JP2000321099A - 落石等の監視装置 - Google Patents

落石等の監視装置

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JP2000321099A
JP2000321099A JP11128003A JP12800399A JP2000321099A JP 2000321099 A JP2000321099 A JP 2000321099A JP 11128003 A JP11128003 A JP 11128003A JP 12800399 A JP12800399 A JP 12800399A JP 2000321099 A JP2000321099 A JP 2000321099A
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wire
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brake ring
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Hirohisa Takei
博久 武井
Mitsuo Sato
光男 佐藤
Hiroyuki Iinuma
博幸 飯沼
Masahiro Saijo
雅博 西條
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Sho Bond Corp
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Oyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 落石等の発生の虞れがある危険地帯に設置さ
れる防護装置に付設され、構造が簡易で廉価であり、落
石等の発生とその規模を高精度に監視可能とする。 【解決手段】 岩盤崩落や落石等の発生の虞れがある危
険地帯に設置される防護装置1の所定の位置に配置され
たワイヤロープ3に組み合されたブレーキリング部材8
と、このブレーキリング部材8と支柱2との間に配置さ
れた変位検知センサ21と、一端部が変位検知センサ2
1に接続されるとともに他端部がブレーキリング部材8
を介してワイヤロープ3の固定側に固定された所定の計
測長Lを有するセンサワイヤ22とを備えて構成され
る。落石12等の発生によってワイヤロープ3に衝撃等
が加えられると、ブレーキリング部材8に引絞り動作が
生じてセンサワイヤ22の計測長Lが変化し、この変化
で変位検知センサ21が動作されて検知出力の送出が行
われるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、岩盤崩落や落石等
の危険地域に設置された落石等防護装置に付設され、落
石等の発生を監視して検知出力を送出する落石等の監視
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】我国の国土は、比較的急峻な山々が海岸
線まで迫って平野部が少なく、地震や火山が多いといっ
た特徴がある。このため、我国では、山岳地帯を切り開
いて道路等の施工が行われたり、狭い谷間にも人家が建
てられたり畑等が開墾されている場合が多い。また、都
会等においも、丘陵地等を切り開いて宅地開発が進めら
れ、急峻な崖下にも多くの建物が建てられているといっ
た状況にある。
【0003】上述した状況から、台風や大雨の時期にな
ると、各地で岩盤崩落や落石、地滑り等が発生して大き
な災害が発生している。全国には、このような危険個所
が数千個所も存在しており、その防災対策に多額の費用
が費やされている。防災対策は、例えば危険個所に落石
等のエネルギーを緩衝する落石防護柵や防護ネット等の
落石等防護装置を設置したり、崩落防止壁等の補強工事
によって対応されている。
【0004】一方、上述した危険個所には、岩盤の崩落
や落石の発生を監視する監視装置の設置も図られてい
る。従来の岩盤崩落・落石監視対策としては、例えば検
知出力を無線等で送信する機能を有する複数台の地滑り
センサを危険個所に設置して監視システムを構築した
り、ロープネット等に光りファイバーセンサを直接取り
付けて通信回線や人工衛星等を利用して検知出力を送信
するといった監視システムが構築されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の岩盤崩落・落石監視システムは、いずれも大規模な
システム或いは装置であるために、到底全国の数千箇所
以上にもおよぶ全ての危険地帯に設置するわけにはいか
ず例えば幹線道路等の特定の場所にのみ設置されている
に過ぎない。このため、岩盤の崩落や落石等による災害
は、例年いたるところで発生し、その都度貴重な人命が
失われるとともに莫大な損害が発生している。
【0006】一方、落石防護柵やロープネットに等に直
接検知センサを取り付けた監視装置も提供されている。
これら監視装置は、本来落石防護柵やロープネットが落
石等の落下エネルギーを緩衝する機能を奏するものであ
るために、検知センサが緩衝された微小な駆動力によっ
て動作されることになる。したがって、かかる監視装置
においては、検知精度が悪くなって、微少な変化の兆候
を検出することが困難であった。かかる状況から、落石
等の監視装置について、廉価であるとともに設置が簡易
であり、かつ検知精度が高い装置の実現が望まれてい
る。
【0007】したがって、本発明は、岩盤崩落や落石等
の危険地帯に設置される防護装置に対して簡易な施工に
よって付設されるとともに落石等の発生及びその規模を
高精度に監視することが可能である構造が簡易で廉価な
落石等の監視装置を提供することを目的としたものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明にかかる落石等の監視装置は、岩盤崩落や落石等の発
生の虞れがある危険地帯に設置される落石防護柵や防護
ネット等の落石等防護装置に付設されて落石等の発生を
検知する。落石等の監視装置は、落石等防護装置の所定
の支柱を支えるリテイングロープや防護ネツトの上辺又
は下辺に配置されるサポートロープ等のワイヤロープに
組み合わされたエネルギーの吸収装置としてのブレーキ
リング部材と、落石等の検知出力を送出する変位検知セ
ンサと、一端部が変位検知センサに接続されるとともに
他端部がブレーキリング部材を介してワイヤロープの固
定側に固定された所定の計測長を有するセンサワイヤと
を備えて構成される。
【0009】以上のように構成された本発明にかかる落
石等の監視装置によれば、落石等の発生によって支柱等
を介してワイヤロープに衝撃等が加えられると、ブレー
キリング部材に引絞り動作が生じてセンサワイヤの計測
長が変化する。落石等の監視装置は、センサワイヤを介
して変位検知センサが動作され、落石等の発生を報知す
る検知出力の送出が行われる。また、落石等の監視装置
は、所定の支柱等に対応した変位検知センサから検知出
力が送出されることで、落石等の発生箇所が判別され得
るようにする。
【0010】また、本発明にかかる落石等の監視装置
は、変位検知センサに、ブレーキリング部材の引絞り動
作量に応じたセンサワイヤの計測長の変化に対応して動
作される複数の個別センサが備えられる。したがって、
落石等の監視装置は、発生した落石等の規模に応じて変
位検知センサの個別センサが選択的に動作されて検知出
力を送出することで、落石等の規模を報知するようにす
る。
【0011】さらに、本発明にかかる落石等の監視装置
は、遠隔設置された監視モニタを備え、変位検知センサ
の検知出力が信号ケーブルを介して送出されるように構
成する。したがって、落石等の監視装置は、落石等の発
生状況が安全な場所に設置された監視モニタによって遠
隔監視を可能とする。
【0012】さらにまた、本発明にかかる落石等の監視
装置は、支柱が、支柱アンカに対して基端部を回動自在
に支持されるとともに上端部に固定したワイヤロープに
よって垂直状態に保持されてなる落石等防護装置に付設
される。落石等の監視装置においては、落石等の発生に
よって落下エネルギーを緩衝しながら所定の角度以上に
傾倒したり転倒する支柱の動作がワイヤロープを介して
ブレーキリング部材に引絞り動作を生じさせる。したが
って、落石等の監視装置は、変位検知センサが確実に動
作されて検出出力の送出が行われることで、精度の高い
監視が行われるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施の形
態として示す落石等の監視装置20は、例えば岩盤崩落
や落石或いは地滑り等が発生する虞れがある急峻な斜面
P等が存在する危険地帯に設置された落石防護ネット装
置1の支柱2を支えるワイヤロープ3に付設される。落
石防護ネット装置1は、所定の間隔を以って設けられる
多数本の支柱2と、これら支柱2をそれぞれ保持する多
数本のワイヤロープ3と、各支柱2を支柱支持機構5を
介して支持する支柱アンカ4と、防護ネット6と、ワイ
ヤロープ3の一端が固定されるワイヤアンカ7或いは各
ワイヤロープ3に設けられたブレーキリング部材8等の
部材によって構成されている。以下、本発明の実施の形
態においては、ワイヤロープがリテイニングロープであ
る場合を中心に述べるが、サポートロープにあってもそ
のまま利用できるものであることはもちろんである。
【0014】落石防護ネット装置1は、危険地帯の斜面
Pに沿って所定の間隔を以って支柱アンカ4をアンカボ
ルト9等によってしっかりと設置してなる。各支柱アン
カ4には、詳細を省略するが一対のブラケット部材10
が立設されるとともに、これらブラケット部材10間に
支軸11が支架されてなる。ブラケット部材10及び支
軸11は、支柱2の基端部を回動自在に支持する上述し
た支柱支持機構5を構成する。支柱支持機構5は、詳細
には支柱2を斜面Pに対して略垂直方向の位置で係止す
る図示しないストッパ機構が付設されている。したがっ
て、支柱支持機構5は、各支柱2を斜面Pの傾斜角度に
合わせてそれぞれ垂直に立設することが簡易に行われ
る。
【0015】落石防護ネット装置1は、各支柱アンカ4
にそれぞれ対応した斜面Pの上方側の適宜の位置にワイ
ヤアンカ7がしっかりと設置されており、これらワイヤ
アンカ7と支柱2との間にそれぞれワイヤロープ3を張
架してなる。ワイヤロープ3は、例えば防錆処理を施し
た多数本のスチール線を編み込んでなり、充分な機械的
強度を有している。落石防護ネット装置1は、このワイ
ヤロープ3を図示しないターンバックル等の適宜のテン
ション調整機構によって張り具合を調整した状態で張架
することによって、図1に示すように支柱2が斜面Pに
対して略垂直な状態に保持されるようにする。落石防護
ネット装置1は、この状態で上述した各支柱2間にそれ
ぞれスチール線を網目やリング状に織り込んでなる防護
ネット6が張られ、この防護ネット6によって、斜面P
を落下する落石12等を受け止めるようにする。
【0016】落石防護ネット装置1には、図2に示すよ
うに支柱2とワイヤアンカ7との間に張架されるワイヤ
ロープ3の一部をリング状に周回させるブレーキリング
部材8が付設されている。ブレーキリング部材8は、例
えば塑性変形が自在なパイプ材によってループ状に形成
されてなり、通常ワイヤロープ3の一部を所定の内径R
を以って周回させるようにする。ブレーキリング部材8
は、ワイヤロープ3に対して大きな引張り力が作用され
た場合にその内径Rが引き絞られて次第に縮径されるこ
とによりこの引張り力を緩衝させてワイヤロープ3を保
護する。
【0017】なお、ブレーキリング部材8については、
上述した構成に限定されるものではなく、例えばワイヤ
ロープ3を通線したスパイラル管によって構成してもよ
く、また適宜のターン数を有するものであってよい。ブ
レーキリング部材8は、ワイヤロープ3を周回ガイドす
るとともに、このワイヤロープ3に過大な引張り力が負
荷された場合に所定の内径Rから縮径等の機械的変位が
生じる構造の部材或いは機構であればよい。
【0018】落石防護ネット装置1は、斜面Pに落石1
2等が発生した場合に、この落石12を防護ネット6で
受け止める。落石防護ネット装置1は、落石12の落下
エネルギーを防護ネット6の撓みによって吸収する。落
石防護ネット装置1は、落石12によって大きな衝撃や
重量が加えられた場合に、ワイヤロープ3の保持力に抗
して支柱2が支柱支持機構5を支点として回動動作す
る。落石防護ネット装置1は、より大規模な落石12等
が発生した場合には、支柱2やワイヤロープ3或いは防
護ネット6等による緩衝、防護作用が奏し得なくなって
支柱2が倒壊することもある。
【0019】なお、落石防護ネット装置1については、
上述した支柱2間に鋼鉄製の柵部材を掛け渡してなる防
護柵装置であってもよい。かかる防護柵装置において
も、各支柱2がそれぞれワイヤロープ3によって略垂直
状態に保持されるように構成されている。
【0020】監視装置20は、上述した落石防護ネット
装置1のワイヤロープ3に付設されて、落石12等が発
生して支柱2が変位動作した状態を検知して検知出力を
送出する。監視装置20は、上述したブレーキリング部
材8と、変位検知センサ21と、所定の計測長Lを有す
るセンサワイヤ22と、固定金具23とを備えて構成さ
れる。監視装置20は、上述した支柱2の変位動作等に
よってワイヤロープ3が伸びてブレーキリング部材8に
生じた内径Rの引絞り動作によって駆動されて検知出力
を送出する。
【0021】監視装置20は、各ワイヤロープ3にそれ
ぞれ付設されるが、例えば支柱2の間隔が比較的狭い場
合等においては数本おきに付設するようにしてもよい。
監視装置20には、変位検知センサ21の検知出力を送
信する信号ケーブル24を介して遠隔に設置した監視モ
ニタ25が接続される。
【0022】変位検知センサ21は、図1及び図2に示
すように、ワイヤロープ3に対して支柱2とブレーキリ
ング部材8との間に位置して取付金具26によって取り
付けられている。変位検知センサ21は、図2に示すよ
うに、本体に対してキー部材27が挿脱自在に設けられ
て構成されている。変位検知センサ21は、通常本体に
差し込まれたキー部材27によって一対の内部センサ2
8a、28b間が遮断されて開放状態に保持されてい
る。変位検知センサ21は、後述するように落石12等
が発生して本体からキー部材27が抜き出されることに
よって、内部センサ28が閉成されて検知出力を送出す
る。
【0023】変位検知センサ21には、例えば信号ケー
ブル24を介して内部センサ28に微弱な電流が供給さ
れる。電流の供給は、常時行う必要はなく変位検知セン
サ21から検知出力を得る場合に必要に応じて行うよう
にすればよい。また、変位検知センサ21は、比較的小
容量の電源を内蔵したり太陽電池等を備えるものであっ
てもよい。変位検知センサ21は、かかる内部電源を備
える場合に、無線等によって検知出力を送信する機能を
備えるようにしてもよく、またサイレン等を内蔵するこ
とによって落石12等の発生を直ちに報知する機能を備
えてもよい。
【0024】変位検知センサ21は、センサワイヤ22
の計測長Lの変化によって検知出力が送出されるように
構成されるものであればよく、挿脱動作されるキー部材
27を有するセンサに限定されるものではない。変位検
知センサ21は、例えばセンサワイヤ22の計測長Lの
変化によって内部を摺動する摺動子を備えたものであっ
てもよい。かかる変位検知センサは、摺動子の機械的位
置が検出されて検知出力が送出される。
【0025】センサワイヤ22は、図1及び図2に示す
ように、その一端部がワイヤロープ3に対してワイヤア
ンカ7とブレーキリング部材8との間に位置して取り付
けた固定金具23に固定される。センサワイヤ22は、
防錆処理が施された鋼線や防錆性を有するステンレス線
等が用いられており、短くかつ信号線を構成しないこと
から比較的廉価である。センサワイヤ22は、図2に示
すように、変位検知センサ21のキー部材27に接続さ
れている。センサワイヤ22は、図2に示すようにやや
弛みのある状態で固定金具23とキー部材27とを連結
する所定の計測長Lを有している。センサワイヤ22
は、後述するように落石12等が発生して固定金具23
とキー部材27との間隔がこの計測長Lを超えて長くな
った場合に、キー部材27を変位検知センサ21の本体
から抜き取って変位検知センサ21を動作させる。
【0026】監視モニタ25は、変位検知センサ21か
ら送出された検知出力によって表示部に表示された転倒
マトリックスが反転して落石12等の発生を表示する。
監視モニタ25は、電源容量や変位検知センサ21から
の検知出力に応じて種々の機能が搭載される。監視モニ
タ25は、例えば発生した落石12等の規模に応じて転
倒マトリックスの反転数が適宜設定され、危険度の程度
を報知するように構成してもよい。監視モニタ25は、
例えばプリンタを接続することによって変位検知センサ
21から送出される検知出力を記録して継続的な監視を
行うためのデータを提供する機能を備えてもよい。監視
モニタ25は、このために内部にメモリを備えるように
し、必要に応じて供給される出力コマンドに基づいて蓄
積データを送信する。監視モニタ25には、変位検知セ
ンサ21から大規模な落石や岩盤崩壊等の検出出力が送
出された場合に、警報表示器やスピーカ或いはサイレン
等によってこれを報知するように構成してもよい。
【0027】以上のように構成された監視装置20は、
斜面Pに落石12等が発生して落石防護ネット装置1の
支柱2が下方に向かって変位動作した場合に、これを検
出して検知出力を送出する。監視装置20は、図2に示
すようにキー部材27が本体に差し込まれた状態に保持
されることによって変位検知センサ21が不動作状態に
ある。監視装置20は、ブレーキリング部材8が所定の
内径Rに保持されていることによって、センサワイヤ2
2が固定金具23とキー部材27との間で弛んだ状態に
ある。
【0028】落石防護ネット装置1は、斜面Pに比較的
小規模な落石12等が発生した場合には、この斜面Pを
ころがり落ちる落石12を防護ネット6によって受け止
めてその落下エネルギーを吸収する。
【0029】また落石防護ネット装置1は、斜面Pに比
較的大規模な落石12等が発生した場合には、この斜面
Pをころがり落ちる落石12の落下エネルギーも大きく
なる。
【0030】これによって、落石防護ネット装置1は、
支柱2がワイヤロープ3の保持力に抗して支柱支持機構
5を支点として図3に矢印で示すように下方へと回動変
位する。この支柱2とワイヤアンカ7との間に張架され
たワイヤロープ3に対して同図及び図4に矢印で示すよ
うに大きな引張り力が作用される。ワイヤロープ3は、
これによって図4に示すようにブレーキリング部材8に
所定の内径Rから縮径状態とする引絞り動作を生じさせ
て支柱2の変位動作に追従する。
【0031】落石防護ネット装置1は、落石12の発生
による支柱2の変位動作によって、ブレーキリング部材
8が縮径状態となることでワイヤロープ3の全体の実質
的な長さが大きくなる。したがって、ワイヤロープ3
は、詳細には支柱2と監視装置20の固定金具23との
間の部位がブレーキリング部材8の動作によって大きく
なる。監視装置20は、このようにしてワイヤロープ3
の長さが大きくなることで、それに追従して固定金具2
3とキー部材27との間で弛んだ状態にあったセンサワ
イヤ22が伸ばされてその計測長Lが変化する。
【0032】監視装置20は、センサワイヤ22がその
一端部を固定金具23に固定されていることから、上述
した計測長Lの変化に伴って図4に示すように他端部に
接続したキー部材27を変位検知センサ21の本体から
抜き取る動作を行う。監視装置20は、このキー部材2
7の抜取り動作によって変位検知センサ21の内部セン
サ28が閉成されて検知出力を送出する。監視装置20
は、変位検知センサ21から送出された検知出力が信号
ケーブル24を介して監視モニタ25へと送信され、こ
の監視モニタ25の転倒マトリックスを反転駆動するこ
とで落石12等の発生を表示する。
【0033】監視装置20は、落石防護ネット装置1の
各支柱2或いは所定の支柱2を保持するワイヤロープ3
にそれぞれ付設されることによって、落石12がどの個
所で発生したかを監視モニタ25を介して検知すること
が可能とされる。監視装置20は、センサワイヤ22の
計測長Lを適宜設定することによって、落石12の発生
規模に対応した検知が可能とされる。すなわち、監視装
置20は、センサワイヤ22の計測長Lを小さく設定す
ることで、ブレーキリング部材8の縮径動作に敏感に対
応して変位検知センサ21から検知出力が送出されるよ
うになる。監視装置20は、センサワイヤ22の計測長
Lを大きく設定することで、ブレーキリング部材8に大
きな縮径動作が生じた場合に変位検知センサ21から検
知出力が送出されるようになる。したがって、監視装置
20は、例えば隣接する支柱2に対応して計測長Lを異
にしたセンサワイヤ22を用いることで、落石12の発
生の有無とその規模の検知を可能とするようになる。
【0034】なお、監視装置20は、落石12の発生及
びその規模を検知するばかりでなく岩盤崩落や地滑り等
についても、それに伴う支柱2或いはワイヤロープ3の
変位動作を検知してこれを報知することは勿論である。
【0035】上述した監視装置20においては、1個の
変位検知センサ21と1本のセンサワイヤ22を備えて
構成されたが、本発明はかかる監視装置20に限定され
るものではない。図5に示した監視装置30は、1個の
変位検知センサ31と、複数本のセンサワイヤ32a乃
至32eとを備えて構成されている。変位検知センサ3
1には、複数個のキー部材34a乃至34eによってそ
れぞれ開閉動作される多数個の内部センサ33a乃至2
3eが備えられている。変位検知センサ31は、これら
キー部材34a乃至34eが本体から選択的に抜き取ら
れることによって対応する内部センサ33a乃至33e
が閉成されてそれぞれ検知出力を送出する。
【0036】センサワイヤ32a乃至32eは、それぞ
れその計測長L1乃至L5が異にされており、その一端
部をそれぞれ固定金具23に固定するとともにブレーキ
リング部材8に絡めた状態で他端部を各キー部材34a
乃至34eにそれぞれ接続してなる。したがって、セン
サワイヤ32a乃至32eは、変位検知センサ31と固
定金具23との間で弛み量が異にされている。
【0037】以上のように構成された監視装置30も、
落石12が発生して支柱2が変位するとワイヤロープ3
を介してその変位量に応じたブレーキリング部材8の縮
径動作によって、変位検知センサ31から検知出力が送
出される。監視装置30は、落石12の規模に応じたブ
レーキリング部材8の内径Rの縮径量に対応してセンサ
ワイヤ32a乃至32eが接続したキー部材34a乃至
34eの抜取り動作を行う。
【0038】監視装置30は、落石12の規模が小さく
ブレーキリング部材8の縮径動作が小さい場合には、小
さな計測長L1の第1のセンサワイヤ32aのみに引張
り動作が生じて対応する第1のキー部材34aの抜取り
動作のみが行われる。監視装置30は、他のセンサワイ
ヤ32b乃至32eがブレーキリング部材8の縮径動作
に追従可能な計測長Lを有することで対応するこれらキ
ー部材34b乃至34eの抜取り動作を行わない。した
がって、監視装置30は、変位検知センサ31がその第
1の内部センサ33aからのみ検知出力を送出して、監
視モニタ25により落石12の発生を報知するようにす
る。
【0039】監視装置30は、落石12の規模が次第に
大きくなるにしたがってブレーキリング部材8の縮径動
作も次第に大きくなることで、このブレーキリング部材
8の縮径量に応じた第2のセンサワイヤ32b乃至第5
のセンサワイヤ32eによる対応するキー部材34b乃
至34eの抜取り動作が順次行われるようになる。した
がって、監視装置30は、変位検知センサ31から、落
石12の規模に応じて第1の内部センサ33a乃至第5
の内部センサ33eが順次動作されて検知出力を送出
し、監視モニタ25によって落石12の発生とともにそ
の規模も報知するようにする。
【0040】なお、上述した監視装置30においては、
多数個の内部センサ33a乃至33eとキー部材34a
乃至34eとを備える変位検知センサ31を用いたが、
例えば1個の内部センサとキー部材とを備える多数個の
変位検知センサをワイヤロープ3に対して取り付け位置
を異にして設けるようにしてもよい。
【0041】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる落石等の監視装置によれば、落石等の発生によって
ワイヤロープに衝撃等が加えられ、このワイヤロープに
設けたエネルギー吸収装置としてのブレーキリング部材
に引絞り動作が生じた場合に、センサワイヤの計測長が
変化して変位検知センサから検出出力を送出するように
構成したことから、構造が極めて簡易で廉価な装置であ
るとともにその設置も極めて簡易に施工されることか
ら、全国各地に存在する多くの岩盤崩落や落石等の発生
の虞れがある危険個所への実用設置が可能とされ、災害
発生の防止に対する貢献は極めて大きい。また、落石等
の監視装置は、ブレーキリング部材の引絞り動作を変位
検知センサの駆動源とすることで検知精度が極めて高く
かつその感度調整も自在であるとともに落石等の発生の
検知ばかりでなくその規模の検知も容易に対応が可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態として示す落石等の監視装
置を落石防護ネット装置に付設した状態を模式的に示し
た構成説明図である。
【図2】同監視装置の構成を説明する要部構成図であ
る。
【図3】落石が発生した状態で落石防護ネット装置の構
成説明図である。
【図4】同落石発生時の監視装置の構成を説明する要部
構成図である。
【図5】本発明の他実施の形態として示す落石等の監視
装置の要部構成図である。
【符号の説明】
1 落石防護ネット装置 2 支柱 3 ワイヤロープ 4 支柱アンカ 5 支柱支持機構 6 防護ネット 7 ワイヤアンカ 8 ブレーキリング部材 12 落石 20 監視装置 21 変位検出センサ 22 センサワイヤ 23 固定金具 24 信号ケーブル 25 監視モニタ 26 取付金具 27 キー部材 28 内部センサ 30 監視装置 31 変位検出センサ 32 センサワイヤ 33 内部センサ 34 キー部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 光男 東京都千代田区神田錦町3−18 ショーボ ンド建設株式会社内 (72)発明者 飯沼 博幸 埼玉県浦和市太田窪2−2−19 応用地質 株式会社内 (72)発明者 西條 雅博 埼玉県浦和市太田窪2−2−19 応用地質 株式会社内 Fターム(参考) 2D001 PA06 PB04 PC03 PD05 PF11 2F076 BA15 BB08 BD17 BE01 BE17

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 岩盤崩落や落石等の発生の虞れがある危
    険地帯に設置される落石防護柵や防護ネット等の落石等
    防護装置に付設されて落石等の発生を検知して検知出力
    を送出する落石等の監視装置において、前記落石等防護
    装置の所定の位置に配置されたワイヤロープに組み合わ
    されたブレーキリング部材と、落石等の検知出力を送出
    する変位検知センサと、一端部が前記変位検知センサに
    接続されるとともに他端部が前記ブレーキリング部材を
    介してワイヤロープの固定側に固定された所定の計測長
    を有するセンサワイヤとを備え、落石等の発生によって
    前記ワイヤロープに衝撃等が加えられると、前記ブレー
    キリング部材に引絞り動作が生じて前記センサワイヤの
    計測長が変化し、このセンサワイヤを介して前記変位検
    知センサが動作されて検知出力の送出が行われることを
    特徴とする落石等の監視装置。
  2. 【請求項2】 前記変位検知センサには、前記ブレーキ
    リング部材の引絞り動作量に応じた前記センサワイヤの
    計測長の変化に対応して動作するセンサが備えられ、発
    生した落石等の規模に応じてセンサが動作して検知出力
    の送出を行うことを特徴とする請求項1に記載の落石等
    の監視装置。
  3. 【請求項3】 前記変位検知センサは、信号ケーブルを
    介して遠隔設置された落石等監視モニタと接続され、落
    石等の発生状況を前記監視モニタによって遠隔監視が可
    能とするようにしたことを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載の落石等の監視装置。
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