JP3020498U - クリーナー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 強固な汚れを除去できる耐久性のあるクリー
ナーを提供する。 【解決手段】 網状体２に樹脂３を被覆、あるいは、そ
の塗布層の表面に研磨粉４を止着させたことを特徴とす
るクリーナーである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、台所、洗面所、トイレ、浴室等における陶器製、ガラス製の被清 掃物の清掃あるいは洗浄の他、金属の錆落とし等にも使用可能なクリーナーに関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、家庭の台所等の清掃、洗浄には一般的にポリウレタンフォーム等の スポンジ状材を使用したクリーナーが用いられていたが、コゲ付き等の強固な汚 れに対しては洗浄能力が弱く、この点の改良としては、スポンジ状のクリーナー 本体の表面に不織研磨布を積層したもの、ポリウレタンフォーム等の表面に樹脂 層を介して研磨粉を止着したもの、ナイロン繊維等の袋状の網状体の内部にスポ ンジ状のクリーナー本体を挿入したもの等様々な構造のクリーナーが提供されて いる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記クリーナーの内、不織研磨布およびナイロン繊維等の袋状の網 状体を用いたものは、繊維が直接、被洗浄物と接触するため、ほつれたり破れ易 いといった難点がある。また、クリーナー本体に不織研磨布を積層したものは製 造的にコストが高くなる上、クリーナー本体と不織研磨布は異種素材の組み合わ せが多く、その場合には層間で剥離し易く、耐久性に劣る傾向にある。また、ポ リウレタンフォームに研磨粉を止着したものは、研磨力は向上するものの破れ易 いという問題点を有する。

【０００４】 さらに上記クリーナーはいずれも、厚みのある強固な汚れを、かき落とす作用 は乏しく、表面から研磨して徐々に汚れを取り除くといった、かなりの労力を必 要とするという問題点もある。

【０００５】 この考案の目的とするところは、上記の点を改善し得、厚みのある汚れをも容 易に落とすことのできるクリーナーを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的達成のため、本考案は高分子構造の網状体の表面に、樹脂層を設け、 若しくは、樹脂層を介して研磨粉を散りばめたことを特徴とするものである。

【０００７】 ここで使用される高分子構造の網状体としては、高分子繊維条若しくは糸状の 繊維を織成または編成して得ることが可能である。さらに、可撓性樹脂を網状に 成形して得ることも可能である。

【０００８】 繊維を用いる場合、クリーナー用としては耐久性の面から一般にナイロン繊維 が使用されるが、本考案の場合、繊維表面に樹脂層を設けることで繊維の保護及 び強度アップがなされるため、合成繊維に限らず天然繊維も適宜使用することが できる。

【０００９】 また、本クリーナーは、被洗浄物面に合わせて折り曲げて使用する必要がある ことから、樹脂としては、可撓性が必要な他に、網状体や研磨粉との接着性、耐 摩耗性等が要求される。これらの点を満たす一般的な樹脂としてポリウレタンが 挙げられるが、これに限定されることはなく、例えば、ポリアミド樹脂や可塑化 エポキシ樹脂等を使用することが可能である。

【００１０】 さらに、研磨粉としては金属や金属酸化物等の粉末が使用されるが、被洗浄物 の材質により適宜選択される。例えば、強い研磨力が必要な場合は硬度の高いア ルミナが一般的に用いられる。

【００１１】 上記研磨粉は、樹脂塗布後、半硬化状態で研磨粉を塗布層表面に散布、接着後 に完全硬化させる方法や、あるいは、樹脂に研磨粉を混合したものを網状体に塗 布後、完全硬化させるといった方法で樹脂表面に止着される。ただし、後者の方 法の場合、混合する研磨粉の量が少ないと樹脂層表面に十分な凹凸が形成されず 研磨力は低下するので前者の方法に比べ研磨粉量を増加させる必要がある。

【００１２】 以上のように構成される本考案に係る網状クリーナーはそのままで使用するこ ともできるし、網状クリーナーを袋状としその内部に吸水性クリーナー本体を内 装したり、網状体に被覆する樹脂層と同種素材の吸水性クリーナー本体に網状ク リーナーを積層することで洗剤の泡立ち性を良くすることができる。吸水性クリ ーナー本体と網状クリーナーとを同種素材としたのは、両者の密着力を高め、剥 離を生じにくくするためである。ここで、吸水性クリーナー本体とは、本考案に 係る網状クリーナーと一体で用い、洗剤や水分を保持し研磨をスムーズに行うた めのもので、例えば、スポンジ、ポリウレタンフォーム等の発泡体や高分子繊維 の不織布等が該当する。

【００１３】 さらに、上記以外にも基材と網状体とを加熱融着等の手段により積層後、網状 体に基材と同種素材の樹脂を塗布、硬化させた構成のものも使用することができ る。この時使用する樹脂は、基材と同種素材とすることで網状体と基材とを強固 に接着することができる。この場合、基材としては吸水性材料、非吸水性材料い ずれでも使用することができるし、必要に応じてこれらを組み合わせて使用する ことも可能である。

【００１４】 ここで、吸水性材料とは、上記吸水性クリーナー本体と同内容のものであり、 非吸水性材料とは、例えば、樹脂やゴム等の非発泡体あるいは独立気泡状発泡体 が該当する。

【００１５】 例えば、非吸水性の可撓性を有する樹脂基材に網状体を積層し、基材と同種の 樹脂を塗布すれば、網状クリーナー単独で使用するよりも外力に対して一層変形 しにくく、汚れを効果的に落とすことができ、また、力が均一に伝わるため、ま んべんなく研磨することができる。

【００１６】

【考案の実施の形態】

以下、添付図面に示した実施例について説明する。図１はこの考案に係るクリ ーナーの実施例を示す斜視図であり、図２は、その一部拡大斜視図である。この 網状クリーナー１は、例えば、ナイロン繊維の引揃束条を編成してなる高分子製 網状体２に、研磨粉止着用樹脂３としてポリウレタン樹脂を塗布し、樹脂が半硬 化の状態でその表面に研磨粉４としてアルミナ粉末を吹き付け、完全硬化させた ものである。

【００１７】 この場合、アルミナ粉末の吹き付け量としては、樹脂塗布後の網状体表面の面 積１０平方ｃｍ当たり１乃至１０ｇ、好ましくは２乃至６ｇになるように調節し た。この量が１ｇ以下となると十分な研磨力が得られず、１０ｇ以上ではもはや 研磨力は向上せず、逆にアルミナ粉末の脱離量が増加する。

【００１８】 研磨粉の止着は上記方法以外にも、予め、樹脂と研磨粉を混合しておき適当な 溶剤で粘度を調整後、網状体に塗布することによっても可能である。上記アルミ ナを用いた場合は、アルミナ１０ｇに対してポリウレタン樹脂０．５乃至３ｇ、 好ましくは１乃至２ｇを混合し、粘度調整後、塗布に供する。

【００１９】 この場合、ポリウレタン樹脂量が０．５ｇ以下ではアルミナ粉末の脱離が激し く、３ｇ以上では樹脂表面に十分な凹凸が形成されない。

【００２０】 ただし、この研磨粉使用量は、用いる研磨粉の種類、粒度等により変動するた め、適宜調整する必要がある。

【００２１】 この考案に係るクリーナーは、図１のごとく網状クリーナー１単独に限らず以 下のような形態で使用することができる。

【００２２】 図３は、網状体１を袋状とし、その中に吸水性クリーナー本体５を内装した構 成のものの断面図である。

【００２３】 図４は、吸水性クリーナー本体５に図１記載のクリーナーを積層した構成のも のの断面図である。この場合、網状体上のポリウレタン樹脂は半硬化状態のまま ポリウレタン製クリーナー本体と積層することで、同種素材であることから、網 状体とクリーナー本体５との密着性を高めることができる。

【００２４】 さらに、図５は、片面が吸水性ポリウレタンで他面が非吸水性ポリウレタンと いう構造の基材を用い、ナイロン繊維製の網状体と非吸水性ポリウレタン面とを 、加熱により融着させた後、その上からポリウレタン樹脂を塗布、硬化させたも のである。この時用いられる基材の構造は、その用途によって吸水性材料あるい は非吸水性材料単独にすることができるし、その硬さや厚みも適宜変更すること ができる。

【００２５】 図６は、図５の実施例において、ポリウレタン樹脂塗布後、研磨粉を吹き付け て完全硬化させたものである。

【００２６】

【考案の効果】

以上詳述したところから明らかな通り、この考案に係るクリーナーによると、 網状体は樹脂層または樹脂層と研磨粉によって保護されているため、耐久性に優 れ経済的であるのに加え、外力に対して変形しにくくなっている。

【００２７】 したがって、網状体そのものの凹凸と併せ、強固な汚れを効果的にかき落とす ことができる。

【００２８】 また、吸水性クリーナー本体と組み合わせることにより洗剤の泡立ち性を良く したり、非発泡性樹脂材料のような基材を積層することで、クリーナーに靭性を 付与し、研磨を均一に行うことが可能となる。

【００２９】 基材に網状体を積層する場合、網状体の表面に基材と同種素材の樹脂層を被覆 するため、高い密着力を得ることができる。また、網状クリーナー単独で使用す るよりも外力に対して一層変形しにくく、汚れを効果的に落とすことができ、力 が均一に伝わるため、まんべんなく研磨することができる。

【００３０】 さらに、本考案に係るクリーナーは、製造が容易なため、製造コストを抑える ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るクリーナーの実施例を示す斜視図

【図２】その一部拡大斜視図

【図３】網状体を袋状とした実施例を示す断面図

【図４】吸水性クリーナー本体に網状体を積層した実施
例を示す断面図

【図５】基材に網状体を融着後、樹脂塗布した実施例を
示す断面図

【図６】図５において樹脂層表面に研磨粉を吹き付けた
実施例を示す断面図

【符号の説明】

１ 網状クリーナー ２ 網状体 ３ 樹脂 ４ 研磨粉 ５ 吸水性クリーナー本体 ６ 非吸水性ポリウレタン ７ 吸水性ポリウレタン ８ 基材

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 高分子構造の網状体の網目組織の表面
   に、樹脂層を被覆してなるクリーナー。
2. 【請求項２】 高分子構造の網状体の網目組織の表面
   に、研磨粉止着用の樹脂層を介して研磨粉を散りばめた
   クリーナー。
3. 【請求項３】 請求項２記載のクリーナーに樹脂層と同
   種素材の吸水性クリーナー本体を積層したことを特徴と
   するクリーナー。
4. 【請求項４】 網状体を袋状にしてその内部に吸水性ク
   リーナー本体を内装してなる請求項１または請求項２記
   載のクリーナー。
5. 【請求項５】 高分子構造の網状体に、基材を接着積層
   し、網状体表面に基材と同種素材の樹脂層を被覆したク
   リーナー。
6. 【請求項６】 樹脂層の表面に研磨粉を散りばめた請求
   項５記載のクリーナー。