JP2000321689A - 放射線画像検出装置 - Google Patents
放射線画像検出装置Info
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Abstract
装置を提供する。 【解決手段】 放射線を可視光に変換する蛍光体スクリ
ーンと、その片側表面に配置された二次元の光検出器と
を有する放射線画像検出装置において、該蛍光体スクリ
ーンが、そのスクリーンを平面方向に沿って細分区画す
る隔壁と、その隔壁で区画された蛍光体充填領域とから
なり、そして蛍光体充填領域および隔壁の該可視光に対
する散乱長がそれぞれ20〜200μmおよび0.05
〜20μmであって、かつその比率が3.0以上であ
り、また蛍光体充填領域および隔壁の可視光(変換によ
り発生する可視光)に対する吸収長がそれぞれ1000
μm以上であることを特徴とする放射線画像検出装置。
Description
法に用いられる蛍光体スクリーンと二次元光検出器との
組合せからなる放射線画像検出装置に関する。
などに利用されているX線撮影等の放射線撮影では、放
射線写真フィルムと放射線増感スクリーンとを組み合わ
せて用いる放射線画像形成方法(放射線写真法)が採用
されている。放射線増感スクリーンはX線等の放射線を
吸収して可視領域の光を放出するもので、放射線写真フ
ィルムは放射線とともにこの可視光により感光してフィ
ルム上に放射線画像が形成される。増感スクリーンは通
常、支持体、蛍光体層および保護膜がこの順に積層され
た基本構成を有し、蛍光体層は通常、蛍光体粒子とこれ
を分散状態で含有支持する結合剤とからなる。ただし、
蛍光体層としては、蒸着法や焼結法などによって形成さ
れる結合剤を含まない蛍光体の凝集体からなるものもあ
る。また、蛍光体層内において蛍光体から発せられる可
視光(発光光)の拡散を避けるために、蛍光体層にその
蛍光体層を平面方向に沿って細分区画する光反射性隔壁
を設けることも知られている。
ィーなどの分野において、ピクセル化された蛍光体スク
リーンと二次元の光検出器とを組み合わせた放射線画像
検出装置を用いる放射線画像形成方法が提案されてい
る。この方法では、X線等の放射線を画像検出装置の蛍
光体スクリーンによって可視光に変換し、次いで可視光
を二次元光検出器によって検出して画像情報を有する電
気信号に変換し、そして得られた画像情報を有する電気
信号を適当な画像再生手段に送って画像化することによ
り放射線画像を形成する。二次元光検出器としては、フ
ォトダイオード、フォトトランジスタ、光導電素子、電
荷転送デバイス(CCD)などが用いられる。
号明細書には、ピクセル化された蛍光体スクリーンと光
検出器アレイとを組み合わせた構成が記載され、スクリ
ーンのピクセルは検出器アレイの受光部のセルと同一の
サイズ、形状となるように形成され、一対一で対応して
いる。スクリーンのピクセル化は、蒸着、切込み、アブ
レーション、化学エッチング等により行われ、各ピクセ
ルの間隙には二酸化チタン等の光反射性物質を充填して
もよいことが記載されている。
ピクセル化された蛍光体スクリーンと光検出器アレイと
の間に光ファイバープレートが設けられた構成が記載さ
れ、検出器アレイのサイズに対して一対一か、あるいは
それ以上のサイズの光ファイバーおよびスクリーンのピ
クセルを規定している。なお、各ピクセルの間隙にはピ
クセル内部よりも屈折率が低い材料(例えば、内部の蛍
光体とは異なる組成の蛍光体材料)を充填してもよく、
これにより光を単一ピクセル内に封じ込めることが記載
されている。
クセル化された蛍光体スクリーンにあっても、少ない放
射線照射量で、高い画質(特に高い解像力に結びつく高
い鮮鋭度)を持つ放射線画像を与えうるものであること
が望まれている。
鮮鋭度の優れた放射線画像を与える放射線画像検出装置
を提供することにある。
線画像検出装置に用いられる蛍光体スクリーンについて
検討した結果、蛍光体スクリーンを、そのスクリーンを
平面方向に沿って細分区画する隔壁と該隔壁により区画
された蛍光体充填領域とから構成することによりピクセ
ル化し、さらに、隔壁に関しては蛍光体の発光光に対す
る散乱長を短くして高反射率とし、また吸収長を長くし
て低吸収率とすることにより、発光光の平面方向への拡
散を有効に防いで画像の鮮鋭度を高めるとともに、隔壁
による発光光の吸収を極力抑えて発光量の低下を防ぐこ
とができる。一方、蛍光体充填領域に関しては発光光に
対する散乱長を長くして高透過率とし、また発光光に対
する吸収長を長くして低吸収率とすることにより、蛍光
体スクリーンの放射線照射側表面近くからの(すなわ
ち、光検出器からは遠い)発光光を効率良く取り出せる
ようにする。このようにすることにより、高画質の放射
線画像が得られることを見い出した。
体スクリーンと、該蛍光体スクリーンの片側表面に配置
された二次元の光検出器とを有する放射線画像検出装置
において、該蛍光体スクリーンが、そのスクリーンを平
面方向に沿って細分区画する隔壁と該隔壁により区画さ
れた蛍光体充填領域とからなり、そして該蛍光体充填領
域および該隔壁の該可視光に対する散乱長がそれぞれ2
0〜200μmの範囲および0.05〜20μmの範囲
にあって、かつその比率が3.0以上であり、また該蛍
光体充填領域および該隔壁の可視光(変換により蛍光体
から発する可視光)に対する吸収長がそれぞれ1000
μm以上であることを特徴とする放射線画像検出装置に
ある。
は、可視光が一回散乱するまでに直進する平均距離を表
し、散乱長が短いほど光散乱性が高いことを意味する。
そして、可視光に対する吸収長とは、可視光が吸収され
るまでの平均自由距離を表しており、吸収長が長いほど
光吸収性が低いことを意味する。この光散乱長及び光吸
収長は、フィルム試料の厚さdと透過率Tの測定値か
ら、クベルカ(Kubelka)の理論に基づく下記式により
算出された値である。
ータを上記式(1)に入れて最小二乗法などにより最適
化することにより、散乱長1/αおよび吸収長1/βを
求めることができる。
蛍光体スクリーンの好ましい態様を以下に記載する。 (1)蛍光体充填領域が、少なくとも蛍光体と結合剤と
からなる蛍光体スクリーン。 (2)蛍光体充填領域における蛍光体の体積比率が40
〜95%の範囲にあり、空隙の体積比率が0〜20%の
範囲にある蛍光体スクリーン。 (3)隔壁が少なくとも低光吸収性微粒子と高分子物質
とからなる蛍光体スクリーン。 (4)隔壁における低光吸収性微粒子の体積比率が30
〜90%の範囲にある蛍光体スクリーン。 (5)低吸収性微粒子の粒子径が0.01〜5.0μm
の範囲にある蛍光体スクリーン。 (6)低光吸収性微粒子がアルミナ微粒子である蛍光体
スクリーン。 (7)隔壁が更に空隙を含む蛍光体スクリーン。 (8)隔壁における空隙の体積比率が10〜70%の範
囲にある蛍光体スクリーン。 (9)低光吸収性微粒子と空隙との屈折率比が1.1〜
3.0の範囲にある蛍光体スクリーン。 (10)隔壁が更に蛍光体を含む蛍光体スクリーン。 (11)隔壁が更に可視光を吸収する物質を含む蛍光体
スクリーン。 (12)厚さが50〜1500μmの範囲にある蛍光体
スクリーン。
光体スクリーンと二次元光検出器とを有し、そしてその
蛍光体スクリーンは、スクリーンを平面方向に沿って細
分区画する特定の光散乱長と光吸収長を有する隔壁と、
該隔壁により区画された特定の光散乱長と光吸収長を有
する蛍光体充填領域とからなることを特徴とする構成を
有するものである。
光体スクリーンの構成を添付図面を参照しながら説明す
る。
0を概略的に示す平面図(1)、および平面図(1)に
おけるI−I線に沿った断面図(2)である。図1の
(1)と(2)における黒色部分が隔壁11であり、そ
の黒色部分に囲まれた白色部分が蛍光体充填領域12で
ある。X線など放射線に対する吸収効率を高めるために
は、蛍光体スクリーンの厚さは一般に50μm乃至15
00μmの範囲にある。好適な分解能特性および画質を
得るためには、蛍光体充填領域の幅A(平面方向の幅の
平均値)は5μm乃至300μmの範囲にあるのが望ま
しく、また隔壁の幅Bは0.5μm乃至50μmの範囲
にあるのが望ましい。そして、スクリーンの全表面積に
対する蛍光体充填領域の面積の比率(開口率)は、40
乃至98%の範囲にあるのが望ましい。
は、その蛍光体の発光光に対する散乱長1/α1が20
乃至200μmの範囲にあり、吸収長1/β1が100
0μm以上である。散乱長が20μmより短いと、スク
リーンの放射線照射側表面近くで発光した光がその反対
側に設置された光検出器まで到達せず、検出されなくな
るため感度が低下する。一方、上記隔壁11は、発光光
に対する散乱長1/α2が0.05乃至20μmの範囲
にあり、吸収長1/β2が1000μm以上である。散
乱長が20μmより長いと、発光光が隔壁を越えて広が
ってしまい鮮鋭度が低下することになる。また、吸収長
がいずれも1000μmより短いと、発光光が吸収され
て感度の低下を来す。そして、蛍光体充填領域の散乱長
と隔壁の散乱長との比率(1/α1)/(1/α2)は
3.0以上である。この比率が3.0より小さいと、蛍
光体充填領域内での発光光の閉じ込め効果が不十分とな
り、鮮鋭度と発光量とのバランスが悪くなる。
粒子を分散含有する結合剤からなるのが好ましく、特に
好ましくは蛍光体粒子、空隙(空気)および結合剤から
なるものである。蛍光体充填領域12において、その全
体積に対して蛍光体が占める体積比率は40乃至95%
の範囲にあるのが望ましく、また空隙が占める体積比率
は0乃至20%の範囲にあるのが望ましい。蛍光体粒子
の粒子径は0.1乃至20μmの範囲にあるのが望まし
い。
とそれを分散含有する高分子物質とからなるのが好まし
く、特に好ましくは低光吸収性微粒子、空隙および高分
子物質からなる。隔壁11において、その全体積に対し
て低光吸収性微粒子が占める体積比率は30乃至90%
の範囲にあるのが望ましく、また空隙が占める体積比率
は、10乃至70%の範囲にあるのが望ましい。低光吸
収性微粒子の粒子径は0.01乃至5.0μmの範囲に
あるのが望ましい。低光吸収性微粒子と空隙の屈折率比
(低光吸収性微粒子の屈折率/空隙の屈折率)は1.1
乃至3.0の範囲にあるのが望ましい。
たような隔壁11と蛍光体充填領域12とが交互に配さ
れた一次元のストライプ状に限定されるものではなく、
その隔壁の形状や位置などは適宜変更することができ
る。
を示す。図2の(1)は、隔壁11が格子状に設けられ
た二次元のセル化構造を示す。(2)は、円形の蛍光体
充填領域12を隔壁11が囲むように形成された二次元
セル化構造を示す。
頂部と底部はともにスクリーンの両表面に露出していた
が、その頂部と底部の両方あるいはいずれか一方がスク
リーンに埋没していてもよい。ただし、隔壁の高さは蛍
光体スクリーンの厚さの1/3乃至1/1の範囲にある
のが望ましい。
ば以下のようにして製造することができる。蛍光体充填
領域が蛍光体と空隙と結合剤とからなり、隔壁が低光吸
収性微粒子と空隙と高分子物質とからなる場合を例にと
って説明する。
に制限はなく、CaWO4、YTaO4、YTaO4:N
b、LaOBr:Tm、BaSO4:Pb、ZnS:A
g、BaSO4:Eu、YTaO4:Tm、BaFCl:
Eu、BaF(Br,I):Eu、Gd2O2S:Tb、
Y2O2S:Tb、La2O2S:Tb、(Y,Gd)2O2
S:Tbまた(Y,Gd)2O2S:Tb,Tmなどの公
知の蛍光体を、単独であるいは組み合わせて用いること
ができる。
白質、デキストラン等のポリサッカライド、またはアラ
ビアゴムのような天然高分子物質;および、ポリビニル
ブチラール、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、エチ
ルセルロース、塩化ビニリデン・塩化ビニルコポリマ
ー、ポリアルキル(メタ)アクリレート、塩化ビニル・
酢酸ビニルコポリマー、ポリウレタン、セルロースアセ
テートブチレート、ポリビニルアルコール、線状ポリエ
ステル、熱可塑性エラストマーなどのような合成高分子
物質を挙げることができる。なお、これらの結合剤は架
橋剤によって架橋されたものであってもよい。
剤に加え、これを充分に混合して、蛍光体充填領域形成
用の塗布液を調製する。塗布液調製用の溶剤の例として
は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−
ブタノール等の低級アルコール;メチレンクロライド、
エチレンクロライドなどの塩素原子含有炭化水素;アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンな
どのケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど
の低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル;ジオキサ
ン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフランな
どのエーテル;そして、それらの混合物を挙げることが
できる。
は、目的とする蛍光体スクリーンの特性、蛍光体の種類
などによっても異なるが、一般には、1:1乃至1:1
00(重量比)の範囲から選ばれ、そして特に1:8乃
至1:40(重量比)の範囲から選ぶのが好ましい。な
お、塗布液には、該塗布液中における蛍光体の分散性を
向上させるための分散剤や、形成後における結合剤と蛍
光体との間の結合力を向上させるための可塑剤などの種
々の添加剤が混合されていてもよい。
としては、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ガドリ
ニウム、酸化チタン、酸化テルルなど無機物の微粒子を
挙げることができる。また、上記蛍光体の微粒子を用い
ることもできる。これらのうちで特に好ましいのはアル
ミナである。隔壁の光散乱長を前記範囲とするために
は、低光吸収性微粒子の粒子径は一般に0.01乃至
0.5μmの範囲にあるのが望ましく、また低光吸収性
微粒子と空隙の屈折率比は1.1乃至3.0の範囲にあ
るのが望ましい。
段の制限はなく前記蛍光体充填領域の結合剤として挙げ
たものの中から任意に選択して用いることができる。隔
壁の光散乱長を短くするためには、上記低光吸収性微粒
子と高分子物質の屈折率比も1.1乃至3.0の範囲に
あることが望ましく、そのような好ましい高分子物質の
例としては、ポリウレタン、ポリアクリル、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、およびフッ素系樹脂を挙げることが
できる。
を溶剤に加え、これを充分に混合して、隔壁形成用の塗
布液を調製する。塗布液調製用の溶剤としては、前述の
蛍光体充填領域形成用塗布液に用いる溶剤の中から任意
に選択して用いることができる。塗布液における高分子
物質と低光吸収性微粒子との混合比は、目的とする蛍光
体スクリーンの特性、低光吸収性微粒子の種類などによ
っても異なるが、一般には1:80乃至1:3(重量
比)の範囲から選ばれ、そして特に1:20乃至1:1
0(重量比)の範囲から選ぶのが好ましい。
ば、上記の蛍光体充填領域形成用塗布液および隔壁形成
用塗布液をそれぞれ塗布、乾燥して多数の薄膜のシート
を形成した後、得られた蛍光体充填領域用シートと隔壁
用シートとを交互に積層し、加熱密着して積層体のブロ
ックを形成し、次いでこれを垂直方向に裁断することに
より、一次元ストライプ状の蛍光体スクリーンを製造す
ることができる。さらには、この積層体のブロックを垂
直方向に薄く裁断して多数の薄膜のシートを得た後、得
られた一次元ストライプ状のシートと隔壁用シートとを
交互に積層し、加熱密着して再度積層体のブロックを形
成し、次いでこの積層体のブロックを垂直方向に裁断す
ることにより、二次元格子状の蛍光体スクリーンを製造
することができる。
塗布形成したシートに、ドライエッチング等のリソグラ
フィーを利用してエッチング処理をして多数の凹部
(穴)もしくは透孔を形成してハニカム状のシートとし
た後、その凹部もしくは透孔に上記蛍光体充填領域形成
用の塗布液を塗布充填し、次いで、その塗布充填部分を
乾燥させることにより製造することができる。あるいは
また、低光吸収性微粒子を熱硬化型ポリマーに分散させ
ハニカム状とした後、これを蛍光体を含有する可塑性の
シートに押し込んで蛍光体スクリーンを製造することも
できる。このハニカム体の押し込みの際には、加熱およ
び/または加圧操作を行ってもよい。
の比率は、塗布液を塗布乾燥した後カレンダー処理して
加熱圧縮することなどにより、所望の値に調整すること
ができる。なお、蛍光体充填領域および隔壁はそれぞ
れ、必ずしも結合剤や高分子物質を含んでいる必要はな
く、その場合には低光吸収性微粒子の焼成や蒸着により
ハニカム状のシートを製造する方法や、ハニカム状のシ
ートの凹部もしくは透孔に蛍光体の原料を充填してこれ
を焼成する方法、あるいはハニカム状シートの凹部もし
くは透孔が設けられた表面に蛍光体を蒸着させる方法を
利用することもできる。
において蛍光体充填領域には空隙が存在しなくてもよ
い。同様に、隔壁においても必ずしも空隙が存在する必
要はなく、低光吸収性微粒子と高分子物質のみから構成
されていてもよいし、あるいは空隙の代わりにシリコー
ンオイルやフッ素化合物などの常温液体有機物質が含有
されていてもよい。隔壁にはさらに、発光量を増加させ
る目的で蛍光体が含有されていてもよいし、あるいは画
像の鮮鋭度向上の目的で発光光を吸収するような物質が
含有されていてもよい。光吸収性物質としては、たとえ
ば群青など青色乃至緑色の色素を用いることができる。
ンは、特に支持体や保護膜を備えている必要はないが、
蛍光体スクリーンの搬送や取扱い上の便宜や特性変化の
回避のために、支持体および/または保護膜を備えてい
てもよい。また、感度を高めるために、スクリーンの片
側(支持体を設ける場合にはスクリーンと支持体との
間)に光反射層を備えていてもよい。
0μm乃至1mmのシートあるいはフィルムである。こ
の支持体は、透明であってもよく、あるいは支持体に光
反射性材料(例、二酸化チタン粒子、硫酸バリウム粒
子)を充填してもよく、あるいは空隙を設けてもよい。
あるいは、支持体に光吸収性材料(例、カーボンブラッ
ク)を充填してもよい。そのような樹脂材料としては、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、アラミド樹脂、ポリイミド樹脂などの各種樹脂材料
を挙げることができる。また必要に応じて、支持体は、
金属シート、セラミックシート、ガラスシートなどの樹
脂材料製シート以外のシート状物であってもよい。支持
体の上側表面(スクリーンと接する側の表面)には、光
反射層、光吸収層、接着層、導電層などの補助機能層を
設けてもよく、また支持体表面には多数の凹部を形成し
てもよい。
ルムを蛍光体スクリーンの表面に接着剤を用いて接着す
るか、保護膜材料溶液をスクリーンの表面に塗布し、つ
いで乾燥する方法などを利用して、スクリーン上に付設
することができる。保護膜中には、放射線画像の画質を
向上させるために酸化チタン等の高い光屈折率を示す光
散乱性微粒子を添加してもよいし、あるいは帯電防止剤
など公知の各種の保護膜用添加剤を添加してもよい。保
護膜を形成するために用いられる樹脂材料については、
特段の制限はないが、ポリエチレンテレフタレートやポ
リエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、セル
ローストリアセテートなどのセルロースエステル誘導
体、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹
脂、フッ素樹脂などが好ましく用いられる。保護膜の厚
さは通常30μm以下、好ましくは1μm乃至15μm
であり、さらに好ましくは5μm乃至12μmである。
フォトダイオード、フォトトランジスタ、光導電素子、
および電荷転送デバイス(CCD)などを用いることが
できる。特に好ましくは、フォトダイオードと薄膜トラ
ンジスタが積層されてなる組合せである。光検出器の材
料としては、非晶質シリコン、単結晶シリコン、テルル
化カドミウム、および銅インジウムジセレン化物などを
挙げることができる。また、光検出器のピクセルのサイ
ズと蛍光体スクリーンの蛍光体充填領域のサイズとは、
表面積比で1:1〜10:1の範囲にあることが好まし
い。
図3に示すような構成をとることができる。図3は、本
発明の放射線画像検出装置の代表的な例を概略的に示す
断面図である。図3において、放射線画像検出装置は蛍
光体スクリーン10、二次元光検出器20、基板30、
および筐体40からなる。基板30の上に順に二次元光
検出器20および蛍光体スクリーン10が積層され、そ
してその積層物は筐体40の中に設置される。
レフタレート、ポリエチレンナフタレート、アラミド樹
脂、ポリイミド樹脂など各種の樹脂、金属、セラミッ
ク、ガラスなどを挙げることができる。
元光検出器が検出対象外の放射線や光に反応してノイズ
が発生するのを防ぐために、X線等の放射線および光に
対して遮蔽性の材料、たとえば鉛で作られている。ただ
し、被写体を透過したまたは被検体から発せられた放射
線が蛍光体スクリーンに入射するように、筐体のスクリ
ーン側の面のみ、放射線透過性とされる。
熱可逆性高分子量ポリエステル樹脂(結合剤)とを5/
1の重量比でメチルエチルケトンに加え、プロペラミキ
サで分散させて、粘度が30PS(25℃)の塗布液を
調製した。これを塗布機を用いて塗布、乾燥して、塗布
膜を得た。得られた塗布膜をカレンダー処理により加熱
圧縮してその空隙率を低減し、厚さ20〜100μmの
蛍光体充填領域用シート(蛍光体の体積率:52%、空
隙の体積率:3%)を多数形成した。
リル樹脂とを15/1の重量比でメチルエチルケトンに
加え、プロペラミキサで分散させて粘度が30PS(2
5℃)の塗布液を調製した。この塗布液を塗布機を用い
て塗布、乾燥して、厚さ10〜30μmの隔壁用シート
(アルミナ微粒子の体積率:51%、空隙の体積率:3
8%、アルミナ微粒子と空隙の屈折率比:1.76)を
多数形成した。
隔壁用シート(厚さ:10μm)とを交互に360枚積
層した後、加熱密着して積層体のブロックを形成した。
この積層体ブロックを広幅ミクロトームを用いてスライ
スして、一次元ストライプ状の隔壁を有する蛍光体スク
リーン(厚さ:280μm、450μmおよび860μ
m)を得た。
体充填領域用シートの作製と同様の処理を行なうことに
より、隔壁のない蛍光体スクリーン(厚さ:448μm
及び678μm)を得た。
1で得られた蛍光体スクリーンの蛍光体充填領域部分お
よび隔壁部分について、分光光度計を用いて発光波長と
して代表的な400nmにおける透過率を測定し、その
透過率より前述のクベルカの理論に基づいて光散乱長お
よび光吸収長を算出した。実施例1の蛍光体スクリーン
の蛍光体充填領域の散乱長は66μmであり、隔壁の散
乱長は4μmであった。また蛍光体充填領域および隔壁
ともに光の吸収が殆ど見られず、吸収長はいずれも10
00μm以上であった。
リコンで作られたフォトダイオードと薄膜トランジスタ
の積層体からなる二次元光検出器のフォトダイオード側
表面に、密着状態で重ね合わせて放射線画像検出装置を
構成した(図3参照)。この放射線画像検出装置の蛍光
体スクリーン側に管電圧80kVp、80mAのX線
(線量10mR)を照射して、光検出器より得られた信
号の強度を発光量(相対値)とした。また、蛍光体スク
リーンの表面にCTFチャートを載せ、上記と同様にし
てX線撮影を行い、得られた画像データから鮮鋭度(1
lpにおけるCTF)を求め、これにより画質を評価し
た。結果をそれぞれ表1と図4に示す。
スクリーンについて、発光量と鮮鋭度(CTF(1))と
の関係を示すグラフである。線1(黒丸)は実施例1、
線2(黒四角)は比較例1を表す。
に、特定の光散乱長および光吸収長を有するピクセル化
された蛍光体スクリーン(実施例1)を用いた本発明の
放射線画像検出装置は、従来のピクセル化されていない
蛍光体スクリーン(比較例1)を用いた放射線画像検出
装置と比較して、発光量および鮮鋭度の両者において顕
著に高い値を示した。すなわち、本発明の放射線画像検
出装置は、発光量を従来と同一とした場合に、鮮鋭度の
極めて高い、高画質の放射線画像を与えることができ
る。
ーンを用いた放射線画像検出装置によれば、発光光に対
して短散乱長および長吸収長の隔壁と、長散乱長および
長吸収長の蛍光体充填領域とを組み合わせることによ
り、発光光の平面方向への拡散を有効に防いで高鮮鋭度
の放射線画像を実現するとともに、隔壁による発光光の
吸収を減らし、そしてスクリーンの放射線照射側からの
発光光を効率良く取り出して、総合的に発光光の検出効
率を顕著に高めることができる。さらに、スクリーンの
厚さを厚くすることにより、X線など放射線の吸収を高
めてより一層高画質の画像を実現することができる。こ
のため、特に医療用ラジオグラフィーや電子顕微鏡用の
記録媒体、あるいはその他の放射線記録媒体として使用
した場合に、本発明の蛍光体スクリーンは有利となる。
成を示す概略平面図であり、(2)は、(1)のI−I
線に沿った断面図である。
蛍光体スクリーンを構成する隔壁と蛍光体充填領域との
組合せの異なる態様を模式的に示す平面図である。
面図である。
(1)]との関係を示すグラフである。
Claims (14)
- 【請求項1】 放射線を可視光に変換する蛍光体スクリ
ーンと、該蛍光体スクリーンの片側表面に配置された二
次元の光検出器とを有する放射線画像検出装置におい
て、該蛍光体スクリーンが、そのスクリーンを平面方向
に沿って細分区画する隔壁と該隔壁により区画された蛍
光体充填領域とからなり、そして該蛍光体充填領域およ
び該隔壁の該可視光に対する散乱長がそれぞれ20〜2
00μmの範囲および0.05〜20μmの範囲にあっ
て、かつその比率が3.0以上であり、また該蛍光体充
填領域および該隔壁の該可視光に対する吸収長がそれぞ
れ1000μm以上であることを特徴とする放射線画像
検出装置。 - 【請求項2】 蛍光体スクリーンの蛍光体充填領域が少
なくとも蛍光体と結合剤とからなる請求項1に記載の放
射線画像検出装置。 - 【請求項3】 蛍光体スクリーンの蛍光体充填領域にお
ける蛍光体の体積比率が40〜95%の範囲にあり、空
隙の体積比率が0〜20%の範囲にある請求項1もしく
は2に記載の放射線画像検出装置。 - 【請求項4】 蛍光体スクリーンの隔壁が少なくとも低
光吸収性微粒子と高分子物質とからなる請求項1乃至3
のうちのいずれかの項に記載の放射線画像検出装置。 - 【請求項5】 蛍光体スクリーンの隔壁における低光吸
収性微粒子の体積比率が30〜90%の範囲にある請求
項4に記載の放射線画像検出装置。 - 【請求項6】 低光吸収性微粒子の粒子径が0.01〜
5.0μmの範囲にある請求項4もしくは5に記載の放
射線画像検出装置。 - 【請求項7】 低光吸収性微粒子がアルミナ微粒子であ
る請求項4乃至6のうちのいずれかの項に記載の放射線
画像検出装置。 - 【請求項8】 蛍光体スクリーンの隔壁が更に空隙を含
む請求項4乃至7のうちのいずれかの項に記載の放射線
画像検出装置。 - 【請求項9】 蛍光体スクリーンの隔壁における空隙の
体積比率が10〜70%の範囲にある請求項8に記載の
放射線画像検出装置。 - 【請求項10】 低光吸収性微粒子と空隙との屈折率比
が1.1〜3.0の範囲にある請求項8もしくは9に記
載の放射線画像検出装置。 - 【請求項11】 蛍光体スクリーンの隔壁が更に蛍光体
を含む請求項4乃至10のうちのいずれかの項に記載の
放射線画像検出装置。 - 【請求項12】 蛍光体スクリーンの隔壁が更に可視光
を吸収する物質を含む請求項4乃至11のうちのいずれ
かの項に記載の放射線画像検出装置。 - 【請求項13】 蛍光体スクリーンの厚さが50〜15
00μmの範囲にある請求項1乃至12のうちのいずれ
かの項に記載の放射線画像検出装置。 - 【請求項14】 光検出器が、フォトダイオードと薄膜
トランジスタとの組合せからなる請求項1乃至13のう
ちのいずれかの項に記載の放射線画像検出装置。
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