JP2000320668A - 歯車式変速機の自動変速装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 部品点数が少なく、構造が簡単で、コンパク
トで安価な歯車式変速機の自動変速装置の提供を目的と
する。 【構成】 セレクト機構は、正逆回転制御可能なセレク
トモータ２３と、ギヤ２２で減速されて回転するセレク
ト軸１９と、セレクト軸１９の作動角を検知するセレク
トセンサ２８と、セレクト軸１９に固定されて揺動する
セレクトレバー１７と、セレクトレバー１７が係合され
るセレクトシフトロッド５とを備え、シフト機構は、正
逆回転制御可能なシフトモータ１６と、ギヤで減速され
て回転するシフト軸９と、シフト軸９により回転方向に
揺動されるウォームホイールギヤ８と、ウォームホイー
ルギヤ８の揺動により回転方向に変位され、ウォームホ
イルギヤ８に軸方向への移動可能に係合されたセレクト
シフトロッド５と、セレクトシフトロッド５の作動角を
検知するシフトセンサ６とを備えて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、歯車式変速機の自動
変速装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】従来、手動の歯車式変速機
のメカニズムをそのまま使用し、コンピューターにより
油圧装置を介して変速及びクラッチ操作を自動化したも
のが存在するが、クラッチ用，シフト用，セレクト用の
３つのシリンダと、これらを駆動する多数の電磁弁が必
要で、油圧系統が必要なため構造が複雑で大型の装置と
なり、原価が高くなるという問題点があった。また、歯
車式変速機のセレクトまたはシフトのアクチュエータに
モータを使用したものとして、例えば特公昭６１−５１
６９７号公報に開示されているようなものも存在する
が、この装置ではセレクトラインの数だけモータが必要
となり、複数のモータまたはソレノイド等が使用され
て、構造が複雑で大型の装置となってしまい、原価が高
くなるという問題点があった。

【０００３】

【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の問題
点に鑑み案出したものであって、構造が簡単で安価に製
作することができる歯車式変速機の自動変速装置を提供
せんことを目的とし、その第１の要旨は、セレクトシフ
トロッドを軸方向に移動して歯車式変速機内部のシフト
フォークのラインをセレクトし、次に前記セレクトシフ
トロッドを回転方向に変位して前記シフトフォークを連
動してギヤのシフトを完了するように構成した歯車式変
速機の、前記セレクトシフトロッドに連結して、前記セ
レクト動作及びシフト動作を実行する自動変速装置であ
って、前記自動変速装置内には、前記セレクト動作を実
行するセレクト機構と、前記シフト動作を実行するシフ
ト機構とを組み込み、前記セレクト機構は、正逆回転制
御可能なセレクトモータと、一対のギヤで減速されて回
転するセレクト軸と、該セレクト軸の外端に係合されて
回転方向の作動角を検知するセレクトセンサと、前記セ
レクト軸に固定されて揺動するセレクトレバーと、該セ
レクトレバーの先端部が係合される前記セレクトシフト
ロッドとを備え、前記シフト機構は、正逆回転制御可能
なシフトモータと、一対のギヤで減速されて回転するシ
フト軸と、該シフト軸のウォームギヤにより回転方向に
揺動されるウォームホイールギヤと、該ウォームホイー
ルギヤの揺動により回転方向に変位されるとともに該ウ
ォームホイルギヤに軸方向への移動可能に係合された前
記セレクトシフトロッドと、該セレクトシフトロッドの
外端に係合されて回転方向の作動角を検知するシフトセ
ンサとを備えて構成し、セレクト動作時には、前記セレ
クトモータが作動すると、前記セレクト軸が回転方向に
変位し、前記セレクトレバーが揺動して前記セレクトシ
フトロッドを軸方向に移動させ、前記セレクトセンサの
フィードバック制御により調整して所定のセレクトライ
ンに到達するようにし、シフト動作時には、前記シフト
モータが作動すると、前記シフト軸が回転し、前記ウォ
ームギヤにより前記ウォームホイールギヤが揺動して前
記セレクトシフトロッドを回転方向に変位させ、前記シ
フトセンサのフィードバック制御により調整して所定の
シフトラインに到達するように構成したことである。

【０００４】また、第２の要旨は、前記歯車式変速機か
ら略垂直方向に突き出された前記セレクトシフトロッド
の軸中心線を基準として、一方の側面部には、前記セレ
クト機構に属する、セレクトモータの軸中心と、セレク
ト軸の軸中心とが、ギヤ部がラップし本体部がラップし
ないように平行に水平方向に配置され、他方の側面部に
は、前記シフト機構に属する、シフトモータの軸中心
が、シフト軸の軸中心よりも上方で、ギヤ部と本体部が
ラップする２段積みで、前記一方の側面部の各軸中心と
平行な水平方向に配置され、前記セレクト軸の軸中心と
直角方向に略水平に差し出された前記セレクトレバーが
前記シフト軸のウォームギヤと噛み合い水平にケースで
支持された前記ウォームホイールギヤよりも上方で、前
記セレクトシフトロッドの軸中心線付近でラップする２
段積みで配置され、前記セレクトセンサとシフトセンサ
とを含む自動変速装置の全体形状は、縦と横との寸法が
略正方形に近く、高さの寸法が縦と横との寸法よりも小
さく、全体が略直方体の形状とされ、前記セレクトシフ
トロッドの軸中心線が、略正方形の対角線上の一端に偏
って配置されていることである。

【０００５】また、第３の要旨は、前記シフト機構に属
し、比較的高負荷の、シフト軸の軸受と、ウォームギヤ
の歯面部とウォームホイールギヤの歯面部及び軸受は、
液体潤滑油が溜まっている装置の底部に配置されて湿式
に構成し、前記セレクト機構に属し、比較的中負荷の、
セレクトレバーと、ウォームホイールギヤと、シフトセ
ンサとが、セレクトシフトロッドと係合する部分は、液
体潤滑油が飛沫してくる装置の上部に配置されて半湿式
に構成し、前記シフト機構及びセレクト機構に属し、比
較的低負荷の、一対のギヤや、モータや、センサは、液
体潤滑油がなくても機能が成立する材質または固体潤滑
剤などを使用して、装置の上方または別室に配置して乾
式に構成したことである。

【０００６】また、第４の要旨は、前記自動変速装置を
収納するケースは、略上下に水平方向に２分割して、ア
ッパケースと、ロアケースとし、該アッパケースには、
前記シフトセンサと前記セレクト機構に属する機能部品
とを取り付け、前記ロアケースには、前記シフトセンサ
を除く前記シフト機構に属する機能部品を取り付けて構
成したことである。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は、歯車式変速機の自動変速装置の平面断面
構成図であり、図２は、図１のＡ−Ａ線断面図であり、
また図３は、図１のＣ−Ｃ線断面図である。また図４
は、自動変速装置の外観正面図であり、図５は、外観平
面図である。

【０００８】図において、自動変速装置１は、分割可能
なアッパケース２とロアケース３内に、図示しない歯車
式変速機４から突出されたセレクトシフトロッド５の端
部が図２に示すように、オイルシールＯを介して油密状
に配置されており、セレクトシフトロッド５のケース
２，３内における外周にはスプライン５ａが形成され
て、このスプライン５ａの上方には切欠状に係合切欠５
ｂが形成されており、さらに係合切欠５ｂの上端側に
は、軸方向に沿って係合スリット５ｃがスリット状に形
成され、この係合スリット５ｃ内に、シフトセンサ６の
軸端子が係合されたものとなっており、シフトセンサ６
は、セレクトシフトロッド５の９０°範囲の回転角を検
知できる回転角センサで構成されている。なお、このシ
フトセンサ６とセレクトシフトロッド５の係合部位等は
乾式潤滑構造となっている。

【０００９】セレクトシフトロッド５のスプライン５ａ
の外周には、ウォームホイールギヤ８が係合されてお
り、ウォームホイールギヤ８はロアケース３内にボール
ベアリング１０を介し揺動可能に略水平に配置されて、
ウォームホイールギヤ８の内周に形成されたスプライン
８ａがスプライン５ａと係合し、ウォームホイールギヤ
８に対し、セレクトシフトロッド５は軸方向（上下方
向）へ移動可能となっている。

【００１０】図１，図３に示すように、ウォームホイー
ルギヤ８の外周歯部と噛み合うウォームギヤ９ａを外周
に形成したシフト軸９が、ボールベアリング１０，１０
を介在して回転可能にロアケース３内に横設されてお
り、このシフト軸９の一端側には、オイルシール１１を
介在して、端部外周に減速ギヤ１２がピン１４で固定さ
れており、この減速ギヤ１２の外側はサイドカバー１３
で覆蓋されている。また、減速ギヤ１２には、ロアケー
ス３の外側に取り付けられたシフトモータ１６のモータ
軸にピンで固定されたギヤ１５が噛合されており、この
一対のギヤ１２，１５で減速ギヤが構成されている。な
お、シフト軸９の他端側は、スペーサ３０を介在してエ
ンドカバー２９で覆蓋されている。

【００１１】シフトモータ１６は正逆回転制御可能であ
り、シフトモータ１６が作動されると、前記ギヤ１２，
１５により回転が減速されてシフト軸９が回転され、ウ
ォームギヤ９ａからウォームホイールギヤ８に回転力が
伝わり、これによりウォームホイールギヤ８はセレクト
シフトロッド５を中心として揺動されることとなり、こ
れによりセレクトシフトロッド５が回転方向に変位し
て、図示しない歯車式変速機４内のシフトフォークが連
動されて、歯車式変速機４内のギヤのシフト動作が行わ
れるものである。

【００１２】セレクトシフトロッド５の前述した係合切
欠５ｂには、セレクトレバー１７の先端部１７ａが係合
されて、セレクトレバー１７はピン１８を介しセレクト
軸１９に固定されており、セレクト軸１９の図１におけ
る一端側は、オイルシール２０で区画されて、その端部
に一対の減速ギヤ２２が噛合状に配置され、アッパケー
ス２の外側には正逆回転制御可能なセレクトモータ２３
が取り付けられたものとなっている。

【００１３】セレクト軸１９の一端側はボールベアリン
グ２１で回転可能に支持され、セレクト軸１９の他端側
は平軸受２６で支持されており、平軸受２６の内側には
スラストワッシャ２５，止め輪２４が設けられている。
また、平軸受２６の外側にはオイルシール２７が設けら
れて、セレクト軸１９の端側にはセレクトセンサ２８に
連結されている。セレクトセンサ２８はセレクト軸１９
の回転角を９０°範囲で検知できる回転角センサで構成
されている。

【００１４】従って、セレクトモータ２３が作動する
と、セレクト軸１９が回転方向に変位し、セレクトレバ
ー１７が揺動されて、セレクトシフトロッド５を軸方向
に移動させ、セレクトセンサ２８のフィードバック制御
により調整されて、歯車式変速機４内のシフトフォーク
のラインがセレクトされるものである。

【００１５】なお、ロアケース３の底側には液体潤滑油
が溜められており、ウォームホイールギヤ８及びボール
ベアリング７の周辺は液体潤滑油により潤滑される湿式
潤滑となっている。即ち液体潤滑油により潤滑される部
分は、比較的高負荷の、シフト軸９のボールベアリング
１０、ウォームギヤ９ａとウォームホイールギヤ８の噛
合部、及びボールベアリング７の部分である。また、セ
レクトレバー１７とセレクトシフトロッド５が係合する
部分とか、ウォームホイールギヤ８とセレクトシフトロ
ッド５が係合する部分とか、シフトセンサ６がセレクト
シフトロッド５と係合する部分は、比較的中負荷の部分
であり、この部分は、ロアケース３に溜められた液体潤
滑油が飛散されて潤滑されるように、半湿式の潤滑構造
に構成されている。また、比較的低負荷の、一対の減速
ギヤ２２，セレクトモータ２３，セレクトセンサ２８の
係合部分は、オイルシール２０，２７等による乾式の潤
滑構造となっている。同様に、シフトセンサ６の係合部
分，減速ギヤ１２，１５の部分，及びシフトモータ１６
の部分もオイルシール１１等による乾式の潤滑構造とな
っている。

【００１６】なお、本例の自動変速装置は、図４の外観
正面図で、また図５の外観平面図（図４のＹ方向矢視
図）で示すような外観形状となっている。即ち、アッパ
ケース２とロアケース３により上下に水平方向で２分割
されて構成されており、アッパケース２には、シフトセ
ンサ６とセレクト機構を構成する機能部品が取り付けら
れ、一方のロアケース３には、シフトセンサ６を除くシ
フト機構を構成する機能部品が取り付けられて構成され
ており、図４において、図示しない歯車式変速機４から
略垂直方向に突出されたセレクトシフトロッド５の軸中
心線５Ｐを基準として、図示左側の側面部には、セレク
ト機構を構成するセレクトモータ２３の軸中心２３Ｐと
セレクト軸１９の軸中心１９Ｐとが、ギヤ部はラップし
本体部はラップしないように平行に水平方向に配置され
ており、また、セレクトシフトロッドの軸中心線５Ｐの
図示右側の側面部には、セレクト機構を構成するシフト
モータ１６の軸中心１６Ｐが、シフト軸９の軸中心９Ｐ
よりも上方で、ギヤ部と本体部がラップする２段積み
で、前記セレクトモータ２３の軸中心２３Ｐ及びセレク
ト軸１９の軸中心１９Ｐと平行な水平方向に配置されて
おり、また、セレクト軸１９の軸中心１９Ｐと直角方向
に略水平に差し出されたセレクトレバー１７が、シフト
軸９のウォームギヤ９ａと噛み合い水平に配置されたウ
ォームホイールギヤ８よりも上方で、セレクトシフトロ
ッド５の軸中心線５Ｐ付近でラップする２段積みで配置
されており、また、セレクトセンサ２８とシフトセンサ
６とを含む自動変速装置１の全体形状は、縦と横の寸法
が概略正方形に近く、高さ寸法が縦と横との寸法よりも
小さく、全体が概略直方体形状をなしており、セレクト
シフトロッド５の軸中心５Ｐが、概略正方形の対角線上
の一端に偏って配置されたものとなっている。

【００１７】このように自動変速装置１は部品点数が少
なく構造が簡単であり、既存の歯車式変速機４に取り付
けて、全体がコンパクトに構成することができ、一対の
減速ギヤ１２，１５及び２２を設けたことにより、歯車
式変速機４の容量が変化してもモータ２３，１６の容量
を変更せずにギヤ比のみを変更して対応させることがで
き、価格が安く汎用性があるものとなる。また、自動変
速装置１の外形寸法を、例えば縦１８４mm，横１７８m
m，高さ１２２mmと、略正方形で高さが低い全体が直方
体のコンパクトな装置とすることができ、さらにセレク
トシフトロッド５の軸中心５Ｐを図５のように偏心させ
ることによって、歯車式変速機特有の障害物を避けるこ
とができて、殆どの歯車式変速機４に適応させることが
できるものとなり、全体をコンパクト化させて車両への
搭載性を向上させることができるものとなる。また、構
成部品の負荷に応じて潤滑方法が選択されているので耐
久性が向上したものとなり、電装部品は乾式の潤滑方法
を選択して、装置の上方または別室に配置して、電気的
な障害を良好に防止できるものとなる。

【００１８】なお、前記セレクトレバー１７の先端部１
７ａとセレクトシフトロッド５の係合切欠５ｂによる係
合部分は、別体の連結子で連結した構造であっても良
く、また、ウォームホイールギヤ８とセレクトシフトロ
ッド５のスプラインによる係合手段は、別体のスライド
キーによる係合手段に変更しても良い。

【００１９】

【発明の効果】本発明は、セレクトシフトロッドを軸方
向に移動して歯車式変速機内部のシフトフォークのライ
ンをセレクトし、次に前記セレクトシフトロッドを回転
方向に変位して前記シフトフォークを連動してギヤのシ
フトを完了するように構成した歯車式変速機の、前記セ
レクトシフトロッドに連結して、前記セレクト動作及び
シフト動作を実行する自動変速装置であって、前記自動
変速装置内には、前記セレクト動作を実行するセレクト
機構と、前記シフト動作を実行するシフト機構とを組み
込み、前記セレクト機構は、正逆回転制御可能なセレク
トモータと、一対のギヤで減速されて回転するセレクト
軸と、該セレクト軸の外端に係合されて回転方向の作動
角を検知するセレクトセンサと、前記セレクト軸に固定
されて揺動するセレクトレバーと、該セレクトレバーの
先端部が係合される前記セレクトシフトロッドとを備
え、前記シフト機構は、正逆回転制御可能なシフトモー
タと、一対のギヤで減速されて回転するシフト軸と、該
シフト軸のウォームギヤにより回転方向に揺動されるウ
ォームホイールギヤと、該ウォームホイールギヤの揺動
により回転方向に変位されるとともに該ウォームホイル
ギヤに軸方向への移動可能に係合された前記セレクトシ
フトロッドと、該セレクトシフトロッドの外端に係合さ
れて回転方向の作動角を検知するシフトセンサとを備え
て構成し、セレクト動作時には、前記セレクトモータが
作動すると、前記セレクト軸が回転方向に変位し、前記
セレクトレバーが揺動して前記セレクトシフトロッドを
軸方向に移動させ、前記セレクトセンサのフィードバッ
ク制御により調整して所定のセレクトラインに到達する
ようにし、シフト動作時には、前記シフトモータが作動
すると、前記シフト軸が回転し、前記ウォームギヤによ
り前記ウォームホイールギヤが揺動して前記セレクトシ
フトロッドを回転方向に変位させ、前記シフトセンサの
フィードバック制御により調整して所定のシフトライン
に到達するように構成したことにより、部品点数が少な
く簡単な構造で全体をコンパクトで安価に形成させるこ
とができて、既存の歯車式変速機に部分改造で安価に接
続させることができ、しかも歯車式変速機の容量が変化
してもモータの容量を変更させることなく減速ギヤのギ
ヤ比のみの変更で対応できるため、価格が安く汎用性が
あるものとなる。

【００２０】また、前記歯車式変速機から略垂直方向に
突き出された前記セレクトシフトロッドの軸中心線を基
準として、一方の側面部には、前記セレクト機構に属す
る、セレクトモータの軸中心と、セレクト軸の軸中心と
が、ギヤ部がラップし本体部がラップしないように平行
に水平方向に配置され、他方の側面部には、前記シフト
機構に属する、シフトモータの軸中心が、シフト軸の軸
中心よりも上方で、ギヤ部と本体部がラップする２段積
みで、前記一方の側面部の各軸中心と平行な水平方向に
配置され、前記セレクト軸の軸中心と直角方向に略水平
に差し出された前記セレクトレバーが前記シフト軸のウ
ォームギヤと噛み合い水平にケースで支持された前記ウ
ォームホイールギヤよりも上方で、前記セレクトシフト
ロッドの軸中心線付近でラップする２段積みで配置さ
れ、前記セレクトセンサとシフトセンサとを含む自動変
速装置の全体形状は、縦と横との寸法が略正方形に近
く、高さの寸法が縦と横との寸法よりも小さく、全体が
略直方体の形状とされ、前記セレクトシフトロッドの軸
中心線が、略正方形の対角線上の一端に偏って配置され
ていることにより、歯車式変速機にコンパクトに搭載
し、しかも障害物を避けて搭載することができ、車両へ
の搭載性が向上したものとなる。

【００２１】また、前記シフト機構に属し、比較的高負
荷の、シフト軸の軸受と、ウォームギヤの歯面部とウォ
ームホイールギヤの歯面部及び軸受は、液体潤滑油が溜
まっている装置の底部に配置されて湿式に構成し、前記
セレクト機構に属し、比較的中負荷の、セレクトレバー
と、ウォームホイールギヤと、シフトセンサとが、セレ
クトシフトロッドと係合する部分は、液体潤滑油が飛沫
してくる装置の上部に配置されて半湿式に構成し、前記
シフト機構及びセレクト機構に属し、比較的低負荷の、
一対のギヤや、モータや、センサは、液体潤滑油がなく
ても機能が成立する材質または固体潤滑剤などを使用し
て、装置の上方または別室に配置して乾式に構成したこ
とにより、湿式と乾式を併用して２段積み構造が可能と
なり、装置全体をコンパクトに形成することができ、ま
た耐久性が向上するとともに、電装部品は乾式の潤滑方
法を選択して電気的障害を良好に防止することができる
ものとなる。

【００２２】また、前記自動変速装置を収納するケース
は、略上下に水平方向に２分割して、アッパケースと、
ロアケースとし、該アッパケースには、前記シフトセン
サと前記セレクト機構に属する機能部品とを取り付け、
前記ロアケースには、前記シフトセンサを除く前記シフ
ト機構に属する機能部品を取り付けて構成したことによ
り、アッパケースとロアケースは加工量が平準化して製
造性が向上し、両端の同軸加工が可能となって精度が向
上したものとなり、また、サイドカバーは、ロアケース
のみの合わせ面としたので、シール性を向上させること
ができ、しかもセレクトモータ取付穴とセレクト軸用穴
が同じアッパケースに設置されるので加工精度が向上す
るものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】自動変速装置の平面断面構成図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面構成図である。

【図３】図１のＣ−Ｃ線断面構成図である。

【図４】自動変速装置の外観正面図である。

【図５】図４のＹ矢視外観平面図である。

【符号の説明】

１ 自動変速装置 ２ アッパケース ３ ロアケース ４ 歯車式変速機 ５ セレクトシフトロッド ５ａ スプライン ５ｂ 係合切欠 ５ｃ 係合スリット ５Ｐ セレクトシフトロッドの軸中心線 ６ シフトセンサ ７ ボールベアリング ８ ウォームホイールギヤ ８ａ スプライン ９ シフト軸 ９ａ ウォームギヤ ９Ｐ シフト軸の軸中心線 １０ ボールベアリング １１ オイルシール １２ 減速ギヤ １３ サイドカバー １５ ギヤ １６ シフトモータ １６Ｐ シフトモータの軸中心線 １７ セレクトレバー １７ａ 先端部 １９ セレクト軸 １９Ｐ セレクト軸の軸中心線 ２０ オイルシール ２２ 減速ギヤ ２３ セレクトモータ ２３Ｐ セレクトモータの軸中心線 ２８ セレクトセンサ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 セレクトシフトロッド５を軸方向に移動
   して歯車式変速機４内部のシフトフォークのラインをセ
   レクトし、次に前記セレクトシフトロッド５を回転方向
   に変位して前記シフトフォークを連動してギヤのシフト
   を完了するように構成した歯車式変速機の、前記セレク
   トシフトロッド５に連結して、前記セレクト動作及びシ
   フト動作を実行する自動変速装置であって、 前記自動変速装置内には、前記セレクト動作を実行する
   セレクト機構と、前記シフト動作を実行するシフト機構
   とを組み込み、 前記セレクト機構は、正逆回転制御可能なセレクトモー
   タ２３と、一対のギヤ２２で減速されて回転するセレク
   ト軸１９と、該セレクト軸１９の外端に係合されて回転
   方向の作動角を検知するセレクトセンサ２８と、前記セ
   レクト軸１９に固定されて揺動するセレクトレバー１７
   と、該セレクトレバー１７の先端部が係合される前記セ
   レクトシフトロッド５とを備え、 前記シフト機構は、正逆回転制御可能なシフトモータ１
   ６と、一対のギヤ１２，１５で減速されて回転するシフ
   ト軸９と、該シフト軸９のウォームギヤ９ａにより回転
   方向に揺動されるウォームホイールギヤ８と、該ウォー
   ムホイールギヤ８の揺動により回転方向に変位されると
   ともに該ウォームホイルギヤ８に軸方向への移動可能に
   係合された前記セレクトシフトロッド５と、該セレクト
   シフトロッド５の外端に係合されて回転方向の作動角を
   検知するシフトセンサ６とを備えて構成し、 セレクト動作時には、前記セレクトモータ２３が作動す
   ると、前記セレクト軸１９が回転方向に変位し、前記セ
   レクトレバー１７が揺動して前記セレクトシフトロッド
   ５を軸方向に移動させ、前記セレクトセンサ２８のフィ
   ードバック制御により調整して所定のセレクトラインに
   到達するようにし、 シフト動作時には、前記シフトモータ１６が作動する
   と、前記シフト軸９が回転し、前記ウォームギヤ９ａに
   より前記ウォームホイールギヤ８が揺動して前記セレク
   トシフトロッド５を回転方向に変位させ、前記シフトセ
   ンサ６のフィードバック制御により調整して所定のシフ
   トラインに到達するように構成したことを特徴とする歯
   車式変速機の自動変速装置。
2. 【請求項２】 前記歯車式変速機４から略垂直方向に突
   き出された前記セレクトシフトロッド５の軸中心線５Ｐ
   を基準として、一方の側面部には、前記セレクト機構に
   属する、セレクトモータ２３の軸中心２３Ｐと、セレク
   ト軸１９の軸中心１９Ｐとが、ギヤ部がラップし本体部
   がラップしないように平行に水平方向に配置され、 他方の側面部には、前記シフト機構に属する、シフトモ
   ータ１６の軸中心１６Ｐが、シフト軸９の軸中心９Ｐよ
   りも上方で、ギヤ部と本体部がラップする２段積みで、
   前記一方の側面部の各軸中心２３Ｐ，１９Ｐと平行な水
   平方向に配置され、前記セレクト軸１９の軸中心１９Ｐ
   と直角方向に略水平に差し出された前記セレクトレバー
   １７が、前記シフト軸９のウォームギヤ９ａと噛み合い
   水平にケース３で支持された前記ウォームホイールギヤ
   ８よりも上方で、前記セレクトシフトロッド５の軸中心
   線５Ｐ付近でラップする２段積みで配置され、 前記セレクトセンサ２８とシフトセンサ６とを含む自動
   変速装置の全体形状は、縦と横との寸法が略正方形に近
   く、高さの寸法が縦と横との寸法よりも小さく、全体が
   略直方体の形状とされ、前記セレクトシフトロッド５の
   軸中心線５Ｐが、略正方形の対角線上の一端に偏って配
   置されていることを特徴とする請求項１に記載の歯車式
   変速機の自動変速装置。
3. 【請求項３】 前記シフト機構に属し、比較的高負荷
   の、シフト軸９の軸受１０と、ウォームギヤ９ａの歯面
   部とウォームホイールギヤ８の歯面部及び軸受７は、液
   体潤滑油が溜まっている装置の底部に配置されて湿式に
   構成し、 前記セレクト機構に属し、比較的中負荷の、セレクトレ
   バー１７と、ウォームホイールギヤ８と、シフトセンサ
   ６とが、セレクトシフトロッド５と係合する部分は、液
   体潤滑油が飛沫してくる装置の上部に配置されて半湿式
   に構成し、 前記シフト機構及びセレクト機構に属し、比較的低負荷
   の、一対のギヤ２２，１４，１５や、モータ１６，２３
   や、センサ６，２８は、液体潤滑油がなくても機能が成
   立する材質または固体潤滑剤などを使用して、装置の上
   方または別室に配置して乾式に構成したことを特徴とす
   る請求項１または請求項２に記載の歯車式変速機の自動
   変速装置。
4. 【請求項４】 前記自動変速装置を収納するケースは、
   略上下に水平方向に２分割して、アッパケース２と、ロ
   アケース３とし、 該アッパケース２には、前記シフトセンサ６と前記セレ
   クト機構に属する機能部品とを取り付け、前記ロアケー
   ス３には、前記シフトセンサ６を除く前記シフト機構に
   属する機能部品を取り付けて構成したことを特徴とする
   請求項１または請求項２または請求項３に記載の歯車式
   変速機の自動変速装置。