合、常温10℃に達するまでの中
間温度60℃,30℃の各温度雰囲気で保温を段階的に
2回、各2時間ずつ行う徐冷方法である。
【0039】・実施例7,8 この両実施例のポリオレフィン系難燃性粘着テープは、
テープ基材となるフィルム材に上記EVAを用い、粘着
剤としてエマルジョン状のものを用い、この粘着剤を8
0℃の温度で加熱して乾燥後、設定した常温30℃に達
するまで徐冷を行う。実施例7の場合、常温30℃に達
するまでの中間温度50℃雰囲気で保温を1回だけ2時
間徐冷する方法であり、実施例8の場合は常温30℃ま
での中間温度60℃,30℃の各温度雰囲気で保温を段
階的に2回、各1時間ずつ行う徐冷方法である。
【0040】・実施例9 本例のポリオレフィン系難燃性粘着テープは、テープ基
材となるフィルム材に同じくEVAを用い、粘着剤とし
てエマルジョン状のものを用い、この粘着剤を80℃の
温度で加熱して乾燥後、設定した常温10℃に達するま
で徐冷を行う。この場合、常温10℃に達するまでの中
間温度60℃,40℃,20℃の各温度雰囲気で保温を
段階的に3回、各1時間ずつ行う徐冷方法である。
【0041】・実施例10 本例のポリオレフィン系難燃性粘着テープは、テープ基
材となるフィルム材に上記EEAを用い、粘着剤として
エマルジョン状のものを用い、この粘着剤を80℃の温
度で加熱して乾燥後、設定した常温30℃に達するまで
その間に一度も保温を行うことなく、急速に冷却する
(次に示す従来例1と同じ)。これにより、皺や突起の
発生したテープを50℃,30℃の各温度雰囲気で保温
を段階的に2回、各1時間ずつ徐冷を行ったものであ
る。すなわち、本例にあっては、粘着剤を加熱乾燥後、
急速冷却によって皺や突起が発生してしまったテープの
場合でも、上記他の実施例と同様に再度加熱して保温す
ることにより、発生した皺や突起の減少にも有効である
ことを示している。
【0042】・従来例1,2 この両従来例のポリオレフィン系難燃性粘着テープは、
テープ基材となるフィルム材に上記EEAを用い、粘着
剤としてエマルジョン状のものを用い、この粘着剤を8
0℃の温度で加熱して乾燥後、従来例1の場合、常温3
0℃に達するまでその間に一度も保温を行うことなく、
急速冷却している。従来例2の場合、常温10℃に達す
るまでその間に一度も保温を行うことなく、急速冷却し
ている。
【0043】・従来例3 この従来例のポリオレフィン系難燃性粘着テープは、テ
ープ基材となるフィルム材に上記EVAを用い、粘着剤
としてエマルジョン状のものを用い、この粘着剤を80
℃の温度で加熱して乾燥後、設定した常温20℃に達す
るまでその間に一度も保温を行うことなく、急速冷却し
ている。
【0044】ここで、上記実施例1〜10と従来例1〜
3の各サンプルにおいて、それらの保温時間の設定は次
のような理由に基づいている。保温する回数が少ない場
合、1回の保温ごとの時間は十分に長く設定する必要が
あり、さもなくば巻き取られた粘着剤付きテープ基材の
フィルムロール中心の芯部まで温度が均一に下がりきら
ない。結果、そのテープ基材のフィル表面に作用する熱
ストレスを有効に緩和できない。反面、表1で設定した
保温時間よりも長くとればとるだけ有効とは限らない。
むしろ、保温時間が過大になると効果がさほど得られな
いうえに、生産効率が低下するだけである。
【0045】したがって、望ましい形態の保温時間とし
て、保温を1回だけ行う場合は2〜4時間、保温を2回
行う場合は1回ごとに1〜3時間、そして保温を3回ま
たはそれ以上の回数で行う場合は1回ごとに30分〜2
時間が好適である。
【0046】図1は、代表的に上記実施例4の場合の徐
冷方法について、温度と時間の相関を模式的に表したグ
ラフである。この場合、前述のように、常温を30℃に
設定し、粘着剤の乾燥加熱温度80℃からその常温30
℃に達するまで冷却を行う間に、中間温度の60℃雰囲
気で1回目の保温を1時間、50℃雰囲気で2回目の保
温を同じく1時間、そして40℃雰囲気で3回目の保温
を同じく1時間行う徐冷方法を示している。保温時間の
総計は3回で3時間である。
【0047】そこで、再び表1において、実施例1〜1
0と従来例1〜3の各サンプルを比較して考察するに、
樹脂フィルムによるロール表面の「皺」と「突起」の発
生状況は、実施例1と実施例5に「不良」の評価が見ら
れるが、他の実施例は大半「良」または「優」という好
結果の評価が得られた。ちなみに、図1で示した実施例
4の場合の徐冷方法では「優」の評価が得られた。
【0048】それに対して、比較例としての従来例1〜
3はいずれも「不良」と評価され、双方の徐冷形態によ
る製造方法の優劣の差異は歴然としている。
【0049】なお、本発明は、フィルム加工時の製造段
階でロール表面に皺や突起が発生するのを抑えるのに有
効となるだけでなく、実施例10で見られるように、発
生してしまった皺や突起を減少もしくは緩和することに
も有効である。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による難燃
性粘着テープの製造方法は、粘着剤を塗工後に加熱乾燥
する際、ロール状に巻き取られたテープ基材の樹脂フィ
ルムの表面に皺や突起などの異常が発生する従来の不具
合が、加熱乾燥後にロールを速やかに恒温(常温)室に
入れて保温を1回以上段階的に行って徐冷することによ
り、ロール表面に作用する熱ストレスを緩和して皺や突
起の異常を抑えるのに有効であり、高品質の難燃性粘着
テープを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるポリオレフィン系難燃性粘着テー
プの製造方法の実施の形態について、代表的に実施例4
の徐冷方法を模式的に表したグラフである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン系樹脂に難燃剤を配合してフ
    ィルム加工したものをテープ基材として形成し、このテ
    ープ基材を表面に粘着剤を塗工して加熱乾燥させた後に
    ロール状に巻き取り、その巻き取りロールを速やかに恒
    温室に入れて冷却下限の所定温度に達するまで冷却する
    間、任意の温度領域において少なくとも1回の保温を保
    温ごとに所定時間行うことにより、段階的に徐冷するこ
    とを特徴とする難燃性粘着テープの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記加熱乾燥温度を70〜90℃の温度
    範囲において好ましくは80℃とした場合に、冷却下限
    の前記所定温度を10℃,20℃,30℃の三段階に設
    定したとき、前記加熱乾燥温度の80℃から前記10
    ℃,20℃,30℃の三段階の所定温度のうちの選択し
    た温度に達するまで冷却する間、前記任意の温度領域で
    少なくとも1回の保温を保温ごとに所定時間行うことを
    特徴とする請求項1に記載の難燃性粘着テープの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記任意の温度領域を60℃以下40℃
    とした場合に、保温を行う回数が1回のとき、好ましく
    は2〜4時間行うことを特徴とする請求項1または2に
    記載の難燃性粘着テープの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記任意の温度領域を60℃以下30℃
    とした場合に、保温を行う回数が2回のとき、1回ごと
    に好ましくは1〜3時間行うことを特徴とする請求項1
    または2に記載の難燃性粘着テープの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記任意の温度領域を60℃以下20℃
    とした場合に、保温を行う回数が3回以上のとき、1回
    ごとに好ましくは0.5〜2時間行うことを特徴とする
    請求項1または2に記載の難燃性粘着テープの製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104559818A (zh) * 2013-10-12 2015-04-29 丹阳恒安化学科技研究所有限公司 一种胶带的加工工艺
KR20150060640A (ko) * 2015-05-14 2015-06-03 이수용 이물질 제거용 점착 롤 테이프 및 그 제조 방법

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