JP2000315939A - 電圧制御発振器 - Google Patents
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Abstract
広い電圧制御発振器を得ること。 【解決手段】電圧制御発振器3は、リングオシレータ制
御回路2と、リングオシレータ1とを有し、リングオシ
レータ1は複数の差動増幅器5乃至8によって構成さ
れ、それぞれの差動増幅器5乃至8は、差動対を構成す
るトランジスタ24及び25にそれぞれ負荷回路22及
び23が接続され、負荷駆動電圧CL1、CL2によっ
て、常に線形領域で動作するよう負荷回路22及び23
が構成されている。
Description
関し、特にリングオシレータを構成する差動増幅器が負
荷回路を備える電圧制限発振器に関する。
ボ用の位相同期ループ(PLL)では数倍〜10倍程度
の広さの出力周波数範囲が必要とされてきている。この
PLLには、入力される電圧に応答して出力周波数を変
化させる電圧制御発振器が組み込まれている。
の集積回路の大規模化(システム化)、高速化に伴って
PLLがオンチップ化されているため、集積化に適した
ものが要求されている。つまり、プロセスばらつきに対
して安定で調整を不要とし、また、集積回路内で発生す
る雑音に対する耐性が高い回路の開発が要求されてい
る。
E JOURNAL OF SOLID−STATE CI
RCUITS Vol.25,NO.6,DECEMB
ER,1990のpp.1385〜1394や同Vo
l.27,No.11,NOBEMVER,1992の
pp.1599〜1607やUSP5412349に開
示されているように、能力を制御出来る負荷を有した差
動増幅器から構成されたリングオシレータが提案されて
いる。これは差動増幅器からなる為に電源雑音に対する
感度が低く、また、同時に動作点の帰還制御を行うこと
により動作点のサンプル間変動が小さく、かつ、負荷の
出力インピーダンスが低いのでチップ内での相対ばらつ
きによる動作点ばらつきも小さく出来るという集積化に
適した特性を有している。
従来の電圧制御発振器を図13に示す。電圧制御発振器
103は、リングオシレータ101、リングオシレータ
の動作を制御するリングオシレータ制御回路102とか
ら構成されている。図14はリングオシレータ101の
従来例で、差動増幅器105〜108から構成されてい
る。差動増幅器105〜108の各々は、差動増幅器の
プラス入力I1およびマイナス入力I2、差動増幅器の
プラス入力O1およびマイナス出力O2、電流制御電圧
端子IC、負荷制御電圧端子CLとを備えている。差動
増幅器105〜108の4ヶが、この順に従属接続さ
れ、かつ、差動増幅器108の出力が差動増幅器105
の入力に逆相で帰還されることにより4段のリングオシ
レータを構成している。これは、差動増幅器から構成さ
れているので、その高い電源変動除去能力により、電源
雑音に対する感度が低く押さえられる。電流制限電圧端
子ICは差動増幅器105〜108の回路電流を制御す
る機能、付加制御電圧端子CLは差動増幅器105〜1
08の負荷の能力を調整してその同相出力電圧が図13
中に示された基準電圧に常に一致するように制御する機
能を有している。図15は、図13中のリングオシレー
タ制御回路102の従来例である。NMOSFET11
1は、ゲートが電圧制御発振器103の入力である発振
周波数制御電圧端子に接続され、ソースが抵抗110
に、ドレインがPMOSFET112のドレインと接続
されている。112のゲートはそのドレインに、ソース
は電源端子115に接続されている。差動増幅器113
は、リングオシレータ101を構成する差動増幅器10
5〜108と同一構成の差動増幅器で、その両入力端子
はともに基準電圧端子に接続され両出力端子はシングル
エンド出力の演算増幅器114のプラス入力に接続され
ている。その演算増幅器114の出力は、差動増幅器1
13の負荷制御電圧端子CLに接続され、差動増幅器1
13の電流制御電圧端子ICにはPMOSFET112
のドレインが接続されている。演算増幅器114のマイ
ナス入力は、差動増幅器113の入力端子と同様、基準
電圧に接続されている。演算増幅器114は差動増幅器
113の出力が基準電圧と一致するように差動増幅器1
13の付加制御電圧端子CLの電圧を制御する。差動増
幅器113はリングオシレータ101を構成する差動増
幅器105〜108と同一な回路でその回路電流および
負荷制御電圧も差動増幅器105〜108と同一である
ので、その同相出力電圧は差動増幅器105〜108の
同相出力電圧と一致することになる。
113の回路図である。NMOSFET124、125
が差動入力対で、NMOSFET126が電流源であ
る。負荷122、123は同一の回路で、従来は図17
や図18に示される回路が用いられていた。図17の負
荷回路は負荷制御電圧がゲートに入力されたNMOSF
ET132とゲートがそのドレインと接続されたNMO
SFET133とを組み合わせたものである。端子13
1が図16の出力端子O1、O2に接続される。NMO
SFET133のゲートが出力131に接続されている
為に、NMOSFET133の端子131から見たイン
ピーダンスつまり出力インピーダンスは133の相互コ
ンダクダンスに反比例するので低い値となる。負荷制御
電圧にゲートが接続されたNMOSFET132は、負
荷制御電圧が低い場合、出力131の電圧Voと負荷制
御電圧VCLとの間に VCL−Vth < Vo の関係が成り立つ場合には飽和領域で動作することにな
るために、その出力インピーダンスは非常に大きくな
る。すなわち、電流変化ΔVに対する電圧変化Δiで示
される出力インピーダンスは、ΔV/Δiで求められる
が、飽和領域では、電流iはほぼ一定であるため、Δi
はきわめて0に近い値となり、出力インピーダンスは、
実質的に無限大になる。ここでVthは、NMOSFE
T132のしきい値電圧である。しかし、動作電流を変
化させても同相出力電圧を一定にする為には、負荷制御
電圧によって能力を制御出来るNMOSFET132が
必要である。NMOSFET133だけでは同相出力電
圧の制御は出来ず、動作電流によって同相出力電圧が変
化することになる。結局、NMOSFET132とNM
EOSFET133を組み合わせることにより、負荷の
出力インピーダンスが低く、かつ、同相出力電圧を一定
に制御することが可能となる。
MOSFET133のソース側に負荷制御電圧がゲート
に入力されたNMOSFET134が追加されている。
図17の回路では、動作電流が少なくなりNMOSFE
T133にその大半が流れるようになるとそれより少な
い動作電流域では振幅が小さくなる。図18の回路で
は、NMOSFET134が追加されている為にこれが
緩和されることになる。しかし、この場合、NMOSF
ET133とNMOSFET134の直列回路の出力イ
ンピーダンスはNMOSFET134で決定されること
になる為、結局NMOSFET133とNMOEFET
134の出力インピーダンスはNMOSFET134が
飽和領域で動作するようになると非常に高くなってしま
う。結局、図17や図18に示される回路を負荷とした
差動増幅器121には、使用可能な動作電流下限が存在
する。そのため、差動増幅器121により構成される電
圧制御発振器103の出力周波数範囲には下限が存在す
ることになる。
がある理由を述べる。それは通常のCMOSデジタル回
路に接続する為にはリングオシレータ101つまり電圧
制御発振器103の差動出力をシングルエンドのCMO
Sレベルに変換する必要があるが、その為には電圧制御
発振器103の差動出力の同相出力電圧を安定させる必
要があるからである。シングルエンドのCMOSレベル
に変換する回路が正常に動作しなくなったり、動作はし
ても動作速度やデューディ比が劣化するからである。
は、差動増幅器105〜108、113の電流源トラン
ジスタ126や負荷回路を構成するトランジスタ間の相
対ばらつきによって差動増幅器105〜108、113
の動作点が大きくばらつくことを防ぐ為であり、また、
他の配線とやシリコン基板を介した結合による影響を小
さくする為である。
図18の負荷回路を負荷とする差動増幅器121で構成
されたリングオシレータを有する電圧制御発振器は集積
化に適した特性を有しているが、発振周波数範囲が狭い
という欠点を有している。CDーROM等のディスク系
サーボ用のPLLでは数倍〜10倍程度の広さの出力周
波数範囲が必要とされるが、このような用途には、従来
の電圧制御発振器を利用することが困難であった。
回路では、ゲートとドレインをショートしたトランジス
タを有するが、トランジスタのしきい値電圧が高い場合
には、差動増幅器121の同相出力電圧を高くしなけれ
ばならない。しかし、同相出力電圧が高くなると入力差
動対を構成するトランジスタ124、125が飽和しな
くなり、電圧ゲインが取れなくなる為、差動増幅器12
1の同相出力電圧を十分に低くしなければならない。従
って、この場合には、負荷回路を構成するトランジスタ
のしきい値電圧を下げる為に、専用の製造工程を追加す
る必要があった。
追加することなしに発振周波数範囲の広い電圧制御発振
器を提供することにある。
発振器は、第1の入力端子、第2の入力端子、第1の出
力端子、第2の出力端子及び電流制限端子を備えた複数
の差動増幅器の前記第1及び第2の入力端子と対応する
前記複数の差動増幅器の第1及び第2の出力端子とをリ
ング状に接続して構成されたリングオシレータを有する
電圧制御発振器であって、前記複数個の差動増幅器は、
それぞれ、第1の出力端子に接続された第1の負荷回路
と、第2の出力端子に接続された第2の負荷回路とを備
え、前記第1及び第2の負荷回路は常に線形領域で動作
することを特徴とする。
入力端子、第2の入力端子、第1の出力端子、第2の出
力端子及び電流制限端子を備えた複数の差動増幅器の前
記第1及び第2の入力端子と対応する前記複数の差動増
幅器の第1及び第2の出力端子とをリング状に接続して
構成されたリングオシレータを有する電圧制御発振器で
あって、前記複数個の差動増幅器は、それぞれ、前記第
1の出力端子に接続され負荷制御電圧を受ける第1の負荷
回路と、前記第2の出力端子に接続され前記第1及び第
2の負荷制御電圧を受ける第2の負荷回路とを備え、前
記第1及び第2の負荷回路は前記第1及び第2の負荷制御
電圧に応答して常に線形領域で動作することを特徴とす
る。
力インピーダンスは常に低く押さえられ、発振周波数の
範囲を広げることが可能となる。
を参照しながら詳述する。
振器を、図1を参照して説明する。
と基準電圧とが入力されるリングオシレータ制御回路2
と、リングオシレータ2が出力する電流制御電圧と負荷
制御電圧1および2が入力されるリングオシレータ1を
有する。このリングオシレータ1の出力は本電圧制御発
振器3の出力となる。図1のリングオシレータ1の構成
を図2に示す。リングオシレータ1は、差動増幅器5〜
8から構成され、差動増幅器のそれぞれプラス入力I1
およびマイナス入力I2、差動増幅器のそれぞれプラス
出力O1およびマイナス出力O2、電流制御電圧端子I
C、2つの負荷制御電圧端子CL1、CL2とを備え
る。差動増幅器5〜8の4ヶがこの順に従属接続され、
かつ、差動増幅器8の出力が差動増幅器5の入力に逆相
で帰還されることにより4段のリングオシレータを構成
している。また、負荷制御電圧端子CL1とCL2によ
り同相出力電圧を一定に制御しながら電流制限電圧端子
ICにより動作電流を増減させることにより発振周波数
を制御している。ここでは4段構成のリングオシレータ
を用いているが、3段以上であれば発振器として機能す
ることは当業者には良く知られている。
示す。差動増幅器5〜8は、負荷制御電圧端子CL1お
よびCL2から負荷制御電圧1および2が供給される負
荷回路22、23、ゲートがそれぞれ入力I1、I2に
ドレインがそれぞれ出力O2、O1に接続される入力差
動対を構成するPMOSFET24、25、電流制御端
子ICがゲートに接続され、ソースが電圧源18に接続
された電流源を構成するPMOSFET26とから構成
されている。
は、それぞれ図5に示されるように、負荷制御電圧1が
ゲートに接続されるNMOSFET32および負荷制御
電圧2がゲートに接続されるNMOSFET33から構
成されている。NMOSFET32とNMOSFET3
3はその(ゲート幅)/(ゲート長)をそれぞれK3
2、K33とすると、K32はK33と同程度かもしく
は大きくする。出力端子31は、差動対24、25の一
方のドレインに接続される。
を、図3に示す。リングオシレータ制御回路2は、接地
とNMOSFET16のソースとの間に配置された抵抗
15、ゲートには電圧制御発振器3の入力である発振周
波数制御電圧が入力されているNMOSFET16、そ
のドレインとゲートがNMOSFET16のドレインと
接続され、ソースが電圧源18に接続されたPMOSF
ET17、PMOSFET17とNMOSFET16と
の接続点から発生された電流制御電圧を電流制御端子I
Cに受ける差動増幅器19、電圧制御発振器3に入力さ
れる電圧である基準電圧がマイナス入力に、19の出力
がプラス入力に接続されて、出力が負荷制御電圧1とな
る演算増幅器20、負荷制御電圧1を入力とし負荷制御
電圧2を出力する電圧増幅器10とを備える。また、電
流静電電圧は、リングオシレータ1を構成する差動増幅
器5〜8の電流制御端子ICに接続されて、差動増幅器
5〜8の動作電流が制御されている。
相出力電圧と等しい電圧を出力する回路であれば良い
が、本実施例では差動増幅器5〜8と全く同一回路構成
の差動増幅器の両入力に電圧制御発振器3の入力である
基準電圧を接続し、出力O1、O2をショートした回路
としている。ここで、差動増幅器19は、差動増幅器5
〜8の同相出力電圧と等しい電圧を出力する、例えば、
図4に示す差動増幅器21において電流源26のゲート
幅を1/2にして負荷回路23と差動対トランジスタ2
5を取り去った回路に、上述の差動増幅器19と同様に
IC、CL1、CL2、基準電圧を接続した回路や、差
動増幅器21において両差動対トランジスタPMOSF
ET24、25を取り去りPMOSFET26と負荷回
路22、23とを直接接続した(勿論、基準電圧を接続
しない)回路でも良い。
が負荷制御電圧1に接続されたNMOSFET11、ソ
ースが電圧源18にゲートとドレインがNMOSFET
11のドレインに接続されたPMOSFET12、ソー
スが18にゲートがPMOSFET12のゲートに接続
されたPMOSFET13、ソースが接地にドレインと
ゲートがPMOSFET13のドレインに接続されたN
MOSFET14から構成されている。NMOSFET
14のドレイン電圧は負荷制御電圧2として出力され
る。この負荷制御電圧2は負荷制御電圧1と同様に、差
動増幅器19およびリングオシレータ1を構成する差動
増幅器5〜8に供給される。
あり本実施例も図1に示される様に入力電圧である発振
周波数制御電圧によって制御される発振出力を得ること
を目的とする回路を示すものである。図1の回路は発振
周波数制御電圧が高くなると出力の発振周波数も高くな
る。まず、この動作をについて説明する。
ートにIC端子電圧が印加される電流源26の電流であ
り、これは図3よりPMOSFET17のソース・ドレ
インを流れる電流がミラーされて決まる。また、PMO
SFET17には、抵抗15と同じ電流が流れる。抵抗
15には、発振周波数制御電圧がNMOSFET16の
しきい値電圧以下では電流は殆ど流れず、発振周波数制
御電圧がNMOSFET16のしきい値を越えると {(発振周波数制御電圧)−(16のしきい値電圧)}/R (式1) にほぼ比例する電流が流れることは良く知られている。
ここでRは、抵抗15の抵抗値である。従って、差動増
幅器5〜8、19の動作電流は、上式にほぼ比例して決
まることになる。
数は 1/(2πCLRL) (式2) に一致する。ここでCLは、差動増幅器5〜8それぞれ
の出力O1、O2の負荷容量でPMOSFET24、2
5および負荷回路22、23を構成するNMOSFET
32、33のドレイン接合容量、次段のPMOSFET
24、25のゲート容量および接続配線の容量から成
る。RLは5〜8の出力O1、O2の出力インピーダン
スで、負荷回路22とPMOSFET24との出力イン
ピーダンスの和、または、負荷回路23とPMOSFE
T25との出力インピーダンスの和となる。発振周波数
が上式で与えられる理由は、以下のように説明出来る。
上式で与えられる周波数は、差動増幅器5〜8の第1ポ
ール周波数であり、差動増幅器5〜8の出力は、この周
波数で45°位相が回転する。また、発振は、5の入力
から8の出力までに位相が180°回転する周波数で起
こり、さらに、図2のリングオシレータ1は、4段構成
であるので、一段あたり45°位相が回転する周波数で
発振することになる。従って、リングオシレータ1は、
丁度この第1ポール周波数で発振することになる。当然
のことながら、RLは回路電流が増加すると小さくな
る。よって、動作電流が(式1)にほぼ比例することか
ら、発振周波数制御電圧が高くなると電圧制御発振器3
の出力周波数が高くなることがわかる。当然、発振周波
数制御電圧が接地レベルの場合には電流が流れない為、
発振は停止する。尚、4段以外の段数のリングオシレー
タの発振周波数は(式2)と異なる式で与えられるが、
同様な考えたで求めることが出来、やはり発振周波数制
御電圧が高くなると電圧制御発振器3の出力周波数が高
くなることに変わりはない。
1を構成する差動増幅器5〜8の出力インピーダンスを
低く出来ることについて説明する。まず、図2における
負荷制御電圧1と負荷制御電圧2との関係について言及
する。ここでは、図3中のトランジスタ11〜14の
(ゲート幅)/(ゲート長)をそれぞれK11、K1
2、K13、K14、NMOSFET11、14のしき
い値電圧をVtn、PMOSFET12、13のしきい
値電圧をVtpとする。11〜14は飽和領域で動作す
るように設定する。すると、11〜14のそれぞれの電
流I11〜I14は良く知られているように次式で与え
られる。
ホールのモビリティ、Coxは単位面積当りのゲート容
量、Vgsn11はNMOSFET11のゲートとソー
ス間の電圧、VgspはPMOSFET12、13のゲ
ートとソース間の電圧、Vgsn14はNMOSFET
14のゲートとソース間の電圧である。PMOSFET
12と13はゲートが共通でソースは共に電圧源18に
接続されているので、ゲートとソース間の電圧は等しく
なる。また、NMOSFET11とPMOSFET12
およびPMOSFET13とNMOSFET14に流れ
る電流は等しいので I11 = I12 (式7) I13 = I14 (式8) が成り立つ。式3〜8より、 Vgsn14−Vtn= {K11K13/(K12K14)}1/2(Vgsn11−Vtn) (式9) が得られる。これより、Vgsn14−Vtnは常にV
gsn11−Vtnの{K11K13/(K12K1
4)}1/2倍の電圧となることがわかる。例えば、K
11をK12の2倍、K13をK14の2倍とするとV
gsn14−Vtnは常にVgsn11−Vtnの2倍
の電圧となる。つまり、ゲート幅とゲート長の比である
K11〜K14を適当な値にすることにより負荷制御電
圧2とVtnとの差を負荷制御電圧1とVtnとの差の
定数倍に常にしておくことが出来る。これより負荷回路
22、23を構成するNMOSFET32、33におい
てNMOSFET33のゲートとソース間の電圧をNM
OSFET32のものより任意に高くすることができ
る。従って負荷制御電圧1の電圧値が、NMOSFET
32が飽和領域で動作するような電圧であっても、NM
OSFET33を線形領域で動作させることが出来る。
図4の差動増幅器において負荷回路を構成するNMOS
FET32、33が線形領域動作するか飽和領域動作す
るかの違いは、本実施例においては同相出力電圧が基準
電圧に固定されるので (ゲートとソース間電圧)−(しきい値電圧) によって決まることは当業者には良く知られている。
(式9)によって、トランジスタ33のこの電圧を任意
に高く設定出来るので、本実施例においては発振周波数
制御電圧が低く、負荷制御電圧1の電圧がNMOSFE
T32が飽和領域で動作するような低い電圧となる場合
においても、K13〜K14の値を適当な値に設定する
ことによって、負荷制御電圧2の電圧をNMOSFET
33が線形領域で動作するような電圧にすることが出来
る。尚、電圧増幅器10を他の電圧ゲイン精度の高い電
圧増幅器に置き換えても同様な動作を得ることが出来
る。
OSFET32、33の駆動能力は、先に飽和領域に達
するNMOSFET方が線形領域で動作するNMOSF
ETよりも小さな駆動能力を持って形成される必要があ
る。これは、飽和領域で動作しているNMOSFETの
駆動能力が支配的になると、線形領域で動作するNMO
SFETの出力インピーダンスが出力31の出力インピ
ーダンスにほとんど寄与しなくなり、出力31の出力イ
ンピーダンスがおおきくなってしまうためである。従っ
て、線形領域で動作するNMOSFETのゲート幅を飽
和領域で動作するNMOSFETのゲート幅よりも大き
く設定すれば良い。ゲート幅は、NMOSFETを並列
に接続することで実現することができるので、製造工程
を増やすことなく実現することができる。
示す。基本的な構成は、前の実施例と同様であるが負荷
回路が2ヶのトランジスタの並列接続から図10のよう
にnヶのトランジスタより構成されている(n>2)。
また、負荷制御電圧も負荷回路を構成するトランジスタ
数と同数のnヶに拡張されている。このnヶの負荷制御
電圧は、前実施例と同様に図8のような回路によって発
生する。ここでは図3の10と接続として同一の回路が
(n−1)ヶ用いられている。前実施例で求めた電圧増
幅度を決める{K11K13/(K12K14)}1/
2をこの(n−1)ヶについて求めたものをそれぞれα
1、α2、……、αn−1とすると、本実施例では、 α1 < α2 < …… < αn−1 となるように設定する。つまり、負荷制御電圧1〜nに
ついて、 (負荷制御電圧1)<(負荷制御電圧2)<
…… <(負荷制御電圧n)とする。
例よりもより広い動作電流範囲において負荷回路を構成
するいずれかのトランジスタを線形領域で動作させるこ
とが出来る。すなわち、より広い動作電流範囲でリング
オシレータを構成する差動増幅器の出力インピーダンス
を低くすることが出来、より広い安定発振周波数範囲を
持つ電圧制御発振器を得ることが出来る。
動作しているトランジスタの駆動能力が線形領域で動作
しているトランジスタの駆動能力よりも小さくなるよう
にトランジスタの駆動能力を変えると更に効果的であ
る。
の回路に置き換えることが出来る。図11の回路は、図
8の回路に比べるとトランジスタ数を少なく出来る。こ
の回路の場合には、図3の10において求めた{K11
K13/(K12K14)}1/2においてK13とK
14の値をそれぞれ対応するトランジスタのものに置き
換えて考えれば前実施例と全く同様に考えることが出来
る。
OSFET90を追加したものである。本負荷回路を用
いても図6と同様な動作を行う電圧制御発振器を実現出
来る。しかし、この図12の回路を用いた場合には、図
10の負荷回路では、その全トランジスタが飽和領域で
動作して出力インピーダンスが高くなってしまうような
低動作電流時にもNMOSFET90の存在により出力
インピーダンスを低くすることが出来、図10の負荷回
路では、全トランジスタが飽和領域で動作するような低
動作電流時には相対ばらつき等によって発振が停止して
しまうという問題を解決することができる。従って、同
相出力電圧が低下してしまい精度等が劣化したとして
も、発振出力を確実に得ることができる。
の出来る周波数範囲を広げた電圧制御発振器を提供する
ことができる。並列接続する負荷トランジスタ数と負荷
制御電圧数を増やせば、任意に発振周波数範囲を広げる
ことが出来る。基準電圧をより低く設定することができ
るため、負荷回路を構成するトランジスタを線形領域で
動作させやすくなり一層リングオシレータを構成する差
動増幅器の出力インピーダンスを低くしやすいという利
点がある。この点からも、動作電流範囲を広くすること
が出来る効果がある。
準電圧の電圧値に拘わらず、MOSFETのしきい値電
圧にも拘わらずに電圧制御発振器を実現することができ
る。
示すブロック図。
図。
ブロック図。
図。
図。
図。
路図。
Claims (10)
- 【請求項1】第1の入力端子、第2の入力端子、第1の
出力端子、第2の出力端子及び電流制限端子を備えた複
数の差動増幅器の前記第1及び第2の入力端子と対応す
る前記複数の差動増幅器の第1及び第2の出力端子とを
リング状に接続して構成されたリングオシレータを有す
る電圧制御発振器であって、前記複数個の差動増幅器
は、それぞれ、第1の出力端子に接続された第1の負荷回
路と、第2の出力端子に接続された第2の負荷回路とを
備え、前記第1及び第2の負荷回路は常に線形領域で動
作することを特徴とする電圧制御発振器。 - 【請求項2】前記差動増幅器は、第1の電源ラインと第
1の節点との間に接続されゲートに電流制御電圧が印加
される第1のトランジスタと、前記第1の節点と前記第
1の入力端子との間に接続されゲートに第1の入力信号
を受ける第2のトランジスタと、前記第1の節点と前記
第2の入力端子の間に接続されゲートに第2の入力信号
を受ける第3のトランジスタと、前記第1の節点と第2
の電源ラインとの間に接続された前記第1の負荷回路
と、前記第1の節点と第2の電源ラインとの間に接続さ
れた前記第2の負荷回路とによって構成されていること
を特徴とする請求項1記載の電圧制御発振器。 - 【請求項3】前記第1の負荷回路は、前記第1の入力端
子と前記第2の電源ラインとの間に接続されゲートに第
1の負荷制御電圧が印加される第4のトランジスタと、
前記第1の入力端子と第2の電源ラインとの間に接続さ
れゲートに第2の負荷制御電圧が印加される第5のトラ
ンジスタとを備え、前記第2の負荷回路は、前記第2の
入力端子と前記第2の電源ラインとの間に接続されゲー
トに前記第1の負荷制御電圧が印加される第6のトラン
ジスタと、前記第2の入力端子と前記第2の電源ライン
との間に接続されゲートに前記第2の負荷制御電圧が印
加される第7のトランジスタとを備えることを特徴とす
る請求項2記載の電圧制御発振器。 - 【請求項4】前記第4のトランジスタと第5のトランジ
スタ及び第6のトランジスタと第7のトランジスタの電
流増幅率はそれぞれ異なっていることを特徴とする請求
項3記載の電圧制御発振器。 - 【請求項5】前記第4のトランジスタと第5のトランジ
スタ及び第6のトランジスタと第7のトランジスタのゲ
ート幅/ゲート長の比がそれぞれ異なっていることを特
徴とする請求項3記載の電圧制御発振器。 - 【請求項6】発振周波数制御電圧に応答して、前記第1
の負荷制御電圧と、前記第1の負荷制御電圧とは異なる
前記第2の負荷制御電圧を発生させるリングオシレータ
制御回路を備えることを特徴とする請求項3記載の電圧
制御発振器。 - 【請求項7】前記リングオシレータ制御回路は、前記発
振周波数制御電圧及び基準電圧に応答して前記第1の負
荷制御電圧を発生させる負荷制御電圧発生回路と、前記
第1の負荷制御電圧に応答して前記第1の負荷制御電圧
に比例した前記第2の負荷制御電圧を発生させる第2の
負荷制御電圧発生回路とを備えることを特徴とする請求
項6記載の電圧制御発振器。 - 【請求項8】第1の入力端子、第2の入力端子、第1の
出力端子、第2の出力端子及び電流制限端子を備えた複
数の差動増幅器の前記第1及び第2の入力端子と対応す
る前記複数の差動増幅器の第1及び第2の出力端子とを
リング状に接続して構成されたリングオシレータを有す
る電圧制御発振器であって、前記複数個の差動増幅器
は、それぞれ、前記第1の出力端子に接続され負荷制御
電圧を受ける第1の負荷回路と、前記第2の出力端子に
接続され前記第1及び第2の負荷制御電圧を受ける第2
の負荷回路とを備え、前記第1及び第2の負荷回路は前
記第1及び第2の負荷制御電圧に応答して常に線形領域
で動作することを特徴とする電圧制御発振器。 - 【請求項9】前記第1の負荷制御電圧及び前記第1の負
荷制御電圧とは異なる前記第2の負荷制御電圧を発生さ
せる負荷制御電圧発生回路を更に備えることを特徴とす
る請求項8記載の電圧制御発振器。 - 【請求項10】前記第1の負荷回路は、前記第1の出力
端子と第1の電源ラインとの間に接続されゲートに前記
第1の負荷制御電圧が印加された第1のトランジスタ
と、前記第1の出力端子と前記第1の電源ラインとの間
に接続されゲートに前記第2の負荷制御電圧が印加され
た第2のトランジスタとによって構成され、前記第2の
負荷回路は、前記第2の出漁端子と前記第1の電源ライ
ンとの間に接続されゲートに前記第1の負荷制御電圧が
印加された第3のトランジスタと、前記第2の出力端子
と前記第1の電源ラインとの間に接続されゲートに前記
第2の負荷制御電圧が印加された第4のトランジスタと
によって構成され、前記第1のトランジスタ及び第3の
トランジスタが飽和領域にあるとき、前記第2及び第3
のトランジスタが線形領域にあるように前記第1及び第
2の負荷制御電圧が供給されることを特徴とする請求項
9記載の電圧制御発振器。
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