JP2000317052A - 遊技部材およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】長期間使用されて遊技球が頻繁に衝突した場合
でも、着色が損なわれない遊技部材を提供する。 【解決手段】遊技部材９は、ポリカーボネート製のパー
ツ４，８ａ，８ｂ、基板１５等の部品が組み付けられて
形成されている。そして、パーツ４の表面には、ポリカ
ーボネート製のシート５の表面に市販のインク６を印刷
したカラフルな印刷シート３が溶着接合されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ機等の遊
技盤面に設置される各種の入賞装置、風車、電飾ランプ
等の遊技部材、およびその製造方法に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】パチンコ機の遊技盤面に設置される各種
の入賞装置、風車、電飾ランプ等の遊技部材は、合成樹
脂によって成形されるものが多い。また、かかる遊技部
材は、パチンコ機の装飾効果を高める目的から、カラフ
ルに着色する必要があるが、複雑な凹凸形状を有するも
のが多いため、成形後に、複数の色を塗布することが難
しい。それゆえ、種々の色に着色された合成樹脂を用い
て複数のパーツ（構成部品）を形成し、それらのパーツ
を組み付ける方法や、成形後に、カラフルに印刷された
シールを貼着する方法、成形後に表面にメッキ処理を施
す方法等によって、カラフルに着色されたものが製造さ
れる。図７は、従来の遊技部材の一例を示したものであ
り、遊技部材５１は、種々の色に着色された複数の合成
樹脂製パーツ５２，５２・・、基板５３等が組み付けら
れることによって、カラフルに着色されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シール
等が貼着された遊技部材は、長期間使用されると、シー
ルの粘着力が低下して、シールが剥がれてしまうことが
ある。また、表面にメッキ処理が施された遊技部材は、
遊技球の衝突によって、メッキが剥がれてしまうことが
ある。さらに、図７の如き遊技部材５１は、多くのパー
ツ５２，５２・・からなるものであるため、製造に手間
がかかり、製造コストが高い。その上、遊技球の衝突に
よって、組み付けたパーツが分解してしまうこともあ
る。

【０００４】本発明の目的は、上記従来のパチンコ機が
有する問題点を解消し、長期間使用されて遊技球が頻繁
に衝突した場合でも、着色が損なわれない上、容易に、
かつ安価に製造することができる遊技部材を提供するこ
とにある。また、かかる遊技部材を、容易に、かつ安価
に製造することが可能な製造方法を提供することにあ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】かかる本発明の構成のう
ち、請求項１に記載された発明の構成は、遊技機に設置
される遊技部材であって、少なくとも一部が、合成樹脂
によって形成されており、その合成樹脂製の部分の少な
くとも一部に、予めカラー印刷を施した印刷シートが溶
着接合されていることにある。請求項２に記載された発
明の構成は、請求項１に記載された発明において、合成
樹脂が透光性を有しているとともに、合成樹脂によって
形成された部分の表面あるいは裏面のいずれか一方に印
刷シートが溶着接合されており、かつ、その印刷シート
の溶着接合面のうち印刷シートの溶着接合部分以外の部
分、あるいは印刷シートの溶着接合面と反対の面に、凹
凸を付与する加工が施されていることにある。なお、凹
凸を付与する加工とは、ダイヤカット状加工やローレッ
ト加工等の表面加工や、ボス、リブを付設する加工等を
いう。請求項３に記載された発明の構成は、遊技機に設
置される遊技部材の製造方法であって、着色した樹脂一
次成形品を金型のキャビティー形成部分の表面に設置し
た後、その金型のキャビティー内に溶融樹脂を射出し、
前記樹脂一次成形品を溶融樹脂に溶着接合させることに
よって、遊技部材の少なくとも一部を形成することにあ
る。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるパチンコ機
用遊技部材の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明
する。

【０００７】本発明にかかる遊技部材は、全体あるいは
一部のパーツ（部品）が、合成樹脂を用いた射出成形に
よって形成される。図１は、遊技部材の一つのパーツ
（部品）を成形する様子を示したものであり、射出成形
機１４によって金型１ａ，１ｂのキャビティー２内に溶
融した合成樹脂を射出する前に、図１（ａ）の如く、片
方の金型１ａ（雌型の金型１ａ）の内側に、予めカラー
印刷を施した印刷シート（樹脂一次成形品）３が設置さ
れる。なお、印刷シート３は、ポリカーボネート製のシ
ート５の表面に、市販のインク６を、スクリーン印刷等
の方法によって印刷したものである（図３参照）。そし
て、印刷シート３を設置した金型１ａ，１ｂのキャビテ
ィー２内に、図１（ｂ）の如く、通常の射出成形と同様
の方法によって、透明な合成樹脂（ポリカーボネート）
を射出する。しかる後、射出した合成樹脂を冷却し、図
１（ｃ）の如く、金型１ａ，１ｂから取り出すことによ
って、パーツ４が得られる。

【０００８】図２（ａ），（ｂ）は、それぞれ、上記の
如き射出成形方法によって得られたパーツ４の正面、平
面を示したものである。また、図３（ａ）は、図２
（ａ）におけるＡ−Ａ線断面を示したものであり、図３
（ｂ）は、図３（ａ）の一部（円形の破線部分）を拡大
して示したものである。パーツ４はコア部７が透明な合
成樹脂によって形成されている。そして、コア部７の前
側、上側、下側の表面に、一体的に印刷シート３が溶着
接合されている。印刷シート３は、赤色の印刷が施され
た部分（ｃ部分）と、青色の印刷が施された部分（ｄ部
分）とを有している。また、ｃ部分とｄ部分以外の部分
には、光線を遮断するように黒色の印刷が施されてい
る。また、ｃ部分の後方に相当するコア部７の裏面に
は、ダイヤカット状加工１６が施されており、ｄ部分の
後方に相当するコア部７の裏面には、ローレット加工が
施されている。

【０００９】上記パーツ４は、図４の如く、他のパーツ
８ａ，８ｂ、基板１５等の部品とともに組み付けられる
ことによって、遊技部材９の一部として機能する。な
お、基板１５には、ＬＥＤ１０，１０・・が設置されて
いる。かかる遊技部材９は、図５の如く、パチンコ機１
１において、図柄表示装置１３の周囲を装飾する装飾部
材として、遊技盤１２の表面に設置されて使用される。
かかる遊技部材９は、上述した射出成形方法によって、
印刷シート３をコア部７に溶着接合させたものであるの
で、印刷シート３の耐剥離強度が、シール等を貼着した
場合の耐剥離強度に比べて、非常に高い。

【００１０】また、遊技部材９が設置されたパチンコ機
１１においては、所定の場合に遊技部材９内に設置され
たＬＥＤ１０，１０・・が点灯、点滅するようになって
いる。そして、ＬＥＤ１０，１０・・が点灯、点滅した
場合には、ＬＥＤ１０，１０・・の光が、パーツ４のコ
ア部７のダイヤカット状加工１６部分、ローレット加工
部分で散乱して、パーツ４の表面に溶着接合された印刷
シート３のｃ部分、およびｄ部分から前方に漏洩する。

【００１１】遊技部材９は、上記の如く、少なくとも一
部（パーツ４）が、合成樹脂によって形成されており、
その合成樹脂製の部分の少なくとも一部（表面の凸状部
分）に、予めカラー印刷を施した印刷シート３が溶着接
合されたものであるため、印刷シート３の耐剥離強度が
非常に高く、遊技球が頻繁に衝突した場合でも、着色が
損なわれたりしない。

【００１２】さらに、遊技部材９は、パーツ４のコア部
７を形成する合成樹脂が透光性を有しているとともに、
コア部７の表面に印刷シート３が溶着接合されており、
かつ反対面にダイヤカット状加工１６、ローレット加工
が施されているため、ダイヤカット状加工１６、ローレ
ット加工が施された面の後方で発光させることにより、
きわめて趣向性の高い態様で表面を光らせることができ
る。

【００１３】一方、遊技部材９の製造方法は、上記の如
く、予めカラー印刷を施した印刷シート３を金型１ａ，
１ｂのキャビティー２形成部分の表面に設置した後、そ
の金型のキャビティー２内に溶融樹脂を射出し、印刷シ
ート３を溶融樹脂に溶着接合させることによって、パー
ツ４を形成するものであるため、複雑な凹凸形状を有し
ており、かつ多くの色が付された遊技部材９を、少ない
部品点数（パーツ４，８ａ，８ｂ、基板１５等）で、き
わめて容易に、かつ安価に製造することができる。

【００１４】なお、本発明の遊技部材の構成は、上記し
た実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、その
形状・構造、遊技部材を設置するパチンコ機の形状・構
造等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要
に応じて適宜変更できる。

【００１５】たとえば、遊技部材は、複数のパーツが組
み付けられて形成されるものに限定されず、一体的に形
成されたもの（単一物）でも良い。また、印刷シートを
溶着接合させる面は、遊技部材（あるいはパーツ）の表
側に限定されるものではなく、図６の如く、遊技部材
（あるいはパーツ）の裏側でも良い。かかる構成を採用
した場合には、遊技球の衝突による着色の損傷を防止す
る効果が、より精度の高いものとなる。なお、印刷シー
トを遊技部材（あるいはパーツ）の裏側に溶着接合する
場合には、美観を向上させる目的で、遊技部材（あるい
はパーツ）の表側に、艶消し処理等を施しても良い。

【００１６】さらに、遊技部材（あるいはパーツ）は、
透光性を有する着色した合成樹脂によってコア部を形成
することも可能である。かかる構成を採用した場合に
は、表面あるいは裏面に印刷シートが溶着接合されたコ
ア部の後方側で発光させることにより、一段と趣向性の
高い態様で前側を光らせることが可能となる。

【００１７】また、コア部を成形する合成樹脂は、ポリ
カーボネートに限定されるものではなく、ＡＢＳ樹脂、
アクリル樹脂等の種々の樹脂を用いることができる。加
えて、印刷シートを形成する合成樹脂も、ポリカーボネ
ートに限定されず、ＡＢＳ樹脂、アクリル樹脂等の種々
の樹脂を用いることができる。なお、コア部をポリカー
ボネートによって形成するとともに、印刷シートをポリ
カーボネートによって形成した場合には、印刷シートの
耐剥離強度がきわめて高いものとなる、というメリット
がある。加えて、コア部をポリカーボネートによって形
成した場合には、遊技部材（あるいはパーツ）の透光性
が高いものとなり、遊技部材が明瞭に発光するものとな
る、というメリットもある。

【００１８】加えて、印刷シートの溶着接合面のうち印
刷シートの溶着接合部分以外の部分、あるいは印刷シー
トの溶着接合面と反対の面に凹凸を付与する加工方法
は、ダイヤカット状加工やローレット加工に限定される
ものではなく、ボスやリブを付設する加工方法、その他
の加工方法を利用することも可能である。

【００１９】一方、本発明の遊技部材の製造方法におい
ては、溶融樹脂を射出する前に金型のキャビティー形成
部分に設置する一次成形品は、予めカラー印刷を施した
印刷シートの如きシート状物に限定されず、立体的な物
でも良い。

【００２０】なお、上記実施形態においては、遊技部材
を、図柄表示装置の装飾部材として用いた一例について
説明したが、本発明の遊技部材は、かかる部材に限定さ
れず、風車、電飾ランプ等、種々の部材に利用すること
ができ、遊技機の遊技盤面に設置する遊技部材であれ
ば、その利用範囲は、何ら限定されない。

【００２１】

【発明の効果】請求項１に記載された遊技部材は、少な
くとも一部が、合成樹脂によって形成されており、その
合成樹脂製の部分の少なくとも一部に、予めカラー印刷
を施した印刷シートが溶着接合されたものであるため、
印刷シートの耐剥離強度が非常に高く、遊技球が頻繁に
衝突した場合でも、着色が損なわれたりしない。

【００２２】請求項２に記載された遊技部材は、パーツ
のコア部を形成する合成樹脂が透光性を有しているとと
もに、コア部の表面あるいは裏面のいずれか一方に印刷
シートが溶着接合されており、かつ、その印刷シートの
溶着接合面のうち印刷シートの溶着接合部分以外の部
分、あるいは印刷シートの溶着接合面と反対の面に、凹
凸を付与する加工が施されているため、その加工面の後
方で発光させることにより、きわめて趣向性の高い態様
で表面を光らせることができる。

【００２３】請求項３に記載された遊技部材の製造方法
は、着色した樹脂一次成形品を金型のキャビティー形成
部分の表面に設置した後、その金型のキャビティー内に
溶融樹脂を射出し、樹脂一次成形品を溶融樹脂に溶着接
合させることによって、遊技部材の少なくとも一部を形
成するものであるため、複雑な凹凸形状を有しており、
かつ多くの色が付された遊技部材を、少ない部品点数
で、きわめて容易に、かつ安価に製造することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】遊技部材のパーツの製造方法を示す説明図であ
る。

【図２】遊技部材のパーツを示す説明図である（（ａ）
は、正面を示したものであり、（ｂ）は、平面を示した
ものである）。

【図３】遊技部材のパーツの断面を示す説明図である
（（ａ）は、図２（ａ）におけるＡ−Ａ線断面を示した
ものであり、（ｂ）は、（ａ）の一部を拡大して示した
ものである）。

【図４】遊技部材を示す説明図である（（ａ）は、分解
した状態を示したものであり、（ｂ）は、パーツを組み
付けた状態を示したものである）。

【図５】遊技部材を設置したパチンコ機を示す説明図で
ある。

【図６】遊技部材のパーツの断面を示す説明図である
（（ａ）は、図２（ａ）におけるＡ−Ａ線断面を示した
ものであり、（ｂ）は、（ａ）の一部を拡大して示した
ものである）。

【図７】従来の遊技部材を示す説明図である。

【符号の説明】

１ａ，１ｂ・・金型、２・・キャビティー、３・・印刷
シート、４・・パーツ、５・・シート、６・・インク、
７・・コア部、８ａ，８ｂ・・パーツ、９・・遊技部
材、１０・・ＬＥＤ、１１・・パチンコ機、１２・・遊
技盤、１３・・図柄表示装置、１４・・射出成形機、１
５・・基板、１６・・ダイヤカット状加工、５１・・遊
技部材、５２・・パーツ、５３・・基板。

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成１１年１０月２１日（１９９９．１０．
２１）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】発明の名称

【補正方法】変更

【補正内容】

【発明の名称】 遊技部材およびその製造方法

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 遊技機に設置される遊技部材であって、 少なくとも一部が、合成樹脂によって形成されており、
   その合成樹脂製の部分の少なくとも一部に、予めカラー
   印刷を施した印刷シートが溶着接合されていることを特
   徴とする遊技部材。
2. 【請求項２】 合成樹脂が透光性を有しているととも
   に、 合成樹脂によって形成された部分の表面あるいは裏面の
   いずれか一方に印刷シートが溶着接合されており、 かつ、その印刷シートの溶着接合面のうち印刷シートの
   溶着接合部分以外の部分、あるいは印刷シートの溶着接
   合面と反対の面に、凹凸を付与する加工が施されている
   ことを特徴とする請求項１に記載の遊技部材。
3. 【請求項３】 遊技機に設置される遊技部材の製造方法
   であって、 着色した樹脂一次成形品を金型のキャビティー形成部分
   の表面に設置した後、その金型のキャビティー内に溶融
   樹脂を射出し、前記樹脂一次成形品を溶融樹脂に溶着接
   合させることによって、遊技部材の少なくとも一部を形
   成することを特徴とする遊技部材の製造方法。