JP2000318097A - アクリルフィルム積層射出成形品 - Google Patents

アクリルフィルム積層射出成形品

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JP2000318097A
JP2000318097A JP13434999A JP13434999A JP2000318097A JP 2000318097 A JP2000318097 A JP 2000318097A JP 13434999 A JP13434999 A JP 13434999A JP 13434999 A JP13434999 A JP 13434999A JP 2000318097 A JP2000318097 A JP 2000318097A
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acrylic
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acrylic film
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Hiroki Hatakeyama
宏毅 畠山
Noriyoshi Terasawa
知徳 寺澤
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリア感のある高級外観を有し、フィルム裏
面に印刷が施された場合でも柄が鮮明に見えるこれ迄に
無かった意匠性を持つインモールド成形製品の提供。 【解決手段】 全光線透過率が10%以上である着色さ
れたアクリル樹脂製フィルムが表面に積層されたアクリ
ルフィルム積層射出成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定のアクリルフ
ィルムをインモールド成形により、射出成形品の表面に
積層したアクリルフィルム積層射出成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、いわゆるフィルムインサート成形
品(インモールド成形品)は、樹脂成形品の表面を加飾
するための印刷、塗装あるいは水圧転写等の加工法によ
り得られる製品に替わる物として広く使用されてきてい
る。フィルムインサート成形品の一般的な用法として
は、フィルムの裏面に印刷、塗装あるいは印刷を施した
異素材フィルムを積層することにより、木目調、カーボ
ンファイバクロス調、石目調等の色柄加飾を施し、加飾
面が基材(成形材料)と接するようにインモールド成形
した物がほとんどである。このような成形品では表面に
クリアなフィルム層があるため、深み感のある高級な意
匠が再現されている。
【0003】しかし、これまで深み感を得るための透明
性は追求されてきたが、透明フィルムを着色して、新た
な意匠性を持ったインサート成形品は存在しなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のアク
リル積層射出成形品用アクリルフィルムに無かった意匠
を得るためのものである。
【0005】従って、本発明が解決しようとする課題
は、アクリル積層射出成形品の意匠に適した着色フィル
ムを得て、従来のアクリル積層射出成形品と比較しても
問題のない品質を確保することである。
【0006】
【問題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達し
た。
【0007】すなわち、本発明は、全光線透過率が10
%以上である着色されたアクリル樹脂製フィルムが表面
に積層されたアクリルフィルム積層射出成形品である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のアクリルフィルム積層射
出成形品は、全光線透過率が10%以上である着色され
たアクリル樹脂製フィルム(以下、「アクリルフィル
ム」と略す)が表面に積層されてなるものである。着色
されたアクリルフィルムの全光線透過率が10%未満で
あると、透明感が不足し、意匠性が損なわれ、また必要
に応じてフィルムの裏面(射出成形品との接合面となる
加飾面)に印刷を施した場合、印刷模様が不鮮明になり
意匠性が損なわれる。
【0009】本発明の射出成形品に使用されるアクリル
フィルムは、特に限定はなく各種のアクリル樹脂で作製
されたフィルム、例えば特公昭62−19309号公
報、同63−20459号公報、特開昭63−7796
3号公報等で示されたアクリル樹脂で作製されたフィル
ムが使用できる。しかし、その中でも特に好ましくは、
粒子径0.2〜0.4μmのゴム粒子が分散したアクリ
ル樹脂で、その鉛筆硬度がH以上であるアクリル樹脂製
のフィルムを用いることにより、従来のアクリルフィル
ム積層射出成形品と比較しても問題のない品質を確保す
ることが可能となる。
【0010】本発明に使用するアクリルフィルムを構成
するアクリル樹脂の特に好ましいものとして、メタクリ
ル酸メチル50〜100重量%および他の共重合性ビニ
ル系単量体0〜50重量%からなり、還元粘度(重合体
0.1gをクロロホルム100mLに溶解し、25℃で
測定)が0.2L/gを超える熱可塑性重合体(A)0
〜10重量%、アクリル酸アルキルエステル30〜9
9.9重量%、他の共重合性ビニル単量体0〜69.9
重量%および架橋性単量体0.1〜10重量%からなる
一層以上の弾性共重合体100重量部の存在下に、メタ
クリル酸アルキルエステル50〜100重量%および他
の共重合性ビニル系単量体0〜50重量%からなる単量
体またはその混合物10〜400重量部を一層以上重合
して得られ、その粒径が0.2〜0.4μmであるゴム
含有重合体(B)5〜25重量%、並びに炭素数1〜4
のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル5
0〜100重量%、アクリル酸アルキルエステル0〜5
0重量%および他の共重合性ビニル系単量体0〜49重
量%からなり、重合体の還元粘度(重合体0.1gをク
ロロホルム100mLに溶解し、25℃で測定)が0.
1L/g以下である熱可塑性重合体(C)65〜94.
5重量%からなり、かつ前記弾性共重合体の割合が
(A)、(B)および(C)の合計の5〜18重量%で
あるアクリル樹脂組成物が挙げられる。
【0011】熱可塑性重合体(A)は、メタクリル酸メ
チル50〜100重量%および他の共重合性ビニル系単
量体0〜50重量%からなり、還元粘度(重合体0.1
gをクロロホルム100mLに溶解し、25℃で測定)
が0.2L/gを超える熱可塑性重合体であり、アクリ
ル樹脂組成物のフィルム製膜性を良好にする成分であ
る。熱可塑性重合体(A)を使用しなくてもフィルムへ
の製膜は可能であるが、メルトテンションが低下するた
め、製膜時の吐出量を下げ、樹脂温度を下げなければ製
膜不能であり、生産性が悪化する上にフィルムの厚みム
ラが大きくなるので、これを使用することが好ましい。
熱可塑性重合体(A)は、アクリル樹脂組成物中0〜1
0重量%の範囲で含有されるが、0.5〜7重量%の範
囲で含有されるのが好ましい。10重量%を超えて用い
られると樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎ、フィルム製
膜性、透明性が共に悪化しやすい。
【0012】熱可塑性重合体(A)の還元粘度は重要で
あり、還元粘度が0.2L/g以下であると、厚み精度
の良好なフィルムとはならない。使用される熱可塑性重
合体(A)の還元粘度は、通常0.2L/gを超えて2
L/g以下、好ましくは1.2L/g以下である。
【0013】熱可塑性重合体(A)に使用される他の共
重合性ビニル系単量体としては、アクリル酸アルキルエ
ステル、メタクリル酸アルキルエステル、芳香族ビニル
化合物、シアン化ビニル系単量体等が挙げられる。これ
らは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用すること
ができる。熱可塑性重合体(A)の重合は乳化重合法に
よるのが好ましく、通常の乳化重合法および後処理方法
により、重合体を粉末状で回収することができる。
【0014】ゴム含有重合体(B)は、アクリル樹脂組
成物に優れた耐衝撃性および伸度を付与する作用を有
し、アクリル酸アルキルエステルをゴムの主成分として
含む多層構造を有するグラフト共重合体である。
【0015】ゴム含有重合体(B)は、アクリル酸アル
キルエステル30〜99.9重量%、他の共重合性ビニ
ル系単量体0〜69.9重量%および共重合性の架橋性
単量体0.1〜10重量%からなる単量体混合物を一段
または多段で重合させて弾性共重合体を得、得られた弾
性共重合体100重量部の存在下にメタクリル酸アルキ
ルエステル50〜100重量%および他の共重合性ビニ
ル系単量体0〜50重量%からなる単量体またはその混
合物10〜400重量部を1段または多段でグラフト重
合させることにより得られる。なお、弾性共重合体を二
段以上で重合させる場合には、各段における単量体組成
が前述の範囲内である必要はなく、弾性共重合体全体と
しての単量体組成が前述の範囲内であれば差し支えな
い。
【0016】ゴム含有重合体(B)は5〜25重量%の
範囲で使用されるが、特にゴム含有重合体(B)中の弾
性共重合体の割合は、重合体(A)、(B)および
(C)の合計の5〜18重量%であるのが適当である。
弾性共重合体の割合が5重量%未満であると、フィルム
が脆くなり、製膜が困難になる。弾性共重合体の割合が
18重量%を超えると、表面硬度が低下しやすい。
【0017】ここで用いるアクリル酸アルキルエステル
としては、アルキル基の炭素数1〜8のものが使用で
き、それらのうちではアクリル酸ブチル、アクリル酸−
2−エチルヘキシルが好ましい。これらは単独でまたは
2種以上を組み合わせて使用することができる。他の共
重合性ビニル系単量体としては、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル等の
メタクリル酸アルキルエステルや、スチレン、アクリロ
ニトリル等が好ましく、これらも単独でまたは2種以上
を組み合わせて使用することができる。また、共重合性
の架橋性単量体としては、好ましいものとしてエチレン
グリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタク
リレート、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、フ
タル酸ジアリル、トリアリルシアヌレート、トリアリル
イソシアヌレート、ジビニルベンゼン、マレイン酸ジア
リル、トリメチロールトリアクリレート、アリルシンナ
メート等が挙げられ、これらも単独でまたは2種以上を
組み合わせて使用することができる。
【0018】弾性共重合体には、メタクリル酸アルキル
エステル50〜100重量%と、他の共重合性ビニル系
単量体0〜50重量%とからなる単量体またはその混合
物がグラフト重合される。メタクリル酸アルキルエステ
ルとしては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等が挙げられ
る。また、他の共重合性ビニル系単量体としては、例え
ばアクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シ
クロヘキシル等のアクリル酸アルキルエステル、スチレ
ン、アクリロニトリル等が挙げられ、これらは単独でま
たは2種以上を組み合わせて使用することができる。グ
ラフトさせる単量体混合物は、弾性共重合体100重量
部に対し、10〜400重量部、好ましくは20〜20
0重量部が使用され、1段でまたは多段で重合すること
ができる。グラフトさせる単量体混合物が弾性共重合体
100重量部に対し10重量部未満であると、弾性共重
合体の凝集による透明性の悪化が起こるため適当ではな
い。
【0019】ゴム含有重合体(B)は、0.2〜0.4
μmの粒子径を有していることが必要であり、粒子径は
0.25〜0.35μmであることが好ましい。粒子径
が0.2μm未満であると、ゴム含有重合体(B)の前
述した使用量では得られるフィルムが脆くなり、フィル
ム製膜が困難となる。粒子径が0.4μmを超えると、
得られるフィルムの透明性が悪化する。なお、ゴム含有
重合体(B)は、通常の乳化重合で得られる。
【0020】熱可塑性重合体(C)は、炭素数1〜4の
アルキル基を有するメタクリル酸エステル50〜100
重量%、アクリル酸エステル0〜50重量%、および他
の共重合性ビニル系単量体0〜49重量%からなり、還
元粘度(重合体0.1gをクロロホルム100mLに溶
解し、25℃で測定)が0.1L/g以下である重合体
である。熱可塑性重合体(C)の還元粘度が0.1L/
gを超えると、フィルム原料樹脂の溶融粘度が高くなり
過ぎるため製膜性が不良となる。また、熱可塑性重合体
(C)の還元粘度が0.05L/g以上であることが好
ましい。0.05L/g未満であるとフィルムが脆くな
り過ぎ、フィルム製膜時および印刷時にフィルム切れを
起こしやすくなる。
【0021】熱可塑性重合体(C)に使用されるメタク
リル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸ブチル等が挙げられる。こ
れらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用するこ
とができるが、メタクリル酸メチルが最も好ましい。ア
クリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル等が使用でき、これらは
単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。アクリル酸エステルは好ましくは0.1〜40重
量%の範囲で使用される。また、他の共重合性ビニル単
量体としては、例えばスチレン等の芳香族ビニル化合物
およびアクリロニトリル等のシアン化ビニル系化合物が
使用できる。
【0022】熱可塑性重合体(C)の重合方法は、特に
限定されないが、通常の懸濁重合、乳化重合、塊状重合
等の方法で行うことができる。なお、粘度を本発明で限
定する範囲とするために、連鎖移動剤を使用することが
できる。連鎖移動剤の量は、単量体の種類および組成に
より適宜決められる。
【0023】こうして得られた熱可塑性重合体(A)、
ゴム含有重合体(B)および熱可塑性重合体(C)から
なるアクリル樹脂組成物から製造されたアクリルフィル
ムは、製膜性、透明性や表面硬度に優れるので本発明の
フィルム積層射出成形品に用いるフィルムとして最適で
ある。
【0024】なお、アクリル樹脂組成物中の弾性共重合
体の割合は、透過型電子顕微鏡観察によるフィルム断面
の弾性共重合体の面積比により求められる。
【0025】本発明では、着色アクリルフィルムの色に
より全光線透過率の最適な範囲は異なるが、全光線透過
率が10%以上であるアクリルフィルムを用いること
が、得られるフィルム積層射出成形品の透明性、意匠性
の面で重要である。
【0026】アクリルフィルムの着色には、全光線透過
率が10%以上であることを満足させる範囲内で、染料
や顔料等の各種着色剤を配合することができる。
【0027】本発明のアクリルフィルムは、必要に応じ
て、一般の配合剤、例えば安定剤、滑剤、加工助剤、可
塑剤、耐衝撃助剤、発泡剤、充填剤、艶消剤、紫外線吸
収剤等を含むことができる。
【0028】本発明で用いられるアクリルフィルムの製
造法としては、溶融流延法や、Tダイ法、インフレーシ
ョン法などの溶融押し出し法、カレンダー法等のいずれ
の方法を用いてもよいが、経済性の点からTダイ法が好
ましい。
【0029】フィルム積層射出成形製品に意匠性を付与
するために、必要に応じて適当な印刷法により印刷を施
したアクリルフィルムを用いることができる。この場
合、アクリルフィルムに片面印刷処理を施したものを用
いることが好ましく、積層時には印刷面を基材との接着
面に配することが印刷面の保護や意匠性付与の点から好
ましい。さらに、必要に応じて艶消し加工やエンボス加
工したものも用いることができる。
【0030】アクリルフィルムの厚みは500μm以下
が好ましく、100μm〜300μmであることがより
好ましい。100μmより薄いと、製品の外観として十
分な深み感が得られにくい。また、300μmより厚く
なると、インサート(インモールド)成形時の予備成形
性、すなわち真空成形性が悪くなる傾向にある上に、単
位面積当たりの重量も増大するため経済的にも不利であ
り、さらに製膜が困難になり、安定したフィルムの製造
ができにくくなる。
【0031】本発明のアクリルフィルム積層射出成形品
は、上述したアクリルフィルムを用いて、真空成形等常
法により金型キャビティー面に追従させた後、基材樹脂
を金型内に射出成形するインモールド成形をすることに
より製造することができる。基材樹脂としては、アクリ
ルフィルムとの密着性に問題がないものであれば各種の
ものが使用でき、例えばABS樹脂、ABS/PC樹
脂、PC樹脂等が例示できる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例にしたがい更に詳細に
説明するが、本発明は実施例によって限定されるもので
はない。なお、実施例中「部」と有るのは「重量部」
を、「%」は「重量%」をそれぞれ表す。また、得られ
た樹脂組成物およびフィルムは、以下の試験方法により
諸物性を測定した。 1)ゴム粒子径 アクリル樹脂から得られたフィルムを適当な大きさに切
り出し、切片を0.5重量%四酸化ルテニウム水溶液
に、室温で15時間浸漬して弾性共重合体部分を染色し
た。更にミクロトームを用いて約70nmの厚みにサン
プルを切断し、透過型電子顕微鏡で写真撮影した。この
写真から無作為に50個の染色された弾性共重合体部分
を選び、その各々の粒子径を算出し、その平均粒子径を
ゴム粒子径とした。 2)鉛筆硬度 アクリルフィルム積層射出成形品を作製し、適当な寸法
に切り出し、JISK 5400に従って評価した。 3)全光線透過率 JIS K 6714に従って評価した。
【0033】実施例1 1)熱可塑性共重合体(A)の製造 反応容器に窒素置換したイオン交換水200部を仕込
み、乳化剤オレイン酸カリウム1部、過硫酸カリウム
0.3部を仕込んだ。続いてメチルメタクリレート(以
下、MMAと略す)40部、n−ブチルアクリレート
(以下、BuAと略す)10部、n−オクチルメルカプ
タン(以下、NOMと略す)0.005部を仕込み、窒
素雰囲気下65℃にて3時間攪拌し、重合を完結させ
た。引き続いてMMA48部、BuA2部からなる単量
体混合物を2時間に渡り滴下し、滴下終了後2時間保持
して重合を完結させた。得られたラテックスを0.25
%硫酸水溶液に添加し、重合体を酸凝析した後脱水、水
洗、乾燥し、粉体状で重合体を回収した。得られた共重
合体の還元粘度ηsp/cは0.38L/gであった。 2)ゴム含有重合体(B)の製造 反応容器に下記に示した(イ)および(ロ)の半分の量
の原料を仕込み、窒素雰囲気下80℃で90分間、攪拌
を行いながら重合した。その後、(ロ)の残り半分の原
料を90分間にわたって連続的に添加し、さらに120
分間重合を行い、弾性体ラテックスを得た。
【0034】得られた弾性体ラテックスに引き続いて下
記に示した原料(ハ)を添加し攪拌した後、下記に示し
た原料(ニ)を80℃で45分間にわたって連続的に添
加し、その後さらに80℃で1時間連続して重合を行
い、ゴム含有重合体(B)ラテックスを得た。得られた
ゴム含有重合体(B)の粒子径は0.29μmであっ
た。
【0035】ゴム含有重合体(B)ラテックスを塩化カ
ルシウムを用いて凝析、凝集、固化反応を行い、ろ過、
水洗した後、乾燥してゴム含有重合体(B)を得た。 (イ) 脱イオン水 300部 N−アシルザルコシン酸 0.5部 ホウ酸 1.0部 炭酸ナトリウム 0.1部 ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.5部 硫酸第一鉄 0.00024部 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.00072部 (ロ) ブチルアクリレート 80.0部 スチレン 19.0部 アリルメタクリレート 1.0部 クメンハイドロパーオキサイド 0.3部 (ハ) 脱イオン水 5部 N−アシルザルコシン酸 1.2部 (ニ) MMA 76.6部 エチルアクリレート 3.2部 n−オクチルメルカプタン 0.28部 クメンハイドロパーオキサイド 0.24部 3)アクリルフィルムの製造 熱可塑性重合体(A)、ゴム含有重合体(B)および熱
可塑性重合体(C)であるMMA/アクリル酸メチル共
重合体(MMA/アクリル酸メチル=98/2、還元粘
度0.06L/g)を、2部/18部/80部の各割合
で、また、着色用顔料としてフタロシアニンブルー系顔
料1部をヘンシェルミキサーを用いて混合した。次いで
40mmφのスクリュー型押し出し機(L/D=26)
を用いてシリンダー温度200〜260℃で溶融混練
し、ペレット化してアクリル樹脂組成物を得た。
【0036】得られたペレットを80℃で一昼夜乾燥
し、Tダイを取り付けた65mmφノンベントスクリュ
ー型押し出し機を用い、シリンダー温度200〜240
℃、Tダイ温度250℃で厚さ100μmのアクリルフ
ィルムを製膜した。 4)アクリルフィルム積層射出成形品の作製 投影面積100cm、深さ1cmの蓋型成形品形状の
キャビティを持つ、真空成形可能な金型を、型締め力1
00tonの成形機に取り付け、同時に非接触型フィル
ム加熱装置も同成形機にセットし、成形準備を終了し
た。成形作業では、まず型開き時に作製したアクリルフ
ィルムを、キャビティを覆う形でクランプにより金型に
固定し、フィルムをヒーター温度250℃で加熱後、真
空成形を行い、アクリルフィルムを金型キャビティ面に
追従させた。次に型閉じ後、ホッパーに投入しておいた
成形材料(三菱レイヨン(株)製PC/ABS樹脂・T
C−1)で射出成形(CT:250℃)を行うことによ
り、アクリルフィルム積層射出成形品を得た。結果を表
1に示した。
【0037】実施例2 アクリルフィルムの製造時に、着色用顔料としてのフタ
ロシアニンブルー系顔料の替わりに、ペリレンレッド系
顔料を1.5部添加した以外は、実施例1と同様にアク
リルフィルム積層射出成形品を作製した。結果を表1に
示した。
【0038】実施例3 アクリルフィルムとして、パターンのあるグラビア印刷
を施したものを使用し、印刷面がキャビティ(成形材
料)側になるようにセットして成形加工した以外は実施
例1と全く同様にしてアクリルフィルム積層射出成形品
を作製した。結果を表1に示す。
【0039】比較例1 ゴム含有重合体(B)の製造時に、混合液(イ)中のN
−アシルザルコシン酸の量を2.0部に変えた他は、実
施例1と同様にして、ゴム粒子径0.12μmのゴム含
有重合体(B)を得た。得られたゴム含有重合体(B)
を使用し、実施例1と同様にしてアクリルフィルムおよ
びアクリルフィルム積層射出成形品を作製した。結果を
表1に示した。粒子径が0.2μm未満のゴム含有重合
体を使用すると、製膜が難しくなることが判明した。
【0040】比較例2 ゴム含有重合体(B)の添加量を36部、熱可塑性重合
体(C)の添加量を62部に変更した以外は、実施例1
と全く同様にしてアクリルフィルムおよびアクリルフィ
ルム積層射出成形品を作製した。結果を表1に示した。
ゴム含有重合体(B)の使用量が25重量%を超える
と、表面硬度が悪化することが判明した。
【0041】比較例3 アクリルフィルム製造時に、着色用顔料として添加した
フタロシアニンブルー系顔料の添加量を3部に変更した
以外は、実施例1と同様にしてアクリルフィルム、アク
リルフィルム積層射出成形品を作製した。結果を表1に
示した。全光線透過率が8%まで低下したため、意匠性
が悪くなった。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明により、クリア感のある高級外観
を有し、これ迄に無かった意匠性を持つインモールド成
形製品が得られた。また、裏面に印刷が施されたアクリ
ルフィルムを用いた場合でも、フィルムの全光線透過率
が高いので柄が鮮明に見えるインモールド成形製品が得
られた。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK25A AK45B AK74B AL05A AL05B AN00A AN00H BA02 DE01A HB00A HB31 JA06A JK12A JL10A JN01A YY00A 4F206 AA13 AA28 AD05 AF10 AG03 JA07 JB13 JB24

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全光線透過率が10%以上である着色さ
    れたアクリル樹脂製フィルムが表面に積層されたアクリ
    ルフィルム積層射出成形品。
  2. 【請求項2】 前記フィルムが、粒子径0.2〜0.4
    μmのゴム粒子が分散したアクリル樹脂からなり、その
    鉛筆硬度がH以上である請求項1記載のアクリルフィル
    ム積層射出成形品。
  3. 【請求項3】 前記フィルムが、射出成形品との接合面
    に印刷が施されたものである請求項1または2記載のア
    クリルフィルム積層射出成形品。
  4. 【請求項4】 前記フィルムが、メタクリル酸メチル5
    0〜100重量%および他の共重合性ビニル系単量体0
    〜50重量%からなり、還元粘度(重合体0.1gをク
    ロロホルム100mLに溶解し、25℃で測定)が0.
    2L/gを超える熱可塑性重合体(A)0〜10重量
    %、アクリル酸アルキルエステル30〜99.9重量
    %、他の共重合性ビニル単量体0〜69.9重量%およ
    び架橋性単量体0.1〜10重量%からなる一層以上の
    弾性共重合体100重量部の存在下に、メタクリル酸ア
    ルキルエステル50〜100重量%および他の共重合性
    ビニル系単量体0〜50重量%からなる単量体またはそ
    の混合物10〜400重量部を一層以上重合して得ら
    れ、その粒径が0.2〜0.4μmであるゴム含有重合
    体(B)5〜25重量%、並びに炭素数1〜4のアルキ
    ル基を有するメタクリル酸アルキルエステル50〜10
    0重量%、アクリル酸アルキルエステル0〜50重量お
    よび他の共重合性ビニル系単量体0〜49重量%からな
    り、重合体の還元粘度(重合体0.1gをクロロホルム
    100mLに溶解し、25℃で測定)が0.1L/g以
    下である熱可塑性重合体(C)65〜94.5重量%か
    らなり、かつ前記弾性共重合体の割合が(A)、(B)
    および(C)の合計の5〜18重量%であるアクリル樹
    脂組成物からなる請求項1、2または3記載のアクリル
    フィルム積層射出成形品。
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