JP2000317314A - 光触媒体、光触媒塗料、光触媒タイル、光触媒体の製造方法 - Google Patents

光触媒体、光触媒塗料、光触媒タイル、光触媒体の製造方法

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JP2000317314A
JP2000317314A JP11125199A JP12519999A JP2000317314A JP 2000317314 A JP2000317314 A JP 2000317314A JP 11125199 A JP11125199 A JP 11125199A JP 12519999 A JP12519999 A JP 12519999A JP 2000317314 A JP2000317314 A JP 2000317314A
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photocatalytic
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average particle
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博史 垰田
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良行 永江
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光触媒活性を高めて光触媒機能を効率良く発
揮することができ、安価で普及性があるものとすること
が可能な光触媒体を提供する。 【解決手段】 平均粒子径1nm〜0.1μmである超
微粒の光触媒粒子を、多孔質粉体に被覆する。或いは平
均粒子径1nm〜0.1μmである超微粒の光触媒粒子
を、多孔質粉体の細孔内に嵌着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒体、光触媒
塗料、光触媒タイル、光触媒体の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、光触媒機能を有する光触媒体を、
ガラスやセラミックス、プラスティックス等の基材にコ
ーティングしたり、或いは塗料や染料等に分散させて建
物の外壁や繊維などの表層で光触媒機能を作用させる技
術が研究、開発されている。
【0003】そして、その光触媒体の酸化還元作用によ
る有機物分解機能に起因する殺菌、脱臭、浄化などの効
果を利用した「NOxを除去する大気浄化機能」、「汚
れを付きにくくするセルフクリーニング機能」などの作
用を、高レベルで効率よく発揮することが可能な光触媒
体の開発が希望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、そのような光
触媒体においては、状態がゾル状で焼き付けが必要な未
結晶であり、光触媒体をバインダーなどに高濃度に分散
させることが困難で、しかも、高価な光触媒体だけで構
成されるため高価で普及性がないものであった。また、
上記光触媒体の光触媒粒子が大きいため全体としての比
表面積が低く、表面に露出していない部分の割合が高い
ため、光触媒活性が弱く光触媒機能を効率良く発揮する
ことができず、しかも、光触媒機能を得るのに高純度で
粒径を超微粒化した光触媒体が必要となり、高価で普及
性がないものとなっていた。
【0005】そこで、本発明は、超微粒の光触媒粒子を
多孔質粉体と接合させた光触媒体とするとともに、比表
面積が高い超微粒の光触媒粉体を、汎用の酸化チタン表
面に接合させることによって、光触媒活性を高めて光触
媒機能を効率良く発揮することができ、安価で普及性が
あるものとすることが可能な光触媒体を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するために創作されたものであって、第1には、平均
粒子径1nm〜0.1μmである超微粒の光触媒粒子
を、多孔質粉体に被覆したことを特徴とする。
【0007】上記第1の構成の光触媒体においては、平
均粒子径1nm〜0.1μmである超微粒の光触媒粒子
を多孔質粉体に被覆しているため、比表面積が高く光触
媒の活性を向上させることができ、光触媒機能を効率良
く発揮することができる。そのため、高価な超微粒の光
触媒の使用量を全体として大幅に減らすことができ、安
価で普及性があるものとすることができる。また、粒径
の大きい粉体であるため、該光触媒体をバインダーなど
に高濃度に分散させることができる。
【0008】また、第2には、平均粒子径1nm〜0.
1μmである超微粒の光触媒粒子を、多孔質粉体の細孔
内に嵌着したことを特徴とする。
【0009】上記第2の構成の光触媒体においては、平
均粒子径1nm〜0.1μmである超微粒の光触媒粒子
を多孔質粉体の細孔内に嵌着しているため、比表面積が
高く光触媒の活性を向上させることができ、光触媒機能
を効率良く発揮することができる。そのため、高価な超
微粒の光触媒の使用量を全体として大幅に減らすことが
でき、安価で普及性があるものとすることができる。ま
た、粒径の大きい粉体であるため、該光触媒体をバイン
ダーなどに高濃度に分散させることができる。特に光触
媒塗料として用いた場合に、色素、染料、顔料を混入し
ても触媒機能を低下させることがなく、しかも隠蔽力が
高いため高密度なカラー光触媒塗料とすることができ
る。さらに、多孔質粉体の細孔内に光触媒粒子を嵌着し
ているため、該光触媒粒子と色素、染料、顔料とが直接
接触しないため、有機系の色素、染料、顔料の使用が可
能になる。
【0010】また、第3には、平均粒子径1nm〜0.
1μmである超微粒の光触媒粒子のうち、一部が多孔質
粉体の細孔内に嵌着され、残部が粒度の大きい光触媒粒
子或いは色素、染料、顔料に被覆することを特徴とす
る。また、第4には、上記第3の構成において、上記粒
度の大きい光触媒粒子が、平均粒子径0.15〜10μ
mである酸化チタンであることを特徴とする。
【0011】上記第3又は4の構成の光触媒体において
は、平均粒子径1nm〜0.1μmである超微粒の光触
媒粒子のうち、少なくとも一部が多孔質粉体の細孔内に
嵌着されているため、上記第2の構成の効果を得ること
ができるとともに、加えて、残りの粒子の少なくとも一
部が、光触媒活性の弱い粒度の大きい光触媒粒子或いは
色素、染料、顔料に被覆するため、さらに光触媒の活性
を向上させることができ光触媒機能を効率良く発揮する
ことができる。
【0012】また、第5には、上記第1又は2又は3又
は4の構成において、上記多孔質粉体が、リン酸カルシ
ウム又はシリカ粉体又はゼオライト又はカーボン又はパ
ーライト又は発泡ガラスであることを特徴とする。よっ
て、より安価で、入手が容易な構成とすることができ
る。
【0013】また、第6には、上記第1又は2又は3又
は4又は5の構成において、上記光触媒粒子が酸化チタ
ンであることを特徴とする。よって、安定した光触媒機
能を有する光触媒体とすることができる。
【0014】また、第7には、上記第6の構成におい
て、上記酸化チタンの結晶形がアナターゼであることを
特徴とする。よって、より強い光触媒機能を有したもの
とすることができる。
【0015】また、第8には、上記第6の構成におい
て、上記酸化チタンの結晶形がルチルであることを特徴
とする。よって、赤外線にも反応することが可能な光触
媒機能を有したものとすることができる。
【0016】また、第9には、光触媒機能を有する光触
媒塗料であって、上記構成1又は2又は3又は4又は5
又は6又は7又は8に記載の光触媒体を含有することを
特徴とする。
【0017】上記第9の構成の光触媒塗料においては、
上記構成1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は
8に記載の光触媒体の特性を有した光触媒塗料とするこ
とができる。
【0018】また、第10には、光触媒機能を有する光
触媒塗料であって、上記構成1又は2又は3又は4又は
5又は6又は7又は8に記載の光触媒体を含有するとと
もに、上記多孔質体の細孔に上記光触媒とともに、或い
は単独で、色素、染料、顔料をも嵌着することを特徴と
する。
【0019】上記第10の構成の光触媒塗料において
は、上記多孔質体の細孔に上記光触媒とともに、或いは
単独で、色素、染料、顔料をも嵌着することができるた
め、光触媒の機能性を損なわない着色したカラー光触媒
塗料とすることができる。特に、上記多孔質体の細孔に
単独で色素、染料、顔料を嵌着して光触媒体と混入した
場合には、直接に色素、染料、顔料と光触媒が接触しな
いため、有機系のものを使用しても、有機物が分解され
ないため、光触媒機能を妨げることなく有機系の色素、
染料、顔料の使用を可能にすることができる。
【0020】また、第11には、光触媒機能を有する光
触媒タイルであって、上記構成1又は2又は3又は4又
は5又は6又は7又は8に記載の光触媒体を含有するこ
とを特徴とする。
【0021】上記第11の構成の光触媒タイルにおいて
は、上記構成1又は2又は3又は4又は5又は6又は7
又は8に記載の光触媒体の特性を有した光触媒タイルと
することができる。
【0022】また、第12には、光触媒粉体と多孔質粉
体を大気圧以下に減圧して攪拌することによって、上記
多孔質粉体の細孔内に、光触媒粒子を嵌着することを特
徴とする。また、第13には、チタニアゾルと多孔質粉
体を大気圧以下に減圧して攪拌することによって、上記
多孔質粉体の細孔内に、酸化チタン粒子を嵌着すること
を特徴とする。
【0023】上記第12又は13の構成の光触媒体の製
造方法においては、簡略な方法で上記多孔質粉体の細孔
内に、光触媒粒子を嵌着することができ、安価で光触媒
の活性の高い光触媒体を容易に製造することが可能にな
る。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態としての実施
例を、各実施例毎に分けて説明する。なお、第1実施例
〜第6実施例は光触媒塗料の例を示しており、また、第
7実施例〜第10実施例は光触媒タイルの例を示してい
る。また、各実施例において酸化チタンという場合に
は、特に示す場合を除いてアナターゼ型の二酸化チタン
(TiO 2)を示すものである。
【0025】[第1実施例]本第1実施例は、光触媒塗
料P1の例を示しており、特に上記請求項1、5、6、
8、10に対応しているものである。以下、本第1実施
例の製造方法、作用、及び効果について説明する。 (第一工程)光触媒(酸化チタン粉体:平均粒径20n
m)の濃度が10%である分散液(スラリー)3000
gを生成する。 (第二工程)多孔質粉体たるシリカ粉体(平均粒径1〜
3μm、細孔の口径12nm)500gを、上記分散液
に混入、分散して、光触媒体H1を生成する。 (第三工程)汎用のアナターゼ型酸化チタン(粒径0.
3〜0.5μm)を50%液にして分散液10000g
を生成する。 (第四工程)その分散液10000gに、顔料(弁柄黄
色80gと弁柄赤色20g)100gを混入、分散す
る。 (第五工程)そして、上記顔料を混入した分散液101
00gに、上記第二工程によって得られたシリカ粉体を
分散した上記光触媒体H1を3500g混入分散する。 (第六工程)更に、上記第五工程で得られた分散液に、
バインダーとしてフッ素樹脂エマルジョン1750gを
混入、分散することによって、光触媒塗料P1が生成さ
れる。
【0026】このような第一〜第六工程を経て生成され
た上記光触媒塗料P1は、超微粒の酸化チタン粒子が平
均粒径20nmであり、シリカ粉体の細孔の口径12n
mより大きいため、上記酸化チタン粒子は上記シリカ粉
体の細孔内に入り込むことはなく、上記シリカ粉体に被
覆した上記光触媒体H1となる。そのため、比表面積が
高く上記酸化チタン粒子の光触媒の活性を向上させるこ
とができ光触媒機能を効率良く発揮することができる。
従って、上記酸化チタン粒子の使用量を全体として大幅
に減らすことができるため、安価で普及性があるものと
することができる。
【0027】また、上記酸化チタン粒子は、汎用の比較
的粒径の大きい粉体であるため、上記酸化チタン粒子を
バインダーなどに高濃度に分散させることができ、より
安価なものとすることができる。具体的には、チタニア
ゾルを用いる場合に比較して、2割弱程度の価格で購入
することができ、大幅に安価な構成とすることができ
る。
【0028】[第2実施例]本第2実施例は、カラー光
触媒塗料P2の例を示しており、特に上記請求項2、
3、4、5、6、8、10、13、に対応しているもの
である。以下、本第2実施例の製造方法、作用、及び効
果について説明する。 (第一工程)光触媒(酸化チタン粉体:平均粒径6n
m)の濃度が7.5%である分散液3000gを、タン
クに注入する。 (第二工程)上記分散液に多孔質粉体たるシリカ粉体
(平均粒径1〜3μm、細孔の口径12nm)500g
を混入して攪拌しつつ、上記タンク内部を真空ポンプに
よって真空度10-4〜10-10Torr程度の真空状態とし
て、その状態を5分〜10分間継続する。そのため、上
記シリカ粉体の口径12nmの細孔内に、平均粒径6n
mの上記酸化チタンが入り込んで嵌着し光触媒体H2と
なる。 (第三工程)また、別途、粒径0.3〜0.5μmの汎
用のアナターゼ型酸化チタンの50%分散液を1000
0gを生成する。 (第四工程)上記第三工程による分散液に、粒径325
メッシュを通過可能な弁柄、黄色の顔料を、100g混
入して分散する。 (第五工程)上記第四工程による分散液に、上記第二工
程による上記光触媒体H2を3500g混入して分散さ
せる。従って、上記第二工程で上記シリカ粉体の細孔内
に嵌着しなかった残りの上記酸化チタンが、上記第三工
程で投入された粒径の大きい汎用の酸化チタン、或いは
上記第四工程で投入された上記顔料に被覆する。 (第六工程)上記第五工程による分散液に、フッ素樹脂
エマルジョン(固形分50%)を1750g混入分散す
ることによって、高密度なカラー光触媒塗料P2が生成
される。
【0029】このような第一工程〜第六工程を経て形成
された本第2実施例のカラー光触媒塗料P2において
は、平均粒子径6nmである超微粒の酸化チタン粒子
を、細孔の口径が12nmであるシリカ粉体の細孔内に
嵌着した上記光触媒体H2を含有しているため、比表面
積が高く光触媒の活性を向上させることができ、光触媒
機能を効率良く発揮することができる。そのため、高価
な超微粒の光触媒の使用量を全体として大幅に減らすこ
とができ、安価で普及性があるものとすることができ
る。また、粒径の大きい粉体であるため、該光触媒体H
2を高濃度に分散させることができる。
【0030】更に、上記第二工程で上記シリカ粉体の細
孔内に嵌着しなかった残りの上記酸化チタンが、光触媒
活性の弱い上記第三工程で投入された粒径の大きい酸化
チタン、或いは上記第四工程で投入された上記顔料に被
覆するため、さらに光触媒の活性を向上させることがで
き光触媒機能を効率良く発揮することができる。また、
顔料を混入しても触媒機能を低下させることがなく、し
かも隠蔽力が高いため高密度なカラー光触媒塗料とする
ことができ、さらに、有機性顔料を使用することも可能
になる。
【0031】[第3実施例]本第3実施例は、カラー光
触媒塗料P3の例を示しており、特に上記請求項2、
3、4、5、6、7、8、10、13、に対応している
ものである。また、本第3実施例は、上記第2実施例の
酸化チタンの結晶形がアナターゼであるのに対してルチ
ルとしたものである。以下、本第3実施例の製造方法、
作用、及び効果について説明する。 (第一工程)光触媒(酸化チタン粉体:平均粒径6n
m)の濃度が7.5%である分散液3000gを、タン
クに注入する。 (第二工程)上記分散液に多孔質粉体たるシリカ粉体
(平均粒径1〜3μm、細孔の口径12nm)500g
を混入して攪拌しつつ、上記タンク内部を真空ポンプに
よって真空度10-4〜10-10Torr程度の真空状態とし
て、その状態を5分〜10分間継続する。そのため、上
記シリカ粉体の口径12nmの細孔内に、平均粒径6n
mの上記酸化チタンが入り込んで嵌着し光触媒体H3と
なる。 (第三工程)また、別途、粒径0.4μmの汎用のルチ
ル型酸化チタンの50%分散液を10000gを生成す
る。 (第四工程)上記第三工程による分散液に、光触媒の電
荷分離を促進させるべく銀(Ag)のコロイド溶液(平
均粒径10nm)を、3000g計量して混入分散す
る。そのため、上記ルチル型酸化チタンに上記銀が担持
されたものとなる。(第五工程)上記第四工程による分
散液に、粒径325メッシュを通過可能な弁柄、黄色の
顔料を、100g混入して分散する。 (第六工程)上記第五工程による分散液に、上記第二工
程による上記光触媒体H3を3500g混入して分散さ
せる。従って、上記第二工程で上記シリカ粉体の細孔内
に嵌着しなかった残りの上記酸化チタンが、上記第三工
程で投入された粒径の大きい汎用の酸化チタン、或いは
上記第五工程で投入された上記顔料に被覆する。 (第7工程)上記第6工程による分散液16600g
に、フッ素樹脂エマルジョン(固形分50%)を200
0g混入分散することによって、高密度なカラー光触媒
塗料P3が生成される。
【0032】このような第一工程〜第七工程を経て形成
された本第3実施例のカラー光触媒塗料P3において
は、上記第二実施例における効果に加えて、上記酸化チ
タンをルチル型としている。そのため、上記光触媒塗料
P3は、紫外線ばかりでなく波長の長い赤外線にも反応
する光触媒機能を有したものとなる。
【0033】更に、上記酸化チタンに銀を担持させた構
成としているため、光触媒の電荷分離がより促進され
て、高機能で安価な高密度カラー光触媒塗料P3とする
ことが可能になる。
【0034】[第4実施例]本第4実施例は、カラー光
触媒塗料P4の例を示しており、特に上記請求項2、
3、4、5、6、7、9、12、に対応しているもので
ある。以下、本第4実施例の製造方法、作用、及び効果
について説明する。 (第一工程)光触媒(酸化チタン粉体:平均粒径6n
m)の粉体225gと、多孔質粉体たるシリカ粉体(平
均粒径1〜3μm、細孔の口径12nm)500gを混
合する。 (第二工程)溶媒4775gに、上記第一工程で混合し
た粉体725gを混入して、攪拌分散しつつ真空ポンプ
によって真空度を高めながら(20分間)、上記シリカ
粉体の口径12nmの細孔内に、平均粒径6nmの上記
酸化チタンが入り込んで嵌着した分散液である光触媒体
H4を、5500g生成する。 (第三工程)また、別途、汎用である粒径0.3〜0.
5μmのアナターゼ型酸化チタンの50%分散液を10
000gを生成する。 (第四工程)上記第三工程による分散液に、粒径325
メッシュを通過可能な弁柄、黄色の顔料を、100g混
入して分散する。 (第五工程)上記第四工程による分散液に、上記第二工
程による上記光触媒体H4を3500g混入して分散さ
せる。従って、上記第二工程で上記シリカ粉体の細孔内
に嵌着しなかった残りの上記酸化チタンが、上記第三工
程で投入された粒径の大きい酸化チタン、或いは上記第
四工程で投入された上記顔料に被覆する。 (第六工程)上記第五工程による分散液に、フッ素樹脂
エマルジョン(固形分50%)を1750g混入分散す
ることによって、上記第2実施例と略同等な高密度なカ
ラー光触媒塗料P4が、17350g生成される。
【0035】このような第一工程〜第六工程を経て形成
された本第4実施例のカラー光触媒塗料P4において
は、平均粒子径6nmである超微粒の酸化チタン粒子
を、細孔の口径が12nmであるシリカ粉体の細孔内に
嵌着した上記光触媒体H4を含有しているため、比表面
積が高く光触媒の活性を向上させることができ、光触媒
機能を効率良く発揮することができる。そのため、高価
な超微粒の光触媒の使用量を全体として大幅に減らすこ
とができ、安価で普及性があるものとすることができ
る。また、粒径の大きい粉体であるため、該光触媒体H
4を高濃度に分散させることができる。
【0036】更に、上記第二工程で上記シリカ粉体の細
孔内に嵌着しなかった残りの上記酸化チタンが、光触媒
活性の弱い上記第三工程で投入された粒径の大きい酸化
チタン、或いは上記第四工程で投入された上記顔料に被
覆するため、さらに光触媒の活性を向上させることがで
き光触媒機能を効率良く発揮することができる。また、
顔料を混入しても触媒機能を低下させることがなく、し
かも隠蔽力が高いため高密度なカラー光触媒塗料とする
ことができる。
【0037】さらに、シリカ粉体の細孔内に酸化チタン
粒子を嵌着しているため、該酸化チタン粒子と色素或い
は顔料とが直接接触しないため、有機系の色素、染料、
顔料の使用が可能になる。
【0038】[第5実施例]本第5実施例は、カラー光
触媒塗料P5の例を示しており、特に上記請求項2、
5、6、7、9、10、12、に対応しているものであ
る。以下、本第5実施例の製造方法、作用、及び効果に
ついて説明する。 (第一工程)無機顔料(平均粒径10nm)の濃度が
0.7%である2500gの分散液を容器に注入する。 (第二工程)上記分散液に、多孔質粉体たるシリカ粉体
(平均粒径1〜3μm、細孔の口径12nm)250g
を混入し、攪拌分散しつつ容器内部を真空にして(真空
度10-4〜10-10Torr)、その状態を約20分間継続
することによって、上記平均粒径が10nmである無機
顔料が上記シリカ粉体の口径12nmの細孔内に入り込
んで嵌着させる。 (第三工程)平均粒径30nmのアナターゼ型酸化チタ
ンの15%分散液を10000g生成し、上記第二工程
で生成した分散液を2750g混入、分散して、光触媒
体H5を生成する。 (第四工程)上記第三工程で得た上記光触媒体H5に、
シリコン(アルコールタイプ)500gを混入、分散し
て、上記光触媒塗料P5が生成される。
【0039】このような第一工程〜第四工程を経て形成
された本第5実施例の光触媒塗料P5においては、上記
シリカ粉体の細孔に上記酸化チタンとともに、無機顔料
をも嵌着することができるため、光触媒の機能性を損な
わない着色したカラー光触媒塗料P5とすることができ
る。また、簡略な方法で上記シリカ粉体の細孔内に、無
機顔料をも嵌着することができ、安価で光触媒の活性の
高いカラー光触媒塗料P5を容易に製造することが可能
になる。さらに、クリスタルで透明感のある独特な光触
媒塗料P5とすることができる。
【0040】[第6実施例]本第6実施例は、カラー光
触媒塗料P6の例を示しており、特に上記請求項2、
5、6、7、9、10、12、に対応しているものであ
る。また、上記第5実施例が無機顔料を用いたものであ
るのに対して本第6実施例は有機顔料を用いた例を示し
ている。以下、本第6実施例の製造方法、作用、及び効
果について説明する。 (第一工程)有機顔料(平均粒径10nm)の濃度が
0.8%である2500gの分散液を容器に注入する。 (第二工程)上記分散液に、多孔質粉体たるシリカ粉体
(平均粒径1〜3μm、細孔の口径12nm)500g
を混入し、攪拌分散しつつ容器内部を真空にして(真空
度10-4〜10-10Torr)、その状態を約5分間継続す
ることによって、上記平均粒径が10nmである有機顔
料が上記シリカ粉体の口径12nmの細孔内に入り込ん
で嵌着させる。 (第三工程)上記第二工程で得られた光触媒体H6に、
超音波機によって超音波を照射して、上記有機顔料が粉
体の細孔に嵌着した粉体と、その外部にある嵌着しなか
った上記有機顔料とを分離させる。 (第四工程)上記第三工程で分離した分散液の溶媒を、
80℃の雰囲気内で3日間蒸発乾燥させて、上記有機顔
料を上記シリカ粉体の細孔内に入り込ませて嵌着させた
新たな顔料510gを生成する。 (第五工程)平均粒径30nmのアナターゼ型酸化チタ
ンの15%分散液を10000g生成し、上記第四工程
で生成した新たな顔料を510gを混入、分散して、光
触媒体P6を生成する。 (第六工程)上記第五工程で得た分散液に、シリコン
(アルコールタイプ)500gを混入、分散して、上記
光触媒塗料P6が生成される。
【0041】このような第一工程〜第六工程を経て形成
された本第6実施例の光触媒塗料P6においては、上記
シリカ粉体の細孔に有機顔料を嵌着しているため、直接
に顔料と光触媒が接触しないため、有機色素或いは有機
顔料などの有機系のものを使用しても、有機物が分解さ
れないため、光触媒機能を妨げることなく有機系の色
素、染料、顔料の使用を可能にすることができる。
【0042】そのため、光触媒の機能性を損なわないと
ともに、独特な鮮やかな色合いを有する着色したカラー
光触媒塗料P6とすることができる。また、簡略な方法
で上記シリカ粉体の細孔内に、顔料をも嵌着することが
でき、安価で光触媒の活性の高いカラー光触媒塗料P6
を容易に製造することが可能になる。
【0043】[第7実施例]本第7実施例は、光触媒タ
イルT7の例を示しており、特に上記請求項2、5、
6、11、12、に対応しているものである。以下、本
第7実施例の製造方法、作用、及び効果について説明す
る。 (第一工程)光触媒(酸化チタン粉体:平均粒径6n
m)の濃度が5%である分散液15000gを、タンク
に注入する。 (第二工程)上記分散液に多孔質粉体たるシリカ粉体
(平均粒径1〜3μm、細孔の口径12nm)2500
gを混入して攪拌しつつ、上記タンク内部を真空ポンプ
によって真空度10-4〜10-10Torr程度の真空状態と
して、その状態を約30分間継続する。そのため、上記
シリカ粉体の口径12nmの細孔内に、平均粒径6nm
の上記酸化チタンが入り込んで嵌着して、光触媒体H7
となる。 (第三工程)バインダーとして低融フラッキス(融点5
00℃、粒径325メッシュ通過)粉体150gを計量
する。 (第四工程)上記第二工程で得た17500gの上記光
触媒体H7に、上記第三工程で計量したフラッキス粉体
150gを混入、分散する。 (第五工程)上記第四工程で得た分散液17650gの
溶媒を、80℃の雰囲気内で3日間蒸発乾燥させて、上
記酸化チタン、上記シリカ粉体、及びバインダーとして
の上記フラッキス粉体が完全に混合された3400gの
粉体が得られた。 (第六工程)上記第五工程で得た粉体を、ラバープレス
でプレス成形する。 (第七工程)上記第六工程で作成した成型物を、530
℃で焼成して、多孔質の上記光触媒タイルT7が得られ
た。
【0044】このような第一工程〜第七工程を経て形成
された本第7実施例の光触媒タイルT7においては、壁
材として用いた場合に、太陽光によって好適に光触媒機
能を発揮することができる光触媒タイルT7となる。ま
た、平均粒子径6nmである超微粒の酸化チタン粒子
を、細孔の口径が12nmであるシリカ粉体の細孔内に
嵌着した上記光触媒体H7を含有しているため、比表面
積が高く光触媒の活性を向上させることができ、光触媒
機能を効率良く発揮することができる。そのため、高価
な超微粒の光触媒の使用量を全体として大幅に減らすこ
とができ、安価で普及性があるものとすることができ
る。
【0045】[第8実施例]本第8実施例は、光触媒タ
イルT8の例を示しており、特に上記請求項2、5、
6、11、12、に対応しているものである。また、本
第8実施例は、上記第7実施例がプレス成形による例を
示すものであるのに対して、鋳込み成型による例を示す
ものである。以下本第8実施例の製造方法、作用、及び
効果について説明する。 (第一工程)光触媒(酸化チタン粉体:平均粒径6n
m)の濃度が5%である分散液15000gを、タンク
に注入する。 (第二工程)上記分散液に多孔質粉体たるシリカ粉体
(平均粒径1〜3μm、細孔の口径12nm)2500
gを混入して攪拌しつつ、上記タンク内部を真空ポンプ
によって真空度10-4〜10-10Torr程度の真空状態と
して、その状態を約7分間継続する。そのため、上記シ
リカ粉体の口径12nmの細孔内に、平均粒径6nmの
上記酸化チタンが入り込んで嵌着して、光触媒体H8と
なる。 (第三工程)バインダーとして低融フラッキス(融点5
00℃、粒径325メッシュ通過)粉体150gを計量
する。 (第四工程)上記第二工程で生成した17500gの光
触媒体H8に、上記第三工程で計量したフラッキス粉体
150gを混入、分散する。 (第五工程)上記第四工程で得た分散液19000g
を、石膏型に注入して、鋳込み成型する。 (第六工程)上記第五工程で鋳込み成型されたものを乾
燥させて、脱型してタイル素体を成型する。 (第七工程)上記第六工程で成型した上記タイル素体
を、530℃で焼成して、多孔質の上記光触媒タイルT
8が得られた。
【0046】このような第一工程〜第七工程を経て形成
された本第8実施例の光触媒タイルT8においては、壁
材として用いた場合に、太陽光によって好適に光触媒機
能を発揮することができる光触媒タイルT8となる。ま
た、平均粒子径6nmである超微粒の酸化チタン粒子
を、細孔の口径が12nmであるシリカ粉体の細孔内に
嵌着した上記光触媒体H8を含有しているため、比表面
積が高く光触媒の活性を向上させることができ、光触媒
機能を効率良く発揮することができる。そのため、高価
な超微粒の光触媒の使用量を全体として大幅に減らすこ
とができ、安価で普及性があるものとすることができ
る。
【0047】なお、上記第三工程及び第四工程における
バインダーとしての低融フラッキス粉体150gに換え
て、無機高分子であるシリコンアルコールタイプ300
gを混入、分散するとともに、上記第七工程における5
30℃での焼成に換えて150℃で30分焼き付けをし
ても、上記光触媒タイルT8と略同一な光触媒タイルを
形成することが可能である。
【0048】[第9実施例]本第9実施例は、光触媒タ
イルT9の例を示しており、特に上記請求項2、5、
6、11、13、に対応しているものである。また、本
第9実施例は、上記第8実施例が光触媒として酸化チタ
ン粉体による例を示すものであるのに対して、チタニア
ゾルを用いた例を示すものである。以下本第9実施例の
製造方法、作用、及び効果について説明する。 (第一工程)光触媒(チタニアゾル:平均粒径6nm)
の濃度が15%である分散液5000gのゾル液に、調
整溶媒7500gを加えて攪拌した後に調整ゾル液を、
タンクに注入する。 (第二工程)上記ゾル液に多孔質粉体たるシリカ粉体
(平均粒径1〜3μm、細孔の口径12nm)2500
gを混入して攪拌しつつ、上記タンク内部を真空ポンプ
によって真空度10-4〜10-10Torr程度の真空状態と
して、その状態を約30分間継続する。そのため、上記
シリカ粉体の口径12nmの細孔内に、平均粒径6nm
の上記チタニアゾルが入り込んで嵌着して、光触媒体H
9となる。 (第三工程)バインダーとして低融フラッキス(融点5
00℃、粒径325メッシュ通過)粉体150gを計量
する。 (第四工程)上記第二工程で生成した12500gの上
記光触媒体H9に、上記低融フラッキス粉体150gを
混入、分散する。 (第五工程)上記第四工程で生成した分散液12600
gを、石膏型に注入して、鋳込み成型する。 (第六工程)上記第五工程で鋳込み成型されたものを乾
燥させて、脱型してタイル素体を成型する。 (第七工程)上記第六工程で成型した上記タイル素体
を、530℃で焼成して、多孔質の上記光触媒タイルT
9が得られた。
【0049】このような第一工程〜第七工程を経て形成
された本第9実施例の光触媒タイルT9においては、壁
材として用いた場合に、太陽光によって好適に光触媒機
能を発揮することができる光触媒タイルT9となる。ま
た、平均粒子径6nmである超微粒のチタニアゾルを、
細孔の口径が12nmであるシリカ粉体の細孔内に嵌着
した上記光触媒体H9を含有しているため、比表面積が
高く光触媒の活性を向上させることができ、光触媒機能
を効率良く発揮することができる。そのため、高価な超
微粒の光触媒の使用量を全体として大幅に減らすことが
でき、安価で普及性があるものとすることができる。
【0050】[第10実施例]本第10実施例は、光触
媒タイルT10の例を示しており、特に上記請求項2、
5、6、11、13、に対応しているものである。ま
た、本第10実施例は、上記第7実施例が光触媒として
酸化チタン粉体を用いてプレス成形する例を示すもので
あるのに対して、チタニアゾルを用いてプレス成形する
例を示すものである。以下本第10実施例の製造方法、
作用、及び効果について説明する。 (第一工程)光触媒(チタニアゾル:平均粒径6nm)
の濃度が15%である分散液5000gのゾル液に、調
整溶媒7500gを加えて攪拌した後に調整ゾル液を、
タンクに注入する。 (第二工程)上記ゾル液に多孔質粉体たるシリカ粉体
(平均粒径1〜3μm、細孔の口径12nm)2500
gを混入して攪拌しつつ、上記タンク内部を真空ポンプ
によって真空度10-4〜10-10Torr程度の真空状態と
して、その状態を約30分間継続する。そのため、上記
シリカ粉体の口径12nmの細孔内に、平均粒径6nm
のチタニアゾルが入り込んで嵌着して、光触媒体H10
となる。 (第三工程)バインダーとして低融フラッキス(融点5
00℃、粒径325メッシュ通過)粉体150gを計量
する。 (第四工程)上記第二工程で生成した12500gの上
記光触媒体H10に、上記低融フラッキス粉体150g
を混入、分散する。 (第五工程)上記第四工程で生成した分散液12650
gの溶媒を、80℃の雰囲気内で3日間蒸発乾燥させ
て、上記チタニアゾル、上記シリカ粉体、及びバインダ
ーとしての上記フラッキス粉体が完全に混合された34
00gの粉体が得られた。 (第六工程)上記第五工程で得た粉体を、ラバープレス
でプレス成形する。 (第七工程)上記第六工程で作成した成型物を、530
℃で焼成して、多孔質の上記光触媒タイルT10が得ら
れた。
【0051】このような第一工程〜第七工程を経て形成
された本第10実施例の光触媒タイルT10において
は、壁材として用いた場合に、太陽光によって好適に光
触媒機能を発揮することができる光触媒タイルT10と
なる。また、平均粒子径6nmである超微粒のチタニア
ゾルを、細孔の口径が12nmであるシリカ粉体の細孔
内に嵌着した上記光触媒体H10を含有しているため、
比表面積が高く光触媒の活性を向上させることができ、
光触媒機能を効率良く発揮することができる。そのた
め、高価な超微粒の光触媒の使用量を全体として大幅に
減らすことができ、安価で普及性があるものとすること
ができる。
【0052】以上述べたように、本発明に基づく上記第
1〜第10実施例の構成によれば、超微粒の光触媒体を
多孔質体と接合させた光触媒体とするとともに、比表面
積が高い超微粒の光触媒体を、汎用の酸化チタン表面に
接合させることによって、光触媒活性を高めて光触媒機
能を効率良く発揮することができ、安価で普及性がある
ものとすることが可能となる。
【0053】なお、本発明は、上記第1〜第10実施例
の構成のみに限定されるものではなく多様な態様が可能
である。例えば、上記第1〜第10実施例においては光
触媒として酸化チタン粉体、チタニアゾルを用いている
が、それのみに限定されるものではなく、例えば、酸化
亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、
酸化クロム、酸化モリブデン、酸化鉄、酸化ニッケル、
酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化銅及び酸化マンガ
ンなど、光触媒機能を有するものであれば、全て含まれ
る。
【0054】また、上記多孔質粉体としても、上記第1
〜第10実施例においてはシリカ粉体を用いているがそ
れのみに限定されるものではなく、例えば、リン酸カル
シウム、ゼオライト、カーボン、パーライト又は発泡ガ
ラスなど、光触媒との接合が可能な多孔質粉体であれば
全て含まれる。
【0055】また、上記第3実施例では、酸化チタンに
銀を担持させて光触媒の電荷分離をより促進させている
が、それのみに限定されるものではなく担持させる金属
としては、例えば、金、銅、鉄、亜鉛、ニッケル、コバ
ルト、白金、ルテニウム、パラジウム、ロジウムなど、
光触媒に担持可能な金属であれば全て含まれる。
【0056】また、本発明における光触媒体の使用態様
においても、上記第1〜第10実施例に示した光触媒塗
料、光触媒タイルの構成のみに限定されるものではな
く、例えば、環境浄化装置、脱臭装置、有機物分解装
置、浄水装置、抗菌或いは抗カビ装置、建築用外装材、
建築用内装材、食品容器類、化粧品や歯磨き粉の色素、
繊維の染料、陶磁器の顔料、或いはそれらの原材料、部
品など、上記光触媒体の含有が可能なものであれば全て
含まれる。
【0057】
【発明の効果】本発明に基づく請求項1に記載の光触媒
体によれば、平均粒子径1nm〜0.1μmである超微
粒の光触媒粒子を多孔質粉体に被覆しているため、比表
面積が高く光触媒の活性を向上させることができ、光触
媒機能を効率良く発揮することができる。そのため、高
価な超微粒の光触媒の使用量を全体として大幅に減らす
ことができ、安価で普及性があるものとすることができ
る。また、粒径の大きい粉体であるため、該光触媒体を
バインダーなどに高濃度に分散させることができる。
【0058】また、特に、請求項2に記載の光触媒体に
よれば、平均粒子径1nm〜0.1μmである超微粒の
光触媒粒子を多孔質粉体の細孔内に嵌着しているため、
比表面積が高く光触媒の活性を向上させることができ、
光触媒機能を効率良く発揮することができる。そのた
め、高価な超微粒の光触媒の使用量を全体として大幅に
減らすことができ、安価で普及性があるものとすること
ができる。また、粒径の大きい粉体であるため、該光触
媒体をバインダーなどに高濃度に分散させることができ
る。特に光触媒塗料として用いた場合に、色素、染料、
顔料を混入しても触媒機能を低下させることがなく、し
かも隠蔽力が高いため高密度なカラー光触媒塗料とする
ことができる。さらに、多孔質粉体の細孔内に光触媒粒
子を嵌着しているため、該光触媒粒子と色素、染料、顔
料とが直接接触しないため、有機系の色素、染料、顔料
の使用が可能になる。
【0059】また、特に、請求項3又は4に記載の光触
媒体によれば、平均粒子径1nm〜0.1μmである超
微粒の光触媒粒子のうち、少なくとも一部が多孔質粉体
の細孔内に嵌着されているため、上記第2の構成の効果
を得ることができるとともに、加えて、残りの粒子の少
なくとも一部が、光触媒活性の弱い粒度の大きい光触媒
粒子或いは色素、染料、顔料に被覆するため、さらに光
触媒の活性を向上させることができ光触媒機能を効率良
く発揮することができる。
【0060】また、特に、請求項5に記載の光触媒体に
よれば、より安価で、入手が容易な構成とすることがで
きる。
【0061】また、特に、請求項6に記載の光触媒体に
よれば、安定した光触媒機能を有する光触媒体とするこ
とができる。
【0062】また、特に、請求項7に記載の光触媒体に
よれば、より強い光触媒機能を有したものとすることが
できる。
【0063】また、特に、請求項8に記載の光触媒体に
よれば、赤外線にも反応することが可能な光触媒機能を
有したものとすることができる。
【0064】また、特に、請求項9に記載の光触媒塗料
によれば、上記請求項1又は2又は3又は4又は5又は
6又は7又は8に記載の光触媒体の特性を有した光触媒
塗料とすることができる。
【0065】また、特に、請求項10に記載の光触媒塗
料によれば、上記多孔質体の細孔に上記光触媒ととも
に、或いは単独で、色素、染料、顔料をも嵌着すること
ができるため、光触媒の機能性を損なわない着色したカ
ラー光触媒塗料とすることができる。特に、上記多孔質
体の細孔に単独で色素、染料、顔料を嵌着して光触媒体
と混入した場合には、直接に色素、染料、顔料と光触媒
が接触しないため、有機系のものを使用しても、有機物
が分解されないため、光触媒機能を妨げることなく有機
系の色素、染料、顔料の使用を可能にすることができ
る。
【0066】また、特に、請求項11に記載の光触媒タ
イルによれば、上記請求項1又は2又は3又は4又は5
又は6又は7又は8に記載の光触媒体の特性を有した光
触媒タイルとすることができる。
【0067】また、特に、請求項12又は13に記載の
光触媒体の製造方法によれば、簡略な方法で上記多孔質
粉体の細孔内に、光触媒粒子を嵌着することができ、安
価で光触媒の活性の高い光触媒体を容易に製造すること
が可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/00 C09D 5/00 L (72)発明者 垰田 博史 愛知県名古屋市名東区平和が丘1丁目70番 地 猪子石住宅4棟301号 (72)発明者 永江 良行 岐阜県可児市禅台寺1丁目25番地 Fターム(参考) 4G047 CA02 CB05 CC03 CD03 4G069 AA03 AA08 BA02A BA02B BA04A BA04B BA07A BA08A BA14A BA16A BA37 BA48A BC09A EA01X EB18X EB18Y EC22X EC22Y FB13 4J038 AA011 HA021 HA026 HA211 HA216 HA411 HA416 HA431 HA436 HA441 HA446 HA481 HA486 HA551 HA556 KA04 KA15 KA22 PA19 PB05 PC03

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径1nm〜0.1μmである超
    微粒の光触媒粒子を、多孔質粉体に被覆したことを特徴
    とする光触媒体。
  2. 【請求項2】 平均粒子径1nm〜0.1μmである超
    微粒の光触媒粒子を、多孔質粉体の細孔内に嵌着したこ
    とを特徴とする光触媒体。
  3. 【請求項3】 平均粒子径1nm〜0.1μmである超
    微粒の光触媒粒子の少なくとも一部が多孔質粉体の細孔
    内に嵌着され、残りの粒子の少なくとも一部が粒度の大
    きい光触媒粒子或いは色素、染料、顔料に被覆すること
    を特徴とする光触媒体。
  4. 【請求項4】 上記粒度の大きい光触媒粒子が、平均粒
    子径0.15〜10μmである酸化チタンであることを
    特徴とする請求項3に記載の光触媒体。
  5. 【請求項5】 上記多孔質粉体が、リン酸カルシウム又
    はシリカ粉体又はゼオライト又はカーボン又はパーライ
    ト又は発泡ガラスであることを特徴とする請求項1又は
    2又は3又は4に記載の光触媒体。
  6. 【請求項6】 上記光触媒粒子が酸化チタンであること
    を特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5に記載
    の光触媒体。
  7. 【請求項7】 上記酸化チタンの結晶形がアナターゼで
    あることを特徴とする請求項6に記載の光触媒体。
  8. 【請求項8】 上記酸化チタンの結晶形がルチルである
    ことを特徴とする請求項6に記載の光触媒体。
  9. 【請求項9】 光触媒機能を有する光触媒塗料であっ
    て、上記請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は
    7又は8に記載の光触媒体を含有することを特徴とする
    光触媒塗料。
  10. 【請求項10】 光触媒機能を有する光触媒塗料であっ
    て、上記請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は
    7又は8に記載の光触媒体を含有するとともに、上記多
    孔質体の細孔に上記光触媒とともに、或いは単独で、色
    素、染料、顔料をも嵌着することを特徴とする光触媒塗
    料。
  11. 【請求項11】 光触媒機能を有する光触媒タイルであ
    って、上記請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又
    は7又は8に記載の光触媒体を含有することを特徴とす
    る光触媒タイル。
  12. 【請求項12】 光触媒粉体と多孔質粉体を、大気圧以
    下に減圧して攪拌することによって、上記多孔質粉体の
    細孔内に、光触媒粒子を嵌着することを特徴とする光触
    媒体の製造方法。
  13. 【請求項13】 チタニアゾルと多孔質粉体を大気圧以
    下に減圧して攪拌することによって、上記多孔質粉体の
    細孔内に、酸化チタン粒子を嵌着することを特徴とする
    光触媒体の製造方法。
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