JP2000327502A - イネいもち病の省力的防除方法 - Google Patents

イネいもち病の省力的防除方法

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JP2000327502A
JP2000327502A JP11138477A JP13847799A JP2000327502A JP 2000327502 A JP2000327502 A JP 2000327502A JP 11138477 A JP11138477 A JP 11138477A JP 13847799 A JP13847799 A JP 13847799A JP 2000327502 A JP2000327502 A JP 2000327502A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 省力的で且つ安定した防除効果を得ることが
でき、薬害を伴わずに育苗箱内で行われるイネいもち病
の新しい防除方法を開発することを目的とする。 【解決手段】 イネいもち病菌に対する防除活性をもち
且つ水稲の育苗箱内でイネの催芽したまたは未催芽の種
籾を処理した時にも育苗箱からのイネ苗の水田移植後の
イネに発病するイネいもち病の防除に有効である性能を
有する化合物を有効成分として含有する粉末状水和剤、
顆粒状水和剤または水性懸濁剤を水で希釈してなる水希
釈薬液を、育苗箱への床土充填後に但し播種前に床土に
潅注または噴霧散布するか、または催芽したまたは未催
芽の種籾の播種後に但し覆土前に床土上からの種籾に該
水希釈薬液を潅注または噴霧散布するか、または播種後
に但し覆土の直後に覆土の表面に潅注または噴霧散布す
ることを特徴とする、育苗箱内で行われるイネいもち病
の省力的防除方法が工夫された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水稲の重要病害の
一つであるイネいもち病の防除を目的として水稲用の育
苗箱内で行われるイネいもち病の防除方法であって、省
力的、かつ安定した防除効果を得ることができる新しい
イネいもち病防除方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水稲育苗方法では、機械移植の普及によ
り育苗箱を利用した苗栽培が一般的となっている。水稲
の重要病害の一つであるイネいもち病に対しても、その
防除薬剤の茎葉散布あるいは湛水散布による従来の防除
方法に加えて、環境への負荷の軽減化をも考慮して開発
された育苗箱内での防除薬剤の処理による防除法として
下記の方法が普及しつつある。
【0003】すなわち、育苗箱内で防除薬剤で処理する
ことによるイネいもち病の防除方法として、イネいもち
病の防除薬剤の粒状製剤を育苗箱内の床土に混和する方
法(特公昭54−92622)、種籾の播種後に但し覆
土前に床土上に粒状製剤を散粒する方法(一般委託試験
成績 3北陸地域 殺菌剤 3頁;平成10年日本植物防
疫協会)、および育苗時および移植当日に育苗箱内にあ
る稲体上から散粒する方法(一般委託試験成績 3北陸
地域 殺菌剤 11頁;平成10年日本植物防疫協会発行)
が知られている。しかしながら、これら粒状製剤は散粒
時に偏在し易く、これを均一に育苗箱内に施用すること
は困難である。そのため、所定薬量が施用されていない
苗株を水田に移植する事態が起こることが多く、このこ
とによりイネいもち病の防除に効果不足が生じる欠点が
ある。また、大量の育苗箱の処理においては、育苗箱毎
に処理すると、多大な労力を必要とするため、作業効率
面より手動式散粒器や小型動力散粉機を使用することが
ある。しかし、これらの装置を使用した場合には、粒剤
または粉剤を所定薬量で均一に施用することはさらに困
難な状況にある。さらに、施用した後、茎葉部に付着し
た薬剤を払い落とし、土壌面への固着を良くするために
散水する作業を行わなければならず、作業が煩雑であ
る。
【0004】育苗時の緑化期〜硬化期のイネ苗または移
植時直前のイネ苗に、水和剤を水に希釈してなる薬液を
潅注する方法(農薬ハント゛フ゛ック248頁;1998年日本植物防
疫協会発行)が知られている。しかし、この方法では、
育苗環境によっては苗の生育に悪影響を生じることがあ
り、さらに殺菌効果の面で必ずしも常に十分とは言い難
い。
【0005】また、カスガマイシンの溶液状製剤の4〜
8倍希釈の高濃度薬液を育苗箱の1箱あたり50ml量で種
籾の播種後に但し覆土前に種籾を乗せた床土の上から噴
霧によって散布する方法(一般委託試験成績 II東北地
域 殺菌剤 97頁;平成10年日本植物防疫協会発行)も
知られている。しかし、この方法では、種子伝染性であ
る苗いもち病に対しては有効であるものの、水田移植後
のいもち病の防除に対しては効果の持続性が短く、水田
でいもち病が流行する梅雨時にはいもち病の実用上有効
な防除効果が事実上得られない欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これまで述べてきたよ
うに、育苗箱内で防除処理することによるイネいもち病
の防除方法は、従来行われた水田移植後の防除剤の茎葉
散布あるいは湛水散布からなる防除方法と比べて、作業
労力や環境汚染を軽減化することができた。
【0007】しかし、イネいもち病防除剤の粒状製剤で
防除処理する場合は育苗箱内に均一に粒状製剤を施用す
ることが必須であるが、そのような粒剤の均一施用は、
多大な労力をもってしても極めて困難な状況にある。よ
り簡便且つ有効に育苗箱内で実行できる新しいいもち病
防除方法が求められている。
【0008】また、育苗箱内で種籾の播種直後のの薬液
の散布および育苗時の薬液の潅注処理によるイネいもち
病の防除方法は、育苗環境によっては薬害が生ずる恐れ
があり、また水田移植後に起こるいもち病防除の効果が
十分でないため、安全であり且つより効果の高い方法が
求められている。 本発明の目的はこのような現状に鑑
み、水稲育苗箱内で省力的に薬剤処理を行うことができ
て、しかも優れた防除効果を発揮できるイネいもち病防
除方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために鋭意検討を重ねてきた。その結果、
イネいもち病菌に対する防除活性をもち且つ水稲用育苗
箱内でイネ苗にまで生育する以前の段階の種籾に施用し
て処理した時にも、育苗箱から水田移植後のイネで発生
するイネいもち病を防除するのに有効である性能、また
は性質を有する化合物を有効成分として含有する粉末状
水和剤または顆粒状水和剤または水性懸濁液製剤は、こ
れを水で希釈して水希釈薬液とした後に、浸種して十分
に吸水させて催芽した種籾あるいは未催芽の種籾を、育
苗箱に播種する直前に、床土土壌を充填した育苗箱内で
前記の水希釈薬液を床土上から潅注または噴霧散布する
か、あるいは、床土上に播種した後に但し覆土前に種籾
上から前記の水希釈薬液を潅注または噴霧散布するか、
あるいは床土に播種後に且つ覆土した直後に覆土の表面
に育苗箱に潅注または噴霧散布する場合に、水田移植後
の水稲で発病するイネいもち病を長期にわたり安定して
防除できることを見出した。
【0010】従って、本発明においては、イネいもち病
菌に対する防除活性をもち且つ水稲の育苗箱内でイネの
催芽したまたは未催芽の種籾を処理した時にも育苗箱か
らイネ苗の水田移植後のイネに発病するイネいもち病の
防除に有効である性能を有する化合物を有効成分として
含有する粉末状水和剤、顆粒状水和剤または水性懸濁剤
を水で希釈してなる水希釈薬液を、育苗箱への床土充填
後に但し播種前に床土に潅注または噴霧散布するか、ま
たは催芽したまたは未催芽の種籾の播種後に但し覆土前
に床土上から種籾に該水希釈薬液を潅注または噴霧散布
するか、または播種後に但し覆土の直後に覆土の表面に
潅注または噴霧散布することを特徴とする、育苗箱内で
行われるイネいもち病の省力的防除方法が提供される。
【0011】本発明において、イネいもち病菌に対する
防除活性をもち且つ水稲の育苗箱内でイネ種籾を処理し
た時にも育苗箱からのイネ苗の水田移植後のイネに発病
するイネいもち病の防除に有効である性能を有する化合
物とは、イネ植物体内に移行することによってイネいも
ち病菌の感染を阻害できる性質をもつ化合物、あるいは
イネ植物体内に移行することによってイネの病害抵抗性
を増強してイネいもち病菌の発病を抑制できる性質をも
つ化合物であることができる。
【0012】本発明の方法において、育苗箱内で潅注ま
たは噴霧散布されるべき水希釈薬液を調製するのに使用
できるイネいもち病防除用の水和剤または水性懸濁剤に
含まれる有効成分としては、イネいもち病の防除活性を
もち、しかも水田移植後の湛水散布(水面施用)の場合
にも、あるいは水田移植前の育苗箱内で施用した場合に
も水田移植後のイネでいもち病を防除するのに有効であ
ることができる農薬化合物であればよい。使用するのに
好ましい有効成分化合物として下記の化合物を挙げるこ
とができるが、これらに限定されるものではない。
【0013】1)2−(6−メチル−2−ピリジル)−
4−n−プロピル−6−ピリミジニルオキシエチル−
2,6−ジクロロイソニコチナート (特開平9−95
489号に記載の化合物であり、以下では化合物Aと略
記する) 2)(1RS,3SR)−2,2−ジクロロ−N−[1
−(4−クロロフェニル−)エチル]−1−エチル−3
―メチルシクロプロパンカルボキサモド (以下に化合
物Bと略記す) 3)1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルバオ
チオン酸S−メチルエステル(1,2,3−benzothiadi
azole−7−carbaothioic acid S−methyl ester)(以
下に化合物Cと記す) 4)1,2,5,6−テトラヒドロピロロ[3,2,1
−ij]キノリンー4−オン 5)ジイソプロピル−1,3−ジチオラン−2−イリデ
ン−マロネート 6)3−アリルオキシ−1,2−ベンゾイソチアゾール
−1,1−ジオキシド 7)メチル=(E)−2−[2−{6−(2−シアノフ
ェノキシ)ピリミジン−4−イルオキシ}フェニル]−
3−メトキシアクリラート 有効成分は、2種またはそれ以上併用することができ
る。
【0014】本発明により育苗箱内で行われるイネいも
ち病の防除方法は次のようにして3つの態様で行う。す
なわち、第1に、播種前に但し覆土前に水希釈薬液を施
用する場合には、水に浸種して十分に吸水させた催芽し
た籾あるいは未催芽の籾を播種する直前に、育苗箱に充
填された床土の土壌あるいは敷きつめたイネ育苗用マッ
トの上に育苗箱内で水希釈薬液を潅注または噴霧散布す
る。第2に、播種後に但し覆土前に水希釈薬液を施用す
る場合には、床土上に播種した種籾上に水希釈薬液を潅
注または噴霧散布し、そののち覆土する。第3に、播種
後に且つ覆土直後に水希釈薬液を施用する場合は、床土
上に播種後で且つ覆土した直後に覆土の土壌表面に水希
釈薬液を潅注または噴霧散布する。薬液の潅注処理また
は噴霧散布は、如露や噴霧器などの適当な器具を使用し
て行う。水稲用の標準の育苗箱の1800cm2の面積あたり2
0〜1000ml、好ましくは100〜500mlの容量で水希釈薬液
を潅注、あるいは噴霧散布すればよい。また処理に使用
する薬液の有効成分の施用量は、限定されるものでない
が、育苗箱の1800cm2の面積あたり0.1〜20g、好ましく
は1〜10gである。
【0015】本発明の方法において、水で希釈して水希
釈薬液を調製するのに使用する粉末状水和剤または水性
懸濁剤の形の製剤は、これに含有されてイネいもち病防
除に効果を示す有効成分としての化合物が水中に溶解あ
るいは懸濁する化合物であればよい。そのような製剤
は、有効成分と適当な担体および補助剤を、例えば界面
活性剤、結合剤、安定剤などを配合し、さらに常法によ
って水和剤、水性懸濁剤(フロアブル)、または顆粒状
水和剤等に調製される。これらの水和剤または懸濁剤の
製剤中における有効成分の含有量(水希釈する以前の)
は、限定的なものではないが、通常は1〜80%である。
【0016】上記の製剤に配合し得る担体としては、農
薬製剤に常用されるものであれば、固体または液体のい
ずれでも使用でき、特定のものに限定されるものではな
い。例えば固体担体として、鉱物質粉末(カオリン、ベ
ントナイト、クレー、タルク、けいそう土、シリカ、バ
ーミキュライト、炭酸カルシウムなど)、天然高分子
(小麦粉、デンプン、結晶セルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、ゼラチンなど)、糖類(グルコース、マ
ントース、ラクトース、シュクロースなど)、尿素、硫
安などが挙げられる。また液体担体として水が使用でき
る。
【0017】また、上記の製剤には、分散、可溶化、湿
潤化、拡展などの目的で各種の界面活性剤を使用するこ
とができる。また、界面活性剤とともに、水溶性高分子
化合物を配合することができる。また、酸化防止剤、光
分解防止剤、物理性改良剤、有効成分安定化剤、粘度調
整剤、凍結防止剤などの各種補助剤を配合することがで
きる。さらに、シリコン系等の消泡剤、あるいは防かび
剤などの他成分を配合してもよい。さらに、殺虫性有効
成分を配合して用いることができる。
【0018】また、本発明のイネいもち病の省力防除方
法においては、上記の農薬製剤の水希釈薬液の施用と同
時に、その他の殺菌剤、イネシンガレセンチュウ用殺虫
剤やその他の殺虫剤、植物成長調節剤、肥料を施用する
ことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明の方法で施用する水
希釈薬液の調製に利用できる水和剤または水性懸濁剤に
ついて製剤例を示す。また、比較に用いた粒剤の製剤例
を示す。なお、製剤例中で化合物A、化合物Bまたは化
合物Cは前記に示した化合物を指し、また部とあるもの
は、すべて重量部である。
【0020】製剤例1 (水和剤) 化合物A 80部 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 2部 リグニンスルホン酸ナトリウム 3部 ホワイトカーボン 1部 クレー 14部 上記の物質を均一に混合し、粉砕した。有効成分として
化合物Aを80%含有する粉末状の水和剤を得る。
【0021】製剤例2 (水和剤) 化合物B 40部 ホワイトカーボン 5部 ラウリル硫酸ナトリウム 4部 リグニンスルホン酸カルシウム 4部 クレー 47部 上記の物質を均一に混合し、粉砕した。有効成分として
化合物Bを40%含有する粉末状の水和剤を得る。
【0022】製剤例3 (水性懸濁剤) 化合物A 30部 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 3部 リグニンスルホン酸ナトリウム 5部 プロピレングリコール 5部 防黴剤 1部 キサンタンガム2%水溶液 0.4部 水 55.6部 上記の物質をホモミキサー(日本特殊機化工業株式会社
製)で均一に混合し混合分散させた。有効成分として化
合物Aを30%含有する水性懸濁剤を得る。
【0023】製剤例4 (顆粒状水和剤) 化合物A 50部 ホワイトカーボン 5部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩 8部 ジアルキルスルホサクシネートナトリウム塩 4部 可溶性デンプン 5部 クレー 28部 上記の物質を混合粉砕した後、水10部を加えて混練し、
0.5mmのスクリーンを付けた押し出し造粒機にて造粒
後、乾燥、整粒した。有効成分として化合物Aを50%含
有する顆粒状水和剤を得た。
【0024】製剤例5 (顆粒状水和剤) 化合物C 40部 ケイソウ土 8部 アルキルマレイン酸重合物 6部 ジアルキルスルホサクシネートナトリウム塩 4部 カルボキシメチルセルロース 3部 クレー 39部 上記の物質を混合粉砕した後、水10部を加えて混練し、
0.5mmのスクリーンを付けた押し出し造粒機にて造粒
後、乾燥、整粒した。有効成分として化合物Cを40%含
有する顆粒状水和剤を得た。
【0025】比較製剤例1 化合物A 16部 ラウリルサルフェートナトリウム 2部 リグニンスルホン酸カルシウム 5部 ベントナイト 10部 ホワイトカーボン 4部 ポリビニールアルコール 2部 クレー 61部 上記の物質を混合粉砕した後、水10部を加えて混練し
て、0.9mmのスクリーンを付けた押し出し造粒機にて
造粒後、乾燥、整粒した。有効成分16%の粒剤を得た。
【0026】比較製剤例2 化合物B 4部 ラウリルサルフェートナトリウム 2部 リグニンスルホン酸カルシウム 5部 ベントナイト 10部 ホワイトカーボン 4部 ポリビニールアルコール 2部 クレー 73部 上記の物質を混合粉砕した後、水10部を加えて混練し、
0.9mmのスクリーンを付けた押し出し造粒機にて造粒
後、乾燥、整粒した。有効成分4%の粒剤を得た。
【0027】比較製剤例3 化合物C 2部 ラウリルサルフェートナトリウム 2部 リグニンスルホン酸カルシウム 5部 ベントナイト 10部 ホワイトカーボン 4部 ポリビニールアルコール 2部 クレー 75部 上記の物質を混合粉砕した後、水10部を加えて混練し
て、0.9mmのスクリーンを付けた押し出し造粒機にて
造粒後に乾燥、整粒した。有効成分2%の粒剤を得た。
【0028】上記の製剤例1〜5に示された水和剤、水
性懸濁剤、顆粒状水和剤の水希釈薬液を用いて本発明の
方法を行うことができる。
【0029】
【発明の効果】本発明のイネいもち病の省力的防除方法
は、浸種して十分に吸水させた催芽籾あるいは無催芽籾
を育苗箱に播種する直前の床土土壌を充填した育苗箱内
で前記の床土上に水希釈薬液を潅注または噴霧散布する
か、あるいは播種後に但し覆土前の床土上にある種籾上
に水希釈薬液を潅注または噴霧散布するか、あるいは播
種後で但し覆土した直後に育苗箱内で覆土表面に潅注ま
たは噴霧散布するだけでよい。そのため、従来技術によ
る育苗箱への散粒処理方法と比べて、育苗箱内に均一に
有効成分を施用することができ、より安定した防除効果
が得られる。また、従来の粒剤と土壌との混和処理法あ
るいは育苗箱への散粒処理法と比べて、作業労力が大幅
に軽減され、極めて省力できる防除方法である。
【0030】次に、本発明による稲いもち病の省力的防
除方法の有用な効果を示すため試験例を示す。
【試験例】試験例1〜3および比較試験例1〜5 ハウ
ス内ポット試験 イネ育苗箱(30x60x3cm)に人工培土(クレハ粒状
培土D、呉羽化学社製)を床土として2.5リットル充填
した。また該人工培土を覆土として1.2リットルを使用
した。播種は催芽した種籾180gを箱内に均一になるよう
に手でばらまくことにより行った。製剤例1に準じた水
和剤10gを水500mlに加え攪拌して水希釈薬液を調製し
た。薬液の施用は、播種直前の床土に、あるいは播種後
但し覆土前の床土上の種籾上に、あるいは覆土直後に覆
土表面にそれぞれ500ml量を如露で潅注して行われた。
比較試験として、カスガマイシン液剤の市販品を水で4
倍希釈し、播種直前に、あるいは播種後に但し覆土前に
あるいは覆土直後に1箱あたり手押し式噴霧器で50ml量
を噴霧散布した。
【0031】薬剤処理後は、温室内で21日間生育管理し
た。その後に、育苗箱苗を、2条田植機(クボタAP−
20)により苗株としてカットし、1株あたり4〜6本
の苗を有する株を、埴壌土(神奈川県厚木市産)を充填
して代掻きした1/5000アールのポットに1株ずつ移植
した。移植4週間後に、いもち病が発病した苗を有する
別のポットとともにビニールハウス内に入れ、日中は寒
冷紗で遮光し、夜間は過湿状態にしていもち病の感染と
発病を促した。
【0032】接種15日後に全株について下記の基準によ
り発病指数を調査し、また発病度および防除価を下記の
計算式で算出した。なお、別の比較試験として、比較製
剤例1の粒剤は、苗の移植直前に育苗箱の上から50g量
散粒し、茎葉部に付着した粒剤を払い落し軽く潅水した
後、2条田植機で苗株としてカットした。また別に、比
較製剤例1の粒剤を移植株に均一に施用して処理するた
めの比較試験として、薬剤処理していない育苗箱の苗を
田植機でカットし、ポット移植した直後の苗の株元に粒
剤の45mgの量をまとめておいて処理をした。[注):一
般的に播種後21日育成したイネ苗を10アールの面積の水
田に移植する場合は、育苗箱20箱分の苗を必要とする。
また栽植密度は15x30cmであるため10アールの水田に
移植される苗の総株数は22,222株となる。従って、育苗
箱の1箱あたり50gの粒剤施用量による処理は、水田移
植後の苗1株あたりに45mgの量の粒剤の施用に相当す
る]。
【0033】発病指数 1株あたりの病斑数 0 0 1 1〜3 2 4〜10 3 11以上
【0034】 但し上記の式において、N:調査株数(125株) n1〜n3:それぞれの発病指数に該当する株数
【0035】
【0036】得られた試験結果を表1に示す。
【0037】試験例4〜6および比較試験例6〜7
ウス内ポット試験 イネ育苗箱(30x60x3cm)に人工培土(クレハ粒状
培土D、呉羽化学社製)を床土として2.5リットル充填
した。また該人工培土を覆土として1.2リットルを使用
した。播種は催芽処理した種籾180gを箱内に均一になる
ように手でばらまいて行った。製剤例2に準じた水和剤
5gを水500mlに加え攪拌して水希釈薬液を調製した。こ
の薬液の施用は、播種直前の床土に、または播種後に但
し覆土前の床土上の種籾上に、あるいは覆土直後の覆土
表面にそれぞれ500ml量を如露で潅注した。
【0038】温室内で21日間生育管理した育苗箱苗を、
2条田植機(クボタAP−20)により苗株としてカット
し、4〜6本の苗を有する株を、埴壌土(神奈川県厚木
市産)を充填して代掻きした1/5000アールのポットに
1株ずつ移植した。移植4週間後に、いもち病が発病し
た苗を有する別のポットとともにビニールハウス内に入
れ、日中は寒冷紗で遮光し、夜間は過湿状態にして、い
もち病の感染と発病を促した。接種15日後に、全株につ
いて試験例1〜3に示した上記の基準により発病指数を
調査し、発病度および防除価を算出した。
【0039】なお比較試験として、比較製剤例2の粒剤
を、移植直前に育苗箱内の苗の上から50g量散粒し、茎
葉部に付着した粒剤を払い落し軽く潅水した後、2条田
植機で苗をカットし移植した。また、別に比較製剤例2
の粒剤を移植株に均一に施用して処理するため、薬剤処
理していない育苗箱苗を田植機でカットし、ポット移植
した直後の苗の株元に45mgの粒剤をまとめて置いて処理
した。
【0040】結果を表2に示す。
【0041】試験例7〜9および比較試験例8〜9
ウス内ポット試験 イネ育苗箱(30x60x3cm)に人工培土(クレハ粒状
培土D呉羽化学社製)を床土として2.5リットル充填し
た。該人工培土を覆土として1.2リットルを使用した。
播種は催芽した種籾180gを箱内に均一になるように手で
ばらまいて行った。製剤例5に準じた顆粒状水和剤2.5g
を水500mlに加え攪拌して水希釈薬液を調製した。この
薬液を播種直前、あるいは播種後に覆土の直前に、ある
いは覆土直後にそれぞれ500ml量を如露で潅注した。
【0042】温室内で21日間生育管理した育苗箱苗は、
2条田植機(クボタAP−20)により苗株としてをカッ
トし、4〜6本の苗を有する株を埴壌土(神奈川県厚木
市産)を充填し代掻きした1/5000アールのポットに1
株ずつ移植した。移植4週間後に、いもち病が発病した
別のポットとともにビニールハウス内に入れ、日中は寒
冷紗で遮光し、夜間は過湿状態にしていもち病の感染と
発病を促した。接種15日後に全株について下記の試験例
10〜12に示す基準により発病指数を調査し、発病度およ
び防除価を算出した。
【0043】なお、比較製剤例3の粒剤は、移植直前に
育苗箱上に50g量散粒し、茎葉部に付着した粒剤を払い
落し軽く潅水した後、2条田植機で苗をカットし移植し
た。また、比較製剤3の粒剤を移植株に均一に施用処理
するため、薬剤処理していない育苗箱苗を田植機でカッ
トし、ポット移植した直後の株元に45mg量処理した。
【0044】試験結果を表3に示す。
【0045】試験例10〜12および比較試験例10〜12
場試験 イネ育苗箱(30x60x3cm)の20箱に人工培土(合成
培土3号、三井東圧化学社製)を床土として2.2リット
ル充填した。該人工培土を覆土として1.5リットルを使
用した。催芽した種籾180gを箱内に均一に手で播種し
た。前記の化合物A、BまたはCを有効成分として含有
して、製剤例4に準じて作られた顆粒状水和剤の所定量
を水に加えてよく攪拌して水希釈薬液を調製した。その
薬液を如露で播種後で覆土直前に育苗箱1箱あたり500m
l量ずつ潅注した。ビニールトンネルで16日間生育管
理した幼苗は、2条田植機(クボタAP−20)により、
2箱/アールの割合で水田(静岡県榛原郡の水田:軽埴
土)に移植した。移植15日後にいもち病が発病している
別の苗を試験区内および試験区周辺に移植して感染源と
した。移植35日後に、各処理300株について下記の基準
により発病指数を調査し、発病度および防除価を下記の
計算式で算出した。
【0046】なお、比較試験として、比較製剤例1,2
および3の粒剤を、移植直前にそれぞれ育苗箱20箱を並
べた状態で小型動力散粉機(丸山MD3100T)で1000g量を
散粒した。茎葉部に付着した粒剤を払い落し軽く潅水し
た後に菌を移植した。
【0047】試験結果を表4に示す。発病指数 1株あたりの病斑数 0 0 1 1〜3 2 4〜10 3 11〜20 4 21以上
【0048】 但し、上記の式においてN:調査株数(300株) n1〜n4:それぞれの発病指数に該当する株数
【0049】
【0050】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01N 43/54 A01N 43/54 A 43/80 103 43/80 103 43/828 43/90 103 43/90 103 43/82 102 53/12 53/00 510 Fターム(参考) 4H011 AA01 BB08 BB09 BB10 BB15 BC07 BC18 BC19 DA02 DA15 DC01 DC05 DD03 DD04 DE15 DE17 DH03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イネいもち病菌に対する防除活性をもち
    且つ水稲の育苗箱内でイネの催芽したまたは未催芽の種
    籾を処理した時にも育苗箱からのイネ苗の水田移植後の
    イネに発病するイネいもち病の防除に有効である性能を
    有する化合物を有効成分として含有する粉末状水和剤、
    顆粒状水和剤または水性懸濁剤を水で希釈してなる水希
    釈薬液を、育苗箱への床土充填後に但し播種前に床土に
    潅注または噴霧散布するか、または催芽したまたは未催
    芽の種籾の播種後に但し覆土前に床土上からの種籾に該
    水希釈薬液を潅注または噴霧散布するか、または播種後
    に但し覆土の直後に覆土の表面に潅注または噴霧散布す
    ることを特徴とする、育苗箱内で行われるイネいもち病
    の省力的防除方法。
  2. 【請求項2】 イネいもち病菌に対する防除活性をもち
    且つ水稲の育苗箱内でイネ種籾を処理した時にも育苗箱
    からのイネ苗の水田移植後のイネに発病するイネいもち
    病の防除に有効である性能を有する化合物とは、イネ植
    物体内に移行することによってイネいもち病菌の感染を
    阻害できる性質をもつ化合物、あるいはイネ植物体内に
    移行することによってイネの病害抵抗性を増強してイネ
    いもち病菌の発病を抑制できる性質をもつ化合物である
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 潅注または噴霧散布される水希釈薬液の
    調製のために水で希釈されるべき粉末状水和剤、顆粒状
    水和剤または水性懸濁剤は、有効成分として、2−(6
    −メチル−2−ピリジル)−4−n−プロピル−6−ピ
    リミジニルオキシエチル−2,6−ジクロロイソニコチ
    ナート、(1RS,3SR)−2,2−ジクロロ−N−
    [1−(4−クロロフェニル−)エチル]−1−エチル
    −3−メチルシクロプロパンカルボキサモド、1,2,
    3−ベンゾチアジアゾール−7−カルバオチオン酸S−
    メチルエステル、1,2,5,6−テトラヒドロピロロ
    [3,2,1−ij]キノリン−4−オン、ジイソプロ
    ピル−1,3−ジチオラン−2−イリデン−マロネー
    ト、3−アリルオキシ−1,2−ベンゾイソチアゾール
    −1,1−ジオキシド、またはメチル=(E)−2−
    [2−{6−(2−シアノフェノキシ)ピリミジン−4
    −イルオキシ}フェニル]−3−メトキシアクリラート
    を含有するものである請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 水稲用の標準の育苗箱の1800cm2の面積
    あたりに有効成分の換算量として0.1〜20g、好ましく
    は1〜10gの施用量に相当する容量で水希釈薬液が如露
    で均一に潅注される、または噴霧器で噴霧散布される請
    求項1または3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 標準の育苗箱の1800cm2の面積あたり20m
    l〜1000mlの容量、好ましくは100〜500mlの容量で水希
    釈薬液を潅注または噴霧散布する請求項1または3に記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 水田移植後のイネいもち病を防除するの
    に有効である有効成分施用量において、請求項3に記載
    の化合物を有効成分とする水和剤または水性懸濁剤の水
    希釈薬液が育苗箱内で潅注または噴霧散布される請求項
    3に記載の方法。
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