JP2000319500A - ポリカーボネート樹脂粉粒体の製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂粉粒体の製造方法

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JP2000319500A JP12841599A JP12841599A JP2000319500A JP 2000319500 A JP2000319500 A JP 2000319500A JP 12841599 A JP12841599 A JP 12841599A JP 12841599 A JP12841599 A JP 12841599A JP 2000319500 A JP2000319500 A JP 2000319500A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 品質規格外となるパウダーやペレットあるい
は成形屑やリサイクル品より得られる回収ポリカーボネ
ート樹脂を、通常品のポリカーボネート樹脂の品質に悪
影響を及ぼすことなく、効率良く多量に混合して再利用
する方法。 【解決手段】 (A)界面縮重合法により重合されたポ
リカーボネート樹脂(A成分)と(B)回収ポリカーボ
ネート樹脂(B成分)とからポリカーボネート樹脂粉粒
体を得るにあたり、(1)A成分の溶液とB成分の溶液
を混合する工程、A成分またはB成分の固体を他の成分
の溶液に添加混合する工程、またはA成分とB成分を固
体で混合後溶液化する工程、(2)洗浄処理する工程、
(3)異物を除去処理する工程、および(4)A成分お
よびB成分の混合溶液からポリカーボネート樹脂粉粒体
を得る工程、からなり、かつA成分とB成分との割合が
97:3〜20:80の重量比であることを特徴とする
ポリカーボネート樹脂粉粒体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリカーボネート
樹脂粉粒体の製造方法に関する。さらに詳しくは、工程
異常品もしくはリサイクル品より得られた回収ポリカー
ボネート樹脂を使用して、特定の処理を行うことによ
り、異物量の少ない、色相の良好な、四塩化炭素量の低
減されたポリカーボネート樹脂粉粒体を製造する方法に
関する。なお、本発明においては、粉粒体とはパウダー
およびペレットの両方を含むものとする。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は種々の優れた特
性を有しており、光学分野、精密機器分野、自動車分野
及び食品分野等多くの分野に利用されている。その一
方、ポリカーボネート樹脂の製造工程において発生する
品質規格外となるパウダーやペレット等の工程異常品、
成形・加工において発生する成形屑や成形品等は、その
大半は産業廃棄物として処分され、環境保全の面や経済
的な面から問題となっている。
【0003】また、上記工程異常品、成形屑や成形品等
を再利用する試みもなされており、例えば、かかる工程
異常品、成形屑や成形品等を粉砕する等して通常の品質
の良好なポリカーボネート樹脂に混合して用いる方法が
採用されている。しかしながら、この方法によれば、清
浄度の優れた雰囲気で、粉砕、混合を行っても得られる
ポリカーボネート樹脂中の異物が増大するため、透明性
を必要とする分野や光学ディスク基板等の光学分野に使
用することは困難であり、その用途が制限され、また、
混合する工程異常品、成形屑や成形品等の配合量が制限
され、工程異常品、成形屑や成形品等の全てを再利用す
ることは困難であり、再利用できないものは産業廃棄物
として処分され、上述したように環境保全面において好
ましくない。
【0004】したがって、工程異常品、成形屑や成形品
等を効率良く再利用でき、安定した品質のポリカーボネ
ート樹脂粉粒体が得られる製造方法の提供が要望されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリカーボ
ネート樹脂の製造工程において発生する品質規格外とな
るパウダーやペレットあるいは吐出屑等の工程異常品お
よび成形・加工において発生する成形屑や成形品等のリ
サイクル品より得られる回収ポリカーボネート樹脂を、
通常品のポリカーボネート樹脂の品質に悪影響を及ぼす
ことなく、効率良く多量に混合して再利用する方法を提
供することを目的とする。本発明者は、上記回収ポリカ
ーボネート樹脂および通常品のポリカーボネート樹脂を
洗浄処理、異物除去処理および特定割合で混合する工程
を組み合わせる方法により得られたポリカーボネート樹
脂粉粒体が、驚くべきことに、異物量が少なく、色相が
良好で、四塩化炭素量の低減された品質の良好なもので
あることを見出し、本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、(A)界面縮重合法により重合されたポリカーボネ
ート樹脂(A成分)と(B)工程異常品もしくはリサイ
クル品より得られた回収ポリカーボネート樹脂(B成
分)とからポリカーボネート樹脂粉粒体を得るにあた
り、(1)下記工程群から選ばれた少なくとも1つの混
合する工程、(1a)A成分の溶液とB成分の溶液を混
合する工程、(1b)A成分またはB成分の固体を他の
成分の溶液に添加混合する工程、または(1c)A成分
とB成分を固体で混合後溶液化する工程、(2)A成分
およびB成分の混合溶液またはそれぞれの溶液を独立し
て洗浄処理する工程、(3)A成分およびB成分の混合
溶液またはそれぞれの溶液を独立して異物を除去処理す
る工程、および(4)A成分およびB成分の混合溶液か
らポリカーボネート樹脂粉粒体を得る工程、からなり、
かつA成分とB成分との割合が97:3〜20:80の
重量比であることを特徴とするポリカーボネート樹脂粉
粒体の製造方法が提供される。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。通
常用いられるポリカーボネート樹脂は、二価フェノール
とカーボネート前駆体とを溶液法(界面縮重合法)また
は溶融法で反応させて得られるものである。ここで使用
される二価フェノールの代表的な例としては、ハイドロ
キノン、レゾルシノール、4,4′−ジヒドロキシジフ
ェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メ
タン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フ
ェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス
{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパ
ン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチ
ル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3,5−ジ
ブロモ−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2
−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニ
ル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−
フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、
2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチル
ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペン
タン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−
メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ
−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α′−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベン
ゼン、α,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m
−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,
3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチ
ルアダマンタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルケ
トン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルおよ
び4,4′−ジヒドロキシジフェニルエステル等があげ
られ、これらは単独または2種以上を混合して使用でき
る。
【0008】なかでもビスフェノールA、2,2−ビス
{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル
ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサンおよびα,α′−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選
ばれた少なくとも1種のビスフェノールより得られる単
独重合体または共重合体が好ましく、特に、ビスフェノ
ールAの単独重合体および1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
とビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ
−3−メチル)フェニル}プロパンまたはα,α′−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベ
ンゼンとの共重合体が好ましく使用される。
【0009】カーボネート前駆体としてはカルボニルハ
ライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等
が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネ
ートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げ
られる。
【0010】上記二価フェノールとカーボネート前駆体
を溶液法または溶融法によって反応させてポリカーボネ
ート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末
端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用しても
よい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能
性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂
であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸
を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であっても
よく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上
を混合した混合物であってもよい。
【0011】溶液法による反応は、通常二価フェノール
とホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機溶媒の
存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物
またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶
媒としては、例えば塩化メチレン、クロルベンゼン等の
ハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進のた
めに例えばトリエチルアミン、テトラ−n−ブチルアン
モニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウム
ブロマイド等の第三級アミン、第四級アンモニウム化合
物、第四級ホスホニウム化合物等の触媒を用いることも
できる。その際、反応温度は通常0〜40℃、反応時間
は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に保つの
が好ましい。
【0012】また、かかる重合反応において、通常末端
停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フ
ェノール類を使用することができる。単官能フェノール
類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用
され、また得られたポリカーボネート樹脂は、末端が単
官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているの
で、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。か
かる単官能フェノール類としては、一般にはフェノール
又は低級アルキル置換フェノールであって、下記一般式
(1)で表される単官能フェノール類を示すことができ
る。
【0013】
【化1】
【0014】[式中、Aは水素原子、炭素数1〜9の直
鎖または分岐のアルキル基あるいはアリールアルキル基
であり、rは1〜5、好ましくは1〜3の整数であ
る。] 上記単官能フェノール類の具体例としては、例えばフェ
ノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミル
フェノールおよびイソオクチルフェノールが挙げられ
る。
【0015】また、他の単官能フェノール類としては、
長鎖のアルキル基あるいは脂肪族ポリエステル基を置換
基として有するフェノール類または安息香酸クロライド
類、もしくは長鎖のアルキルカルボン酸クロライド類を
使用することができ、これらを用いてポリカーボネート
共重合体の末端を封鎖すると、これらは末端停止剤また
は分子量調節剤として機能するのみならず、樹脂の溶融
流動性が改良され、成形加工が容易になるばかりでな
く、殊に光学ディスク基板としての物性、特に樹脂の吸
水率を低くする効果があり、また、基板の複屈折が低減
される効果もあり好ましく使用される。なかでも、下記
一般式(2)および(3)で表される長鎖のアルキル基
を置換基として有するフェノール類が好ましく使用され
る。
【0016】
【化2】
【0017】
【化3】
【0018】[式中、Xは−R−O−、−R−CO−O
−または−R−O−CO−である、ここでRは単結合ま
たは炭素数1〜10、好ましくは1〜5の二価の脂肪族
炭化水素基を示し、nは10〜50の整数を示す。]
【0019】かかる式(2)の置換フェノール類として
はnが10〜30、特に10〜26のものが好ましく、
その具体例としては例えばデシルフェノール、ドデシル
フェノール、テトラデシルフェノール、ヘキサデシルフ
ェノール、オクタデシルフェノール、エイコシルフェノ
ール、ドコシルフェノール及びトリアコンチルフェノー
ル等を挙げることができる。
【0020】また、式(3)の置換フェノール類として
はXが−R−CO−O−であり、Rが単結合である化合
物が適当であり、nが10〜30、特に10〜26のも
のが好適であって、その具体例としては例えばヒドロキ
シ安息香酸デシル、ヒドロキシ安息香酸ドデシル、ヒド
ロキシ安息香酸テトラデシル、ヒドロキシ安息香酸ヘキ
サデシル、ヒドロキシ安息香酸エイコシル、ヒドロキシ
安息香酸ドコシル及びヒドロキシ安息香酸トリアコンチ
ルが挙げられる。
【0021】これらの末端停止剤は、得られたポリカー
ボネート樹脂の全末端に対して少くとも5モル%、好ま
しくは少くとも10モル%末端に導入されることが望ま
しく、また、末端停止剤は単独でまたは2種以上混合し
て使用してもよい。
【0022】溶融法による反応は、通常二価フェノール
とカーボネートエステルとのエステル交換反応であり、
不活性ガスの存在下に二価フェノールとカーボネートエ
ステルとを加熱しながら混合して、生成するアルコール
またはフェノールを留出させる方法により行われる。反
応温度は生成するアルコールまたはフェノールの沸点等
により異なるが、通常120〜350℃の範囲である。
反応後期には系を10〜0.1Torr程度に減圧して
生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易にさ
せる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
【0023】カーボネートエステルとしては、置換され
ていてもよい炭素数6〜10のアリール基、アラルキル
基あるいは炭素数1〜4のアルキル基などのエステルが
挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ジト
リルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネー
ト、m―クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネー
ト、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボ
ネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート
などが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好
ましい。
【0024】また、重合速度を速めるために重合触媒を
用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナ
トリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属化合物、水酸
化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等
のアルカリ土類金属化合物、テトラメチルアンモニウム
ヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシ
ド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩
基性化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコ
キシド類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩
類、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、アルミニウム化合
物類、珪素化合物類、ゲルマニウム化合物類、有機スズ
化合物類、鉛化合物類、オスミウム化合物類、アンチモ
ン化合物類マンガン化合物類、チタン化合物類、ジルコ
ニウム化合物類などの通常エステル化反応、エステル交
換反応に使用される触媒を用いることができる。触媒は
単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせ使用して
もよい。これらの重合触媒の使用量は、原料の二価フェ
ノール1モルに対し、好ましくは1×10-9〜1×10
-3当量、より好ましくは1×10-8〜5×10-4当量の
範囲で選ばれる。
【0025】ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平
均分子量(M)で10,000〜100,000が好まし
く、12,000〜50,000がより好ましく、13,
000〜30,000が特に好ましい。かかる粘度平均
分子量を有するポリカーボネート樹脂は、十分な強度が
得られ、また、成形時の溶融流動性も良好であり成形歪
みが発生せず好ましい。
【0026】本発明で使用されるA成分の界面縮重合法
により重合されたポリカーボネート樹脂は、上記ポリカ
ーボネート樹脂の説明における溶液法で製造されるポリ
カーボネート樹脂であり、B成分の回収ポリカーボネー
ト樹脂は、上記ポリカーボネート樹脂の説明における溶
液法または溶融法のいずれの方法で得られたものであっ
てもよい。
【0027】本発明は、(1)下記工程群から選ばれた
少なくとも1つの混合する工程、(1a)A成分の溶液
とB成分の溶液を混合する工程、(1b)A成分または
B成分の固体を他の成分の溶液に添加混合する工程、ま
たは(1c)A成分とB成分を固体で混合後溶液化する
工程、(2)A成分およびB成分の混合溶液またはそれ
ぞれの溶液を独立して洗浄処理する工程、(3)A成分
およびB成分の混合溶液またはそれぞれの溶液を独立し
て異物を除去処理する工程、および(4)A成分および
B成分の混合溶液からポリカーボネート樹脂粉粒体を得
る工程からなり、かかる(1)〜(3)の工程はどのよ
うな順序で行っても構わない。
【0028】以下に、本発明の具体的な態様を挙げて説
明する。本発明の一態様である(i)(イ)界面縮重合
法により重合された粉粒化する前のポリカーボネート樹
脂溶液と(ロ)工程異常品もしくはリサイクル品より得
られた回収ポリカーボネート樹脂または該回収ポリカー
ボネート樹脂の溶液とを、(イ)成分に含まれるポリカ
ーボネート樹脂と(ロ)成分に含まれる回収ポリカーボ
ネート樹脂との割合が97:3〜20:80の重量比と
なる範囲で混合し、次いでこの混合溶液を洗浄処理およ
び異物除去処理した後、粉粒化するポリカーボネート樹
脂粉粒体の製造方法において、(イ)成分のポリカーボ
ネート樹脂溶液は上述の界面縮重合法(溶液法)により
重合された粉粒化する前の溶液であり、(ロ)成分は、
ポリカーボネート樹脂の製造工程において発生する規格
外品のパウダーやペレットあるいは吐出屑等の工程異常
品およびポリカーボネート樹脂粉粒体を成形・加工した
際に発生する成形屑、成形品等のリサイクル品より得ら
れた回収ポリカーボネート樹脂または該回収ポリカーボ
ネート樹脂の溶液である。云い換えると、かかる回収ポ
リカーボネート樹脂は、上記工程異常品もしくはリサイ
クル品それ自体およびこれらより得られるポリカーボネ
ート樹脂(成形品から取得したポリカーボネート樹脂、
例えば光学ディスクから印刷塗膜層および金属薄膜層を
除去したポリカーボネート樹脂基板など)を意味する。
【0029】上記ポリカーボネート樹脂の溶解に使用さ
れる有機溶媒としては、塩化メチレン、テトラクロルエ
タン、トリクロルエタン、ジクロルエタン、クロルベン
ゼン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素やジオキサ
ン、テトラヒドロフラン等が挙げられ、特に塩化メチレ
ンが好ましく用いられる。これらの溶媒は単独でもしく
は2種以上混合して使用される。
【0030】(イ)成分のポリカーボネート樹脂溶液と
(ロ)成分の回収ポリカーボネート樹脂またはその溶液
は混合される。(イ)成分と(ロ)成分とを混合した溶
液の濃度は3〜20重量%の範囲が、後処理も容易で好
ましい。
【0031】(イ)成分のポリカーボネート樹脂溶液と
(ロ)成分の回収ポリカーボネート樹脂またはその溶液
との混合割合は、(イ)成分に含まれるポリカーボネー
ト樹脂と(ロ)成分に含まれる回収ポリカーボネート樹
脂との割合が97:3〜20:80の重量比となる範囲
であり、95:5〜20:80の重量比となる範囲が好
ましく、93:7〜25:75の重量比となる範囲がよ
り好ましく、90:10〜30:70の重量比となる範
囲がさらに好ましい。(ロ)成分の重量比が3重量%未
満の場合は、回収ポリカーボネート樹脂の使用量が少な
く、多量の回収ポリカーボネート樹脂を効率良く再利用
するという目的に合致せず好ましくなく、(ロ)成分の
重量比が80重量%を超えて使用する場合は、得られる
ポリカーボネート樹脂粉粒体の色相が悪化し好ましくな
い。
【0032】(ロ)成分の回収ポリカーボネート樹脂ま
たはその有機溶媒溶液と(イ)成分のポリカーボネート
樹脂溶液とを混合する個所は、(イ)成分のポリカーボ
ネート樹脂を界面縮重合法により製造する重合工程以降
の工程で混合される。回収ポリカーボネート樹脂の混合
形態は固形物またはその有機溶媒溶液として混合する方
法があるが、予め有機溶媒溶液の状態として混合する方
法が後工程の処理がスムーズに進行し易くなり好まし
い。
【0033】上記(イ)成分のポリカーボネート樹脂溶
液と(ロ)成分の回収ポリカーボネート樹脂またはその
有機溶媒溶液とを混合した混合有機溶媒溶液は洗浄処理
および異物除去処理される。
【0034】混合有機溶媒溶液の洗浄処理は、水、好ま
しくはイオン交換水等の電気伝導度の低い水により行わ
れ、かかる混合有機溶媒溶液と水とを混合、攪拌した
後、静置してあるいは遠心分離機等を用いて溶液相と水
相とを分液させ、溶液相を取り出すことを繰り返し行
い、水溶性不純物を除去する。洗浄を行わなければ水溶
性不純物が、得られるポリカーボネート樹脂粉粒体中に
残り、また、色相も悪化し好ましくない。
【0035】また、上述の混合有機溶媒溶液は、触媒等
の不純物を除去するために酸洗浄やアルカリ洗浄を行う
ことも好ましい。
【0036】酸洗浄に用いる酸性水溶液としてはりん
酸、塩酸、硫酸等の水溶液で、そのpHが5以下の水溶
液が好ましく用いられ、特に0.004〜40g/lの
濃度の塩酸水溶液が好ましく使用される。アルカリ洗浄
に用いるアルカリ水溶液としては水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム等のアルカリ金属化合物、水酸化カルシウ
ム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ
土類金属化合物の水溶液で、そのpHが11.5以上の
水溶液が好ましく用いられ、特に0.1〜20g/lの
濃度の水酸化ナトリウム水溶液が好ましく使用される。
【0037】アルカリ洗浄や酸洗浄に用いる水溶液と有
機溶媒溶液との割合は、水溶液/有機溶媒溶液(容量
比)で表して0.2〜1.5の範囲で用いるのが、洗浄
が効率的に行われ好ましい。
【0038】また、上述の混合有機溶媒溶液は異物除去
処理される。不溶性不純物である異物の除去が行われ
る。異物除去処理の方法は、濾過する方法あるいは遠心
分離機で処理する方法が好ましく採用される。
【0039】混合有機溶媒溶液を濾過する方法におい
て、濾過に用いるフィルターは、有機溶媒溶液に耐えう
る材質であり、例えばセルロース製、セラミック製、ポ
リオレフィン系樹脂製および銅・ステンレス等の金属製
等の材質のものが挙げられる。また、フィルターの濾過
精度は0.3〜5μmが好ましく、0.3〜2μmがよ
り好ましく、0.3〜1μmがさらに好ましく、0.3
〜0.8μmが特に好ましい。濾過精度が0.3μm未
満の場合は濾過効率が低下することとなり、また、濾過
精度が5μmを超えると得られるポリカーボネート樹脂
粉粒体中の異物量が多くなり易く、上記範囲のものが好
ましく使用される。
【0040】上記混合有機溶媒溶液を遠心分離機で処理
する方法において、その遠心効果は500〜15000
Gの範囲が好ましい。かかる範囲内であると有機溶媒溶
液中の異物を極めて少なくでき、また機械強度面からの
材質選定が容易であり好ましい。
【0041】上記洗浄処理および異物除去処理された混
合有機溶媒溶液は、溶媒を除去して、粉粒体の固形物と
し、この固形物を乾燥して、ポリカーボネート樹脂粉粒
体を得ることができ、さらに好ましくはこの固形物を溶
融押出しし、ペレット化させる。このペレットは成形用
に好ましく供される。
【0042】上記(イ)成分のポリカーボネート樹脂溶
液中のポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量と(ロ)
成分の回収ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量と
は、同一でも異なる分子量であっても構わない。
【0043】また、本発明の一態様である(ii)
(ハ)界面縮重合法により重合された粉粒化する前のポ
リカーボネート樹脂溶液を洗浄処理した溶液と(ニ)工
程異常品もしくはリサイクル品より得られた回収ポリカ
ーボネート樹脂の溶液を洗浄処理した溶液とを、(ハ)
成分に含まれるポリカーボネート樹脂と(ニ)成分に含
まれる回収ポリカーボネート樹脂との割合が97:3〜
20:80の重量比となる範囲で混合し、次いでこの混
合溶液を異物除去処理した後、粉粒化するポリカーボネ
ート樹脂粉粒体の製造方法において、(ハ)成分は、上
記(イ)成分と同様の界面縮重合法により重合された粉
粒化する前のポリカーボネート樹脂溶液を、上記と同様
の方法で洗浄した溶液である。また、(ニ)成分は、上
記(ロ)成分と同様の工程異常品もしくはリサイクル品
より得られた回収ポリカーボネート樹脂の溶液を上記と
同様の方法で洗浄した溶液である。
【0044】かかる(ハ)成分の溶液と(ニ)成分の溶
液とは上記割合で混合され、濾過した後、粉粒化され、
異物量の少ない、色相の良好な、四塩化炭素量の低減さ
れたポリカーボネート樹脂粉粒体が得られる。
【0045】さらに、本発明の一態様である(iii)
(ホ)界面縮重合法により重合された粉粒化する前のポ
リカーボネート樹脂溶液を洗浄処理および異物除去処理
した溶液と(ヘ)工程異常品もしくはリサイクル品より
得られた回収ポリカーボネート樹脂の溶液を洗浄処理お
よび異物除去処理した溶液とを、(ホ)成分に含まれる
ポリカーボネート樹脂と(ヘ)成分に含まれる回収ポリ
カーボネート樹脂との割合が97:3〜20:80の重
量比となる範囲で混合し、次いでこの混合溶液を粉粒化
するポリカーボネート樹脂粉粒体の製造方法において、
(ホ)成分は、上記(イ)成分と同様の界面縮重合法に
より重合された粉粒化する前のポリカーボネート樹脂溶
液を、上記と同様の方法で洗浄処理および異物除去処理
した溶液である。また、(ヘ)成分は、上記(ロ)成分
と同様の工程異常品もしくはリサイクル品より得られた
回収ポリカーボネート樹脂の溶液を上記と同様の方法で
洗浄処理および異物除去処理した溶液である。
【0046】かかる(ホ)成分の溶液と(ヘ)成分の溶
液とは上記割合で混合され、次いでこの混合溶液は粉粒
化され、異物量の少ない、色相の良好な、四塩化炭素量
の低減されたポリカーボネート樹脂粉粒体が得られる。
【0047】本発明において、使用される回収ポリカー
ボネート樹脂は、四塩化炭素の含有量が少なく、かかる
回収ポリカーボネート樹脂を通常のポリカーボネート樹
脂と混合することにより、通常のポリカーボネート樹脂
単独のものより四塩化炭素量の少ないポリカーボネート
樹脂粉粒体を得ることができる。四塩化炭素量は3.0
ppm以下が好ましく、2.5ppm以下がより好まし
く、2.3ppm以下がさらに好ましい。四塩化炭素量
が少ないと、ポリカーボネート樹脂の色相が良好となる
と共に、成形時・使用時に四塩化炭素の発生が少なく、
成形金型や光学ディスクの金属蒸着膜等の金属を腐食す
ることがなく、また衛生的であり好ましい。
【0048】本発明の製造方法で得られるポリカーボネ
ート樹脂粉粒体は、通常のポリカーボネート樹脂粉粒体
に比べて、異物量および色相において遜色なく、その異
物量としては、ポリカーボネート樹脂粉粒体中の0.5
μm以上の異物量が好ましくは10000個/g以下、
より好ましくは8000個/g以下、さらに好ましくは
6000個/g以下である。また、色相としてはポリカ
ーボネート樹脂の厚さ2mmの成形板のb値で表して、
好ましくは4.0以下、より好ましくは3.7以下、さ
らに好ましくは3.5以下である。
【0049】本発明の製造方法で得られるポリカーボネ
ート樹脂粉粒体には、熱安定剤(リン酸エステル、亜リ
ン酸エステル等)、離型剤(脂肪酸エステル等)、帯電
防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤等の改質改
良剤を適宜添加して用いることができる。
【0050】本発明の製造方法で得られるポリカーボネ
ート樹脂粉粒体は、通常のポリカーボネート樹脂粉粒体
と異物数や色相等の品質において差がなく、通常のポリ
カーボネート樹脂と同等の分野、例えば光学分野、精密
機器分野、自動車分野及び食品分野等多くの分野に好適
に使用できる。
【0051】
【実施例】以下、実施例に従って、本発明を具体的に説
明するが本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。尚、評価は次に示す方法で行った。
【0052】(1)ポリカーボネート樹脂の粘度平均分
子量 粘度平均分子量は塩化メチレン100mLにポリカーボ
ネート樹脂0.7gを溶解した20℃の溶液から求めた
比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。 ηsp/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は
極限粘度) [η]=1.23×10-40.83 c=0.7
【0053】(2)ポリカーボネート樹脂中の異物量 ポリカーボネート樹脂100gを塩化メチレン2500
gに溶解した有機溶媒溶液を用いて、ハイアックロイコ
社製の異物測定器で0.5μm以上の異物個数を測定し
た。
【0054】(3)色相(b値) 得られたポリカーボネート樹脂ペレットを射出成形機
(日本製鋼所(株)製:日鋼アンカー V−17−65
型)を用い、シリンダー温度340℃で可塑化後、厚さ
2mmの500mm板を成形した。その成形板を色差計
(日本電色(株)製)を用いてb値を測定した。
【0055】(4)四塩化炭素含有量 得られたポリカーボネート樹脂ペレット5gを120m
lのステンレス容器に入れて密栓し、250℃で2時間
加熱した後、ヘッドスペースガス1mlを電子捕獲型検
出器付きガスクロマトグラフ装置(日立製作所製263
型)に注入し測定した。
【0056】[比較例1]温度計、撹拌機及び還流冷却
器付き反応器にイオン交換水219.4部、48%水酸
化ナトリウム水溶液40.2部を仕込み、これに2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン57.5部
(0.252モル)およびハイドロサルファイト0.12
部を溶解した後、塩化メチレン181部を加え、撹拌下
15〜25℃でホスゲン28.3部を40分要して吹込
んだ。ホスゲン吹き込み終了後、48%水酸化ナトリウ
ム水溶液7.2部およびp−tert−ブチルフェノー
ル2.42部を加え、撹拌を始め、乳化後トリエチルア
ミン0.06部を加え、さらに28〜33℃で1時間撹
拌して反応を終了した。反応終了後生成物に塩化メチレ
ン400部を加えて希釈した有機溶媒溶液(ポリカーボ
ネート樹脂濃度14.5重量%溶液)、水洗浄した後、
有機溶媒溶液をpH=3の塩酸水で洗浄し、次いでさら
にイオン交換水で洗浄し、水相の導電率がイオン交換水
と殆ど同じになったところで、有機溶媒溶液をSUS3
04製の濾過精度1μmフィルターで濾過した。
【0057】次に、該有機溶媒溶液を軸受け部に異物取
出口を有する隔離室を設けたニーダーの水液温75℃に
て塩化メチレンを蒸発させて粉体となし、この粉体を1
45℃、4時間乾燥して粘度平均分子量15000のパ
ウダーを得た。
【0058】このパウダーにトリスノニルフェニルホス
ファイトを0.010重量%、トリメチルホスフェート
を0.010重量%、ステアリン酸モノグリセリドを0.
080重量%加え混合した。次に、かかるパウダーをベ
ント式二軸押出機[神戸製鋼(株)製KTX−46]に
よりシリンダー温度240℃で脱気しながら溶融混練し
ペレットを得、このぺレットを評価した。その結果を表
2に示した。
【0059】[比較例2]比較例1においてぺレットを
得る際に発生した0.5μm以上の異物個数10000
0個/g以上の吐出屑を塩化メチレンに溶解し、14.
5重量%濃度のポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液と
なし、この有機溶媒溶液をイオン交換水で洗浄し、水相
の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところで、
有機溶媒溶液をSUS304製の濾過精度1μmフィル
ターで濾過した。この有機溶媒溶液を比較例1と同様の
方法で処理しペレットを得、このペレットを評価した。
その結果を表2に示した。
【0060】[比較例3]p−tert−ブチルフェノ
ール1.55部に変更した以外は比較例1と同様の方法
でペレットを得、このペレットを評価した。その結果を
表2に示した。
【0061】[比較例4]比較例3においてぺレットを
得る際に発生した0.5μm以上の異物個数10000
0個/g以上の吐出屑を塩化メチレンに溶解し、14.
5重量%濃度の0.5μm以上の異物個数100000
個/g以上のポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液とな
し、この有機溶媒溶液をイオン交換水で洗浄し、水相の
導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところで、有
機溶媒溶液をSUS304製の濾過精度1μmフィルタ
ーで濾過した。この有機溶媒溶液を比較例1と同様の方
法で処理しペレットを得、このペレットを評価した。そ
の結果を表2に示した。
【0062】[実施例1]比較例1においてぺレットを
得る際に発生した0.5μm以上の異物個数10000
0個/g以上の吐出屑を塩化メチレンに溶解し、14.
5重量%濃度のポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液と
なし、この有機溶媒溶液50部を、比較例1で得られた
反応終了後生成物を塩化メチレン400部で希釈し、水
洗浄した(有機溶媒溶液を塩酸水で洗浄する前の)ポリ
カーボネート樹脂有機溶媒溶液50部に混合して、この
混合溶液をpH=3の塩酸水で洗浄し、次いでさらにイ
オン交換水で洗浄し、水相の導電率がイオン交換水と殆
ど同じになったところで、有機溶媒溶液をSUS304
製の濾過精度1μmフィルターで濾過した。この有機溶
媒溶液を比較例1と同様の方法で処理しペレットを得、
このペレットを評価した。その結果を表1に示した。
【0063】[実施例2]比較例1においてパウダーを
得る際に発生した0.5μm以上の異物個数35000
個含有したパウダー(工程異常品)を塩化メチレンに溶解
し、14.5重量%濃度のポリカーボネート樹脂の有機
溶媒溶液となし、この有機溶媒溶液70部を、比較例1
で得られた反応終了後生成物を塩化メチレン400部で
希釈し、水洗浄した(有機溶媒溶液を塩酸水で洗浄する
前の)ポリカーボネート樹脂有機溶媒溶液30部に混合
して、この混合溶液をpH=3の塩酸水で洗浄し、次い
でさらにイオン交換水で洗浄し、水相の導電率がイオン
交換水と殆ど同じになったところで、有機溶媒溶液をS
US304製の濾過精度1μmフィルターで濾過した。
この有機溶媒溶液を比較例1と同様の方法で処理しペレ
ットを得、このペレットを評価した。その結果を表1に
示した。
【0064】[実施例3]比較例1において成形評価す
る際に発生した0.5μm以上の異物個数100000
個/g以上の成形屑及び成形板を塩化メチレンに溶解
し、14.5重量%濃度のポリカーボネート樹脂の有機
溶媒溶液となし、この有機溶媒溶液10部を、比較例1
で得られた反応終了後生成物を塩化メチレン400部で
希釈し、水洗浄した(有機溶媒溶液を塩酸水で洗浄する
前の)ポリカーボネート樹脂有機溶媒溶液90部に混合
して、この混合溶液をpH=3の塩酸水で洗浄し、次い
でさらにイオン交換水で洗浄し、水相の導電率がイオン
交換水と殆ど同じになったところで、有機溶媒溶液をS
US304製の濾過精度1μmフィルターで濾過した。
この有機溶媒溶液を比較例1と同様の方法で処理しペレ
ットを得、このペレットを評価した。その結果を表1に
示した。
【0065】[実施例4]比較例1において成形評価す
る際に発生した成形屑及び成形板を塩化メチレンに溶解
し、14.5重量%濃度のポリカーボネート樹脂有機溶
媒溶液となし、この有機溶媒溶液10部を、比較例1で
得られた反応終了後生成物を塩化メチレン400部で希
釈し、水洗浄した(有機溶媒溶液を塩酸水で洗浄する前
の)有機溶媒溶液をpH=3の塩酸水で洗浄し、次いで
さらにイオン交換水で洗浄し、水相の導電率がイオン交
換水と殆ど同じになったところで、遠心分離機を用い
て、遠心効果8000Gで処理してポリカーボネート樹
脂有機溶媒溶液を得た。次に、該有機溶媒溶液を軸受け
部に異物取出口を有する隔離室を設けたニーダーの水液
温75℃にて塩化メチレンを蒸発させて粉体となし、こ
の粉体を145℃、4時間乾燥して粘度平均分子量15
000のパウダーを得た。このパウダーを比較例1と同
様の方法で処理しペレットを得、このペレットを評価し
た。その結果を表1に示した。
【0066】[実施例5]有機溶媒溶液の濾過に用いる
フィルターをセルロース製の濾過精度0.5μmフィル
ターに変更する以外は実施例1と同様の方法で処理しペ
レットを得、このペレットを評価した。その結果を表1
に示した。
【0067】[実施例6]比較例3においてぺレットを
得る際に発生した吐出屑を塩化メチレンに溶解し、1
4.5重量%濃度のポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶
液となし、この有機溶媒溶液50部を、比較例3で得ら
れた反応終了後生成物を塩化メチレン400部で希釈
し、水洗浄した(有機溶媒溶液を塩酸水で洗浄する前
の)ポリカーボネート樹脂有機溶媒溶液50部に混合し
て、この混合溶液をpH=3の塩酸水で洗浄し、次いで
さらにイオン交換水で洗浄し、水相の導電率がイオン交
換水と殆ど同じになったところで、有機溶媒溶液をSU
S304製の濾過精度1μmフィルターで濾過した。こ
の有機溶媒溶液を比較例1と同様の方法で処理しペレッ
トを得、このペレットを評価した。その結果を表1に示
した。
【0068】[実施例7]比較例3で得られたイオン交
換水で洗浄終了した後のポリカーボネート樹脂有機溶媒
溶液70重量部と比較例2で得られたイオン交換水で洗
浄終了した後の回収ポリカーボネート樹脂有機溶媒溶液
30重量部を混合した。かかる混合したポリカーボネー
ト樹脂有機溶媒溶液を比較例1と同様の方法で濾過し、
パウダー化し、ペレット化し、このペレットを評価し
た。その結果を表1に示した。
【0069】[実施例8]比較例1で得られた濾過後の
ポリカーボネート樹脂有機溶媒溶液70重量部と比較例
2で得られた濾過後の回収ポリカーボネート樹脂有機溶
媒溶液30重量部を混合した。かかる混合したポリカー
ボネート樹脂有機溶媒溶液を比較例1と同様の方法でパ
ウダー化し、ペレット化し、このペレットを評価した。
その結果を表1に示した。
【0070】[実施例9]比較例1で得られた濾過後の
ポリカーボネート樹脂有機溶媒溶液70重量部と比較例
4で得られた濾過後の回収ポリカーボネート樹脂有機溶
媒溶液30重量部を混合した。かかる混合したポリカー
ボネート樹脂有機溶媒溶液を比較例1と同様の方法でパ
ウダー化し、ペレット化し、このペレットを評価した。
その結果を表1に示した。
【0071】[比較例5]比較例1においてぺレットを
得る際に発生した吐出屑を塩化メチレンに溶解し、1
4.5重量%濃度のポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶
液となし、この有機溶媒溶液90部を、比較例1で得ら
れた反応終了後生成物を塩化メチレン400部で希釈
し、水洗浄した(有機溶媒溶液を塩酸水で洗浄する前
の)ポリカーボネート樹脂有機溶媒溶液10部に混合し
て、この混合溶液をpH=3の塩酸水で洗浄し、次いで
さらにイオン交換水で洗浄し、水相の導電率がイオン交
換水と殆ど同じになったところで、有機溶媒溶液をSU
S304製の濾過精度1μmフィルターで濾過した。こ
の有機溶媒溶液を比較例1と同様の方法で処理しペレッ
トを得、このペレットを評価した。その結果を表2に示
した。
【0072】[比較例6]比較例1においてぺレットを
得る際に発生した吐出屑を塩化メチレンに溶解し、1
4.5重量%濃度のポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶
液となし、この有機溶媒溶液2部を、比較例1で得られ
た反応終了後生成物を塩化メチレン400部で希釈し、
水洗浄した(有機溶媒溶液を塩酸水で洗浄する前の)ポ
リカーボネート樹脂有機溶媒溶液98部に混合して、こ
の混合溶液をpH=3の塩酸水で洗浄し、次いでさらに
イオン交換水で洗浄し、水相の導電率がイオン交換水と
殆ど同じになったところで、有機溶媒溶液をSUS30
4製の濾過精度1μmフィルターで濾過した。この有機
溶媒溶液を比較例1と同様の方法で処理しペレットを
得、このペレットを評価した。その結果を表2に示し
た。
【0073】[比較例7]比較例1においてぺレットを
得る際に発生した吐出屑をSUS製朋来式粉砕機
((株)朋来製)を用いて粉砕し120℃で3時間乾燥
した粉砕品25部と比較例1で得たペレット75部の割
合で混合し評価した。その結果を表2に示した。
【0074】[比較例8]比較例1においてぺレットを
得る際に発生した吐出屑をSUS製朋来式粉砕機
((株)朋来製)を用いて粉砕し120℃で3時間乾燥
した粉砕品50部と比較例1で得たペレット50部の割
合で混合し、比較例1と同様に評価した。その結果を表
2に示した。
【0075】[比較例9]比較例3においてぺレットを
得る際に発生した吐出屑をSUS製朋来式粉砕機
((株)朋来製)を用いて粉砕し120℃で3時間乾燥
した粉砕品25部と比較例3で得たペレット75部の割
合で混合し評価した。その結果を表2に示した。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、大量に且つ
効率的に工程異常品及び回収ポリカーボネート樹脂を再
利用することができ、得られるポリカーボネート樹脂
は、色相が良好で、異物量が少なく、また成形金型や光
学ディスク等の金属蒸着膜の腐蝕に悪影響を及ぼす四塩
化炭素量が低減され、その奏する工業的効果は格別であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F070 AA50 AC88 AE30 DA21 FA01 FA04 FA17 FB05 4F301 AA26 CA03 CA09 CA12 CA36 CA68 CA72 4J002 CG00W CG00X CG04W FD030 FD050 FD070 FD100 FD180 GG00 GM00 GN00 GP00 HA09

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)界面縮重合法により重合されたポ
    リカーボネート樹脂(A成分)と(B)工程異常品もし
    くはリサイクル品より得られた回収ポリカーボネート樹
    脂(B成分)とからポリカーボネート樹脂粉粒体を得る
    にあたり、(1)下記工程群から選ばれた少なくとも1
    つの混合する工程、(1a)A成分の溶液とB成分の溶
    液を混合する工程、(1b)A成分またはB成分の固体
    を他の成分の溶液に添加混合する工程、または(1c)
    A成分とB成分を固体で混合後溶液化する工程、(2)
    A成分およびB成分の混合溶液またはそれぞれの溶液を
    独立して洗浄処理する工程、(3)A成分およびB成分
    の混合溶液またはそれぞれの溶液を独立して異物を除去
    処理する工程、および(4)A成分およびB成分の混合
    溶液からポリカーボネート樹脂粉粒体を得る工程、から
    なり、かつA成分とB成分との割合が97:3〜20:
    80の重量比であることを特徴とするポリカーボネート
    樹脂粉粒体の製造方法。
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