JP2000316258A - 直流モータの整流子片、その整流子片を備えた整流子、及び、その整流子の製造方法 - Google Patents

直流モータの整流子片、その整流子片を備えた整流子、及び、その整流子の製造方法

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JP2000316258A
JP2000316258A JP11121165A JP12116599A JP2000316258A JP 2000316258 A JP2000316258 A JP 2000316258A JP 11121165 A JP11121165 A JP 11121165A JP 12116599 A JP12116599 A JP 12116599A JP 2000316258 A JP2000316258 A JP 2000316258A
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commutator piece
low
motor
resistivity
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Hiroyuki Harada
博幸 原田
Takeshi Tanaka
猛 田中
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Asmo Co Ltd
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Asmo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工数や部品点数を増大することなく不足整流
を改善することができる直流モータの整流子片、その整
流子片を備えた整流子、及び、その整流子の製造方法を
提供する。 【解決手段】 複数の整流子片14が、整流子11に所
定間隔ごとに周設されている。これら整流子片14はブ
ラシ9と摺接する。整流子11(モータ1)の回転方向
が矢印方向であるとすると、各整流子片14は外周側か
ら内周側に向かうに従い、上記回転方向の後方側から同
前方側へと斜めに区画されている。そして、整流子片1
4の回転方向に対して前方側は低抵抗率領域21、同後
方側は高抵抗率領域22となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不足整流を改善す
る直流モータの整流子片、その整流子片を備えた整流
子、及び、その整流子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に直流モータは、図9に示すよう
に、その整流期間Tc(ブラシによってコイルが短絡さ
れている期間)において当該コイル中の電流の時間的変
化が直線状となる直線整流とすることが望ましい。
【0003】しかしながら、コイルのインダクタンスに
よって、すなわちコイル中の電流の時間的変化に基づき
同コイル中に生じるリアクタンス電圧によって、同電流
の時間的変化は妨げられる。そして、直流モータは、図
9に二点鎖線で示すように、上記電流の時間的変化が直
線整流の場合よりも著しく遅れた不足整流となりやす
い。このような不足整流になると、ブラシの後端(整流
子片の回転が進んでいく側の端)が整流子片から離れる
整流の終期において、これらブラシ−整流子片間に流れ
る電流が強制的に遮断され、その電流変化が急峻とな
る。このため、ブラシと整流子片とが離れる瞬間にこれ
らブラシと整流子片との間に火花(アーク)が発生し、
接点破壊を起こしてモータの寿命が短くなったり、著し
い磁気音が発生したりすることがある。
【0004】一般に、このような不足整流を改善するた
めに、コイルのインダクタンスが無視できるほどブラシ
と整流子片との間の接触抵抗を大きくする抵抗整流が採
用されている。このように接触抵抗を大きくするため
に、整流子片と接触するブラシの先端部は先端が尖った
形状になっている。このようにして接触抵抗を大きくす
ることで、コイル中の電流はインダクタンスの影響を受
け難くなり、その時間的変化は直線状に近づけられる
(直線整流)。そして、上記整流の終期においても、上
記ブラシ−整流子片間に流れる電流の変化は緩やかとな
り、火花の発生も抑制される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、直流モータ
の使用の初期状態においては、上記ブラシの尖った先端
のみが上記整流子片と接触しているため、上記接触抵抗
は大きな値に維持されて同モータは直線整流に近づけら
れているが、使用が進むと、同ブラシの先端部は摩耗し
ていく。このとき、上記ブラシの先端部は、ブラシ圧力
や整流子片との位置ずれ等のため、その前端(整流子片
の回転が進んでくる側の端)が早く摩耗する傾向にあ
る。そして、摩耗したブラシの先端部は、特にその前端
の略全面が整流子片と接触するようになる。従って、上
記ブラシと整流子片との間の接触面積が大きくなり、接
触抵抗は低減される。そして、このように接触状態が変
化することでコイル中の電流はインダクタンスの影響を
無視できなくなり、直流モータは不足整流となる。この
ため、整流の終期において上述した急激な電流変化が生
じ、火花が発生することとなる。
【0006】なお、実開平7−16582号公報に公開
されるように、ブラシと整流子片との間に定電圧ダイオ
ードを設けてその電位差を小さくし、火花の発生を抑制
することも知られている。しかし、この場合には、これ
ら定電圧ダイオードを接続するための工数や部品点数が
増大し、ひいてはコストが増大してしまう。
【0007】本発明の目的は、工数や部品点数を増大す
ることなく不足整流を改善することができる直流モータ
の整流子片、その整流子片を備えた整流子、及び、その
整流子の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、所定間隔ごとに周設さ
れてブラシと摺接する直流モータの整流子片であって、
周方向で抵抗率が異なることを要旨とする。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の直流モータの整流子片において、前記周方向で異なる
抵抗率は、前記整流子片の回転方向後方側が同回転方向
前方側より大きいことを要旨とする。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の直流モータの整流子片において、前記周方向で異なる
抵抗率は、前記整流子片の周方向両側が周方向中間部よ
りも大きいことを要旨とする。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれか1に記載の直流モータの整流子片を備えたこと
を要旨とする。請求項5に記載の発明は、所定間隔ごと
に周設されてブラシと摺接する直流モータの整流子片を
備える整流子の製造方法であって、等角度ごとに複数の
凸部を設けた丸鋸刃状の低抵抗筒体を低抵抗率材料にて
形成し、前記低抵抗筒体の各凸部の内壁面と該低抵抗筒
体に内接する円周面とで形成される空間内に高抵抗体を
高抵抗率材料にて形成し、前記低抵抗筒体に内接する円
周面と同外接する円周面との略中間に形成される円周面
及び前記凸部の内壁面に形成された段部において径方向
に縦断する凹部に沿って軸線方向に切削して、回転方向
前方側に低抵抗率領域を、同回転方向後方側に高抵抗率
領域を有する直流モータの整流子片を形成することを要
旨とする。
【0012】請求項6に記載の発明は、所定間隔ごとに
周設されてブラシと摺接する直流モータの整流子片を備
える整流子の製造方法であって、等角度ごとに複数の矩
形波状の凸部を設けた低抵抗筒体を低抵抗率材料にて形
成し、前記低抵抗筒体の各凸部の内壁面と該低抵抗筒体
に内接する円周面とで形成される空間内に高抵抗体を高
抵抗率材料にて形成し、前記低抵抗筒体の内壁面よりも
若干内側に形成される円周面及び各高抵抗体の略中央部
において径方向に縦断する凹部に沿って軸線方向に切削
して周方向両側に高抵抗率領域を、該高抵抗率領域の中
間部に低抵抗率領域を有する整流子片を形成することを
要旨とする。
【0013】請求項1に記載の発明の構成によれば、整
流子片は周方向で抵抗率が異なっている。請求項2に記
載の発明の構成によれば、上記整流子片の回転方向後方
側の抵抗率は同前方側の抵抗率より大きくなっている。
一般に、直流モータの使用が進むと、ブラシの先端部は
摩耗していく。このとき、ブラシの先端部はその前端
(整流子片の回転が進んでくる側の端)が早く摩耗する
傾向にある。そして、摩耗したブラシの先端部は、特に
その前端の略全面が整流子片と接触するようになる。従
って、ブラシと整流子片との間の接触面積は大きくな
り、接触抵抗は低減される。このように摩耗したブラシ
の先端部の前端が整流の終期に接触する整流子片の回転
方向後方側の抵抗率は大きくなっているため、上記接触
抵抗の低減は抑制されている。従って、コイル中の電流
はインダクタンスの影響を受け難くなり、このように接
触状態が変化した場合においても極めて簡易な構造によ
り不足整流が改善される。
【0014】請求項3に記載の発明の構成によれば、上
記整流子片の周方向両側の抵抗率は周方向中間部の抵抗
率より大きくなっている。一般に、両方向に回転する直
流モータの使用が進むと、ブラシの先端部は摩耗してい
く。このとき、ブラシの先端部はその周方向両側が早く
摩耗する傾向にある。そして、摩耗したブラシの先端部
は、特にその前端(整流子片の対応する回転が進んでく
る側の端)の略全面が整流子片と接触するようになる。
従って、ブラシと整流子片との間の接触面積は大きくな
り、接触抵抗は低減される。整流子片の回転方向に関わ
らず、このように摩耗したブラシの先端部の前端が整流
の終期に接触する部位、すなわち整流子片の周方向両側
の抵抗率は大きくなっているため、上記接触抵抗の低減
は抑制されている。従って、コイル中の電流はインダク
タンスの影響を受け難くなり、このように接触状態が変
化した場合においても極めて簡易な構造により不足整流
が改善される。
【0015】請求項4に記載の発明の構成によれば、ブ
ラシと整流子片との間の接触状態が変化した場合におい
ても極めて簡易な構造により不足整流が改善される。請
求項5に記載の発明の方法によれば、高抵抗体が設けら
れた低抵抗筒体を同低抵抗筒体に内接する円周面と同外
接する円周面との略中間に形成される円周面及び上記凸
部の内壁面に形成された段部において径方向に縦断する
凹部に沿って軸線方向に切削することで容易に回転方向
前方側に低抵抗率領域を、該回転方向後方側に高抵抗率
領域を有する整流子片が製造される。そして、ブラシと
整流子片との間の接触状態が変化した場合においても不
足整流が改善される。
【0016】請求項6に記載の発明の方法によれば、高
抵抗体が設けられた低抵抗筒体を同低抵抗筒体の内壁面
よりも若干内側に形成される円周面及び各高抵抗体の略
中央部において径方向に縦断する凹部に沿って軸線方向
に切削することで容易に周方向両側に高抵抗率領域を、
周方向中間部に低抵抗率領域を有する整流子片が製造さ
れる。そして、ブラシと整流子片との間の接触状態が変
化した場合においても不足整流が改善される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した直流モ
ータの整流子片、その整流子片を備えた整流子、及び、
その整流子の製造方法の一実施形態を図1〜図6に従っ
て説明する。
【0018】図1に示すように、自動車用アクチュエー
タなどを駆動する場合に使用される直流モータ1は、ハ
ウジング2とエンドフレーム3とで構成される空間に電
機子4が回転軸5を介して回転可能に収容されている。
回転軸5は、両端において軸受6,7により回転可能に
支持されている。また、電機子4の回転軸5の回りに
は、電機子4を囲む複数の永久磁石8がハウジング2の
内周面に周方向等間隔に配置固定されている。回転軸5
の一端には、ブラシ9と摺接する整流子(コンミテー
タ)11が取り付けられている。外部電源と接続された
ブラシ9及び整流子11を介して電機子4に巻装したコ
イル導線に電流が供給されると、電機子4は回転駆動さ
れる。
【0019】図2に示されるように、上記整流子11
は、例えば熱硬化性樹脂からなる絶縁性の整流子本体1
2を備えている。この整流子本体12は、軸挿通孔13
を有してほぼ円筒状に形成されている。なお、軸挿通孔
13は、直流モータ1の回転軸5を貫通して、相互に回
動不能に固定するためのものである。
【0020】上記整流子本体12の外周側には、複数
(12個)の整流子片14が等間隔をおいて配置されて
いる。この実施形態では12個の整流子片14を有する
タイプとしたが、複数の整流子片を有すればいくつのタ
イプにも適用できる。これら整流子片14は、整流子本
体12に対してモールド成型にて一体成形されている。
また、上記整流子11の隣接する整流子片14間は、ス
リット15により相互に絶縁分離されている。
【0021】図4に示すように、整流子11(モータ
1)の回転方向が矢印方向であるとすると、各整流子片
14は外周側から内周側に向かうに従い、上記回転方向
の後方側から同前方側へと斜めに区画されている。そし
て、上記整流子片14の回転方向に対して前方側は低抵
抗率領域21、同後方側は高抵抗率領域22となってい
る。
【0022】上記低抵抗率領域21は、例えば銅材など
の低抵抗率材料にて形成されており、上記高抵抗率領域
22は、例えば黒鉛と銅とからなる混合粉を焼結生成し
た高抵抗率材料にて形成されている。
【0023】前記ブラシ9は、例えば黒鉛と銅の混合物
からなる高抵抗率材料にて形成されており、ブラシボッ
クス26に設けられている。詳述すると、上記ブラシボ
ックス26は上記整流子11側に開口して略四角筒状に
形成されており、その内部にはコイルスプリング27が
固定されている。そして、上記コイルスプリング27に
は、略直方体状に形成されたブラシ9の基端部が固定さ
れており、同ブラシ9は同コイルスプリング27によっ
て上記整流子11(整流子片14)側に付勢されてい
る。
【0024】図3に示されるように、上記ブラシ9の先
端部9aは、同ブラシ9と整流子片14との間の接触抵
抗が大きくなるように軸方向の一側(図3の右側)から
同他側(図3の左側)に向かって先細となる形状とされ
ている。そして、上記先端部9aの先細とされた先端
は、図2に示されるように、上記整流子11(整流子片
14)の外周面に沿う形状とされている。このブラシ9
の先端部9aは上記ブラシボックス26の開口側から突
出して、その先細とされた先端が上記整流子11と押圧
接触している。
【0025】このような直流モータ1の使用の初期状態
においては、図3で示したように、上記ブラシ9の先端
部9aの先細とされた先端のみが上記整流子片14と接
触している。従って、上記ブラシ9と整流子片14との
間の接触抵抗は大きな値に維持され、上記モータ1は直
線整流(図9参照)に近づけられている。
【0026】また、直流モータ1の使用が進むと、上記
ブラシ9の先端部9aは摩耗していく。このとき、上記
ブラシ9(先端部9a)は、ブラシ圧力や整流子片14
との位置ずれ等のため、その前端(整流子片14の回転
が進んでくる側、すなわち図2の右側の端)が早く摩耗
する傾向にある。そして、摩耗したブラシ9は、図3に
二点鎖線で示すように、整流子11(整流子片14)側
に更に付勢される。このとき、上記ブラシ9の先端部9
aは、特にその前端の略全面が整流子片14と接触する
ようになる。従って、上記ブラシ9と整流子片14との
間の接触面積が大きくなり、その接触抵抗は低減され
る。
【0027】本実施形態では、上記のように摩耗したブ
ラシ9の先端部9aの前端が整流の終期に接触する整流
子片14の部位は前記高抵抗率領域22となっているた
め、上記のような接触抵抗の低減は抑制されている。従
って、コイル中の電流はインダクタンスの影響を受け難
くなり、上記モータ1は同様に直線整流に近づけられ
る。すなわち、このように接触状態が変化した場合にお
いても不足整流が改善される。
【0028】次に、このような整流子片14を備える整
流子11の製造方法について、図5及び図6に基づき説
明する。図5及び図6に示すように、例えば銅材の筒を
加工して等角度ごとに凸部31を設けた丸鋸刃状の低抵
抗筒体32を形成する。なお、例えば銅板を加工しなが
ら丸めて同様の低抵抗筒体32を形成してもよい。
【0029】そして、上記低抵抗筒体32の各凸部31
の内壁面と同低抵抗筒体32に内接する円周面とで形成
される空間内に、黒鉛と銅とからなる混合粉を焼結した
高抵抗体33を設ける。
【0030】次に、高抵抗体33を設けた低抵抗筒体3
2を金型内にインサート保持して樹脂にて一体成形し、
同低抵抗筒体32の内周側に、前記整流子本体12を形
成する。
【0031】そして、図6に破線にて示したように、上
記低抵抗筒体32に内接する円周面と同外接する円周面
との略中間に形成される円周面に沿って、また、各凸部
31の内壁面に形成された段部31aにおいて径方向に
上記整流子本体12まで伸びる凹部31bに沿って軸線
方向に切削する。そして、前記スリット15とともに、
低抵抗率領域21及び高抵抗率領域22に区画された整
流子片14を備えた整流子11が製造される。
【0032】以上詳述したように、本実施形態において
は、以下に示す効果を得ることができる。 (1)上記実施形態では、ブラシ9と整流子片14との
接触状態に関わらず、不足整流を改善することができ
る。
【0033】(2)上記実施形態では、不足整流の改善
により、整流の終期において急激な電流変化が生じて火
花が発生したりすることを抑制することができる。 (3)上記実施形態では、磁気音の発生を抑制し、又、
直流モータ1の寿命を長くすることができる。
【0034】(4)上記実施形態では、丸鋸刃状に形成
した低抵抗筒体32に高抵抗体33を設け、整流子本体
12を形成し、これを軸線方向に切削するという比較的
簡易な工程で不足整流が改善された整流子11を製造す
ることができる。
【0035】なお、上記実施形態は以下のように変更し
てもよい。 ・前記実施形態においては、直流モータ1が一方向のみ
に回転するものとして、整流子片14の回転方向に対し
て前方側を低抵抗率領域21とし、同後方側を高抵抗率
領域22とした。これに対して、両方向に回転する直流
モータにおいて、図7に示される整流子36(整流子片
37)を採用してもよい。すなわち、整流子片37の周
方向の両側に、高抵抗率領域38,39を設け、これら
高抵抗率領域38,39に挟まれる中間部に低抵抗率領
域40を設けている。整流子片37をこのような形状と
することで、直流モータがどちら側に回転したとしても
前記実施形態に準じて不足整流が改善される。
【0036】このような整流子片14を備える整流子1
1の製造方法について図8に基づき説明する。同図に示
すように、例えば銅材の筒を加工して等角度ごとに矩形
波状の凸部41を設けた低抵抗筒体42を形成する。そ
して、上記低抵抗筒体42の各凸部41の内壁面と同低
抵抗筒体42に内接する円周面とで形成される空間内
に、例えば黒鉛と銅とからなる混合粉を焼結した高抵抗
体43を設ける。次に、インサート成形にて上記低抵抗
筒体32の内周側に前記整流子本体12を形成する。そ
して、図8に破線にて示したように、上記低抵抗筒体4
2(凸部41)の内壁面よりも若干内側に形成される円
周面に沿って、また、各高抵抗体43の略中央部におい
て径方向に上記整流子本体12まで伸びる凹部44に沿
って、軸線方向に切削する。これにより前記スリット1
5とともに、高抵抗率領域38,39及び低抵抗率領域
40の3つに区画された整流子片37を備えた整流子3
6が製造される。
【0037】・前記実施形態においては、整流子片14
の低抵抗率領域21及び高抵抗率領域22を外周側から
内周側に向かうに従い、整流子片14の回転方向の後方
側から同前方側へと斜めに区画して形成した。これに対
して、整流子片14を径方向に沿って二分した低抵抗率
領域21及び高抵抗率領域22を形成してもよい。
【0038】・前記実施形態びおいて、低抵抗率領域2
1及び高抵抗率領域22をそれぞれ形成する材料は一例
であり、その他の材料を採用してもよい。 ・前記実施形態で採用した低抵抗率領域21及び高抵抗
率領域22の設定は一例であり、例えばこれら領域の位
置関係が相互に逆であってもよい。要は、ブラシ9の摩
耗特性に応じ、整流の終期においてブラシ9と整流子片
14との間の接触抵抗を低減できるように、周方向の抵
抗率を変えた構成でありさえすればよい。
【0039】・前記実施形態びおいては、直流モータに
本発明を適用したが、その相互関係から、もちろん直流
発電機に本発明を適用してもよい。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜6に記
載した発明によれば、工数や部品点数を増大することな
く不足整流を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を適用したモータを示す
断面図。
【図2】 同実施形態を示す正面図。
【図3】 同実施形態を示す側面図。
【図4】 同実施形態を示す拡大図。
【図5】 同実施形態の製造態様を示す斜視図。
【図6】 同実施形態の製造態様を示す拡大図。
【図7】 本発明の他の実施形態を示す拡大図。
【図8】 同実施形態の製造態様を示す拡大図。
【図9】 コイル中の電流を示すタイムチャート。
【符号の説明】
9…ブラシ、11,36…整流子、14,37…整流子
片、21,40…低抵抗率領域、22,38,39…高
抵抗率領域、31,41…凸部、31a…段部、31
b,44…凹部、32,42…低抵抗筒体、33,43
…高抵抗体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H613 AA01 AA03 BB04 BB15 BB27 GA04 GB01 GB05 GB06 GB08 GB09 GB12 GB13 GB14 KK01 KK02 PP08 QQ05 QQ06 SS07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定間隔ごとに周設されてブラシ(9)
    と摺接する直流モータの整流子片(14,37)であっ
    て、 周方向で抵抗率が異なることを特徴とする直流モータの
    整流子片。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の直流モータの整流子片
    において、 前記周方向で異なる抵抗率は、前記整流子片(14)の
    回転方向後方側が同回転方向前方側より大きいことを特
    徴とする直流モータの整流子片。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の直流モータの整流子片
    において、 前記周方向で異なる抵抗率は、前記整流子片(37)の
    周方向両側が周方向中間部よりも大きいことを特徴とす
    る直流モータの整流子片。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1に記載の直流
    モータの整流子片(14,37)を備えた整流子。
  5. 【請求項5】 所定間隔ごとに周設されてブラシ(9)
    と摺接する直流モータの整流子片(14)を備える整流
    子の製造方法であって、 等角度ごとに複数の凸部(31)を設けた丸鋸刃状の低
    抵抗筒体(32)を低抵抗率材料にて形成し、 前記低抵抗筒体(32)の各凸部(31)の内壁面と該
    低抵抗筒体(32)に内接する円周面とで形成される空
    間内に高抵抗体(33)を高抵抗率材料にて形成し、 前記低抵抗筒体(32)に内接する円周面と同外接する
    円周面との略中間に形成される円周面及び前記凸部(3
    1)の内壁面に形成された段部(31a)において径方
    向に縦断する凹部(31b)に沿って軸線方向に切削し
    て、回転方向前方側に低抵抗率領域(21)を、同回転
    方向後方側に高抵抗率領域(22)を有する直流モータ
    の整流子片(14)を形成することを特徴とする整流子
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 所定間隔ごとに周設されてブラシ(9)
    と摺接する直流モータの整流子片(37)を備える整流
    子の製造方法であって、 等角度ごとに複数の矩形波状の凸部(41)を設けた低
    抵抗筒体(42)を低抵抗率材料にて形成し、 前記低抵抗筒体(42)の各凸部(41)の内壁面と該
    低抵抗筒体(42)に内接する円周面とで形成される空
    間内に高抵抗体(43)を高抵抗率材料にて形成し、 前記低抵抗筒体(42)の内壁面よりも若干内側に形成
    される円周面及び各高抵抗体(43)の略中央部におい
    て径方向に縦断する凹部(44)に沿って軸線方向に切
    削して周方向両側に高抵抗率領域(38,39)を、該
    高抵抗率領域(38,39)の中間部に低抵抗率領域
    (40)を有する整流子片(37)を形成することを特
    徴とする整流子の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006187190A (ja) * 2004-11-30 2006-07-13 Denso Corp ブラシ、整流子及び整流機構
JP2008136276A (ja) * 2006-11-27 2008-06-12 Nidec Copal Corp モータ

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