JP2000315832A - 半導体レーザー励起固体レーザー - Google Patents

半導体レーザー励起固体レーザー

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JP2000315832A
JP2000315832A JP11123818A JP12381899A JP2000315832A JP 2000315832 A JP2000315832 A JP 2000315832A JP 11123818 A JP11123818 A JP 11123818A JP 12381899 A JP12381899 A JP 12381899A JP 2000315832 A JP2000315832 A JP 2000315832A
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solid
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state laser
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semiconductor laser
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JP11123818A
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English (en)
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Yoji Okazaki
洋二 岡崎
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光波長変換素子と、励起源である半導体レー
ザーとが共通の温度調節手段によって所定温度に制御さ
れる半導体レーザー励起固体レーザーにおいて、半導体
レーザーの選択の自由度を高くして、装置をコストダウ
ンする。 【解決手段】 共振器内に固体レーザービーム20を波長
変換する周期ドメイン反転構造を有する光波長変換素子
16が配され、この光波長変換素子16と、励起源である半
導体レーザー11とが、ペルチェ素子31等からなる共通の
温度調節手段によって所定温度に制御される半導体レー
ザー励起固体レーザーにおいて、光波長変換素子16とし
て、互いに周期が異なる複数の周期ドメイン反転構造が
固体レーザービーム20の通過方向に並設されてなるもの
を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体レーザー励起
固体レーザーに関し、特に詳細には、周期ドメイン反転
構造を有する光波長変換素子により固体レーザービーム
を波長変換する半導体レーザー励起固体レーザーに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】例えば特開平7−302946号に示さ
れるように、ネオジウム等の希土類が添加された固体レ
ーザー媒質を半導体レーザー(レーザーダイオード)に
よってポンピングする半導体レーザー励起固体レーザー
が公知となっている。この半導体レーザー励起固体レー
ザーにおいては、通常、半導体レーザーの発振波長を固
体レーザー媒質の吸収ピーク波長に正確に合わせるため
に、半導体レーザーを温度調節手段によって所定温度に
制御するようにしている。
【0003】また、この種の半導体レーザー励起固体レ
ーザーにおいては、上記特開平7−302946号にも
示されている通り、共振器内に光波長変換素子を配し
て、発振した固体レーザービームを第2高調波等に波長
変換(短波長化)することも広く行なわれている。その
場合には、光波長変換素子として、非線形光学結晶に周
期ドメイン反転構造を設けてなるものが用いられること
も多い。
【0004】この波長変換機能を有する半導体レーザー
励起固体レーザーにおいては、光波長変換素子を位相整
合温度に保つ必要があるので、通常この光波長変換素子
も、温度調節手段によって所定温度に制御される。なお
一般には、共振器長を所定値に保つために、光波長変換
素子を含む共振器の部分が全体的に温度調節されるよう
になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに半導体レーザーもまた光波長変換素子も温度調節す
る場合は、装置の低コスト化および小型化の上では、双
方を共通の手段で温度調節するのが有利である。
【0006】しかし、そのようにする場合は、当然、半
導体レーザーと光波長変換素子とが互いに等しい温度に
制御されるから、半導体レーザーの制御温度(つまり、
固体レーザー媒質の吸収ピーク波長と同じ発振波長とな
る温度)と光波長変換素子の位相整合温度とが一致して
いないと、高効率のレーザー発振および高効率の波長変
換を両立させることはできない。
【0007】このような事情から従来は、光波長変換素
子の位相整合許容温度範囲に入る温度のとき所望波長で
発振する半導体レーザーを選択したり、あるいはその逆
に、半導体レーザーが所望波長で発振するときの温度に
適合した位相整合温度を有する光波長変換素子を選択す
る等していた。
【0008】また、光波長変換素子の位相整合許容温度
範囲を拡げるために、その素子長(結晶長)を例えば2
mm程度と比較的短くすることもなされていた。
【0009】しかし、上述のように光波長変換素子ある
いは半導体レーザーを厳しい条件の下に選択して使用す
ると、半導体レーザー励起固体レーザーのコストが高く
ついてしまう。また、光波長変換素子の長さを短くする
と、該素子と基本波である固体レーザービームとの相互
作用長が短くなるので、波長変換効率が低下することに
なる。
【0010】本発明は上記の事情に鑑み、周期ドメイン
反転構造を有する光波長変換素子により発振ビームを第
2高調波等に波長変換する半導体レーザー励起固体レー
ザーにおいて、高効率のレーザー発振および高効率の波
長変換を両立させた上で、半導体レーザーの選択の自由
度を高くして、装置のコストダウンを図ることを目的と
する。
【0011】また本発明は、上述のように半導体レーザ
ーの選択の自由度を高くしても、光波長変換素子を比較
的長く形成することができ、それにより、高い波長変換
効率を確保することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の半導
体レーザー励起固体レーザーは、前述したように共振器
内に固体レーザービームを第2高調波等に波長変換する
周期ドメイン反転構造を有する光波長変換素子が配さ
れ、この光波長変換素子と、励起源である半導体レーザ
ーとが共通の温度調節手段によって所定温度に制御され
る半導体レーザー励起固体レーザーにおいて、光波長変
換素子として、互いに周期が異なる複数の周期ドメイン
反転構造を固体レーザービームの通過方向に並べて有す
るものが用いられたことを特徴とするものである。
【0013】また、本発明による第2の半導体レーザー
励起固体レーザーは、上記と同様に共振器内に固体レー
ザービームを第2高調波等に波長変換する周期ドメイン
反転構造を有する光波長変換素子が配され、この光波長
変換素子と、励起源である半導体レーザーとが共通の温
度調節手段によって所定温度に制御される半導体レーザ
ー励起固体レーザーにおいて、光波長変換素子として、
互いに周期が異なる複数の周期ドメイン反転構造を固体
レーザービームの通過方向と交わる方向に並べて有する
ものが用いられたことを特徴とするものである。
【0014】この第2の半導体レーザー励起固体レーザ
ーにおいては、好ましくは、固体レーザービームと光波
長変換素子とを、固体レーザービームの通過方向と交わ
る方向に相対的に移動させて、この固体レーザービーム
が通過する周期ドメイン反転構造を選択する。
【0015】また本発明による第3の半導体レーザー励
起固体レーザーは、上記と同様に共振器内に固体レーザ
ービームを第2高調波等に波長変換する周期ドメイン反
転構造を有する光波長変換素子が配され、この光波長変
換素子と、励起源である半導体レーザーとが共通の温度
調節手段によって所定温度に制御される半導体レーザー
励起固体レーザーにおいて、光波長変換素子として、チ
ャープ状の周期構造を有する周期ドメイン反転構造を備
えたものが用いられたことを特徴とするものである。
【0016】この第3の半導体レーザー励起固体レーザ
ーにおいては、好ましくは、固体レーザービームと光波
長変換素子とを、固体レーザービームの通過方向と交わ
る方向に相対的に移動させて、この固体レーザービーム
が通過する周期ドメイン反転構造の領域を選択する。
【0017】なお、以上説明した本発明による半導体レ
ーザー励起固体レーザーにおいて、好ましくは、光波長
変換素子を含む共振器の部分が全体的に温度調節手段に
よって所定温度に制御される。
【0018】また本発明の半導体レーザー励起固体レー
ザーにおいて、光波長変換素子としは、LiNbx Ta
1-x3 (0≦x≦1)結晶、またはそれにMgOもし
くはZnOがドープされた結晶に周期ドメイン反転構造
が形成されてなるものが好適に用いられる。
【0019】他方、本発明の半導体レーザー励起固体レ
ーザーにおいて、固体レーザー結晶としては、第2高調
波を発生する光波長変換素子としても作用するセルフダ
ブリング結晶が好適に用いられる。そのようなセルフダ
ブリング結晶のうち望ましいものとしては、MgOとN
dとがドープされたLiNbO3に結晶に周期ドメイン
反転構造が形成されてなるものが挙げられる。
【0020】
【発明の効果】本発明による第1の半導体レーザー励起
固体レーザーにおいては、光波長変換素子として、互い
に周期が異なる、つまり位相整合温度が異なる複数の周
期ドメイン反転構造が固体レーザービームの通過方向に
並設されてなるものが用いられているので、光波長変換
素子の位相整合許容温度範囲が拡大する。
【0021】すなわち、例えば位相整合温度がそれぞれ
1 、T2 (T1 <T2 )である2つの周期ドメイン反
転構造が形成されていて、各々において波長変換効率の
ピーク値(温度がそれぞれT1 、T2 のときの波長変換
効率)の半値となる温度まで許容するものと仮定する
と、光波長変換素子の位相整合許容温度範囲は図3に示
す通り、(T1 ±ΔT1 )および(T2 ±ΔT2 )とな
る。なおΔT1 、ΔT2は、上記半値以上の波長変換効
率が得られる温度幅の半分の値である。それに対して、
従来装置のように周期ドメイン反転構造が上記のうちの
片方だけ形成された場合は、光波長変換素子の位相整合
許容温度範囲は(T1 ±ΔT1 )あるいは(T2 ±ΔT
2 )である。
【0022】そして、より好ましい態様として、2つの
周期ドメイン反転構造において上記半値以上の波長変換
効率を得る温度範囲が互いに連続するようにしておけ
ば、つまり(T2 −ΔT2 )=(T1 +ΔT1 )となる
ようにしておけば、2つの周期を有するドメイン反転構
造の波長変換効率は、2つの領域の合成された温度許容
範囲を持って、図3の破線aのようになる。その結果、
(T1 −ΔT1 )から(T2 +ΔT2 )という広い連続
的温度範囲の中で、固体レーザー媒質の吸収ピーク波長
と等しい波長で発振する半導体レーザーを使用可能とな
る。
【0023】以上により本発明の第1の半導体レーザー
励起固体レーザーによれば、高効率のレーザー発振およ
び高効率の波長変換を両立させた上で、半導体レーザー
の選択の自由度を高めることができる。
【0024】それに対して、従来装置におけるように、
光波長変換素子の位相整合許容温度範囲が(T1 ±ΔT
1 )あるいは(T2 ±ΔT2 )である場合は、この(T
1 ±ΔT1 )あるいは(T2 ±ΔT2 )という狭い温度
範囲の中で、固体レーザー媒質の吸収ピーク波長と等し
い波長で発振する半導体レーザーを選択使用しなければ
ならない。
【0025】また、本発明による第2の半導体レーザー
励起固体レーザーにおいては、光波長変換素子として、
互いに周期が異なる複数の周期ドメイン反転構造が固体
レーザービームの通過方向と交わる方向に並設されてな
るものが用いられているので、この場合は、固体レーザ
ービームを通過させる周期ドメイン反転構造をそれらの
中から選択すれば、上記と同様にして光波長変換素子の
位相整合許容温度範囲が拡大する。それにより、高効率
のレーザー発振および高効率の波長変換を両立させた上
で、半導体レーザーの選択の自由度を高めることができ
る。
【0026】この第2の半導体レーザー励起固体レーザ
ーでは、複数の周期ドメイン反転構造が固体レーザービ
ームの通過方向と交わる方向に並べて形成されているの
で、固体レーザービームが通過する周期ドメイン反転構
造を選択するために、固体レーザービームと光波長変換
素子とを、上記方向に相対的に移動させる必要がある。
このような位置調整は、手操作で光波長変換素子の配置
位置を変える等して行なうこともできるが、上記相対的
移動を行なう位置調整手段を有する治具を設けておけ
ば、位置調整が容易に行なわれ得る。
【0027】なおこの第2の半導体レーザー励起固体レ
ーザーでは、上記位置調整が必要である反面、それぞれ
の周期ドメイン反転構造をいずれも素子全長に亘って形
成することができる。例えば光波長変換素子の素子長が
4mmであるとすると、各周期ドメイン反転構造はそれ
ぞれ最大4mmの長さに形成することができる。
【0028】それに対して前記第1の半導体レーザー励
起固体レーザーでは、各周期ドメイン反転構造を、素子
全長を分割した領域に形成しなければならない。例えば
光波長変換素子の素子長が4mmで、互いに同じ長さの
周期ドメイン反転構造が2つ形成されるとすると、各周
期ドメイン反転構造はそれぞれ2mmと短くなる。
【0029】したがって、固体レーザービームと周期ド
メイン反転構造との相互作用長を長く確保して高い波長
変換効率を得る上では、第2の半導体レーザー励起固体
レーザーの方が有利であると言える。なおこの点は、以
下に詳述する本発明の第3の半導体レーザー励起固体レ
ーザーと第1の半導体レーザー励起固体レーザーとを比
較した場合も同様である。
【0030】また、本発明による第3の半導体レーザー
励起固体レーザーにおいては、光波長変換素子として、
チャープ状の周期構造を有する周期ドメイン反転構造を
備えたものが用いられているので、この場合は固体レー
ザービームが通過する周期ドメイン反転構造の領域を選
択することにより、上記と同様にして光波長変換素子の
位相整合許容温度範囲が拡大する。
【0031】そして第2の半導体レーザー励起固体レー
ザーでは、周期ドメイン反転構造の周期が段階的に変え
られるのに対し、この第3の半導体レーザー励起固体レ
ーザーでは、周期ドメイン反転構造の周期が連続的に変
えられるので、常に高い波長変換効率を得ることができ
る。
【0032】この第3の半導体レーザー励起固体レーザ
ーでは、チャープ状の周期構造を有する周期ドメイン反
転構造が採用されているので、この固体レーザービーム
が通過する周期ドメイン反転構造の領域を選択するため
に、固体レーザービームと光波長変換素子とを、周期ド
メイン反転構造の周期が変化する方向に相対的に移動さ
せる必要がある。このような位置調整は、手操作で光波
長変換素子の配置位置を変える等して行なうこともでき
るが、上記相対的移動を行なう位置調整手段を有する治
具を設けておけば、位置調整が容易に行なわれ得る。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態
による半導体レーザー励起固体レーザーを示すものであ
る。この半導体レーザー励起固体レーザーは、励起光と
してのレーザービーム10を発する半導体レーザー11と、
発散光である上記レーザービーム10を集光する例えば屈
折率分布型レンズからなる集光レンズ13と、ネオジウム
(Nd)がドープされた固体レーザー媒質であるYAG
結晶(以下、Nd:YAG結晶と称する)14と、このN
d:YAG結晶14の前方側(図中右方側)に配された共
振器ミラー15と、Nd:YAG結晶14と共振器ミラー15
との間に配された光波長変換素子16、ブリュースター板
17およびエタロン18とを有している。
【0034】以上述べた要素14〜15は、例えば銅からな
る共通のマウント30に取り付けられ、このマウント30は
温度調節手段を構成するペルチェ素子31の上に固定され
ている。また半導体レーザー11と集光レンズ13もそれぞ
れ銅等からなるマウント32、33に取り付けられ、これら
のマウント32、33もペルチェ素子31の上に固定されてい
る。そして、図示しない温度調節回路によりペルチェ素
子31の駆動が制御されて、半導体レーザー11および固体
レーザー共振器(後述のようにNd:YAG結晶14およ
び共振器ミラー15によって構成される)内の要素が全て
共通の所定温度に制御される。
【0035】光波長変換素子16は、非線形光学材料であ
る、MgOがドープされたLiNbO3 結晶に周期ドメ
イン反転構造が設けられてなるものである。ブリュース
ター板17は偏光制御素子として作用し、またエタロン18
は発振波長を単一化させる波長選択素子として作用す
る。
【0036】半導体レーザー11は、波長 808nmのレー
ザービーム10を発するものが用いられている。Nd:Y
AG結晶14は、上記レーザービーム10によってネオジウ
ムイオンが励起されることにより、波長 946nmの光を
発する。そしてNd:YAG結晶14の後方端面14aと共
振器ミラー15のミラー面15aとで構成される共振器によ
りレーザー発振が引き起こされて、波長 946nmの固体
レーザービーム20が得られる。このレーザービーム20は
光波長変換素子16に入射して、波長が1/2すなわち 4
73nmの第2高調波21に変換される。
【0037】共振器ミラー15のミラー面15aには、励起
光であるレーザービーム10および固体レーザービーム20
は高反射率で反射し、第2高調波21は一部透過させるコ
ートが施されており、したがってこの共振器ミラー15か
らはほぼ第2高調波21のみが出射する。
【0038】ここで図2に概略形状を示すように光波長
変換素子16は、ドメイン反転部16Dが周期的に繰り返す
ように形成されてなる周期ドメイン反転構造を有するも
のであるが、ドメイン反転部16Dの周期が互いに異なる
2つの周期ドメイン反転構造16aおよび16bを備えてい
る。第1の周期ドメイン反転構造16a、第2の周期ドメ
イン反転構造16bはそれぞれ、ドメイン反転部16Dの周
期が4.759μm、4.765μmとされたものであり、それら
は固体レーザービーム20の通過方向(つまりドメイン反
転部16Dの並び方向)に並べて配されている。
【0039】なお、本例において光波長変換素子16の素
子長は4mmであり、第1の周期ドメイン反転構造16
a、第2の周期ドメイン反転構造16bの長さはそれぞれ
素子長の半分の2mmとされている。
【0040】上記の構成において、第1の周期ドメイン
反転構造16a、第2の周期ドメイン反転構造16bの位相
整合温度はそれぞれ22℃、28℃である。すなわち、先に
説明した図3に即して説明すれば、T1 =22℃、T2
28℃である。そしてこの場合、ΔT1 =約3℃、ΔT2
=約3℃であるので、図3に破線aで示す位相整合温度
許容範囲を示すようになり、22℃から28℃までの範囲全
域に亘ってほぼ最大の波長変換効率が得られる。また19
℃から31℃までの範囲において最大波長変換効率の1/
2以上の波長変換効率が得られることになる。
【0041】つまり本例においては、最大波長変換効率
の1/2以上の波長変換効率を得る上での光波長変換素
子16の位相整合許容温度範囲は、従来の周期一定の構造
の場合の6℃と比べて2倍の12℃と広くなる。半導体レ
ーザー11の発振波長の温度依存性は0.3nm/℃である
ので、その発振波長許容幅は0.3nm×12=3.6nmとな
り、概ね 808±1.8nmと広い発振波長範囲の半導体レ
ーザー11が使用可能となる。発振波長許容幅がこのよう
に大きければ半導体レーザー11の選択の自由度は十分に
高くなり、そこから、半導体レーザー励起固体レーザー
のコストダウンが実現される。
【0042】以上により本実施形態では、19℃から31℃
の間で高出力の第2高調波21が得られる。その温度範囲
内でNd:YAG結晶14の吸収帯に合う半導体レーザー
波長は、806.2nm〜809.8nmとなる。発振波長809.8
nmの半導体レーザー11を用い、ペルチェ素子31で半導
体レーザー11および固体レーザー共振器を20℃に温度調
節することにより、Nd:YAG結晶14の吸収帯に半導
体レーザー波長をほぼ合わせることができ、かつ光波長
変換素子16の位相整合許容温度範囲に入るので、高効率
の波長変換が実現できる。具体的には、半導体レーザー
11の出力を500mWとしたとき、3mWの第2高調波
出力を得ることができる。
【0043】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。この第2の実施形態の半導体レーザー励起固体
レーザーは、図1に示した第1実施形態の装置におい
て、光波長変換素子16が図4に概略平面形状を示す光波
長変換素子40に代えられた形のものであり、その他の点
は基本的に第1実施形態と同様である。なお図4におい
て、図1中の要素と同等の要素には同番号を付してあ
り、それらについての重複した説明は省略する(以下、
同様)。
【0044】図4の光波長変換素子40は、MgOがドー
プされたLiNbO3 結晶にチャープ状の周期構造を有
する周期ドメイン反転構造が形成されてなるものであ
る。すなわち、ドメイン反転部40Dの周期は、最も短周
期の部分(図中最下方の部分)において4.759μm、最
も長周期の部分(図中最上方の部分)において4.765μ
mとされており、それらの間の部分では周期が連続的に
変化している。このときの素子長は4mmとした。
【0045】この光波長変換素子40は、位置調整台41に
仮固定されている。この位置調整台41は、マウント49に
固定された2本のレール42、43に係合されて、それらに
沿って矢印A方向、つまり固体レーザービーム20の通過
方向に直角な方向に移動自在とされている。またマウン
ト49の上には1対の軸受け44、45が固定され、これらの
軸受け44、45には、上記レール42、43と平行に配された
精密ネジ46が回転自在に支承されている。この精密ネジ
46は、位置調整台41に固定された雌ネジ部47に螺合さ
れ、またその一端には調整ツマミ48が固定されている。
【0046】したがって、調整ツマミ48を回して精密ネ
ジ46を回転させると、雌ネジ部47が螺進退する。それに
より位置調整台41を、つまりは光波長変換素子40を上記
矢印A方向に微小量ずつ移動させることができる。この
調整後、光波長変換素子40はマウント30(図3参照)に
接着固定され、調整ステージ類は取り除かれる。
【0047】このように光波長変換素子40を移動させる
ことにより、固体レーザービーム20が通過する周期ドメ
イン反転構造の領域を、周期4.759μmの領域から周期
4.765μmの領域の間で連続的に変えることができる。
そこでこの場合も、基本的に第1実施形態におけるのと
同様の効果が得られる。
【0048】しかもこの第2の実施形態においては、固
体レーザービーム20が通過する周期ドメイン反転構造の
周期を4.759μmから4.765μmの間で連続的に変えるこ
とができるので、常に最高の波長変換効率を得ることが
できる。本実施形態では、半導体レーザー11の出力を5
00mWとしたとき、10mWの第2高調波出力が得ら
れた。
【0049】次に、本発明の第3の実施形態について説
明する。この第3の実施形態の半導体レーザー励起固体
レーザーは、図1に示した第1実施形態の装置におい
て、光波長変換素子16が図5に概略平面形状を示す光波
長変換素子50に代えられた形のものであり、その他の点
は基本的に第1実施形態と同様である。
【0050】図5の光波長変換素子50は、MgOがドー
プされたLiNbO3 結晶に、3つの周期ドメイン反転
構造50a、50bおよび50cが形成されてなるものであ
る。これらの周期ドメイン反転構造50a、50bおよび50
cにおいて、ドメイン反転部50Dの周期はそれぞれ、4.
759μm、4.762μmおよび4.765μmとされている。そ
してこれらの周期ドメイン反転構造50a、50bおよび50
cは、固体レーザービーム20の通過方向と直角な方向
(矢印A方向)に並べられている。
【0051】なお、周期ドメイン反転構造50a、50bお
よび50cの位相整合温度は、それぞれ22℃、25℃および
28℃である。
【0052】この光波長変換素子50は、例えば図4に示
した位置調整台41等からなる位置調整手段により、上記
矢印A方向に微小量ずつ移動されるようになっている。
それにより、周期ドメイン反転構造50a、50bおよび50
cの中から1つを選択して、その選択された周期ドメイ
ン反転構造に固体レーザービーム20を入射させることが
できる。そこで本実施形態においても、基本的に第1実
施形態におけるのと同様の効果が得られる。
【0053】またこの第3実施形態では、3つの周期ド
メイン反転構造50a、50bおよび50cを、ほぼ光波長変
換素子50の全長に亘って形成可能である。したがって、
第1実施形態と比較すると、光波長変換素子の素子長が
共通であれば、固体レーザービームと周期ドメイン反転
構造の実効的な相互作用長はこの第3実施形態の方がよ
り長くなる。そこで、高い波長変換効率を得る上では、
第1実施形態よりもこの第3実施形態の方が有利とな
り、約4倍の波長変換効率を得ることができる。
【0054】なお光波長変換素子50に形成する、互いに
周期が異なる周期ドメイン反転構造の数は、本実施形態
における3つに限られるものではなく、2つ、あるいは
4つ以上の周期ドメイン反転構造が形成されてもよい。
これは第1実施形態においても同様であり、互いに周期
の異なる3つ以上の周期ドメイン反転構造が固体レーザ
ービーム20の通過方向に並設されてもよい。
【0055】次に図6を参照して、本発明の第4の実施
形態について説明する。この第4の実施形態の半導体レ
ーザー励起固体レーザーは、図1に示した第1実施形態
の装置において、Nd:YAG結晶14および光波長変換
素子16が図7に概略平面形状を示す光波長変換素子60に
代えられ、そしてブリュースター板17が省かれた形のも
のであり、その他の点は基本的に第1実施形態と同様で
ある。
【0056】図7の光波長変換素子60は、NdおよびM
gOがドープされたLiNbO3 結晶(Nd:MgO:
LiNbO3 結晶)にチャープ状の周期構造を有する周
期ドメイン反転構造が形成されてなるものであり、一例
として厚さ0.5mmに形成されている。この場合、ドメ
イン反転部60Dの周期は、最も短周期の部分は22℃で位
相整合する周期、最も長周期の部分は28℃で位相整合す
る周期とされており、それらの間の部分では周期が連続
的に変化している。
【0057】上記Nd:MgO:LiNbO3 結晶は、
固体レーザー媒質としても、また第2高調波を発生する
光波長変換素子としても作用するいわゆるセルフダブリ
ング結晶である。このNd:MgO:LiNbO3 結晶
から形成された光波長変換素子60は、半導体レーザー11
から発せられた波長811nmのレーザービーム10により
励起されて波長1085nmの固体レーザービーム20を発生
し、それを自身で波長543nmの第2高調波21に変換す
る。
【0058】この場合も、第2実施形態と同様に光波長
変換素子60は、固体レーザービーム20の通過方向と交わ
る方向に微小量ずつ移動されるようになっている。その
ような移動のためには、例えば図4に示した位置調整台
41等からなる位置調整手段を適用すればよい。
【0059】上述のように光波長変換素子60を位置調整
移動させて、固体レーザービーム20が通過する周期ドメ
イン反転構造の領域を選択すれば、第2実施形態と同様
の効果が得られる。具体的にこの構成においては、半導
体レーザー11の出力を2Wとしたとき、500mWの第
2高調波出力を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による半導体レーザー励
起固体レーザーを示す側面図
【図2】図1の半導体レーザー励起固体レーザーに用い
られた光波長変換素子を示す概略平面図
【図3】2つの周期ドメイン反転構造における温度と波
長変換効率との関係を示すグラフ
【図4】本発明の第2実施形態による半導体レーザー励
起固体レーザーに用いられた光波長変換素子およびその
位置調整手段を示す概略平面図
【図5】本発明の第3実施形態による半導体レーザー励
起固体レーザーに用いられた光波長変換素子を示す概略
平面図
【図6】本発明の第4実施形態による半導体レーザー励
起固体レーザーを示す側面図
【図7】図6の半導体レーザー励起固体レーザーに用い
られた光波長変換素子を示す概略平面図
【符号の説明】
10 レーザービーム(励起光) 11 半導体レーザー 13 集光レンズ 14 Nd:YAG結晶 15 共振器ミラー 16 光波長変換素子 16D ドメイン反転部 16a、16b 周期ドメイン反転構造 17 ブリュースター板 18 エタロン 20 レーザービーム(固体レーザービーム) 21 第2高調波 30、32、33 マウント 31 ペルチェ素子 40 光波長変換素子 40D ドメイン反転部 41 位置調整台 42、43 レール 44、45 軸受け 46 精密ネジ 47 雌ネジ部 48 調整ツマミ 49 マウント 50 光波長変換素子 50D ドメイン反転部 50a、50b、50c 周期ドメイン反転構造 60 光波長変換素子 60D ドメイン反転部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共振器内に固体レーザービームを波長変
    換する周期ドメイン反転構造を有する光波長変換素子が
    配され、 この光波長変換素子と、励起源である半導体レーザーと
    が共通の温度調節手段によって所定温度に制御される半
    導体レーザー励起固体レーザーにおいて、 前記光波長変換素子として、互いに周期が異なる複数の
    周期ドメイン反転構造を前記固体レーザービームの通過
    方向に並べて有するものが用いられたことを特徴とする
    半導体レーザー励起固体レーザー。
  2. 【請求項2】 共振器内に固体レーザービームを波長変
    換する周期ドメイン反転構造を有する光波長変換素子が
    配され、 この光波長変換素子と、励起源である半導体レーザーと
    が共通の温度調節手段によって所定温度に制御される半
    導体レーザー励起固体レーザーにおいて、 前記光波長変換素子として、互いに周期が異なる複数の
    周期ドメイン反転構造を前記固体レーザービームの通過
    方向と交わる方向に並べて有するものが用いられたこと
    を特徴とする半導体レーザー励起固体レーザー。
  3. 【請求項3】 前記固体レーザービームと前記光波長変
    換素子とを、前記固体レーザービームの通過方向と交わ
    る方向に相対的に移動させて、この固体レーザービーム
    が通過する周期ドメイン反転構造を選択したことを特徴
    とする請求項2記載の半導体レーザー励起固体レーザ
    ー。
  4. 【請求項4】 共振器内に固体レーザービームを波長変
    換する周期ドメイン反転構造を有する光波長変換素子が
    配され、 この光波長変換素子と、励起源である半導体レーザーと
    が共通の温度調節手段によって所定温度に制御される半
    導体レーザー励起固体レーザーにおいて、 前記光波長変換素子として、チャープ状の周期構造を有
    する周期ドメイン反転構造を備えたものが用いられたこ
    とを特徴とする半導体レーザー励起固体レーザー。
  5. 【請求項5】 前記固体レーザービームと前記光波長変
    換素子とを、前記固体レーザービームの通過方向と交わ
    る方向に相対的に移動させて、この固体レーザービーム
    が通過する周期ドメイン反転構造の領域を選択したこと
    を特徴とする請求項4記載の半導体レーザー励起固体レ
    ーザー。
  6. 【請求項6】 前記光波長変換素子が、固体レーザービ
    ームを第2高調波に変換するものであることを特徴とす
    る請求項1から5いずれか1項記載の半導体レーザー励
    起固体レーザー。
  7. 【請求項7】 前記光波長変換素子を含む共振器の部分
    が全体的に前記温度調節手段によって所定温度に制御さ
    れることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載
    の半導体レーザー励起固体レーザー。
  8. 【請求項8】 前記光波長変換素子が、LiNbx Ta
    1-x3 (0≦x≦1)結晶、またはそれにMgOもし
    くはZnOがドープされた結晶に周期ドメイン反転構造
    が形成されてなるものであることを特徴とする請求項1
    から7いずれか1項記載の半導体レーザー励起固体レー
    ザー。
  9. 【請求項9】 固体レーザー結晶として、第2高調波を
    発生する光波長変換素子としても作用するセルフダブリ
    ング結晶が用いられたことを特徴とする請求項1から8
    いずれか1項記載の半導体レーザー励起固体レーザー。
  10. 【請求項10】 前記セルフダブリング結晶が、MgO
    とNdとがドープされたLiNbO3に結晶に周期ドメ
    イン反転構造が形成されてなるものであることを特徴と
    する請求項9記載の半導体レーザー励起固体レーザー。
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