JP2000327674A - 4−ハロベンゾフラン誘導体及びその製造方法 - Google Patents
4−ハロベンゾフラン誘導体及びその製造方法Info
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- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Abstract
体を提供する。 【解決手段】 下記一般式(2) 【化1】 (式中、R1は水素、アルキル基又はアリール基を表
す。R2は各々独立してアルキル基を表し、さらにR2ど
うしが結合して1,3−ジオキソラン環又は1,3−ジ
オキサン環を形成していてもよい。X、X’は各々独立
してハロゲンを表す。)で示されるアセタール化合物
を、パラジウム化合物とホスフィンを含む触媒の存在
下、メタルアルコキサイドと反応させて得られる化合物
を酸処理する。
Description
ラン誘導体に関するものである。これらの4−ハロベン
ゾフラン誘導体は種々の4位置換ベンゾフランの合成中
間体として有用であり、さらに医農薬原料及び電荷輸送
材等の電子材料素材として有用な化合物である。
は、Journal of Chemical Soc
iety,Perkin Transaction
1,T.Otaら,p.3029−3035(198
8)及びSynlett,Y.Itoらp.1163−
1164(1997)等には、5−クロロベンゾフラン
及び7−クロロベンゾフランが開示されている。また、
有機合成化学協会誌,小槻,57,p.334−344
(1999)には、4−ブロモ−2−メチルフランと6
−ブロモ−2−メチルフランの混合物が記載されてい
る。これらの混合物は物性が極めて似ているため、分離
することはできない。
誘導体はサリチル酸シントン等として有用であり、例え
ば、抗腫瘍活性物質の合成へ利用する試みが、有機合成
化学協会誌,小槻,57,p.334−344(199
9)においてなされている。しかしながら、これまでは
合成上の問題から、例えば、4−ブロモ−2−メチルフ
ランは6−ブロモ−2−メチルフランとの混合物で存在
しており、4−ハロベンゾフラン単独では知られていな
かった。
あり、その目的は、異性体を有しない4−ハロベンゾフ
ラン誘導体を提供することにある。
を解決するため鋭意検討を重ねた結果、本発明の4−ハ
ロベンゾフラン誘導体及びその製造方法を見出し、本発
明を完成するに至った。
ール基を表し、Xはハロゲンを表す。)で示される4−
ハロベンゾフラン誘導体、及び下記一般式(2)
ール基を表し、R2は各々独立してアルキル基を表し、
さらにR2どうしが結合し1,3−ジオキソラン環又は
1,3−ジオキサン環を形成していてもよく、X、X’
は各々独立してハロゲンを表す。)で示されるアセター
ル化合物を、パラジウム化合物とホスフィンを含む触媒
の存在下、メタルアルコキサイドと反応させ、下記一般
式(3)
ール基を表す。R2はアルキル基を表し、さらにR2どう
しが結合し1,3−ジオキソラン環又は1,3−ジオキ
サン環を形成していてもよく、R3はアルキル基を表
し、Xはハロゲンを表す。)で示される化合物を得、さ
らに一般式(3)の化合物を酸処理することによる4−
ハロベンゾフラン誘導体の製造方法である。
ベンゾフラン誘導体において、置換基R1は、水素、ア
ルキル基又はアリール基を表す。アルキル基としては、
例えば、炭素数1〜4のアルキル基、具体的には、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ
る。アリール基としては、例えば、フェニル基、4−ト
リル基、4−(ターシャーリーブチル)フェニル基、4
−フルオロフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニ
ル基、4−メトキシフェニル基等を挙げることができ
る。
ベンゾフラン誘導体において、置換基Xはハロゲンを表
す。ハロゲンの具体例としては、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素であり、特に好ましくは合成の容易さから塩素で
ある。
ベンゾフラン誘導体の具体例としては、以下のものを挙
げることができる。即ち、4−クロロベンゾフラン、4
−クロロ−6−メチルベンゾフラン、4−クロロ−6−
ブチルベンゾフラン、4−クロロ−6−フェニルベンゾ
フラン、4−フルオロベンゾフラン、4−フルオロ−6
−メチルベンゾフラン、4−フルオロ−6−(p−トリ
ル)ベンゾフラン、4−ブロモベンゾフラン、4−ブロ
モ−6−メチルベンゾフラン、4−ヨードベンゾフラ
ン、4−ヨード−6−メチルベンゾフラン等が例示され
る。
−ハロベンゾフラン誘導体の製造方法について説明す
る。なお、本発明の一般式(1)で示される4−ハロベ
ンゾフラン誘導体の製造方法が、以下に示す製造方法に
限られるものではないことはいうまでもない。
ラン誘導体は、例えば、以下のように合成することがで
きる。即ち、まず一般式(2)
ール基を表し、R2はアルキル基を表し、さらにR2どう
しが結合し1,3−ジオキソラン環又は1,3−ジオキ
サン環を形成していてもよく、X、X’は各々独立して
ハロゲンを表す。)で示されるアセタール化合物を、パ
ラジウム化合物とホスフィンを含む触媒の存在下、メタ
ルアルコキサイドと反応させ、下記一般式(3)
ール基を表し、R2はアルキル基を表し、さらにR2どう
しが結合し1,3−ジオキソラン環又は1,3−ジオキ
サン環を形成していてもよく、R3はアルキル基を表
し、Xはハロゲンを表す。)で示される化合物を合成す
る。
において、置換基R1は水素、アルキル基又はアリール
基を表す。アルキル基としては、例えば、炭素数1〜4
のアルキル基、具体的には、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基等が挙げられる。アリール基の具体例
としては、フェニル基、4−トリル基、4−(ターシャ
ーリーブチル)フェニル基、4−フルオロフェニル基、
3−トリフルオロメチルフェニル基、4−メトキシフェ
ニル基等が挙げられる。また、置換基R2はアルキル基
を表す。アルキル基としては、例えば、炭素数1〜4の
アルキル基、具体的には、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基等が挙げられ、さらにR2どうしが結合
して1,3−ジオキソラン環又は1,3−ジオキサン環
を形成することもできる。置換基X、X’は各々独立し
てハロゲンを表し、具体例としては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素であり、特に好ましくは入手性及び合成の容
易さから塩素である。
とホスフィンを組み合わせて触媒として反応系に加え
る。添加方法は、反応系にそれぞれ単独に加えても、予
め錯体の形に調製して添加してもよい。
パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、酢酸パ
ラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)
二パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセト
ン)二パラジウムクロロホルム錯体(0)、テトラキス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等を用い
ることができる。パラジウム化合物の使用量は、上記一
般式(2)で示されるアセタール化合物に対し、パラジ
ウム換算で0.001〜15.0モル%であり、より好
ましくは、パラジウム換算で0.01〜8.0モル%で
ある。
はないが、トリ(ターシャリーブチル)ホスフィン、1
−(N,N−ジメチルアミノメチル)−2−(ジターシ
ャーリーブチルホスフィノ)フェロセン、1−(メトキ
シメチル)−2−(ジターシャーリーブチルホスフィ
ノ)フェロセン、1,1’−ビス(ジターシャーリーブ
チルホスフィノ)フェロセン、2,2’−ビス(ジター
シャーリーブチルホスフィノ)−1,1’−ビナフチ
ル、2−メトキシ−2’−(ジターシャーリーブチルホ
スフィノ)−1,1’−ビナフチル等のターシャーリー
ブチル−リン結合を有するホスフィンが好適な例として
挙げられる。ホスフィンの使用量は、パラジウム化合物
に対して0.5〜10倍モルが適当であり、より好まし
くはパラジウム化合物に対して0.8〜5倍モルの範囲
である。
ルコキサイドとしては、特に限定するものではないが、
ターシャリーブトキシナトリウム、ターシャリーブトキ
シリチウム、ターシャリーブトキシカリウム、イソプロ
ポキシナトリウム、メトキシナトリウム等が好適な例と
して挙げられる。さらに好ましくは反応性及び入手性の
良さからターシャリーブトキシナトリウムである。これ
らのメタルアルコキサイドの使用量は、一般式(2)で
示されるアセタール化合物に対してモル比で0.4〜
2.0の範囲であり、より好ましくは0.6〜1.4の
範囲である。
溶媒は特に制限はされないが、好ましくは不活性溶媒下
に実施される。溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素溶媒を好ましく用いることがで
きる。
活性ガス雰囲気下に実施されるが、加圧条件下に実施す
ることもできる。反応温度は20℃〜300℃の範囲で
実施されるが、より好ましくは50℃〜200℃の範囲
である。反応時間は、反応条件、一般式(2)で示され
るアセタール化合物、及びパラジウム化合物等により異
なるが、数分〜72時間の範囲から選択すればよい。反
応終了後、水を添加し、ジエチルエーテル等の有機溶媒
を用い抽出操作を行う。溶媒を濃縮により除去した後、
一般式(3)で示される化合物を得ることができる。
(3)で示される化合物を酸処理する。酸としては、例
えば、塩酸、硫酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、
トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸等を
挙げることができる。これらの酸の使用量は、一般式
(3)で示される化合物に対してモル比で0.05〜1
00の範囲であり、より好ましくは0.5〜30の範囲
である。反応温度は20〜80℃の範囲であり、反応時
間は1〜50時間である。反応終了後、常法に従い処理
することにより、一般式(1)で示される4−ハロベン
ゾフラン誘導体を得ることができる。
ラン誘導体合成の原料である、一般式(2)で示される
アセタール化合物の合成については、例えば、以下のよ
うにして合成することができる。即ち、置換基R1を有
する2,6−ジハロベンジルハライドをエーテル中、マ
グネシウムと接触させることにより対応するグリニャー
ル試薬を調製した後、N,N−ジメチルホルムアミドと
反応させる。生成物の2,6−ジハロアリールアセトア
ルデヒドを酸触媒の存在下、アルコールと反応せしめる
ことで、一般式(2)で示されるアセタール化合物を合
成することができる。該合成法を以下に示す。
は、医農薬原料等として有用な化合物である。本発明の
4−ハロベンゾフラン誘導体の4位のハロゲンは、パラ
ジウム化合物とホスフィンからなる触媒を用いることに
より、アミノ基、アリール基、アルコキシ基に変換する
ことができることから、各種の4位置換ベンゾフラン誘
導体合成の原料として有用な化合物である。また、本発
明の4−ハロベンゾフラン誘導体は、入手容易な2,6
−ジハロアリールアセトアルデヒドから合成することが
できる。
れらに限定されるものではない。
ルアセタールの合成)温度計、滴下ロート、3方コッ
ク、及びメカニカルスターラーを備えた200mlの三
口フラスコを窒素置換し、マグネシウム1.85g(7
6mmol)及びジエチルエーテル30mlを加えた。
滴下ロートに2,6−ジクロロベンジルクロライド(東
京化成品)13.5g(69mmol)及びジエチルエ
ーテル40mlからなる溶液を加え、反応系内の温度が
30℃前後になるように滴下した。30分間室温で熟成
後、氷冷し、N,N−ジメチルホルムアミド6g(82
mmol)を滴下した。室温で1時間熟成後、氷冷し、
3N塩酸50mlを投入した。分相し、ジエチルエーテ
ルで抽出し、合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。濾過、濃縮後、得られた残渣にメチルターシャ
ーリーブチルエーテル5mlを添加し、加熱溶解させ
た。室温まで冷却後、析出した結晶を濾過し、2,6−
ジクロロフェニルアセトアルデヒドの結晶8.1g(4
3mmol)を得た。収率62%。
上記で得られた2,6−ジクロロフェニルアセトアルデ
ヒド2.52g(13.3mmol)、p−トルエンス
ルホン酸・1水和物30.7mg(0.16mmo
l)、及びメタノール80mlを仕込んだ。90℃に加
熱し、メタノールを留去させた。残渣をジエチルエーテ
ルで希釈し、飽和重曹水及び水で洗浄し、有機相に無水
硫酸ナトリウムを加えた。濾過、濃縮後、残渣を1.4
mmHgの減圧下蒸留し、2,6−ジクロロフェニルア
セトアルデヒド ジメチルアセタール2.57g(1
0.9mmol)を得た。収率82%。
30mlの三口フラスコを窒素置換し、酢酸パラジウム
(和光純薬製)14.4mg(0.064mmol,基
質2,6−ジクロロフェニルアセトアルデヒド ジメチ
ルアセタールに対して3.0mol%)、ターシャリー
ブトキシナトリウム228mg(2.37mmol)、
o−キシレン5ml、トリ(ターシャーリーブチル)ホ
スフィン40.8mg(0.20mmol)、2,6−
ジクロロフェニルアセトアルデヒド ジメチルアセター
ル503mg(2.14mmol)を加えた。120℃
まで昇温した後、その温度で4時間撹拌した。室温まで
冷却後、水10mlを添加し、ジエチルエーテルで抽出
した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。残渣に
濃塩酸4.2g(HClとして40.8mmol)を添
加し、室温で24時間攪拌した。水を添加し、ジエチル
エーテルで抽出した。有機相に無水硫酸ナトリウムを加
えて乾燥させた。濾過、濃縮後、残渣を40mmHgの
減圧下蒸留し、4−クロロベンゾフラン166mg
(1.09mmol)を得た。収率51%。
TMS):δ=6.86(d,J=2.0Hz,1
H), 7.20−7.24(m,2H), 7.40
(dd,J=6.1Hz,2.0Hz,1H), 7.
63(d,J=2.0Hz,1H).13 C NMR(100MHz,CDCl3,TMS)δ
=105.40, 110.09, 122.78,
124.92, 126.33, 127.04, 1
45.49, 155.31
Claims (3)
- 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1は水素、アルキル基又はアリール基を表
し、Xはハロゲンを表す。)で示される4−ハロベンゾ
フラン誘導体。 - 【請求項2】 一般式(1)において、R1が水素であ
り、Xが塩素であることを特徴とする請求項1に記載の
4−ハロベンゾフラン誘導体。 - 【請求項3】 下記一般式(2) 【化2】 (式中、R1は水素、アルキル基又はアリール基を表
す。R2は各々独立してアルキル基を表し、さらにR2ど
うしが結合して1,3−ジオキソラン環又は1,3−ジ
オキサン環を形成していてもよい。X、X’は各々独立
してハロゲンを表す。)で示されるアセタール化合物
を、パラジウム化合物とホスフィンを含む触媒の存在
下、メタルアルコキサイドと反応させ、下記一般式
(3) 【化3】 (式中、R1は水素、アルキル基又はアリール基を表
す。R2は各々独立してアルキル基を表し、さらにR2ど
うしが結合し1,3−ジオキソラン環又は1,3−ジオ
キサン環を形成していてもよい。R3はアルキル基を表
し、Xはハロゲンを表す。)で示される化合物を得、さ
らに一般式(3)の化合物を酸処理することを特徴とす
る請求項1又は請求項2に記載の4−ハロベンゾフラン
誘導体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14489699A JP4505876B2 (ja) | 1999-05-25 | 1999-05-25 | 4−ハロベンゾフラン誘導体及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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ID=15372862
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14489699A Expired - Fee Related JP4505876B2 (ja) | 1999-05-25 | 1999-05-25 | 4−ハロベンゾフラン誘導体及びその製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60169473A (ja) * | 1983-12-22 | 1985-09-02 | アーバモント インク ディビーエイ アドリヤ ラボラトリーズ | 鎮吐剤または抗精神病剤として有用なベンゾフランカルボキサミド類 |
JPH04128266A (ja) * | 1988-08-24 | 1992-04-28 | Mochida Pharmaceut Co Ltd | ヒダントイン誘導体及びそれを有効成分とする医薬組成物 |
JPH0649052A (ja) * | 1992-03-13 | 1994-02-22 | Eli Lilly & Co | 抗腫瘍剤 |
-
1999
- 1999-05-25 JP JP14489699A patent/JP4505876B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60169473A (ja) * | 1983-12-22 | 1985-09-02 | アーバモント インク ディビーエイ アドリヤ ラボラトリーズ | 鎮吐剤または抗精神病剤として有用なベンゾフランカルボキサミド類 |
JPH04128266A (ja) * | 1988-08-24 | 1992-04-28 | Mochida Pharmaceut Co Ltd | ヒダントイン誘導体及びそれを有効成分とする医薬組成物 |
JPH0649052A (ja) * | 1992-03-13 | 1994-02-22 | Eli Lilly & Co | 抗腫瘍剤 |
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