JP2000325280A - 多目的洗浄布及びその製造方法 - Google Patents

多目的洗浄布及びその製造方法

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JP2000325280A
JP2000325280A JP11135002A JP13500299A JP2000325280A JP 2000325280 A JP2000325280 A JP 2000325280A JP 11135002 A JP11135002 A JP 11135002A JP 13500299 A JP13500299 A JP 13500299A JP 2000325280 A JP2000325280 A JP 2000325280A
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fiber
abrasive grains
resin layer
synthetic resin
reinforcing
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JP11135002A
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Shinji Watanabe
新司 渡邊
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AARANDO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 別途洗剤や潤滑剤、研磨剤、漂白剤等を必要
とせず、食器や目地に傷を生じずに茶渋やカビ等を除く
ことができる多目的洗浄布を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 本発明の研磨布1は、シート状の不織布
と、前記不織布を構成する繊維2の表面及び交絡部にコ
ーティングされた補強用合成樹脂層3と、前記補強用合
成樹脂層3の表面に分散された砥粒5と、前記砥粒5を
前記補強用合成樹脂層3に固定した水溶性接着剤層4
と、を備えた構成を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、別途洗剤や研磨
剤,漂白剤等を必要とせず、食器の茶渋、台所や風呂
場、洗面台等のシンク,タイル目地等の水垢、カビ等を
容易に除去できるとともに、食器や目地を傷めず、快適
に使用することのできる多目的洗浄布及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各家庭では、茶碗にこびりついた
茶渋や風呂場のタイルの目地等に生じたカビを除去する
ために、(1)次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする漂
白剤を希釈した溶液に浸漬したり、霧や泡状して吹きつ
けて使用されている。また、鍋や釜にこびりついたコゲ
等を擦り落とすために、(2)亀の子タワシ、スチール
ウール、ナイロン不織布に硬度の大きい砥粒を強固に固
着したナイロンタワシや,同様のナイロンタワシを片面
に接着したスポンジ等が使用されている。一方、近年で
は、磁気テープ,半導体,精密ガラス製品,合成樹脂製
品等の工業製品の表面を精密研磨するための工業用の研
磨布が種々検討されている。例えば、(3)特開平5−
220670号公報には、偏平係数が5以上の合成繊維
を含む不織布に熱硬化性樹脂で砥粒を固着した研磨布が
開示され、また同6−155310号公報には、金属め
っき合成繊維を含有する不織布の繊維に砥粒を固着させ
た研磨布が開示され、更に同6−155311号公報に
は、不織布の繊維に熱硬化性樹脂で砥粒を固着させた研
磨布が開示されている。(4)特開平5−28477号
公報、同5−57622号公報、同5−253850号
公報、同5−285854号公報、同6−238570
号公報、同7−100769号公報、同8−30025
2号公報、同9−22886号公報には、繊維毎ではな
く不織布の片面又は両面に接着剤で砥粒を固着させた研
磨布が開示されている。(5)特開平6−17374号
公報、同7−108465号公報、特許2102338
号公報には、砥粒を使用せず不織布の繊維に多孔質の樹
脂層を形成した研磨布が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の(1)のように、次亜塩素酸ナトリウムを使用した
溶液は、アルカリ性が強いため、皮膚を荒らしたり、塩
素ガスが発生して目や喉の粘膜を刺激するという問題点
を有していた。特に、酸性の洗剤と混用すると大量の塩
素ガスが急激に発生するため、安全性に欠けるという問
題点を有していた。(2)の、亀の子タワシやスチール
ウール,ナイロンタワシ等は表面が粗く硬いため、ガラ
スや陶磁器,プラスチック等製の食器やタイルの目地等
を傷めやすく、これらには適用できないという問題点を
有していた。また、従来の工業用の研磨布は、(3)の
研磨布は、熱硬化性樹脂で砥粒を不織布繊維に固着して
いるため、砥粒と被研磨物との摩擦が大きいため潤滑性
が低く、別途潤滑剤や洗剤等を使用しないければならな
いとともに、硬質の砥粒を使用したものであるため、食
器や水回りに適用できないという問題点を有していた。
(4)の、不織布の片面若しくは両面に砥粒を固着した
研磨布は、砥粒を固着させた部分しか研磨能力がなく、
研磨時に接着剤層が磨耗するのと同時に砥粒が剥がれ、
研磨能力の低下が早いという問題点を有していた。
(5)の、不織布の繊維に多孔質の樹脂層を形成したも
のは、別途砥粒を含む研磨材を用意して同時に使用しな
いと研磨能力を発揮することが出来ないという問題点を
有していた。また、上記従来の研磨布の製造方法は、特
に(5)の多孔質の樹脂層を形成する場合にポリウレタ
ン樹脂やポリサルホン樹脂をジメチルホルムアミド(D
MF)やジメチルスルホキシド(DMSO)等の高沸
点、極性溶媒に溶かした溶液に不織布を含浸し、水や温
湯でDMF,DMSO等を除去したものであり、これら
溶媒の回収に蒸留等の工程が必要であるとともに、BO
DやCODが高い大量の排水が発生するため、排水の後
処理が必要であるという問題点を有していた。
【0004】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、別途洗剤や潤滑剤、研磨剤、漂白剤等を必要とせ
ず、食器や目地に傷を生じずに茶渋やカビ等を除くこと
ができる多目的洗浄布の提供、及び、排水のBODやC
ODを上昇させることなく低原価で量産できる多目的洗
浄布の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記従来の課題を解決す
るため、本発明の多目的洗浄布は、シート状の不織布
と、前記不織布を構成する繊維の表面及び交絡部にコー
ティングされた補強用合成樹脂層と、前記補強用合成樹
脂層の表面に分散された砥粒と、前記砥粒を前記補強用
合成樹脂層に固定した水溶性接着剤層と、を備えた構成
を有している。この構成により、補強用合成樹脂層を備
えているので薄手の不織布でも十分な強度を有し、水溶
性接着剤層で砥粒を固定しているので、少量の水を付着
させるだけで潤滑性を得ることができるため、洗剤や研
磨剤を別途用意することなく効果的に汚れを剥離し洗浄
することができるという有利な効果が得られる。また、
本発明の多目的洗浄布の製造方法は、シート状の不織布
の繊維表面にコーティングにより補強用合成樹脂層を形
成する補強工程と、前記補強工程で得られた補強用合成
樹脂層の表面に砥粒を分散させる分散工程と、前記分散
工程で分散した砥粒を水溶性接着剤で接着する接着工程
と、を備えた構成を有している。この構成により、製造
工程で極性溶媒を使用せず、大規模な排水処理施設等が
不要なので、低原価で量産することができるという有利
な効果が得られる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の多目的
洗浄布は、シート状の不織布と、前記不織布を構成する
繊維の表面及び交絡部にコーティングされた補強用合成
樹脂層と、前記補強用合成樹脂層の表面に分散された砥
粒と、前記砥粒を前記補強用合成樹脂層に固定した水溶
性接着剤層と、を備えている構成を有している。この構
成により、補強用合成樹脂層を備えているので繊維径が
細かったり薄手に形成した柔軟な不織布でも十分な強度
を発揮することができるという作用を有する。多目的洗
浄布を薄手で柔軟に形成できるため、指が届きにくい細
かな隙間等にも好適に使用することができるという作用
を有する。水溶性接着剤層で砥粒を固定しているので、
少量の水を付着させるだけで潤滑性を得ることができ、
洗剤や研磨剤を別途用意することなく被研磨物を研磨す
ることができるとともに、皮膚を荒らしたり、不快臭を
発生しないため安全性に優れるという作用を有する。砥
粒がシート状の不織布の内部まで分散し、水溶性接着剤
で固定されているので、砥粒が不織布表面から流失して
も不織布内部から補充されるので、長期間安定した洗浄
効果を得ることができるという作用を有する。
【0007】ここで、シート状の不織布の繊維として
は、ポリエステル繊維,アクリル繊維,ポリオレフィン
繊維,ポリアセタール繊維等の合成繊維、綿等の天然繊
維、レーヨン等の半合成繊維が使用される。特に合成繊
維を使用する場合は、スパンボンド法やフラッシュ紡糸
法,メルトブローン法により形成したものが製造原価や
耐久性の面で優れているため好適に使用される。単繊維
織度としては、0.5〜30デニール好ましくは1〜1
5デニールのものが、柔軟性と腰の強さの点で優れるの
で好適に使用される。目付は用途等にもよるが、10〜
1000g/m2 好ましくは10〜300g/m2 さら
に好ましくは20〜120g/m2 、厚みは0.1〜1
0mm好ましくは0.2〜7mmのものが好適に使用さ
れる、柔軟に形成できるため自由に折り曲げられ、狭い
場所等の洗浄が容易であるからである。なお、必要に応
じて複数枚の不織布シートを熱溶着や接着等により積層
したものも使用される。
【0008】補強用合成樹脂層としては、アクリル樹脂
やポリアミド樹脂,ABS樹脂,ポリカーボネート等の
硬質な樹脂が好適に使用される。補強用合成樹脂層は、
不織布100重量部に対して10〜70重量部好ましく
は20〜50重量部が使用される。この範囲に制限する
ことにより、不織布シートの繊維の柔軟性を損なわずに
適度の補強を行うことができるからである。補強用合成
樹脂層の形成方法としては、前述の樹脂溶液やモノマー
を使用し、不織布の繊維表面,交絡部に付着させて適宜
溶媒を蒸発させるか、繊維上で重合硬化させる。ここ
で、補強用合成樹脂層を略均一な厚さに形成してもよ
く、ローラー等で絞り/硬化等させることにより凹凸状
に形成してもよい。凹凸に形成することにより洗浄効果
をより高めることができるからである。
【0009】砥粒としては、シリカや炭酸カルシウム,
リン酸水素カルシウム、アルミナ三水和物等の比較的柔
らかい粒子から、炭化珪素,アルミナ等の硬度の高いも
のが使用される。砥粒の粒径としては、不織布の性質や
洗浄対象等にもよるが、10〜300μm好ましくは1
5〜200μmの範囲のものが好適に使用される。ここ
で、粒径が15μmよりも小さくなるにつれ、汚れを落
とす効率が低くなる傾向が見られ、また200μmより
も大きくなるにつれ、細かい汚れを落としにくくなる傾
向が見られるため、いずれも好ましくない。粒径が10
μmより小さくなるか、300μmより大きくなるにつ
れ上記の傾向が著しくなるので更に好ましくない。砥粒
の付着量としては、砥粒の種類,水溶性接着剤の使用量
等にもよるが、不織布100重量部に対し100重量部
〜300重量部が付着するように調整される。ここで、
100重量部より少なくなるにつれ十分な洗浄力を得る
ことが出来にくくなる傾向が見られ、300重量部より
多くなるにつれ剥離し易くなる傾向が見られるのでいず
れも好ましくない。
【0010】水溶性接着剤の使用量としては、砥粒10
0重量部に対して5重量部〜70重量部好ましくは10
重量部〜50重量部が使用される。ここで10重量部よ
り少なくなるにつれ砥粒の固定力が弱くなるとともに、
十分な潤滑性が得られがたくなる傾向が見られ、50重
量部より多くなるにつれ砥粒の表面が覆われるため、砥
粒による洗浄能力が得られるまでに溶解する水溶性接着
剤の量が多くなる傾向が見られるのでいずれも好ましく
ない。5重量部より少なくなるか、70重量部より多く
なるにつれ上記傾向が著しくなるので好ましくない。
【0011】請求項2に記載の多目的洗浄布は、請求項
1において、前記繊維が、アクリル繊維,ポリエステル
繊維,ポリオレフィン繊維,ポリアセタール繊維,ナイ
ロン繊維等の合成繊維、セルロース,レーヨン等の半合
成繊維、の1以上からなる構成を有している。これによ
り、薄手で柔軟性に優れた多目的洗浄布が得られ、自由
に折り曲げられるので、狭い部分等を容易に洗浄するこ
とが出来るという作用を有する。とりわけポリエステル
繊維が柔軟性と耐久性に優れるので好適に使用される。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート
(PET),ポリブチレンテレフタレート(PBT)等
が好適に使用され、中でもPETはリサイクルされた清
涼飲料水の空容器を利用できるので、特に好適に使用さ
れる。
【0012】請求項3に記載の多目的洗浄布は、請求項
1又は2において、前記補強用合成樹脂層が、フェノー
ル樹脂,ユリア樹脂,メラミン樹脂,ジアリルフタレー
ト樹脂,アクリル樹脂,ポリアミド樹脂,ABS樹脂,
ポリカーボネート樹脂の1以上からなる構成を有してい
る。この構成により、不織布を構成する繊維の柔軟性を
維持しつつ表面を硬くできるため、洗浄能力を高めるこ
とができるという作用を有する。繊維を強化できるとと
もに繊維の交絡部のほつれも防止できるので、耐久性を
高めることができるという作用を有する。ここで、アク
リル樹脂が親油性と表面硬度のバランスに優れ、種々の
汚れ成分の除去効果が優れるので特に好適に使用され
る。アクリル樹脂としては、アクリル酸メチル,アクリ
ル酸エチル等のエステル、アクリルアミド等のアクリル
酸誘導体、メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル等
のメタクリル酸誘導体が使用される。
【0013】請求項4に記載の多目的洗浄布は、請求項
1乃至3の内いずれか1項において、前記砥粒が、シリ
カ,炭酸カルシウム,アルミナ三水和物,ピロリン酸カ
ルシウム,リン酸水素カルシウム,炭化珪素,アルミナ
の1以上からなる構成を有している。この構成により、
食器の茶渋や洗面所、タイル等の水垢、カビ等を効果的
に剥離させることができるという作用を有する。特にシ
リカや炭酸カルシウム,リン酸水素カルシウム,アルミ
ナ三水和物,ピロリン酸カルシウム,リン酸水素カルシ
ウムは硬度が低いので洗浄対象に傷を生じることを防止
できるという作用を有する。
【0014】本発明の請求項5に記載の多目的洗浄布
は、請求項1乃至4の内いずれか1項において、前記水
溶性接着剤層の接着剤がメチルセルロース,カルボキシ
メチルセルロースナトリウム(CMC),セルロースエ
ーテル,カゼイン,カラギーナン,澱粉,ポリ酢酸ビニ
ル,酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体,エチレ
ン酢酸ビニル共重合体,ユリア樹脂,ポリビニルアルコ
ールの1以上からなる構成を有している。この構成によ
り、使用時に少量の水分を含浸させるだけで、徐々に溶
解し潤滑性を得ることができるので、別途洗剤や潤滑剤
を使用しなくても十分な洗浄性能を発揮することがで
き、肌荒れや不快臭の発生がないため安全性に優れると
いう作用を有する。接着剤を種々選択することにより溶
解性を調節し適度な潤滑性と耐久性を得ることができる
という作用を有する。
【0015】請求項6に記載の多目的洗浄布の製造方法
は、シート状の不織布の繊維表面にコーティングにより
補強用合成樹脂層を形成する補強工程と、前記補強工程
で得られた補強用合成樹脂層の表面に砥粒を分散させる
分散工程と、前記分散工程で分散した砥粒を水溶性接着
剤で接着する接着工程と、を備えた構成を有している。
この構成により、製造工程で有害な有機溶媒を使用せ
ず、排水処理の負担が殆どないので、作業工数を減らす
ことができるとともに環境に対する影響を軽減すること
ができるという作用を有する。
【0016】ここで、補強工程としては、補強用合成樹
脂層を形成する樹脂のモノマーに不織布を含浸し、ロー
ラーで絞り加熱して重合・硬化させるか、トルエン等の
溶媒に溶解した樹脂に不織布を浸漬し、乾燥してもよ
い。分散工程としては、砥粒を溶媒に懸濁させた懸濁液
中に補強工程で補強した不織布を浸漬し、溶媒を乾燥除
去して砥粒を分散させる。固定工程としては水溶性接着
剤に、分散工程で砥粒を分散した不織布を含浸し、加熱
乾燥して砥粒を固定する。なお、水溶性接着剤に砥粒を
分散させておき、補強用合成樹脂層を形成した不織布を
浸漬,乾燥すると、分散工程と固定工程を同時に行うこ
とができるため、作業工数を低減することができる。
【0017】(実施の形態1)以下に、本発明の実施の
形態を図面を用いて説明する。図1は本発明の実施の形
態1における多目的洗浄布の斜視図であり、図2(a)
はその要部拡大模式図であり、図2(b)はその繊維の
横断面図である。図1及び図2(a),(b)におい
て、1は本発明の実施の形態1の多目的洗浄布、2は不
織布を構成する繊維、3は各繊維と交絡部の表面に形成
された補強用合成樹脂層、4は補強用合成樹脂層3に固
着した水溶性接着剤層、5は繊維2の表面や補強用合成
樹脂層3の表面,水溶性接着剤層4の表面に水溶性接着
剤層で固着されたシリカ,炭酸カルシウム等の砥粒であ
る。
【0018】この構成により、補強用合成樹脂層3を備
えているので繊維2の径が細かったり薄手に形成した柔
軟な不織布でも、洗浄時の外力に対して十分な強度を発
揮することができる。多目的洗浄布1を薄手で柔軟に形
成できるため、指が届きにくい細かな隙間等にも好適に
使用することができる。水溶性接着剤層3で砥粒5を固
定しているので、少量の水を付着させるだけで潤滑性を
得ることができ、洗剤や研磨剤を別途用意することなく
被洗浄物を洗浄することができる。漂白剤等を使用しな
いので、皮膚を荒らしたり、不快臭を発生しないため安
全性に優れる。
【0019】以下に、本発明の多目的洗浄布の製造方法
を実施例でより詳細に説明する。
【実施例】(実施例1)1〜15デニールのポリエステ
ル繊維からなる、目付け20〜120g/m2,布厚
0.2〜7mmのシート状不織布を用いた。まず、補強
工程として、シート状の不織布を過酸化ベンゾイルを添
加したメタクリル酸メチルに通過させ、過剰のメタクリ
ル酸メチルをローラで絞り除いた後、80〜95℃で硬
化させた。この結果10〜30g/m2 のポリメタクリ
ル酸メチルの補強用合成樹脂層が形成された。次いで、
分散工程として、補強用合成樹脂層で補強した不織布を
粒径が15〜200μmのシリカを水に懸濁させた液中
に通過させ、60〜120℃で乾燥した。この結果60
〜180g/m2 のシリカが繊維表面に均一に分散し
た。次いでCMCの80%水溶液中を通過させ、60℃
〜120℃で乾燥し多目的洗浄布を得た。この結果10
〜45g/m2 のCMCの水溶性接着剤層が形成され
た。
【0020】(実施例2)実施例1で製造した多目的洗
浄布を水に浸し、固く絞った後、表面を水で湿らせた茶
碗,風呂場の目地,浴槽,洗面所のシンク等を磨いた
所、茶渋,水垢,カビ等を効果的に除くことができ、い
ずれにも傷が生じないことが判った。
【0021】(実施例3) (a)シート状の不織布の繊維としてアクリル繊維,ポ
リオレフィン繊維,ポリアセタール繊維,ナイロン繊
維,セルロース,レーヨン等を準備した。 (b)補強用合成樹脂層としてフェノール樹脂,ユリア
樹脂,メラミン樹脂,ジアリルフタレート樹脂等を準備
した。 (c)砥粒として炭酸カルシウム,アルミナ三水和物,
ピロリン酸カルシウム,リン酸水素カルシウム,炭化珪
素,アルミナ等を準備した。 (d)水溶性接着剤として、メチルセルロース,セルロ
ースエステル,カゼイン,澱粉,ポリ酢酸ヒニル,酢酸
ビニル−アクリル酸エステル共重合体,エチレン酢酸ビ
ニル共重合体,ユリア樹脂,ポリビニルアルコール等を
準備した。これらを組み合わせ、実施例1と同様の製造
方法で多目的洗浄布を製造したところ、いずれも優れた
洗浄効果を有していることが判った。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1に記載の
発明によれば、 (1)補強用合成樹脂層を備えているので繊維径が細か
ったり薄手に形成した柔軟な不織布でも十分な強度を発
揮し、機械的強度に優れ耐久性を向上させることができ
る。 (2)多目的洗浄布を薄手で柔軟に形成できるため、指
が届きにくい細かな隙間等にも好適に使用することがで
きるので洗浄性に優れる。 (3)水溶性接着剤層で砥粒を固定しているので、少量
の水を付着させるだけで潤滑性を得ることができ、洗剤
や研磨剤を別途用意することなく被洗浄物を洗浄するこ
とができるとともに、皮膚を荒らしたり、不快臭を発生
しないため安全性に優れる。
【0023】本発明の請求項2に記載の発明によれば、
請求項1に記載の発明の効果に加え、薄手で柔軟性に優
れた多目的洗浄布が得られ、自由に折り曲げられるの
で、狭い部分等を容易に洗浄することが出来、洗浄作業
性に優れる。
【0024】本発明の請求項3に記載の発明によれば、
請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、不織布を構
成する繊維の柔軟性を維持しつつ表面を硬くできるの
で、洗浄能力を高めることができるとともに耐久性を向
上させることができる。
【0025】本発明の請求項4に記載の発明によれば、 (1)食器の茶渋や洗面所、タイル等の水垢、カビ等を
効果的に剥離させ、洗浄性を向上させることができる。 (2)特にシリカや炭酸カルシウム,リン酸水素カルシ
ウム,アルミナ三水和物,ピロリン酸カルシウム,リン
酸水素カルシウムは硬度が低いので洗浄対象に傷を生じ
ることを防止できる。
【0026】本発明の請求項5に記載の発明によれば、
請求項1乃至4に記載の発明の効果に加え、 (1)使用時に少量の水分を含浸させるだけで、別途洗
剤や漂白剤等を加えなくても潤滑性を得ることが出来る
ので、十分な洗浄性能を発揮することができるととも
に、肌荒れや不快臭を惹起することなく快適に使用する
ことができ作業性や安全性に優れる。 (2)接着剤を種々選択することにより、溶解性を調節
し適度な潤滑性と耐久性に設計することができるので、
選択性に優れる。
【0027】本発明の請求項6に記載の発明によれば、
製造工程で有害な有機溶媒を使用せず、排水処理の負担
が殆どないので、作業工数を減らすことができるととも
に環境に対する影響を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の多目的洗浄布の斜視図
【図2】(a)その要部拡大模式図 (b)繊維の横断面図
【符号の説明】
1 多目的洗浄布 2 繊維 3 補強用合成樹脂層 4 水溶性接着剤層 5 砥粒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B074 AA02 AA08 AB01 AC00 4F100 AA04C AA08C AA19C AA20C AD08C AJ04A AJ05A AJ06C AJ07C AJ09C AK01B AK01C AK03A AK13B AK21 AK22C AK25A AK25B AK25C AK25J AK33B AK36 AK36B AK41A AK45B AK46B AK48A AK54A AK68 AK74B AL01C BA03 BA07 BA10 BA10A DE01C DG15A EC182 EH462 EH612 GB71 GB90 JB09C JK01 JK13 JK16 JL00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状の不織布と、前記不織布を構成
    する繊維の表面及び交絡部にコーティングされた補強用
    合成樹脂層と、前記補強用合成樹脂層の表面に分散され
    た砥粒と、前記砥粒を前記補強用合成樹脂層に固定した
    水溶性接着剤層と、を備えていることを特徴とする多目
    的洗浄布。
  2. 【請求項2】 前記繊維が、アクリル繊維,ポリエステ
    ル繊維,ポリオレフィン繊維,ポリアセタール繊維,ナ
    イロン繊維等の合成繊維、セルロース,レーヨン等の半
    合成繊維、の1以上からなることを特徴とする請求項1
    に記載の多目的洗浄布。
  3. 【請求項3】 前記補強用合成樹脂層が、フェノール樹
    脂,ユリア樹脂,メラミン樹脂,ジアリルフタレート樹
    脂,アクリル樹脂,ポリアミド樹脂,ABS樹脂,ポリ
    カーボネート樹脂の1以上からなることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の多目的洗浄布。
  4. 【請求項4】 前記砥粒が、シリカ,炭酸カルシウム,
    アルミナ三水和物,ピロリン酸カルシウム,リン酸水素
    カルシウム,炭化珪素,アルミナの1以上からなること
    を特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の
    多目的洗浄布。
  5. 【請求項5】 前記水溶性接着剤層の接着剤がメチルセ
    ルロース,カルボキシメチルセルロースナトリウム(C
    MC),セルロースエーテル,カゼイン,カラギーナ
    ン,澱粉,ポリ酢酸ビニル,酢酸ビニル−アクリル酸エ
    ステル共重合体,エチレン酢酸ビニル共重合体,ユリア
    樹脂,ポリビニルアルコールの1以上からなることを特
    徴とする請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の多目
    的洗浄布。
  6. 【請求項6】 シート状の不織布の繊維表面にコーティ
    ングにより補強用合成樹脂層を形成する補強工程と、前
    記補強工程で得られた補強用合成樹脂層の表面に砥粒を
    分散させる分散工程と、前記分散工程で分散した砥粒を
    水溶性接着剤で接着する接着工程と、を備えたことを特
    徴とする多目的洗浄布の製造方法。
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