JP2000320458A - 圧縮機構 - Google Patents
圧縮機構Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 モータを清浄な空気の雰囲気に配設するとと
もに発熱部の冷却も同時に行うことができる圧縮機構を
提供する。 【解決手段】 モータ１の駆動によりクランク軸９を介
してピストン４を上下動することにより、フィルター５
を介してクランクケース２内に取り込んだ空気を圧縮す
るように構成した圧縮機構において、フィルター５を介
して取り込んだ清浄な空気の雰囲気にモータ１を配設す
べく、また空気を冷媒として発熱部を冷却し得るよう、
モータ１をクランクケース２内に配設したものである。
もに発熱部の冷却も同時に行うことができる圧縮機構を
提供する。 【解決手段】 モータ１の駆動によりクランク軸９を介
してピストン４を上下動することにより、フィルター５
を介してクランクケース２内に取り込んだ空気を圧縮す
るように構成した圧縮機構において、フィルター５を介
して取り込んだ清浄な空気の雰囲気にモータ１を配設す
べく、また空気を冷媒として発熱部を冷却し得るよう、
モータ１をクランクケース２内に配設したものである。
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は圧縮機構に関し、特
に可搬式のコンプレッサ装置に適用して有用なものであ
る。 【０００２】 【従来の技術】可搬式のコンプレッサ装置は、例えば、
木造家屋建築用空気圧式釘打機動力源となる圧縮空気の
供給源として用いられている。当該空気圧式釘打機は可
搬式のものでなければならず、したがって小型・軽量で
あることが望ましい。図６は、従来技術に係るこの種の
可搬式のコンプレッサ装置を示す断面図である。同図に
示すように、当該コンプレッサ装置は、モータ０１の駆
動により空気を圧縮する圧縮機構０２と、この圧縮機構
０２から吐出される圧縮気体を貯蔵する蓄圧タンク０３
とを有している。ここで、圧縮機構０２は、ピストン０
４とシリンダ０５とからなる往復圧縮機構を有してお
り、ピストン０４が下方に移動するとき、ピストン０４
の下方のクランク室０６から、ピストン０４及びその上
面に設けられた吸込弁０７を通してシリンダ０５に供給
される。シリンダ０５に供給された空気は、ピストン０
４の上方移動によって圧縮され、シリンダ０５内の空気
が、シリンダ０５の上面に設けられた吐出弁０１０を押
し上げる圧力にまで圧縮されると、吐出弁０１０から圧
縮空気が吐出される。この圧縮空気はパイプ０１１を通
して蓄圧タンク０３に貯蔵される。なお、蓄圧タンク０
３の圧縮空気はホース０１２から空気式釘打機等の負荷
に供給される。 【０００３】クランク室０６には空気の取り入れのため
にフィルタ０８が取り付けられ、フィルタ０８のある空
気取り入れ部０９以外のクランク室０６は閉じている。
これにより、取り入れる空気は、全てフィルタ０８を通
るので、清浄な吸入空気を取り込むことができる。 【０００４】ピストン０４には、連接棒（コンロッド）
０１３が取り付けられ、この連接棒０１３の下端はクラ
ンク軸０１４に軸受０１５を介して連結されている。し
たがって、クランク軸０１４の回転によって、ピストン
０４はシリンダ０５内を往復動し、フィルタ０８から取
り入れた空気を圧縮して圧縮機構０２から圧縮空気を吐
出する。 【０００５】モータ０１は、回転軸０１６と、ブラケッ
ト０１７に固定された固定子０１８と、この固定子０１
８の外側に配設された回転子０１９とを有する、いわゆ
るアウターロータ型のモータである。回転軸０１６は、
固定子０１８を支持するブラケット０１７に、２つの軸
受０２０、０２１を介して回転自在に支持され、その右
端は、クランク軸０１４に連結されている。固定子０１
８には、複数の磁界を発生してそれらの磁界を固定子の
外周面に沿って移動させる、すなわち回転させるよう
に、電機子巻線が巻回してある。 【０００６】回転子０１９は、固定子０１８の外周面を
包囲する、円形の端板と環状部とで形成したカップ形円
筒容器形状のフレーム０２２と、フレーム０２２の環状
部に、固定子０１８に対面して取り付けられた複数の磁
石０２３とで形成してある。したがって、固定子０１８
の電機子巻線からの回転磁界によって回転子０１９が回
転する。回転子０１９のフレーム０２２は回転軸０１６
の左端に固定されており、回転子０１９の回転によって
駆動が制御される。また、ハンジング０２４には冷却フ
ァン０２５が取り付けられている。 【０００７】上述の如く、当該コンブレッサ装置では、
モータ０１が内側の固定子０１８と外側の回転子０１９
とから構成されている。特に、回転子０１９は、円筒形
状のフレーム０２２の環状部に複数の磁石０２３を固着
してなる重量部であり、かかる回転子０１９をモータ０
１の回転軸０１６に連結したので、当該回転子０１９
は、圧縮機構０２の駆動の際の慣性おもりとして機能す
る。したがって、回転子０１９の回転によって、モータ
０１には大きな圧縮力が加わり、モータ０１の回転力と
回転子０１６の慣性力とで圧縮機構０２に対して大きな
圧縮力を与えることができる。すなわち、回転体の慣性
力は、質量（Ｇ）×直径の二乗（Ｄ2 ）に比例するた
め、回転子０１９の直径を大きくすることで慣性力を十
分に大きくすることができ、大きな圧縮比を得ることが
できる。 【０００８】上述の如く、当該コンブレッサ装置では、
モータ０１が内側の固定子０１８と外側の回転子０１９
とから構成されている。特に、回転子０１９は、円筒容
器形状のフレーム０２２と、このフレーム０２２の環状
部に固定子０１８に対面して取り付けられた複数の磁石
０２３とから構成され、その回転子０１９が圧縮機０２
のピストン０４の連接棒０１３に連結されたモータ０１
の回転軸０１６に連結されているので、回転子０１９
は、圧縮機構０２の駆動の際の慣性おもりとして機能す
る。したがって、回転子０１９の回転によって、モータ
０１には大きな圧縮力が加わり、モータ０１の回転力と
回転子０１６の慣性力とで圧縮機構０２に対して大きな
圧縮力を与えることができる。すなわち、回転体の慣性
力は、質量（Ｇ）×直径の二乗（Ｄ2 ）に比例するた
め、回転子０１９の直径を大きくすることで慣性力を十
分に大きくすることができ、大きな圧縮比を得ることが
できる。 【０００９】 【発明が解決しようとする課題】上述の如き可搬式のコ
ンプレッサ装置によれば、フレーム０２２及び磁石０２
３で形成する回転子０１９を圧縮機構０２の駆動の際の
慣性おもりとして機能させることができるので、旧来の
コンプレッサ装置にあった慣性おもりの役割を回転子０
１９に受け持たせることができるという効果は得ること
ができるものの、モータ０１の回転子０１９は磁石０２
を有するので、そのフレーム０２２の内部空間に外気と
ともに鉄粉が混入した場合には当該モータ０１の性能を
劣化させるという問題がある。また、特別な冷却手段を
設けている訳ではないので、発生した熱の除去に関して
も問題が残る。 【００１０】本発明は、上記従来技術に鑑み、モータを
清浄な空気の雰囲気に配設するとともに発熱部の冷却も
同時に行うことができる圧縮機構を提供することを目的
とする。 【００１１】上記目的を達成する本発明の構成は、次の
点を特徴とする。 【００１２】１） モータで回転駆動するクランク軸で
連接棒を介してシリンダ内のピストンを上下動すること
により、フィルターを介してクランクケース内に取り込
んだ気体を、シリンダ内で圧縮して吐出するように構成
した圧縮機構において、上記フィルターを介して取り込
む清浄な気体の雰囲気に上記モータを配設したこと。 【００１３】２）上記１）に記載する圧縮機構におい
て、モータは、その回転子が、回転軸に固着するととも
にクランク軸を一体的に突設した円盤部と、この円盤部
の円周方向に等間隔に分散し、固定子に相対向させて配
設した永久磁石とを有するものであること。 【００１４】３）上記１）に記載する圧縮機構におい
て、モータは、その回転子が、中心部を回転軸に固着す
るとともにクランク軸を一体的に突設した筒状部と、こ
の筒状部の円筒の内周面に等間隔に分散し、固定子に相
対向させて配設した永久磁石とを有するものであるこ
と。 【００１５】４）上記１）に記載する圧縮機構におい
て、モータは、その固定子が、クランクケースの内周面
から突出して磁路の一部となる円筒状のヨークと、この
ヨークの円周方向に配設した複数個の固定子鉄心と、各
固定子鉄心に巻回した固定子コイルとを有するととも
に、回転子が、中心部を回転軸に固着した円柱部と、こ
の円柱部の外周面に固定子に相対向させて配設した電機
子とを有するものであること。 【００１６】５）上記２）乃至４）に記載する何れか１
つの圧縮機構において、モータで回転駆動するクランク
軸で複数本の連接棒を介して各シリンダ内の各ピストン
を上下動することにより、各シリンダ内の気体を圧縮す
る複数段の圧縮部を有するとともに、各圧縮部を縦続接
続し、１つの圧縮部で圧縮した気体を次段の圧縮部に供
給して順次高圧の圧縮気体を得るように構成したこと。 【００１７】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づき詳細に説明する。 【００１８】図１は本発明の第１の実施の形態に係る圧
縮機構を示す断面図である。当該圧縮機構は図５に示す
可搬式のコンプレッサ装置に好適に適用することができ
るものである。図１に示すように、本形態に係る圧縮機
構においては、モータ１がクランクケース２内に配設し
てある。このクランクケース２の上部にはシリンダ３が
連設してあり、当該シリンダ３内を上下動するピストン
４でフィルター５を介してクランクケース２内に取り込
んだ空気を圧縮するようになっている。さらに詳言する
と、ピストン４の上昇に伴いクランクケース２内が負圧
となることにより、空気がフィルター５を介してクラン
クケース２内に流入する。その後、上死点に至ったピス
トン４が下降するとき、ピストン４の上面に設けられた
吸込弁６が開き、クランクケース２内の空気をシリンダ
３内に取り込む。シリンダ３内に取り込んだ空気は下死
点に至ったピストン４の上昇に伴い圧縮される。このよ
うにして圧縮された空気は、ピストン４の上昇に伴なう
圧力上昇により吐出弁７を開き、パイプ８を介して蓄圧
タンク（図示せず。）に吐出され、ここに貯溜される。
このときのピストン４の上下動は、モータ１を駆動源と
し、このモータ１でクランク軸９を回転して連接棒１０
を上下動させることにより行う。このため、連接棒１０
の上端部はピストン４に連結するとともに、その下端部
は軸受１１を介してクランク軸９に支承してある。 【００１９】モータ１はクランクケース２内に配設して
ある。すなわち、本形態に係るモータ１は、フィルター
５を介してクランクケース２内に取り込んだ清浄な空気
の雰囲気中に配設してあり、同時にフィルター５を介
してクランクケース２内に空気を取り込む際、吸込弁
６を開いてシリンダ３内に空気を取り込む際にクランク
ケース２内に空気の流れが形成され、この空気の流れに
より発熱部を冷却することができるように形成してあ
る。このときの空気の流れを図中に模式的に矢印で示
す。 【００２０】モータ１は固定子１２、回転子１３及び回
転軸１４を有する。固定子１２は、クランクケース２の
内周面に固着されて磁路の一部となる円板状のヨーク１
２ａ、このヨーク１２ａの円周方向に等間隔に分散して
配設した複数個の固定子鉄心１２ｂ及び各固定子鉄心１
２ｂに巻回した固定子コイル１２ｃを有している。回転
子１３は、中心部を回転軸１４に固着するとともにクラ
ンク軸９を一体的に突設した円盤部１３ａ及びこの円盤
部１３ａの円周方向に等間隔に分散し、固定子１２に相
対向させて配設した永久磁石１３ｂを有している。回転
軸１４は軸受１５、１６に回転可能に支承されている。
かくして、回転軸１４及びクランク軸９は回転子１３と
一体的に回転し、連接軸１０を介してピストン４を上下
動させる。このとき、回転子１３の円盤部１３ａは慣性
おもりとしても機能する。十分な重量と径をもった回転
体であるからである。 【００２１】かかる第１の実施の形態によればモータ１
を清浄な空気の雰囲気で運転することができるばかりで
なく、その冷却も行うことができる。また、回転子１３
の円盤部１３ａには慣性重りとしての機能も兼備させる
ことができるので、慣性重りを省略することができる。 【００２２】図２は本発明の第２の実施の形態に係る圧
縮機構を示す断面図である。同図に示すように、本形態
は図１に示す第１の実施の形態のモータ１の部分の構成
を変更したものである。他の構成は第１の実施の形態と
全く同様である。そこで、図１と同一部分には同一番号
を付し、重複する説明は省略する。 【００２３】モータ２１は固定子２２、回転子２３及び
回転軸２４を有し、アウターロータとして形成したもの
である。固定子２２は、クランクケース２の内周面から
突出して磁路の一部となる円筒状のヨーク２２ａ、この
ヨーク２２ａの円周方向に等間隔に分散して配設した複
数個の固定子鉄心２２ｂ及び各固定子鉄心２２ｂに巻回
した固定子コイル２２ｃを有している。回転子２３は、
中心部を回転軸２４に固着するとともにクランク軸９を
一体的に突設した筒状部２３ａ及びこの筒状部２３ａの
円筒の内周面に等間隔に分散し、固定子２２に相対向さ
せて配設した永久磁石２３ｂを有している。回転軸２４
は軸受２５、２６に回転可能に支承されている。かくし
て、回転軸２４及びクランク軸９は回転子２３と一体的
に回転して連接棒１０を介しピストン４を上下動させ
る。このとき、回転子２３の円筒部２３ａは、図１の円
盤部１３ａと同様に慣性重りとしても機能する。十分な
重量と径をもった回転体であるからである。 【００２４】かかる第２の実施の形態においても、第１
の実施の形態と同様の作用を得る。すなわち、モータ２
１を清浄な空気の雰囲気で運転することができるばかり
でなく、その冷却も行うことができる。また、回転子２
３の円筒部２３ａには慣性重りとしての機能も兼備させ
ることができるので、慣性重りを省略することができ
る。 【００２５】図３は本発明の第３の実施の形態に係る圧
縮機構を示す断面図である。同図に示すように、本形態
は図１に示す第１の実施の形態のモータ１の部分の構成
を変更したものである。他の構成は第１の実施の形態と
全く同様である。そこで、図１と同一部分には同一番号
を付し、重複する説明は省略する。 【００２６】モータ３１は固定子３２、回転子３３及び
回転軸３４を有し、インナーロータとして形成したもの
である。固定子３２は、クランクケース２の内周面から
突出して磁路の一部となる円筒状のヨーク３２ａ、この
ヨーク３２ａの円周方向に等間隔に分散して配設した複
数個の固定子鉄心３２ｂ及び各固定子鉄心３２ｂに巻回
した固定子コイル３２ｃを有している。回転子３３は、
中心部を回転軸３４に固着した円柱部３３ａ及びこの円
柱部３３ａの外周面に等間隔に分散し、固定子３２に相
対向させて配設した永久磁石３３ｂを有している。回転
軸３４は軸受３５、３６に回転可能に支承されている。
回転軸３４には、その軸方向に関する中央部にクランク
軸９を一体的に形成した慣性重り３７が固着してある。
かくして、回転軸３４及びクランク軸９は回転子３３と
一体的に回転して連接軸１０を介しピストン４を上下動
させる。 【００２７】かかる第３の実施の形態においても、第１
及び第２の実施の形態と同様に、モータ３１を清浄な空
気の雰囲気で運転することができるばかりでなく、その
冷却も行うことができる。 【００２８】図４は本発明の第４の実施の形態に係る圧
縮機構を示す断面図である。同図に示すように、当該圧
縮機構は、低圧圧縮部Ａと高圧圧縮部Ｂとの２つの圧縮
部を有しており、これらの低圧圧縮部Ａと高圧圧縮部Ｂ
とを縦続接続したものであるすなわち、低圧圧縮部Ａで
圧縮した空気を、連結パイプ４０を介して高圧圧縮部Ｂ
に供給し、この高圧圧縮部Ｂでさらに圧縮してさらに高
圧の圧縮空気を得、この圧縮空気をパイプ４８を介して
蓄圧タンク（図示せず。）に供給するようにしたもので
ある。 【００２９】さらに詳言すると、モータ４１はクランク
ケース４２内に配設してある。このクランクケース４２
の上部には低圧圧縮部Ａのシリンダ４３が連設してあ
り、当該シリンダ４３内を上下動するピストン４４で、
フィルター４５を介してクランクケース４２内に取り込
み、さらに吸込弁４６を介してシリンダ４３内に取り込
んだ空気を圧縮するようになっている。このようにして
圧縮された空気は、ピストン４４の上昇に伴なう圧力上
昇により吐出弁４７を開き、連結パイプ４０を介して高
圧圧縮部Ｂに供給される。すなわち、当該低圧圧縮部Ａ
においては、上記第１〜第３の実施の形態の場合と同様
の態様で空気の圧縮が行われる。一方、クランクケース
４２の下部には高圧圧縮部Ｂのシリンダ６３が連設して
あり、吸込弁６６を介してシリンダ６３内に取り込んだ
低圧圧縮部Ａの圧縮空気を、当該シリンダ６３内を上下
動するピストン６４でさらに圧縮するようになってい
る。ここで、高圧圧縮部Ｂの吸込弁６６が開く圧力（設
定圧力Ｐ1 ）は、低圧圧縮部Ａの吐出弁４７が開く圧力
（低圧圧縮部Ａの吐出圧力）と同程度乃至若干低圧に設
定してある。また、高圧圧縮部Ｂの吐出弁６７が開く圧
力（設定圧力Ｐ2 ）は高圧圧縮部Ｂの吐出圧力に適合さ
せて設定してある。すなわち、設定圧力Ｐ1 ＜設定圧力
Ｐ2 の関係をもたせてある。したがって、吐出弁４７を
介して高圧圧縮部Ｂ側に供給される圧縮空気は、その圧
力で吸込弁６６を開き、吸入工程におけるピストン６４
の移動に伴いシリンダ６３内に取り込まれる。これに続
く圧縮工程において、ピストン６４の移動に伴い低圧圧
縮部Ａで圧縮した空気をさらに圧縮し、この圧縮空気の
圧力が設定値を越えたとき吐出弁６７が開く。この結
果、高圧圧縮部Ｂでさらに高圧に圧縮した圧縮空気がパ
イプ４８を介して蓄圧タンク（図示せず。）に供給され
る。 【００３０】本形態におけるピストン４４、６４の上下
動は、モータ４１を駆動源とし、このモータ４１でクラ
ンク軸４９を回転して連接棒５０、７０を上下動させる
ことにより行う。このため、連接棒５０、７０の先端部
はピストン４４、６４にそれぞれ連結するとともに、そ
の基端部は軸受５１、７１を介してクランク軸４９にそ
れぞれ支承してある。ここで、連接棒５１、７１は、同
一クランク軸４９に支承されると同時に、相互の機械的
な位置が１８０度異なっているので、ピストン４４、６
４の位相は逆位相となる。すなわち、低圧圧縮部Ａが圧
縮工程のとき、高圧圧縮部Ｂは吸入工程となり、低圧圧
縮部Ａが吐出した圧縮空気をシリンダ６３内に取り込
む。一方、低圧圧縮部Ａが吸入工程のとき、高圧圧縮部
Ｂは圧縮工程となり、低圧圧縮部Ａから供給された圧縮
空気をさらに圧縮する。 【００３１】モータ４１はクランクケース４２内で、フ
ィルター４５を介してクランクケース４２内に取り込ん
だ清浄な空気の雰囲気中に配設してある。同時にフィル
ター４５を介してクランクケース４２内に空気を取り込
む際には、この空気がモータ４１の発熱部（固定子コイ
ル５２ｃ等）を通過するようにクランクケース４２に
は、モータ４１の内部に臨む通孔４２ａが形成してあ
り、この通孔４２ａをフィルター４５で塞ぐ構造となっ
ている。 【００３２】モータ４１は、図１に示すモータ１と同様
のモータで、固定子５２、回転子５３及び回転軸５４を
有する。固定子５２は、クランクケース４２の内周面に
固着されて磁路の一部となる円板状のヨーク５２ａ、こ
のヨーク５２ａの円周方向に等間隔に分散して配設した
複数個の固定子鉄心５２ｂ及び各固定子鉄心５２ｂに巻
回した固定子コイル５２ｃを有している。回転子５３
は、中心部を回転軸５４に固着するとともにクランク軸
４９を一体的に突設した円盤部５３ａ及びこの円盤部５
３ａの円周方向に等間隔に分散し、固定子５２に相対向
させて配設した永久磁石５３ｂを有している。回転軸５
４は軸受５５、５６に回転可能に支承されている。かく
して、回転軸５４及びクランク軸４９は回転子５３と一
体的に回転し、連接棒５０、７０を介してピストン４
４、７４を上下動させる。このとき、回転子５３の円盤
部５３ａは、図１に示す第１の実施の形態の場合と同様
に、慣性おもりとしても機能する。十分な重量と径をも
った回転体であるからである。 【００３３】かかる第４の実施の形態によれば、２段圧
縮の圧縮機構で第１の実施の形態と同様の作用を得るこ
とができる。ここで、本形態の場合、フィルター４５を
通過した空気は通孔４２ａを介してモータ４１の内部に
流入し、先ずその発熱部を冷却するので、上記第１〜第
３の実施の形態の場合以上に良好な冷却を行うことがで
きる。 【００３４】なお、第１〜第３の実施の形態において
も、本形態と同様の通孔４２ａを形成し、この通孔４２
ａを介してモータ４１の内部に清浄な空気を取り込むよ
うに構成しても良く。この場合には、本形態と同様の冷
却作用を得ることができる。また、本形態のモータ４１
は第１の実施の形態のモータ１と同様のものとしたが、
これに限定するものではない。第２の実施の形態又は第
３の実施の形態と同様のモータ２１、３１を使用するこ
とも勿論可能であり、それぞれの場合において第２又は
第３の実施の形態と同様の作用、効果を得る。 【００３５】上述の第１〜第４の実施の形態においてモ
ータ１、２１、３１、４１の回転子には永久磁石１３
ｂ、２３ｂ、３３ｂ、５３ｂを用いたが、これに限るも
のではない。回転子は、他にもリラクタンスロータ、ケ
ージロータ、ソリッドロータ等で形成することもでき
る。また、第１〜第４の実施の形態では、何れも空気を
圧縮する場合について説明したが、当然この空気に限定
する必要はない。一般に、気体であれば特別な制限はな
い。 【００３６】さらに、上述の第１〜第４の実施の形態に
おいては、モータ１、２１、３１、４１をクランクケー
ス２、４２内に配設したが、必ずしもこのように構成す
る必要はない。要は、フィルター５、４５を介して取り
込む清浄な気体の雰囲気に上記モータ１、２１、３１、
４１が配置され、このモータ１、２１、３１、４１の発
熱部が清浄な気体で冷却されると同時に、鉄粉等の有害
なゴミを排除した清浄な環境に配設できれば良い。した
がって、例えば、クランクケース２、４２に隣接してモ
ータ１、２１、３１、４１を収納・配設するためのケー
シングを設け、このケーシングにフィルターを介して気
体を取り込み、モータ１、２１、３１、４１の発熱部を
冷却した後、この気体をクランクケース２、４２内に取
り込むように構成しても良い。 【００３７】図５は、クランクケースに隣接して別途ケ
ーシングを設けた本発明の第５の実施の形態を示す断面
図である。同図に示すように、本形態は図４に示す第４
の実施の形態を変更したものである。そこで、図４と同
一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
図４に示すように、モータ５３は、クランクケース４２
に隣接して設けたケーシング８０内に配設してある。ケ
ーシング８０の側面の中央部には通孔８１を設けるとと
もに、この通孔８１に対応させてフィルタ８２を嵌め込
んである。また、クランクケース４２のうちケーシング
８０との隔壁となる部分には、ケーシング８０の内部と
クランクケース４２の内部とを連通する通孔４２ａ、４
２ｂが設けてある。この結果、フィルター８２及び通孔
８１を介してケーシング８０の内部に取り込んだ外気は
モータ４１の発熱部を冷却した後、通孔４２ａ、４２ｂ
を介してクランクケース４２の内部に流入し、第４の実
施の形態と同様に、低圧圧縮部Ａで圧縮される。このと
きの、空気の流れを図中に矢印で示す。 【００３８】 【発明の効果】以上実施の形態とともに詳細に説明した
通り、本発明によればモータを清浄な気体の雰囲気に配
設することができるので、気体中に含まれる鉄粉等、モ
ータにとって有害なゴミの混入を防止して当該モータの
良好な運転性能を確保することができる。また、クラン
クケース内に形成される気体の流れによりモータの発熱
部の熱を良好に除去することもでき、当該モータの冷却
も良好に行うことができる。
に可搬式のコンプレッサ装置に適用して有用なものであ
る。 【０００２】 【従来の技術】可搬式のコンプレッサ装置は、例えば、
木造家屋建築用空気圧式釘打機動力源となる圧縮空気の
供給源として用いられている。当該空気圧式釘打機は可
搬式のものでなければならず、したがって小型・軽量で
あることが望ましい。図６は、従来技術に係るこの種の
可搬式のコンプレッサ装置を示す断面図である。同図に
示すように、当該コンプレッサ装置は、モータ０１の駆
動により空気を圧縮する圧縮機構０２と、この圧縮機構
０２から吐出される圧縮気体を貯蔵する蓄圧タンク０３
とを有している。ここで、圧縮機構０２は、ピストン０
４とシリンダ０５とからなる往復圧縮機構を有してお
り、ピストン０４が下方に移動するとき、ピストン０４
の下方のクランク室０６から、ピストン０４及びその上
面に設けられた吸込弁０７を通してシリンダ０５に供給
される。シリンダ０５に供給された空気は、ピストン０
４の上方移動によって圧縮され、シリンダ０５内の空気
が、シリンダ０５の上面に設けられた吐出弁０１０を押
し上げる圧力にまで圧縮されると、吐出弁０１０から圧
縮空気が吐出される。この圧縮空気はパイプ０１１を通
して蓄圧タンク０３に貯蔵される。なお、蓄圧タンク０
３の圧縮空気はホース０１２から空気式釘打機等の負荷
に供給される。 【０００３】クランク室０６には空気の取り入れのため
にフィルタ０８が取り付けられ、フィルタ０８のある空
気取り入れ部０９以外のクランク室０６は閉じている。
これにより、取り入れる空気は、全てフィルタ０８を通
るので、清浄な吸入空気を取り込むことができる。 【０００４】ピストン０４には、連接棒（コンロッド）
０１３が取り付けられ、この連接棒０１３の下端はクラ
ンク軸０１４に軸受０１５を介して連結されている。し
たがって、クランク軸０１４の回転によって、ピストン
０４はシリンダ０５内を往復動し、フィルタ０８から取
り入れた空気を圧縮して圧縮機構０２から圧縮空気を吐
出する。 【０００５】モータ０１は、回転軸０１６と、ブラケッ
ト０１７に固定された固定子０１８と、この固定子０１
８の外側に配設された回転子０１９とを有する、いわゆ
るアウターロータ型のモータである。回転軸０１６は、
固定子０１８を支持するブラケット０１７に、２つの軸
受０２０、０２１を介して回転自在に支持され、その右
端は、クランク軸０１４に連結されている。固定子０１
８には、複数の磁界を発生してそれらの磁界を固定子の
外周面に沿って移動させる、すなわち回転させるよう
に、電機子巻線が巻回してある。 【０００６】回転子０１９は、固定子０１８の外周面を
包囲する、円形の端板と環状部とで形成したカップ形円
筒容器形状のフレーム０２２と、フレーム０２２の環状
部に、固定子０１８に対面して取り付けられた複数の磁
石０２３とで形成してある。したがって、固定子０１８
の電機子巻線からの回転磁界によって回転子０１９が回
転する。回転子０１９のフレーム０２２は回転軸０１６
の左端に固定されており、回転子０１９の回転によって
駆動が制御される。また、ハンジング０２４には冷却フ
ァン０２５が取り付けられている。 【０００７】上述の如く、当該コンブレッサ装置では、
モータ０１が内側の固定子０１８と外側の回転子０１９
とから構成されている。特に、回転子０１９は、円筒形
状のフレーム０２２の環状部に複数の磁石０２３を固着
してなる重量部であり、かかる回転子０１９をモータ０
１の回転軸０１６に連結したので、当該回転子０１９
は、圧縮機構０２の駆動の際の慣性おもりとして機能す
る。したがって、回転子０１９の回転によって、モータ
０１には大きな圧縮力が加わり、モータ０１の回転力と
回転子０１６の慣性力とで圧縮機構０２に対して大きな
圧縮力を与えることができる。すなわち、回転体の慣性
力は、質量（Ｇ）×直径の二乗（Ｄ2 ）に比例するた
め、回転子０１９の直径を大きくすることで慣性力を十
分に大きくすることができ、大きな圧縮比を得ることが
できる。 【０００８】上述の如く、当該コンブレッサ装置では、
モータ０１が内側の固定子０１８と外側の回転子０１９
とから構成されている。特に、回転子０１９は、円筒容
器形状のフレーム０２２と、このフレーム０２２の環状
部に固定子０１８に対面して取り付けられた複数の磁石
０２３とから構成され、その回転子０１９が圧縮機０２
のピストン０４の連接棒０１３に連結されたモータ０１
の回転軸０１６に連結されているので、回転子０１９
は、圧縮機構０２の駆動の際の慣性おもりとして機能す
る。したがって、回転子０１９の回転によって、モータ
０１には大きな圧縮力が加わり、モータ０１の回転力と
回転子０１６の慣性力とで圧縮機構０２に対して大きな
圧縮力を与えることができる。すなわち、回転体の慣性
力は、質量（Ｇ）×直径の二乗（Ｄ2 ）に比例するた
め、回転子０１９の直径を大きくすることで慣性力を十
分に大きくすることができ、大きな圧縮比を得ることが
できる。 【０００９】 【発明が解決しようとする課題】上述の如き可搬式のコ
ンプレッサ装置によれば、フレーム０２２及び磁石０２
３で形成する回転子０１９を圧縮機構０２の駆動の際の
慣性おもりとして機能させることができるので、旧来の
コンプレッサ装置にあった慣性おもりの役割を回転子０
１９に受け持たせることができるという効果は得ること
ができるものの、モータ０１の回転子０１９は磁石０２
を有するので、そのフレーム０２２の内部空間に外気と
ともに鉄粉が混入した場合には当該モータ０１の性能を
劣化させるという問題がある。また、特別な冷却手段を
設けている訳ではないので、発生した熱の除去に関して
も問題が残る。 【００１０】本発明は、上記従来技術に鑑み、モータを
清浄な空気の雰囲気に配設するとともに発熱部の冷却も
同時に行うことができる圧縮機構を提供することを目的
とする。 【００１１】上記目的を達成する本発明の構成は、次の
点を特徴とする。 【００１２】１） モータで回転駆動するクランク軸で
連接棒を介してシリンダ内のピストンを上下動すること
により、フィルターを介してクランクケース内に取り込
んだ気体を、シリンダ内で圧縮して吐出するように構成
した圧縮機構において、上記フィルターを介して取り込
む清浄な気体の雰囲気に上記モータを配設したこと。 【００１３】２）上記１）に記載する圧縮機構におい
て、モータは、その回転子が、回転軸に固着するととも
にクランク軸を一体的に突設した円盤部と、この円盤部
の円周方向に等間隔に分散し、固定子に相対向させて配
設した永久磁石とを有するものであること。 【００１４】３）上記１）に記載する圧縮機構におい
て、モータは、その回転子が、中心部を回転軸に固着す
るとともにクランク軸を一体的に突設した筒状部と、こ
の筒状部の円筒の内周面に等間隔に分散し、固定子に相
対向させて配設した永久磁石とを有するものであるこ
と。 【００１５】４）上記１）に記載する圧縮機構におい
て、モータは、その固定子が、クランクケースの内周面
から突出して磁路の一部となる円筒状のヨークと、この
ヨークの円周方向に配設した複数個の固定子鉄心と、各
固定子鉄心に巻回した固定子コイルとを有するととも
に、回転子が、中心部を回転軸に固着した円柱部と、こ
の円柱部の外周面に固定子に相対向させて配設した電機
子とを有するものであること。 【００１６】５）上記２）乃至４）に記載する何れか１
つの圧縮機構において、モータで回転駆動するクランク
軸で複数本の連接棒を介して各シリンダ内の各ピストン
を上下動することにより、各シリンダ内の気体を圧縮す
る複数段の圧縮部を有するとともに、各圧縮部を縦続接
続し、１つの圧縮部で圧縮した気体を次段の圧縮部に供
給して順次高圧の圧縮気体を得るように構成したこと。 【００１７】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づき詳細に説明する。 【００１８】図１は本発明の第１の実施の形態に係る圧
縮機構を示す断面図である。当該圧縮機構は図５に示す
可搬式のコンプレッサ装置に好適に適用することができ
るものである。図１に示すように、本形態に係る圧縮機
構においては、モータ１がクランクケース２内に配設し
てある。このクランクケース２の上部にはシリンダ３が
連設してあり、当該シリンダ３内を上下動するピストン
４でフィルター５を介してクランクケース２内に取り込
んだ空気を圧縮するようになっている。さらに詳言する
と、ピストン４の上昇に伴いクランクケース２内が負圧
となることにより、空気がフィルター５を介してクラン
クケース２内に流入する。その後、上死点に至ったピス
トン４が下降するとき、ピストン４の上面に設けられた
吸込弁６が開き、クランクケース２内の空気をシリンダ
３内に取り込む。シリンダ３内に取り込んだ空気は下死
点に至ったピストン４の上昇に伴い圧縮される。このよ
うにして圧縮された空気は、ピストン４の上昇に伴なう
圧力上昇により吐出弁７を開き、パイプ８を介して蓄圧
タンク（図示せず。）に吐出され、ここに貯溜される。
このときのピストン４の上下動は、モータ１を駆動源と
し、このモータ１でクランク軸９を回転して連接棒１０
を上下動させることにより行う。このため、連接棒１０
の上端部はピストン４に連結するとともに、その下端部
は軸受１１を介してクランク軸９に支承してある。 【００１９】モータ１はクランクケース２内に配設して
ある。すなわち、本形態に係るモータ１は、フィルター
５を介してクランクケース２内に取り込んだ清浄な空気
の雰囲気中に配設してあり、同時にフィルター５を介
してクランクケース２内に空気を取り込む際、吸込弁
６を開いてシリンダ３内に空気を取り込む際にクランク
ケース２内に空気の流れが形成され、この空気の流れに
より発熱部を冷却することができるように形成してあ
る。このときの空気の流れを図中に模式的に矢印で示
す。 【００２０】モータ１は固定子１２、回転子１３及び回
転軸１４を有する。固定子１２は、クランクケース２の
内周面に固着されて磁路の一部となる円板状のヨーク１
２ａ、このヨーク１２ａの円周方向に等間隔に分散して
配設した複数個の固定子鉄心１２ｂ及び各固定子鉄心１
２ｂに巻回した固定子コイル１２ｃを有している。回転
子１３は、中心部を回転軸１４に固着するとともにクラ
ンク軸９を一体的に突設した円盤部１３ａ及びこの円盤
部１３ａの円周方向に等間隔に分散し、固定子１２に相
対向させて配設した永久磁石１３ｂを有している。回転
軸１４は軸受１５、１６に回転可能に支承されている。
かくして、回転軸１４及びクランク軸９は回転子１３と
一体的に回転し、連接軸１０を介してピストン４を上下
動させる。このとき、回転子１３の円盤部１３ａは慣性
おもりとしても機能する。十分な重量と径をもった回転
体であるからである。 【００２１】かかる第１の実施の形態によればモータ１
を清浄な空気の雰囲気で運転することができるばかりで
なく、その冷却も行うことができる。また、回転子１３
の円盤部１３ａには慣性重りとしての機能も兼備させる
ことができるので、慣性重りを省略することができる。 【００２２】図２は本発明の第２の実施の形態に係る圧
縮機構を示す断面図である。同図に示すように、本形態
は図１に示す第１の実施の形態のモータ１の部分の構成
を変更したものである。他の構成は第１の実施の形態と
全く同様である。そこで、図１と同一部分には同一番号
を付し、重複する説明は省略する。 【００２３】モータ２１は固定子２２、回転子２３及び
回転軸２４を有し、アウターロータとして形成したもの
である。固定子２２は、クランクケース２の内周面から
突出して磁路の一部となる円筒状のヨーク２２ａ、この
ヨーク２２ａの円周方向に等間隔に分散して配設した複
数個の固定子鉄心２２ｂ及び各固定子鉄心２２ｂに巻回
した固定子コイル２２ｃを有している。回転子２３は、
中心部を回転軸２４に固着するとともにクランク軸９を
一体的に突設した筒状部２３ａ及びこの筒状部２３ａの
円筒の内周面に等間隔に分散し、固定子２２に相対向さ
せて配設した永久磁石２３ｂを有している。回転軸２４
は軸受２５、２６に回転可能に支承されている。かくし
て、回転軸２４及びクランク軸９は回転子２３と一体的
に回転して連接棒１０を介しピストン４を上下動させ
る。このとき、回転子２３の円筒部２３ａは、図１の円
盤部１３ａと同様に慣性重りとしても機能する。十分な
重量と径をもった回転体であるからである。 【００２４】かかる第２の実施の形態においても、第１
の実施の形態と同様の作用を得る。すなわち、モータ２
１を清浄な空気の雰囲気で運転することができるばかり
でなく、その冷却も行うことができる。また、回転子２
３の円筒部２３ａには慣性重りとしての機能も兼備させ
ることができるので、慣性重りを省略することができ
る。 【００２５】図３は本発明の第３の実施の形態に係る圧
縮機構を示す断面図である。同図に示すように、本形態
は図１に示す第１の実施の形態のモータ１の部分の構成
を変更したものである。他の構成は第１の実施の形態と
全く同様である。そこで、図１と同一部分には同一番号
を付し、重複する説明は省略する。 【００２６】モータ３１は固定子３２、回転子３３及び
回転軸３４を有し、インナーロータとして形成したもの
である。固定子３２は、クランクケース２の内周面から
突出して磁路の一部となる円筒状のヨーク３２ａ、この
ヨーク３２ａの円周方向に等間隔に分散して配設した複
数個の固定子鉄心３２ｂ及び各固定子鉄心３２ｂに巻回
した固定子コイル３２ｃを有している。回転子３３は、
中心部を回転軸３４に固着した円柱部３３ａ及びこの円
柱部３３ａの外周面に等間隔に分散し、固定子３２に相
対向させて配設した永久磁石３３ｂを有している。回転
軸３４は軸受３５、３６に回転可能に支承されている。
回転軸３４には、その軸方向に関する中央部にクランク
軸９を一体的に形成した慣性重り３７が固着してある。
かくして、回転軸３４及びクランク軸９は回転子３３と
一体的に回転して連接軸１０を介しピストン４を上下動
させる。 【００２７】かかる第３の実施の形態においても、第１
及び第２の実施の形態と同様に、モータ３１を清浄な空
気の雰囲気で運転することができるばかりでなく、その
冷却も行うことができる。 【００２８】図４は本発明の第４の実施の形態に係る圧
縮機構を示す断面図である。同図に示すように、当該圧
縮機構は、低圧圧縮部Ａと高圧圧縮部Ｂとの２つの圧縮
部を有しており、これらの低圧圧縮部Ａと高圧圧縮部Ｂ
とを縦続接続したものであるすなわち、低圧圧縮部Ａで
圧縮した空気を、連結パイプ４０を介して高圧圧縮部Ｂ
に供給し、この高圧圧縮部Ｂでさらに圧縮してさらに高
圧の圧縮空気を得、この圧縮空気をパイプ４８を介して
蓄圧タンク（図示せず。）に供給するようにしたもので
ある。 【００２９】さらに詳言すると、モータ４１はクランク
ケース４２内に配設してある。このクランクケース４２
の上部には低圧圧縮部Ａのシリンダ４３が連設してあ
り、当該シリンダ４３内を上下動するピストン４４で、
フィルター４５を介してクランクケース４２内に取り込
み、さらに吸込弁４６を介してシリンダ４３内に取り込
んだ空気を圧縮するようになっている。このようにして
圧縮された空気は、ピストン４４の上昇に伴なう圧力上
昇により吐出弁４７を開き、連結パイプ４０を介して高
圧圧縮部Ｂに供給される。すなわち、当該低圧圧縮部Ａ
においては、上記第１〜第３の実施の形態の場合と同様
の態様で空気の圧縮が行われる。一方、クランクケース
４２の下部には高圧圧縮部Ｂのシリンダ６３が連設して
あり、吸込弁６６を介してシリンダ６３内に取り込んだ
低圧圧縮部Ａの圧縮空気を、当該シリンダ６３内を上下
動するピストン６４でさらに圧縮するようになってい
る。ここで、高圧圧縮部Ｂの吸込弁６６が開く圧力（設
定圧力Ｐ1 ）は、低圧圧縮部Ａの吐出弁４７が開く圧力
（低圧圧縮部Ａの吐出圧力）と同程度乃至若干低圧に設
定してある。また、高圧圧縮部Ｂの吐出弁６７が開く圧
力（設定圧力Ｐ2 ）は高圧圧縮部Ｂの吐出圧力に適合さ
せて設定してある。すなわち、設定圧力Ｐ1 ＜設定圧力
Ｐ2 の関係をもたせてある。したがって、吐出弁４７を
介して高圧圧縮部Ｂ側に供給される圧縮空気は、その圧
力で吸込弁６６を開き、吸入工程におけるピストン６４
の移動に伴いシリンダ６３内に取り込まれる。これに続
く圧縮工程において、ピストン６４の移動に伴い低圧圧
縮部Ａで圧縮した空気をさらに圧縮し、この圧縮空気の
圧力が設定値を越えたとき吐出弁６７が開く。この結
果、高圧圧縮部Ｂでさらに高圧に圧縮した圧縮空気がパ
イプ４８を介して蓄圧タンク（図示せず。）に供給され
る。 【００３０】本形態におけるピストン４４、６４の上下
動は、モータ４１を駆動源とし、このモータ４１でクラ
ンク軸４９を回転して連接棒５０、７０を上下動させる
ことにより行う。このため、連接棒５０、７０の先端部
はピストン４４、６４にそれぞれ連結するとともに、そ
の基端部は軸受５１、７１を介してクランク軸４９にそ
れぞれ支承してある。ここで、連接棒５１、７１は、同
一クランク軸４９に支承されると同時に、相互の機械的
な位置が１８０度異なっているので、ピストン４４、６
４の位相は逆位相となる。すなわち、低圧圧縮部Ａが圧
縮工程のとき、高圧圧縮部Ｂは吸入工程となり、低圧圧
縮部Ａが吐出した圧縮空気をシリンダ６３内に取り込
む。一方、低圧圧縮部Ａが吸入工程のとき、高圧圧縮部
Ｂは圧縮工程となり、低圧圧縮部Ａから供給された圧縮
空気をさらに圧縮する。 【００３１】モータ４１はクランクケース４２内で、フ
ィルター４５を介してクランクケース４２内に取り込ん
だ清浄な空気の雰囲気中に配設してある。同時にフィル
ター４５を介してクランクケース４２内に空気を取り込
む際には、この空気がモータ４１の発熱部（固定子コイ
ル５２ｃ等）を通過するようにクランクケース４２に
は、モータ４１の内部に臨む通孔４２ａが形成してあ
り、この通孔４２ａをフィルター４５で塞ぐ構造となっ
ている。 【００３２】モータ４１は、図１に示すモータ１と同様
のモータで、固定子５２、回転子５３及び回転軸５４を
有する。固定子５２は、クランクケース４２の内周面に
固着されて磁路の一部となる円板状のヨーク５２ａ、こ
のヨーク５２ａの円周方向に等間隔に分散して配設した
複数個の固定子鉄心５２ｂ及び各固定子鉄心５２ｂに巻
回した固定子コイル５２ｃを有している。回転子５３
は、中心部を回転軸５４に固着するとともにクランク軸
４９を一体的に突設した円盤部５３ａ及びこの円盤部５
３ａの円周方向に等間隔に分散し、固定子５２に相対向
させて配設した永久磁石５３ｂを有している。回転軸５
４は軸受５５、５６に回転可能に支承されている。かく
して、回転軸５４及びクランク軸４９は回転子５３と一
体的に回転し、連接棒５０、７０を介してピストン４
４、７４を上下動させる。このとき、回転子５３の円盤
部５３ａは、図１に示す第１の実施の形態の場合と同様
に、慣性おもりとしても機能する。十分な重量と径をも
った回転体であるからである。 【００３３】かかる第４の実施の形態によれば、２段圧
縮の圧縮機構で第１の実施の形態と同様の作用を得るこ
とができる。ここで、本形態の場合、フィルター４５を
通過した空気は通孔４２ａを介してモータ４１の内部に
流入し、先ずその発熱部を冷却するので、上記第１〜第
３の実施の形態の場合以上に良好な冷却を行うことがで
きる。 【００３４】なお、第１〜第３の実施の形態において
も、本形態と同様の通孔４２ａを形成し、この通孔４２
ａを介してモータ４１の内部に清浄な空気を取り込むよ
うに構成しても良く。この場合には、本形態と同様の冷
却作用を得ることができる。また、本形態のモータ４１
は第１の実施の形態のモータ１と同様のものとしたが、
これに限定するものではない。第２の実施の形態又は第
３の実施の形態と同様のモータ２１、３１を使用するこ
とも勿論可能であり、それぞれの場合において第２又は
第３の実施の形態と同様の作用、効果を得る。 【００３５】上述の第１〜第４の実施の形態においてモ
ータ１、２１、３１、４１の回転子には永久磁石１３
ｂ、２３ｂ、３３ｂ、５３ｂを用いたが、これに限るも
のではない。回転子は、他にもリラクタンスロータ、ケ
ージロータ、ソリッドロータ等で形成することもでき
る。また、第１〜第４の実施の形態では、何れも空気を
圧縮する場合について説明したが、当然この空気に限定
する必要はない。一般に、気体であれば特別な制限はな
い。 【００３６】さらに、上述の第１〜第４の実施の形態に
おいては、モータ１、２１、３１、４１をクランクケー
ス２、４２内に配設したが、必ずしもこのように構成す
る必要はない。要は、フィルター５、４５を介して取り
込む清浄な気体の雰囲気に上記モータ１、２１、３１、
４１が配置され、このモータ１、２１、３１、４１の発
熱部が清浄な気体で冷却されると同時に、鉄粉等の有害
なゴミを排除した清浄な環境に配設できれば良い。した
がって、例えば、クランクケース２、４２に隣接してモ
ータ１、２１、３１、４１を収納・配設するためのケー
シングを設け、このケーシングにフィルターを介して気
体を取り込み、モータ１、２１、３１、４１の発熱部を
冷却した後、この気体をクランクケース２、４２内に取
り込むように構成しても良い。 【００３７】図５は、クランクケースに隣接して別途ケ
ーシングを設けた本発明の第５の実施の形態を示す断面
図である。同図に示すように、本形態は図４に示す第４
の実施の形態を変更したものである。そこで、図４と同
一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
図４に示すように、モータ５３は、クランクケース４２
に隣接して設けたケーシング８０内に配設してある。ケ
ーシング８０の側面の中央部には通孔８１を設けるとと
もに、この通孔８１に対応させてフィルタ８２を嵌め込
んである。また、クランクケース４２のうちケーシング
８０との隔壁となる部分には、ケーシング８０の内部と
クランクケース４２の内部とを連通する通孔４２ａ、４
２ｂが設けてある。この結果、フィルター８２及び通孔
８１を介してケーシング８０の内部に取り込んだ外気は
モータ４１の発熱部を冷却した後、通孔４２ａ、４２ｂ
を介してクランクケース４２の内部に流入し、第４の実
施の形態と同様に、低圧圧縮部Ａで圧縮される。このと
きの、空気の流れを図中に矢印で示す。 【００３８】 【発明の効果】以上実施の形態とともに詳細に説明した
通り、本発明によればモータを清浄な気体の雰囲気に配
設することができるので、気体中に含まれる鉄粉等、モ
ータにとって有害なゴミの混入を防止して当該モータの
良好な運転性能を確保することができる。また、クラン
クケース内に形成される気体の流れによりモータの発熱
部の熱を良好に除去することもでき、当該モータの冷却
も良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施の形態に係る圧縮機構を示
す断面図である。 【図２】本発明の第２の実施の形態に係る圧縮機構を示
す断面図である。 【図３】本発明の第３の実施の形態に係る圧縮機構を示
す断面図である。 【図４】本発明の第４の実施の形態に係る圧縮機構を示
す断面図である。 【図５】本発明の第５の実施の形態に係る圧縮機構を示
す断面図である。 【図６】従来技術に係る圧縮機構をこれを組み込んだ可
搬式のコンプレッサとともに示す断面図である。 【符号の説明】 １、２１、３１、５１ モータ ２、４２ クランクケース ３、４３、６３ シリンダ ４、４４、６４ ピストン ５、４５、８２ フィルター ９、４９ クランク軸 １０、５０、７０ 連接棒 １２、２２、３２、５２ 固定子 １２ａ、２２ａ、３２ａ、５２ａ ヨーク １２ｂ、２２ｂ、３２ｂ、５２ｂ 固定子鉄心 １２ｃ、２２ｃ、３２ｃ、５２ｃ 固定子コイル １３、２３、３３、５３ 回転子 １３ａ、５３ａ 円盤部 ２３ａ 円筒部 ３３ａ 円柱部 １３ｂ、２３ｂ、３３ｂ、５３ｂ 永久磁石 １４、２４、３４、５４ 回転軸 ８０ ケーシング
す断面図である。 【図２】本発明の第２の実施の形態に係る圧縮機構を示
す断面図である。 【図３】本発明の第３の実施の形態に係る圧縮機構を示
す断面図である。 【図４】本発明の第４の実施の形態に係る圧縮機構を示
す断面図である。 【図５】本発明の第５の実施の形態に係る圧縮機構を示
す断面図である。 【図６】従来技術に係る圧縮機構をこれを組み込んだ可
搬式のコンプレッサとともに示す断面図である。 【符号の説明】 １、２１、３１、５１ モータ ２、４２ クランクケース ３、４３、６３ シリンダ ４、４４、６４ ピストン ５、４５、８２ フィルター ９、４９ クランク軸 １０、５０、７０ 連接棒 １２、２２、３２、５２ 固定子 １２ａ、２２ａ、３２ａ、５２ａ ヨーク １２ｂ、２２ｂ、３２ｂ、５２ｂ 固定子鉄心 １２ｃ、２２ｃ、３２ｃ、５２ｃ 固定子コイル １３、２３、３３、５３ 回転子 １３ａ、５３ａ 円盤部 ２３ａ 円筒部 ３３ａ 円柱部 １３ｂ、２３ｂ、３３ｂ、５３ｂ 永久磁石 １４、２４、３４、５４ 回転軸 ８０ ケーシング
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項１】 モータで回転駆動するクランク軸で連接
棒を介してシリンダ内のピストンを上下動することによ
り、フィルターを介してクランクケース内に取り込んだ
気体を、シリンダ内で圧縮して吐出するように構成した
圧縮機構において、 上記フィルターを介して取り込む清浄な気体の雰囲気に
上記モータを配設したことを特徴とする圧縮機構。 【請求項２】 〔請求項１〕に記載する圧縮機構におい
て、 モータは、その回転子が、回転軸に固着するとともにク
ランク軸を一体的に突設した円盤部と、この円盤部の側
面に固定子に相対向させて配設した電機子とを有するも
のであることを特徴とする圧縮機構。 【請求項３】 〔請求項１〕に記載する圧縮機構におい
て、 モータは、その回転子が、中心部を回転軸に固着すると
ともにクランク軸を一体的に突設した筒状部と、この筒
状部の円筒の内周面に固定子に相対向させて配設した電
機子とを有するものであることを特徴とする圧縮機構。 【請求項４】 〔請求項１〕に記載する圧縮機構におい
て、 モータは、その固定子が、クランクケースの内周面から
突出して磁路の一部となる円筒状のヨークと、このヨー
クの円周方向に配設した複数個の固定子鉄心と、各固定
子鉄心に巻回した固定子コイルとを有するとともに、回
転子が、中心部を回転軸に固着した円柱部と、この円柱
部の外周面に固定子に相対向させて配設した電機子とを
有するものであることを特徴とする圧縮機構。 【請求項５】 〔請求項２〕乃至〔請求項４〕に記載す
る何れか１つの圧縮機構において、 モータで回転駆動するクランク軸で複数本の連接棒を介
して各シリンダ内の各ピストンを上下動することによ
り、各シリンダ内の気体を圧縮する複数段の圧縮部を有
するとともに、各圧縮部を縦続接続し、１つの圧縮部で
圧縮した気体を次段の圧縮部に供給して順次高圧の圧縮
気体を得るように構成したことを特徴とする圧縮機構。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13120599A JP2000320458A (ja) | 1999-05-12 | 1999-05-12 | 圧縮機構 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13120599A JP2000320458A (ja) | 1999-05-12 | 1999-05-12 | 圧縮機構 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000320458A true JP2000320458A (ja) | 2000-11-21 |
Family
ID=15052512
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13120599A Withdrawn JP2000320458A (ja) | 1999-05-12 | 1999-05-12 | 圧縮機構 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060801 |